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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053295
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】パイプコンベア装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 15/08 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
B65G15/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159455
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野川 直翔
(72)【発明者】
【氏名】重松 一彦
【テーマコード(参考)】
3F023
【Fターム(参考)】
3F023AA01
3F023BA03
3F023BA04
3F023BB01
3F023BC02
3F023BC03
(57)【要約】
【課題】起伏のある場所に設置しても搬送ベルトのリターン側ベルトの劣化を抑制できるパイプコンベア装置を提供する。
【解決手段】テールプーリーからヘッドプーリーへ帯状のベルトをパイプ状に丸めて戻すリターン側ベルトが貫通する第2貫通孔の下端部を結ぶ仮想線が下側の傾斜に変化する屈曲点に、リターン側ベルトの進行方向が変わるリターン側ベルトの屈曲部が生じており、屈曲部と、リターン側ベルトの進行方向において屈曲部の次に設置された支持パネルとの間に配置され、少なくともリターン側ベルトが貫通してリターン側ベルトを支持する補助パネルを備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドプーリーと、
テールプーリーと、
前記ヘッドプーリーと前記テールプーリーとの間を循環し、前記ヘッドプーリーから前記テールプーリーへ、帯状のベルトをパイプ状に丸めて搬送物を搬送する搬送側ベルトと、前記テールプーリーから前記ヘッドプーリーへ帯状のベルトをパイプ状に丸めて戻すリターン側ベルトとを有する搬送ベルトと、
前記ヘッドプーリーと前記テールプーリーとの間に配置され、前記搬送側ベルトが貫通する第1貫通孔と前記リターン側ベルトが貫通する第2貫通孔を有し、前記搬送側ベルト及び前記リターン側ベルトを支持する支持パネルと、
前記第2貫通孔の下端部を結ぶ仮想線が下側の傾斜に変化する屈曲点に、前記リターン側ベルトの進行方向が変わる前記リターン側ベルトの屈曲部が生じており、前記屈曲部と、前記リターン側ベルトの進行方向において前記屈曲部の次に設置された支持パネルとの間に配置され、少なくとも前記リターン側ベルトが貫通して前記リターン側ベルトを支持する補助パネルと、を備える、
パイプコンベア装置。
【請求項2】
前記補助パネルは、傾斜した前記仮想線上において、前記支持パネルと、前記支持パネルに隣接して設置された支持パネルとの間に位置している、
請求項1に記載のパイプコンベア装置。
【請求項3】
前記補助パネルは、前記ヘッドプーリーから前記テールプーリーの方向側に、前記リターン側ベルトの外周面の下端部に接するローラーを備える、
請求項1又は2に記載のパイプコンベア装置。
【請求項4】
前記補助パネルは、前記ヘッドプーリーから前記テールプーリーの方向側に、前記リターン側ベルトの外周面に接するローラーを少なくとも2つ以上備える、
請求項3に記載のパイプコンベア装置。
【請求項5】
前記搬送側ベルト及び前記リターン側ベルトが貫通して前記リターン側ベルトを支持する補助パネルと、を備える、
請求項3に記載のパイプコンベア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パイプコンベア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、帯状のベルトを丸め、ベルトの形状を保持する支持パネルを複数有するパイプコンベア装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6―48526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のパイプコンベア装置は、帯状のベルトが搬送物を囲むようにパイプ状となっているので、傾斜面がある起伏がある場所に設置しても、パイプ状のベルトが搬送物の落下を抑制するメリットがある。
【0005】
帯状のベルトを丸めた合わせ目は、搬送側ベルトの上側と、リターン側ベルトの下側とに現れる。パイプコンベア装置が起伏のある場所に設置されると、起伏の斜面に応じて搬送ベルトの斜度が変化し、搬送ベルトに湾曲する力がかかる。搬送側ベルトでは、搬送物の重量が搬送ベルトに加えられているので、起伏の斜面に応じて搬送ベルトの斜度が変化しても、搬送ベルトに湾曲する力が搬送ベルトの側端部同士を離して合わせ目を広げる方向に作用しにくい。しかしながら、リターン側ベルトでは、搬送物の重量が搬送ベルトに加わっておらず、搬送ベルトに湾曲する力が搬送ベルトの側端部同士を離して合わせ目を広げる方向に作用しやすい。特に、リターン側ベルトが進行方向に進むにつれて、搬送ベルトの勾配が下側へ変化する屈曲点において、搬送ベルトに湾曲する力が搬送ベルトの側端部同士を離して合わせ目を広げてしまう。リターン側ベルトの進行方向において屈曲点の次の支持パネルでは、搬送ベルトの下側の側端部が、支持パネルを通過する際、支持パネルに取り付けられたローラーに巻き込まれて搬送ベルトが摩耗又は損傷する可能性がある。
【0006】
本開示は、上記課題に鑑みてなされたもので、起伏のある場所に設置しても搬送ベルトのリターン側ベルトの劣化を抑制できるパイプコンベア装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様のパイプコンベア装置は、ヘッドプーリーと、テールプーリーと、前記ヘッドプーリーと前記テールプーリーとの間を循環し、前記ヘッドプーリーから前記テールプーリーへ、帯状のベルトをパイプ状に丸めて搬送物を搬送する搬送側ベルトと、前記テールプーリーから前記ヘッドプーリーへ帯状のベルトをパイプ状に丸めて戻すリターン側ベルトとを有する搬送ベルトと、前記ヘッドプーリーと前記テールプーリーとの間に配置され、前記搬送側ベルトが貫通する第1貫通孔と前記リターン側ベルトが貫通する第2貫通孔を有し、前記搬送側ベルト及び前記リターン側ベルトを支持する支持パネルと、前記第2貫通孔の下端部を結ぶ仮想線が下側の傾斜に変化する屈曲点に、前記リターン側ベルトの進行方向が変わる前記リターン側ベルトの屈曲部が生じており、前記リターン側ベルトの屈曲部と、前記リターン側ベルトの進行方向において前記屈曲部の次に設置された支持パネルとの間に配置され、少なくとも前記リターン側ベルトが貫通して前記リターン側ベルトを支持する補助パネルと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によるベルトコンベア装置は、起伏のある場所に設置しても搬送ベルトのリターン側ベルトの劣化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態1に係るパイプコンベア装置の全体概略図である。
図2図2は、実施形態1に係る搬送側ベルトの模式的な断面図である。
図3図3は、実施形態1に係るリターン側ベルトの模式的な断面図である。
図4図4は、実施形態1に係る支持パネルの模式的な正面図である。
図5図5は、実施形態1に係る支持パネルの模式的な側面図である。
図6図6は、実施形態1に係るパイプコンベア装置の模式的な側面図である。
図7図7は、比較例に係るリターン側ベルトの模式的な断面図である。
図8図8は、実施形態1に係る補助パネルの模式的な正面図である。
図9図9は、実施形態1に係る補助パネルの模式的な側面図である。
図10図10は、実施形態2に係る補助パネルの模式的な正面図である。
図11図11は、実施形態2に係る補助パネルの模式的な側面図である。
図12図12は、実施形態3に係るパイプコンベア装置の模式側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、本開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本開示と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
本実施形態及び請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0012】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るパイプコンベア装置の全体概略図である。図2は、実施形態1に係る搬送側ベルトの模式的な断面図である。図3は、実施形態1に係るリターン側ベルトの模式的な断面図である。
【0013】
図1に示すように、パイプコンベア装置1は、搬送ベルト2と、ヘッドプーリー3と、テールプーリー4と、支持パネル5とを備える。搬送ベルト2は、ヘッドプーリー3とテールプーリー4とに、無端状に掛け渡されている。搬送ベルト2は、ヘッドプーリー3とテールプーリー4との間を循環する。
【0014】
搬送ベルト2は、搬送側ベルト2aと、搬送側ベルト2aに対向して配置されたリターン側ベルト2bとを有する。搬送側ベルト2aはリターン側ベルト2bの上側を通過する。
【0015】
図2に示すように、搬送側ベルト2aは、搬送側ベルト2aの外周面の上側20aにおいて、搬送側ベルト2aの合わせ目部分の側端部21a、22aが、パイプ状に丸まり合わせ目で重なっている。
【0016】
図3に示すように、リターン側ベルト2bは、リターン側ベルト2bの外周面の下側20bにおいて、リターン側ベルト2bの合わせ目部分の側端部21b、22bが、パイプ状に丸まり合わせ目で重なっている。
【0017】
ヘッドプーリー3は、パイプコンベア装置1の一端部(図1の左側)に位置している。ヘッドプーリー3は、リターン側ベルト2bの合わせ目部分の側端部21a、22a同士を強制的に開き、帯状のベルトを巻きつけ、その後、合わせ目部分の側端部21a、22a同士を復元力で徐々に閉じて、搬送側ベルト2aにする。ヘッドプーリー3が電動機(図示せず)により回転することで、搬送ベルト2は、移動可能となる。リターン側ベルト2bの合わせ目部分の側端部21a、22a同士が開いて、帯状のベルトの上に、搬送物が投入される。そして、搬送側ベルト2aは、ヘッドプーリー3からテールプーリー4へ、帯状のベルトをパイプ状に丸めて搬送物を搬送する。搬送側ベルト2aに対向して設置されたリターン側ベルト2bは、テールプーリー4からヘッドプーリー3へ帯状のベルトをパイプ状に丸めて戻ってくる。
【0018】
テールプーリー4は、ヘッドプーリー3と反対側に位置している。テールプーリー4は、搬送側ベルト2aの合わせ目部分の側端部21a、22a同士を強制的に開き、搬送側ベルト2aを巻きつけ、その後、合わせ目部分の側端部21a、22a同士を復元力で徐々に閉じて、リターン側ベルト2bにする。
【0019】
図1に示すように、支持パネル5は、搬送側ベルト2aに搬送側ローラー6と、リターン側ベルト2bにリターン側ローラー7とを有する。支持パネル5は、地面GD(図6参照)に対して立設し、テールプーリー4とヘッドプーリー3との間で、搬送側ベルト2a及びリターン側ベルト2bを支持する。複数の支持パネル5は、間隔をあけて配置されている。支持パネル5の数を増やすと、パイプコンベア装置1のコストが増加するので、支持パネル5の数はできるだけ少ないことが望ましい。
【0020】
図4は、実施形態1に係る支持パネルの模式的な正面図である。図5は、実施形態1に係る支持パネルの模式的な側面図である。
【0021】
図4に示すように、支持パネル本体50は、搬送側ベルト2aの長さ方向に対して、搬送側ベルト2aが貫通する第1貫通孔8と、リターン側ベルト2bの長さ方向に対して、リターン側ベルト2bが貫通する第2貫通孔9とを設けている。
【0022】
図4及び図5に示すように、搬送側ローラー6は、搬送側ベルト2aにローラー6aと、ローラー6bを有する。リターン側ローラー7は、リターン側ベルト2bにローラー7bと、ローラー7bとを有する。
【0023】
図5に示すように、ブラケット60a、70aは、支持パネル本体50におけるテールプーリー4からヘッドプーリー3の方向側に、ボルトなどで支持パネル5に、3か所で締結されている。
【0024】
図5に示すように、ブラケット60b、70bは、支持パネル本体50におけるヘッドプーリー3からテールプーリー4の方向側に、ボルトなどで支持パネル5に、3か所で締結されている。
【0025】
ローラー6aは、支持パネル本体50におけるテールプーリー4からヘッドプーリー3の方向側に、搬送側ベルト2aの周方向の外周面に3か所で接するように、それぞれ、ブラケット60aにより、回転可能に固定されている。
【0026】
ローラー6aは、搬送側ベルト2aの外周面の下端部2a2に、1つ設置されている。ローラー6aは、搬送側ベルト2aの外周面の上側に、第1貫通孔8の下端部と上端部を結んだ仮想線AAに対して、第1貫通孔8の周方向に反時計回りに30°傾斜した位置に、1つ設置されている。ローラー6aは、搬送側ベルト2aの外周面の上側に、仮想線AAに対して、第1貫通孔8の周方向に時計回りに30°傾斜した位置に、1つ設置されている。
【0027】
ローラー6bは、支持パネル本体50におけるヘッドプーリー3からテールプーリー4の方向側に、搬送側ベルト2aの周方向の外周面に3か所で接するように、それぞれ、ブラケット60bにより、回転可能に固定されている。
【0028】
ローラー6bは、搬送側ベルト2aの外周面の上端部2a1に、1つ設置されている。ローラー6aは、搬送側ベルト2aの外周面の下側に、第1貫通孔8の下端部と上端部を結んだ仮想線AAに対して、第1貫通孔8の周方向に反時計回りに30°傾斜した位置に、1つ設置されている。ローラー6aは、搬送側ベルト2aの外周面の下側に、仮想線AAに対して、第1貫通孔8の周方向に時計回りに30°傾斜した位置に、1つ設置されている。
【0029】
ローラー7aは、支持パネル本体50におけるテールプーリー4からヘッドプーリー3の方向側に、リターン側ベルト2bの周方向の外周面に3か所で接するように、それぞれ、ブラケット70aにより、回転可能に固定されている。
【0030】
ローラー7aは、リターン側ベルト2bの外周面の上端部2b1に、1つ設置されている。ローラー7aは、リターン側ベルト2bの外周面の下側に、第1貫通孔8の下端部と上端部を結んだ仮想線AAに対して、第1貫通孔8の周方向に反時計回りに30°傾斜した位置に、1つ設置されている。ローラー7aは、リターン側ベルト2bの外周面の下側に、仮想線AAに対して、第1貫通孔8の周方向に時計回りに30°傾斜した位置に、1つ設置されている。
【0031】
ローラー7bは、支持パネル本体50におけるヘッドプーリーからテールプーリーの方向側に、リターン側ベルトの周方向の外周面に3か所で接するように、それぞれ、ブラケット70bにより、回転可能に固定されている。
【0032】
ローラー7bは、リターン側ベルト2bの外周面の下端部2b2に、1つ設置されている。ローラー7bは、リターン側ベルト2bの外周面の上側に、第2貫通孔9の下端部と上端部を結んだ仮想線AAに対して、第2貫通孔9の周方向に反時計回りに30°傾斜した位置に、1つ設置されている。ローラー7bは、リターン側ベルト2bの外周面の上側に、仮想線AAに対して、第2貫通孔9の周方向に時計回りに30°傾斜した位置に、1つ設置されている。
【0033】
ローラー6a、6bは、それぞれ、搬送側ベルト2aの側端部21b、22b同士の合わせ目が開かないように、搬送側ベルト2aの周方向から支持している。
【0034】
ローラー7a、7bは、それぞれ、リターン側ベルト2bの側端部21b、22b同士の合わせ目が開かないように、リターン側ベルト2bの周方向から支持している。
【0035】
ブラケット60b、70bは、支持パネル5のテールプーリーからヘッドプーリーの方向側に、ボルトなどで支持パネル5に、3か所で締結されている。
【0036】
図6は、実施形態1に係るパイプコンベア装置の模式的な側面図である。図7は、比較例に係るリターン側ベルトの模式的な断面図である。図8は、実施形態1に係る補助パネルの模式的な正面図である。図9は、実施形態1に係る補助パネルの模式的な側面図である。
【0037】
図6に示すように、パイプコンベア装置1において、複数の支持パネル5が地面GDに対してそれぞれ立設されている。
【0038】
図6に示すように、パイプコンベア装置1が起伏のある場所に設置されると、起伏の斜面に応じて、第2貫通孔9の下端部を結ぶ仮想線ABが変化する。例えば、リターン側ベルト2bにおいて、第2貫通孔9の下端部を結ぶ仮想線ABが下側の傾斜に変化する屈曲点10aに、リターン側ベルトの進行方向が変わる屈曲部10が生じている。
【0039】
ここで、図7に示すように、屈曲部10と、リターン側ベルト2bの進行方向において、傾斜した仮想線AB上に、屈曲部10の次に設置された支持パネル5aとの間で、リターン側ベルト2bの外周面の下側20bにおいて、リターン側ベルト2bは、リターン側ベルト2bの側端部21b、22bの合わせ目が開いてしまい、支持パネル5aにおけるヘッドプーリー3からテールプーリー4の方向側の、リターン側ベルト2bの外周面の下端部2b2に配置されたローラー7bの上端部に乗り上げてしまう可能性がある。
【0040】
そこで、図6に示すように、支持パネル5に併設した補助パネル11は、リターン側ベルト2bの進行方向において、屈曲部10と、屈曲部10の次に設置された支持パネル5aとの間に配置されている。補助パネル11は、リターン側ベルト2bが貫通してリターン側ベルト2bを支持している。
【0041】
これにより、リターン側ベルト2bの側端部21b、22bの合わせ目が外側に開いて支持パネル5aのローラー7bの上端部に乗り上げるのを防止することができ、リターン側ベルトの劣化を抑制することができる。
【0042】
また、図6に示すように、補助パネル11は、さらに、傾斜した仮想線AB上において、支持パネル5aと、支持パネル5aに隣接して設置された支持パネル5bとの間に配置されている。補助パネル11は、リターン側ベルト2bが貫通してリターン側ベルト2bを支持している。
【0043】
また、補助パネル11は、傾斜した仮想線AB上において、支持パネル5bと、支持パネル5bに隣接して設置された支持パネル5cとの間に配置されている。補助パネル11は、リターン側ベルト2bが貫通してリターン側ベルト2bを支持している。
【0044】
これにより、補助パネル11が、屈曲部と、支持パネル5aとの間に1か所配置され、さらに、補助パネル11が、支持パネル5aと、支持パネル5bとの間と、支持パネル5bと、支持パネル5cとの間に、それぞれ1か所ずつ配置されているため、リターン側ベルトのローラー7a、7bの数量が増加し、リターン側ベルトのローリング方向の回転を調整できる範囲を広げることができる。
【0045】
図8に示すように、補助パネル本体110は、リターン側ベルト2bの長さ方向に対して、リターン側ベルト2bが貫通する第2貫通孔9を設けている。
【0046】
図8及び図9に示すように、補助パネル本体110は、ローラー7aと、ローラー7bをと有する。ローラー7a及びローラー7bの構成は、支持パネル5と同様であるため、省略する。支持パネル本体50と異なる点は、ローラー7bが、リターン側ベルト2bの下端部の外周面に、1か所だけ設置されている点である。
【0047】
これにより、補助パネル11のローラー7bが、補助パネル本体110におけるヘッドプーリー3からテールプーリー4の方向側の、リターン側ベルト2bの下端部の外周面に、1か所だけ配置されることで、支持パネル5aのローラー7bの上端部に乗り上げるのを防止することができ、リターン側ベルトの劣化を抑制することができる。
【0048】
また、補助パネル11は、ローラー7bが3か所に配置されている場合と比較して、ローラー7bの数量が少なくすることができるため、ローラー7bの設備費用が低減することができる。
【0049】
また、ローラー7bを回転可能に固定するブラケット70bは、ボルト等で補助パネル11に取り付けて設置することが可能であるため、パイプコンベア装置1側を改造することなく、リターン側ベルト2bの側端部21b、22bの合わせ目の開きを容易に対策することができる。
【0050】
また、補助パネル11は、支持パネル5を増設した場合と比較して、ローラー7bの数量を少なくすることができるため、パイプコンベア装置1の設備費用を軽減し、保守費用を低減することができる。
【0051】
(第2の実施形態)
図10は、実施形態2に係る補助パネルを拡大した模式正面図である。図11は、実施形態2に係る補助パネルを拡大した模式側面図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0052】
図10及び図11に示すように、補助パネル11Aは、補助パネル11と同様に、ローラー7aと、ローラー7bとを有する。ローラー7a及びローラー7bの構成は、補助パネル11と同様であるため、省略する。また、補助パネル11Aの設置箇所は、補助パネル11と同様であるため、省略する。
【0053】
補助パネル11と異なる点は、ローラー7bが、リターン側ベルト2bの外周面の上側に、第1貫通孔8の下端部と上端部を結んだ仮想線AAに対して、第2貫通孔9の周方向に反時計回りに30°傾斜した位置と、仮想線AAに対して、第2貫通孔9の周方向に時計回りに30°傾斜した位置に、それぞれ1か所に設置されている点である。
【0054】
これにより、ローラー7bがリターン側ベルト2bの外周面に、3か所配置されるため、リターン側ベルト2bの外周面を3か所でベルトの開きを丸め込むことができ、リターン側ベルト2bの側端部21b、22bの合わせ目の開きを、確実に、抑制することができる。
【0055】
(第3の実施形態)
図12は、実施形態3に係るパイプコンベア装置の模式側面図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0056】
図12に示すように、補助パネル11Bは、支持パネル5と同様に、ローラー6a、6bと、ローラー7a、ローラー7bとを有する。ローラー6a、6b及びローラー7a、7bの構成は、支持パネル5と同様であるため、省略する。また、補助パネル11Bの設置箇所は、補助パネル11と同様であるため、省略する。
【0057】
支持パネル5と異なる点は、ローラー7bが、リターン側ベルト2bの下端部の外周面に、1か所だけ配置されている点である。
【0058】
これにより、パイプコンベア装置1側を改造することなく、既存の支持パネル5を用いてローラー7bをブラケット70bから外して、ローラー7bを1か所だけ配置しているため、リターン側ベルト2bの側端部21b、22bの合わせ目の開きを容易に対策することができる。
【0059】
また、補助パネル11Bは、ローラー7bが3か所に配置されている場合と比較して、ローラー7bの数量が少なくすることができるため、ローラー7bの設備費用が低減することができる。
【0060】
また、補助パネル11Bは、支持パネル5を増設した場合と比較して、ローラー7bの数量を少なくすることができるため、パイプコンベア装置1の設備費用を軽減し、保守費用を低減することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 パイプコンベア装置
2 搬送ベルト
2a 搬送側ベルト
2b リターン側ベルト
3 ヘッドプーリー
4 テールプーリー
5、5a、5b、5c 支持パネル
6 搬送側ローラー
6a、6b ローラー
7 リターン側ローラー
7a、7b ローラー
60a、60b ブラケット
70a、70b ブラケット
8 第1貫通孔
9 第2貫通孔
10 屈曲部
10a 屈曲点
11、11A、11B 補助パネル
AA、AB 仮想線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12