(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053276
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】試験装置、試験システム、試験方法および試験プログラム
(51)【国際特許分類】
G01R 31/26 20200101AFI20240408BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
G01R31/26 E
H01L21/66 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159416
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】390005175
【氏名又は名称】株式会社アドバンテスト
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅原 聡洋
(72)【発明者】
【氏名】足立 敏明
【テーマコード(参考)】
2G003
4M106
【Fターム(参考)】
2G003AA09
2G003AH01
4M106AA01
4M106BA04
4M106CA17
4M106DJ20
4M106DJ27
(57)【要約】
【解決手段】 複数の試験項目に対応する1または複数の発光パターンの光に応じ、イメージセンサである被試験デバイスが出力する各画像データを取得する画像データ取得部と、前記画像データ取得部が取得した1または複数の画像データを2以上の画像処理装置へと送信して、前記複数の試験項目における別々の試験項目に応じた画像処理を、前記2以上の画像処理装置のそれぞれにより並行して実行させる画像処理制御部と、画像処理の結果から導出される、当該画像処理に応じた試験項目の試験結果を取得する試験結果取得部と、前記試験結果取得部により取得された各試験項目の試験結果に基づいて前記被試験デバイスの良否を判定する判定部と、を備える試験装置が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の試験項目に対応する1または複数の発光パターンの光に応じ、イメージセンサである被試験デバイスが出力する各画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部が取得した1または複数の画像データを2以上の画像処理装置へと送信して、前記複数の試験項目における別々の試験項目に応じた画像処理を、前記2以上の画像処理装置のそれぞれにより並行して実行させる画像処理制御部と、
画像処理の結果から導出される、当該画像処理に応じた試験項目の試験結果を取得する試験結果取得部と、
前記試験結果取得部により取得された各試験項目の試験結果に基づいて前記被試験デバイスの良否を判定する判定部と、
を備える試験装置。
【請求項2】
前記画像処理制御部は、前記被試験デバイスの識別情報を画像データと共に前記2以上の画像処理装置へと送信し、
前記試験結果取得部は、前記被試験デバイスの識別情報を試験結果と共に取得する、請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
前記画像処理制御部は、
各画像処理装置の状態を検知する検知部と、
各試験項目を逐次、実行対象の試験項目として選択する第1選択部と、
前記実行対象の試験項目が選択されることに応じて複数の画像処理装置から画像処理の実行状態の画像処理装置と、故障状態の画像処理装置との少なくとも一方を除外して、画像処理装置を選択する第2選択部と、
前記複数の画像処理装置のうち、前記第2選択部により選択された画像処理装置へと画像データを送信して、前記実行対象の試験項目に応じた画像処理を実行させる実行指示部と、
を有する、請求項1に記載の試験装置。
【請求項4】
前記第2選択部は、少なくとも各画像処理装置の処理性能に基づいて、前記複数の画像処理装置から、前記実行対象の試験項目に応じた画像処理を実行させる画像処理装置を選択する、請求項3に記載の試験装置。
【請求項5】
前記第2選択部は、前記複数の画像処理装置のうち、最も処理性能が高い画像処理装置を選択する、請求項4に記載の試験装置。
【請求項6】
前記第1選択部は、前記複数の試験項目から、より所要時間の長い画像処理に対応する試験項目を優先して選択する、請求項3に記載の試験装置。
【請求項7】
前記第1選択部は、基準よりも所要時間の長い画像処理に対応する試験項目を、離散的な順序で選択する、請求項3に記載の試験装置。
【請求項8】
前記2以上の画像処理装置のうち、少なくとも1つの画像処理装置は、少なくとも1つのサーバ装置に実装されており、
当該試験装置は、各サーバ装置と通信する通信部をさらに備える、請求項1に記載の試験装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのサーバ装置の何れかは、クラウドサーバである、請求項8に記載の試験装置。
【請求項10】
前記2以上の画像処理装置の1つとして、画像データに対する画像処理を実行する画像処理部をさらに備え、
前記画像処理制御部は、前記画像データ取得部が取得した画像データを前記画像処理部に供給して、前記複数の試験項目のうち一部の試験項目に応じた画像処理を実行させる、請求項1に記載の試験装置。
【請求項11】
前記画像処理制御部は、前記2以上の画像処理装置のうち前記画像処理部とは異なる各画像処理装置との間の通信回線がビジー状態であることに応じて、前記画像処理部に画像処理を実行させる、請求項10に記載の試験装置。
【請求項12】
前記画像データ取得部が取得した画像データにおける画素値の統計を被試験デバイスごとに実行する統計部をさらに備え、
前記判定部は、一の被試験デバイスについての統計結果が基準条件を満たさないことに応じて当該一の被試験デバイスを不良と判定し、前記一の被試験デバイスについての画像処理をディセーブルする、請求項1に記載の試験装置。
【請求項13】
前記被試験デバイスに対し、前記1または複数の発光パターンの光を照射する光源をさらに備える、請求項1に記載の試験装置。
【請求項14】
請求項1に記載の複数の試験装置と、
前記複数の試験装置により共用される複数の画像処理装置と、
を備える試験システム。
【請求項15】
各試験装置の前記画像処理制御部は、
各画像処理装置の状態を検知する検知部と、
各試験項目を逐次、実行対象の試験項目として選択する第1選択部と、
前記実行対象の試験項目が選択されることに応じて前記複数の画像処理装置から画像処理の実行状態の画像処理装置と、故障状態の画像処理装置との少なくとも一方を除外して、画像処理装置を選択する第2選択部と、
前記複数の画像処理装置のうち、前記第2選択部により選択された画像処理装置へと画像データを送信して、前記実行対象の試験項目に応じた画像処理を実行させる実行指示部と、
を有する、請求項14に記載の試験システム。
【請求項16】
各試験装置による試験を制御する制御装置を備え、
各試験装置は、
各試験項目を逐次、実行対象の試験項目として選択する第1選択部と、
前記実行対象の試験項目が選択されることに応じて前記制御装置に画像処理装置の選択要求信号を送信する第1送信部と、
前記複数の画像処理装置のうち、前記制御装置により選択された画像処理装置へと画像データを送信して、前記実行対象の試験項目に応じた画像処理を実行させる実行指示部と、
を有し、
前記制御装置は、
各画像処理装置の状態を検知する検知部と、
各試験装置から逐次、前記選択要求信号を取得する第3取得部と、
前記選択要求信号が取得されることに応じて前記複数の画像処理装置から画像処理の実行状態の画像処理装置と、故障状態の画像処理装置との少なくとも一方を除外して、画像処理装置を選択する第3選択部と、
前記第3選択部が選択した画像処理装置の識別情報を、前記選択要求信号の送信元の前記試験装置に送信する第2送信部と、
を有する、請求項14に記載の試験システム。
【請求項17】
複数の試験項目に対応する1または複数の発光パターンの光に応じ、イメージセンサである被試験デバイスが出力する各画像データを取得する画像データ取得段階と、
前記画像データ取得段階で取得した1または複数の画像データを2以上の画像処理装置へと送信して、前記複数の試験項目における別々の試験項目に応じた画像処理を、前記2以上の画像処理装置のそれぞれにより並行して実行させる画像処理制御段階と、
画像処理の結果から導出される、当該画像処理に応じた試験項目の試験結果を取得する試験結果取得段階と、
前記試験結果取得段階により取得された各試験項目の試験結果に基づいて前記被試験デバイスの良否を判定する判定段階と、
を備える試験方法。
【請求項18】
コンピュータを、
複数の試験項目に対応する1または複数の発光パターンの光に応じ、イメージセンサである被試験デバイスが出力する各画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部が取得した1または複数の画像データを2以上の画像処理装置へと送信して、前記複数の試験項目における別々の試験項目に応じた画像処理を、前記2以上の画像処理装置のそれぞれにより並行して実行させる画像処理制御部と、
画像処理の結果から導出される、当該画像処理に応じた試験項目の試験結果を取得する試験結果取得部と、
前記試験結果取得部により取得された各試験項目の試験結果に基づいて前記被試験デバイスの良否を判定する判定部と、
として機能させる試験プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験装置、試験システム、試験方法および試験プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には「被試験イメージセンサに接触した端子から出力される画像信号…を取り込んで画像処理し…良否を判定する」(請求項1)などと記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開平4-3686号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、複数の試験項目に対応する1または複数の発光パターンの光に応じ、イメージセンサである被試験デバイスが出力する各画像データを取得する画像データ取得部と、前記画像データ取得部が取得した1または複数の画像データを2以上の画像処理装置へと送信して、前記複数の試験項目における別々の試験項目に応じた画像処理を、前記2以上の画像処理装置のそれぞれにより並行して実行させる画像処理制御部と、画像処理の結果から導出される、当該画像処理に応じた試験項目の試験結果を取得する試験結果取得部と、前記試験結果取得部により取得された各試験項目の試験結果に基づいて前記被試験デバイスの良否を判定する判定部と、を備える試験装置が提供される。
【0004】
上記の試験装置においては、前記画像処理制御部は、前記被試験デバイスの識別情報を画像データと共に前記2以上の画像処理装置へと送信し、前記試験結果取得部は、前記被試験デバイスの識別情報を試験結果と共に取得してよい。
【0005】
上記何れかの試験装置においては、前記画像処理制御部は、各画像処理装置の状態を検知する検知部と、各試験項目を逐次、実行対象の試験項目として選択する第1選択部と、前記実行対象の試験項目が選択されることに応じて複数の画像処理装置から画像処理の実行状態の画像処理装置と、故障状態の画像処理装置との少なくとも一方を除外して、画像処理装置を選択する第2選択部と、前記複数の画像処理装置のうち、前記第2選択部により選択された画像処理装置へと画像データを送信して、前記実行対象の試験項目に応じた画像処理を実行させる実行指示部と、を有してよい。
【0006】
上記の試験装置においては、前記第2選択部は、少なくとも各画像処理装置の処理性能に基づいて、前記複数の画像処理装置から、前記実行対象の試験項目に応じた画像処理を実行させる画像処理装置を選択してよい。
【0007】
上記の試験装置においては、前記第2選択部は、前記複数の画像処理装置のうち、最も処理性能が高い画像処理装置を選択してよい。
【0008】
画像処理制御部が第1選択部を有する上記何れかの試験装置においては、前記第1選択部は、前記複数の試験項目から、より所要時間の長い画像処理に対応する試験項目を優先して選択してよい。
【0009】
画像処理制御部が第1選択部を有する上記何れかの試験装置においては、前記第1選択部は、基準よりも所要時間の長い画像処理に対応する試験項目を、離散的な順序で選択してよい。
【0010】
上記何れかの試験装置においては、前記2以上の画像処理装置のうち、少なくとも1つの画像処理装置は、少なくとも1つのサーバ装置に実装されており、当該試験装置は、各サーバ装置と通信する通信部をさらに備えてよい。
【0011】
上記の試験装置においては、前記少なくとも1つのサーバ装置の何れかは、クラウドサーバであってよい。
【0012】
上記何れかの試験装置においては、前記2以上の画像処理装置の1つとして、画像データに対する画像処理を実行する画像処理部をさらに備えてよい。前記画像処理制御部は、前記画像データ取得部が取得した画像データを前記画像処理部に供給して、前記複数の試験項目のうち一部の試験項目に応じた画像処理を実行させてよい。
【0013】
上記の試験装置においては、前記画像処理制御部は、前記2以上の画像処理装置のうち前記画像処理部とは異なる各画像処理装置との間の通信回線がビジー状態であることに応じて、前記画像処理部に画像処理を実行させてよい。
【0014】
上記何れかの試験装置においては、前記画像データ取得部が取得した画像データにおける画素値の統計を被試験デバイスごとに実行する統計部をさらに備えてよい。前記判定部は、一の被試験デバイスについての統計結果が基準条件を満たさないことに応じて当該一の被試験デバイスを不良と判定し、前記一の被試験デバイスについての画像処理をディセーブルしてよい。
【0015】
上記何れかの試験装置においては、前記被試験デバイスに対し、前記1または複数の発光パターンの光を照射する光源をさらに備えてよい。
【0016】
本発明の第2の態様においては、第1の態様の何れかの複数の試験装置と、前記複数の試験装置により共用される複数の画像処理装置と、を備える試験システムが提供される。
【0017】
上記の試験システムにおいては、各試験装置の前記画像処理制御部は、各画像処理装置の状態を検知する検知部と、各試験項目を逐次、実行対象の試験項目として選択する第1選択部と、前記実行対象の試験項目が選択されることに応じて前記複数の画像処理装置から画像処理の実行状態の画像処理装置と、故障状態の画像処理装置との少なくとも一方を除外して、画像処理装置を選択する第2選択部と、前記複数の画像処理装置のうち、前記第2選択部により選択された画像処理装置へと画像データを送信して、前記実行対象の試験項目に応じた画像処理を実行させる実行指示部と、を有してよい。
【0018】
第2の態様の試験システムにおいては、各試験装置による試験を制御する制御装置を備え、各試験装置は、各試験項目を逐次、実行対象の試験項目として選択する第1選択部と、前記実行対象の試験項目が選択されることに応じて前記制御装置に画像処理装置の選択要求信号を送信する第1送信部と、前記複数の画像処理装置のうち、前記制御装置により選択された画像処理装置へと画像データを送信して、前記実行対象の試験項目に応じた画像処理を実行させる実行指示部と、を有してよい。前記制御装置は、各画像処理装置の状態を検知する検知部と、各試験装置から逐次、前記選択要求信号を取得する第3取得部と、前記選択要求信号が取得されることに応じて前記複数の画像処理装置から画像処理の実行状態の画像処理装置と、故障状態の画像処理装置との少なくとも一方を除外して、画像処理装置を選択する第3選択部と、前記第3選択部が選択した画像処理装置の識別情報を、前記選択要求信号の送信元の前記試験装置に送信する第2送信部と、を有してよい。
【0019】
本発明の第3の態様においては、複数の試験項目に対応する1または複数の発光パターンの光に応じ、イメージセンサである被試験デバイスが出力する各画像データを取得する画像データ取得段階と、前記画像データ取得段階で取得した1または複数の画像データを2以上の画像処理装置へと送信して、前記複数の試験項目における別々の試験項目に応じた画像処理を、前記2以上の画像処理装置のそれぞれにより並行して実行させる画像処理制御段階と、画像処理の結果から導出される、当該画像処理に応じた試験項目の試験結果を取得する試験結果取得段階と、前記試験結果取得段階により取得された各試験項目の試験結果に基づいて前記被試験デバイスの良否を判定する判定段階と、を備える試験方法が提供される。
【0020】
本発明の第4の態様においては、コンピュータを、複数の試験項目に対応する1または複数の発光パターンの光に応じ、イメージセンサである被試験デバイスが出力する各画像データを取得する画像データ取得部と、前記画像データ取得部が取得した1または複数の画像データを2以上の画像処理装置へと送信して、前記複数の試験項目における別々の試験項目に応じた画像処理を、前記2以上の画像処理装置のそれぞれにより並行して実行させる画像処理制御部と、画像処理の結果から導出される、当該画像処理に応じた試験項目の試験結果を取得する試験結果取得部と、前記試験結果取得部により取得された各試験項目の試験結果に基づいて前記被試験デバイスの良否を判定する判定部と、として機能させる試験プログラムが提供される。
【0021】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】発光パターンと、試験項目と、画像処理との対応の一例を示す。
【
図6】試験装置2Aの第1処理に関する動作を、制御装置5の動作と共に示す。
【
図7】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0024】
<1.試験システム1>
図1は、本実施形態に係る試験システム1を示す。試験システム1は、試験対象の被試験デバイス100と、複数の試験装置2と、複数の試験装置2により共用される複数の画像処理装置30が実装された複数のサーバ装置3とを備える。
【0025】
<1-1.被試験デバイス100>
被試験デバイス100は、イメージセンサであり、例えばCMOSセンサやCCDセンサであってよい。本実施形態では一例として、被試験デバイス100は、1つのウエハ上に複数形成されているが、ウエハをダイシングして個片化されていてもよいし、さらに封止されてパッケージングされていてもよい。
【0026】
被試験デバイス100は、外部接続可能な端子を有してよく、照射される光に応じた画像データを当該端子から出力してよい。画像データには、画素ごとの色の濃淡や明るさを示す画素値が含まれてよい。例えば、画像データはグレースケール画像の画像データであってよく、画素ごとに白黒の濃淡を示す画素値を含んでよい。これに代えて、画像データはカラー画像の画像データであってよく、画素ごとにRGBなどの各色の濃淡を示す画素値を含んでよい。
【0027】
<1-2.試験装置2>
各試験装置2は、1または複数の被試験デバイス100に対して試験を行う。本実施形態では一例として、各試験装置2は、ウエハ上の各被試験デバイス100に対して試験を行ってよい。各試験装置2は、2以上の試験項目を含む試験を行ってよく、本実施形態では一例としてN個(但しNは2以上の自然数)の試験項目の試験を行ってよい。各試験項目の試験では、当該試験項目に対応する1または複数の発光パターンの光を被試験デバイス100に照射したことに応じて当該被試験デバイス100から出力される1または複数の画像データが取得されてよく、当該試験項目に対応する画像処理を画像データに行って試験結果が取得されてよい。詳細は後述するが、画像処理とは、画像データから何らかの情報を取り出す処理であってよい。
【0028】
各試験装置2は、光源20と、画像データ取得部21と、画像処理制御部22と、画像処理部23と、統計部24と、通信部28と、試験結果取得部26と、判定部27とを有する。
【0029】
<1-2.1.光源20>
光源20は、N個の試験項目に対応する1または複数の発光パターンの光を各被試験デバイス100に照射する。光源20は、被試験デバイス100に対向して配置されるテストヘッドに配置されてよい。光源20は、ウエハ上の各被試験デバイス100に対して光を照射してよい。これにより、光が照射された各被試験デバイス100から画像データが出力されてよい。
【0030】
一の発光パターンの光は、被試験デバイス100により一の画像が撮像可能な時間だけ照射される光であってよい。一の発光パターンの光は、1または複数の試験項目に対応してよく、当該1または複数の試験項目の試験を行う場合に照射されてよい。
【0031】
複数の発光パターンの光は、被試験デバイス100により複数の画像が撮像される時間だけ照射される光であってよい。複数の発光パターンの光は、互いに照射位置および照射時間の少なくとも一方によって照射光の強度や波長が異なってよい。複数の発光パターンの光は、1または複数の試験項目に対応してよく、当該1または複数の試験項目の試験を行う場合に照射されてよい。
【0032】
発光パターンの数は、N個の試験項目の試験を行うために被試験デバイス100から出力させるべき画像データの数と同じであってよく、画像データ取得部21により取得される画像データの数と同じであってよい。
【0033】
<1-2.2.画像データ取得部21>
画像データ取得部21は、N個の試験項目に対応する1または複数の発光パターンの光に応じて被試験デバイス100が出力する各画像データを取得する。画像データ取得部21は、光源20から照射される光に応じて各被試験デバイス100が出力する画像データを取得してよい。
【0034】
画像データ取得部21は、取得した画像データを画像処理制御部22における後述の実行指示部223に供給してよい。画像データ取得部21は、画像データを出力した被試験デバイス100の識別情報を、当該画像データと共に実行指示部223に供給してよい。これに加えて、画像データ取得部21は、画像データを出力した被試験デバイス100が含まれるウエハの識別情報を、当該画像データと共に実行指示部223に供給してよい。
【0035】
<1-2.3.画像処理制御部22>
画像処理制御部22は、画像データ取得部21が取得した1または複数の画像データを2以上の画像処理装置30へと送信して、N個の試験項目に応じた各画像処理を、当該2以上の画像処理装置30に実行させる。画像処理制御部22は、N個の試験項目における別々の試験項目に応じた画像処理を、当該2以上の画像処理装置30のそれぞれにより並行して実行させてよい。本実施形態では一例として、画像処理制御部22は、N個の試験項目のうち、M個の試験項目(但し、Mは2≦M≦Nの自然数)に応じた画像処理を2以上の画像処理装置30のそれぞれにより並行して実行させてよい。画像処理制御部22は、一の発光パターンに対応する複数の試験項目同士で、並行に画像処理を実行させてもよいし、複数の発光パターンに対応する複数の試験項目同士で、並行に画像処理を実行させてもよい。なお、2以上の画像処理が並行して実行されるとは、少なくとも一部の処理時間が重なるように2以上の画像処理が実行されることであってよい。画像処理制御部22から画像データが送信される画像処理装置30の個数は、試験項目の個数N,Mと同じであってもよいし、異なってもよい。
【0036】
画像処理制御部22は、検知部220と、第1選択部221と、第2選択部222と、実行指示部223とを有する。
【0037】
<1-2.3.1.検知部220>
検知部220は、各画像処理装置30の状態を検知する。検知部220は、試験システム1に含まれる各画像処理装置30と通信して、当該画像処理装置30の状態を検知してよい。検知部220は、従来より公知の手法によって各画像処理装置30の状態を検知してよい。検知部220は、各画像処理装置30が待機状態と、画像処理の実行状態と、故障状態との何れであるかを検知してよい。検知部220は、検知された各画像処理装置30の状態を第2選択部222に供給してよい。
【0038】
<1-2.3.2.第1選択部221>
第1選択部221は、各試験項目を逐次、実行対象の試験項目として選択する。実行対象の試験項目とは、画像処理を実行させる試験項目であってよい。
【0039】
第1選択部221は、N個の試験項目から実行対象の試験項目を選択してよい。第1選択部221は、N個の試験項目から、より所要時間の長い画像処理に対応する試験項目を優先して選択してよい。画像処理の所要時間は、以前に取得された1または複数の画像データで画像処理を行うことで予め測定されてよい。
【0040】
第1選択部221は、被試験デバイス100に照射された発光パターンの識別情報を光源20などから取得して、当該発光パターンに対応するM個の試験項目から、何れかの試験項目を選択してもよい。第1選択部221は、選択した実行対象の試験項目の識別情報を第2選択部222に供給してよい。
【0041】
<1-2.3.3.第2選択部222>
第2選択部222は、第1選択部221により実行対象の試験項目が選択されることに応じて、試験システム1に含まれる複数の画像処理装置30から何れかの画像処理装置30を選択する。第2選択部222は、試験システム1に含まれる複数の画像処理装置30から、画像処理の実行状態の画像処理装置30と、故障状態の画像処理装置30との少なくとも一方を除外して画像処理装置30を選択してよい。第2選択部222は、複数の画像処理装置30から、待機状態の画像処理装置30を選択してよい。第2選択部222は、実行対象の試験項目の識別情報と、選択した画像処理装置30の識別情報とを実行指示部223に供給してよい。
【0042】
<1-2.3.4.実行指示部223>
実行指示部223は、複数の画像処理装置30のうち、第2選択部222により選択された画像処理装置30へと画像データを送信して、実行対象の試験項目に応じた画像処理を実行させる。実行指示部223は、画像処理に応じた試験項目の試験結果が試験結果取得部26に取得されるか否かに関わらず、各画像処理装置30に画像処理を実行させてよい。これにより、M個の試験項目に応じた画像処理が2以上の画像処理装置30により並行に実行されてよい。
【0043】
実行指示部223は、第2選択部222により選択された画像処理装置30に対し、実行対象の試験項目の識別情報を画像データと共に送信してよい。また、実行指示部223は、画像データを出力した被試験デバイス100の識別情報を画像データと共に、画像処理を実行する各画像処理装置30へと送信してよい。これに加えて、実行指示部223は、画像データを出力した被試験デバイス100が含まれるウエハの識別情報や、当該実行指示部223が含まれる試験装置2の識別情報を、当該画像データと共に、画像処理を実行する各画像処理装置30へと送信してよい。
【0044】
<1-2.4.画像処理部23>
画像処理部23は、画像データに対する画像処理を実行する。画像処理部23は、試験システム1に含まれる複数の画像処理装置30の1つとして機能してよく、画像処理制御部22により画像処理が指示されてよい。この場合には、画像処理部23は、画像データ取得部21が取得した画像データを画像処理制御部22から供給されて、N個の試験項目のうち一部の試験項目に応じた画像処理を実行してよい。画像処理部23は、画像処理制御部22からの指示により画像処理を並行して実行する2以上の画像処理装置30の1つであってよい。画像処理部23は、実行指示部223から供給される試験項目の識別情報に対応する画像処理を実行してよい。
【0045】
ここで、画像処理は、画像データから何らかの情報を取り出す処理であってよい。例えば、画像処理は、画素値の平均を算出する処理であってもよいし、被試験デバイス100の感度の指標値を算出する処理であってもよいし、画素値の均一性の指標値を算出する処理であってもよいし、被試験デバイス100のノイズ特性の指標値を算出する処理であってもよいし、画像データの少なくとも一部の領域での画素値の標準偏差を算出する処理であってもよいし、意図しない画素値のドットやラインを検出する処理であってもよい。
【0046】
なお、画像処理部23は、試験装置2の外部の画像処理装置30よりも処理性能が低くてよい。一例として、画像処理部23は画像処理装置30よりもクロック周波数が低くてよい。
【0047】
画像処理部23は、画像処理の結果を示すデータと、被試験デバイス100の識別情報とを試験結果取得部26に供給してよい。試験項目の識別番号や、被試験デバイス100が含まれるウエハの識別番号が実行指示部223から供給される場合には、画像処理部23は、これらの試験項目の識別情報や、被試験デバイス100が含まれるウエハの識別情報を、画像処理の結果を示すデータと共に試験結果取得部26にさらに供給してよい。
【0048】
<1-2.5.統計部24>
統計部24は、画像データ取得部21が取得した画像データにおける画素値の統計を被試験デバイス100ごとに実行する。画像データがグレースケール画像を示す場合には、統計部24は、白黒の濃淡を示す画素値の統計を実行してよい。画像データがカラー画像を示す場合には、統計部24は、RGBなどの構成色それぞれについて、画素値の統計を実行してよい。統計部24は、画素値の分散や平均などを示す統計結果を算出してよい。統計部24は、算出した統計結果を判定部27に供給してよい。
【0049】
<1-2.6.試験結果取得部26>
試験結果取得部26は、画像処理の結果から導出される、当該画像処理に応じた試験項目の試験結果を取得する。画像処理装置30に対して画像データと共に被試験デバイス100の識別情報が送信される場合には、試験結果取得部26は、被試験デバイス100の識別情報を試験結果と共に取得してよい。
【0050】
試験結果取得部26は、画像処理の結果を示すデータから、当該画像処理に対応する試験項目の試験結果を導出してよい。但し、画像処理の結果が試験項目の試験結果を示す場合には、試験結果取得部26は、画像処理の結果を試験結果として取得してもよい。
【0051】
試験結果取得部26は、取得した試験結果を判定部27に供給してよい。試験結果取得部26は、試験結果を被試験デバイス100の識別情報やウエハの識別情報と共に判定部27に供給してよい。
【0052】
<1-2.7.判定部27>
判定部27は、試験結果取得部26により取得された各試験項目の試験結果に基づいて被試験デバイス100の良否を判定する。判定部27は、判定結果を試験装置2の外部に出力してよい。
【0053】
判定部27は、N個の試験項目のうち少なくとも一部の試験項目の試験結果に基づいて被試験デバイス100の良否を判定してよい。これに加えて、判定部27は、統計部24による統計結果に基づいて、被試験デバイス100の良否を判定してよい。判定部27は、一の被試験デバイス100についての統計結果が基準条件を満たさないことに応じて当該一の被試験デバイス100を不良と判定してよい。判定部27は、一の被試験デバイス100についての統計結果が基準条件を満たさないことに応じて当該一の被試験デバイス100についての画像処理をディセーブルしてよい。
【0054】
ここで、画素値の統計結果が基準条件を満たさないとは、統計結果を示す値(一例として画素値の分散や平均)が基準範囲外となることであってよい。不良と判定された一の被試験デバイス100についての画像処理をディセーブルするとは、当該一の被試験デバイス100についての画像処理制御部22の動作を停止させることであってもよいし、実行中の画像処理を停止させることであってもよい。
【0055】
<1-2.8.通信部28>
通信部28は、各サーバ装置3と通信する。これにより、試験装置2の各部と、サーバ装置3の各画像処理装置30との間で通信が可能となってよい。例えば検知部220は、通信部28を介して各画像処理装置30の状態を検知してよい。実行指示部223は、通信部28を介して各画像処理装置30へと画像データを送信してよい。試験結果取得部26は、通信部28を介して画像処理の結果などを取得してよい。
【0056】
通信部28と、サーバ装置3との間の通信ネットワークは、インターネット、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク等の各種ネットワークまたはその組み合わせを含んで構成されてよい。通信ネットワークは、有線および無線の少なくとも一方による接続ポイントを含んでよい。通信ネットワークは、インターネットなどの公衆回線から分離された専用回線により実現されてもよい。
【0057】
<1-3.サーバ装置3>
各サーバ装置3は、試験装置2からの要求に応じて種々の機能を提供する。本実施形態に係る各サーバ装置3には、1または複数の画像処理装置30が実装されており、試験装置2からの要求により画像処理を行う。
【0058】
各サーバ装置3は、試験装置2の近傍(一例として試験装置2と同じ設備内)に配置されてもよいし、試験装置2の遠方(一例として試験装置2とは別の設備内)に配置されてもよい。複数のサーバ装置3の何れかは、クラウドサーバであってよい。一例として、複数のサーバ装置3がそれぞれクラウドサーバであってもよいし、複数のサーバ装置3のうち一部のサーバ装置3がクラウドサーバであってもよい。クラウドサーバは、クラウド環境に構築されたサーバであってよい。
【0059】
<1-3.1.画像処理装置30>
各画像処理装置30は、各試験装置2の実行指示部223から供給される画像データに対し、実行指示部223から指示される画像処理を行う。実行指示部223から指示される画像処理は、実行指示部223から供給される試験項目の識別情報に対応する画像処理であってよい。各画像処理装置30は、試験項目の識別情報と、当該試験項目に対応する画像処理の内容との対応情報を予め記憶してよく、実行指示部223から供給される試験項目の識別情報に対応する画像処理を当該対応情報から検出してよい。
【0060】
各画像処理装置30は、画像処理により、被試験デバイス100の特性を示す情報を画像データから取得してよい。各画像処理装置30はGPUまたはCPUを含んでよい。
【0061】
各画像処理装置30は、画像処理の結果を示すデータと、被試験デバイス100の識別情報とを試験結果取得部26に供給してよい。これに加えて、各画像処理装置30は、実行指示部223から供給された試験項目の識別情報や、被試験デバイス100が含まれるウエハの識別情報を、画像処理の結果を示すデータと共に試験結果取得部26に供給してよい。
【0062】
各画像処理装置30は、画像データの送信元の実行指示部223を含む試験装置2に対して画像処理の結果を示すデータなどを送信してよい。一例として、各画像処理装置30は、画像データと共に送信された試験装置2の識別情報で示される試験装置2に対して、画像処理の結果を示すデータなどを送信してよい。
【0063】
以上の試験装置2によれば、複数の試験項目に対応する1または複数の発光パターンの光に応じて被試験デバイス100が出力する各画像データが2以上の画像処理装置30へと送信されて、別々の試験項目に応じた画像処理が並行して実行される。そして、これらの画像処理に応じた試験項目の試験結果が取得され、各試験項目の試験結果に基づいて被試験デバイス100の良否が判定される。従って、複数の画像処理が同じ画像処理装置30で順に実行される場合と比較して、判定までの時間を短縮することができる。
【0064】
また、被試験デバイス100の識別情報が画像データと共に画像処理装置30へと送信され、被試験デバイス100の識別情報が試験結果と共に取得されるので、試験結果を被試験デバイス100に対して正確に対応付けることができる。
【0065】
また、各試験項目が実行対象の試験項目として選択されることに応じて複数の画像処理装置30から画像処理の実行状態の画像処理装置30と、故障状態の画像処理装置30との少なくとも一方が除外されて何れかの画像処理装置30が選択される。そして、選択された画像処理装置30へと画像データが送信されて、実行対象の試験項目に応じた画像処理が実行される。従って、利用可能な画像処理装置30を確実に選択して画像処理を行わせることができる。
【0066】
また、より所要時間の長い画像処理に対応する試験項目が実行対象として優先して選択されるので、所要時間の長い画像処理の試験項目を先に終了することができる。従って、所要時間の長い画像処理の試験項目がボトルネックとなって判定が遅くなってしまうのを防止し、判定を早めることができる。
【0067】
また、複数の画像処理装置30が複数のサーバ装置3に実装されており、試験装置2は各サーバ装置3と通信するので、サーバ装置3に実装された画像処理装置30を試験に用いることができる。
【0068】
また、サーバ装置3の何れかはクラウドサーバであるので、クラウドサーバに実装された画像処理装置30を試験に用いることができる。
【0069】
また、画像処理部23が試験装置2にさらに具備され、取得された画像データが画像処理部23に供給されて一部の試験項目に応じた画像処理が実行される。従って、試験装置2内の画像処理部23を試験に用いることができる。
【0070】
また、光源20が試験装置2にさらに具備されるので、光の照射から画像データの取得、画像処理装置30に対する画像データの送信までを連動して行い、試験の時間をいっそう短縮することができる。
【0071】
また、取得した画像データにおける画素値の統計が被試験デバイス100ごとに実行され、一の被試験デバイス100についての統計結果が基準条件を満たさないことに応じて当該一の被試験デバイス100が不良と判定され、当該一の被試験デバイス100についての画像処理がディセーブルされる。従って、画素値の統計結果から不良と判定される被試験デバイス100について画像処理が無駄に行われるのを防止することができる。
【0072】
また、複数の試験装置2と、複数の試験装置2により共用される複数の画像処理装置30とが試験システム1に具備されるので、複数の試験装置2が別々に複数の画像処理装置30を専有して使用する場合と異なり、画像処理装置30の数を低減することができる。
【0073】
また、複数の試験装置2ではそれぞれ、複数の試験項目から実行対象の試験項目が選択されることに応じて複数の画像処理装置30から画像処理の実行状態の画像処理装置30と、故障状態の画像処理装置30との少なくとも一方が除外されて何れかの画像処理装置30が選択される。そして、選択された画像処理装置30へと画像データが送信されて、実行対象の試験項目に応じた画像処理の実行の指示が行われる。従って、複数の試験装置2がそれぞれ利用可能な画像処理装置30を確実に選択して画像処理を行わせることができる。
【0074】
<2.発光パターン、試験項目および画像処理の具体例>
図2は、光源20の発光パターンと、試験項目と、画像処理との対応の一例を示す。なお、
図2に示される複数の試験項目は、試験装置2で実行されるN個の試験項目の少なくとも一部であってよい。また、
図2に示される複数の試験項目の少なくとも一部は、画像処理が並行して実行されるM個の試験項目であってよい。
【0075】
光源20の発光パターン「ColorBar」は、「ColorBar」の試験項目と対応してよい。「ColorBar」の発光パターンはカラーバーの画像データを被試験デバイス100に出力させる発光パターンであってよい。「ColorBar」の試験項目の試験では、画像データの画像処理により、被試験デバイス100の輝度レベルや色などが算出されてよい。
【0076】
光源20の発光パターン「DARK」は「Sensitivity」、「Uniformity」および「Noise」の試験項目と対応してよい。「DARK」の発光パターンは一例として全面が黒色の画像データを被試験デバイス100に出力させる発光パターンであってよい。「Sensitivity」の試験項目の試験では、画像データの画像処理により、画素値の出力レベル(例えば平均)などが算出されてよい。「Uniformity」の試験項目の試験では、画像データの画像処理により、被試験デバイス100の均一性の指標値が算出されてよい。
【0077】
光源20の発光パターン「STANDARD」は「Sensitivity」、「Sensitivity Ratio」および「Uniformity」の試験項目と対応してよい。「STANDARD」の発光パターンは予め設定された標準的な画像データを被試験デバイス100に出力させる発光パターンであってよい。「Sensitivity Ratio」の試験項目の試験では、画像データの画像処理により、被試験デバイス100の色間での画素値の比率が算出されてよい。
【0078】
<3.動作>
<3.1.第1処理>
図3は、試験装置2の第1処理に関する動作を示す。試験装置2は、ステップS11~S33の処理を行うことにより、被試験デバイス100から画像データを取得し、その画像処理を複数の画像処理装置30に実行させる。
【0079】
ステップS11において光源20は、1または複数の被試験デバイス100に光を照射する。本実施形態においては一例として、光源20は一回のステップS11において単一の被試験デバイス100に対して光を照射するが、複数の被試験デバイス100に対し、一括して光を照射してもよい。
【0080】
光源20は、何れか1または複数の試験項目の試験に対応する1または複数の発光パターンの光を照射してよい。これにより、ステップS11の処理が少なくとも一回、実行されることで、複数の試験項目(本実施形態では一例としてM個の試験項目)に対応する1または複数の発光パターンの光が照射されることとなる。なお、被試験デバイス100に光が照射される場合には、光源20や被試験デバイス100に対してシャッター(露光時間)やゲイン、画像サイズ、OTP(One Time Programable memory)などの設定が適宜、行われてよい。
【0081】
ステップS13において画像データ取得部21は、照射された光に応じて被試験デバイス100が出力する各画像データを取得する。これにより、ステップS13の処理が少なくとも一回、実行されることで、画像処理が並行して行なわれるM個の試験項目に対応する1または複数の発光パターンの光に応じて被試験デバイス100が出力する各画像データが取得されることとなる。なお、ステップS11において複数の被試験デバイス100に対して一括に光が照射される場合には、ステップS13において画像データ取得部21は、被試験デバイス100ごとに画像データを取得してよい。この場合には、後述のステップS15~S31の処理は、光を照射された被試験デバイス100ごとに行われてよい。
【0082】
ステップS15において統計部24は、取得された画像データにおける画素値の統計を被試験デバイス100ごとに実行する。直近のステップS11において複数の発光パターンの光が照射されている場合には、統計部24は、取得された画像データごとに統計を実行してよい。統計部24は、画素値の分散や平均などを示す統計結果を算出してよい。
【0083】
ステップS17において判定部27は、統計結果が基準条件を満たすか否かを判定する。一例として、判定部27は、画素値の分散や平均が基準範囲外となるか否かを判定してよい。統計結果が基準条件を満たすと判定された場合(ステップS17;Yes)にはステップS23に処理が移行してよい。統計結果が基準条件を満たさないと判定された場合(ステップS17;No)にはステップS19に処理が移行してよい。
【0084】
ステップS19において判定部27は、統計結果が基準条件を満たさなかった画像データを出力した被試験デバイス100についての画像処理をディセーブルする。一例として、判定部27は、当該被試験デバイス100から出力された画像データについて後述のステップS29により既に実行指示が行われた画像処理を停止させてよい。また、判定部27は、当該被試験デバイス100から出力された画像データについて後述のステップS23以降の処理が実行されないよう、後述のステップS21の後に第1処理を終了させてよい。
【0085】
ステップS21において判定部27は、統計結果が基準条件を満たさなかった画像データを出力した被試験デバイス100を不良と判定する。ステップS21が終了したら、第1処理は終了してよく、他の被試験デバイス100に対して改めて第1処理が実行されてよい。
【0086】
ステップS23において第1選択部221は、実行対象の試験項目を選択する。これにより、ステップS23の処理が繰り返されることで実行対象の試験項目が逐次、選択されることとなる。第1選択部221は、ステップS23で未だ選択されていない単一の試験項目を選択してよい。
【0087】
第1選択部221は、被試験デバイス100に照射された発光パターンの識別情報を光源20から取得して、当該発光パターンに対応するM個の試験項目の何れかを選択してよい。本実施形態においては一例として、第1選択部221は、照射された発光パターンに対応するM個の試験項目から、最も所要時間の長い画像処理に対応する試験項目を選択してよい。これにより、照射された発光パターンに対応するM個の試験項目から、より所要時間の長い画像処理に対応する試験項目が優先して選択されることとなる。
【0088】
ステップS25において検知部220は、各画像処理装置30の状態を検知する。検知部220は、試験システム1に含まれる各画像処理装置30が待機状態と、画像処理の実行状態と、故障状態との何れであるかを検知してよい。
【0089】
ステップS27において第2選択部222は、試験システム1に含まれる複数の画像処理装置30から何れかの画像処理装置30を選択する。第2選択部222は、試験システム1に含まれる複数の画像処理装置30から、画像処理の実行状態の画像処理装置30と、故障状態の画像処理装置30との少なくとも一方(本実施形態では一例として両方)を除外して画像処理装置30を選択してよい。画像処理の実行状態の画像処理装置30は、第2選択部222が含まれる試験装置2からの指示により画像処理の実行状態の画像処理装置30であってもよいし、他の試験装置2からの指示により画像処理の実行状態の画像処理装置30であってもよい。第2選択部222は、画像処理部23を画像処理装置30として選択してもよい。
【0090】
第2選択部222は、少なくとも各画像処理装置30の処理性能に基づいて、実行対象の試験項目に応じた画像処理を実行させる画像処理装置30を選択してよい。各画像処理装置30の処理性能に基づいて画像処理装置30を選択するとは、一例として、処理性能が高い画像処理装置30、または、処理性能が低い画像処理装置30を優先して選択することであってよい。第2選択部222は、単一の画像処理装置30を選択してよい。本実施形態では一例として、第2選択部222は、複数の画像処理装置30のうち、最も処理性能が高い画像処理装置30を選択してよい。画像処理装置30の処理性能は、一例としてクロック周波数、熱設計電力(Thermal Design Power)、電力効率、メモリ容量、および、メモリ帯域幅の少なくとも1つであってよい。第2選択部222が各画像処理装置30の処理性能に基づいて画像処理装置30を選択する場合には、第2選択部222には各画像処理装置30の処理性能が予め記憶されてよい。
【0091】
なお、第2選択部222は各画像処理装置30の処理性能に加えて、実行対象の試験項目に応じた画像処理の負荷と、被試験デバイス100の画素数との少なくとも一方に基づいて、画像処理装置30を選択してもよい。例えば、第2選択部222は、実行対象の試験項目の画像処理の負荷が基準より大きい場合には、基準より処理性能が高い画像処理装置30を選択してよい。これにより、画像処理の負荷が大きい場合であっても確実に画像処理が実行される。第2選択部222は、被試験デバイス100の画素数が基準より大きい場合には、基準より処理性能(一例としてメモリ容量やメモリ帯域幅)が高い画像処理装置30を選択してよい。これにより、画像データのデータ量が大きい場合であっても確実に画像処理が実行される。実行対象の試験項目に応じた画像処理の負荷は、予め何れかの画像処理装置30で測定された画像処理の所要時間であってもよいし、画像処理の演算過程で生じるデータ量であってもよい。
【0092】
第2選択部222が画像処理の負荷に基づいて画像処理装置30を選択する場合には、第2選択部222には各試験項目の識別情報と、当該試験項目に対応する画像処理の負荷を示す情報との対応情報が予め記憶されてよく、第2選択部222は、第1選択部221から供給される試験項目の識別情報に対応付けられた画像処理の負荷を当該対応情報から検出してよい。第2選択部222が被試験デバイス100の画素数に基づいて画像処理装置30を選択する場合には、画像データ取得部21から画素数を示す情報を取得してよい。
【0093】
ステップS29において実行指示部223は、画像データ取得部21が取得した1または複数の画像データを画像処理装置30へと送信して、試験項目に応じた画像処理を実行させる。本実施形態では一例として、実行指示部223は、一回のステップS29では単一の画像処理装置30に画像データを送信して画像処理を行わせてよい。これにより、今回のステップS29により対象とされる画像処理装置30と、前回以前や次回以降の1回または複数回のステップS29により対象とされる他の画像処理装置30との2以上の画像処理装置30に画像データが送信されて別々の試験項目に応じた画像処理が並行して実行される。
【0094】
実行指示部223は、複数の画像処理装置30のうち、第2選択部222により選択された画像処理装置30へと画像データを送信して、実行対象の試験項目に応じた画像処理を実行させてよい。画像処理部23が画像処理装置30として選択されている場合には、実行指示部223は、当該画像処理部23に画像データを送信して画像処理を実行させてもよい。
【0095】
ステップS31において第1選択部221は、これまでにステップS11で被試験デバイス100に照射された発光パターンに対応するM個全ての試験項目をステップS23で既に選択したか否かを判定する。少なくとも1つの試験項目が未だ選択されていないと判定された場合(ステップS31;No)には上述のステップS23に処理が移行してよい。全ての試験項目を選択したと判定された場合(ステップS31;Yes)にはステップS33に処理が移行してよい。
【0096】
ステップS33において、光源20は、N個の試験項目に対応する全ての発光パターンの光を照射したか否かを判定する。全ての発光パターンの光が照射されていないと判定された場合(ステップS33;No)には、ステップS11に処理が移行してよい。この場合には、以前に行われたステップS11で照射された発光パターンに対応する試験項目の試験結果が後述のステップS43で取得される前に、次のステップS11において他の試験項目に対応する発光パターンの光が照射されてよい。また、直近のステップS11で照射された被試験デバイス100とは別の被試験デバイス100に対して、次のステップS11において照射が行われてよい。この場合、直近のステップS11で照射された被試験デバイス100とは別のウエハ上の被試験デバイス100に対して、次のステップS11において照射が行われてもよい。全ての発光パターンの光が照射されたと判定された場合(ステップS33;Yes)には、第1処理が終了してよい。
【0097】
以上の動作によれば、少なくとも各画像処理装置30の処理性能に基づいて、当該実行対象の試験項目に応じた画像処理を実行させる画像処理装置30が選択される。従って、複数の画像処理装置30のなかで、より適切な画像処理装置30に画像処理を実行させることができる。
【0098】
また、複数の画像処理装置30のうち、最も処理性能が高い画像処理装置30が選択されるので、最も処理性能が高い画像処理装置30に画像処理を実行させることができる。
【0099】
なお、上記の動作においては、複数の画像処理装置30のうち、画像処理の実行状態の画像処理装置30と、故障状態の画像処理装置30との少なくとも一方を除外して選択された画像処理装置30に対して画像処理が指示されることとして説明したが、他の画像処理装置30に画像処理が指示されてもよい。例えば、ステップS29において画像処理制御部22の実行指示部223は、試験システム1における各画像処理装置30のうち画像処理部23とは異なる各画像処理装置30との間の通信回線がビジー状態であることに応じて、試験装置2内の画像処理部23に画像処理を実行させてよい。この場合には、ステップS25において検知部220は、各画像処理装置30との間で通信回線がビジー状態であるか否かを検知してよい。通信回線がビジー状態であることに応じて、ステップS27において画像処理制御部22の第2選択部222は試験装置2内の画像処理部23を選択し、ステップS29において実行指示部223は画像処理部23に画像データを送信して画像処理を実行させてよい。これに代えて、通信回線がビジー状態であることに応じて、ステップS27において第2選択部222により選択された画像処理装置30とは無関係に、ステップS29において実行指示部223は試験装置2内の画像処理部23に画像データを送信して画像処理を実行させてもよい。これにより、通信回線がビジー状態であっても、画像処理を行い、試験を進めることができる。
【0100】
<3.2.第2処理>
図4は、試験装置2の第2処理に関する動作を示す。試験装置2は、ステップS41~S47の処理を行うことにより、被試験デバイス100の判定を行う。なお、第2処理の動作は第1処理の動作が開始したことに応じて開始されてよく、第1処理と並行に実行されてよい。また、第2処理の動作は、画像処理装置30から画像処理の結果と共に供給される被試験デバイスの識別情報に基づいて、被試験デバイス100ごとに並行して実行されてよい。
【0101】
ステップS41において試験結果取得部26は、画像処理の結果を受信したか否かを判定する。試験結果取得部26は、試験装置2の外部の画像処理装置30から画像処理の結果を受信してもよいし、試験装置2の内部の画像処理部23から画像処理の結果を受信してもよい。ステップS41において画像処理の結果が受信されていないと判定された場合(ステップS41;No)にはステップS41の処理が繰り返されてよい。ステップS41において画像処理の結果が受信されたと判定された場合(ステップS41;Yes)には、ステップS43に処理が移行してよい。
【0102】
ステップS43において試験結果取得部26は、画像処理の結果から導出される、当該画像処理に応じた試験項目の試験結果を取得する。試験結果取得部26は、画像処理の結果を示すデータから、当該画像処理に対応する試験項目の試験結果を導出してよい。画像処理の結果が試験項目の試験結果を示す場合には、試験結果取得部26は、画像処理の結果を試験結果として取得してもよい。
【0103】
ステップS45において判定部27は、N個の試験項目の全てについて試験結果が取得されたか否かを判定する。N個の試験項目のうち、1つ以上の試験項目の試験結果が取得されていないと判定された場合(ステップS45;No)には上述のステップS41に処理が移行してよい。N個の試験項目の全てについて試験結果が取得されたと判定された場合(ステップS45;Yes)には、ステップS47に処理が移行してよい。
【0104】
ステップS47において判定部27は、取得された各試験項目の試験結果に基づいて被試験デバイス100の良否を判定する。ステップS47の処理が終了したら、第2処理が終了してよい。
【0105】
なお、上記の動作においては、N個の試験項目の全てについて試験結果が取得された後に被試験デバイス100の良否が判定されることとして説明したが、全ての試験項目について試験結果が取得される前に良否が判定されてもよい。例えば、判定部27は、ステップS29の処理によって画像処理の実行が指示されてから基準時間を超えて画像処理の結果が受信されないことに応じて、当該画像処理の対象とされた画像データを出力した被試験デバイス100を不良と判定してよい。基準時間を超えて画像処理の結果が受信されない原因は、画像データに異常があることであってもよいし、画像処理を実行した画像処理装置30に異常があることであってもよい。画像データに異常が生じる原因は、被試験デバイス100に異常があることであってもよいし、光源20に異常があることであってもよい。画像処理の結果が受信されない場合に試験をやり直さずに被試験デバイス100を不良と判定することにより、試験時間が延びることによる歩留まりの低下を防止することができる。
【0106】
これに加え、ステップS11において複数の被試験デバイス100に一括して光が照射されている場合には、判定部27は、基準時間を超えて画像処理の結果が受信されない被試験デバイス100と一緒に光が照射された他の被試験デバイス100を、さらに不良と判定してもよい。これにより、歩留まりの低下を確実に防止することができる。
【0107】
<2.変形例に係る試験システム1A>
図5は、変形例に係る試験システム1Aを示す。試験システム1Aは1または複数の試験装置2Aと、制御装置5とを備える。試験システム1Aは主に、画像処理を実行する画像処理装置30を制御装置5が選択する点で、試験システム1と異なっている。なお、本変形例において、
図1に示された試験システム1の構成と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
【0108】
<2-1.試験装置2A>
各試験装置2Aは、画像処理制御部22Aを有する。
【0109】
<2-1.1.画像処理制御部22A>
画像処理制御部22Aは、画像データ取得部21が取得した1または複数の画像データを2以上の画像処理装置30へと送信して、N個の試験項目に応じた各画像処理を、当該2以上の画像処理装置30に実行させる。画像処理制御部22Aは、N個の試験項目における別々の試験項目に応じた画像処理を、当該2以上の画像処理装置30のそれぞれにより並行して実行させてよい。本変形例では一例として、画像処理制御装置5Aは、N個の試験項目のうち、M個の試験項目に応じた画像処理を2以上の画像処理装置30のそれぞれにより並行して実行させてよい。画像データが送信される画像処理装置30の個数は、試験項目の個数Nと同じであってもよいし、異なってもよい。画像処理制御部22Aは、第1送信部224Aと、実行指示部223Aとを有する。
【0110】
<2-1.1.1.第1送信部224A>
第1送信部224Aは、第1選択部221によって実行対象の試験項目が選択されることに応じて制御装置5に画像処理装置30の選択要求信号を送信する。第1送信部224Aは、実行対象の試験項目の識別情報を第1選択部221から取得することに応じて選択要求信号を送信してよい。選択要求信号には試験装置2Aの識別情報が含まれてよく、実行対象の試験項目の識別情報と、被試験デバイス100の画素数とがさらに含まれてもよい。
【0111】
<2-2.1.2.実行指示部223A>
実行指示部223Aは、複数の画像処理装置30のうち、制御装置5により選択された画像処理装置30へと画像データを送信して、実行対象の試験項目に応じた画像処理を実行させる。実行指示部223は、制御装置5により選択された画像処理装置30に対し、実行対象の試験項目の識別情報を画像データと共に送信してよい。また、実行指示部223Aは、画像データを出力した被試験デバイス100の識別情報を画像データと共に、画像処理を実行する各画像処理装置30へと送信してよい。これに加えて、実行指示部223Aは、画像データを出力した被試験デバイス100が含まれるウエハの識別情報や、当該実行指示部223Aが含まれる試験装置2Aの識別情報を、当該画像データと共に、画像処理を実行する各画像処理装置30へと送信してよい。
【0112】
<2-2.制御装置5>
制御装置5は、各試験装置2Aによる試験を制御する。制御装置5は、検知部50と、第3取得部51と、第3選択部52と、第2送信部53と、通信部54とを有する。
【0113】
<2-2.1.検知部50>
検知部50は、各画像処理装置30の状態を検知する。検知部50は、試験システム1Aに含まれる各画像処理装置30と通信して、当該画像処理装置30の状態を検知してよい。検知部50は、従来より公知の手法によって各画像処理装置30の状態を検知してよい。検知部50は、各画像処理装置30が待機状態と、画像処理の実行状態と、故障状態との何れであるかを検知してよい。検知部50は、検知された各画像処理装置30の状態を第3選択部52に供給してよい。
【0114】
<2-2.2.第3取得部51>
第3取得部51は、各試験装置2Aから逐次、選択要求信号を取得する。第3取得部51は、取得した選択要求信号を第3選択部52に供給してよい。
【0115】
<2-2.3.第3選択部52>
第3選択部52は、選択要求信号が取得されることに応じて、試験システム1Aに含まれる複数の画像処理装置30から画像処理の実行状態の画像処理装置30と、故障状態の画像処理装置30との少なくとも一方を除外して、画像処理装置30を選択する。第3選択部52は、実行対象の試験項目の識別情報と、選択した画像処理装置30の識別情報とを第2送信部53に供給してよい。
【0116】
<2-2.4.第2送信部53>
第2送信部53は、第3選択部52が選択した画像処理装置30の識別情報を、選択要求信号の送信元の試験装置2Aに送信する。第2送信部53は、選択された画像処理装置30の識別情報と、実行対象の試験項目の識別情報とを試験装置2Aに供給してよい。これにより、選択要求信号を送信した試験装置2Aでは、選択された画像処理装置30Aへと実行指示部223Aが画像データを送信し、実行対象の試験項目に応じた画像処理をさせることとなる。
【0117】
<2-2.5.通信部54>
通信部54は、各試験装置2Aおよび各サーバ装置3と通信する。これにより、制御装置5の各部と、各試験装置2Aおよび各サーバ装置3の各画像処理装置30との間で通信が可能となってよい。例えば、検知部50は、通信部54を介して各画像処理装置30の状態を検知してよい。第3取得部51は、通信部54を介して各試験装置2Aから選択要求信号を取得してよい。第2送信部53は、通信部54を介して、選択された画像処理装置30の識別情報を試験装置2Aに送信してよい。
【0118】
通信部54と、各試験装置2Aおよび各サーバ装置3との間の通信ネットワークは、インターネット、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク等の各種ネットワークまたはその組み合わせを含んで構成されてよい。通信ネットワークは、有線および無線の少なくとも一方による接続ポイントを含んでよい。通信ネットワークは、インターネットなどの公衆回線から分離された専用回線により実現されてもよい。
【0119】
以上の試験システム1Aによれば、複数の試験装置2Aではそれぞれ、複数の試験項目から実行対象の試験項目が選択されることに応じて画像処理装置30の選択要求信号が制御装置5に送信される。また、制御装置5では、選択要求信号が取得されることに応じて複数の画像処理装置30から画像処理の実行状態の画像処理装置30と、故障状態の画像処理装置30との少なくとも一方が除外されて何れかの画像処理装置30が選択され、選択された画像処理装置30の識別情報が試験装置2Aに返送される。そして、各試験装置2Aでは、制御装置5により選択された画像処理装置30へと画像データが送信されて、実行対象の試験項目に応じた画像処理の実行の指示が行われる。従って、利用可能な画像処理装置30を確実に選択して画像処理を行わせることができる。
【0120】
<2-3.試験装置2Aおよび制御装置5の動作>
図6は、試験装置2Aの第1処理に関する動作を、制御装置5の動作と共に示す。試験装置2Aおよび制御装置5は、ステップS61~S83,S91~S97の処理を行うことにより、被試験デバイス100から画像データを取得し、その画像処理を複数の画像処理装置30に実行させる。なお、試験装置2Aの第2処理に関する動作は、上記実施形態における試験装置2の第2処理に関する動作と同じであるため、説明を省略する。
【0121】
ステップS61において光源20は、1または複数の被試験デバイス100に光を照射する。光源20は、上述の実施形態におけるステップS11と同様にして、1または複数の発光パターンの光を照射してよい。
【0122】
ステップS63において画像データ取得部21は、照射された光に応じて被試験デバイス100が出力する各画像データを取得する。これにより、ステップS63の処理が少なくとも一回、実行されることで、画像処理が並行して行なわれるM個の試験項目に対応する1または複数の発光パターンの光に応じて被試験デバイス100が出力する各画像データが取得されることとなる。画像データ取得部21は、上述の実施形態におけるステップS13と同様にして、画像データを取得してよい。
【0123】
ステップS65において統計部24は、取得された画像データにおける画素値の統計を被試験デバイス100ごとに実行する。統計部24は、上述の実施形態におけるステップS15と同様にして統計を行ってよい。
【0124】
ステップS67において判定部27は、統計結果が基準条件を満たすか否かを判定する。判定部27は、上述の実施形態におけるステップS17と同様にして判定を行ってよい。統計結果が基準条件を満たさないと判定された場合(ステップS67;No)にはステップS19(
図3参照)に処理が移行してよい。統計結果が基準条件を満たすと判定された場合(ステップS67;Yes)にはステップS73に処理が移行してよい。
【0125】
ステップS73において第1選択部221は、実行対象の試験項目を選択する。第1選択部221は、上述の実施形態におけるステップS23と同様にして、試験項目を選択してよい。
【0126】
ステップS75において第1送信部224Aは、制御装置5に画像処理装置30の選択要求信号を送信する。選択要求信号には試験装置2Aの識別情報が含まれてよく、実行対象の試験項目の識別情報と、被試験デバイス100の画素数とがさらに含まれてもよい。
【0127】
これに応じて、ステップS91において制御装置5の第3取得部51は、選択要求信号を取得する。ステップS93において制御装置5の検知部50は、各画像処理装置30の状態を検知する。検知部50は、試験システム1Aに含まれる各画像処理装置30が待機状態と、画像処理の実行状態と、故障状態との何れであるかを検知してよい。
【0128】
ステップS95において制御装置5の第3選択部52は、試験システム1Aに含まれる複数の画像処理装置30から画像処理の実行状態の画像処理装置30と、故障状態の画像処理装置30との少なくとも一方を除外して、画像処理装置30を選択する。第3選択部52は、上述の実施形態におけるステップS27と同様にして、画像処理装置30を選択してよい。
【0129】
ステップS97において制御装置5の第2送信部53は、選択された画像処理装置30の識別情報を、選択要求信号の送信元の試験装置2Aに送信する。第2送信部53は、選択された画像処理装置30の識別情報と、実行対象の試験項目の識別情報とを試験装置2Aの実行指示部223Aに供給してよい。
【0130】
これにより、ステップS79において試験装置2Aの実行指示部223は、画像データ取得部21が取得した1または複数の画像データを画像処理装置30へと送信して、試験項目に応じた画像処理を実行させる。実行指示部223は、第3選択部52により選択された画像処理装置30へと画像データを送信して、実行対象の試験項目に応じた画像処理を実行させてよい。実行指示部223は、上述の実施形態におけるステップS29と同様にして、画像処理を実行させてよい。
【0131】
ステップS81において第1選択部221は、これまでにステップS61で被試験デバイス100に照射された発光パターンに対応するM個全ての試験項目をステップS73で既に選択したか否かを判定する。少なくとも1つの試験項目が未だ選択されていないと判定された場合(ステップS81;No)には上述のステップS73に処理が移行してよい。全ての試験項目を選択したと判定された場合(ステップS81;Yes)にはステップS83に処理が移行してよい。
【0132】
ステップS83において、光源20は、N個の試験項目に対応する全ての発光パターンの光を照射したか否かを判定する。全ての発光パターンの光が照射されていないと判定された場合(ステップS83;No)には、ステップS61に処理が移行してよい。この場合には、以前に行われたステップS61で照射された発光パターンに対応する試験項目の試験結果がステップS43で取得される前に、次のステップS61において他の試験項目に対応する発光パターンの光が照射されてよい。また、直近のステップS61で照射された被試験デバイス100とは別の被試験デバイス100に対して、次のステップS61において照射が行われてよい。この場合、直近のステップS61で照射された被試験デバイス100とは別のウエハ上の被試験デバイス100に対して、次のステップS61において照射が行われてもよい。全ての発光パターンの光が照射されたと判定された場合(ステップS83;Yes)には、第1処理が終了してよい。
【0133】
なお、上記の動作においては、複数の画像処理装置30のうち、画像処理の実行状態の画像処理装置30と、故障状態の画像処理装置30との少なくとも一方を除外して選択された画像処理装置30に対して画像処理が指示されることとして説明したが、他の画像処理装置30に画像処理が指示されてもよい。例えば、ステップS79において画像処理制御部22の実行指示部223は、試験システム1Aにおける各画像処理装置30のうち画像処理部23とは異なる各画像処理装置30との間の通信回線がビジー状態であることに応じて、画像処理部23に画像処理を実行させてよい。この場合には、ステップS93において検知部50は、各画像処理装置30と試験装置2Aとの間で通信回線がビジー状態であるか否かを検知してよい。通信回線がビジー状態であることに応じて、ステップS95において第3選択部52が試験装置2A内の画像処理部23を選択し、ステップS79において実行指示部223が画像処理部23に画像データを送信して画像処理を実行させてよい。これにより、通信回線がビジー状態であっても、画像処理を行い、試験を進めることができる。
【0134】
<3.その他の変形例>
なお、上記の実施形態および変形例においては、試験装置2,2Aは、光源20と、画像処理部23と、統計部24とを有することとして説明したが、これらの少なくとも1つを有しなくてもよい。試験装置2,2Aが光源20を有しない場合には、外部装置としての光源から被試験デバイス100に対して1または複数の発光パターンの光が照射されることに応じて被試験デバイス100が出力する画像データを画像データ取得部21が取得してよい。試験装置2,2Aが画像処理部23を有しない場合には、実行指示部223は、試験装置2,2Aの外部の画像処理装置30に画像データを送信して画像処理を実行させてよい。試験装置2,2Aが統計部24を有しない場合には、ステップS13の処理後にステップS23の処理が行われるか、ステップS63の処理後にステップS73の処理が行われてよい。
【0135】
また、第1選択部221はN個(またはM個)の試験項目から、より所要時間の長い画像処理に対応する試験項目を優先して選択することとして説明したが、他の態様で試験項目を選択してもよい。例えば、第1選択部221は、試験項目に予め設定された番号順に、各試験項目を選択してよい。これに代えて、第1選択部221は、基準よりも所要時間の長い画像処理に対応する試験項目を、離散的な順序で選択してもよい。基準よりも所要時間の長い試験項目とは、基準時間よりも所要時間の長い試験項目でもよいし、基準順位よりも所要時間の長い試験項目でもよい。基準時間や基準順位は任意に設定されてよい。離散的な順序で試験項目を選択するとは、非連続な順序となるように試験項目を選択することであってよく、飛び飛びの順となるように試験項目を選択することであってよい。これにより、基準よりも所要時間の長い画像処理に対応する試験項目が連続的な順序で選択される場合と異なり、処理性能の高い画像処理装置30に対し、所要時間の長い画像処理を実行させやすくすることができる。よって、所要時間の長い画像処理を、処理性能の高い画像処理装置30で実行することで、画像処理を効率化し、判定を早めることができる。
【0136】
また、第1選択部221は照射済みの発光パターンの識別情報を光源20から取得して、当該発光パターンに対応する何れかの試験項目を実行対象として選択することとして説明したが、発光パターンの識別情報を取得せずに実行対象の試験項目を選択してもよい。例えば、第1選択部221は、N個の試験項目の何れかを選択し、選択した試験項目に対応する発光パターンの識別情報を光源20に供給して、当該発光パターンで光を照射させてもよい。
【0137】
また、第2選択部222は、少なくとも各画像処理装置30の処理性能に基づいて、実行対象の試験項目に応じた画像処理を実行させる画像処理装置30を選択することとして説明したが、他の態様で画像処理装置30を選択してもよい。例えば、第2選択部222は、クラウド上の画像処理装置30を優先して選択してもよいし、試験装置2内の画像処理部23を優先して選択してもよい。また、第2選択部222は、基準より負荷の低い試験項目の試験に対し、試験装置2の画像処理部23に優先して選択してもよい。
【0138】
また、試験システム1,1Aは1または複数の画像処理装置30が実装された複数のサーバ装置3を備えることとして説明したが、1または複数の画像処理装置30が実装された単一のサーバ装置を備えてもよい。また、各画像処理装置30がサーバ装置3に実装されることとして説明したが、少なくとも1つの画像処理装置30がサーバ装置3に実装されていなくてもよい。
【0139】
また、第1選択部221および第2選択部222(または第3選択部52)が独自に試験項目,画像処理装置30を選択することとして説明したが、協働して試験項目,画像処理装置30を選択してもよい。例えば、第1選択部221および第2選択部(または第3選択部52)は、全ての試験項目の試験が完了するまでの時間が最短になるように試験項目,画像処理装置30の選択順序を最適化してもよい。一例として、第1選択部221および第2選択部(または第3選択部52)は、従来より公知のビンパッキング問題の解決手法を用い、試験完了までの時間を最小化するように試験項目,画像処理装置30を選択してよい。これに代えて、第1選択部221および第2選択部(または第3選択部52)は、試験完了までの仮の目標時間を設定し、従来より公知のナップサック問題の解決手法を用い、当該仮の目標時間に収まるように試験項目,画像処理装置30を選択し、収まらない場合には仮の目標時間を延ばし、収まった場合には選択した順序を採用してもよい。
【0140】
また、画像処理装置30は画像データに対し、試験項目に応じた画像処理を実行することとして説明したが、さらに画像処理の結果から試験結果を導出してもよい。一例として、画像処理装置30は、試験項目が「Sensitivity」である場合には、画像処理によって画像データから何らかの平均画素値を取り出し、さらに平均画素値を基準値と比較して試験結果を導出してよい。この場合には、試験結果取得部26は画像処理装置30から試験結果を取得してよい。
【0141】
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0142】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0143】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0144】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0145】
図7は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0146】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インターフェイス2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0147】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0148】
通信インターフェイス2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0149】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0150】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0151】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0152】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0153】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0154】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0155】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0156】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0157】
1 試験システム
2 試験装置
3 サーバ装置
5 制御装置
20 光源
21 画像データ取得部
22 画像処理制御部
23 画像処理部
24 統計部
26 試験結果取得部
27 判定部
28 通信部
30 画像処理装置
50 検知部
51 第3取得部
52 第3選択部
53 第2送信部
54 通信部
100 被試験デバイス
220 検知部
221 第1選択部
222 第2選択部
223 実行指示部
224 第1送信部
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インターフェイス
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード