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特開2024-53202情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053202
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0279 20230101AFI20240408BHJP
   G06Q 20/00 20120101ALI20240408BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240408BHJP
   G06F 16/906 20190101ALI20240408BHJP
【FI】
G06Q30/02 460
G06Q20/00
G06Q50/10
G06F16/906
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159303
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩間 遥
【テーマコード(参考)】
5B175
5L020
5L049
5L050
5L055
【Fターム(参考)】
5B175FA03
5L020AA00
5L049CC11
5L050CC11
5L055AA00
(57)【要約】
【課題】現在、クレジットカードやデビットカード、電子マネーなどの決済手段による決済額や発生ポイントの一部を寄付するサービスがある。しかしながら、ユーザは画一的な「自分らしさ」を持っているわけではなく、例えば、仕事中の自分、家族の前での自分、趣味を楽しむ自分など、様々な「自分らしさ」を使い分けて生活をしている。そのため、1人のユーザであっても、その時の「自分らしさ」に応じて、寄付先や寄付額を選択して場合もある。
【解決手段】コンピュータが、人物を所定の類型に分類する1つまたは複数のペルソナをユーザに設定し、ユーザに設定されたペルソナに基づいて、ユーザの決済手段による寄付の利用パターンを決定する処理を実行する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人物を所定の類型に分類する1つまたは複数のペルソナをユーザに設定し、
前記ユーザに設定された前記ペルソナに基づいて、前記ユーザの決済手段による寄付の利用パターンを決定する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項2】
前記利用パターンを決定する処理は、
前記ユーザに設定された前記ペルソナに基づいて、前記決済手段による決済額に対する寄付先および寄付額の少なくとも1つを決定する
処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記利用パターンを決定する処理は、
前記ユーザに設定された前記ペルソナに基づいて、前記決済手段による発生ポイントに対する寄付先および寄付ポイントの少なくとも1つを決定する
処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記利用パターンを決定する処理は、前記決済手段の利用場所、および前記決済手段の利用商品または利用サービスの少なくとも1つにさらに基づくことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記決済手段は、クレジットカード、デビットカード、電子マネー、ポイント払い、キャリア決済、銀行口座払い、暗号資産払い、およびBNPL(Buy Now Pay Later)決済の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
所定の条件を満たすことをトリガーとして、前記条件に応じて、前記ユーザに設定される前記ペルソナを切り替える
処理を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記ペルソナ単位で物理的または論理的に分かれてPDS(Personal Data Store)を設定して前記ペルソナに関するデータを記憶する処理を前記コンピュータにさらに実行させることを含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
人物を所定の類型に分類する1つまたは複数のペルソナをユーザに設定し、
前記ユーザに設定された前記ペルソナに基づいて、前記ユーザの決済手段による寄付の利用パターンを決定する
処理を実行する制御部を備えた情報処理装置。
【請求項9】
人物を所定の類型に分類する1つまたは複数のペルソナをユーザに設定し、
前記ユーザに設定された前記ペルソナに基づいて、前記ユーザの決済手段による寄付の利用パターンを決定する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、クレジットカードやデビットカード、電子マネーなどの決済手段による決済額や発生ポイントの一部を寄付するサービスがある。例えば、社会貢献を行いたいと考えるユーザは、決済額の一部を難民支援団体に寄付したり、映画好きのユーザは、映画の団体や資金プールに決済時の発生ポイントの半分を寄付したりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-105868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザは画一的な「自分らしさ」を持っているわけではなく、例えば、仕事中の自分、家族の前での自分、趣味を楽しむ自分など、様々な「自分らしさ」を使い分けて生活をしている。そのため、1人のユーザであっても、その時の「自分らしさ」に応じて、寄付先や寄付額を選択して場合もある。例えば、「自分らしさ」が家族の前での自分である時は、恵まれない子供達を支援する団体に寄付するが、趣味を楽しむ自分である時は、自分が好きなスポーツチームを応援する団体に寄付する場合もある。
【0005】
1つの側面では、ユーザに対してより適した、決済手段による寄付の利用パターンを決定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様において、情報処理プログラムは、人物を所定の類型に分類する1つまたは複数のペルソナをユーザに設定し、ユーザに設定されたペルソナに基づいて、ユーザの決済手段による寄付の利用パターンを決定する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0007】
1つの側面では、ユーザに対してより適した、決済手段による寄付の利用パターンを決定できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
図2図2は、本実施形態にかかる情報処理装置100の構成例を示す図である。
図3図3は、本実施形態にかかるペルソナデータ121に記憶される情報の一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態にかかる紐付けデータ122に記憶される情報の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態にかかるトリガーデータ123に記憶される情報の一例を示す図である。
図6図6は、本実施形態にかかる利用パターンデータ124に記憶される情報の一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態にかかる利用パターン決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、本実施形態にかかる利用パターン決定処理の流れの別例を示すフローチャートである。
図9図9は、本実施形態にかかる情報処理装置100のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本実施形態にかかる情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本実施形態が限定されるものではない。また、各実施例は、矛盾のない範囲内で適宜組み合わせることができる。
【0010】
[全体構成例]
まず、本実施形態にかかる情報処理システムについて説明する。図1は、本実施形態にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態にかかる情報処理システムは、情報処理装置100と、ユーザ端末200-1~n(以下、まとめて「ユーザ端末200」という)とがネットワークNを介して相互に通信可能に接続されるシステムである。なお、ネットワークNには、有線や無線を問わず、インターネットなどの各種通信網を採用できる。また、ネットワークNは、単一のネットワークではなく、例えば、インターネットとイントラネットとがゲートウェイなどネットワーク装置やその他の装置(図示せず)を介して構成されてよい。
【0011】
情報処理装置100は、例えば、ユーザ、すなわち人物を所定の類型に分類する1つまたは複数のペルソナをユーザに設定する。設定されるペルソナは、ユーザ端末200を介してユーザによって指定されたペルソナであってもよいし、例えば、ユーザのとったアクションなどに基づいて情報処理装置100からユーザに提示され、ユーザによって承諾されたペルソナであってもよい。
【0012】
また、情報処理装置100は、例えば、所定の条件を満たすことをトリガーとして、当該条件に応じて、ユーザに設定されるペルソナを切り替える。より具体的には、情報処理装置100は、例えば、平日の午前8時が到来したら、家族の前での自分というペルソナから、仕事中の自分というペルソナに切り替える。
【0013】
また、情報処理装置100は、例えば、ユーザに設定されたペルソナに基づいて、ユーザの決済手段による寄付の利用パターンを決定する。より具体的には、情報処理装置100は、ユーザに設定されたペルソナに基づいて、例えば、ユーザの決済手段による決済額や発生ポイントに対する寄付先および寄付額や寄付ポイントを決定する。なお、ユーザの決済手段とは、例えば、クレジットカードやデビットカード、電子マネー、ポイント払い、キャリア決済、銀行口座払い、暗号資産払い、BNPL(Buy Now Pay Later)決済などである。また、寄付には、例えば、投げ銭やチップとしての寄付が含まれてよい。また、寄付ポイントを決定することは、寄付ポイントの数や種類を決定することが含まれてよい。
【0014】
また、図1では、情報処理装置100を1台のコンピュータとして示しているが、例えば、複数台のコンピュータで構成される分散型コンピューティングシステムであってもよい。また、情報処理装置100は、例えば、クラウドコンピューティングサービスを提供するサービス提供者によって管理されるクラウドコンピュータであってもよい。
【0015】
ユーザ端末200は、各ユーザが利用する情報処理端末である。ユーザ端末200は、スマートフォンやタブレットPC(Personal Computer)などのモバイル端末であってもよいし、デスクトップPCやノートPCなどであってもよい。ユーザは、ユーザ端末200を介して、情報処理装置100などによって提供されるサービスを受けることができる。当該サービスの提供は、例えば、情報処理装置100などによって提供されるWebサイトやWebアプリケーションを介して受けることもできるし、情報処理装置100などから提供されるアプリケーションを予めダウンロードおよびインストールして受けることもできる。また、ユーザは、ユーザ端末200を介して、情報処理装置100などによって提供されるWebサイトやアプリケーションを介して、設定されるペルソナを指定したり、情報処理装置100から提示されたペルソナの設定承諾を行ったりすることができる。また、ユーザは、ユーザ端末200を介して、購入商品や利用サービスなどの決済処理を実行できる。なお、決済処理はユーザ端末200を介して実行されなくてもよく、例えば、POS(Point Of Sales)レジ端末などを介して実行されてもよい。この場合は、図1に示す情報処理システムに、POSレジ端末や、クレジットカード会社など決済サービス提供者側のサーバコンピュータなどが含まれてよい。
【0016】
[情報処理装置100の機能構成]
次に、本実施形態の動作主体となる情報処理装置100の機能構成について説明する。図2は、本実施形態にかかる情報処理装置100の構成例を示す図である。図2に示すように、情報処理装置100は、通信部110、記憶部120、および制御部130を有する。
【0017】
通信部110は、ユーザ端末200など、他の装置との間の通信を制御する処理部であり、例えば、ネットワークインタフェースカードなどの通信インタフェースである。
【0018】
記憶部120は、各種データや、制御部130が実行するプログラムを記憶する記憶装置の一例であり、例えば、メモリやハードディスクなどである。記憶部120は、ペルソナデータ121、紐付けデータ122、トリガーデータ123、および利用パターンデータ124を記憶する。
【0019】
ペルソナデータ121は、例えば、ユーザ、すなわち人物を所定の類型に分類するペルソナに関する情報を記憶するデータテーブルである。図3は、本実施形態にかかるペルソナデータ121に記憶される情報の一例を示す図である。図3に示すように、ペルソナデータ121の一例は、「ペルソナID、類型1~3」などの各データを対応付けて記憶する。
【0020】
ペルソナデータ121の「ペルソナID」には、例えば、ペルソナを一意に識別するための識別子が設定される。また、「類型1~3」には、例えば、ユーザを分類する類型が設定される。なお、図3の例では、1つのペルソナに対し「類型1~3」と3つの類型が示されているが、ペルソナデータ121に記憶される類型の数は3つに限定されず、3つより少なくても多くてもよい。また、図3に示すように、「類型1~3」の全てにデータが設定されなくてもよい。また、「類型1~3」に設定される類型は、例えば、ユーザがユーザ端末200を介して自由にカスタマイズできる。また、ユーザは、例えば、ユーザ端末200を介して新たなペルソナを作成できる。そのため、類型の一部または全てが重複するペルソナが作成されることはあり得る。また、図3の例では、複数のペルソナを1つのペルソナデータ121に記憶しているが、例えば、ペルソナ単位で物理的または論理的に分かれてPDS(Personal Data Store)が存在してよい。このようにペルソナデータを分けてPDSで管理することにより、ペルソナデータをセキュアに管理したり、データ移行や連携をより効率的に行ったりすることができる。より具体的には、例えば、ペルソナデータがPDS単位で分かれているため、データ漏洩や不正アクセスがPDS単位となり、被害が抑えられる可能性がある。また、ペルソナデータおよびやこれに紐付くデータの移行や連携をPDS単位で行うことができるため、移行や連携が不要なデータを含んだペルソナデータ全体を処理する場合と比較して、処理負荷を軽減させたり、処理時間を短縮させたりすることができる。また、不要なペルソナデータの削除もPDS単位で行うことができるため、不要なペルソナデータやこれに紐付くデータを他のペルソナで利用されているかなどの確認作業が不要になり、より安全かつ効率よく不要データを削除できる。
【0021】
図2の説明に戻り、紐付けデータ122は、例えば、ユーザとペルソナとの紐付けに関する情報を記憶するデータテーブルである。ユーザとペルソナとが紐付けられることにより、ユーザに対してペルソナが設定されることになる。図4は、本実施形態にかかる紐付けデータ122に記憶される情報の一例を示す図である。図4に示すように、紐付けデータ122の一例は、「ユーザID、ペルソナID」などの各データを対応付けて記憶する。
【0022】
紐付けデータ122の「ユーザID」には、例えば、ユーザを一意に識別するための識別子が設定される。また、「ペルソナID」には、例えば、ユーザに設定されたペルソナを一意に識別するための識別子が設定される。なお、1ユーザに複数のペルソナを設定できるため、図4に示すように、同一のユーザIDに複数の異なるペルソナIDが設定可能である。このように、ユーザに設定されるペルソナは1つまたは複数であってよい。また、異なるユーザに同一のペルソナを設定することもできるため、図4のペルソナID=99のように、異なるユーザIDに同一のペルソナIDが紐付けられることはあり得る。また、紐付けデータ122の「ペルソナID」に、ペルソナデータ121の「ペルソナID」と同一の識別子を設定することにより、両データを関連付けることができる。なお、紐付けデータ122に記憶されるデータは、例えば、ユーザ端末200を介してユーザによってペルソナが設定された際に作成されてよい。
【0023】
図2の説明に戻り、トリガーデータ123は、例えば、ユーザに設定されるペルソナを切り替えるためのトリガーに関する情報を記憶するデータテーブルである。図5は、本実施形態にかかるトリガーデータ123に記憶される情報の一例を示す図である。図5に示すように、トリガーデータ123の一例は、「トリガーID、ユーザID、条件1、条件2、切り替えペルソナID、有効期間」などの各データを対応付けて記憶する。
【0024】
トリガーデータ123の「トリガーID」には、例えば、ユーザに設定されるペルソナを切り替えるためのトリガーを一意に識別するための識別子が設定される。また、「ユーザID」には、例えば、ユーザを一意に識別するための識別子が設定される。また、「条件1」および「条件2」には、例えば、ユーザに設定されるペルソナを切り替えるための各条件が設定される。なお、図5の例では、1つのトリガーに対し「条件1」および「条件2」と2つの条件が示されているが、トリガーデータ123に記憶される条件の数は2つに限定されず、2つより少なくても多くてもよい。また、例えば、「条件1」および「条件2」にそれぞれ条件が設定され、1つのトリガーに対し複数の条件が設定されている場合、複数の条件の全てを満たす場合にペルソナが切り替えられてよい。
【0025】
また、トリガーデータ123の「切り替えペルソナID」には、例えば、「条件1」および「条件2」などに設定された条件を満たす場合に切り替えられるペルソナを一意に識別するための識別子が設定される。なお、「切り替えペルソナID」に、ペルソナデータ121や紐付けデータ122の「ペルソナID」と同一の識別子を設定することにより、各データを関連付けることができる。また、「有効期間」には、例えば、切り替えたペルソナの有効期間が設定される。これにより、例えば、情報処理装置100は、「有効期間」に設定された有効期間を経過した場合は、切り替えたペルソナを元のペルソナに戻すことなどができる。また、図5の切り替えペルソナID=99のように、異なるユーザで同一のペルソナに切り替えることもできる。この場合、図5に示すように、「条件1」および「条件2」などには、ユーザ間でペルソナの切り替え条件が異なるようにデータが設定されてよい。また、トリガーデータ123に、トリガーの重みや優先度を記憶し、複数のトリガーの条件が満たされた場合に、重みや優先度がより高い方のペルソナに切り替えられるように制御されてもよい。
【0026】
図2の説明に戻り、利用パターンデータ124は、例えば、ペルソナに基づいて決定される、ユーザの決済手段による寄付の利用パターンに関する情報を記憶するデータテーブルである。図6は、本実施形態にかかる利用パターンデータ124に記憶される情報の一例を示す図である。図6に示すように、利用パターンデータ124の一例は、「ペルソナID、ユーザID、決済手段、決済カテゴリ1、決済カテゴリ2、・・・、寄付先、寄付額」などの各データを対応付けて記憶する。
【0027】
利用パターンデータ124の「ペルソナID」には、例えば、ユーザに設定されるペルソナを一意に識別するための識別子が設定される。利用パターンデータ124の「ペルソナID」にも、ペルソナデータ121や紐付けデータ122の「ペルソナID」と同一の識別子を設定することにより、各データを関連付けることができる。また、「ユーザID」には、例えば、ユーザを一意に識別するための識別子が設定される。また、「決済手段」には、例えば、対象のユーザの保有する決済手段が設定される。
【0028】
また、「決済カテゴリ1」および「決済カテゴリ2」には、例えば、対象のユーザの決済手段による寄付の利用パターンを決定する他の要素が設定される。より具体的には、図6に示すように、例えば、「決済カテゴリ1」に決済手段の利用場所、および「決済カテゴリ2」に決済手段の利用商品または利用サービスが設定される。なお、図6の例では、「決済カテゴリ1」および「決済カテゴリ2」と2つの決済カテゴリが示されているが、利用パターンデータ124に記憶される条件の数は2つに限定されず、2つより少なくても多くてもよい。また、図6に示すように、「決済カテゴリ1」および「決済カテゴリ2」にデータが設定されなくてもよい。
【0029】
また、「寄付先」には、例えば、寄付先を示す団体が設定される。なお、図6の例では、便宜上、「寄付先」に寄付先の団体名などの名称が設定されているが、利用パターンデータ124には、寄付先の情報として寄付先の名称の他、寄付先を一意に示す識別子や、寄付先の住所や口座情報など寄付先に関連する情報などが含まれてよい。
【0030】
また、「寄付額」には、例えば、寄付額や寄付ポイントが設定される。図6に示すように、「寄付額」には、例えば、寄付額や寄付ポイントとする、決済額や発生ポイントに対する割合が設定されてよい。
【0031】
また、異なるユーザに同一のペルソナを設定することもできるため、図6のペルソナID=53のように、「決済手段」、「決済カテゴリ1」、「決済カテゴリ2」「寄付先」、「寄付額」などには、ユーザごとに寄付の利用パターンが異なるようにデータが設定されてよい。また、利用パターンデータ124に記憶されるデータは、例えば、ユーザがユーザ端末200を介して自由にカスタマイズできる。また、例えば、情報処理装置100から、ユーザに対し、ユーザ端末200を介して寄付先などがレコメンドされ、ユーザによって承諾された場合に、利用パターンデータ124に決済手段や寄付先などの情報が設定されてよい。
【0032】
図2の説明に戻り、なお、記憶部120は、ペルソナデータ121などの上記各データ以外にも様々なデータを記憶できる。また、各データのデータ項目は、図3~6を用いて示した内容に限定されない。
【0033】
制御部130は、情報処理装置100全体を司る処理部であり、例えば、プロセッサなどである。制御部130は、設定部131、切り替え部132、および決定部133を備える。なお、各処理部は、プロセッサが有する電子回路の一例やプロセッサが実行するプロセスの一例である。
【0034】
設定部131は、例えば、人物を所定の類型に分類する1つまたは複数のペルソナをユーザに設定する。設定されるペルソナは、ユーザ端末200を介してユーザによって指定されたペルソナであってよい。または、例えば、ユーザのとったアクションなどに基づいて決定部133により決定され、ユーザ端末200を介してユーザに提示され、ユーザによって承諾されたペルソナであってもよい。
【0035】
また、設定部131は、例えば、ペルソナ単位で物理的または論理的に分かれてPDSを記憶部120に設定してペルソナに関するデータをペルソナデータ121に記憶する。
【0036】
切り替え部132は、例えば、所定の条件を満たすことをトリガーとして、当該条件に応じて、ユーザに設定されるペルソナを切り替える。ここで、所定の条件を満たすことは、例えば、所定の時刻が到来すること、ユーザが利用するユーザ端末が所定の位置にいることが検出されること、ユーザ端末から所定範囲内に他のユーザが利用する他のユーザ端末があることが検出されること、ユーザが所定のアプリケーションまたはサービスを利用していることが検出されること、所定の情報を取得または受信することの少なくとも1つを満たすことを含む。ここで、他のユーザとは、ペルソナが設定されている、所定のアプリケーションやサービスを利用しているなど特定のユーザに限定されない。また、他のユーザ端末の検出は、例えば、GPS(Global Positioning System/Satellite)、Bluetooth(登録商標)、ビーコン、QRコード(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、AirTag(登録商標)などのスマートトラッカーなどによる検出が含まれてよい。また、所定の情報とは、例えば、所定の国や地域での天災発生などに関する情報、ユーザに関連する建造物の施錠の有無や照明のON/OFF状態などに関する情報、ユーザが応援などしている有名人やグループなどに関する情報、所定のイベントに関する情報、所定のブログの更新などに関する情報、EC(Electronic Commerce)サイトなどでの注文状況や注文商品の配送状況のなどに関する情報、ユーザの支持政党など政治に関する情報を含む。
【0037】
切り替え部132によるペルソナの切り替え方法をより具体的に説明すると、切り替え部132は、例えば、図5に示したような、ペルソナの切り替え条件と切り替えるペルソナとを対応付けて記憶するトリガーデータ123を用いて、当該切り替え条件を満たすことをトリガーとして、対応するペルソナに切り替える。また、上述したように、例えば、トリガーデータ123にトリガーの重みや優先度を記憶し、切り替え部132は、複数のトリガーの条件が満たされた場合、重みや優先度がより高い方のペルソナに切り替えることができる。なお、ペルソナを切り替える際、切り替え部132は、例えば、ユーザ端末200を介して切り替えるペルソナをユーザに提示し、ユーザが承諾した場合に切り替えてもよい。また、当然ながら、既に対象のペルソナに切り替えられていた場合は、所定の条件を満たしてもペルソナの切り替えを実行しなくてよいが、切り替えたペルソナに3時間など有効期間が設定されている場合は、有効期間を更新して延長してもよい。
【0038】
決定部133は、例えば、ユーザに設定されたペルソナに基づいて、ユーザの決済手段による寄付の利用パターンを決定する。なお、ユーザによる決済処理と、寄付の利用パターンの決定処理とが連続して実行されない場合、ユーザに設定されたペルソナは、ユーザによる決済処理の実行時に当該ユーザに設定されていたペルソナであってよい。そのため、情報処理装置100は、各決済処理の実行時にユーザに設定されていたペルソナを記憶部120に保持しておいてもよい。また、ユーザに設定されたペルソナには、ユーザに設定され、切り替え部132によって切り替えられたペルソナが含まれる。
【0039】
また、決定部133によって実行される、ユーザの決済手段による寄付の利用パターンを決定することは、例えば、ユーザの決済手段による決済額に対する寄付先および寄付額の少なくとも1つを決定することを含んでよい。または、例えば、ユーザの決済手段による発生ポイントに対する寄付先および寄付ポイントの少なくとも1つを決定することを含んでよい。また、ユーザの決済手段による寄付の利用パターンを決定する処理は、ユーザに設定されたペルソナの他、ユーザの決済手段の利用場所、および当該決済手段の利用商品または利用サービスの少なくとも1つにさらに基づいてよい。
【0040】
[処理の流れ]
次に、図7を用いて、情報処理装置100を動作主体として実行される利用パターン決定処理の流れを説明する。図7は、本実施形態にかかる利用パターン決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0041】
まず、図7に示すように、ユーザは、ユーザ端末200を介して、当該ユーザを所定の類型に分類する1つまたは複数のペルソナを指定する(ステップS101)。なお、当該ペルソナの指定は、例えば、ユーザのとったアクションなどに基づいて情報処理装置100によって決定され、ユーザ端末200を介してユーザに提示されたペルソナを、ユーザが承諾することであってもよい。
【0042】
次に、ユーザ端末200は、ステップS101で指定されたペルソナを情報処理装置100に送信する(ステップS102)。なお、ここで送信されるペルソナとは、例えば、ステップS101で指定されたペルソナの識別子など、当該ペルソナに関するデータであってよい。また、ステップS102では、ユーザの識別子などのデータが併せて送信されてよい。
【0043】
次に、情報処理装置100は、例えば、ユーザ端末200からペルソナを受信していない場合(ステップS103:No)、ペルソナの受信を待つ。一方、ペルソナを受信した場合(ステップS103:Yes)、情報処理装置100は、例えば、受信したペルソナに基づいて、紐付けデータ122を作成し、ユーザに対しペルソナを設定する(ステップS104)。
【0044】
次に、ユーザは、例えば、ユーザ端末200を介して、購入商品や利用サービスなどの決済処理を実行する(ステップS105)。ステップS105の決済処理が実行されると、情報処理装置100に決済実行の通知が送信される。なお、ステップS105の決済処理が、ユーザ端末200を介して実行されない場合、当該決済処理は、POSレジ端末や、決済サービス提供者側のサーバコンピュータなどによって実行されてよい。
【0045】
次に、情報処理装置100は、例えば、ユーザ端末200などから決済実行の通知を受信していない場合(ステップS106:No)、決済実行の通知の受信を待つ。一方、決済実行の通知を受信した場合(ステップS106:Yes)、情報処理装置100は、例えば、ユーザに設定されたペルソナに基づいて、ユーザの決済手段による寄付の利用パターンを決定する(ステップS107)。なお、ステップS105の決済処理と、ステップS107の決定処理とが連続して実行されない場合、ステップS105の決済処理の実行時にユーザに設定されていたペルソナを保持しておき、ステップS107の決定処理に用いられてよい。ステップS107の実行後、図7に示す利用パターン決定処理は終了する。
【0046】
次に、図8を用いて、情報処理装置100を動作主体として実行される利用パターン決定処理の流れの別例を説明する。図8は、本実施形態にかかる利用パターン決定処理の流れの別例を示すフローチャートである。図8に示す利用パターン決定処理の流れは、図7に示す利用パターン決定処理の流れと類似するが、例えば、ユーザに設定されるペルソナが切り替えられ、切り替えられたペルソナに基づいて寄付の利用パターンが決定される点で異なる。
【0047】
図8に示す利用パターン決定処理のステップS201~S204は、それぞれ、図7に示す利用パターン決定処理のS101~S104と同様である。
【0048】
次に、情報処理装置100は、例えば、ステップS204で設定されたペルソナに対する切り替え条件を満たした場合(ステップS205:Yes)、当該切り替え条件を満たすことをトリガーとするペルソナに切り替える(ステップS206)。なお、ペルソナを切り替える際、情報処理装置100は、例えば、ユーザ端末200を介して切り替えるペルソナをユーザに提示し、ユーザが承諾した場合に切り替えてもよい。
【0049】
また、切り替え条件を満たしていない場合(ステップS205:No)、または既に対象のペルソナに切り替えられていた場合は、切り替え条件が満たされるまでステップS205を繰り返す。
【0050】
なお、続くステップS207およびS208は、それぞれ、図7に示す利用パターン決定処理のS105およびS106と同様である。
【0051】
次に、情報処理装置100は、例えば、ステップS206で切り替えられたペルソナに基づいて、ユーザの決済手段による寄付の利用パターンを決定する(ステップS209)。ステップS209の実行後、図8に示す利用パターン決定処理は終了する。
【0052】
[効果]
上述したように、情報処理装置100は、人物を所定の類型に分類する1つまたは複数のペルソナをユーザに設定し、ユーザに設定されたペルソナに基づいて、ユーザの決済手段による寄付の利用パターンを決定する。
【0053】
このように、情報処理装置100は、ユーザに設定されたペルソナに基づくことにより、ユーザに対してより適した、決済手段による寄付の利用パターンを決定できる。
【0054】
また、情報処理装置100によって実行される、利用パターンを決定する処理は、ユーザに設定されたペルソナに基づいて、決済手段による決済額に対する寄付先および寄付額の少なくとも1つを決定する処理を含む。
【0055】
このように、情報処理装置100は、ユーザに設定されたペルソナに基づいて寄付先や寄付額を決定することにより、ユーザに対してより適した、決済手段による寄付の利用パターンを決定できる。
【0056】
また、情報処理装置100によって実行される、利用パターンを決定する処理は、ユーザに設定されたペルソナに基づいて、決済手段による発生ポイントに対する寄付先および寄付ポイントの少なくとも1つを決定する処理を含む。
【0057】
このように、情報処理装置100は、ユーザに設定されたペルソナに基づいて寄付先や寄付ポイントを決定することにより、ユーザに対してより適した、決済手段による寄付の利用パターンを決定できる。
【0058】
また、情報処理装置100によって実行される、利用パターンを決定する処理は、決済手段の利用場所、および決済手段の利用商品または利用サービスの少なくとも1つにさらに基づく。
【0059】
このように、情報処理装置100は、決済手段の利用場所や、利用商品および利用サービスにさらに基づくことにより、ユーザに対してより適した、決済手段による寄付の利用パターンを決定できる。
【0060】
また、決済手段は、クレジットカード、デビットカード、電子マネー、ポイント払い、キャリア決済、銀行口座払い、暗号資産払い、およびBNPL決済の少なくとも1つである。
【0061】
これにより、情報処理装置100は、ユーザに対してより適した、各種決済手段による寄付の利用パターンを決定できる。また、情報処理装置100は、所定の条件を満たすことをトリガーとして、条件に応じて、ユーザに設定されるペルソナを切り替える。
【0062】
このように、情報処理装置100は、ユーザに設定されるペルソナを切り替え、切り替えられたペルソナに基づくことにより、ユーザに対してより適した、決済手段による寄付の利用パターンを決定できる。
【0063】
また、情報処理装置100は、ペルソナ単位で物理的または論理的に分かれてPDSを設定して前記ペルソナに関するデータを記憶する。
【0064】
このように、情報処理装置100は、ペルソナデータを分けてPDSで管理することにより、ペルソナデータをセキュアに管理したり、データ移行や連携をより効率的に行ったりすることができる。
【0065】
[システム]
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報は、特記する場合を除いて任意に変更されてもよい。また、実施例で説明した具体例、分布、数値などは、あくまで一例であり、任意に変更されてもよい。
【0066】
また、情報処理装置100の構成要素の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。例えば、情報処理装置100の決定部133が複数の処理部に分散されたり、情報処理装置100の設定部131と切り替え部132とが1つの処理部に統合されたりしてもよい。つまり、その構成要素の全部または一部は、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合されてもよい。さらに、各装置の各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され得る。あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0067】
図9は、本実施形態にかかる情報処理装置100のハードウェア構成例を示す図である。図9に示すように、情報処理装置100は、通信インタフェース100a、HDD(Hard Disk Drive)100b、メモリ100c、プロセッサ100dを有する。また、図9に示した各部は、バスなどで相互に接続される。
【0068】
通信インタフェース100aは、例えば、ネットワークインタフェースカードなどであり、ユーザ端末200など他の情報処理装置との通信を行う。HDD100bは、例えば、図2に示した情報処理装置100の各機能を動作させるためのプログラムやデータを記憶する。
【0069】
プロセッサ100dは、CPU、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などである。また、プロセッサ100dは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現されるようにしてもよい。プロセッサ100dは、例えば、図2に示した情報処理装置100の各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD100bなどから読み出してメモリ100cに展開する。これにより、プロセッサ100dは、図2に示した情報処理装置100の各処理部による各機能を実現するプロセスを実行するハードウェア回路として動作可能である。
【0070】
また、情報処理装置100は、媒体読取装置によって記録媒体から、図2に示した情報処理装置100の各処理部と同様の処理を実行するプログラムを読み出し、読み出されたプログラムを実行することで情報処理装置100の各処理部による各機能を実現することもできる。なお、このプログラムの実行は、情報処理装置100による実行に限定されるものではない。例えば、他の情報処理装置がプログラムを実行する場合や、情報処理装置100と他の情報処理装置とが協働してプログラムを実行するような場合にも適用されてよい。
【0071】
また、図2に示した情報処理装置100の各処理部と同様の処理を実行するプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布されてもよい。または、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータ可読記憶媒体に記録されてよい。
【符号の説明】
【0072】
100 情報処理装置
100a 通信インタフェース
100b HDD
100c メモリ
100d プロセッサ
110 通信部
120 記憶部
121 ペルソナデータ
122 紐付けデータ
123 トリガーデータ
124 利用パターンデータ
130 制御部
131 設定部
132 切り替え部
133 決定部
200 ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9