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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053279
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】ドラム型濃縮機
(51)【国際特許分類】
   B30B 9/14 20060101AFI20240408BHJP
   C02F 11/125 20190101ALI20240408BHJP
   B01D 29/17 20060101ALI20240408BHJP
   B01D 29/64 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
B30B9/14 B
B30B9/14 G
C02F11/125 ZAB
B01D29/30 510B
B01D29/38 550B
B01D29/38 550D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159421
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000197746
【氏名又は名称】株式会社石垣
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 秀樹
【テーマコード(参考)】
4D059
4D116
【Fターム(参考)】
4D059AA03
4D059BE12
4D059CB06
4D059CB07
4D059CB16
4D116AA01
4D116BB01
4D116BC25
4D116BC27
4D116FF17B
4D116KK04
4D116RR21
4D116RR22
4D116VV12
(57)【要約】
【課題】
濃縮室でスクリュー羽根に移送される汚泥の固液分離を促進するドラム型濃縮機を提供する。
【解決手段】
濃縮室7の汚泥をスクリュー羽根3で移送しながら外筒スクリーン2からろ液を分離し、濃縮室7の排出口11から濃縮汚泥を排出する濃縮機において、スクリュー軸4の軸芯方向に沿ってスクリュー羽根3の表裏に固定し、所定の間隙で形成した流出口31から一部の汚泥が畝状に排出される橋架部材23と、橋架部材23の外筒スクリーン2との近接辺に固着し、外筒スクリーン2内面に摺接する摺接部材24と、で構成した摺接レーキ22を備えたもので、摺接レーキ22によって濃縮室に堆積する汚泥を畝状に掻き分け、汚泥の濃縮作用を促進させる。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒スクリーン(2)とスクリュー羽根(3)を巻き掛けたスクリュー軸(4)で濃縮室(7)を形成し、濃縮室(7)の汚泥をスクリュー羽根(3)で移送しながら外筒スクリーン(2)からろ液を分離し、濃縮室(7)の排出口(11)から濃縮汚泥を排出する濃縮機において、
スクリュー軸(4)の軸芯方向に沿ってスクリュー羽根(3)の表裏に固定し、所定の間隙で形成した流出口(31)から一部の汚泥が畝状に排出される橋架部材(23)と、
橋架部材(23)の外筒スクリーン(2)との近接辺に固着し、外筒スクリーン(2)内面に摺接する摺接部材(24)と、
で構成した摺接レーキ(22)を備えた
ことを特徴とするドラム型濃縮機。
【請求項2】
前記橋架部材(23)は、スクリュー軸(4)の軸芯方向に所定の間隔で複数の開口を形成した
ことを特徴とする請求項1に記載のドラム型濃縮機。
【請求項3】
前記橋架部材(23)は、外筒スクリーン(2)との近接辺を所定の間隙を有するように凹凸状に形成した
ことを特徴とする請求項1または2に記載のドラム型濃縮機。
【請求項4】
前記橋架部材(23)は、外筒スクリーン(2)との遠隔辺を所定の間隙を有するように凹凸状に形成した
ことを特徴とする請求項1または2に記載のドラム型濃縮機。
【請求項5】
前記橋架部材(23)を螺旋状に形成した
ことを特徴とする請求項1または2に記載のドラム型濃縮機。
【請求項6】
前記橋架部材(23)に複数の凸部(26)を形成し、所定の凸部(26)を捩じる、あるいは傾斜させることにより隣接する凸部(26,26)間に流出口(31)を形成する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のドラム型濃縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水、し尿、集落排水、工場等の排水処理施設から発生する汚泥を、スクリュー羽根で移送しながら外筒スクリーンからろ液を分離するドラム型濃縮機の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、円筒状のスクリーンにスクリュー軸を回転自在に内挿し、内部に供給された汚泥等をスクリュー軸で汚泥を搬送しつつ、スクリーンにより固液分離を行い、濃縮汚泥を排出口から取り出すドラム型濃縮機が知られている。
【0003】
特許文献1には、スクリュー羽根の間に亘ってスクリューの外周側に付勢されて濾過スクリーンの内周面に摺接可能に取り付けられた板状の掻き取り部材を有する縦型濾過濃縮装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、線材をトラフ状に多数並列して構成したスクリーンのスリット目に係合する櫛歯状のスクレーパを螺旋翼の外周部に設けた目詰まり除去装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-000910号公報
【特許文献2】実開平05-093679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の技術では、濃縮機に供給された汚泥はドラム型スクリーンの底部に堆積し、中心軸と平行にスクリュー羽根により移送されるため、汚泥内部の水分がスクリーンから排出され難い。
【0007】
特許文献1の技術は、スクリュー羽根とともに回転する掻き取り部材により汚泥が排出口方向に搬送されつつスクリーン内を摺動するものである。本技術を水平式ドラム型濃縮機に適用した場合、底部に堆積している汚泥を掻き取り部材により一定の高さまで持ち上げた後、再度底部に落下させることになり、強度の低い濃縮フロックが崩壊してスクリーンから固形物の一部が透過することで、固形物の回収率が悪化する懸念がある。
【0008】
また、板状のブレードの全長に亘ってスクリーンに摺接しているため、掻き取り部材により全汚泥を掻き取ることになる。掻き取る際に押圧されるが、掻き取り部材の表面に汚泥が密集しているため、汚泥内部の水分が外部に出てくることが少ない。また、掻き取り部材の高さが低い場合は、一部の汚泥が掻き取り部材を乗り越えて掻き取り部材の裏面に落下する。落下した汚泥の底部からは水分を排出できるが、上面に露出した水分は汚泥が邪魔になり排出できない。また、汚泥の転動作用も少なく固液分離効果は低い。
【0009】
特許文献2の技術では、スクリーン底部に堆積する汚泥を櫛歯状のスクレーパで掻き取るものであるが、線材をトラフ状に多数並列して構成したスクリーンのスリット目に係合させるために櫛歯状にしたものである。汚泥を掻き上げて搬送する作用のみ記載されており、堆積汚泥を全量掻き上げると認められるため、汚泥の落下により濃縮フロックが崩壊する恐れがある。
【0010】
本発明は、スクリュー羽根のピッチ間に一定間隔で汚泥が通過可能な摺接レーキを中心軸線方向に沿って設けたもので、スクリーン内面の掻き取り効果と汚泥の転動効果により濃縮性能を向上させるドラム型濃縮機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、外筒スクリーンとスクリュー羽根を巻き掛けたスクリュー軸で濃縮室を形成し、濃縮室の汚泥をスクリュー羽根で移送しながら外筒スクリーンからろ液を分離し、濃縮室の排出口から濃縮汚泥を排出する濃縮機において、スクリュー軸の軸芯方向に沿ってスクリュー羽根の表裏に固定し、所定の間隙で形成した流出口から一部の汚泥が畝状に排出される橋架部材と、橋架部材の外筒スクリーンとの近接辺に固着し、外筒スクリーン内面に摺接する摺接部材と、で構成した摺接レーキを備えたもので、摺接レーキで掻き分けられた汚泥が転動しつつ流出口から畝状に排出され、堆積汚泥の表面積を増加させて内部の液分が抜け易くするものである。
【0012】
前記橋架部材に、スクリュー軸の軸芯方向に所定の間隔で複数の開口を形成すると、摺接レーキに形成した開口から排出する汚泥により、軸芯方向に数段の畝を形成できる。
【0013】
前記橋架部材を外筒スクリーンとの近接辺あるいは遠隔辺を所定の間隙を有するように凹凸状に形成すると、凹部が流出口となり汚泥を排出しやすくなる。
【0014】
前記橋架部材を螺旋状に形成すると、掻き上げ作用による汚泥の落下を防止し、濃縮フロックを強固に維持できる。
【0015】
前記橋架部材に複数の凸部を形成し、所定の凸部を捩じるあるいは傾斜させることにより隣接する凸部間に流出口を形成させると、材料の加工が容易となりコストを削減できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、摺接レーキにより濃縮室に堆積した汚泥を掻き分け、濃縮作用を促進させるものである。橋架部材により掻き上げる汚泥を転動させつつ流出口より畝状に排出し、堆積汚泥の表面積を増加させて内部の液分を抜け易くする。また、外筒スクリーン内面に摺接する摺接部材によりスクリーンを再生し、ろ過面の排出作用を高める。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るドラム型濃縮機の縦断面図である。
図2】同じく、摺接レーキの側面図および正面図である。
図3】同じく、他の実施例1の摺接レーキの正面図である。
図4】同じく、他の実施例2の摺接レーキの側面図および正面図である。
図5】同じく、他の実施例3の摺接レーキの側面図および正面図である。
図6】同じく、他の実施例4の摺接レーキの側面図および正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1はドラム型濃縮機の縦断面図であって、ドラム型濃縮機1は多数の微細孔を有する薄板状の外筒スクリーン2の内部にスクリュー羽根3を巻き掛けたスクリュー軸4が配設しており、外筒スクリーン2の端部に入口外筒フランジ5と出口外筒フランジ6を嵌着して、外筒スクリーン2とスクリュー軸4の間に濃縮室7を形成している。スクリュー軸4を外筒スクリーン2の入口外筒フランジ5で軸支して、入口外筒フランジ5をフロントフレーム8に支架した汚泥供給管9に回動自在に枢支している。汚泥供給管9がスクリュー軸4に設けた汚泥供給路10に連通させており、スクリュー軸4の周部に設けた複数個の供給口10a,・・・を濃縮室7に開口している。外筒スクリーン2とスクリュー軸4の間に形成した濃縮室7の始端側に凝集装置から凝集調質汚泥を供給する。
【0019】
出口外筒フランジ6には、濃縮室7で濃縮した濃縮汚泥をオーバーフローさせる複数の排出口11,・・・を円周方向に設けている。外筒スクリーン2の出口外筒フランジ6に連結した外筒駆動軸12が、リアーフレーム13に支架した軸受14に軸支しており、スクリュー軸4の後端部に連結したスクリュー駆動軸15を外筒駆動軸12に挿通して、リアーフレーム13に設けた架台16の軸受17に軸支している。外筒スクリーン2の外筒駆動軸12とスクリュー軸4のスクリュー駆動軸15にスプロケット18,19が嵌着しており、駆動機(図示せず)で逆方向に差速回転させるようにしている。
【0020】
外筒スクリーン2とスクリュー軸4は同方向に差速回転させてもよいが、外筒スクリーン2とスクリュー軸4を逆回転させれば、相対的にスクリュー羽根3の回転数を高め、外筒スクリーン2のスクリーン内面の摺接回数を増加させ、目詰りしようとするろ過面をスクリュー羽根3の周端面で再生してろ液の排出を促進させ、濃度の低い汚泥の大量処理を可能とする。
【0021】
なお、対象原液により、外筒スクリーン2はろ過面が目詰まりした時だけ、差速回転させながら洗浄してもよい。符合20は外筒スクリーンの下方に配設したろ液受槽、符合21は外筒スクリーン2に沿って配設した洗浄管であって、外筒スクリーン2を回転させながらろ過面の目詰まりを解消させる。
【0022】
スクリュー羽根3の外周部には摺接レーキ22を設けている。摺接レーキ22は、スクリュー羽根3の1ピッチ間に前後のスクリュー羽根3に掛け渡すように軸芯方向に沿って固定する橋架部材23と、外筒スクリーン2内面に摺接するよう橋架部材22の一辺に固着した摺接部材24とで構成される。摺接レーキ22は、スクリュー羽根3の回転と同期して外筒スクリーン2の内面に摺接しながら回転し、摺接部材24に所定の間隔で形成した開口(流出口31)から掻き分けた汚泥を順次排出する。
【0023】
図2は摺接レーキの側面図および正面図である。
本実施例では、摺接レーキ22の橋架部材23に平板を用いており、外筒スクリーン2内面と鉛直になるようスクリュー羽根3の表裏に橋架する。橋架部材23の両端部はスクリュー羽根3に容易に着脱できるように取付部25を形成し、ボルト、ナット等の公知の方法にてスクリュー羽根3に固定する。外筒スクリーン2に近接する一辺は、所定の間隙を有するように凹凸状に形成する。凸部26および凹部27の各ピッチはスクリュー羽根3の間隔や汚泥性状に応じて適宜決定する。
凸部26には稼働時に外筒スクリーン2内面に摺接するよう摺接部材24を固着する。摺接部材24には、外筒スクリーン2を傷付けることがないよう樹脂やゴム等の弾性部材を用いる。なお、摺接部材24をボルト、ナット等で着脱自在に構成してもよい。
【0024】
摺接レーキ22の摺接辺は凹凸状に形成してあり、一部の汚泥が流出口31(凹部27)から通過可能な構成としている。スクリュー羽根3の回転とともに摺接レーキ22が回転し、濃縮室7内に滞留している汚泥を掻き分ける。その際、凸部26に同伴して掻き上げられた汚泥は転動しつつ流出口31より排出され外筒スクリーン2内面に畝状に堆積していく。転動作用と畝状に堆積したことによる表面積の増加で汚泥中の液分の排出作用を促進させる。汚泥から排出された液分は、摺接部材24によって再生された外筒スクリーン2のろ過面から透過して外部に排出される。堆積汚泥が外筒スクリーン2上方まで掻き上げられる前に凸部26で掻き分けられ、順次流出口31から排出されるので、落下による濃縮フロックの崩壊がない。
【0025】
摺接レーキ22で掻き分けられて畝状に堆積した汚泥は、スクリュー羽根3により排出側へ搬送される。堆積した各畝がスクリュー羽根3で押圧される際に、スクリュー羽根表面にて転動することにより、さらに濃縮作用が促進される。
【0026】
図3は他の実施例1の摺接レーキの正面図である。
(a)は橋架部材23の外筒スクリーン2との遠隔辺を所定の間隙を有するように凹凸状に形成したものである。スクリュー羽根3の回転とともに摺接レーキ22が回転し、濃縮室7内に滞留している汚泥を掻き寄せる。その際、摺接レーキ22の表面に汚泥が集積されるが、集積量を超過すると遠隔辺に形成した流出口31より摺接レーキ22の裏面に排出され外筒スクリーン2内面に畝状に堆積していく。表面に集積された汚泥の一部が流出口31に向かう際に転動し、汚泥内部の水分を外部に排出させる作用を促進させる。
【0027】
橋架部材23の外筒スクリーン2との近接辺には摺接部材24を固着しており、外筒スクリーン2のろ過面を全長に亘って再生するため、流出口31より排出した汚泥の濃縮作用を促進する。
【0028】
(b)は橋架部材23の所定の位置に、スクリュー軸4の軸芯方向に所定の間隔で複数の開口を形成したものである。(a)と同様に摺接レーキ22の回転により表面に汚泥を集積し、超過した汚泥を表裏に連通する流出口31より摺接レーキ22の裏面に排出し、外筒スクリーン2内面に畝状に堆積していく。また、摺接部材24も(a)と同様に全長に亘って固着している。
【0029】
また、橋架部材23の外筒スクリーン2との近接辺を回転方向に屈曲させ、摺接レーキ22で掻き寄せた汚泥がスムーズに流出口31から排出されるよう構成してもよい。
【0030】
図4は他の実施例2の摺接レーキの側面図および正面図である。
(a)に示すように、回転時に掻き上げた汚泥が流出口31へ汚泥が流入しやすいように、また汚泥を掻き分ける際の抵抗を低減させるために、平板の凸部26を左右方向に捩じり、隣接する凹部27へ流入しやすく形成してもよい。
【0031】
また、(b)に示すように、凸部26の回転方向表面(掻き上げ面)に案内部材28を設け、掻き上げられた汚泥が流出口31に流入しやすく形成してもよい。図3の実施形態に適用させるために外筒スクリーン2の近接辺から流出口31に案内する傾斜を設けてもよい。
【0032】
さらに、(c)に示すように、平板を捩じって螺旋状に形成してもよい。この場合、螺旋翼で汚泥を掻き分けつつスクリーンを再生するとともに、螺旋翼のピッチ間から汚泥を通過させて畝状に堆積させる。
【0033】
図5は他の実施例3の摺接レーキの側面図および正面図である。
他の実施例2では橋架部材23に櫛状に凹凸を設けることで、隣接する凸部26との間に凹部27(流出口31)を形成しているのに対し、本実施例3では凹部27を設けずに隣接する凸部26,26で異なる加工を施し、その結果、流出口31が形成されている点で相違する。
【0034】
(a)は橋架部材23に切込みを施して複数の凸部26…を形成し、奇数あるいは偶数番目の凸部26を左右方向に捩じったものである。橋架部材23の回転により、堆積汚泥が外筒スクリーン2上方まで掻き上げられる前に、捩じった凸部26で形成された流出口31から汚泥を排出し、外筒スクリーン2内面に畝状に堆積していく。
【0035】
なお、必要に応じて全ての凸部26を捩じってもよい。また、掻き分けた汚泥により最適な畝を生成できるように、奇数あるいは偶数番目の凸部26の捩じり角度を適宜調整できる。
【0036】
(b)は橋架部材23に切込みを施して複数の凸部26…を形成し、奇数および偶数番目の凸部26をそれぞれ回転方向、および回転方向と逆方向に向かって傾斜させたものである。橋架部材23の回転により、堆積汚泥が外筒スクリーン2上方まで掻き上げられる前に、隣接する凸部26の傾斜により形成された流出口31から汚泥を排出し、外筒スクリーン2内面に畝状に堆積していく。
【0037】
なお、本実施例では全ての凸部26を傾斜させているが、必要に応じて奇数あるいは偶数番目の凸部26のみを傾斜させてもよい。
【0038】
橋架部材23の外筒スクリーン2との近接辺には他の実施例2と同様に摺接部材24を固着しており、外筒スクリーン2のろ過面を全長に亘って再生するため、流出口31より排出した汚泥の濃縮作用を促進する。
【0039】
図6は他の実施例4の摺接レーキの側面図および正面図である。
摺接レーキ22の橋架部材23を複数の部材で構成しているものである。本実施例では、棒部29と板部30にて橋架部材23を構成する。棒部29をスクリュー羽根3の表裏に橋架し、棒部29から複数の板部30…を垂設している。板部30は隣接する板部30と所定の間隙を有しており、凹凸状に形成されている。棒部29の両端部は公知の方法にてスクリュー羽根に固定する。板部30の端部は外筒スクリーン2に近接しており、外筒スクリーン2内面に摺接するよう摺接部材24を固着する。
【0040】
複数の部材で構成する橋架部材23について、図3(a)~(c)のように板部30を傾斜させる、板部30に案内部材28を設ける、あるいは板部30を棒部29に螺旋状に巻きかけてもよい。
【0041】
摺接レーキ22は、濃縮室7の供給部から排出部にかけて適宜設置する。摺接レーキ22の高さや形状、および凸部26、凹部27のピッチは原液による濃縮度やドラム型濃縮機1の仕様に応じて適宜設計する。また、同一ピッチに複数の摺接レーキ22を並設して設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係るドラム型濃縮機は、外筒スクリーンのろ過面を再生しつつ、底部に堆積した汚泥を畝状に掻き分けることで、濃縮作用を促進させることができる。従って、後段設備への移送設備および移送方法や、脱水処理、消化処理、乾燥処理等の後工程が安定し、全体の管理性が向上するものである。
【符号の説明】
【0043】
1 ドラム型濃縮機
2 外筒スクリーン
3 スクリュー羽根
4 スクリュー軸
7 濃縮室
11 排出口
22 摺接レーキ
23 橋架部材
24 摺接部材
26 凸部
31 流出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6