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特開2024-53246貯水タンク用操作ピットおよび貯水装置
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  • 特開-貯水タンク用操作ピットおよび貯水装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053246
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】貯水タンク用操作ピットおよび貯水装置
(51)【国際特許分類】
   E03B 11/14 20060101AFI20240408BHJP
   E03B 11/02 20060101ALI20240408BHJP
   E02D 29/12 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
E03B11/14
E03B11/02 Z
E02D29/12 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159357
(22)【出願日】2022-10-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年9月5日に、株式会社ミヤコーが、発明品である貯水タンク用操作ピットが撮影された写真を明和工業株式会社に譲渡した
(71)【出願人】
【識別番号】597014327
【氏名又は名称】株式会社ミヤコー
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 正二
【テーマコード(参考)】
2D147
【Fターム(参考)】
2D147AA00
2D147NA16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】地表面が傾斜面であるような貯水タンクの埋設場所であっても、上端面を簡単に地表面と面一にすることが可能な貯水タンク用操作ピットおよび貯水装置の構成を提供すること。
【解決手段】水道管60から供給される水道水を貯留する外周面が円形断面をなす貯水タンク10の外表面に装着され、貯水タンク10を操作する際のアクセス空間を形成する貯水タンク用の操作ピット20であって、貯水タンク10の流水方向において対向する側周面の貯水タンクの側の基部に貯水タンク10の外周面の一部が進入可能な円弧状部26が形成された筒体22と、筒体22の先端部に着脱可能な蓋23と、貯水タンク10の外周面に沿って周回され筒体22に着脱可能な締結部材80を具備していることを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道管から供給される水道水を貯留する外周面が円形断面をなす貯水タンクの外表面に装着され、前記貯水タンクを操作する際のアクセス空間を形成する貯水タンク用操作ピットであって、
前記貯水タンクの流水方向において対向する側周面の前記貯水タンクの側の基部に前記貯水タンクの外周面の一部が進入可能に形成された筒体と、
前記貯水タンクの外周面に沿って周回され前記筒体に着脱可能な締結部材を具備していることを特徴とする貯水タンク用操作ピット。
【請求項2】
前記締結部材の少なくとも一方の端部には締結体が取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の貯水タンク用操作ピット。
【請求項3】
前記筒体は、複数の筒により形成されており、
前記貯水タンクの側の前記筒の内側空間に、前記貯水タンクの側の前記筒に前記貯水タンクと反対側で隣接する前記筒が引き出し可能に収容されていると共に、各前記筒の側周面には複数の貫通孔が穿設されており、前記貫通孔にねじを挿通させることで各前記筒の引き出し状態が固定可能であることを特徴とする請求項1または2記載の貯水タンク用操作ピット。
【請求項4】
水道管から供給される水道水を貯留する外周面が円形断面をなす貯水タンクと、前記貯水タンクの外表面と前記貯水タンクの埋設場所における地表面とを連通する操作ピットと、を具備し、
前記操作ピットは、
前記貯水タンクの流水方向において対向する側周面の前記貯水タンクの側の基部に前記貯水タンクの外周面の一部が進入可能に形成された筒体と、
前記貯水タンクの外周面に沿って周回され前記筒体に着脱可能な締結部材を具備していることを特徴とする貯水装置。
【請求項5】
前記締結部材の少なくとも一方の端部には締結体が取り付けられていることを特徴とする請求項4記載の貯水装置。
【請求項6】
前記筒体は、複数の筒により形成されており、
前記貯水タンクの側の前記筒の内側空間に、前記貯水タンクの側の前記筒に前記貯水タンクと反対側で隣接する前記筒が引き出し可能に収容されていると共に、各前記筒の側周面には複数の貫通孔が穿設されており、前記貫通孔にねじを挿通させることで各前記筒の引き出し状態が固定可能であることを特徴とする請求項4または5記載の貯水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯水タンク用操作ピットおよび貯水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水道水は、水道管を通して供給されるものであり、具体的には、送水場から送水管を通して給水区域まで送られ、送水管から分岐する給水管を引き込むことで、各家庭等の需要者に供給される。また、防災意識の高まりにより、災害時の断水に備えて飲料水等を確保するために、水道管の途中に貯水タンクを設けることが提案されている。このような貯水タンクについては、特許文献1(特開2004-238820号公報)に記載されているようなものが知られている。
【0003】
特許文献1には、震災時等において利用できる多量の水道水を貯留する貯水槽の耐圧性を向上させると共に、槽内の貯留水を効率的に循環させて、貯留水を新鮮な状態で確保することを目的としている。これを達成するため、水道水を貯水タンクに供給する際に水道水の供給部を貯水タンクに対して傾斜させた状態で貯水タンクに取り付けすることで、水道管から供給された水道水によって貯水タンクの内周面に沿った螺旋方向の水流を生じさせて貯水タンク内を撹拌する構成が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-238820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている貯水装置は、地中に埋設されたタンクから地表面に向けて直交方向に起立する貯水タンク用操作ピットが一体に形成されている構造が採用されている。このような構造は、地表面が水平面である場所であれば問題ないが、地表面が傾斜面である場合には、貯水タンク用操作ピットの上端面が地表面と面一にすることができない。そこで、貯水タンク用操作ピットの上端面を地表面と面一にするためには、貯水タンク用操作ピットの上端部を切断する等の現地加工が必要になり煩雑であるといった課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明は上記課題を解決するためのものであり、その目的とするところは次のとおりである。すなわち、地表面が傾斜面であるような埋設場所であっても、貯水タンク用操作ピットの上端面を簡単に地表面と面一にすることが可能な貯水タンク用操作ピットおよび貯水装置の構成を提供することにある。
【0007】
上記課題を解決するため発明者が鋭意研究した結果、以下の構成に想到した。すなわち、本発明は、水道管から供給される水道水を貯留する外周面が円形断面をなす貯水タンクの外表面に装着され、前記貯水タンクを操作する際のアクセス空間を形成する貯水タンク用操作ピットであって、前記貯水タンクの流水方向において対向する側周面の前記貯水タンクの側の基部に前記貯水タンクの外周面の一部が進入可能に形成された筒体と、前記貯水タンクの外周面に沿って周回され前記筒体に着脱可能な締結部材を具備していることを特徴とする操作用ピットである。
【0008】
これにより、地表面が傾斜面であるような貯水タンクの埋設場所であっても、貯水タンク用操作ピットの上端面を簡単に地表面と面一にすることが可能になる。
【0009】
また、前記締結部材の少なくとも一方の端部には締結体が取り付けられていることが好ましい。
【0010】
これにより、貯水タンクへの貯水タンク用操作ピットの取り付け作業を容易に行うことができ、貯水タンクに対する貯水タンク用操作ピットの取り付け角度の微調整も可能である。
【0011】
また、前記筒体は、複数の筒により形成されており、前記貯水タンクの側の前記筒の内側空間に、前記貯水タンクの側の前記筒に前記貯水タンクと反対側で隣接する前記筒が引き出し可能に収容されていると共に、各前記筒の側周面には複数の貫通孔が穿設されており、前記貫通孔にねじを挿通させることで各前記筒の引き出し状態が固定可能であることが好ましい。
【0012】
これにより、貯水タンクの埋設位置から地表面までの深さに対し貯水タンク用操作ピットの立ち上げ高さを任意高さに調整することができる。
【0013】
また、水道管から供給される水道水を貯留する外周面が円形断面をなす貯水タンクと、前記貯水タンクの外表面と前記貯水タンクの埋設場所における地表面とを連通する貯水タンク用操作ピットと、を具備し、前記貯水タンク用操作ピットは、前記貯水タンクの流水方向において対向する側周面の前記貯水タンクの側の基部に前記貯水タンクの外周面の一部が進入可能に形成された筒体と、前記貯水タンクの外周面に沿って周回され前記筒体に着脱可能な締結部材を具備していることを特徴とする貯水装置としての発明もある。
【0014】
これにより、地表面が傾斜面であるような貯水タンクの埋設場所であっても、貯水タンク用操作ピットの上端面を簡単に地表面と面一にすることが可能になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、地表面が傾斜面であるような貯水タンクの埋設場所であっても、貯水タンク用操作ピットの上端面を簡単に地表面と面一にすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態における貯水装置の単体状態の斜視図である。
図2】本実施形態における貯水装置の設置状態正面図である。
図3】本実施形態における貯水装置の蓋を取り外した設置状態平面図である。
図4】本実施形態における貯水装置の設置状態左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1図4に示すように、本実施形態における貯水装置100は、水道水を貯留する少なくとも外表面が円形断面に形成された貯水タンク10と、貯水タンク10の上部に取り付けられた貯水タンク用操作ピット20とを具備している。以下、貯水タンク用操作ピット20は、単に操作ピット20と称して説明を行うものとする。
【0018】
本実施形態における貯水タンク10は、円筒状の周壁12と、周壁12の両端開口部に一体化された給水側壁面13および送水側壁面14を有している。本実施形態における貯水タンク10の素材はステンレススチールが採用されているが、貯水タンク10の素材は特に限定されるものではない。本実施形態における給水側壁面13と送水側壁面14は、いずれも貯水タンク10の高さ方向および幅方向の中間部分が貯水タンク10の給水側および送水側の外側に膨出する偏平した椀状の膨出曲面をなしている。給水側壁面13と送水側壁面14は、溶接等の公知の手法により周壁12と一体に形成されている。
【0019】
貯水タンク10の下面には2箇所に支持脚30が取り付けられているが、支持脚30は、貯水タンク10の3箇所以上に取り付けることもできる。支持脚30は基礎砕石40の上に構築された基礎コンクリート50にアンカー32により固定されている。このようにして形成された本実施形態における貯水タンク10の容量は500リットルであるが、貯水タンク10の容量は特に限定されるものではない。
【0020】
貯水タンク10の周壁12の上面には、汲出用ニップル15が配設されている。汲出用ニップル15の下端部は貯水タンク10の内部空間に連通し、上端部は開口面に形成されている。汲出用ニップル15にはレバー操作により開閉操作可能なボールバルブ(図示はせず)が取り付けられている。本実施形態においては、汲出用ニップル15の隣に空気抜き用ニップル16が配設されている。空気抜き用ニップル16の下端部は貯水タンク10の内部空間に連通し、上端部は開口面に形成されている。空気抜き用ニップル16の上端部には空気抜き弁(図示はせず)が取り付けられている。そして、周壁12の送水側壁面14の側における底面には、排水管17が連結されている。排水管17の上流側の端部は貯水タンク10の内部空間に連通し、排水管17の下流側の端部にはハンドル操作により開閉操作可能な排水バルブ17Aが取り付けられている。排水バルブ17Aの先には排水を地下浸透させるための玉砂利層42が構築されている。また、少なくとも排水バルブ17Aの点検等を可能にするための第1ハンドホール90を配設することもできる。
【0021】
貯水タンク10の流水方向における上流側である給水側壁面13には、水道管60に連結される給水側連結部としての給水管ニップル13Aが取り付けられている。本実施形態における給水管ニップル13Aは、フレキシブル分岐給水管に代表される給水側管継手13Bを介して水道管60に接続されている。本実施形態における給水側管継手13Bには給水側逆止弁13Cが配設されている。本実施形態の給水管ニップル13Aは、給水側壁面13の下部位置である下側外周縁部分付近(周壁12の底面側との接続部分)に配設されている。給水側壁面13には、給水管ニップル13Aと貯水タンク10の内部空間とを連通させるように、ノズルに代表される吐出管13Dが設けられている。吐出管13Dの先端部である吐出口13Eは貯水タンク10の中心線に対して斜め方向に向けられており、水道水を貯水タンク10の内周面に沿って螺旋流となるように吐出させている。また、少なくとも給水側逆止弁13Cの点検等を可能にするための第2ハンドホール92を配設することもできる。
【0022】
貯水タンク10の流水方向における下流側である送水側壁面14には、内部空間と連通するように送水側連結部としての送水管ニップル14Aが形成されている。本実施形態における送水管ニップル14Aは、送水側壁面14の上部位置である上側外周縁部分(周壁12の上面側との接続部分)に取り付けられている。送水管ニップル14Aはフレキシブル分岐給水管に代表される送水側管継手14Bを介して送水管70と接続されている。本実施形態における送水側管継手14Bには送水側逆止弁14Cが配設されている。貯水タンク10の内部空間に貯留された水は、送水管70を通して所定の給水先に供給される。
【0023】
本実施形態のように給水管ニップル13Aの取り付け位置と送水管ニップル14Aの取り付け位置を貯水タンク10における水の流れ方向における対角線上に配置することで、貯水タンク10の内部空間に貯留された水を滞留させることなく送水することができる。また、少なくとも送水側逆止弁14Cの点検等を可能にするための第3ハンドホール94を配設することもできる。
【0024】
貯水タンク10の上面には、貯水タンク10の上面に配設された汲出用ニップル15と空気抜き用ニップル16を囲むようにして、操作ピット20が貯水タンク10に着脱可能に取り付けられている。このような操作ピット20により地表面GLから所要深さ位置に埋設されている貯水タンク10の操作やメンテナンスを行う際におけるアクセス空間を形成することができる。本実施形態における操作ピット20は筒体22と筒体22を貯水タンク10に装着するための締結部材80を有している。
【0025】
本実施形態における筒体22は、複数(ここでは2つ)の筒(第1筒22Aと第2筒22B)を有している。第1筒22Aと第2筒22Bの素材は共にステンレススチールにより形成されているが、第1筒22Aと第2筒22Bの素材は特に限定されるものではない。貯水タンク10の外表面に当接する第1筒22Aの地表面GLの側で隣接する第2筒22Bは、第1筒22Aの内側空間に収容されている。本実施形態においては、第1筒22Aの内側空間の外周縁位置と第2筒22Bの外表面の外周縁位置が一致するように第1筒22Aと第2筒22Bの寸法が設定されている。このように第1筒22Aは、第2筒22Bの引き出し時におけるガイド体としても機能する。
【0026】
第1筒22Aの上端部は、第1筒22Aの外側に向けられた後に下側に向けられた2箇所で曲折する外側曲折部24Aに形成されている。外側曲折部24Aにより、第2筒22Bを引き出す際の妨げにならずに第1筒22Aの上端開口部の変形を防止することができる。また、第1筒22Aの側周面の中途高さ位置には第1筒22Aの断面形状の変形を防止するための補強板24Bが取り付けられている。さらに、第2筒22Bの上端部は、第2筒22Bの内側に向けられた後に下側に向けられた2箇所で曲折する内側曲折部24Cに形成されている。内側曲折部24Cにより、第2筒22Bの上端開口部の変形を防止することができると共に、地表面GLに開口する第2筒22Bの上端面に着脱可能な蓋23をガタつかせずに設置することができる。
【0027】
また、第1筒22Aと第2筒22Bのそれぞれの側周面には、高さ方向に沿って所要間隔をあけた複数箇所に貫通孔25が穿設されている。このように形成された操作ピット20は、第1筒22Aからの第2筒22Bの引き出し量により貯水タンク10からの起立高さを調整することができる。これにより、異なる深さ寸法の操作ピット20を複数種類準備する必要がなく、1種類の操作ピット20で使用地域毎における貯水タンク10、水道管60および送水管70の凍結防止埋設深さに対応することができる。貯水タンク10からの操作ピット20の起立高さが決定した後は、任意の貫通孔25の部分で第1筒22Aと第2筒22Bがねじ25Aで固定され、第1筒22Aに対する第2筒22Bの引き出し状態が維持される。
【0028】
貯水タンク10の外表面に当接する第1筒22Aの基部のうち、貯水タンク10の流水方向において対向する側周面には貯水タンク10の外表面の一部が進入可能な円弧状部26が形成されている。本実施形態における円弧状部26の曲率半径は、貯水タンク10の外表面の曲率半径と同一の曲率半径に形成されているが、円弧状部26の曲率半径は貯水タンク10の外表面の曲率半径よりも大きくすることもできる。このように貯水タンク10に当接する部分に円弧状部26が形成されていることで、貯水タンク10の外表面に対する操作ピット20の起立角度(起立方向)を任意の方向に設定することができる。また、第1筒22Aの基部のうち、他方の対向する側周面には、操作ピット20を貯水タンク10に装着するための締結部材80を締結具で締結するための締結板82が取り付けられている。
【0029】
本実施形態における締結部材80は長尺の薄板バンドの両端部に締結体としての雄ねじ体81が取り付けられた形態が採用されている。締結部材80を貯水タンク10の外周面である周壁12の外周面に沿って周回させた後、締結板82に雄ねじ体81を差し込んだ後に締結具としてのナット84で締結することで貯水タンク10に操作ピット20を固定することができる。また、ナット84を緩めて操作ピット20を貯水タンク10の外周面に沿ってスライドさせれば、貯水タンク10の上面に対する操作ピット20の起立角度を調整(図4中の矢印A方向における操作ピット20の向きを調整)することができる。これにより、貯水装置100の埋設場所の直上位置における地表面GLが傾斜面であったとしても、操作ピット20の上端部に蓋23をした状態で地表面GLと蓋23の上面とを面一に仕上げることができる。また、締結部材80は貯水タンク10および操作ピット20に着脱可能であるため、既設の操作ピット20の交換を容易に行うことができる点においても好都合である。
【0030】
さらに第1筒22Aの基部のうち、貯水タンク10に流水方向に沿って当接する当接部27には流水方向に所要間隔をあけて複数箇所に水抜き孔28が穿設されている。蓋23と操作ピット20との隙間から流入した水は、水抜き孔28から操作ピット20の外部に排出された後、基礎砕石40から地中に浸透させることができる。これにより、操作ピット20の内側空間および貯水装置100の埋設空間の環境を衛生的にすることができる。
【0031】
以上の本実施形態における貯水装置100について説明をしたが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、操作ピット20の筒体22が第1筒22Aと第2筒22Bによって形成された形態を例示しているが、操作ピット20の筒体22は1つまたは3つ以上の筒によって形成することもできる。
【0032】
また、本実施形態においては、第1筒22Aおよび第2筒22Bの上端部には、外側曲折部24Aおよび内側曲折部24Cが形成されているが、外側曲折部24Aおよび内側曲折部24Cは省略することもできる。また、第1筒22Aの側周面の中途高さ位置に補強板24Bが配設されているが、補強板24Bの配設は省略することもできる。また、第1筒22Aの当接部27には流水方向に所要間隔をあけて複数箇所に水抜き孔28が穿設された形態を例示しているが、水抜き孔28は省略することもできる。貯水タンク10と操作ピット20との当接部分が密着されていなければ操作ピット20の内部に進入した水は貯水タンク10と操作ピット20との隙間部分から排出することは十分可能である。
【0033】
また、本実施形態の給水管ニップル13Aは、給水側壁面13の下部位置である下側外周縁部分付近に配設された形態を例示しているがこの形態に限定されるものではない。給水管ニップル13Aを給水側壁面13の上部位置に配設することもできる。これにより、給水管ニップル13Aや給水側逆止弁13Cが破損した場合であっても、貯水タンク10に貯められた水が全て漏出してしまうことが防止される。なお、給水管ニップル13Aと送水管ニップル14Aが共に貯水タンク10の上側部部に配設されていても、貯水タンク10への水の流入と流出により貯水タンク10に貯められた水を適宜撹拌させること自体は可能である。
【0034】
また、本実施形態における汲出用ニップル15と空気抜き用ニップル16と排水管17の配設数および配設位置は一形態の例示であり、これら構成の配設数や配設位置は特に限定されるものではない。
【0035】
また、本実施形態においては、締結板82が操作ピット20の外表面に取り付けられた形態を例示しているが、締結板82を操作ピット20の内表面に取り付けることもできる。この場合、操作ピット20に締結部材80を挿通させるための締結部材挿通孔(図示はせず)が穿設される。また、操作ピット20に締結部材挿通孔が配設されている場合には、締結板82を貯水タンク10の外表面に取り付けた形態を採用することもできる。また、締結部材80は、本実施形態で説明した形態に限定されるものではない。貯水タンク10の外周面に沿って周回され、操作ピット20に着脱可能であれば具体的な形態は特に限定されるものではない。
【0036】
また、本実施形態においては、排水バルブ17Aの位置に第1ハンドホール90が配設され、給水側逆止弁13Cの位置に第2ハンドホール92が配設され、送水側逆止弁14Cの位置に第3ハンドホール94が配設された形態を例示しているが、第1ハンドホール90、第2ハンドホール92および第3ハンドホール94の配設は適宜省略することもできる。
【0037】
また、以上の実施形態においては、貯水タンク10が地中に埋設されている形態を例示しているが、構造物の壁体内等に貯水タンク10が埋設された形態であっても本願発明の適用は可能である。
【0038】
そして以上に説明した変形例の他、実施形態において説明した変形例等を適宜組み合わせた形態を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0039】
10:貯水タンク
12:周壁,13:給水側壁面,13A:給水管ニップル(給水側連結部),
14:送水側壁面,14A:送水管ニップル(送水側連結部),15:汲出用ニップル,
16:空気抜き用ニップル,17:排水管
20:操作ピット(貯水タンク用操作ピット)
22:筒体,22A:第1筒,22B:第2筒,23:蓋,24A:外側曲折部,
24B:補強板,24C:内側曲折部,25:貫通孔,25A:ねじ,26:円弧状部,27:当接部,28:水抜き孔
30:支持脚
32:アンカー
40:基礎砕石
42:玉砂利層
50:基礎コンクリート
60:水道管
70:送水管
80:締結部材
81:雄ねじ体(締結体),82:締結板,84:ナット
90:第1ハンドホール
92:第2ハンドホール
94:第3ハンドホール
100:貯水装置
GL:地表面
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-02-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道管から供給される水道水を貯留する外周面が円形断面をなす筒状の周壁と前記周壁の両端開口部に一体化された給水側壁面および送水側壁面を有する貯水タンクにおける前記周壁の外表面に装着され、前記貯水タンクに配設された汲出用ニップルのバルブを開閉操作する際のアクセス空間を形成する貯水タンク用操作ピットであって、
前記周壁の外表面に設けられ、かつ、前記給水側壁面から前記送水側壁面に向かう流水方向において所要間隔をあけて対向すると共に前記周壁の外表面との当接部分に前記周壁の外表面の一部が進入可能な円弧状部が形成された側周面を有する筒体と、
前記周壁の外周面に沿って周回され前記周壁に着脱可能であると共に、前記周壁の外表面に前記筒体を装着するための締結部材を具備していることを特徴とする貯水タンク用操作ピット。
【請求項2】
前記締結部材は薄板バンドに形成されており、前記薄板バンドの長手方向の両端部のうちの少なくとも一方の端部には前記筒体に取り付けられた締結板に前記薄板バンドを締結具で締結するための締結体が取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の貯水タンク用操作ピット。
【請求項3】
前記筒体は、複数の筒により形成されており、
前記筒体は、前記周壁の外表面に当接する第1筒と、前記第1筒の内側空間に収容されると共に、前記第1筒の上側開口部から引き出し可能な第2筒と、を少なくとも有し、前記第1筒および前記第2筒の側周面には複数の貫通孔が穿設されており、前記貫通孔にねじを挿通させることで前記第1筒に対する前記第2筒の引き出し状態が固定可能であることを特徴とする請求項1または2記載の貯水タンク用操作ピット。
【請求項4】
水道管から供給される水道水を貯留する外周面が円形断面をなす筒状の周壁と前記周壁の両端開口部に一体化された給水側壁面および送水側壁面を有する貯水タンクにおける前記周壁の外表面に装着され、前記周壁の外表面と前記貯水タンクの埋設場所における地表面とを連通すると共に、前記貯水タンクに配設された汲出用ニップルのバルブを開閉操作する際のアクセス空間を形成する操作ピットと、を具備し、
前記操作ピットは、
前記周壁の外表面に設けられ、かつ、前記給水側壁面から前記送水側壁面に向かう流水方向において所要間隔をあけて対向すると共に前記周壁の外表面との当接部分に前記周壁の外表面の一部が進入可能な円弧状部が形成された側周面を有する筒体と、
前記周壁の外周面に沿って周回され前記周壁に着脱可能であると共に、前記周壁の外表面に前記筒体を装着するための締結部材を具備していることを特徴とする貯水装置。
【請求項5】
前記締結部材は薄板バンドに形成されており、前記薄板バンドの長手方向の両端部のうちの少なくとも一方の端部には前記筒体に取り付けられた締結板に前記薄板バンドを締結具で締結するための締結体が取り付けられていることを特徴とする請求項4記載の貯水装置。
【請求項6】
前記筒体は、複数の筒により形成されており、
前記筒体は、前記周壁の外表面に当接する第1筒と、前記第1筒の内側空間に収容されると共に、前記第1筒の上側開口部から引き出し可能な第2筒と、を少なくとも有し、前記第1筒および前記第2筒の側周面には複数の貫通孔が穿設されており、前記貫通孔にねじを挿通させることで前記第1筒に対する前記第2筒の引き出し状態が固定可能であることを特徴とする請求項4または5記載の貯水装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記課題を解決するため発明者が鋭意研究した結果、以下の構成に想到した。すなわち、本発明は、水道管から供給される水道水を貯留する外周面が円形断面をなす筒状の周壁と前記周壁の両端開口部に一体化された給水側壁面および送水側壁面を有する貯水タンクにおける前記周壁の外表面に装着され、前記貯水タンクに配設された汲出用ニップルのバルブを開閉操作する際のアクセス空間を形成する貯水タンク用操作ピットであって、前記周壁の外表面に設けられ、かつ、前記給水側壁面から前記送水側壁面に向かう流水方向において所要間隔をあけて対向すると共に前記周壁の外表面との当接部分に前記周壁の外表面の一部が進入可能な円弧状部が形成された側周面を有する筒体と、前記周壁の外周面に沿って周回され前記周壁に着脱可能であると共に、前記周壁の外表面に前記筒体を装着するための締結部材を具備していることを特徴とする貯水タンク用操作ピットである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、前記締結部材は薄板バンドに形成されており、前記薄板バンドの長手方向の両端部のうちの少なくとも一方の端部には前記筒体に取り付けられた締結板に前記薄板バンドを締結具で締結するための締結体が取り付けられていることが好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、前記筒体は、複数の筒により形成されており、前記筒体は、前記周壁の外表面に当接する第1筒と、前記第1筒の内側空間に収容されると共に、前記第1筒の上側開口部から引き出し可能な第2筒と、を少なくとも有し、前記第1筒および前記第2筒の側周面には複数の貫通孔が穿設されており、前記貫通孔にねじを挿通させることで前記第1筒に対する前記第2筒の引き出し状態が固定可能であることが好ましい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
また、水道管から供給される水道水を貯留する外周面が円形断面をなす筒状の周壁と前記周壁の両端開口部に一体化された給水側壁面および送水側壁面を有する貯水タンクにおける前記周壁の外表面に装着され、前記周壁の外表面と前記貯水タンクの埋設場所における地表面とを連通すると共に、前記貯水タンクに配設された汲出用ニップルのバルブを開閉操作する際のアクセス空間を形成する操作ピットと、を具備し、前記操作ピットは、前記周壁の外表面に設けられ、かつ、前記給水側壁面から前記送水側壁面に向かう流水方向において所要間隔をあけて対向すると共に前記周壁の外表面との当接部分に前記周壁の外表面の一部が進入可能な円弧状部が形成された側周面を有する筒体と、前記周壁の外周面に沿って周回され前記周壁に着脱可能であると共に、前記周壁の外表面に前記筒体を装着するための締結部材を具備していることを特徴とする貯水装置としての発明もある。