(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053193
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】インテリアボックス
(51)【国際特許分類】
A47B 85/00 20060101AFI20240408BHJP
A47B 87/02 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
A47B85/00
A47B87/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159291
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】594149608
【氏名又は名称】有限会社アトズム
(74)【代理人】
【識別番号】100093986
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 雅男
(72)【発明者】
【氏名】脇屋 正則
【テーマコード(参考)】
3B260
【Fターム(参考)】
3B260AA02
3B260AB02
3B260AB04
3B260AB07
3B260BB02
3B260BC01
3B260BD01
3B260BD02
3B260BF01
(57)【要約】
【課題】災害等の非常時には給水タンクとして使用可能なインテリアボックスの提供を目的とする。
【解決手段】硬質板材からなる壁面部材1を相互に分離不能に接合して直方体形状に形成され、いずれかの壁面に開設された給排水開口2を介して外部に連通する耐漏水性を有する貯水空間3を内部に備えたボックス本体4と、
前記ボックス本体4の壁面に固着されて前記給排水開口2を閉塞する閉塞部材5とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質板材からなる壁面部材を相互に分離不能に接合して直方体形状に形成され、いずれかの壁面に開設された給排水開口を介して外部に連通する耐漏水性を有する貯水空間を内部に備えたボックス本体と、
前記ボックス本体の壁面に固着されて前記給排水開口を閉塞する閉塞部材とを有するインテリアボックス。
【請求項2】
前記壁面部材が木材により形成される請求項1記載のインテリアボックス。
【請求項3】
前記閉塞部材は片面に粘着層を備えて薄板状に形成され、粘着層においてボックス本体の壁面に粘着して前記給排水開口を閉塞する請求項1または2記載のインテリアボックス。
【請求項4】
前記ボックス本体は、最小面積を有する壁面を底面として自立可能に形成される請求項1または2記載のインテリアボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インテリアボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
適宜形状をした単体を積み重ねる等して生活空間を彩るインテリアボックスとしては、特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
この従来例において、インテリアボックスは、室内等の生活空間を彩るインテリアとして機能のみに特化したもので、他の付加的な機能を有するものではない。
【0004】
一方、近時、災害時の水、とりわけトイレ用の水等、飲料水以外の用途に使用される水の各戸での確保の必要性が指摘されるに至っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明、以上の事情の下、インテリアボックに貯水機能を付加することにより、平時においてはインテリア用品として、災害等の非常時には給水タンクとして使用可能なインテリアボックスの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば上記目的は、
硬質板材からなる壁面部材1を相互に分離不能に接合して直方体形状に形成され、いずれかの壁面に開設された給排水開口2を介して外部に連通する耐漏水性を有する貯水空間3を内部に備えたボックス本体4と、
前記ボックス本体4の壁面に固着されて前記給排水開口2を閉塞する閉塞部材5とを有するインテリアボックスを提供することにより達成される。
【0008】
インテリアボックス(B)は内部に水を蓄えることのできる貯水空間3を備えており、壁面に開設した給排水口から貯水空間3に水を入れて閉塞部材5を閉めると、貯水タンクとして機能し、非常時には貯水空間3内の貯水を取り出して、トイレを流す水等に使用することができる。
【0009】
また、ボックス本体4は硬質板材からなる壁面部材1を相互に分離不能に接合して形成されているために、例えば、一部を蓋体として開閉可能に構成する場合に比して開閉部への余分なシール等を配置する必要がなく、コスト低減を図ることが可能になり、その上、経年劣化による漏水、あるいは利用者の誤った操作による水漏れ等も効果的に防止することができる。
【0010】
さらに、壁面部材1は硬質部材により形成され、剛性を有するために、保型性に優れ、水を入れた状態でも当初形状を保持することが可能であり、さらに、適度の強度をもたせた場合には、床面6に敷いてインテリア床材として、あるいは積み重ねてスツールにする等、荷重がかかる使用法も可能であり、利用者の好みにより小型家具としても使用することができる。
【0011】
壁面部材1には木材を使用することができ、この場合、強度に加え、木目等の意匠的効果も期待できる。
【0012】
また、閉塞部材5は、防水性を有する材料により薄板状、あるいはシート状に形成して壁面部材1に粘着させることができ、災害時には剥離して給排水開口2を開放することも可能である。
【0013】
また、立方体を含む直方体形状に形成されるボックス本体4の大きさは適宜に決定可能であるが、屋内での移動、姿勢変更等の設置操作が容易で、かつ、適度の貯水容量を確保することができる程度の大きさに設定される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、平時においてはインテリア用品として、災害等の非常時には給水タンクとして使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)の1B方向矢視図、(c)は正面図である。
【
図2】本発明の断面図であり、(a)は
図1(a)の2A-2A線断面図、(b)は
図2(a)の2B部拡大図である。
【
図3】本発明の使用状態を示す説明図で、(a)、(b)はスツールを形成した状態を示す図、(c)はインテリア床を形成した状態を示す図、(d)は小物棚を形成した状態を示す図、(e)は仕切り板を形成した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1以下に示すように、本発明のインテリアボックス(B)は、壁面部材1として使用される板厚20(mm)程度の木材を接合して外寸で400(mm)×400(mm)×110(mm)程度の直方体形状に形成され、内部には8リットル程度の貯水空間3が形成される。
【0017】
貯水空間3は、外部に水がもれない耐漏水性能を有しており、耐漏水性能を保持するために、壁面部材1は防水性を有する接着剤により相互に分離不能に接合される。また、壁面部材1の内壁面(貯水空間3の周壁を形成する面)には予め耐水性の塗装処理が施される。
【0018】
以上のように密閉状に形成される貯水空間3は、壁面部材1に開設される給排水開口2を介して外部に開放される。給排水開口2は、貯水空間3への給排水の操作性を考慮して適宜大きさに形成され、本例では、直径30(mm)程度の大きさに形成される。また、給排水開口2の設置位置は適宜位置に設定することができるが、本例においては、長方形の壁面の一側部に開設される。
【0019】
上記給排水開口2を閉塞して貯水空間3内を密閉するための閉塞部材5は、栓状のものを使用することも可能であるが、本例においては、栓を使用することによる栓周りの防水処理のための構造の複雑化、栓の着脱による操作性の低下を避けるために、板状に形成され、裏面に設けた粘着層により壁面に固着して装着される。
【0020】
また、本例において、装着後の壁面からの突出高さを低くするために、閉塞部材5は、直径60(mm)、板厚が0.3(mm)から1(mm)程度の薄板材が使用される。
【0021】
したがって本例において、まず、貯水空間3内に水を入れた状態で閉塞部材5を装着すると、貯水空間3には約8(リットル)の水をこぼれることなく貯留することができる。このインテリアボックス(B)は壁面が木材で形成され、適宜の強度を有するために、単数、あるいは複数を組み合わせて室内等のインテリアとして利用することができ、災害等の発生時には、閉塞部材5を剥離して貯水空間3内の水をトイレ用排水等、飲料以外の用途に使用することができる。
【0022】
図3はインテリアとして利用した一例を示すもので、(a)は床面6に横置きした複数のインテリアボックス(B)を複数個積み重ねてスツール、あるいは物を置く台に使用する場合、(b)は縦置きの2個のインテリアボックス(B)を頂部間に横置きのインテリアボックス(B)を架設してスツール等として使用する場合を示す。
【0023】
また、
図3(c)は床面6上に横置きのインテリアボックス(B)を複数個横方向に並べてインテリア床を形成した場合、(d)は床面6上に縦置きのインテリアボックス(B)を複数個横方向に並べて小物棚を形成した場合、(e)は床面6上に縦置きのインテリアボックス(B)を適宜間隔で配置し、本等の物を立て掛けて収納する際の仕切り板として使用する場合が示されている。
【符号の説明】
【0024】
1 壁面部材
2 給排水開口
3 貯水空間
4 ボックス本体
5 閉塞部材
B インテリアボックス