(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053266
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】内視鏡装置用の保持装置及び内視鏡設備
(51)【国際特許分類】
G02B 23/24 20060101AFI20240408BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20240408BHJP
A61B 1/12 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
G02B23/24 A
A61B1/00 Z
A61B1/00 653
A61B1/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159398
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】福家 康隆
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 洋一
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040AA03
2H040AA04
2H040DA02
2H040DA12
2H040DA57
2H040FA01
4C161AA29
4C161BB01
4C161CC06
4C161FF23
4C161HH03
(57)【要約】
【課題】内視鏡装置をより効果的に冷却することが可能な内視鏡装置用の保持装置及び内視鏡設備を提供する。
【解決手段】被検査装置の内部に挿入される挿入部を含む内視鏡装置用の保持装置は、前記挿入部が挿入されるシース管を備え、前記シース管の基端部を介して前記シース管の内部に冷却ガスが導入されるとともに、前記シース管の先端開口から前記冷却ガスが放出されるように構成され、前記シース管の先端部において前記シース管の周方向にて互いに離間して設けられ、前記シース管の内周面から径方向内側に突出する複数の突起部を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査装置の内部に挿入される挿入部を含む内視鏡装置用の保持装置であって、
前記挿入部が挿入されるシース管を備え、
前記シース管の基端部を介して前記シース管の内部に冷却ガスが導入されるとともに、前記シース管の先端開口から前記冷却ガスが放出されるように構成され、
前記シース管の先端部において前記シース管の周方向にて互いに離間して設けられ、前記シース管の内周面から径方向内側に突出する複数の突起部を備える
内視鏡装置用の保持装置。
【請求項2】
前記複数の突起部の少なくとも1つは、前記挿入部を支持するための支持面を有し、
前記支持面は、前記シース管の軸方向から視たとき、径方向外側に向かって凹む凹状湾曲面を含む
請求項1に記載の内視鏡装置用の保持装置。
【請求項3】
前記複数の突起部の少なくとも1つは、前記挿入部を支持するための支持面を有し、
前記支持面は、前記シース管の軸方向から視たとき、径方向内側に向かって突出する凸状湾曲面を含む
請求項1又は2に記載の内視鏡装置用の保持装置。
【請求項4】
前記複数の突起部の少なくとも1つは、前記シース管の軸方向において前記シース管の基端側及び先端側にそれぞれ位置する基端側端部及び先端側端部を有し、
前記基端側端部は、前記軸方向にて前記基端側から前記先端側に向かうに従い前記シース管の前記内周面を基準とする高さが増大する高さ増大部を含む
請求項1又は2に記載の内視鏡装置用の保持装置。
【請求項5】
前記複数の突起部の少なくとも1つは、前記シース管の軸方向において前記シース管の基端側及び先端側にそれぞれ位置する基端側端部及び先端側端部を有し、
前記先端側端部は、前記軸方向にて前記基端側から前記先端側に向かうに従い前記シース管の前記内周面を基準とする高さが減少する高さ減少部を含む
請求項1又は2に記載の内視鏡装置用の保持装置。
【請求項6】
前記複数の突起部の少なくとも1つは、前記シース管の軸方向において前記シース管の基端側及び先端側にそれぞれ位置する基端側端部及び先端側端部を有し、
前記基端側端部は、前記軸方向にて前記基端側から前記先端側に向かうに従い前記シース管の周方向に沿った幅が増大する幅増大部を含む
請求項1又は2に記載の内視鏡装置用の保持装置。
【請求項7】
前記複数の突起部の少なくとも1つは、前記シース管の軸方向において前記シース管の基端側及び先端側にそれぞれ位置する基端側端部及び先端側端部を有し、
前記先端側端部は、前記軸方向にて前記基端側から前記先端側に向かうに従い前記シース管の周方向に沿った幅が減少する幅減少部を含む
請求項1又は2に記載の内視鏡装置用の保持装置。
【請求項8】
前記複数の突起部の少なくとも1つは、前記シース管の軸方向において前記シース管の基端側を向く基端側端面を有し、
前記基端側端面は、前記軸方向にて前記基端側に向かって突出するように湾曲する湾曲面を含む
請求項1又は2に記載の内視鏡装置用の保持装置。
【請求項9】
前記複数の突起部の少なくとも1つは、前記シース管の軸方向において前記シース管の先端側を向く先端側端面を有し、
前記先端側端面は、前記軸方向にて前記先端側に向かって突出するように湾曲する湾曲面を含む
請求項1又は2に記載の内視鏡装置用の保持装置。
【請求項10】
前記シース管は、本体管部と、前記本体管部の先端部に接続される先端管部と、を含み、
前記複数の突起部は、前記先端管部に設けられる
請求項1又は2に記載の内視鏡装置用の保持装置。
【請求項11】
前記シース管の内部に前記冷却ガスを供給するように構成された冷却ガス供給部を備える
請求項1又は2に記載の内視鏡装置用の保持装置。
【請求項12】
被検査装置の内部に挿入される挿入部を含む内視鏡装置と、
前記内視鏡装置を保持するための請求項1又は2に記載の保持装置と、
を備え、
前記内視鏡装置の前記挿入部は、前記保持装置の前記シース管に挿入されている
内視鏡設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内視鏡装置用の保持装置及び内視鏡設備に関する。
【背景技術】
【0002】
機器類の内部の検査のために内視鏡装置が用いられている。高温環境で用いられる内視鏡装置には、部品(カメラヘッドやケーブル等)を冷却するための冷却機能を有するものがある。
【0003】
特許文献1には、ボアスコープ(内視鏡)と、ボアスコープが挿入されるシース管を備え、シース管とボアスコープとの間の空間に冷却空気が導入されるように構成された内視鏡装置が開示されている。シース管とボアスコープとの間の空間を流れる冷却空気により、ボアスコープが冷却されるようになっている。
【0004】
また、特許文献1の内視鏡装置では、シース管の先端部の内周面に、ボアスコープを把持して支持するための支持部が設けられている。これにより、軸方向においてボアスコープの位置がシース管に対してずれることが抑制され、ボアスコープの先端部の冷却不足やボアスコープの視界不良による検査不良が抑制されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載の装置では、ボアスコープ(内視鏡装置)の先端部を支持する支持部材が、ボアスコープの全周を囲んでいる。このため、ボアスコープ表面に沿った冷却空気の流れが該支持部材によって阻害されるため、冷却空気による冷却効果が抑制されていると考えられる。
【0007】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、内視鏡装置をより効果的に冷却することが可能な内視鏡装置用の保持装置及び内視鏡設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の少なくとも一実施形態に係る内視鏡装置用の保持装置は、
被検査装置の内部に挿入される挿入部を含む内視鏡装置用の保持装置であって、
前記挿入部が挿入されるシース管を備え、
前記シース管の基端部を介して前記シース管の内部に冷却ガスが導入されるとともに、前記シース管の先端開口から前記冷却ガスが放出されるように構成され、
前記シース管の先端部において前記シース管の周方向にて互いに離間して設けられ、前記シース管の内周面から径方向内側に突出する複数の突起部を備える。
【0009】
また、本発明の少なくとも一実施形態に係る内視鏡設備は、
被検査装置の内部に挿入される挿入部を含む内視鏡装置と、
前記内視鏡装置を保持するための上述の保持装置と、
を備え、
前記内視鏡装置の前記挿入部は、前記保持装置の前記シース管に挿入されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、内視鏡装置をより効果的に冷却することが可能な内視鏡装置用の保持装置及び内視鏡設備が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態に係る保持装置が適用される内視鏡設備の概略構成図である。
【
図2】一実施形態に係る保持装置のシース管の先端部の断面図である。
【
図4A】一実施形態に係る保持装置の軸方向に沿った断面図である。
【
図4B】一実施形態に係る保持装置の軸方向に沿った断面図である。
【
図4C】一実施形態に係る保持装置の軸方向に沿った断面図である。
【
図5A】一実施形態に係る保持装置の軸方向に直交する断面図である。
【
図5B】一実施形態に係る保持装置の軸方向に直交する断面図である。
【
図6A】一実施形態に係る保持装置を径方向内側から径方向外側に向かって視た図である。
【
図6B】一実施形態に係る保持装置を径方向内側から径方向外側に向かって視た図である。
【
図6C】一実施形態に係る保持装置を径方向内側から径方向外側に向かって視た図である。
【
図6D】一実施形態に係る保持装置を径方向内側から径方向外側に向かって視た図である。
【
図6E】一実施形態に係る保持装置を径方向内側から径方向外側に向かって視た図である。
【
図6F】一実施形態に係る保持装置を径方向内側から径方向外側に向かって視た図である。
【
図6G】一実施形態に係る保持装置を径方向内側から径方向外側に向かって視た図である。
【
図6H】一実施形態に係る保持装置を径方向内側から径方向外側に向かって視た図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0013】
(内視鏡設備及び保持装置の構成)
図1は、一実施形態に係る保持装置が適用される内視鏡設備の概略構成図である。
図2は、一実施形態に係る保持装置のシース管の先端部の断面図であり、
図3は、
図2に示すA-A断面を示す図である。
【0014】
幾つかの実施形態に係る内視鏡設備110は、被検査装置2(
図1参照)の内部を検査するための設備である。被検査装置2は、典型的には内部が高温になり得る装置であり、例えば、ガスタービン等の燃焼装置の部品(例えば燃焼器)であってもよい。
【0015】
図1に示すように内視鏡設備110は、被検査装置2の内部に挿入される挿入部6を含む内視鏡装置4と、内視鏡装置4を保持するための保持装置100と、を備える。
【0016】
図1に示す例示的な実施形態では、内視鏡装置4の挿入部6は、挿入部6の先端部に設けられるカメラヘッド8と、カメラヘッド8に接続されるカメラケーブル7と、を含む。カメラヘッド8は、レンズ及びCCD(電荷結合素子)を含んでもよい。カメラケーブル7は、カメラヘッド8で得られる撮影画像を示す電気信号を計算機等に送信する機能を有していてもよい。
【0017】
保持装置100は、内視鏡装置4の挿入部6が挿入されるシース管10を備えている。
図1に示すように、幾つかの実施形態では、内視鏡装置4は、シース管10の内部に冷却ガス(空気等)を供給するように構成された冷却ガス供給部9を備えている。
【0018】
シース管10は、両端部である基端部10a及び先端部10bを有する。
図1に示すシース管10は、本体管部22と、本体管部22の先端側に接続される先端管部24と、を含む。本体管部22は樹脂製であってもよく、先端管部24は金属製であってもよい。
【0019】
なお、
図2に示すように、先端管部24は、本体管部22の端部を内周側及び外周側から挟むように設けられる第1部品26及び第2部品28を含んでもよい。第1部品26と第2部品28とが、本体管部22の端部を挟み込んだ状態で螺合されることで、先端管部24と本体管部22とが接続されるようになっていてもよい。
【0020】
シース管10は、基端部10a側にて被検査装置2に取り付けられる。
図1に示す例示的な実施形態では、シース管10の基端部10aは、継手部12を介して、口金14に接続されている。口金14は、フランジ部16を有し、フランジ部16に設けられるボルト18によって、保持装置100が被検査装置2に固定されるようになっていてもよい。
【0021】
冷却ガス供給部9は、口金14に接続される冷却ガス供給管21を含んでもよい。口金14には、内視鏡装置4(図示する例ではカメラケーブル7)が貫通する部分に、冷却ガスの漏れを低減するためのシール部20が設けられていてもよい。
【0022】
冷却ガス供給部9から供給される冷却ガスは、冷却ガス供給管21、口金14及び継手部12を介して、シース管10の基端部10aからシース管10の内部に導入されるようになっている。シース管10の内部に導入された冷却ガスは、内視鏡装置4の挿入部6とシース管10との間に形成される隙間13をシース管10の軸方向(シース管10の中心軸Oの方向;以下、単に軸方向ともいう。)に沿って流れ、シース管10の先端開口15から放出されるようになっている。これにより、内視鏡装置4の挿入部6(カメラケーブル7やカメラヘッド8)が冷却されるようになっている。
【0023】
図2及び
図3に示すように、保持装置100は、シース管10の先端部10bにおいてシース管10の周方向にて互いに離間して設けられ、シース管10の内周面11から径方向内側に突出する複数の突起部30を備える。なお、図示する実施形態では、複数の突起部30は、先端管部24の内周面25から径方向内側に突出するように設けられている。複数の突起部30の各々は、径方向内側を向く支持面32を有し、支持面32によって、内視鏡装置4の挿入部6が支持されるようになっている。
【0024】
上述の構成によれば、シース管10の先端部10bに、シース管10の内周面11から径方向内側に突出し、周方向にて互いに離間する複数の突起部30を設けたので、周方向にて隣り合う突起部30同士の間に、内視鏡装置4の挿入部6がシース管10及び突起部30に接触しない領域Sが形成された状態で、内視鏡装置4の挿入部6を支持することができる。このため、シース管10の内部においてシース管10の基端部10aから先端開口15に向かってシース管10と挿入部6との間の隙間13を流れる冷却ガスを、上述の突起部30同士の間の領域Sを経て軸方向に沿ってスムーズに流すことができる。よって、内視鏡装置の挿入部の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0025】
また、上述の構成によれば、シース管10の内周面から突出する複数の突起部30によって内視鏡装置4の挿入部6が支持されるため、挿入部6は支持部材によって拘束されず、シース管10に対する挿入部6の軸方向における相対的な移動が許容される。よって、シース管10等に熱伸びが生じたときに、軸方向において挿入部6がシース管10に対して相対的に移動可能であるため、挿入部6がシース管10に対して固定されている場合に比べて、挿入部6及びシース管10の損傷発生を抑制することができる。
【0026】
図4A~
図4Cは、それぞれ、一実施形態に係る保持装置の軸方向に沿った断面図である。
図5A及び
図5Bは、それぞれ、一実施形態に係る保持装置の軸方向に直交する断面図である。
図6A~
図6Hは、それぞれ、一実施形態に係る保持装置を径方向内側から径方向外側に向かって視た図である。
【0027】
図2、
図4A~
図4C及び
図6A~
図6Hに示すように、突起部30は、軸方向における両端面である基端側端面34及び先端側端面36を有する。また、
図4A~
図4C及び
図6A~
図6Hに示すように、突起部30は、軸方向におけるシース管10の基端側及び先端側にそれぞれ位置する基端側端部42及び先端側端部44を有する。また、
図3、
図5A~
図6Hに示すように、突起部30は、支持面32と、シース管10の内周面11との間を径方向に沿って延びる一対の側面38,40を有する。
【0028】
幾つかの実施形態では、例えば
図5Aに示すように、複数の突起部30の少なくとも1つの支持面32は、シース管10の軸方向から視たとき、径方向外側に向かって凹む凹状湾曲面50を含む。
【0029】
上述の構成では、複数の突起部30の少なくとも1つの支持面32が上述の凹状湾曲面50を含むので、該凹状湾曲面50によって内視鏡装置4の挿入部6を安定的に支持することができる。よって、複数の突起部30によって内視鏡装置4の挿入部6を安定的に支持しながら、内視鏡装置4の挿入部6の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0030】
幾つかの実施形態では、例えば
図5Bに示すように、複数の突起部30の少なくとも1つの支持面32は、シース管10の軸方向から視たとき、径方向内側に向かって突出する凸状湾曲面52を含む。
【0031】
上述の構成では、複数の突起部30の少なくとも1つの支持面32が上述の凸状湾曲面52を含むので、支持面32と内視鏡装置4の挿入部6との接触面積が比較的小さい。このため、内視鏡装置4の挿入部6と冷却ガスとの接触面積が比較的大きくなる。よって、内視鏡装置4の挿入部6の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0032】
幾つかの実施形態では、例えば
図5A及び
図5Bに示すように、突起部30の側面38,40は、軸方向から視たとき、凹むように湾曲していてもよい。この場合、シース管10の内周面及び突起部30によって形成される冷却ガスの流路の流路抵抗を小さくすることができる。これにより、冷却ガスによる冷却効率を向上させることができる。
【0033】
幾つかの実施形態では、例えば
図4A~
図4Cに示すように、複数の突起部30の少なくとも1つの基端側端部42は、軸方向にてシース管10の基端側から先端側に向かうに従いシース管10の内周面11を基準とする高さHが増大する高さ増大部46を含む。
【0034】
上述の構成によれば、複数の突起部30の少なくとも1つの基端側端部42は、上述の高さ増大部46を含む。このため、シース管10の内周面11及び突起部30によって形成される冷却ガスの流路の流路抵抗が小さくなり、シース管10と挿入部6との間の隙間13を軸方向に沿って流れる冷却ガスの流れが、高さ増大部46を介して突起部30にスムーズに流入することができる。よって、内視鏡装置4の挿入部6の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0035】
図4A及び
図4Cに示すように、高さ増大部46は、軸方向に沿った断面において直線状の輪郭を有していてもよい。あるいは、
図4Bに示すように、高さ増大部46は、軸方向に沿った断面において曲線状の輪郭を有していてもよい。
【0036】
幾つかの実施形態では、例えば
図4A~
図4Cに示すように、複数の突起部30の少なくとも1つの先端側端部44は、軸方向にて基端側から先端側に向かうに従いシース管10の内周面11を基準とする高さHが減少する高さ減少部48を含む。
【0037】
上述の構成によれば、複数の突起部30の少なくとも1つの先端側端部44は、上述の高さ減少部48を含む。このため、シース管10の内周面11及び突起部30によって形成される冷却ガスの流路の流路抵抗が小さくなり、シース管10と挿入部6との間の隙間13を軸方向に沿って流れる冷却ガスの流れが、高さ減少部48を介して突起部30からスムーズに流出することができる。よって、内視鏡装置4の挿入部6の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0038】
幾つかの実施形態では、例えば
図4A~
図4Cに示すように、複数の突起部30の少なくとも1つの基端側端部42が上述の高さ増大部46を有し、かつ、先端側端部44が上述の高さ減少部48を有してもよい。
【0039】
幾つかの実施形態では、例えば
図6Aに示すように、複数の突起部30の少なくとも1つは、基端側端部42から先端側端部44にかけて、一定の幅を有する。この場合、突起部30を形成するときの加工が比較的容易である。
【0040】
幾つかの実施形態では、例えば
図6B、
図6D、
図6F及び
図6Gに示すように、複数の突起部30の少なくとも1つの基端側端部42は、軸方向にて基端側から先端側に向かうに従いシース管10の周方向に沿った幅Wが増大する幅増大部54を含む。
【0041】
上述の構成によれば、複数の突起部30の少なくとも1つの基端側端部42は、上述の幅増大部54を含む。このため、シース管10の内周面11及び突起部30によって形成される冷却ガスの流路の流路抵抗が小さくなり、シース管10と挿入部6との間の隙間13を軸方向に沿って流れる冷却ガスの流れが、幅増大部54を介して、周方向に隣り合う突起部30の間の領域S(
図3参照)にスムーズに流入することができる。よって、内視鏡装置4の挿入部6の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0042】
幾つかの実施形態では、例えば、
図6C、
図6E、
図6F及び
図6Gに示すように、複数の突起部30の少なくとも1つの先端側端部44は、軸方向にて基端側から先端側に向かうに従いシース管10の周方向に沿った幅Wが減少する幅減少部56を含む。
【0043】
上述の構成によれば、複数の突起部30の少なくとも1つの先端側端部44は、上述の幅減少部56を含む。このため、シース管10の内周面11及び突起部30によって形成される冷却ガスの流路の流路抵抗が小さくなり、シース管10と挿入部6との間の隙間13を軸方向に沿って流れる冷却ガスの流れが、幅減少部56を介して、周方向に隣り合う突起部30の間の領域S(
図3参照)からスムーズに流出することができる。よって、内視鏡装置4の挿入部6の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0044】
幾つかの実施形態では、例えば
図6F及び
図6Gに示すように、複数の突起部30の少なくとも1つの基端側端部42が上述の幅増大部54を有し、かつ、先端側端部44が上述の幅減少部56を有してもよい。
【0045】
幾つかの実施形態では、例えば
図6A、
図6B、
図6C、
図6F及び
図6Hに示すように、径方向内側から径方向外側向けて視たとき、突起部30の基端側端部42及び先端側端部44における側面38,40は、直線状の輪郭を有していてもよい。
【0046】
幾つかの実施形態では、例えば
図6A、
図6B、
図6C、
図6F及び
図6Hに示すように、径方向内側から径方向外側向けて視たとき、突起部30の側面38,40は、基端側端部42から先端側端部44にかけて、直線状の輪郭を有していてもよい。
【0047】
幾つかの実施形態では、例えば
図6D、
図6E及び
図6Gに示すように、径方向内側から径方向外側向けて視たとき、突起部30の基端側端部42及び先端側端部44における側面38,40は、曲線状の輪郭を有していてもよい。
【0048】
幾つかの実施形態では、例えば
図6D及び
図6Eに示すように、径方向内側から径方向外側向けて視たとき、突起部30の側面38,40は、基端側端部42から先端側端部44にかけて、曲線状の輪郭を有していてもよい。
【0049】
幾つかの実施形態では、例えば
図6Gに示すように、複数の突起部30の少なくとも1つの基端側端面34は、軸方向にて基端側に向かって突出するように湾曲する湾曲面を含む。
【0050】
上述の構成によれば、複数の突起部30の少なくとも1つの基端側端面34は、軸方向にて基端側に向かって突出する湾曲面を含む。このため、シース管10の内周面11及び突起部30によって形成される冷却ガスの流路の流路抵抗が小さくなり、シース管10と挿入部6との間の隙間13を軸方向に沿って流れる冷却ガスの流れが、上述の湾曲面を介して、周方向に隣り合う突起部30の間の領域S(
図3参照)にスムーズに流入することができる。よって、内視鏡装置の挿入部の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0051】
幾つかの実施形態では、例えば
図6Gに示すように、複数の突起部30の少なくとも1つの先端側端面36は、軸方向にて先端側に向かって突出するように湾曲する湾曲面を含む。
【0052】
上述の構成によれば、複数の突起部30の少なくとも1つの先端側端面36は、軸方向にて先端側に向かって突出する湾曲面を含む。このため、シース管10の内周面11及び突起部30によって形成される冷却ガスの流路の流路抵抗が小さくなり、シース管10と挿入部6との間の隙間13を軸方向に沿って流れる冷却ガスの流れが、上述の湾曲面を介して、周方向に隣り合う突起部30の間の領域S(
図3参照)からスムーズに流出することができる。よって、内視鏡装置の挿入部の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0053】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0054】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る内視鏡装置用の保持装置(100)は、
被検査装置(2)の内部に挿入される挿入部(6)を含む内視鏡装置(4)用の保持装置であって、
前記挿入部が挿入されるシース管(10)を備え、
前記シース管の基端部(10a)を介して前記シース管の内部に冷却ガスが導入されるとともに、前記シース管の先端開口(15)から前記冷却ガスが放出されるように構成され、
前記シース管の先端部(10b)において前記シース管の周方向にて互いに離間して設けられ、前記シース管の内周面(11)から径方向内側に突出する複数の突起部(30)を備える。
【0055】
上記(1)の構成によれば、シース管の先端部に、シース管の内周面から径方向内側に突出し、周方向にて互いに離間する複数の突起部を設けたので、周方向にて隣り合う突起部同士の間に、内視鏡装置4の挿入部6がシース管10及び突起部30に接触しない領域が形成された状態で、内視鏡装置の挿入部を支持することができる。このため、シース管の内部においてシース管の基端部から先端開口に向かってシース管と挿入部との間の隙間を流れる冷却ガスを、上述の突起部同士の間の領域を経て軸方向に沿ってスムーズに流すことができる。よって、内視鏡装置の挿入部の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0056】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記複数の突起部の少なくとも1つは、前記挿入部を支持するための支持面(32)を有し、
前記支持面は、前記シース管の軸方向から視たとき、径方向外側に向かって凹む凹状湾曲面(50)を含む。
【0057】
上記(2)の構成によれば、複数の突起部の少なくとも1つの支持面は、軸方向から視たとき、径方向外側に向かって凹む凹状湾曲面を含むので、該凹状湾曲面によって内視鏡装置の挿入部を安定的に支持することができる。よって、複数の突起部によって内視鏡装置の挿入部を安定的に支持しながら、内視鏡装置の挿入部の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0058】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記複数の突起部の少なくとも1つは、前記挿入部を支持するための支持面を有し、
前記支持面は、前記シース管の軸方向から視たとき、径方向内側に向かって突出する凸状湾曲面(52)を含む。
【0059】
上記(3)の構成によれば、複数の突起部の少なくとも1つの支持面は、軸方向から視たとき、径方向内側に向かって突出する凸状湾曲面を含むので、支持面と内視鏡装置の挿入部との接触面積が比較的小さい。このため、内視鏡装置の挿入部と冷却ガスとの接触面積が比較的大きくなり、よって、内視鏡装置の挿入部の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0060】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、
前記複数の突起部の少なくとも1つは、前記シース管の軸方向において前記シース管の基端側及び先端側にそれぞれ位置する基端側端部(42)及び先端側端部(44)を有し、
前記基端側端部は、前記軸方向にて前記基端側から前記先端側に向かうに従い前記シース管の前記内周面を基準とする高さが増大する高さ増大部(46)を含む。
【0061】
上記(4)の構成によれば、複数の突起部の少なくとも1つの基端側端部は、軸方向にて基端側から先端側に向かうにしたがいシース管の内周面を基準とする高さが増大する高さ増大部を含む。このため、シース管の内周面及び突起部によって形成される冷却ガスの流路の流路抵抗が小さくなり、シース管と挿入部との間の隙間を軸方向に沿って流れる冷却ガスの流れが、高さ増大部を介して突起部にスムーズに流入することができる。よって、内視鏡装置の挿入部の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0062】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、
前記複数の突起部の少なくとも1つは、前記シース管の軸方向において前記シース管の基端側及び先端側にそれぞれ位置する基端側端部及び先端側端部を有し、
前記先端側端部は、前記軸方向にて前記基端側から前記先端側に向かうに従い前記シース管の前記内周面を基準とする高さが減少する高さ減少部(48)を含む。
【0063】
上記(5)の構成によれば、複数の突起部の少なくとも1つの先端側端部は、軸方向にて基端側から先端側に向かうにしたがいシース管の内周面を基準とする高さが減少する高さ減少部を含む。このため、シース管の内周面及び突起部によって形成される冷却ガスの流路の流路抵抗が小さくなり、シース管と挿入部との間の隙間を軸方向に沿って流れる冷却ガスの流れが、高さ減少部を介して突起部からスムーズに流出することができる。よって、内視鏡装置の挿入部の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0064】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、
前記複数の突起部の少なくとも1つは、前記シース管の軸方向において前記シース管の基端側及び先端側にそれぞれ位置する基端側端部及び先端側端部を有し、
前記基端側端部は、前記軸方向にて前記基端側から前記先端側に向かうに従い前記シース管の周方向に沿った幅が増大する幅増大部(54)を含む。
【0065】
上記(6)の構成によれば、複数の突起部の少なくとも1つの基端側端部は、軸方向にて基端側から先端側に向かうにしたがいシース管の周方向に沿った幅が増大する幅増大部を含む。このため、シース管の内周面及び突起部によって形成される冷却ガスの流路の流路抵抗が小さくなり、シース管と挿入部との間の隙間を軸方向に沿って流れる冷却ガスの流れが、幅増大部を介して、周方向に隣り合う突起部の間の領域にスムーズに流入することができる。よって、内視鏡装置の挿入部の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0066】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、
前記複数の突起部の少なくとも1つは、前記シース管の軸方向において前記シース管の基端側及び先端側にそれぞれ位置する基端側端部及び先端側端部を有し、
前記先端側端部は、前記軸方向にて前記基端側から前記先端側に向かうに従い前記シース管の周方向に沿った幅が減少する幅減少部(56)を含む。
【0067】
上記(7)の構成によれば、複数の突起部の少なくとも1つの先端側端部は、軸方向にて基端側から先端側に向かうにしたがいシース管の周方向に沿った幅が減少する幅減少部を含む。このため、シース管の内周面及び突起部によって形成される冷却ガスの流路の流路抵抗が小さくなり、シース管と挿入部との間の隙間を軸方向に沿って流れる冷却ガスの流れが、幅減少部を介して、周方向に隣り合う突起部の間の領域からスムーズに流出することができる。よって、内視鏡装置の挿入部の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0068】
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの構成において、
前記複数の突起部の少なくとも1つは、前記シース管の軸方向において前記シース管の基端側を向く基端側端面(34)を有し、
前記基端側端面は、前記軸方向にて前記基端側に向かって突出するように湾曲する湾曲面を含む。
【0069】
上記(8)の構成によれば、複数の突起部の少なくとも1つの基端側端面は、軸方向にて基端側に向かって突出する湾曲面を含む。このため、シース管の内周面及び突起部によって形成される冷却ガスの流路の流路抵抗が小さくなり、シース管と挿入部との間の隙間を軸方向に沿って流れる冷却ガスの流れが、上述の湾曲面を介して、周方向に隣り合う突起部の間の領域にスムーズに流入することができる。よって、内視鏡装置の挿入部の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0070】
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れかの構成において、
前記複数の突起部の少なくとも1つは、前記シース管の軸方向において前記シース管の先端側を向く先端側端面(36)を有し、
前記先端側端面は、前記軸方向にて前記先端側に向かって突出するように湾曲する湾曲面を含む。
【0071】
上記(9)の構成によれば、複数の突起部の少なくとも1つの先端側端面は、軸方向にて先端側に向かって突出する湾曲面を含む。このため、シース管の内周面及び突起部によって形成される冷却ガスの流路の流路抵抗が小さくなり、シース管と挿入部との間の隙間を軸方向に沿って流れる冷却ガスの流れが、上述の湾曲面を介して、周方向に隣り合う突起部の間の領域からスムーズに流出することができる。よって、内視鏡装置の挿入部の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0072】
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れかの構成において、
前記シース管は、本体管部(22)と、前記本体管部の先端部に接続される先端管部(24)と、を含み、
前記複数の突起部は、前記先端管部に設けられる。
【0073】
上記(10)の構成によれば、本体管部の先端部に接続される先端管部に複数の突起部が設けられる。よって、複数の突起部が形成された先端管部を本体管部に接続することにより、先端部に突起部が設けられたシース管を容易に得ることができる。あるいは、突起部に損傷が発生したときに、先端管部を交換することにより、シース管を修理することが可能である。
【0074】
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(10)の何れかの構成において、
前記保持装置は、
前記シース管の内部に前記冷却ガスを供給するように構成された冷却ガス供給部(9)を備える。
【0075】
上記(11)の構成によれば、保持装置は、シース管の内部に冷却ガスを供給するため冷却ガス供給部を備え、シース管の先端部に上述の複数の突起部が設けられるので、上記(1)で述べたように、内視鏡装置の挿入部の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0076】
(12)本発明の少なくとも一実施形態に係る内視鏡設備(110)は、
被検査装置(2)の内部に挿入される挿入部を含む内視鏡装置(4)と、
前記内視鏡装置を保持するための上記(1)乃至(11)の何れか一項に記載の保持装置(100)と、
を備え、
前記内視鏡装置の前記挿入部は、前記保持装置の前記シース管に挿入されている。
【0077】
上記(12)の構成によれば、シース管の先端部に、シース管の内周面から径方向内側に突出し、周方向にて互いに離間する複数の突起部を設けたので、周方向にて隣り合う突起部同士の間に、内視鏡装置4の挿入部6がシース管10及び突起部30に接触しない領域Sが形成された状態で、内視鏡装置の挿入部を支持することができる。このため、シース管の内部においてシース管の基端部から先端開口に向かってシース管と挿入部との間の隙間を流れる冷却ガスを、上述の突起部同士の間の領域を経て軸方向に沿ってスムーズに流すことができる。よって、内視鏡装置の挿入部の先端部をより効果的に冷却することができる。
【0078】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0079】
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【符号の説明】
【0080】
2 被検査装置
4 内視鏡装置
6 挿入部
7 カメラケーブル
8 カメラヘッド
9 冷却ガス供給部
10 シース管
10a 基端部
10b 先端部
11 内周面
12 継手部
13 隙間
14 口金
15 先端開口
16 フランジ部
18 ボルト
20 シール部
21 冷却ガス供給管
22 本体管部
24 先端管部
25 内周面
26 第1部品
28 第2部品
30 突起部
32 支持面
34 基端側端面
36 先端側端面
38 側面
40 側面
42 基端側端部
44 先端側端部
46 高さ増大部
48 高さ減少部
50 凹状湾曲面
52 凸状湾曲面
54 幅増大部
56 幅減少部
100 保持装置
110 内視鏡設備
O 中心軸