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特開2024-53247情報処理システム、制御装置、制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053247
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】情報処理システム、制御装置、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240408BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159362
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】522389689
【氏名又は名称】株式会社インユニ
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】植木 匠
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC24
5L050CC24
(57)【要約】
【課題】客が希望する商品の提供を効率的に行う。
【解決手段】通信端末200-1~200-nは、外部からの操作を受け付け、通信端末200-1~200-nを識別するための識別情報と、受け付けた操作に基づいた注文情報とを制御装置100へ送信し、制御装置100は、送信されてきた注文情報に応じた商品を準備する優先度を、通信端末200-1~200-nから注文情報とともに送信されてきた識別情報に基づいて制御して、商品を準備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末と、制御装置とを有し、
前記通信端末は、
外部からの操作を受け付ける操作受付部と、
当該通信端末を識別するための識別情報と、前記操作受付部が受け付けた操作に基づいた注文情報とを前記制御装置へ送信する第1の送信部とを有し、
前記制御装置は、
前記第1の送信部から送信されてきた前記注文情報に応じた商品を準備する商品準備部と、
前記商品準備部が前記商品を準備する優先度を制御する順序制御部とを有し、
前記順序制御部は、前記第1の送信部から送信されてきた前記識別情報に基づいて、前記優先度を制御し、
前記商品準備部は、前記順序制御部が制御した優先度に従って、前記注文情報に応じた商品を準備する情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記順序制御部は、前記第1の送信部から送信されてきた前記識別情報が、すでに送信されてきた識別情報であるかどうかを判定し、該識別情報がすでに送信されてきた識別情報ではない場合、該識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて前記商品準備部が商品を準備する優先度を、該識別情報以外の識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて前記商品準備部が商品を準備する優先度よりも高く設定する情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御装置は、
互いに同じ前記識別情報が送信されてきた回数を、前記識別情報ごとにカウントするカウンタを有し、
前記順序制御部は、前記カウンタがカウントした、前記識別情報が送信されてきた回数に基づいて、前記優先度を制御する情報処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理システムにおいて、
前記順序制御部は、前記カウンタがカウントした回数が1回目である前記識別情報とともに送信されてきた前記注文情報に応じて前記商品準備部が前記商品を準備する優先度を、それ以外の前記識別情報とともに送信されてきた前記注文情報に応じて前記商品準備部が前記商品を準備する優先度よりも高く設定する情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御装置は、
互いに同じ前記識別情報が最初に前記通信端末から送信されてきたときからの時間を該通信端末ごとに計測するタイマを有し、
前記順序制御部は、前記タイマが計測している時間が短いほど、該通信端末から送信されてきた前記注文情報に応じた前記商品を前記商品準備部が準備する優先度を高く設定する情報処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記順序制御部は、前記通信端末からの前記注文情報に基づいて、前記優先度を制御する情報処理システム。
【請求項7】
通信端末から送信されてきた注文情報に応じた商品を準備する商品準備部と、
前記商品準備部が前記商品を準備する優先度を制御する順序制御部とを有し、
前記順序制御部は、前記通信端末から前記注文情報とともに送信されてきた、該通信端末を識別するための識別情報に基づいて、前記優先度を制御し、
前記商品準備部は、前記順序制御部が制御した優先度に従って、前記注文情報に応じた商品を準備する制御装置。
【請求項8】
請求項7に記載の制御装置において、
前記順序制御部は、前記通信端末から送信されてきた前記識別情報が、すでに送信されてきた識別情報であるかどうかを判定し、該識別情報がすでに送信されてきた識別情報ではない場合、該識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて前記商品準備部が商品を準備する優先度を、該識別情報以外の識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて前記商品準備部が商品を準備する優先度よりも高く設定する制御装置。
【請求項9】
通信端末から送信されてきた注文情報に応じた商品を準備する処理と、
前記商品を準備する優先度を、前記通信端末から前記注文情報とともに送信されてきた、該通信端末を識別するための識別情報に基づいて制御する処理とを行う制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の制御方法において、
前記通信端末から送信されてきた前記識別情報が、すでに送信されてきた識別情報であるかどうかを判定する処理と、
前記識別情報がすでに送信されてきた識別情報ではない場合、該識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて前記商品を準備する優先度を、該識別情報以外の識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて前記商品を準備する優先度よりも高く設定する処理とを行う制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、
通信端末から送信されてきた注文情報に応じた商品を準備する手順と、
前記商品を準備する優先度を、前記通信端末から前記注文情報とともに送信されてきた、該通信端末を識別するための識別情報に基づいて制御する手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムにおいて、
前記通信端末から送信されてきた前記識別情報が、すでに送信されてきた識別情報であるかどうかを判定する手順と、
前記識別情報がすでに送信されてきた識別情報ではない場合、該識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて前記商品を準備する優先度を、該識別情報以外の識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて前記商品を準備する優先度よりも高く設定する手順とを前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、制御装置、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店において、商品が注文されてから提供されるまでの待ち時間を短縮する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載された技術においては、厨房の状態(混雑)等に基づいて商品の注文から提供までの所要時間を算出し、算出した所要時間に基づいて、商品の提供が可能かどうかを判定して提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-68288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術においては、客の所望の商品が提供されないおそれがある。そのため、客が希望する商品の提供を効率的に行うことが困難であるという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、客が希望する商品の提供を効率的に行うことができる情報処理システム、制御装置、制御方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理システムは、
通信端末と、制御装置とを有し、
前記通信端末は、
外部からの操作を受け付ける操作受付部と、
当該通信端末を識別するための識別情報と、前記操作受付部が受け付けた操作に基づいた注文情報とを前記制御装置へ送信する第1の送信部とを有し、
前記制御装置は、
前記第1の送信部から送信されてきた前記注文情報に応じた商品を準備する商品準備部と、
前記商品準備部が前記商品を準備する優先度を制御する順序制御部とを有し、
前記順序制御部は、前記第1の送信部から送信されてきた前記識別情報に基づいて、前記優先度を制御し、
前記商品準備部は、前記順序制御部が制御した優先度に従って、前記注文情報に応じた商品を準備する。
【0007】
また、本発明の制御装置は、
通信端末から送信されてきた注文情報に応じた商品を準備する商品準備部と、
前記商品準備部が前記商品を準備する優先度を制御する順序制御部とを有し、
前記順序制御部は、前記通信端末から前記注文情報とともに送信されてきた、該通信端末を識別するための識別情報に基づいて、前記優先度を制御し、
前記商品準備部は、前記順序制御部が制御した優先度に従って、前記注文情報に応じた商品を準備する。
【0008】
また、本発明の制御方法は、
通信端末から送信されてきた注文情報に応じた商品を準備する処理と、
前記商品を準備する優先度を、前記通信端末から前記注文情報とともに送信されてきた、該通信端末を識別するための識別情報に基づいて制御する処理とを行う。
【0009】
また、本発明のプログラムは、
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
コンピュータに、
通信端末から送信されてきた注文情報に応じた商品を準備する手順と、
前記商品を準備する優先度を、前記通信端末から前記注文情報とともに送信されてきた、該通信端末を識別するための識別情報に基づいて制御する手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、客が希望する商品の提供を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の情報処理システムの第1の実施の形態を示す図である。
図2図1に示した通信端末に具備された構成要素の一例を示す図である。
図3図1に示した制御装置に具備された構成要素の一例を示す図である。
図4図1に示した情報処理システムにおける制御方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図5】注文情報が送信されてきた順序と商品準備部が商品を準備する優先度との関係の一例を示す図である。
図6】本発明の情報処理システムの第2の実施の形態を示す図である。
図7図6に示した制御装置に具備された構成要素の一例を示す図である。
図8図6に示した情報処理システムにおける制御方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図9】本発明の情報処理システムの第3の実施の形態を示す図である。
図10図9に示した制御装置に具備された構成要素の一例を示す図である。
図11図9に示した情報処理システムにおける制御方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
【0013】
図1は、本発明の情報処理システムの第1の実施の形態を示す図である。本形態における情報処理システムは図1に示すように、制御装置100と、複数の通信端末200-1~200-n(nは自然数)とが通信ネットワーク300を介して互いに通信可能に接続されている。制御装置100は、所定の位置に設置されている装置である。制御装置100は、例えば、料理や飲料を準備する飲食店の厨房等に設置されている。制御装置100は、本情報処理システムを運用する者が管理する装置である。通信端末200-1~200-nは、利用者(例えば、飲食店の利用客等)が所持する通信装置である。通信端末200-1~200-nは、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末でも良い。通信端末200-1~200-nそれぞれには、通信端末200-1~200-nそれぞれを識別するための識別情報があらかじめ付与されている。
【0014】
図2は、図1に示した通信端末200-1に具備された構成要素の一例を示す図である。図1に示した通信端末200-1は図2に示すように、操作受付部210と、送信部220とを有する。なお、図2には、図1に示した通信端末200-1に具備された構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。また、図1に示した通信端末200-2~200-nが具備する構成要素も図2に示したものと同じである。
【0015】
操作受付部210は、外部からの操作を受け付ける。操作受付部210は、タッチパネルや操作キー等の情報を入力するための手段である。操作受付部210は、通信端末200-1に設けられた表示部(不図示)に表示された情報に従って行われる利用者からの操作を受け付ける。操作受付部210は、受け付けた操作に応じた情報を識別する。例えば、操作受付部210は、表示部が商品の注文を促す表示を行い、その表示にしたがって受け付けた操作に基づいて、注文した商品を示す注文情報を識別する。操作受付部210は、識別した注文情報を送信部220へ出力する。ここで商品とは、飲食店で提供される料理や飲料である。注文情報は、注文した商品を識別するために商品ごとに固有にあらかじめ付与された識別情報である。
【0016】
送信部220は、通信端末200-1を識別するための識別情報(端末識別情報)と、操作受付部210が受け付けた操作に基づいた注文情報とを制御装置100へ送信する第1の送信部である。送信部220は、操作受付部210が受け付けた操作に基づいた注文情報を制御装置100へ送信する際、当該注文情報とともに通信端末200-1を識別するための識別情報を送信する。通信端末200-1を識別するための識別情報は、制御装置100が通信端末200-1を他の通信端末と識別できるものであり、通信端末200-1固有に付与されたものである。つまり、この識別情報は、制御装置100が識別情報を受信した場合、受信した識別情報がどの通信端末から送信されてきたものなのかを識別することができる情報である。例えば、識別情報は、通信端末200-1にあらかじめ付与されている物理アドレスでも良いし、本情報処理システムを利用する利用者専用に割り当てられている利用者ID等の識別情報でも良い。送信部220が通信ネットワーク300を介して制御装置100との間で通信を行う通信規格は、これらが互いに通信できるものであれば良く、特に規定しない。
【0017】
図3は、図1に示した制御装置100に具備された構成要素の一例を示す図である。図1に示した制御装置100は図3に示すように、通信部110と、商品準備部120と、順序制御部130とを有する。なお、図3には、図1に示した制御装置100に具備された構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。
【0018】
通信部110は、通信ネットワーク300を介して、通信端末200-1~200-nそれぞれとの間で通信を行う。通信部110が通信ネットワーク300を介して通信端末200-1~200-nそれぞれとの間で通信を行う通信規格は、これらが互いに通信できるものであれば良く、特に規定しない。
【0019】
商品準備部120は、通信端末200-1~200-nそれぞれから送信されてきた注文情報に応じた商品を準備する。商品の準備とは、例えば制御装置100が飲料を準備するロボットを制御する装置である場合、商品準備部120がそのロボットに対して注文情報に応じた飲料を準備する(例えば、飲料が酒類である場合、注文情報に応じた材料および配合率で当該酒類を作成する)ための指示信号を出力することを指す。また、制御装置100自体が飲料を準備する装置である場合、商品準備部120が注文情報に応じた飲料を準備することを指す。商品準備部120は、順序制御部130が制御した優先度に従って、注文情報に応じた商品を準備する。
【0020】
順序制御部130は、商品準備部120が商品を準備する優先度を制御する。順序制御部130は、通信端末200-1~200-nから送信されてきた識別情報に基づいて、優先度を制御する。具体的には、順序制御部130は、通信端末200-1~200-nから注文情報とともに送信されてきた識別情報が、すでに送信されてきた識別情報であるかどうかを判定する。この判定を行うために、順序制御部130は、通信端末200-1~200-nから注文情報が送信されてくると、当該注文情報とともに送信されてきた識別情報を記憶しておく。送信されてきた識別情報がすでに送信されてきた識別情報ではない(記憶されていない識別情報である)場合、順序制御部130は、その識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて商品準備部120が商品を準備する優先度を、その識別情報以外の識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて商品準備部120が商品を準備する優先度よりも高く設定する。このとき、順序制御部130は、商品準備部120に対して、最優先で準備する注文情報を指定しても良い。
【0021】
以下に、図1に示した情報処理システムにおける制御方法について説明する。図4は、図1に示した情報処理システムにおける制御方法の一例を説明するためのフローチャートである。ここでは、図1に示した通信端末200-1から注文情報が送信された場合を例に挙げて説明する。
【0022】
まず、通信端末200-1の操作受付部210が利用者から注文の操作を受け付けると、送信部220は当該注文に応じた注文情報と通信端末200-1に付与されている識別情報とを制御装置100へ送信する。送信部220から送信された注文情報と識別情報とを通信部110が受信すると(ステップS1)、順序制御部130は受信した識別情報がすでに受信したものであるかどうかを判定する(ステップS2)。受信した識別情報がすでに受信したものである場合、処理は終了する。
【0023】
一方、ステップS2にて、受信した識別情報がすでに受信したものでない場合、順序制御部130は、その識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて商品準備部120が商品を準備する優先度を、その識別情報以外の識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて商品準備部120が商品を準備する優先度よりも高く設定する(ステップS3)。続いて、順序制御部130は、商品準備部120に対して、高く設定した優先度を通知する。すると、商品準備部120は、順序制御部130から通知された優先度に基づいて、商品を準備する(ステップS4)。
【0024】
図5は、注文情報が送信されてきた順序と、商品準備部120が商品を準備する優先度との関係の一例を示す図である。図5に示すように、注文情報が注文情報10-1~10-4の順序で送信されてきている。注文情報10-1~10-3それぞれとともに送信されてきた識別情報はすでに制御装置100に記憶されており、注文情報10-4とともに送信されてきた識別情報は制御装置100に記憶されていないものとする。現在、注文情報10-1に含まれる商品A~Cの準備を商品準備部120が行っている状態である場合、次の注文順序である注文情報10-2よりも、注文情報10-4に含まれる商品の準備の優先度が高く設定される。これにより、商品準備部120は、注文情報10-1に含まれる商品の準備が完了した後、注文情報10-2に含まれる商品の準備よりも先に注文情報10-4に含まれる商品の準備を開始する。
【0025】
なお、制御装置100に記憶されている識別情報は、所定のタイミングで消去される。この所定のタイミングとは、例えば、飲食の精算処理が行われた後や、利用者が飲食を行った飲食店から出たことを当該飲食店の出入り口等に設置されているセンサが検知したタイミング等である。また、通信端末200-1~200-nは、利用者が所持している通信端末以外であっても良い。例えば、通信端末200-1~200-nは、その飲食店に配置されている各テーブルに設置された通信端末(例えば、レストランや寿司店の各テーブルに設置されている注文用の端末)でも良い。
【0026】
このように本形態においては、注文が行われた順序で商品を準備する際、初めて送信されてきた注文情報に応じた商品の準備を優先して行う。これにより、来店して初めて注文を行った客には、2回目以降の注文を行った客よりも優先して商品を提供することができる。その結果、客が希望する商品の提供を効率的に行うことができる。
(第2の実施の形態)
【0027】
図6は、本発明の情報処理システムの第2の実施の形態を示す図である。本形態における情報処理システムは図6に示すように、制御装置101と、複数の通信端末200-1~200-n(nは自然数)とが通信ネットワーク300を介して互いに通信可能に接続されている。制御装置101は、所定の位置に設置されている装置である。制御装置101は、例えば、料理や飲料を準備する飲食店の厨房等に設置されている。制御装置101は、本情報処理システムを運用する者が管理する装置である。通信端末200-1~200-nそれぞれは、第1の実施の形態におけるものとそれぞれ同じものである。
【0028】
図7は、図6に示した制御装置101に具備された構成要素の一例を示す図である。図6に示した制御装置101は図7に示すように、通信部110と、商品準備部120と、順序制御部131と、カウンタ141とを有する。なお、図7には、図6に示した制御装置101に具備された構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。通信部110および商品準備部120それぞれは、図3に示したものとそれぞれ同じものである。
【0029】
カウンタ141は、互いに同じ識別情報が注文情報とともに送信されてきた回数を、識別情報ごとにカウントする。カウンタ141は、注文情報とともに送信されてきた識別情報ごとに注文情報が送信されてきた回数をカウントする。カウンタ141は、注文情報とともに識別情報が送信されてくると、その識別情報についてカウントしているカウンタがなければ、新たなカウンタをその識別情報に割り当て、注文情報が送信されてきた回数をカウントする。
【0030】
順序制御部131は、図3に示した順序制御部130が制御する優先度を、カウンタ141がカウントした、識別情報が送信されてきた回数に基づいて制御する。例えば、順序制御部131は、カウンタ141の値が「1」である識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて商品準備部120が商品を準備する優先度を、その識別情報以外の識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて商品準備部120が商品を準備する優先度よりも高く設定する。また、順序制御部131は、カウンタ141の値が小さいほどその識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて商品準備部120が商品を準備する優先度を、その識別情報以外の識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて商品準備部120が商品を準備する優先度よりも高く設定しても良い。
【0031】
以下に、図6に示した情報処理システムにおける制御方法について説明する。図8は、図6に示した情報処理システムにおける制御方法の一例を説明するためのフローチャートである。ここでは、図6に示した通信端末200-1から注文情報が送信された場合を例に挙げて説明する。
【0032】
まず、通信端末200-1の操作受付部210が利用者から注文の操作を受け付けると、送信部220は当該注文に応じた注文情報と通信端末200-1に付与されている識別情報とを制御装置100へ送信する。送信部220から送信された注文情報と識別情報とを通信部110が受信すると(ステップS11)、当該識別情報に割り当てられているカウンタ141の値が「1」カウントアップされる(ステップS12)。続いて、順序制御部131は、当該識別情報に割り当てられているカウンタ141の値が「1」であるかどうかを判定する(ステップS13)。カウンタ141の値が「1」ではない場合、処理は終了する。
【0033】
一方、ステップS13にて、カウンタ141の値が「1」である場合、順序制御部131は、その識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて商品準備部120が商品を準備する優先度を、その識別情報以外の識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて商品準備部120が商品を準備する優先度よりも高く設定する(ステップS14)。続いて、順序制御部131は、商品準備部120に対して、高く設定した優先度を通知する。すると、商品準備部120は、順序制御部131から通知された優先度に基づいて、商品を準備する(ステップS15)。
【0034】
なお、カウンタ141は、所定のタイミングでリセットされる。この所定のタイミングとは、例えば、その識別情報についての利用者(グループ)の飲食の精算処理が行われた後や、利用者が飲食を行った飲食店から出たことを当該飲食店の出入り口等に設置されているセンサが検知したタイミング等である。
【0035】
このように本形態においては、注文が行われた順序で商品を準備する際、注文時にカウントアップしたカウンタの値が「1」である識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じた商品の準備を優先して行う。これにより、来店して初めて注文を行った客には、2回目以降の注文を行った客よりも優先して商品を提供することができる。その結果、客が希望する商品の提供を効率的に行うことができる。
(第3の実施の形態)
【0036】
図9は、本発明の情報処理システムの第3の実施の形態を示す図である。本形態における情報処理システムは図9に示すように、制御装置102と、複数の通信端末200-1~200-n(nは自然数)とが通信ネットワーク300を介して互いに通信可能に接続されている。制御装置102は、所定の位置に設置されている装置である。制御装置102は、例えば、料理や飲料を準備する飲食店の厨房等に設置されている。制御装置102は、本情報処理システムを運用する者が管理する装置である。通信端末200-1~200-nそれぞれは、第1の実施の形態におけるものとそれぞれ同じものである。
【0037】
図10は、図9に示した制御装置102に具備された構成要素の一例を示す図である。図9に示した制御装置102は図10に示すように、通信部110と、商品準備部120と、順序制御部132と、タイマ152とを有する。なお、図10には、図9に示した制御装置102に具備された構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。通信部110および商品準備部120それぞれは、図3に示したものとそれぞれ同じものである。
【0038】
タイマ152は、互いに同じ識別情報が最初に通信端末から送信されてきたときからのその通信端末ごとの時間を計測する。つまり、タイマ152は、利用者(客)が商品を最初に注文したときからの時間を客または注文を行うグループごとに計測する。タイマ152は、注文情報とともに識別情報が送信されてくると、その識別情報について時間を計測しているタイマがなければ、新たなタイマをその識別情報に割り当て、注文情報が最初に送信されてきてからの時間を計測する。
【0039】
順序制御部132は、図3に示した順序制御部130が制御する優先度を、タイマ152が計測している時間に基づいて制御する。例えば、順序制御部132は、タイマ152が計測している時間が短いほど、その通信端末から送信されてきた注文情報に応じた商品を商品準備部120が準備する優先度を高く設定する。例えば、通信端末200-1の時間を計測しているタイマが、注文情報を最初に受信してから計測している時間が5分間であり、他の通信端末200-2~200-nそれぞれの時間を計測するタイマそれぞれが計測している時間が5分間を超えるものである場合、順序制御部132は、通信端末200-1から送信されてきた注文情報に応じた商品を商品準備部120が準備する優先度を高く設定する。
【0040】
以下に、図9に示した情報処理システムにおける制御方法について説明する。図11は、図9に示した情報処理システムにおける制御方法の一例を説明するためのフローチャートである。ここでは、図9に示した通信端末200-1から注文情報が送信された場合を例に挙げて説明する。
【0041】
まず、通信端末200-1の操作受付部210が利用者から注文の操作を受け付けると、送信部220は当該注文に応じた注文情報と通信端末200-1に付与されている識別情報とを制御装置100へ送信する。送信部220から送信された注文情報と識別情報とを通信部110が受信すると(ステップS21)、当該識別情報に割り当てられているタイマがあるかどうかを順序制御部132が判定する(ステップS22)。つまり、順序制御部132は、当該識別情報に割り当てられているタイマが動作中であるかどうかを判定する。
【0042】
当該識別情報に割り当てられているタイマが動作中ではない場合、順序制御部132は、当該識別情報に1つのタイマを割り当て、タイマをスタートさせる(ステップS23)。そして、順序制御部132は、当該タイマの計測値がほかの識別情報に割り当てられたタイマの計測値よりも短いかどうかを判定する(ステップS24)。当該タイマの計測値がほかの識別情報に割り当てられたタイマの計測値よりも短くない場合、処理は終了する。また、ステップS22にて、当該識別情報に割り当てられているタイマが動作中である場合、ステップS23の処理は行われず、ステップS24の処理が行われる。
【0043】
一方、ステップS24にて、当該タイマの計測値がほかの識別情報に割り当てられたタイマの計測値よりも短い場合、順序制御部132は、その識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて商品準備部120が商品を準備する優先度を、その識別情報以外の識別情報とともに送信されてきた注文情報に応じて商品準備部120が商品を準備する優先度よりも高く設定する(ステップS25)。続いて、順序制御部132は、商品準備部120に対して、高く設定した優先度を通知する。すると、商品準備部120は、順序制御部132から通知された優先度に基づいて、商品を準備する(ステップS26)。
【0044】
なお、タイマ152は、所定のタイミングで停止およびリセットされ、割り当てが解除される。この所定のタイミングとは、例えば、その識別情報についての利用者(グループ)の飲食の精算処理が行われた後や、利用者が飲食を行った飲食店から出たことを当該飲食店の出入り口等に設置されているセンサが検知したタイミング等である。
【0045】
このように本形態においては、注文が行われた順序で商品を準備する際、最初に注文を行った際に計測を開始したタイマのタイマ値が他のタイマが計測しているタイマ値よりも短い場合、そのときに送信されてきた注文情報に応じた商品の準備を優先して行う。これにより、来店してから注文を行うまでの時間がより短い注文を行った客に対して、他の注文を行った客に対してよりも優先して商品を提供することができる。その結果、客が希望する商品の提供を効率的に行うことができる。
(第4の実施の形態)
【0046】
第1~3の実施の形態では、客が注文を行う回数や、客が最初に注文を行ってからの時間に応じて、その注文に応じた商品の準備の優先度を制御した。他の形態として、注文したメニュー(注文情報)に応じて商品の準備の優先度を制御しても良い。例えば、商品ごとの単価で商品を注文する客は、飲み放題メニュー等の所定の価格で数量に限定が無い商品を注文する客よりも、その客が注文した商品の準備の優先度を高く制御しても良い。
【0047】
このように本形態においては、注文が行われた順序で商品を準備する際、注文情報に応じて商品の準備の優先度を制御する。これにより、注文されたメニューに応じた優先度で商品を提供することができる。その結果、客が希望する商品の提供を効率的に行うことができる。
【0048】
以上、各構成要素に各機能(処理)それぞれを分担させて説明したが、この割り当ては上述したものに限定しない。また、構成要素の構成についても、上述した形態はあくまでも例であって、これに限定しない。また、各実施の形態を組み合わせたものであっても良い。
【0049】
上述した各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を、制御装置100~103それぞれにて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを制御装置100~103それぞれに読み込ませ、実行するものであっても良い。制御装置100~103それぞれにて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)、Blu-ray(登録商標) Disc、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SDカードなどの移設可能な記録媒体の他、制御装置100~103それぞれに内蔵されたROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリやHDD(Hard Disc Drive)等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、制御装置100~103それぞれに設けられたCPUにて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【符号の説明】
【0050】
10-1~10-4 注文情報
100~102 制御装置
110 通信部
120 商品準備部
130~132 順序制御部
141 カウンタ
152 タイマ
200-1~200-n 通信端末
210 操作受付部
220 送信部
300 通信ネットワーク
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