(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053272
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】システム、登録装置、精算装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/01 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
G07G1/01 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159409
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】黒崎 直人
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142CA12
3E142CA17
3E142DA08
3E142EA02
3E142EA04
3E142GA02
3E142GA03
3E142GA16
3E142GA41
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】商品登録に係る顧客の利便性を向上させること。
【解決手段】システムは、登録装置と、精算装置とを含む。登録装置は、顧客の操作により、一の取引における商品登録を行う可搬式である。精算装置は、顧客の操作により、前記一の取引における商品を精算する。システムは、精算開始手段と、宣言受付手段と、再開手段とを備える。精算開始手段は、前記登録装置に登録された商品の精算に関する精算関連情報を前記精算装置が取得することに応じて、前記商品登録を終了させて、精算を開始可能にする。宣言受付手段は、前記精算開始手段によって精算が開始可能になった際に、前記顧客から前記商品登録の継続を示す継続宣言を受け付ける。継続手段は、前記宣言受付手段が前記継続宣言を受け付けることにより、前記商品登録を継続させる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の操作により、一の取引における商品登録を行う可搬式の登録装置と、
顧客の操作により、前記一の取引における商品を精算する精算装置と、
を含むシステムであって、
前記登録装置に登録された商品の精算に関する精算関連情報を前記精算装置が取得することに応じて、前記商品登録を終了させて、精算を開始可能にする精算開始手段と、
前記精算開始手段によって精算が開始可能になった際に、前記商品登録の継続を示す継続宣言を受け付ける宣言受付手段と、
前記宣言受付手段が前記継続宣言を受け付けることにより、前記商品登録を継続させる継続手段と、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記宣言受付手段は、前記精算装置における精算が完了するまで前記継続宣言を受け付ける、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記登録装置は、前記一の取引を識別するコードシンボルを表示し、
前記精算開始手段は、前記精算装置が前記コードシンボルに基づく取引情報を取得することに応じて、精算を開始可能にし、
前記宣言受付手段は、前記精算開始手段によって精算が開始可能になった際に、前記登録装置に表示される操作子である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記登録装置は、前記一の取引を識別するコードシンボルを表示し、
前記精算開始手段は、前記精算装置が前記コードシンボルに基づく取引情報を取得することに応じて、精算を開始可能にし、
前記宣言受付手段は、前記精算開始手段によって精算が開始可能になった際に、前記精算装置に表示される操作子である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のシステム。
【請求項5】
顧客の操作により、一の取引における商品登録を行う可搬式の登録装置と、
顧客の操作により、前記一の取引における商品を精算する精算装置と、
を含むシステムの前記登録装置であって、
前記登録装置は、
登録した商品の精算に関する精算関連情報を前記精算装置が取得することに応じて、前記商品登録を終了させて、精算を開始可能にする精算開始手段と、
前記精算開始手段によって精算が開始可能になった際に、前記商品登録の継続を示す継続宣言を受け付ける宣言受付手段と、
前記宣言受付手段が前記継続宣言を受け付けることにより、前記商品登録を継続させる継続手段と、
を備えることを特徴とする登録装置。
【請求項6】
顧客の操作により、一の取引における商品登録を行う可搬式の登録装置と、
顧客の操作により、前記一の取引における商品を精算する精算装置と、
を含むシステムの前記精算装置であって、
前記精算装置は、
前記登録装置に登録された商品の精算に関する精算関連情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって前記精算関連情報が取得されることに応じて精算が開始可能になった際に、前記商品登録の継続を示す継続宣言を受け付ける宣言受付手段と、
前記宣言受付手段が前記継続宣言を受け付けることにより、前記商品登録を継続させるための継続情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする精算装置。
【請求項7】
顧客の操作により、一の取引における商品登録を行う可搬式の登録装置と、
顧客の操作により、前記一の取引における商品を精算する精算装置と、
を含むシステムとしてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記登録装置に登録された商品の精算に関する精算関連情報を前記精算装置が取得することに応じて、前記商品登録を終了させて、精算を開始可能にする精算開始手段、
前記精算開始手段によって精算が開始可能になった際に、前記商品登録の継続を示す継続宣言を受け付ける宣言受付手段、
前記宣言受付手段が前記継続宣言を受け付けることにより、前記商品登録を継続させる継続手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、登録装置、精算装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、顧客が商品の登録や精算を行う、いわゆるセルフレジが普及している。例えば、顧客が所持する携帯端末装置を用いて商品の登録を行って、顧客が精算装置で精算を行うシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、精算装置が精算に係る情報を取得してしまうと、再び商品登録を行うことができないことがあり、すなわち、継続して商品登録を行えないことがあった。このため、商品登録に係る顧客の利便性が低いことがある、という問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、商品登録に係る顧客の利便性を向上させることができる技術を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様であるシステムは、顧客の操作により、一の取引における商品登録を行う可搬式の登録装置と、顧客の操作により、前記一の取引における商品を精算する精算装置と、を含むシステムであって、前記登録装置に登録された商品の精算に関する精算関連情報を前記精算装置が取得することに応じて、前記商品登録を終了させて、精算を開始可能にする精算開始手段と、前記精算開始手段によって精算が開始可能になった際に、前記商品登録の継続を示す継続宣言を受け付ける宣言受付手段と、前記宣言受付手段が前記継続宣言を受け付けることにより、前記商品登録を継続させる継続手段と、を備えることを特徴とするシステムである。
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である登録装置は、顧客の操作により、一の取引における商品登録を行う可搬式の登録装置と、顧客の操作により、前記一の取引における商品を精算する精算装置と、を含むシステムの前記登録装置であって、前記登録装置は、登録した商品の精算に関する精算関連情報を前記精算装置が取得することに応じて、前記商品登録を終了させて、精算を開始可能にする精算開始手段と、前記精算開始手段によって精算が開始可能になった際に、前記商品登録の継続を示す継続宣言を受け付ける宣言受付手段と、前記宣言受付手段が前記継続宣言を受け付けることにより、前記商品登録を継続させる継続手段と、を備えることを特徴とする登録装置である。
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である精算装置は、顧客の操作により、一の取引における商品登録を行う可搬式の登録装置と、顧客の操作により、前記一の取引における商品を精算する精算装置と、を含むシステムの前記精算装置であって、前記精算装置は、前記登録装置に登録された商品の精算に関する精算関連情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって前記精算関連情報が取得されることに応じて精算が開始可能になった際に、前記商品登録の継続を示す継続宣言を受け付ける宣言受付手段と、前記宣言受付手段が前記継続宣言を受け付けることにより、前記商品登録を継続させるための継続情報を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする精算装置である。
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様であるプログラムは、顧客の操作により、一の取引における商品登録を行う可搬式の登録装置と、顧客の操作により、前記一の取引における商品を精算する精算装置と、を含むシステムとしてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、前記登録装置に登録された商品の精算に関する精算関連情報を前記精算装置が取得することに応じて、前記商品登録を終了させて、精算を開始可能にする精算開始手段、前記精算開始手段によって精算が開始可能になった際に、前記商品登録の継続を示す継続宣言を受け付ける宣言受付手段、前記宣言受付手段が前記継続宣言を受け付けることにより、前記商品登録を継続させる継続手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係るショッピングシステムStのネットワーク構成を示す説明図である。
【
図2】POS端末装置20の客側から見た設置例を示す説明図である。
【
図3】携帯端末装置30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】ショッピングシステムStにおける取引の開始から終了までの基本的な流れを示すシーケンス図である。
【
図5】クラウドサーバ1が記憶する取引情報DB2の一例を示す図である。
【
図6】ショッピングシステムStの機能的構成を示すブロック図である。
【
図7】携帯端末装置30に表示される画面遷移の一例を示す説明図である。
【
図8】第1実施形態に係るクラウドサーバ1が行う取引制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9A】第1実施形態に係る携帯端末装置30が行う、商品登録の継続に係る取引制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9B】第1実施形態に係る携帯端末装置30が行う、商品登録の継続に係る取引制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】第1実施形態のPOS端末装置20が行う商品登録の継続に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】第1実施形態の変形例に係る携帯端末装置30に表示される画面遷移の一例を示す説明図である。
【
図12A】変形例に係る携帯端末装置30が行う、商品登録の継続に係る取引制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12B】変形例に係る携帯端末装置30が行う、商品登録の継続に係る取引制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】第2実施形態に係るショッピングシステムStの機能的構成を示すブロック図である。
【
図14】POS端末装置20の客側表示部205に表示される画面遷移の一例を示す説明図である。
【
図15】第2実施形態に係るクラウドサーバ1が行う取引制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】第2実施形態のPOS端末装置20が行う商品登録の継続に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【
図17A】第2実施形態の携帯端末装置30が行う商品登録の継続に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【
図17B】第2実施形態の携帯端末装置30が行う商品登録の継続に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照し、本発明に係る第1実施形態~第3実施形態について説明する。
【0012】
(第1実施形態)
(ショッピングシステムStのネットワーク構成)
図1は、実施形態に係るショッピングシステムStのネットワーク構成を示す説明図である。ショッピングシステムStは、システムの一例である。ショッピングシステムStは、スーパーマーケット、ホームセンター、コンビニエンスストア、各種用品店など、種々の店舗に導入可能である。
【0013】
図1において、ショッピングシステムStは、外部のクラウドサーバ1と、ストアコントローラ10と、取引状況管理装置11と、POS(Point Of Sales)端末装置20と、携帯端末装置30とを含む。各装置は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信部などを備えたコンピュータ装置である。各装置は、それぞれ、ネットワークを介して、通信可能に接続されている。例えば、ストアコントローラ10と、取引状況管理装置11と、POS端末装置20とは、それぞれ、LAN(Local Area Network)55を介して、通信可能に接続されている。
【0014】
(クラウドサーバ1)
クラウドサーバ1は、取引情報DB(データベース)2などの各種情報を管理するサーバ装置である。各種情報は、例えば、顧客や店舗に関する各種情報、店舗ごとの商品に関する商品情報(商品マスタ)、仮想上のカートを示すカート情報などである。商品マスタは、各商品の商品識別情報(例えば、JAN(Japanese Article Number)コード)、商品名、販売価格などの商品情報を格納するファイルである。また、商品マスタは、計量が必要な商品の商品識別情報、商品名、重量単価などの各種情報を含む。
【0015】
カート情報は、登録された商品の情報(登録商品情報)や、当該商品の精算に必要な情報を含む。具体的には、カート情報は、顧客ごとに、仮想上のカートとして生成される。カート情報は、携帯端末装置30によって読み取られた商品コードに基づいて更新される。カート情報には、一の取引(カート)を識別するカート識別情報が割り当てられる。
【0016】
(ストアコントローラ10)
ストアコントローラ10は、POS端末装置20や、店舗内に配置される不図示の計量装置を管理するとともに、商品マスタなどの取引に必要な各種情報を記憶する。また、ストアコントローラ10は、商品マスタのほかにも、在庫状況、販売履歴、入出金記録などの各種の情報を記憶する。なお、ストアコントローラ10は、顧客の会員情報を記憶してもよい。
【0017】
(取引状況管理装置11)
取引状況管理装置11は、POS端末装置20を監視する監視モニタである。具体的には、取引状況管理装置11は、POS端末装置20の状況(処理状況)を表示したり、POS端末装置20を制御したりすることが可能である。なお、ショッピングシステムStは、取引状況管理装置11に代えて又は加えて、店員が所持する店員端末装置を含んでもよい。店員端末装置は、例えば、取引状況管理装置11に表示される内容と同様の内容を表示したり、店員を呼び出す旨を報知したりする。
【0018】
(POS端末装置20)
POS端末装置20は、精算装置の一例である。POS端末装置20は、商品の登録や、精算を行うことが可能なレジスタ装置である。POS端末装置20は、複数の動作モードのうちいずれかの動作モードで動作することが可能である。動作モードは、例えば、会計専用モードと、フルセルフモードと、店員登録モードとを含む。
【0019】
会計専用モードは、セルフ精算を行うモードである。会計専用モードでは、携帯端末装置30や店員が商品を登録する登録装置(店員登録モードのPOS端末装置20)など、他の装置で生成された登録情報に基づいて顧客自身によって精算が行われるモードである。登録情報の取得態様は、クラウドサーバ1からの受信による取得態様や、他のPOS端末装置20からの受信による取得態様や、お会計券(登録商標)の読み取りによる取得態様などである。
フルセルフモードは、自装置で顧客が商品を登録(セルフ登録)し、自装置で顧客が精算(セルフ精算)を行うモードである。なお、フルセルフモードでは、会計専用モードと同様に、他の装置で生成された登録情報に基づいてセルフ精算が行われてもよい。
店員登録モードは、店員が商品を登録し、顧客が店員に対面して精算(対面精算)を行うモードである。また、店員登録モードでは、精算情報を、会計専用モードの他のPOS端末装置20へ送信することや、お会計券を発行することも可能である。
【0020】
本実施形態において、POS端末装置20は、会計専用モードで動作するものとする。なお、POS端末装置20は、商品の登録機能を備えずに、セルフ精算のみを行う専用の装置であってもよく、すなわち、動作モードの切替えができないセルフ精算専用の装置であってもよい。
【0021】
(携帯端末装置30)
携帯端末装置30は、登録装置の一例である。携帯端末装置30は、スマートフォン、タブレット装置、携帯電話などの可搬式のコンピュータ装置である。携帯端末装置30は、通信部、撮像部(カメラ)、タッチパネルなどを備え、顧客によって操作される。本実施形態において、携帯端末装置30は、ショッピングカートに対して着脱可能に取り付けられる。また、携帯端末装置30は、顧客が所有する端末装置である。
【0022】
なお、携帯端末装置30は、店舗が顧客に貸し出す貸出端末装置を含む。貸出端末装置は、使用されていないときは、店舗の入口等に設置される充電器に接続されて、充電が行われる。貸出端末は、使用される際に、ショッピングカートに取り付けられる。ただし、貸出端末装置は、ショッピングカートに据え付けられているものでもよく、すなわち、ショッピングカートに対して着脱不可能に取り付けられているものでもよい。
【0023】
携帯端末装置30には、ショッピングシステムStに係る商品の登録や、登録した商品の精算を行うためのアプリケーションソフトウェア(以下、「ショッピングアプリ」という。)がインストールされている。携帯端末装置30は、ショッピングアプリを起動させることにより、商品に付される商品(バーコード)をスキャン(読み取り)することで、商品の登録を受け付ける。携帯端末装置30は、商品に付された商品コードを読み取ると、読み取った情報をカート識別情報とともにクラウドサーバ1へ送信する。これにより、商品コードに対応する商品情報が、クラウドサーバ1のカート情報(仮想カート)に登録される。
【0024】
また、携帯端末装置30は、商品登録の完了(精算開始)の操作を受け付けると、自装置に割り当てられたカート識別情報をコード化した精算用コードを表示する。精算用コードは、例えば、2次元コード(QRコード(登録商標))であるが、1次元コード(バーコード)でもよい。POS端末装置20は、精算用コードを読み取ると、クラウドサーバ1に対して、カート識別情報が示すカート情報(取引情報)の送信要求を行う。そして、POS端末装置20は、当該送信要求に応じてクラウドサーバ1から取引情報を受信して、セルフ精算を行うことが可能になる。
【0025】
(POS端末装置20の構成例)
次に、
図2を用いて、POS端末装置20の構成について説明する。
図2は、POS端末装置20の客側から見た設置例を示す説明図である。なお、
図2では省略しているが、POS端末装置20の両側または一方の側に、買物かごを載置するカウンタが配置される。
【0026】
POS端末装置20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、客側表示部205と、客側スキャナ部206と、カード決済部208と、釣銭機209と、店員側表示部210と、キー操作部211と、店員側スキャナ部212と、印刷部213と、音声出力部214と、通信部215と、カメラ216と、サインポール220とを備える。これらは、バス(不図示)を介して相互に通信可能である。
【0027】
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、POS端末装置20の動作を制御する。各種プログラムは、本実施形態に係る登録継続プログラムを含む。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、各種プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0028】
RAM203は、読み出しや書き込みが可能なメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、外部から取得した情報(例えば、ストアコントローラ10から取得した商品マスタ等)や、処理において生成した情報を記憶する。また、この情報は、登録した商品(買上商品)を示す登録情報や、精算(決済)によって生成した精算情報を含む。
【0029】
ハードディスク204は、種々の情報を記憶する。例えば、ハードディスク204は、カメラ216によって撮像された撮像結果(例えば、動画)を記憶する。ハードディスク204は、例えば、ROM202に代えて、CPU201が実行する各種プログラムを記憶してもよい。また、ハードディスク204は、RAM203に代えて、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶してもよい。
【0030】
客側表示部205は、顧客用のタッチディスプレイである。客側表示部205は、顧客に種々の情報を表示するとともに、顧客から種々の入力を受け付ける。
【0031】
客側スキャナ部206は、顧客用のスキャナ部であり、各種の情報を光学的に読み取る。各種の情報は、例えば、携帯端末装置30に表示される精算用コード、お会計券に印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)のほか、金券(商品券やクーポン券)、会員カード、ポイントカードなどに印刷されているコードを含む。なお、客側スキャナ部206は、フルセルフモードにおける商品登録において、商品に付されている商品コード(バーコード)を読み取ることも可能である。
【0032】
カード決済部208は、各種カードによる決済機構である。各種カードは、プリペイドカード、クレジットカード、ポイントカードを含む。また、カード決済部208は、非接触型のチャージ媒体による決済を行うことも可能である。非接触型のチャージ媒体は、例えば、非接触型のカード(ICカード)や、スマートフォンなどの携帯端末装置である。なお、POS端末装置20は、バーコード決済を行うことも可能である。バーコード決済は、チャージ金額を記憶する携帯端末装置30にバーコードを表示させて、当該バーコードを、例えば客側スキャナ部206に読み取らせることによって行われる支払である。
【0033】
釣銭機209は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有する。釣銭機209は、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。釣銭機209は、客側に向けられており、顧客から各種操作や現金の投入を受け付ける。なお、釣銭機209は、投入口に投入された紙幣や硬貨を検出するセンサを有する。当該センサは、投入口に紙幣や硬貨が投入された旨の検出や、金種別の枚数の検出などを行う。また、釣銭機209は、プリペイドカードにチャージする現金の投入を受け付けることも可能である。
【0034】
店員側表示部210は、店員用のタッチディスプレイである。店員側表示部210は、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。店員側表示部210は、商品に対応するプリセットキーを表示する。店員側表示部210は、当該プリセットキーが押下されることによって、当該プリセットキーに対応する商品の登録を受け付ける。
【0035】
キー操作部211は、各種のキー(ハードウェアキー、ボタン)を備える。キー操作部211は、店員から種々の入力を受け付ける。キー操作部211は、商品に対応するキーを含む。キー操作部211は、当該キーが店員によって押下されることによって、当該キーに対応する商品の登録を受け付ける。また、キー操作部211は、モード切替えボタンを含み、動作モードの切替えを受け付ける。
【0036】
店員側スキャナ部212は、店員用のスキャナ部であり、各種の情報を光学的に読み取る。各種の情報は、例えば、商品に付されているバーコードや、店員の名札に付された店員コードを含む。また、各種の情報は、この他にも、お会計券に印刷されているコードや、品券類や、各種カードに印刷されているコードを含む。
【0037】
印刷部213は、各種媒体(レシート、領収書、お会計券等)を印刷して出力する。
音声出力部214は、音を出力する。例えば、音声出力部214は、音声ガイダンスや警告音などを出力する。音声ガイダンスや警告音は、例えば、商品の登録操作や精算操作に係るものである。
通信部215は、他の装置(クラウドサーバ1、ストアコントローラ10、取引状況管理装置11、他のPOS端末装置20、携帯端末装置30、取引状況管理装置40など)と情報を送受信するインターフェースである。
【0038】
カメラ216は、客側表示部205の右上に取り付けられている。カメラ216は、動画、または静止画を連続的に撮像するカメラである。カメラ216には、CCD(charge coupled device)カメラや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラを用いることが可能である。カメラ216は、顧客による商品の登録操作や精算操作のほか、登録される商品を撮像する。
【0039】
サインポール220は、例えば、ランプやLED(light emitting diode)であり、所定の点灯態様で点灯する。所定の点灯態様は、点灯色の態様や、点滅態様を含む。サインポール220の点灯態様によって、POS端末装置20が使用中であることを示したり、異常を報知したりする。また、サインポール220は、POS端末装置20の最も上方に設けられており、POS端末装置20の近くにいない店員にも点灯態様を認識させることが可能である。
【0040】
(携帯端末装置30のハードウェア構成)
次に、携帯端末装置30のハードウェア構成について説明する。
図3は、携帯端末装置30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3において、携帯端末装置30は、CPU301と、メモリ302と、操作部303と、通信I/F(インターフェース)304と、記憶媒体I/F305と、ディスプレイ306と、カメラ307とを備える。また、各構成部301~307は、バス320によってそれぞれ接続される。
【0041】
CPU301は、携帯端末装置30の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶する。各種プログラムは、本実施形態に係る登録継続プログラムを含む。携帯端末装置30には、登録継続プログラムを含むショッピングアプリが予めインストールされている。RAMは、CPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
【0042】
操作部303は、タッチパネルや操作ボタンを含む。なお、操作部303の他に、入力デバイスは、音声を入力するマイクを含む。
通信I/F304は、通信回線を通じて、インターネットなどのネットワークに接続され、ネットワークを介して他の装置(例えば、クラウドサーバ1など)に接続される。また、通信I/F304は、ネットワークと自装置内部とのインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。
【0043】
記憶媒体I/F305は、CPU301の制御にしたがって、磁気ディスク、光ディスクなど不図示の記憶媒体に対するデータのリード、ライトを制御する。
ディスプレイ306は、画像を表示する出力デバイスに含まれる。なお、出力デバイスは、ディスプレイ306のほかにも、スピーカを含む。
【0044】
カメラ307は、被写体を撮像する。カメラ307は、動画または静止画を撮像する。カメラ307は、商品に付された商品コードを読み取る。なお、携帯端末装置30は、カメラ307に代えて又は加えて、スキャナを備えてもよい。スキャナは、例えば、携帯端末装置30の筐体の上端に設けられ、商品に付された商品コード(バーコード)を読み取る。スキャナの読取方式には、例えば、レーザー方式やCCD方式などを採用することができる。
【0045】
(ショッピングシステムStにおける取引の開始から終了までの基本的な流れについて)
図4は、ショッピングシステムStにおける取引の開始から終了までの基本的な流れを示すシーケンス図である。なお、
図4では、一の顧客が店舗に来店して、携帯端末装置30を用いて購入対象の商品を登録し、POS端末装置20において精算を完了するまでの流れについて説明する。
【0046】
ステップS401:まず、携帯端末装置30は、ショッピングアプリを起動し、買物開始ボタン741(
図7(D))が押下されることにより、取引の開始を受け付ける。
ステップS402:携帯端末装置30は、店舗識別情報(店舗ID)を取得する。店舗識別情報は、例えば、2次元コード等の店舗識別コードで表される。店舗識別コードは、例えば、店舗の入口付近に設置されているディスプレイや、店舗の入口付近に貼付されている紙媒体に表示される。カメラ307は、顧客の操作に応じて、店舗識別コードを読み取る。これにより、携帯端末装置30は、店舗識別情報を取得する。なお、店舗を特定する情報は、店舗を一意に特定することができる情報であればよく、店舗識別情報に限らず、例えば、携帯端末装置30の位置情報としてもよい。
【0047】
店舗識別情報を取得した携帯端末装置30は、クラウドサーバ1に取引開始の要求を行う。取引開始の要求は、取得した店舗識別情報と、携帯端末装置30(顧客)を識別する顧客識別情報(顧客ID)とを含む。
【0048】
ステップS403:クラウドサーバ1は、携帯端末装置30から取引開始の要求として、顧客識別情報および店舗識別情報を受信すると、当該取引のカート情報を生成する。カート情報は、取引情報に含まれる。ここで、
図5を用いて、取引情報について詳述する。
【0049】
図5は、クラウドサーバ1が記憶する取引情報DB2の一例を示す図である。
図5において、取引情報DB2は、顧客識別情報と、店舗識別情報と、カート情報との項目を含む。カート情報は、カート識別情報と、登録日時と、登録商品情報と、保留商品情報との項目を含む。
カート識別情報は、仮想カートを識別するカート識別情報である。
登録日時は、携帯端末装置30によって商品が登録された際の日時を示す。
登録商品情報は、携帯端末装置30によって登録された商品情報を示し、具体的には、商品コード、商品名、価格などを含む。
保留商品情報は、保留商品の商品情報を示す。保留商品は、精算時等に店員の確認を要する商品であり、例えば、年齢確認商品、医薬品、防犯タグが付された商品、返品対象の商品などである。
【0050】
図4に戻り、ステップS404以降の処理について説明する。
ステップS404:クラウドサーバ1は、ショッピングシステムStにおける対象の取引のステータスを「登録」のステータスに設定する。なお、ステータスは、取引の状況を示す。本実施形態において、ステータスは、例えば、「登録」、「精算」、「終了」の3つのステータスを含み、いずれかが設定されるものとする。
【0051】
ステップS405:携帯端末装置30は、顧客の操作に応じて、商品をスキャンし、商品を登録する。商品のスキャンとは、具体的には、商品に付された商品コード(バーコード)を読み取ることである。商品をスキャンすると、携帯端末装置30は、商品コードとカート識別情報とを含む商品読取情報をクラウドサーバ1へ送信する。
【0052】
ステップS406:クラウドサーバ1は、携帯端末装置30から商品読取情報を受信すると、取引情報DB2の登録商品情報を更新する。具体的には、クラウドサーバ1は、取引情報DB2の取引情報のうち、受信したカート識別情報を含むカート情報を特定し、特定したカート情報のうちの登録商品情報を更新する。また、クラウドサーバ1は、登録商品情報を携帯端末装置30へ送信する。これにより、携帯端末装置30は、スキャンした商品の商品情報を表示する。
【0053】
ステップS407:携帯端末装置30は、商品の登録が完了するまで、ステップS405の処理を繰り返す。登録の完了は、商品登録の完了を示す操作を受け付けることであり、具体的には、ディスプレイ306に表示される登録完了ボタン713(
図7(A))が押下されることである。携帯端末装置30は、商品の登録が完了すると、精算用コード722(
図7(B))を生成して、ディスプレイ306に表示する。
【0054】
ステップS408:顧客が精算用コードをPOS端末装置20の客側スキャナ部206にかざすと、POS端末装置20は、携帯端末装置30に表示される精算用コードを読み取る。精算用コードには、カート識別情報や、POS端末装置20がクラウドサーバ1から取引情報の送信要求を行うための情報(取引要求情報)が含まれる。
ステップS409:POS端末装置20は、精算用コードを読み取ると、クラウドサーバ1に対して、取引情報の送信要求を行う。取引情報の送信要求には、カート識別情報が含まれる。
【0055】
ステップS410:クラウドサーバ1は、POS端末装置20から取引情報の送信要求を受信すると、ショッピングシステムStにおける対象の取引のステータスを「精算」のステータスに設定する。
【0056】
ステップS411:クラウドサーバ1は、取引情報の送信要求に含まれるカート識別情報を用いて取引情報を特定する。クラウドサーバ1は、取引情報を特定すると、特定した取引情報をPOS端末装置20へ送信する。
【0057】
ステップS412:POS端末装置20は、クラウドサーバ1から取引情報を受信すると、当該取引情報を示す精算画面を表示する。
ステップS413:クラウドサーバ1は、POS端末装置20へ取引情報を送信した後、POS端末装置20から取引情報の受信が完了した旨を示す応答を受信すると、携帯端末装置30へ精算開始指示を送信する。精算開始指示は、携帯端末装置30を精算可能状態に制御させるための(商品登録を禁止させるための)指示である。
【0058】
ステップS414:携帯端末装置30は、クラウドサーバ1から精算開始指示を受信すると、精算が可能な精算開始状態に制御する。
ステップS415:POS端末装置20は、顧客の操作によって精算処理を実行する。POS端末装置20は、精算処理を実行すると、カート識別情報を含む精算完了通知をクラウドサーバ1へ送信する。
【0059】
ステップS416:クラウドサーバ1は、POS端末装置20から精算完了通知を受信すると、ショッピングシステムStにおける対象の取引のステータスを「終了」のステータスに設定する。
ステップS417:クラウドサーバ1は、POS端末装置20から精算完了通知を受信すると、当該取引情報を購入履歴として格納する。
ステップS418:クラウドサーバ1は、取引終了通知を携帯端末装置30へ送信する。
【0060】
ステップS419:携帯端末装置30は、クラウドサーバ1から取引終了通知を受信すると、携帯端末装置30に登録された商品情報を消去し、取引を終了する。なお、携帯端末装置30は、クラウドサーバ1へ問合せることにより、消去した商品情報をクラウドサーバ1から受信して、購入履歴として表示することが可能である。
【0061】
(商品登録の継続(再開)について)
ここで、ショッピングシステムStにおいて、商品登録の完了を示す操作を行ってしまうと、再び商品登録を行うことができないことがあり、すなわち、追加で商品登録を行えないことがある。例えば、商品登録の完了を示す操作を行った後に、POS端末装置20の前で、追加で買物袋を購入したいときでも、買物袋を購入できないことがある。
【0062】
そこで、本実施形態では、顧客が商品登録の完了を示す操作を行った後でも、継続して商品登録を行うことを可能にしている。以下、
図7に示す画面遷移図を参照しながら、
図6に示すショッピングシステムStの機能的構成について説明する。
【0063】
図6は、ショッピングシステムStの機能的構成を示すブロック図である。
図7は、携帯端末装置30に表示される画面遷移の一例を示す説明図である。
ショッピングシステムStにおいて、携帯端末装置30は、登録部601と、精算開始部602と、宣言受付部603と、継続部604とを備える。各部は、CPU301によって実現される。すなわち、CPU301がメモリ302に記憶される登録継続プログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。また、POS端末装置20は、取得部611と、精算部612とを備える。各部は、CPU201によって実現される。すなわち、CPU201がRAM203等に記憶される登録継続プログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。
【0064】
(商品の登録について)
登録部601は、店舗内をまわりながら買物をする顧客から、登録画面710(
図7(A))において受け付けた商品を登録する。具体的には、登録部601は、登録画面710を表示させて、撮像領域711内の商品コードを撮像することにより、商品を登録する。
【0065】
図7(A)は、登録画面710を示す。登録画面710は、撮像領域711と、合計表示領域712と、登録完了ボタン713と、登録商品表示領域714とを含む。
撮像領域711は、携帯端末装置30のカメラ307の機能により、商品に付されたバーコードを撮像する(読み取る)ことが可能な領域である。
合計表示領域712は、登録した各種商品の合計点数や合計金額を示す領域である。
登録完了ボタン713は、商品登録の完了(精算手続の開始)を受け付けるボタンである。
登録商品表示領域714は、登録した商品の商品名、数量、価格などが表示される領域である。登録商品表示領域714において、商品は、登録した順番で表示される。具体的には、最も直近に登録した商品が登録商品表示領域714の上方に表示され、最初の方に登録した商品が登録商品表示領域714の下方に表示される。登録した商品の数が多い場合には、先に登録された商品は、登録商品表示領域714に表示されない場合もある(画面外となる場合もある)。
【0066】
登録部601は、登録画面710の撮像領域711内に撮像した(読み取った)商品コードをクラウドサーバ1へ送信する。そして、登録部601は、クラウドサーバ1から商品コードに対応する商品情報(登録商品情報)を受信することによって商品を登録する。携帯端末装置30は、登録部601による商品登録が完了すると、精算用コードを表示する。具体的には、登録画面710において、登録完了ボタン713が押下されると、精算用コード画面720(
図7(B))に遷移する。
【0067】
図7(B)は、精算用コード画面720を示す。精算用コード画面720は、案内表示721と、精算用コード722と、登録復帰ボタン723とを含む。
案内表示721は、精算用コード722をPOS端末装置20に読み取らせる旨の案内を示す。精算用コード722は、一の取引を識別するコードシンボルの一例である。精算用コード722は、カート識別情報を含む取引要求情報をコード化したものである。登録復帰ボタン723は、登録画面710(
図7(A))に戻ることを受け付けるボタンである。
【0068】
POS端末装置20の取得部611は、精算用コード722に基づいて取引情報を取得する。取引情報の取得にあたり、取得部611は、客側スキャナ部206によって精算用コード722が読み取られることにより、取引要求情報を取得する。そして、取得部611は、取引要求情報を取得すると、クラウドサーバ1に対して取引情報の送信要求を行う。これにより、取得部611は、クラウドサーバ1から取引情報を取得する。POS端末装置20は、取得部611によって取引情報が取得されると、精算が開始可能な状態となる。
【0069】
なお、本実施形態に係るショッピングシステムStは、クラウドサーバ1を備えることとしているが、クラウドサーバ1を備えない構成とすることも可能である。この場合、携帯端末装置30が取引情報を記憶すればよい。また、この場合、取得部611は、携帯端末装置30から直接、取引情報を取得すればよい。また、この場合、取得部611による取引情報の取得態様は、携帯端末装置30に表示されるコードシンボルを読み取ることとしてもよいし、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信によって携帯端末装置30から受信することとしてもよい。
【0070】
精算部612は、取得部611によって取引情報が取得されると、客側表示部205に取引情報に基づく精算画面を表示して、セルフ精算を受け付ける。
【0071】
(精算可能状態について)
精算開始部602は、商品登録を終了させて、精算を開始可能にする。具体的には、精算開始部602は、登録部601による登録が可能な登録可能状態から、POS端末装置20における精算が可能な精算可能状態に遷移させる。精算可能状態に制御する条件は、POS端末装置20(取得部611)が精算関連情報を取得することである。精算関連情報は、携帯端末装置30に登録された商品の精算に関する情報であり、例えば、取引情報である。すなわち、精算開始部602は、POS端末装置20(取得部611)が取引情報を取得することに応じて、精算可能状態に制御する。精算可能状態では、登録部601による商品登録が禁止される。
【0072】
具体的に説明すると、
図4のステップS409~S414に示したように、クラウドサーバ1は、POS端末装置20への取引情報の送信が完了したことを条件に、精算開始指示を携帯端末装置30へ送信する。精算開始部602は、クラウドサーバ1から精算開始指示を受信することによって、精算可能状態に制御する。
【0073】
なお、精算関連情報は、取引情報に限らず、取引要求情報(精算用コード)としてもよい。言い換えれば、精算開始部602は、取得部611(POS端末装置20)が取引要求情報を取得することに応じて、精算可能状態に制御してもよい。なお、この場合、クラウドサーバ1から携帯端末装置30へ精算開始指示を送信(
図4のステップS413)する条件は、POS端末装置20への取引情報の送信完了(ステップS411)を条件とはせずに、POS端末装置20からの取引情報の送信要求の受信(ステップS409、S410)を条件としてもよい。
【0074】
精算開始部602は、精算可能状態において、精算可能画面730(
図7(C))を表示させる。
図7(C)は、精算可能画面730を示す。精算可能画面730は、確認ボタン731と、登録継続ボタン732とを含む。確認ボタン731は、POS端末装置20におけるセルフ精算に進むことの確認を受け付けるボタンである。確認ボタン731が押下されると、トップ画面740(
図7(D))に遷移する。なお、POS端末装置20は、精算用コード722を読み取ったことに応じて、自装置における精算が可能な状態になる。このため、確認ボタン731が押下されなくても、POS端末装置20において精算を行うことが可能になっている。なお、POS端末装置20は、確認ボタン731が押下されることに応じて、自装置における精算が可能な状態となるようにしてもよい。
【0075】
精算可能画面730が表示されている際に、精算が完了すると、精算可能画面730において登録継続ボタン732が消去されるようにしてもよいし、トップ画面740に遷移するようにしてもよい。
【0076】
図7(D)は、トップ画面740を示す。トップ画面740は、買物開始ボタン741を含む。買物開始ボタン741は、新規の取引の開始を受け付けるボタンである。買物開始ボタン741が押下されると、新規に登録画面が表示され、新たに商品の登録が可能になる。
【0077】
(商品登録の継続について)
宣言受付部603は、精算開始部602によって精算可能状態に制御されている際に、顧客から商品登録の継続(禁止中の商品登録の再開)を示す継続宣言を受け付ける。宣言受付部603は、精算開始部602によって精算が開始可能になった際に、登録継続ボタン732(
図7(C))を表示させる。具体的には、宣言受付部603は、POS端末装置20に精算用コード722を読み取らせた後のタイミングで、登録継続ボタン732を表示させて、継続宣言を受け付ける。登録継続ボタン732は、商品登録の継続を受け付ける操作子の一例である。
【0078】
継続部604は、宣言受付部603が継続宣言を受け付けることにより、商品登録を継続(再開)させる。具体的には、継続部604は、登録継続ボタン732が押下されることにより、精算可能状態から登録可能状態に遷移させて、商品登録を継続させる。例えば、継続部604は、宣言受付部603が継続宣言を受け付けることにより、精算可能画面730(
図7(C))から、登録画面710(
図7(A))に遷移させる。また、継続部604は、商品登録を継続することを示す登録継続通知をクラウドサーバ1へ送信する。
【0079】
クラウドサーバ1は、携帯端末装置30から登録継続通知を受信すると、取引のステータスを「精算」から「登録」に変更する。さらに、クラウドサーバ1は、POS端末装置20へ、精算を中止させるために登録継続指示を送信する。POS端末装置20は、登録継続指示を受信すると、精算を中止させる。
【0080】
(継続宣言を受け付けるタイミングについて)
宣言受付部603は、POS端末装置20における精算が完了するまで継続宣言を受け付け、すなわち、精算の完了を、継続宣言を受け付けるリミットとして、継続宣言を受け付ける。本実施形態において、当該リミットは、POS端末装置20における精算が完了することにより、クラウドサーバ1から携帯端末装置30が取引終了通知を受信するまでである。言い換えれば、宣言受付部603は、決済種別が選択された後や、現金やカードが投入された後でも、継続宣言を受け付ける。
【0081】
ただし、継続宣言を受け付けるリミットは、顧客による精算の意思が確定したものと見なせるタイミングであればよく、例えば、決済種別が選択されるまでとしてもよいし、決済種別の選択後に現金やカードが投入されるまでとしてもよい。例えば、宣言受付部603は、釣銭機209に現金が投入された後は、継続宣言を受け付けないようにしてもよい。また、宣言受付部603は、投入金額が合計金額となるまでは継続宣言を受付可能にし、投入金額が合計金額以上になったら継続宣言を受け付けないようにしてもよい。
【0082】
また、POS端末装置20において店員がメンテナンスを行うメンテナンス画面に移行している場合や、メンテナンス画面において店員による操作が行われている場合には、宣言受付部603は、継続宣言を受け付けないようにしてもよい。なお、継続宣言を受け付けないようにするとは、登録継続ボタン732の押下を無効にすればよく、例えば、登録継続ボタン732を非表示としてもよいし、登録継続ボタン732をグレーアウト等の表示態様としてもよい。
【0083】
(登録商品情報の消去等について)
登録商品情報は、クラウドサーバ1および携帯端末装置30に記憶される。ここで、特売品については日単位や時間単位で値段が変更されることがあり、日や時間を跨いで特売品が登録されていると、店舗が意図する売価とは異なる売価で取引が行われてしまう。そこで、取引の開始から、所定の条件が成立すると、未精算の登録商品情報は、消去されるようにしている。所定の条件は、例えば、ショッピングアプリが非アクティブ状態になってから所定時間が経過することである。ショッピングアプリの非アクティブ状態とは、例えば、ショッピングアプリが終了することや、ショッピングアプリがバックグラウンドになることや、携帯端末装置30の電源がOFFになることである。このように、未精算の登録商品情報を適宜消去することにより、店舗が意図する売価とは異なる売価で取引が行われてしまうことを抑止することができる。また、所定時間、携帯端末装置30が操作されないということは、顧客の購入意思がないものと見なせることから、このような場合にも、登録商品情報を消去することができる。
【0084】
ただし、登録商品情報は、一時的にショッピングアプリが非アクティブ状態になったとしても、クラウドサーバ1および携帯端末装置30から消去されない。携帯端末装置30は、ショッピングアプリが非アクティブ状態から、再び操作可能なアクティブ状態になると、クラウドサーバ1に対して、取引のステータスについて問合せ行う。問合せの結果、ステータスが「登録」であれば、携帯端末装置30は、登録部601による商品登録を可能にする。一方で、問合せの結果、ステータスが「精算」であれば、携帯端末装置30は、精算開始部602によって精算可能状態に制御される。
【0085】
(第1実施形態に係るクラウドサーバ1が行う取引制御処理の一例)
図8は、第1実施形態に係るクラウドサーバ1が行う取引制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、
図8を含む以下の各フローチャートに示す処理は、一の顧客が店舗に来店して、携帯端末装置30を用いて購入対象の商品を登録し、POS端末装置20で精算を完了するまでの処理とする。
【0086】
図8において、クラウドサーバ1は、携帯端末装置30から取引開始の要求があるか否かを判断する(ステップS801)。クラウドサーバ1は、携帯端末装置30から取引開始の要求があるまで待機する(ステップS801:NO)。取引開始の要求があると(ステップS801:YES)、クラウドサーバ1は、取引のステータスを「登録」のステータスに設定する(ステップS802)。
【0087】
次に、クラウドサーバ1は、携帯端末装置30から商品読取情報を受信したか否かを判断する(ステップS803)。商品読取情報を受信しない場合(ステップS803:NO)、クラウドサーバ1は、ステップS805の処理に進む。一方、商品読取情報を受信した場合(ステップS803:YES)、クラウドサーバ1は、商品読取情報に基づいて取引情報DB2の登録商品情報を更新する(ステップS804)。
【0088】
そして、クラウドサーバ1は、POS端末装置20が精算用コード722を読み取ることにより、POS端末装置20から取引情報の送信要求があるか否かを判断する(ステップS805)。取引情報の送信要求がない場合(ステップS805:NO)、クラウドサーバ1は、ステップS803の処理に戻る。一方、取引情報の送信要求がある場合(ステップS805:YES)、クラウドサーバ1は、取引のステータスを「精算」のステータスに設定する(ステップS806)。
【0089】
そして、クラウドサーバ1は、取引情報の送信要求に含まれるカート識別情報を用いて取引情報を特定する(ステップS807)。次に、クラウドサーバ1は、特定した取引情報をPOS端末装置20へ送信する(ステップS808)。そして、クラウドサーバ1は、携帯端末装置30を精算可能状態に制御させるための精算開始指示を携帯端末装置30へ送信する(ステップS809)。
【0090】
次に、クラウドサーバ1は、携帯端末装置30が登録継続ボタン732(
図7(C))の押下を受け付けることにより、携帯端末装置30から登録継続通知を受信したか否かを判断する(ステップS810)。登録継続通知を受信した場合(ステップS810:YES)、クラウドサーバ1は、POS端末装置20へ登録継続指示を送信し(ステップS811)、ステップS802の処理に戻る。
【0091】
一方、ステップS810において、登録継続通知を受信しない場合(ステップS810:NO)、クラウドサーバ1は、POS端末装置20から精算が完了した旨を示す精算完了通知を受信したか否かを判断する(ステップS812)。精算完了通知を受信しない場合(ステップS812:NO)、クラウドサーバ1は、ステップS810の処理に戻る。
【0092】
一方、精算完了通知を受信した場合(ステップS812:YES)、クラウドサーバ1は、取引のステータスを「終了」のステータスに設定し(ステップS813)、当該取引情報を購入履歴として格納する(ステップS814)。そして、クラウドサーバ1は、携帯端末装置30へ取引が終了したことを示す取引終了通知を送信し(ステップS815)、一取引に係る一連の処理を終了する。
【0093】
(携帯端末装置30が行う、商品登録の継続に係る取引制御処理の一例)
図9Aおよび
図9Bは、第1実施形態に係る携帯端末装置30が行う、商品登録の継続に係る取引制御処理の一例を示すフローチャートである。
図9Aおよび
図9Bにおいて、携帯端末装置30は、取引の開始を受け付けたか否かを判断する(ステップS901)。携帯端末装置30は、取引の開始を受け付けるまで待機する(ステップS901:NO)。取引の開始を受け付けると(ステップS901:YES)、携帯端末装置30は、クラウドサーバ1へ取引開始の要求を行って(ステップS902)、登録画面710(
図7(A))を表示する(ステップS903)。
【0094】
そして、携帯端末装置30は、登録画面710において、顧客の操作に応じて商品をスキャンしたか否かを判断する(ステップS904)。商品をスキャンしない場合(ステップS904:NO)、携帯端末装置30は、ステップS907の処理に進む。一方、商品をスキャンした場合(ステップS904:YES)、携帯端末装置30は、クラウドサーバ1へ商品読取情報を送信する(ステップS905)。そして、携帯端末装置30は、クラウドサーバ1から登録商品情報を受信することにより、スキャンした商品を表示する(ステップS906)。
【0095】
次に、携帯端末装置30は、ディスプレイ306に表示される登録完了ボタン713(
図7(A))が押下されたか否かを判断し、すなわち、商品登録の完了であるか否かを判断する(ステップS907)。商品登録の完了ではない場合(ステップS907:NO)、携帯端末装置30は、ステップS904の処理に戻る。一方、商品登録の完了である場合(ステップS907:YES)、携帯端末装置30は、ディスプレイ306に精算用コード画面720(
図7(B))を表示する(ステップS908)。
【0096】
そして、携帯端末装置30は、精算用コード722をPOS端末装置20に読み取らせることにより、クラウドサーバ1から精算開始指示を受信したか否かを判断する(ステップS911)。携帯端末装置30は、精算開始指示を受信するまで待機する(ステップS911:NO)。一方、精算開始指示を受信した場合(ステップS911:NO)、携帯端末装置30は、精算可能状態に制御し(ステップS912)、精算可能画面730(
図7(C))を表示する(ステップS913)。
【0097】
そして、携帯端末装置30は、精算可能画面730において、登録継続ボタン732が押下されたか否かを判断する(ステップS914)。登録継続ボタン732が押下された場合(ステップS914:YES)、携帯端末装置30は、登録可能状態に制御する(ステップS915)。そして、携帯端末装置30は、クラウドサーバ1へ登録継続通知を送信し(ステップS916)、ステップS903の処理に戻り、登録画面710を表示して、商品登録を継続(再開)する。
【0098】
一方、ステップS914において、登録継続ボタン732が押下されない場合(ステップS914:NO)、携帯端末装置30は、POS端末装置20において精算が完了することにより、クラウドサーバ1から取引終了通知を受信したか否かを判断する(ステップS917)。取引終了通知を受信しない場合(ステップS917:NO)、携帯端末装置30は、ステップS914の処理に戻る。一方、取引終了通知を受信した場合(ステップS917:YES)、携帯端末装置30は、トップ画面740(
図7(D))を表示して、一取引に係る一連の処理を終了する。
【0099】
(第1実施形態のPOS端末装置20が行う商品登録の継続に係る処理の一例)
図10は、第1実施形態のPOS端末装置20が行う商品登録の継続に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図10において、POS端末装置20は、精算用コード722(
図7(B))をスキャンしたか否かを判断する(ステップS1001)。POS端末装置20は、精算用コード722をスキャンするまで待機し(ステップS1001:NO)、精算用コード722をスキャンすると(ステップS1001:YES)、クラウドサーバ1に対して、取引情報の送信要求を行う(ステップS1002)。
【0100】
そして、POS端末装置20は、クラウドサーバ1から取引情報を受信し(ステップS1003)、当該取引情報に基づく精算画面を表示する(ステップS1004)。次に、POS端末装置20は、精算が完了したか否かを判断する(ステップS1005)。精算が完了していない場合(ステップS1005:NO)、POS端末装置20は、携帯端末装置30において登録継続ボタン732が押下されることにより、クラウドサーバ1から登録継続指示を受信したか否かを判断する(ステップS1006)。
【0101】
登録継続指示を受信しない場合(ステップS1006:NO)、POS端末装置20は、ステップS1005の処理に戻る。一方、登録継続指示を受信した場合(ステップS1006:YES)、POS端末装置20は、精算を中止し(ステップS1007)、ステップS1009の処理に進む。
【0102】
ステップS1005において、精算が完了した場合(ステップS1005:YES)、POS端末装置20は、クラウドサーバ1へ精算完了通知を送信する(ステップS1008)。そして、POS端末装置20は、待機画面を表示し(ステップS1009)、一取引に係る一連の処理を終了する。
【0103】
以上説明したように、本実施形態に係るショッピングシステムStは、POS端末装置20が取引情報を取得した後でも、顧客から登録継続ボタン732を受け付けることによって、商品登録を継続させる。これにより、精算用コード722をPOS端末装置20に読み取らせた後でも、再び商品登録を行うことができ、すなわち、継続して商品登録を行うことができる。例えば、顧客は、POS端末装置20の前で、追加で買物袋を購入したいときでも、簡単に買物袋を追加で購入することができる。したがって、商品登録に係る利便性を向上させることができる。
【0104】
また、本実施形態において、携帯端末装置30は、POS端末装置20における精算が完了するまで継続宣言を受け付ける。これにより、精算が完了するまで、商品登録を継続させることができ、すなわち、再び商品登録を行うことができる。
【0105】
また、本実施形態では、POS端末装置20が精算用コード722に基づく取引情報を取得することに応じて、携帯端末装置30に操作子(登録継続ボタン732)を表示する。これにより、顧客が精算用コード722をPOS端末装置20に読み取らせた後に、例えば、買い忘れ等に気付いた場合に、携帯端末装置30に表示される登録継続ボタン732を押下することによって商品登録を継続(再開)することができる。
【0106】
(第1実施形態の変形例)
次に、第1実施形態の変形例について説明する。なお、以下の変形例では、上述した第1実施形態で説明した内容については、適宜説明を省略する。また、以下の変形例、および上述した第1実施形態を組み合わせることも可能である。
【0107】
上述した第1実施形態では、精算用コード722(
図7(B))をPOS端末装置20に読み取らせた後、トップ画面740(
図7(D))を表示する前に、登録継続ボタン732(
図7(C))を表示する例について説明した。変形例では、精算用コード722(
図7(B))をPOS端末装置20に読み取らせた後、トップ画面740(
図7(D))の表示するようにし、その後に、登録継続ボタン732を表示可能にする例について説明する。
【0108】
図11は、第1実施形態の変形例に係る携帯端末装置30に表示される画面遷移の一例を示す説明図である。
図11(A)は、
図7(B)に示した精算用コード画面720と同様の画面である。
【0109】
図11(B)は、精算開始部602によって精算可能状態に制御されている際に表示される精算可能画面1120を示す。精算可能画面1120は、第1実施形態と異なり、登録継続ボタン732を含まない。精算可能画面1120(
図11(B))では、精算開始部602によって精算可能状態に制御されており、すなわち、商品登録が禁止されている。精算可能画面1120において、確認ボタン731が押下されると、
図11(C)に示すトップ画面740に遷移する。なお、POS端末装置20は、精算用コード722を読み取ったことに応じて、自装置における精算が可能な状態になる。このため、確認ボタン731が押下されなくても、すなわち、精算可能画面1120(
図11(B))が表示されているか、トップ画面740(
図11(C))が表示されているかにかかわらず、POS端末装置20において精算を行うことが可能になっている。
【0110】
図11(C)は、
図7(D)に示したトップ画面740と同様の画面である。トップ画面740では、精算開始部602によって精算可能状態に制御されており、すなわち、商品登録が禁止されている。トップ画面740において、買物開始ボタン741が押下されると、
図11(D)に示す警告画面1140に遷移する。
【0111】
図11(D)は、警告画面1140を示す。警告画面1140は、警告表示1141と、登録継続ボタン732とを含む。警告画面1140では、精算開始部602によって精算可能状態に制御されており、すなわち、商品登録が禁止されている。警告表示1141は、今回の取引における登録商品情報(精算前の情報)が消去される旨の警告を示す。警告画面1140において、取消肯定ボタン1142(「はい」ボタン)が押下されると、今回の取引に係る登録商品情報が消去されて、新たな取引が開始されることになる。言い換えれば、精算可能状態では、顧客が別の取引(次の新しい取引)を開始することが可能である。取消否定ボタン1143(「いいえ」ボタン)が押下されると、トップ画面740(
図11(C))に戻る。登録継続ボタン732が押下されると、登録画面710(
図7(A))に戻り、商品登録の継続(再開)が可能になる。なお、警告画面1140が表示されている際に、精算が完了すると、警告画面1140において登録継続ボタン732が消去されるようにしてもよいし、警告画面1140からトップ画面740に遷移するようにしてもよい。
【0112】
(変形例に係る携帯端末装置30が行う、商品登録の継続に係る取引制御処理の一例)
図12Aおよび
図12Bは、変形例に係る携帯端末装置30が行う、商品登録の継続に係る取引制御処理の一例を示すフローチャートである。
図12Aおよび
図12Bにおいて、携帯端末装置30は、取引の開始を受け付けたか否かを判断する(ステップS1201)。携帯端末装置30は、取引の開始を受け付けるまで待機する(ステップS1201:NO)。取引の開始を受け付けると(ステップS1201:YES)、携帯端末装置30は、クラウドサーバ1へ取引開始の要求を行って(ステップS1202)、登録画面710(
図7(A))を表示する(ステップS1203)。
【0113】
そして、携帯端末装置30は、登録画面710において、顧客の操作に応じて商品をスキャンしたか否かを判断する(ステップS1204)。商品をスキャンしない場合(ステップS1204:NO)、携帯端末装置30は、ステップS1207の処理に進む。一方、商品をスキャンした場合(ステップS1204:YES)、携帯端末装置30は、クラウドサーバ1へ商品読取情報を送信する(ステップS1205)。そして、携帯端末装置30は、クラウドサーバ1から登録商品情報を受信することにより、スキャンした商品を表示する(ステップS1206)。
【0114】
次に、携帯端末装置30は、ディスプレイ306に表示される登録完了ボタン713(
図7(A))が押下されたか否かを判断し、すなわち、商品登録の完了であるか否かを判断する(ステップS1207)。商品登録の完了ではない場合(ステップS1207:NO)、携帯端末装置30は、ステップS1204の処理に戻る。一方、商品登録の完了である場合(ステップS1207:YES)、携帯端末装置30は、ディスプレイ306に精算用コード画面720(
図11(A))を表示する(ステップS1208)。
【0115】
そして、携帯端末装置30は、精算用コード722をPOS端末装置20に読み取らせることにより、クラウドサーバ1から精算開始指示を受信したか否かを判断する(ステップS1209)。携帯端末装置30は、精算開始指示を受信するまで待機し(ステップS1209:NO)、精算開始指示を受信すると(ステップS1209:YES)、精算可能状態に制御して(ステップS1210)、精算可能画面1120(
図11(B))を表示する。
【0116】
そして、携帯端末装置30は、精算可能画面1120における確認ボタン731の押下に応じて、トップ画面740(
図11(C))を表示する(ステップS1221)。次に、携帯端末装置30は、トップ画面740において、買物開始ボタン741が押下されたか否かを判断する(ステップS1222)。買物開始ボタン741が押下されない場合(ステップS1222:NO)、携帯端末装置30は、ステップS1231の処理に進む。買物開始ボタン741が押下された場合(ステップS1222:YES)、警告画面1140(
図11(D))を表示する(ステップS1223)。
【0117】
そして、携帯端末装置30は、警告画面1140において、登録継続ボタン732が押下されたか否かを判断する(ステップS1224)。登録継続ボタン732が押下された場合(ステップS1224:YES)、携帯端末装置30は、登録可能状態に制御する(ステップS1225)。そして、携帯端末装置30は、クラウドサーバ1へ登録継続通知を送信し(ステップS1226)、ステップS1203に戻り、登録画面710を表示して、商品登録を継続(再開)する。
【0118】
一方、ステップS1224において、登録継続ボタン732が押下されない場合(ステップS1224:NO)、携帯端末装置30は、取消否定ボタン1143(「いいえ」ボタン)が押下されたか否かを判断する(ステップS1227)。取消否定ボタン1143が押下された場合(ステップS1227:YES)、携帯端末装置30は、ステップS1221に戻り、トップ画面740を表示する。
【0119】
一方、取消否定ボタン1143が押下されない場合(ステップS1227:NO)、警告画面1140において、取消肯定ボタン1142(「はい」ボタン)が押下されたか否かを判断する(ステップS1228)。取消肯定ボタン1142が押下された場合(ステップS1228:YES)、携帯端末装置30は、自装置内に記憶した登録商品情報を消去する(ステップS1229)。そして、携帯端末装置30は、クラウドサーバ1へ登録情報の消去の要求を行い(ステップS1230)、ステップS1202に戻り、新たに取引開始の要求を行う。
【0120】
一方、取消肯定ボタン1142が押下されない場合(ステップS1228:NO)、携帯端末装置30は、POS端末装置20において精算が完了することにより、クラウドサーバ1から取引終了通知を受信したか否かを判断する(ステップS1231)。取引終了通知を受信しない場合(ステップS1231:NO)、携帯端末装置30は、ステップS1224の処理に戻る。
【0121】
一方、取引終了通知を受信した場合(ステップS1224:YES)、携帯端末装置30は、警告画面1140(
図11(D))の表示中であるか否かを判断する(ステップS1232)。警告画面1140の表示中ではない場合(ステップS1232:NO)、すなわち、トップ画面740(
図11(C))の表示中である場合、携帯端末装置30は、そのまま一連の処理を終了する。
【0122】
一方、ステップS1232において、警告画面1140の表示中である場合(ステップS1232:YES)、携帯端末装置30は、トップ画面740を表示し(ステップS1223)、一取引に係る一連の処理を終了する。なお、取引終了通知前のトップ画面740では、精算開始部602による精算可能状態とする制御(商品登録の禁止の制御)が行われているが、取引終了通知後のトップ画面740では、精算開始部602による当該制御は行われない。
【0123】
第1実施形態の変形例によれば、精算用コード722をPOS端末装置20に読み取らせた後であっても、トップ画面740(
図11(C))を操作して、商品登録を継続することができる。具体的には、トップ画面740において買物開始ボタン741を押下することにより、商品登録を継続することができる。このため、顧客は、トップ画面740から円滑に商品登録を再開させることができるため、商品登録に係る利便性を向上させることができる。
【0124】
(他の実施形態)
次に、他の実施形態について説明する。なお、他の実施形態では、上述した第1実施形態で説明した内容については、適宜説明を省略する。また、他の実施形態、および上述した第1実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0125】
(第2実施形態)
上述した第1実施形態では、宣言受付部603を、携帯端末装置30に表示される操作子(登録継続ボタン732)とする例について説明した。第2実施形態では、宣言受付部603を、POS端末装置20に表示される操作子(登録継続ボタン)とする例について説明する。以下、
図14に示す画面遷移図を参照しながら、
図13に示すショッピングシステムStの機能的構成について説明する。
【0126】
図13は、第2実施形態に係るショッピングシステムStの機能的構成を示すブロック図である。
図14は、POS端末装置20の客側表示部205に表示される画面遷移の一例を示す説明図である。
第2実施形態に係るショッピングシステムStにおいて、携帯端末装置30は、宣言受付部603を備えない。一方で、POS端末装置20は、取得部611と、精算部612と、宣言受付部603と、出力部613とを備える。各部は、CPU201によって実現される。すなわち、CPU201がRAM203等に記憶される登録継続プログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。
【0127】
図14(A)は、POS端末装置20の客側表示部205に表示される待機画面1410を示す。待機画面1410は、客側スキャナ部206に、精算用コード722(
図7(B))を読み取らせることを促す通知を含む。例えば、POS端末装置20は、会計専用モードの待機状態において、待機画面1410を表示する。待機画面1410において、顧客が携帯端末装置30に表示された精算用コード722を客側スキャナ部206に読み取らせると、
図14(B)に示す登録商品表示画面1420に遷移する。
【0128】
図14(B)は、登録商品表示画面1420を示す。登録商品表示画面1420が表示されているときには、携帯端末装置30は、精算開始部602によって精算可能状態に制御されている。登録商品表示画面1420は、登録商品表示領域1421と、精算開始ボタン1422と、登録継続ボタン732とを含む。登録商品表示領域1421は、登録した商品ごとの、商品名や購入点数や購入金額などを示すほか、登録した各種商品の合計点数や合計金額などを示す。顧客は、登録商品表示領域1421を確認し、登録した商品に間違いがなければ、精算開始ボタン1422を押下する。
【0129】
POS端末装置20の宣言受付部603は、登録商品表示画面1420において、登録継続ボタン732を表示させる。具体的には、宣言受付部603は、POS端末装置20が精算用コード722を読み取った後のタイミング(取引情報を取得した後のタイミング)で、登録継続ボタン732を表示させて、継続宣言を受け付ける。登録継続ボタン732は、商品登録の継続を受け付ける操作子の一例である。登録継続ボタン732が押下されると、POS端末装置20は、精算を中止し、待機画面1410に戻る。また、出力部613は、登録継続ボタン732が押下されると、登録継続通知を、クラウドサーバ1へ出力(送信)する。登録継続通知は、継続情報の一例である。
【0130】
クラウドサーバ1は、POS端末装置20から登録継続通知を受信すると、取引のステータスを「精算」から「登録」に変更する。さらに、クラウドサーバ1は、携帯端末装置30へ、登録を継続させるために登録継続指示を送信する。携帯端末装置30(継続部604)は、登録継続指示を受信すると、登録画面710(
図7(A))を表示し、商品登録を継続(再開)させる。
【0131】
なお、携帯端末装置30は、POS端末装置20に精算用コード722を読み取らせた後は、所定の画面を表示する。所定の画面は、例えば、精算可能画面730(
図7(C))、トップ画面740(
図7(D)、
図11(C))、精算可能画面1120(
図11(B))、警告画面1140(
図11(D))のうち、いずれかの画面である。このため、携帯端末装置30は、クラウドサーバ1から登録継続指示を受信すると、所定の画面から、登録画面710(
図7(A))に遷移させて、商品登録を継続(再開)させる。
【0132】
登録商品表示画面1420において、精算開始ボタン1422が押下されると、
図14(C)の決済種別選択画面1430に遷移する。
図14(C)は、決済種別選択画面1430を示す。決済種別選択画面1430は、決済種別選択ボタン1431を備える。決済種別選択ボタン1431は、決済種別の選択を受け付ける。具体的には、決済種別選択ボタン1431は、例えば、現金、クレジットカード、および電子マネーのうち、一の決済種別を受け付ける。例えば、現金の決済種別を受け付けて、所定金額の現金が投入されると、
図14(D)の精算確認画面1440に遷移する。
【0133】
図14(D)は、精算確認画面1440を示す。精算確認画面1440は、金額領域1441と、終了ボタン1442とを含む。金額領域1441は、支払合計額、預り金額、釣銭額を表示する領域である。終了ボタン1442は、金額領域1441に表示される金額の確定を受け付けるボタンである。終了ボタン1442が押下されると、レシートが発行され、一取引が終了する。なお、決済種別として、クレジットカードや電子マネーが選択された場合、クレジットカードの挿入や電子マネーを所定のリーダに読み取らせることにより、精算が完了する。このため、決済種別として、クレジットカードや電子マネーが選択された場合、精算確認画面1440において、終了ボタン1442が表示されなくてもよい。
【0134】
なお、第2実施形態において、登録継続ボタン732は、登録商品表示画面1420に表示されるが、登録商品表示画面1420に代えて又は加えて、決済種別選択画面1430および精算確認画面1440のうち、少なくともいずれか一方に表示されるようにしてもよい。例えば、決済種別選択画面1430に登録継続ボタン732を表示させるようにした場合、決済種別が選択されるまで、商品登録を継続(商品登録の禁止を解除)することが可能となる。また、精算確認画面1440に登録継続ボタン732を表示させるようにした場合、終了ボタン1442が押下されるまで、商品登録を継続することが可能となる。
【0135】
(第2実施形態に係るショッピングシステムStの各種処理)
次に、
図15~
図17を用いて、第2実施形態に係るショッピングシステムStの各種処理について説明する。
【0136】
(第2実施形態に係るクラウドサーバ1が行う取引制御処理の一例)
図15は、第2実施形態に係るクラウドサーバ1が行う取引制御処理の一例を示すフローチャートである。
図15において、クラウドサーバ1は、携帯端末装置30から取引開始の要求があるか否かを判断する(ステップS1501)。クラウドサーバ1は、携帯端末装置30から取引開始の要求があるまで待機する(ステップS1501:NO)。取引開始の要求があると(ステップS1501:YES)、クラウドサーバ1は、取引のステータスを「登録」のステータスに設定する(ステップS1502)。
【0137】
次に、クラウドサーバ1は、携帯端末装置30から商品読取情報を受信したか否かを判断する(ステップS1503)。商品読取情報を受信しない場合(ステップS1503:NO)、クラウドサーバ1は、ステップS1505の処理に進む。一方、商品読取情報を受信した場合(ステップS1503:YES)、クラウドサーバ1は、商品読取情報に基づいて取引情報DB2の登録商品情報を更新する(ステップS1504)。
【0138】
そして、クラウドサーバ1は、POS端末装置20が精算用コード722を読み取ることにより、POS端末装置20から取引情報の送信要求があるか否かを判断する(ステップS1505)。取引情報の送信要求がない場合(ステップS1505:NO)、クラウドサーバ1は、ステップS1503の処理に戻る。一方、取引情報の送信要求がある場合(ステップS1505:YES)、クラウドサーバ1は、取引のステータスを「精算」のステータスに設定する(ステップS1506)。
【0139】
そして、クラウドサーバ1は、取引情報の送信要求に含まれるカート識別情報を用いて取引情報を特定する(ステップS1507)。次に、クラウドサーバ1は、特定した取引情報をPOS端末装置20へ送信する(ステップS1508)。そして、クラウドサーバ1は、携帯端末装置30を精算可能状態に制御させるための精算開始指示を携帯端末装置30へ送信する(ステップS1509)。
【0140】
次に、クラウドサーバ1は、POS端末装置20が登録継続ボタン732(
図14(B))の押下を受け付けることにより、POS端末装置20から登録継続通知を受信したか否かを判断する(ステップS1510)。登録継続通知を受信した場合(ステップS1510:YES)、クラウドサーバ1は、携帯端末装置30へ登録継続指示を送信し(ステップS1511)、ステップS1502の処理に戻る。
【0141】
一方、ステップS1510において、登録継続通知を受信しない場合(ステップS1510:NO)、クラウドサーバ1は、POS端末装置20から精算が完了した旨を示す精算完了通知を受信したか否かを判断する(ステップS1512)。精算完了通知を受信しない場合(ステップS1512:NO)、クラウドサーバ1は、ステップS1510の処理に戻る。
【0142】
一方、精算完了通知を受信した場合(ステップS1512:YES)、クラウドサーバ1は、取引のステータスを「終了」のステータスに設定し(ステップS1513)、当該取引情報を購入履歴として格納する(ステップS1514)。そして、クラウドサーバ1は、携帯端末装置30へ取引が終了したことを示す取引終了通知を送信し(ステップS1515)、一取引に係る一連の処理を終了する。
【0143】
(第2実施形態のPOS端末装置20が行う商品登録の継続に係る処理の一例)
図16は、第2実施形態のPOS端末装置20が行う商品登録の継続に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図16において、POS端末装置20は、精算用コード722(
図7(B))をスキャンしたか否かを判断する(ステップS1601)。POS端末装置20は、精算用コード722をスキャンするまで待機し(ステップS1601:NO)、精算用コード722をスキャンすると(ステップS1601:YES)、クラウドサーバ1に対して、取引情報の送信要求を行う(ステップS1602)。
【0144】
そして、POS端末装置20は、クラウドサーバ1から取引情報を受信し(ステップS1603)、当該取引情報に基づく登録商品表示画面1420(
図14(B))を表示する(ステップS1604)。次に、POS端末装置20は、登録商品表示画面1420において、精算開始ボタン1422が押下されたか否かを判断する(ステップS1605)。精算開始ボタン1422が押下されない場合(ステップS1605:NO)、POS端末装置20は、登録継続ボタン732が押下されたか否かを判断する(ステップS1606)。
【0145】
登録継続ボタン732が押下されない場合(ステップS1606:NO)、POS端末装置20は、ステップS1605に戻る。一方、登録継続ボタン732が押下された場合(ステップS1606:YES)、POS端末装置20は、クラウドサーバ1へ登録継続通知を送信する(ステップS1607)。そして、POS端末装置20は、精算を中止する(ステップS1608)。さらに、POS端末装置20は、待機画面1410(
図14(A))を表示して(ステップS1609)、一取引に係る一連の処理を終了する。
【0146】
一方、ステップS1605において、精算開始ボタン1422が押下された場合(ステップS1605:YES)、POS端末装置20は、決済種別選択画面1430(
図14(C))を表示する。そして、POS端末装置20は、決済種別選択画面1430において決済種別の選択を受け付け、さらに、精算確認画面1440において終了ボタン1442が押下されることにより、精算が完了したか否かを判断する(ステップS1611)。POS端末装置20は、精算が完了するまで待機する(ステップS1611:NO)。精算が完了した場合(ステップS1605:YES)、POS端末装置20は、クラウドサーバ1へ精算完了通知を送信し(ステップS1612)、ステップS1609に進み、待機画面1410(
図14(A))を表示する。
【0147】
(第2実施形態の携帯端末装置30が行う商品登録の継続に係る処理の一例)
図17Aおよび
図17Bは、第2実施形態の携帯端末装置30が行う商品登録の継続に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図17Aおよび
図17Bにおいて、携帯端末装置30は、取引の開始を受け付けたか否かを判断する(ステップS1701)。携帯端末装置30は、取引の開始を受け付けるまで待機する(ステップS1701:NO)。取引の開始を受け付けると(ステップS1701:YES)、携帯端末装置30は、クラウドサーバ1へ取引開始の要求を行って(ステップS1702)、登録画面710(
図7(A))を表示する(ステップS1703)。
【0148】
そして、携帯端末装置30は、登録画面710において、顧客の操作に応じて商品をスキャンしたか否かを判断する(ステップS1704)。商品をスキャンしない場合(ステップS1704:NO)、携帯端末装置30は、ステップS1707の処理に進む。一方、商品をスキャンした場合(ステップS1704:YES)、携帯端末装置30は、クラウドサーバ1へ商品読取情報を送信する(ステップS1705)。そして、携帯端末装置30は、クラウドサーバ1から登録商品情報を受信することにより、スキャンした商品を表示する(ステップS1706)。
【0149】
次に、携帯端末装置30は、ディスプレイ306に表示される登録完了ボタン713(
図7(A))が押下されたか否かを判断し、すなわち、商品登録の完了であるか否かを判断する(ステップS1707)。商品登録の完了ではない場合(ステップS1707:NO)、携帯端末装置30は、ステップS1704の処理に戻る。一方、商品登録の完了である場合(ステップS1707:YES)、携帯端末装置30は、ディスプレイ306に精算用コード画面720(
図7(B))を表示する(ステップS1708)。
【0150】
そして、携帯端末装置30は、POS端末装置20が精算用コード722を読み取ることにより、クラウドサーバ1から精算開始指示を受信したか否かを判断する(ステップS1711)。携帯端末装置30は、精算開始指示を受信するまで待機する(ステップS1711:NO)。一方、精算開始指示を受信した場合(ステップS1711:NO)、携帯端末装置30は、精算可能状態に制御し(ステップS1712)、登録継続ボタン732を含まない精算可能画面1120(
図11(B))を表示する(ステップS1713)。
【0151】
そして、携帯端末装置30は、POS端末装置20において登録継続ボタン732が押下されることにより、クラウドサーバ1から登録継続指示を受信したか否かを判断する(ステップS1714)。登録継続指示を受信した場合(ステップS1714:YES)、携帯端末装置30は、登録可能状態に制御して(ステップS1715)、ステップS1703の処理に戻り、登録画面710を表示して、商品登録を継続(再開)する。
【0152】
一方、ステップS1714において、登録継続指示を受信しない場合(ステップS1714:NO)、携帯端末装置30は、POS端末装置20において精算が完了することにより、クラウドサーバ1から取引終了通知を受信したか否かを判断する(ステップS1716)。取引終了通知を受信しない場合(ステップS1716:NO)、携帯端末装置30は、ステップS1714の処理に戻る。一方、取引終了通知を受信した場合(ステップS1717:YES)、携帯端末装置30は、トップ画面740(
図7(D))を表示して、一取引に係る一連の処理を終了する。
【0153】
以上のように、第2実施形態では、POS端末装置20が精算用コード722に基づく取引情報を取得することに応じて、POS端末装置20に操作子(登録継続ボタン732)を表示する。これにより、顧客が精算用コード722をPOS端末装置20に読み取らせた後に、POS端末装置20に表示される登録継続ボタン732の押下を受け付けることにより、携帯端末装置30による商品登録を継続(再開)することができる。このため、例えば、顧客は、POS端末装置20の前で、追加で買物袋を購入したいときでも、簡単に買物袋を追加で購入することができる。したがって、商品登録に係る利便性を向上させることができる。
【0154】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。上述した第1実施形態および第2実施形態では、登録継続ボタン732が一のタイミングで表示される例について説明した。具体的には、登録継続ボタン732が、精算可能画面730(
図7(C))と、警告画面1140(
図11(D))と、登録商品表示画面1420(
図14(B))とのうち、いずれか一の画面に表示される例について説明した。
【0155】
第3実施形態では、登録継続ボタン732が、精算可能画面730と、警告画面1140と、登録商品表示画面1420とのうち、少なくとも2以上の画面で表示される例について説明する。例えば、登録継続ボタン732は、精算可能画面730と、警告画面1140と、登録商品表示画面1420との全てに表示されてもよい。また、例えば、登録継続ボタン732は、精算可能画面730と、登録商品表示画面1420とに表示され、登録商品表示画面1420には表示されないようにしてもよい。
【0156】
第3実施形態によれば、登録継続ボタン732が、精算可能画面730、警告画面1140、登録商品表示画面1420のうち、少なくとも2以上の画面で表示されるため、複数のタイミングで、商品登録の継続を受け付けることができる。したがって、商品登録に係る利便性をより向上させることができる。
【0157】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。上述した第1実施形態および第2実施形態では、精算開始の条件を、POS端末装置20によって精算用コード722が読み取られることとする例について説明した。第4実施形態では、精算開始の条件を、携帯端末装置30によってPOS端末装置20を識別する識別コードが読み取られることとする例について説明する。
【0158】
第4実施形態では、POS端末装置20を識別する2次元コード(以下「精算機識別コード」という)が用いられる。精算機2次元コードは、POS端末装置20の客側表示部205に表示されてもよいし、POS端末装置20の近傍に掲示されてもよい。携帯端末装置30は、精算機識別コードを読み取ると、読み取った精算機識別コードと、カート識別情報とをクラウドサーバ1へ送信する。クラウドサーバ1は、精算機識別コードとカート識別情報とを受信すると、精算機識別コードが示すPOS端末装置20宛てに、カート識別情報が示すカート情報(取引情報)を送信する。これにより、POS端末装置20は、取引情報を取得し、精算を行うことが可能になる。
【0159】
第4実施形態において、携帯端末装置30およびPOS端末装置20のうち少なくともいずれか一方で、継続宣言を受け付けることが可能である。携帯端末装置30において継続宣言を受け付ける場合、携帯端末装置30は、精算機識別コードを読み取った後に、精算可能画面730(
図7(C))および警告画面1140(
図11(D))のうち少なくともいずれか一方を表示可能とすればよい。また、携帯端末装置30は、精算可能画面730または警告画面1140において、登録継続ボタン732の押下を受け付けるようにすればよい。
【0160】
一方、POS端末装置20において継続宣言を受け付ける場合、POS端末装置20は、クラウドサーバ1から取引情報を取得した後に、登録商品表示画面1420(
図14(B))を表示すればよい。また、POS端末装置20は、登録商品表示画面1420において、登録継続ボタン732の押下を受け付けるようにすればよい。
【0161】
第4実施形態において示した例においても、POS端末装置20が取引情報を取得した後に、顧客から登録継続ボタン732を受け付けることによって、商品登録を継続させる。これにより、携帯端末装置30が精算機識別コードを読み取った後でも、再び商品登録を行うことができ、すなわち、継続して商品登録を行うことができる。したがって、商品登録に係る利便性を向上させることができる。
【0162】
以下、実施形態総括を記載する。
[発明の名称]システム、登録装置、精算装置、およびプログラム
[技術分野]
本発明は、システム、登録装置、精算装置、およびプログラムに関する。
[背景技術]
近年、顧客が商品の登録や精算を行う、いわゆるセルフレジが普及している。例えば、顧客が所持する携帯端末装置を用いて商品の登録を行って、顧客が精算装置で精算を行うシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2016-219034号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、従来技術では、携帯端末装置において顧客が商品登録の完了を示す操作を行ってしまうと、再び商品登録を行うことができないことがあり、すなわち、継続して商品登録を行えないことがあった。このため、商品登録に係る顧客の利便性が低いことがある、という問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、商品登録に係る顧客の利便性を向上させることができる技術を提供するにある。
【0163】
[課題を解決するための手段]
(1)上述した課題を解決するために、本発明の一態様であるシステムは、
顧客の操作により、一の取引における商品登録を行う可搬式の登録装置と、顧客の操作により、前記一の取引における商品を精算する精算装置と、を含むシステムであって、前記登録装置に登録された商品の精算に関する精算関連情報を前記精算装置が取得することに応じて、前記商品登録を終了させて、精算を開始可能にする精算開始手段と、前記精算開始手段によって精算が開始可能になった際に、前記商品登録の継続を示す継続宣言を受け付ける宣言受付手段と、前記宣言受付手段が前記継続宣言を受け付けることにより、前記商品登録を継続させる継続手段と、を備えることを特徴とするシステムである。
上記構成によれば、精算用コード722をPOS端末装置20に読み取らせた後でも、再び商品登録を行うことができ、すなわち、継続して商品登録を行うことができる。例えば、顧客は、POS端末装置20の前で、追加で買物袋を購入したいときでも、簡単に買物袋を追加で購入することができる。したがって、商品登録に係る利便性を向上させることができる。
【0164】
(2)上記(1)の構成において、前記宣言受付手段は、前記精算装置における精算が完了するまで前記継続宣言を受け付けるようにしてもよい。
上記構成によれば、精算が完了するまで、商品登録を継続することができ、すなわち、再び商品登録を行うことができる。
【0165】
(3)上記(1)または(2)の構成において、前記登録装置は、前記一の取引を識別するコードシンボルを表示し、前記精算開始手段は、前記精算装置が前記コードシンボルに基づく取引情報を取得することに応じて、精算を開始可能にし、前記宣言受付手段は、前記精算開始手段によって精算が開始可能になった際に、前記登録装置に表示される操作子であることとしてもよい。
上記構成によれば、顧客が精算用コード722をPOS端末装置20に読み取らせた後に、例えば、買い忘れ等に気付いた場合に、登録継続ボタン732を押下することによって商品登録を継続(再開)することができる。
【0166】
(4)上記(1)または(2)の構成において、前記登録装置は、前記一の取引を識別するコードシンボルを表示し、前記精算開始手段は、前記精算装置が前記コードシンボルに基づく取引情報を取得することに応じて、精算を開始可能にし、前記宣言受付手段は、前記精算開始手段によって精算が開始可能になった際に、前記精算装置に表示される操作子であることとしてもよい。
上記構成によれば、顧客が精算用コード722をPOS端末装置20に読み取らせた後に、登録継続ボタン732の押下を受け付けることにより、携帯端末装置30による商品登録を継続(再開)することができる。これにより、例えば、顧客は、POS端末装置20の前で、追加で買物袋を購入したいときでも、簡単に買物袋を追加で購入することができる。したがって、商品登録に係る利便性を向上させることができる。
【0167】
(5)上述した課題を解決するために、本発明の一態様である登録装置は、顧客の操作により、一の取引における商品登録を行う可搬式の登録装置と、顧客の操作により、前記一の取引における商品を精算する精算装置と、を含むシステムの前記登録装置であって、前記登録装置は、登録した商品の精算に関する精算関連情報を前記精算装置が取得することに応じて、前記商品登録を終了させて、精算を開始可能にする精算開始手段と、前記精算開始手段によって精算が開始可能になった際に、前記商品登録の継続を示す継続宣言を受け付ける宣言受付手段と、前記宣言受付手段が前記継続宣言を受け付けることにより、前記商品登録を継続させる継続手段と、を備えることを特徴とする登録装置である。
上記構成によれば、精算用コード722をPOS端末装置20に読み取らせた後でも、再び商品登録を行うことができ、すなわち、継続して商品登録を行うことができる。したがって、商品登録に係る利便性を向上させることができる。
【0168】
(6)上述した課題を解決するために、本発明の一態様である精算装置は、顧客の操作により、一の取引における商品登録を行う可搬式の登録装置と、顧客の操作により、前記一の取引における商品を精算する精算装置と、を含むシステムの前記精算装置であって、前記精算装置は、前記登録装置に登録された商品の精算に関する精算関連情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって前記精算関連情報が取得されることに応じて精算が開始可能になった際に、前記商品登録の継続を示す継続宣言を受け付ける宣言受付手段と、前記宣言受付手段が前記継続宣言を受け付けることにより、前記商品登録を継続させるための継続情報を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする精算装置である。
上記構成によれば、精算用コード722をPOS端末装置20に読み取らせた後でも、再び商品登録を行うことができ、すなわち、継続して商品登録を行うことができる。したがって、商品登録に係る利便性を向上させることができる。
【0169】
(7)上述した課題を解決するために、本発明の一態様であるプログラムは、顧客の操作により、一の取引における商品登録を行う可搬式の登録装置と、顧客の操作により、前記一の取引における商品を精算する精算装置と、を含むシステムとしてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、前記登録装置に登録された商品の精算に関する精算関連情報を前記精算装置が取得することに応じて、前記商品登録を終了させて、精算を開始可能にする精算開始手段、前記精算開始手段によって精算が開始可能になった際に、前記商品登録の継続を示す継続宣言を受け付ける宣言受付手段、前記宣言受付手段が前記継続宣言を受け付けることにより、前記商品登録を継続させる継続手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
上記構成によれば、精算用コード722をPOS端末装置20に読み取らせた後でも、再び商品登録を行うことができ、すなわち、継続して商品登録を行うことができる。したがって、商品登録に係る利便性を向上させることができる。
【0170】
なお、上記において説明したショッピングシステムSt(POS端末装置20、携帯端末装置30)における各機能(入出力、記憶、処理(判断を含む))の全部または一部は、当該機能の実行主体として説明した装置とは異なる他の装置において実現してもよい。
【0171】
具体的には、上述した説明では、携帯端末装置30またはPOS端末装置20が、
図6に示した各機能部を備える構成について説明した。各機能部の全部または一部が、他のコンピュータ装置に具備されていてもよい。例えば、各機能部のうち全部または一部が、クラウドサーバ1に具備されていてもよいし、ストアコントローラ10に具備されていてもよいし、これら以外のコンピュータ装置に具備されていてもよい。また、各機能部が具備されるコンピュータ装置は、複数台であることに限らず、1台であってもよい。例えば、各機能部の全てを一のコンピュータ装置が具備していてもよい。
【0172】
具体的には、例えば、携帯端末装置30に代えて、クラウドサーバ1が、精算可能状態において顧客から継続宣言を受け付けることにより、商品登録を継続させるための指示を行うようにしてもよい。
【0173】
上記に関連し、携帯端末装置30およびPOS端末装置20は、各種表示等に関しては、入出力のインターフェース部分に特化したいわゆるシンクライアントとして機能してもよい。つまり、携帯端末装置30およびPOS端末装置20は、各種の入力(操作者の操作やデバイスの検出)を受け付け、入力情報(操作情報や検出情報等)をクラウドサーバ1に送信し、当該入力情報に基づくクラウドサーバ1の処理結果(更新画面情報、デバイスの制御情報等)を受信し、各種の出力(表示部への表示、デバイスの制御)を行ってもよい。
【0174】
なお、以上に説明したショッピングシステムSt(クラウドサーバ1、POS端末装置20および携帯端末装置30)を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0175】
St…ショッピングシステム、1…クラウドサーバ、10…ストアコントローラ、11…取引状況管理装置、20…POS端末装置、30…携帯端末装置、201…CPU、205…客側表示部、206…客側スキャナ部、301…CPU、303…操作部、306…ディスプレイ、601…登録部、602…精算開始部、603…宣言受付部、604…継続部、611…取得部、612…精算部、613…出力部、732…登録継続ボタン