(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053289
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】ワイパーラバー保護カバー
(51)【国際特許分類】
B60S 1/04 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
B60S1/04 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159438
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】519240074
【氏名又は名称】株式会社リュウテック
(74)【代理人】
【識別番号】100074169
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 文彦
(72)【発明者】
【氏名】池下 龍一郎
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AC01
3D225AD02
3D225AD09
3D225AE37
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ワイパーラバーへの塵・砂埃等の堆積および密着固化、紫外線への曝露、高温・低温等の環境の変化等を起因とするワイパーラバーの劣化や、劣化したワイパーラバーの使用によりフロントガラス等に傷が付くことを防止することを可能としたワイパーラバー保護カバーを提供する。
【解決手段】断面略逆T字型の長板状部材からなり、湾曲したガラス上のワイパーラバー停止位置近傍にワイパーラバーの長手方向に沿うように設置されるものであり、自動車の湾曲したガラス上に固着設置するための基部10と、前記基部に装設されワイパーラバーの当接押圧によって後回転移動するラバー受部20と、ラバー受部の前記基部側に設置され、前記ラバー受部の後回転移動に応動して後倒することにより、ワイパーラバーを前記ラバー受部との間に挟持するラバー挟持部30と、からなる構成である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のガラスを掃拭するワイパーラバー(W)を保護するためのワイパーラバー保護カバー(1)において、
前記ワイパーラバー保護カバー(1)は、断面略逆T字型の長板状部材からなり、湾曲したガラス上のワイパーラバー停止位置(S)近傍にワイパーラバー(W)の長手方向に沿うように設置されるものであり、
自動車の湾曲したガラス上に固着設置するための基部(10)と、前記基部に装設されワイパーラバー(W)の当接押圧によって後回転移動するラバー受部(20)と、ラバー受部の前記基部側に設置され、前記ラバー受部の後回転移動に応動して後倒することにより、ワイパーラバー(W)を前記ラバー受部との間に挟持するラバー挟持部(30)と、からなることを特徴とするワイパーラバー保護カバー。
【請求項2】
前記ワイパーラバー保護カバー(1)は、ワイパーの不使用時に、電動または手動でワイパーラバー(W)を前記ラバー受部(20)に押圧することで前記ラバー受部(20)が後回転移動するとともに、前記ラバー挟持部(30)が応動することにより、湾曲したガラス面と平行となっている前記ラバー挟持部(30)が倒立後に前記ラバー受部(20)に向けて後倒する力を得て、前記ラバー受部(20)と前記ラバー挟持部(30)とでワイパーラバー(W)を挟持してワイパーラバーを保護することを特徴とする請求項1に記載のワイパーラバー保護カバー。
【請求項3】
前記ワイパーラバー保護カバー(1)は、樹脂製素材からなる事を特徴とする請求項1に記載のワイパーラバー保護カバー。
【請求項4】
前記ラバー受部(20)は、端部に断面略円形からなる円筒状の補強部(22)を備えたことを特徴とする請求項1に記載のワイパーラバー保護カバー。
【請求項5】
前記ラバー挟持部(30)は、前記ラバー受部(20)より幅広に形成されることを特徴とする請求項1に記載のワイパーラバー保護カバー。
【請求項6】
前記ワイパーラバー保護カバー(1)は、前記基部(10)を保持するための基部固定部(12)を備え、前記基部固定部(12)が前記基部(10)を着脱自在に固定保持するとともに、前記基部固定部(12)が自動車のガラスに固定設置されることを特徴とする請求項1に記載のワイパーラバー保護カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイパーラバーを保護するためのカバーに関し、特に、ワイパーの不使用時に被る塵・砂埃等の堆積および密着固化、紫外線への曝露、高温・低温当の環境の変化等を起因とするワイパーラバーの劣化や、劣化したワイパーラバーの使用によりフロントガラス等に傷が付くことを防止することを可能としたワイパーラバー保護カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ワイパーラバーを保護するための技術が多数開発され、保護効果の高い保護カバーが数多く使用されている。ワイパーラバーは、例えばフロントガラスの場合、屋外に放置することにより、ワイパーラバーが紫外線に曝露されるとともに、塵や砂埃等がラバー上に堆積するため、ワイパーラバーの劣化の原因となる。高温や低温下に放置することにより、ラバーが劣化することもある。また、ラバーが劣化した状態でワイパーを動作させると、フロントガラスの表面に微細な傷が発生することとなる。
【0003】
このような状況の発生を抑制するため、ワイパーを立ててガラスとワイパーラバーを隔離した状態にすることも行われているが、ラバーがむき出しであることから、塵や砂埃等を完全に排除する事は困難であるとともに、紫外線や温度変化からワイパーラバーを保護することも困難であった。
【0004】
ワイパーラバーを保護するための技術として、特開2002-187529号公報が存在する。ここでは、ワイパー全体を包み込む構成からなり、両端のキャップ、留具の取りはずしが可能なワイパー保護カバーに係る技術が開示されている。この構成により、冬季は、ワイパーを被覆して雪からワイパーを保護し、夏季は、太陽光からワイパーを保護するとともに通気性を持たせることが可能となる旨が開示されている。
【0005】
この技術によれば、確かに、ワイパーラバーを塵、砂埃、紫外線、温度変化から保護することが可能になるとも考えられるが、着脱が面倒であり、保護カバー自体の保管場所も要するという問題点があった。
【0006】
また、実用新案出願公開平2-25355号公報では、ワイパーブレードに装着されて、ブレードラバー部を包被するよう形成されたワイパーブレード保護カバーに係る技術が開示されている。ここでは、ブレードラバー部を包被する断面略逆三角形からなるカバー部の下端に、ガラス面を払拭するリップ部を一体的に形成し、更にリップ部のガラス面に摺接する縁部に、先端が鋭角状からなる少なくとも1本の摺接突条を形成した構造が開示されている。この構成とすることにより、ワイパーラバーの保護と、ガラスの払拭を同時に実現可能となる旨が開示されている。
【0007】
この技術によれば、確かに、ワイパーラバーを塵、砂埃、紫外線、温度変化から保護することが可能となり、雨が降った場合にも対応可能となるが、ワイパーブレード保護カバー自体が劣化した場合に、ガラスを損傷してしまうという致命的な問題点があった。
【0008】
ワイパーラバーは劣悪な環境下において、長期間利用される耐久性が要求される部材であるため、使用しない際には、極力負荷を掛けない状態で保護することが望ましい。また、緊急に使用したい場合には直ぐに使用可能な状態にできる利便性を有するのが望ましい。そこで、環境に起因するワイパーラバーの劣化や、劣化したワイパーラバーによってフロントガラス等に傷が付くことを防止することを可能とした、利便性の高いワイパーラバー保護カバーの開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002-187529号公報
【特許文献2】実用新案出願公開平2-25355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記問題を解決するために、ワイパーラバーを保護するためのカバーであって、特に、ワイパーラバーへの塵・砂埃等の堆積および密着固化、紫外線への曝露、高温・低温当の環境の変化等を起因とするワイパーラバーの劣化や、劣化したワイパーラバーの使用によりフロントガラス等に傷が付くことを防止することを可能とした、使用時における利便性の高いワイパーラバー保護カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明に係るワイパーラバー保護カバーは、自動車のガラスを掃拭するワイパーラバーを保護するためのワイパーラバー保護カバーであって、前記ワイパーラバー保護カバーは、断面略逆T字型の長板状部材からなり、湾曲したガラス上のワイパーラバー停止位置近傍にワイパーラバーの長手方向に沿うように設置されるものであり、自動車の湾曲したガラス上に固着設置するための基部と、前記基部に装設されワイパーラバーの当接押圧によって後回転移動するラバー受部と、ラバー受部の前記基部側に設置され、前記ラバー受部の後回転移動に応動して後倒することにより、ワイパーラバーを前記ラバー受部との間に挟持するラバー挟持部と、からなる構成である。
【0012】
また、前記ワイパーラバー保護カバーは、ワイパーの不使用時に、電動または手動でワイパーラバーを前記ラバー受部に押圧することで前記ラバー受部が後回転移動するとともに、前記ラバー挟持部が応動することにより、湾曲したガラス面と平行となっている前記ラバー挟持部が倒立後に前記ラバー受部に向けて後倒する力を得て、前記ラバー受部と前記ラバー挟持部とでワイパーラバーを挟持してワイパーラバーを保護する構成である。
【0013】
また、前記ワイパーラバー保護カバーは、樹脂製素材からなる構成である。
また、前記ラバー受部は、端部に断面略円形からなる円筒状の補強部を備えた構成である。
【0014】
また、前記ラバー挟持部は、前記ラバー受部より幅広に形成される構成である。
更に、前記ワイパーラバー保護カバーは、前記基部を保持するための基部固定部を備え、前記基部固定部が前記基部を着脱自在に固定保持するとともに、前記基部固定部が自動車のガラスに固定設置される構成である。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、上記詳述した通りの構成であるので、以下のような効果がある。
1.ワイパーラバー保護カバーをワイパーラバーが停止する位置の近傍に配置する構成としたため、ワイパーをずらすだけでワイパーラバー保護カバーをワイパーラバーに設置して保護することが可能となる。また、ラバー受部とラバー挟持部とでワイパーラバーを挟持する構成としたため、ワイパーラバーを塵・砂埃等から保護することが可能となる。
2.湾曲したガラス面上にワイパーラバー保護カバーを設置固定する構成としたため、ラバー挟持部がラバー受部の後回転移動により立ち上がって倒立する際に、ラバー受部に向けて後倒する力が生ずることとなり、ラバー受部とラバー挟持部とでワイパーラバーを挟持することが可能となる。
【0016】
3.ワイパーラバー保護カバーを樹脂製としたため、強度を確保するとともに経年劣化を抑制して長期間使用することが可能となる。
4.ラバー受部の端部に補強部を備える構成としたため、強度が増すとともに、ラバー挟持部が倒立する際のラバー受部に向けて後倒する力を増強することが可能となる。
【0017】
5.ラバー挟持部がラバー受部より幅広に形成される構成としたため、ラバー挟持部が覆いかぶさるようにワイパーラバーを挟持保護することが可能となる。
6.ワイパーラバー保護カバーに基部を保持するための基部固定部を設ける構成としたため、ワイパーラバー保護カバーの着脱が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係るワイパーラバー保護カバーを、図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るワイパーラバー保護カバーの断面図であり、
図2は、ワイパーラバー保護カバーを設置した状態を示す図である。
図3は、ワイパーラバー保護カバーの一連の動作を示す断面図である。
【0019】
本発明のワイパーラバー保護カバー1は、基部10と、ラバー受部20と、ラバー挟持部30と、からなり、自動車のガラスを掃拭するワイパーに設置されるワイパーラバーWを保護するものであり、ワイパーラバーWへの塵・砂埃等の堆積および密着固化、紫外線への曝露、高温・低温当の環境の変化等を起因とするワイパーラバーWの劣化や、劣化したワイパーラバーWの使用によりフロントガラス等に傷が付くことを防止することを可能とした、使用時における利便性の高いワイパーラバー保護カバーである。
【0020】
ワイパーラバー保護カバー1は、
図1に示すように、断面略逆T字型の長板状部材からなる。また、ワイパーラバー保護カバー1は、湾曲した自動車等のガラス上に貼付固定されるものであり、
図2に示すように、ガラス上のワイパーラバー停止位置S近傍に、ワイパーラバーWの長手方向に沿うように装着設置される構成である。なお、本発明に係るワイパーラバー保護カバー1は、主に自動車のガラスに用いられるものであり、ワイパーが設置される湾曲したフロントウィンドウやリヤウィンドウに貼付されて使用されるものであるが、これに限定するものではない。
【0021】
基部10は、ワイパーラバー保護カバー1の土台となる部材であり、ワイパーラバー保護カバー1を自動車の湾曲したガラス上に固着設置するために用いられる。基部10は、本実施例では、接着・剥離自在な接着材によってガラス上に固着設置される構成であるが、この構成に限定されることはない。
【0022】
ラバー受部20は、基部10に装設される部材であり、
図1に示すように、基部10の端部に略垂直に立設される構成である。ラバー受部20は、ワイパーラバーWが当接する部材であり、ワイパーラバーWの当接押圧によって、押圧された方向に平行に後回転移動する。ラバー受部20とワイパーラバーWとは、縒れたりずれたりして当接することなく、両端間で密接することが望ましい。そのため、ラバー受部20とワイパーラバーWとが平行になるように、ワイパーラバー保護カバー1をガラスに固定設置することが望ましい。
【0023】
ラバー挟持部30は、ワイパーラバーWをラバー受部20との間で挟持するための部材であり、
図1に示すように、ラバー受部20の下部の基部10側に設置される。ラバー挟持部30は、ラバー受部20の平行な後回転移動に並行に応動する。すなわち、ワイパーラバーWがラバー受部20に当接押圧することによってラバー受部20に伴って平行に後倒する。この動作により、ワイパーラバーWをラバー受部20との間で挟持する構成である。
【0024】
長板状の基部10に設けられる長板状のラバー受部20と長板状のラバー挟持部30とは、本実施例では、略70度の角度で各々が角度を狭める方向に回動するように端面が接合されている。
【0025】
本発明に係るワイパーラバー保護カバー1によるワイパーラバーWの挟持保護動作について説明する。ワイパーラバー保護カバー1は、自動車のワイパーを使用していない時、すなわちワイパー停止時に使用する。
図3に示すように、ワイパーラバーWが電動または手動によって押し下げられることでラバー受部20を押圧すると、ラバー受部20はガラスの下部方向へ向けて後回転移動する。
【0026】
ここで、自動車のフロントガラスなどは、ガラス面が湾曲しているため、ワイパーラバー保護カバー1の基部10はその湾曲に沿って貼付される。このため、ラバー受部20の端部側は、基部10側と比べて、長手方向に延ばされる力が働くこととなる。これより、ワイパーラバーWがラバー受部20を押圧すると、押圧方向へ倒れる力が生じることとなる。
【0027】
次に、ラバー受部20の後倒動作にラバー挟持部30が応動し、湾曲したガラス面と平行となっているラバー挟持部30は立ち上がって倒立する。このとき、上記ラバー受部20と同様に、ラバー挟持部30の端部側は、基部10側と比べて、長手方向に延ばされる力が働くため、ラバー受部20の押圧方向へ倒れる力を受ける事で、それに応動するラバー挟持部30は、倒立後にラバー受部20に向けて更に後倒する力を得ることとなる。この一連の力により、ラバー受部20とラバー挟持部30は、ワイパーラバーWを挟持することとなり、ワイパーラバーWを保護することが可能となる。
【0028】
以上により、ワイパーラバー保護カバー1がワイパーラバーWを挟持保護することが可能となり、ワイパー不使用時におけるワイパーラバーWへの塵・砂埃等の堆積および密着固化、紫外線への曝露、高温・低温当の環境の変化等を起因とするワイパーラバーWの劣化や、劣化したワイパーラバーWの使用によりフロントガラス等に傷が付くことを防止することが可能となった。
【0029】
ワイパーラバー保護カバー1は、本実施例では、樹脂製素材からなる構成である。これにより、ワイパーラバー保護カバー1の強度を確保するとともに経年劣化を抑制して長期間使用することが可能となった。
【0030】
ラバー受部20は、
図1に示すように、端部に補強部22を設ける構成とすることが可能である。本実施例では、端部に断面略円形からなる円筒状の補強部22を備える構成である。この構成とすることにより、ラバー受部20の強度が増すとともに、ラバー挟持部30が倒立する際のラバー受部20に向けて後倒する力を増強することが可能となり、より効果的にワイパーラバーWを挟持保護することが可能となった。
【0031】
ラバー挟持部30は、本実施例では、
図1に示すように、ラバー受部20より幅広に形成される。この構成とすることにより、ラバー挟持部が覆いかぶさるようにワイパーラバーを挟持保護することが可能となった。なお、ラバー挟持部30の幅は、この大きさに限定されることはなく、所望する幅に構成することが可能である。
【0032】
ワイパーラバー保護カバー1は、
図1に示すように、基部固定部12を備える構成とすることが可能である。基部固定部12は、基部10を保持するための部材であり、基部10が基部固定部12に着脱自在に固定保持される構成である。また、基部固定部12は、自動車のガラスに固定設置される。本実施例では、基部固定部12は断面コ字型に形成されており、該コ字型の開口部分に基部10が挿入設置される。この構成とすることにより、ワイパーラバー保護カバー1の着脱が容易となった。なお、基部固定部12の形状は断面コ字型に限定されるものではない。
【0033】
ワイパーラバーは、自動車の消耗品の一部と言うこともあり、特に劣化対策は何もなされていないのが現実である。一般的には、ワイパーラバーは1回/年の交換が推奨されており、特に、寒冷地等では季節間での交換が必要で最低でも2回/年の交換が推奨されている。ワイパーラバーは、通常ゴム質で形成されておるため、屋外駐車では季節毎の交換も余儀なくされることとなる。
【0034】
自動車のワイパーは、通常は、ワイパーの作動スイッチを入れない限り、常に定位置でガラスと密着した状態で待機している。そのため、ワイパーラバーの上に塵や埃が堆積する。この状態でワイパーを作動させると、堆積した塵や埃がガラスの表面を引き摺り、ガラスに扇状の擦り傷を着けてしまう。
【0035】
また、常にワイパーラバーと自動車のガラスは密着しており、暑い真夏などはゴムの表面が溶け出しガラスに貼り付くことがある。その後、ワイパーを使用すると、ゴムの走行面が剥がれ、面が荒れることで綺麗な水捌けができなくなる。
【0036】
傷の付いたガラスは、太陽光の乱反射により、走る方向によっては視界の妨げとなり危険である。また、ガラス表面の油膜の着きやすさの原因の一つであり、特に雨の日の視界の妨げとなり、危険な走行状態を生み出す。
【0037】
また、塵や埃が付着した状態でワイパーを作動させることにより、ワイパーブレードそのものに傷などのダメージを与えてしまい、ガラス表面の水滴を満遍なく拭き取ることができなくなる。これが視界の妨げとなり、ワイパーとしての役割を果たさなくなる。
【0038】
本発明に係るワイパーラバー保護カバーは、ワイパーを作動しない時は、ワイパーを包み込んで格納する構造を採用したものである。ワイパーが下支点まで落ちた時、ワイパーラバー保護カバーのラバー受部20に当接して押すことにより、ラバー挟持部30が立ち上がり、ワイパーブレードを二つ折りの状態で挟み込む構造を採用した。
【0039】
このような構造を採用したため、自動車ワイパーの停止時に保護することが可能となり、紫外線による劣化や塵埃による傷からブレードを守り長期使用することができ、交換サイクルが延長されることでランニングコストの低減を実現した。
【0040】
また、塵や埃によってガラスの表面に傷を付けることを低減することで、太陽光や対向車ライトの光の乱反射を抑えることができ、安全な視界を確保することが可能となった。
【0041】
更に、ガラスに付いた微細な傷によって、その傷に油成分が詰まり、それが油膜となって乱反射することを抑えることができ、安全な視界を確保することが可能となった。
【0042】
また、視界を良くする為、ガラスの表面にコーティングする商品が市販されているが、本発明による保護された綺麗な自動車ブレードによって、コーティング表面に傷を付けることが減少し、視界確保の持続も増すこととなった。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本発明に係るワイパーラバー保護カバーの断面図
【
図2】ワイパーラバー保護カバーを設置した状態を示す図
【
図3】ワイパーラバー保護カバーの一連の動作を示す断面図
【符号の説明】
【0044】
1 ワイパーラバー保護カバー
10 基部
12 基部固定部
20 ラバー受部
22 補強部
30 ラバー挟持部
S ワイパーラバー停止位置
W ワイパーラバー