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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053296
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】脚立
(51)【国際特許分類】
   E06C 1/393 20060101AFI20240408BHJP
   E06C 7/50 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
E06C1/393
E06C7/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159456
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】393018130
【氏名又は名称】長谷川工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100166958
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 喜代造
(72)【発明者】
【氏名】泉 幸治
(72)【発明者】
【氏名】木下 佳彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 義典
【テーマコード(参考)】
2E044
【Fターム(参考)】
2E044AA04
2E044BA05
2E044BA08
2E044CB03
2E044CC01
2E044DA03
2E044DB01
2E044EA04
2E044EB01
2E044EB02
2E044EC04
(57)【要約】
【課題】片手により自然な姿勢で閉成操作を行うことができるため、容易に脚立状態から閉状態とすることが可能となる、脚立を提供する。
【解決手段】脚立10は、脚立状態において一対の梯子体2・2の相対変位を規制する開き止め機構7を備え、開き止め機構7は、一対の梯子体2・2において対向して近接離間する一対の踏桟4・4を連結するアーム部材70を備え、アーム部材70は、基端部が一対の踏桟4・4に回動可能に支持され、先端部が互いに回動可能に連結される一対のアーム体71・72を備え、開き止め機構7は、一対の踏桟4・4のうち少なくとも一方の近傍に、アーム部材70が伸長した状態から屈曲した状態へと変形可能な操作部として、レバー部76及び係合部78を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二本の支柱と、前記二本の支柱の間に架け渡される一又は複数の踏桟と、前記二本の支柱の上端部を連結する天板と、を備える一対の梯子体が、互いの上端部で相対回転可能に連結され、前記一対の梯子体が近接した閉状態と、前記一対の梯子体が所定間隔に離間した脚立状態と、に変形可能な、脚立であって、
脚立状態において前記一対の梯子体の相対変位を規制する開き止め機構を備え、
前記開き止め機構は、前記一対の梯子体において対向して近接離間する一対の前記踏桟を連結するアーム部材を備え、
前記アーム部材は、基端部が一対の前記踏桟に回動可能に支持され、先端部が互いに回動可能に連結される一対のアーム体を備え、
前記開き止め機構は、一対の前記踏桟のうち少なくとも一方の近傍に、前記アーム部材が伸長した状態から屈曲した状態へと変形可能な操作部を備える、脚立。
【請求項2】
前記操作部は、一対の前記踏桟のうち少なくとも一方において回動可能に支持されるレバー部と、前記レバー部に設けられて前記アーム部材に係合可能とされる係合部と、を備える、請求項1に記載の脚立。
【請求項3】
前記レバー部は上側に平面部を備え、
前記レバー部の回動軸は、前記レバー部を支持する前記踏桟に設けられ、
前記レバー部を未操作の状態で、前記レバー部を支持する前記踏桟の上面と前記レバー部の前記平面部とが同一面上に配置される、請求項2に記載の脚立。
【請求項4】
一対の前記踏桟には、前記アーム部材が二組設けられ、
前記レバー部は二組の前記アーム部材の間に配置される、請求項2又は請求項3に記載の脚立。
【請求項5】
前記レバー部には、前記レバー部を未操作の状態で、前記レバー部を支持する前記踏桟に当接する当接部が形成される、請求項4に記載の脚立。
【請求項6】
一対の前記踏桟には、前記アーム部材が二組設けられ、
前記操作部は、二組の前記アーム部材を連結する連結部材として構成される、請求項1に記載の脚立。
【請求項7】
前記連結部材は、前記アーム体の基端部における回動軸よりも、前記アーム体の先端側で、二組の前記アーム部材を連結する、請求項6に記載の脚立。
【請求項8】
前記アーム体が回動する際の回動支点が設けられ、
前記連結部材は、前記回動支点よりも、前記アーム体の基端側で、二組の前記アーム部材を連結する、請求項6に記載の脚立。
【請求項9】
前記連結部材は、脚立状態において前記連結部材と近接する前記踏桟の上面よりも下方に位置する、請求項7又は請求項8に記載の脚立。
【請求項10】
前記連結部材は、脚立状態において前記アーム体の基端部における回動軸よりも上方に位置する、請求項7に記載の脚立。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は脚立に関し、詳細には、脚立における開き止め機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、脚立を構成する梯子体間に設けられた開き止め機構を操作することにより、脚立を折りたたんだ閉状態とすることのできる脚立が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。このような脚立においては、梯子体間の開き止め機構における操作部を使用者が持ち上げることにより、一対の梯子体を互いに近接させて脚立を閉状態とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-119745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載の脚立によれば、使用者は片手で操作部を持ち上げるだけで、脚立状態から閉状態とすることができる。しかし、例えば脚立の高さ寸法が大きいために操作部の上下位置も高い箇所にある場合等は、使用者が不自然な姿勢で操作部に手を掛ける必要が生じ、使い勝手が悪くなることがあった。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、容易に脚立状態から閉状態とすることを可能とする、脚立を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下では、上記課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
本発明に係る脚立は、二本の支柱と、前記二本の支柱の間に架け渡される一又は複数の踏桟と、前記二本の支柱の上端部を連結する天板と、を備える一対の梯子体が、互いの上端部で相対回転可能に連結され、前記一対の梯子体が近接した閉状態と、前記一対の梯子体が所定間隔に離間した脚立状態と、に変形可能な、脚立であって、脚立状態において前記一対の梯子体の相対変位を規制する開き止め機構を備え、前記開き止め機構は、前記一対の梯子体において対向して近接離間する一対の前記踏桟を連結するアーム部材を備え、前記アーム部材は、基端部が一対の前記踏桟に回動可能に支持され、先端部が互いに回動可能に連結される一対のアーム体を備え、前記開き止め機構は、一対の前記踏桟のうち少なくとも一方の近傍に、前記アーム部材が伸長した状態から屈曲した状態へと変形可能な操作部を備えるものである。
【0008】
また、本発明に係る脚立において、前記操作部は、一対の前記踏桟のうち少なくとも一方において回動可能に支持されるレバー部と、前記レバー部に設けられて前記アーム部材に係合可能とされる係合部と、を備えることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る脚立において、前記レバー部は上側に平面部を備え、前記レバー部の回動軸は、前記レバー部を支持する前記踏桟に設けられ、前記レバー部を未操作の状態で、前記レバー部を支持する前記踏桟の上面と前記レバー部の前記平面部とが同一面上に配置されることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る脚立において、一対の前記踏桟には、前記アーム部材が二組設けられ、前記レバー部は二組の前記アーム部材の間に配置されることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る脚立において、前記レバー部には、前記レバー部を未操作の状態で、前記レバー部を支持する前記踏桟に当接する当接部が形成されることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る脚立において、一対の前記踏桟には、前記アーム部材が二組設けられ、前記操作部は、二組の前記アーム部材を連結する連結部材として構成されることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る脚立において、前記連結部材は、前記アーム体の基端部における回動軸よりも、前記アーム体の先端側で、二組の前記アーム部材を連結することが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る脚立において、前記アーム体が回動する際の回動支点が設けられ、前記連結部材は、前記回動支点よりも、前記アーム体の基端側で、二組の前記アーム部材を連結することが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る脚立において、前記連結部材は、脚立状態において前記連結部材と近接する前記踏桟の上面よりも下方に位置することが好ましい。
【0016】
また、本発明に係る脚立において、前記連結部材は、脚立状態において二組の前記アーム体の基端部における回動軸よりも上方に位置することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る脚立によれば、片手により自然な姿勢で閉成操作を行うことができるため、容易に脚立状態から閉状態とすることが可能となる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第一実施形態に係る脚立の脚立状態を示す斜視図。
図2】第一実施形態に係る脚立の開き止め機構を示す斜視図。
図3】第一実施形態に係る脚立の脚立状態を示す側面図。
図4】第一実施形態に係る脚立の閉成時を示す側面図。
図5】第一実施形態に係る脚立の閉状態を示す側面図。
図6】第二実施形態に係る脚立の開き止め機構を示す斜視図。
図7】第二実施形態に係る脚立の脚立状態を示す側面図。
図8】第二実施形態に係る脚立の閉成時を示す側面図。
図9】第二実施形態に係る脚立の閉状態を示す側面図。
図10】第三実施形態に係る脚立の開き止め機構を示す斜視図。
図11】第三実施形態に係る脚立の脚立状態を示す側面図。
図12】第三実施形態に係る脚立の閉成時を示す側面図。
図13】第三実施形態に係る脚立の閉状態を示す側面図。
図14】第四実施形態に係る脚立の開き止め機構を示す斜視図。
図15】第五実施形態に係る脚立の開き止め機構を示す斜視図。
図16】第六実施形態に係る脚立の脚立状態を示す斜視図。
図17】第六実施形態に係る脚立の脚立状態を示す側面図。
図18】第六実施形態に係る脚立の閉状態を示す側面図。
図19】第六実施形態に係る脚立の梯子状態を示す斜視図。
図20】第六実施形態に係る脚立の梯子状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第一実施形態・脚立10]
まず、図1から図5を用いて、本発明の第一実施形態に係る脚立10について説明する。本明細書の各実施形態に係る脚立においては、各図における梯子体2・2の回動軸方向(踏桟4の架設方向)を脚立の左右方向とし、水平方向において左右方向と直交する方向(梯子体2・2の開閉方向)を脚立の前後方向とする。本実施形態においては、図1中の左下側を脚立10の左側方とし、図1中の右下側を脚立10の前方とする(他の実施形態についても同様)。
【0020】
図1に示すように、本実施形態に係る脚立10は、互いに共通の構成を有する一対の梯子体2・2を備える。梯子体2・2は側面視で略ハ字状に下端部が互いに離間して広がるように配置され、それぞれの上端部がヒンジ6・6により回動可能に連結される。
【0021】
図1に示す如く、ヒンジ6は第一ヒンジ部6aと第二ヒンジ部6bとが回動支持部6cで回動可能に連結されている。そして、第一ヒンジ部6aと第二ヒンジ部6bとが、左右方向について同じ側にある(対向して近接離間する)支柱3・3の上端部にそれぞれ固定される。これにより、ヒンジ6が対向する支柱3・3を相対的に回動可能に連結する。即ち、梯子体2・2が互いに近接離間する方向(脚立10の前後方向)に回動可能とされる。
【0022】
それぞれの梯子体2は長尺体である一対の支柱3・3を備える。支柱3・3は互いの距離が上側より下側で大きくなるように、正面視で略ハ字状に配置されている。本実施形態に係る脚立10は4本の支柱3を備えている。各支柱3は、強度の確保等を目的として、長手方向に沿った二箇所で折り曲げられることにより、長手方向と直交する断面の形状が略コ字状になるように形成されている。また、それぞれの支柱3の下端部には端具3aが固定される。
【0023】
梯子体2における一対の支柱3・3の間には、所定の間隔を隔てて中空の筒状部材である複数の踏桟4・4・・・が架け渡される。踏桟4は所定の横断面形状をなす直線状の押出し成形品が所定の長さに切断されて形成される。それぞれの踏桟4はリベットにより支柱3において対向する内側面の間に固定されている。本実施形態に係る脚立10において、各支柱3、踏桟4及び天板5はアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる軽金属製の部材である。なお、踏桟4をボルト・ナット等の他の締結部品を用いて支柱3に固定することも可能である。
【0024】
それぞれの梯子体2は、上端部に中空の筒状部材である天板5・5が設けられる。天板5は所定の横断面形状をなす直線状の押出し成形品が所定の長さに切断されて形成される。天板5はリベットにより支柱3・3の上端部において対向する内側面の間に固定されている。換言すれば、天板5はそれぞれの梯子体2において、二本の支柱3・3の上端部を連結するように設けられる。なお、天板5をボルト・ナット等の他の締結部品を用いて支柱3に固定することも可能である。
【0025】
脚立10は、一対の梯子体2・2のなす角度(詳細には、梯子体2・2の相対的な回動によって近接離間する支柱3・3が側面視においてなす角度、以下同じ)に応じて、主に以下の二つの形態をとることができる。
【0026】
第一の形態は、図1及び図3に示す如く梯子体2・2のなす角度を約30度として、4本の支柱3で脚立10を支える形態(以下、この形態を「脚立状態」と記載する)である。脚立状態における脚立10は、地面や床に自立させた状態で用いられる。第二の形態は、図5に示す如く梯子体2・2のなす角度を約0度に近接させる形態(以下、この形態を「閉状態」と記載する)である。脚立10の閉状態は、主に収納時や搬送時に採用される。
【0027】
脚立10は、脚立状態において、梯子体2・2のなす角度を規定するとともに互いの相対変位(回転)を規制する、開き止め機構7を備える。本実施形態における開き止め機構7は、梯子体2・2において対向して近接離間する一対の踏桟4・4(最上段の踏桟4・4)を連結する二組のアーム部材70・70を備える。
【0028】
本実施形態に係る脚立10において、それぞれのアーム部材70は一対のアーム体として第一アーム体71と第二アーム体72とを備える。第一アーム体71の基端部(後端部)は、第一支持部材73を介して、後側の梯子体2における踏桟4に回動可能に支持される。また、第二アーム体72の基端部(前端部)は、第二支持部材74を介して、前側の梯子体2における踏桟4に回動可能に支持される。
【0029】
第一アーム体71の先端部(前端部)と第二アーム体72の先端部(後端部)とは、互いに回動可能に連結される。二組のアーム部材70・70における第一アーム体71と第二アーム体72との連結部分は、回転軸75で連結されている。
【0030】
第一アーム体71の先端部には、第一アーム体71と第二アーム体72との相対回転を規制するための規制部71aが形成されている。脚立10が脚立状態となってアーム部材70が伸長した際には、第二アーム体72が規制部71aに当接することにより、回転軸75が下方に変位する方向にアーム部材70が屈曲しないように構成される。
【0031】
図1に示す如く脚立10を脚立状態とした場合は、踏桟4・4が二組の伸長したアーム部材70・70により連結されているため、梯子体2・2は互いに近接又は離間する方向に相対回転しない。このため、梯子体2・2のなす角度は約30度のままであり、脚立10は脚立状態を維持する。
【0032】
本実施形態に係る脚立10においては図2から図5に示す如く、開き止め機構7は、アーム部材70・70により連結される一対の踏桟4・4のそれぞれの近傍に、アーム部材70・70が伸長した状態から屈曲した状態へと変形可能な操作部として、レバー部76及び係合部78を備える。
【0033】
図3から図5に示す如く、レバー部76は踏桟4に沿って固定された支持部77を介して、踏桟4に回動可能に支持される。支持部77には長手方向に溝部77aが形成されており、この溝部77aにレバー部76の回動軸76bが挿入される。溝部77aの内部で回動軸76bが回動することにより、レバー部76が踏桟4に対して回動可能とされる。レバー部76における先端部(前後方向の内側端部)には操作片76aが形成されている。
【0034】
本実施形態において、レバー部76は二組のアーム部材70・70の間に配置される。レバー部76には棒状の係合部78が一体的に組付けられる。係合部78はアーム部材70・70の下方に配置されることにより、アーム部材70・70に係合可能とされる。
【0035】
脚立10の使用者が脚立10を閉状態とする場合は、図4に示す如く、手前側の梯子体2を少し持ち上げた状態で、レバー部76の操作片76aを操作して上方に回動させる。これにより、係合部78がアーム部材70・70に係合し、第一アーム体71又は第二アーム体72を、第一アーム体71と第二アーム体72との下側に形成される角度が180度以下となるように回動させる。これにより、アーム部材70・70が伸長した状態から屈曲した状態へと変形可能となる。
【0036】
より詳細には、レバー部76及び係合部78を介してアーム部材70・70に対して下方から力を加え、回転軸75が上方に変位するように第一アーム体71と第二アーム体72とを相対回転させる。これにより、梯子体2・2の角度規制が解除され、梯子体2・2のなす角度が約30度よりも小さくなるように梯子体2・2を回動させることができる。
【0037】
そして、手前側の梯子体2の自重により梯子体2・2は近接し、梯子体2・2のなす角度が約0度に近づくことにより、脚立10は図5に示す如く閉状態となる。このように、脚立状態の際に第一アーム体71と第二アーム体72とからなるアーム部材70を屈曲することにより、脚立10は梯子体2・2が近接した閉状態となる。
【0038】
このように、脚立10が脚立状態の際に、使用者が操作部であるレバー部76の回動操作を踏桟4の近傍で行うことにより、片手により自然な姿勢でアーム部材70を屈曲させて脚立10を閉状態とすることができる。即ち、使用者は手前側の梯子体2を持ち上げてもう一方の梯子体2に近接させることにより脚立10の閉成操作を行うことができ、そのまま片手で脚立10を持ち上げて移動させることができる。換言すれば、脚立10の高さ寸法が大きいために操作部であるレバー部76の上下位置も高い箇所にある場合であっても、使用者が不自然な姿勢でレバー部76に手を掛ける必要がないため、脚立10の使い勝手を向上させることができる。
【0039】
図3から図5に示す如く、レバー部76は上側に平面部76dが形成されている。そして、図3に示す如く、レバー部76を未操作の状態において、レバー部76を支持する踏桟4の上面とレバー部76の平面部76dとが同一面上に配置される。これにより、レバー部76が踏桟4の上面を延長することになり、踏み面が拡張されるため、使用者の昇降時の安全性を高めることができる。
【0040】
また、本実施形態においてレバー部76を二組のアーム部材70・70の間に配置することにより、レバー部76とアーム部材70・70との干渉を防いでいる。また、レバー部76には、レバー部76を未操作の状態で、レバー部76を支持する踏桟4に当接する当接部76cが形成される。これにより、レバー部76を未操作の状態におけるレバー部76の位置決めを可能としている。
【0041】
なお、本実施形態において、アーム部材70を一組で構成することも可能である。また、操作部であるレバー部76及び係合部78を一対の踏桟4・4のうち一方の側のみに設ける構成とすることも可能である。また、本実施形態では踏桟4・4に二組のアーム部材70・70を取り付けたが、近接離間する支柱3・3における互いに対向する面に、同じ高さでアーム部材70・70を取付ける構成としてもよい(以降の各実施形態についても同様)。
【0042】
[第二実施形態・脚立110]
次に、図6から図9を用いて、本発明の第二実施形態に係る脚立110について説明する。以降で説明する各実施形態において、脚立を構成する梯子体2・2及びヒンジ6についての構成は、第一実施形態に係る脚立10と同様であるため詳細な説明を省略し、相違する点を中心に説明する。
【0043】
本実施形態に係る脚立110は、脚立状態において、梯子体2・2のなす角度を規定するとともに互いの相対変位(回転)を規制する、開き止め機構107を備える。本実施形態における開き止め機構107は、梯子体2・2において対向して近接離間する一対の踏桟4・4(最上段の踏桟4・4)を連結する二組のアーム部材170・170を備える。
【0044】
本実施形態に係る脚立110において、それぞれのアーム部材170は一対のアーム体として第一アーム体171と第二アーム体172とを備える。第一アーム体171の基端部(後端部)は、第一支持部材173を介して、後側の梯子体2における踏桟4に回動可能に支持される。また、第二アーム体172の基端部(前端部)は、第二支持部材174を介して、前側の梯子体2における踏桟4に回動可能に支持される。
【0045】
図7から図9に示す如く、第一支持部材173の下部には、脚立110を脚立状態から閉状態へと変形させる際に第一アーム体171が回動する際の回動支点となる第一支点片173aが形成される。また、第二支持部材174の下部には、脚立110を脚立状態から閉状態へと変形させる際に第二アーム体172が回動する際の回動支点となる第二支点片174aが形成される。図7に示す如く、脚立110が脚立状態においては、第一アーム体171は第一支点片173aの前端部のみに接触している。同様に、第二アーム体172は第二支点片174aの後端部のみに接触している。
【0046】
第一アーム体171の先端部(前端部)と第二アーム体172の先端部(後端部)とは、互いに回動可能に連結される。二組のアーム部材170・170における第一アーム体171と第二アーム体172との連結部分は、回転軸177で連結されている。なお、開き止め機構107において、回転軸177を設けず、第一アーム体171と第二アーム体172とをリベットなどで回動可能に連結するだけの構成(アーム部材170・170における第一アーム体171と第二アーム体172との連結部分を左右で連結しない構成)とすることも可能である。
【0047】
第一アーム体171の先端部には、第一アーム体171と第二アーム体172との相対回転を規制するための規制部171aが形成されている。脚立110が脚立状態となってアーム部材170が伸長した際には、第二アーム体172が規制部171aに当接することにより、回転軸177が下方に変位する方向にアーム部材170が屈曲しないように構成される。
【0048】
図6及び図7に示す如く脚立110を脚立状態とした場合は、踏桟4・4が二組の伸長したアーム部材170・170により連結されているため、梯子体2・2は互いに近接又は離間する方向に相対回転しない。このため、梯子体2・2のなす角度は約30度のままであり、脚立110は脚立状態を維持する。
【0049】
本実施形態に係る脚立110においては図6から図9に示す如く、開き止め機構107は、アーム部材170・170により連結される一対の踏桟4・4のそれぞれの近傍に、アーム部材170・170が伸長した状態から屈曲した状態へと変形可能な操作部として、二組のアーム部材170・170を連結する第一連結部材175及び第二連結部材176が設けられる。
【0050】
図7及び図8に示す如く、第一連結部材175及び第二連結部材176は第一支持部材173及び第二支持部材174に形成された長孔に挿通されることにより、第一支持部材173及び第二支持部材174において上下に変位可能に支持される。
【0051】
図7に示す如く、第一連結部材175は、回動支点である第一支点片173a(より詳細には、第一支点片173aの前端部)よりも、第一アーム体171の基端側で、アーム部材170・170を連結する。また、第二連結部材176は、回動支点である第二支点片174a(より詳細には、第二支点片174aの後端部)よりも、第二アーム体172の基端側で、アーム部材170・170を連結する。
【0052】
脚立110の使用者が脚立110を閉状態とする場合は、図8に示す如く、手前側の梯子体2を少し持ち上げた状態で、第一連結部材175(第二連結部材176についても同様)を操作して下方に変位させる。これにより、第一アーム体171が回動支点である第一支点片173aの前端部を中心にして回動し、図8に示す如く第一支点片173aに沿って接触する角度(第一支点片173aと平行となる角度)に変位する。このため、アーム部材170・170が伸長した状態から屈曲した状態へと変形可能となる。これにより、梯子体2・2の角度規制が解除され、梯子体2・2のなす角度が約30度よりも小さくなるように梯子体2・2を回動させることができる。
【0053】
そして、手前側の梯子体2の自重により梯子体2・2は近接し、梯子体2・2のなす角度が約0度に近づくことにより、脚立110は図9に示す如く閉状態となる。このように、脚立状態の際に第一アーム体171と第二アーム体172とからなるアーム部材170を屈曲することにより、脚立110は梯子体2・2が近接した閉状態となる。
【0054】
このように、脚立110が脚立状態の際に、使用者が操作部である第一連結部材175(第二連結部材176)の下方への操作を踏桟4の近傍で行うことにより、片手により自然な姿勢でアーム部材170を屈曲させて脚立110を閉状態とすることができる。即ち、使用者は手前側の梯子体2を持ち上げてもう一方の梯子体2に近接させることにより脚立110の閉成操作を行うことができ、そのまま片手で脚立110を持ち上げて移動させることができる。
【0055】
また、図7に示す如く、脚立110において第一連結部材175(第二連結部材176)は、脚立状態において第一連結部材175(第二連結部材176)と近接する踏桟4の上面よりも下方に位置するように配置される。これにより、使用者が脚立110を昇降する際に第一連結部材175(第二連結部材176)が使用者の昇降動作を阻害することを防止している。なお、本実施形態において、操作部である連結部材を、第一連結部材175と第二連結部材176との何れか一方のみとすることも可能である。
【0056】
[第三実施形態・脚立210]
次に、図10から図13を用いて、本発明の第三実施形態に係る脚立210について説明する。本実施形態に係る脚立210は、脚立状態において、梯子体2・2のなす角度を規定するとともに互いの相対変位(回転)を規制する、開き止め機構207を備える。本実施形態における開き止め機構207は、梯子体2・2において対向して近接離間する一対の踏桟4・4(最上段の踏桟4・4)を連結する二組のアーム部材270・270を備える。
【0057】
本実施形態に係る脚立210において、それぞれのアーム部材270は一対のアーム体として第一アーム体271と第二アーム体272とを備える。第一アーム体271の基端部(後端部)は、第一支持部材273を介して、後側の梯子体2における踏桟4に回動可能に支持される。また、第二アーム体272の基端部(前端部)は、第二支持部材274を介して、前側の梯子体2における踏桟4に回動可能に支持される。
【0058】
第一アーム体271の先端部(前端部)と第二アーム体272の先端部(後端部)とは、互いに回動可能に連結される。第一アーム体271の先端部には、第一アーム体271と第二アーム体272との相対回転を規制するための規制部271aが形成されている。脚立210が脚立状態となってアーム部材270が伸長した際には、第二アーム体272が規制部271aに当接することにより、アーム部材270が下方に屈曲しないように構成される。
【0059】
図10及び図11に示す如く脚立210を脚立状態とした場合は、踏桟4・4が二組の伸長したアーム部材270・270により連結されているため、梯子体2・2は互いに近接又は離間する方向に相対回転しない。このため、梯子体2・2のなす角度は約30度のままであり、脚立210は脚立状態を維持する。
【0060】
本実施形態に係る脚立210においては図10から図13に示す如く、開き止め機構207は、アーム部材270・270により連結される一対の踏桟4・4のそれぞれの近傍に、アーム部材270・270が伸長した状態から屈曲した状態へと変形可能な操作部として、二組のアーム部材270・270を連結する第一連結部材275及び第二連結部材276が設けられる。
【0061】
図11に示す如く、第一連結部材275は、第一アーム体271の基端部における回動軸(第一支持部材273が第一アーム体271を回動支持する回動軸)よりも、第一アーム体271の先端側で、二組のアーム部材270・270を連結する。また、第二連結部材276は、第二アーム体272の基端部における回動軸(第二支持部材274が第二アーム体272を回動支持する回動軸)よりも、第二アーム体272の先端側で、二組のアーム部材270・270を連結する。
【0062】
脚立210の使用者が脚立210を閉状態とする場合は、図12に示す如く、手前側の梯子体2を少し持ち上げた状態で、第一連結部材275(第二連結部材276についても同様)を操作して上方に変位させる。これにより、第一アーム体271が第一支持部材273における回動軸を中心にして回動するため、アーム部材270・270が伸長した状態から屈曲した状態へと変形可能となる。これにより、梯子体2・2の角度規制が解除され、梯子体2・2のなす角度が約30度よりも小さくなるように梯子体2・2を回動させることができる。
【0063】
そして、手前側の梯子体2の自重により梯子体2・2は近接し、梯子体2・2のなす角度が約0度に近づくことにより、脚立210は図13に示す如く閉状態となる。このように、脚立状態の際に第一アーム体271と第二アーム体272とからなるアーム部材270を屈曲することにより、脚立210は梯子体2・2が近接した閉状態となる。
【0064】
このように、脚立210が脚立状態の際に、使用者が操作部である第一連結部材275(第二連結部材276)の上方への操作を踏桟4の近傍で行うことにより、片手により自然な姿勢でアーム部材270を屈曲させて脚立210を閉状態とすることができる。即ち、使用者は手前側の梯子体2を持ち上げてもう一方の梯子体2に近接させることにより脚立210の閉成操作を行うことができ、そのまま片手で脚立210を持ち上げて移動させることができる。
【0065】
また、図11に示す如く、脚立210において第一連結部材275(第二連結部材276)は、脚立状態において第一連結部材275(第二連結部材276)と近接する踏桟4の上面よりも下方に位置するように配置される。これにより、使用者が脚立210を昇降する際に第一連結部材275(第二連結部材276)が使用者の昇降動作を阻害することを防止している。
【0066】
また、図11に示す如く、脚立210において第一連結部材275(第二連結部材276)は、脚立状態において第一アーム体271(第二アーム体272)の基端部における回動軸よりも上方に位置するように配置される。これにより、脚立状態で第一連結部材275(第二連結部材276)が第一アーム体271(第二アーム体272)の回動軸より上方に位置するため、アーム部材270・270の引き上げ操作を容易に行うことが可能となる。なお、本実施形態において、操作部である連結部材を、第一連結部材275と第二連結部材276との何れか一方のみとすることも可能である。
【0067】
[第四実施形態・脚立310]
次に、図14を用いて、本発明の第四実施形態に係る脚立310について説明する。本実施形態に係る脚立310は、脚立状態において、梯子体2・2のなす角度を規定するとともに互いの相対変位(回転)を規制する、開き止め機構307を備える。本実施形態における開き止め機構307は、梯子体2・2において対向して近接離間する一対の踏桟4・4(最上段の踏桟4・4)を連結する二組のアーム部材370・370を備える。
【0068】
本実施形態に係る脚立310において、それぞれのアーム部材370は一対のアーム体として第一アーム体371と第二アーム体372とを備える。第一アーム体371の基端部(後端部)は、第一支持部材373を介して、後側の梯子体2における踏桟4に回動可能に支持される。また、第二アーム体372の基端部(前端部)は、第二支持部材374を介して、前側の梯子体2における踏桟4に回動可能に支持される。
【0069】
第一アーム体371の先端部(前端部)と第二アーム体372の先端部(後端部)とは、互いに回動可能に連結される。二組のアーム部材370・370における第一アーム体371と第二アーム体372との連結部分は、回転軸375で連結されている。なお、開き止め機構307において、回転軸375を設けず、第一アーム体371と第二アーム体372とをリベットなどで回動可能に連結するだけの構成(アーム部材370・370における第一アーム体371と第二アーム体372との連結部分を左右で連結しない構成)とすることも可能である。
【0070】
第一アーム体371の先端部には、第一アーム体371と第二アーム体372との相対回転を規制するための規制部371aが形成されている。脚立310が脚立状態となってアーム部材370が伸長した際には、第二アーム体372が規制部371aに当接することにより、回転軸375が下方に変位する方向にアーム部材370が屈曲しないように構成される。
【0071】
図14に示す如く脚立310を脚立状態とした場合は、踏桟4・4が二組の伸長したアーム部材370・370により連結されているため、梯子体2・2は互いに近接又は離間する方向に相対回転しない。このため、梯子体2・2のなす角度は約30度のままであり、脚立310は脚立状態を維持する。
【0072】
本実施形態に係る脚立310においては図14に示す如く、開き止め機構307は、アーム部材370・370が伸長した状態から屈曲した状態へと変形可能な操作部376が設けられる。操作部376は回転軸375に対して回転自在に、回転軸375に取付けられる。
【0073】
脚立310の使用者が脚立310を閉状態とする場合は、操作部376を回転軸375よりも上側(アーム部材370・370よりも上側)に回転変位させた状態で操作部376を上方に変位させる。これにより、アーム部材370・370が伸長した状態から屈曲した状態へと変形する。これにより、梯子体2・2の角度規制が解除され、梯子体2・2のなす角度が約30度よりも小さくなるように梯子体2・2を回動させることができる。
【0074】
そして、一対の梯子体2・2は自重により近接し、梯子体2・2のなす角度が約0度に近づくことにより、脚立310は閉状態となる。このように、脚立状態の際にアーム部材370を屈曲することにより、脚立310は梯子体2・2が近接した閉状態となる。
【0075】
このように、脚立310が脚立状態の際に、使用者が操作部376を回転軸375よりも上側(アーム部材370・370よりも上側)で持ち上げることにより、片手により自然な姿勢でアーム部材370を屈曲させて脚立310を閉状態とすることができる。即ち、使用者は手前側の梯子体2を持ち上げてもう一方の梯子体2に近接させることにより脚立310の閉成操作を行うことができ、そのまま片手で脚立310を持ち上げて移動させることができる。
【0076】
また、図14に示す如く、脚立状態の脚立310において、操作部376は操作時の操作部376の位置よりも下方(より詳細には、回転軸375の下方)に位置するように配置される。これにより、使用者が脚立310を昇降する際に操作部376が使用者の昇降動作を阻害することを防止している。
【0077】
脚立310の脚立状態において操作部376が操作時よりも下方に位置する構成については、本実施形態と異なる構成とすることも可能である。例えば、操作部376の長さをアーム部材370・370の間隔よりも長くすることにより、操作部376がアーム部材370・370よりも下方に変位しない構成とすることも可能である。また、操作部376の回動領域を規制したり、操作部376と回動軸375とを繋ぐ部材をアーム部材370・370の外側に設けたりすることにより、操作部376がアーム部材370・370よりも下方に変位しない構成とすることも可能である。
【0078】
なお、操作部376については、脚立310の脚立状態において操作時から変位しない構成(操作時と同じ姿勢を維持する構成)としても差し支えない。例えば、操作部376が回動変位しないように位置規制することにより、操作部376が操作時の姿勢から変位しない構成とすることも可能である。この場合でも、脚立310が脚立状態の際に、使用者が操作部376を回転軸375よりも上側で持ち上げることにより、片手により自然な姿勢でアーム部材370を屈曲させて脚立310を閉状態とすることができる。
【0079】
[第五実施形態・脚立410]
次に、図15を用いて、本発明の第五実施形態に係る脚立410について説明する。本実施形態に係る脚立410は、脚立状態において、梯子体2・2のなす角度を規定するとともに互いの相対変位(回転)を規制する、開き止め機構407を備える。本実施形態における開き止め機構407は、梯子体2・2において対向して近接離間する一対の踏桟4・4(最上段の踏桟4・4)を連結する二組のアーム部材470・470を備える。
【0080】
本実施形態に係る脚立410において、それぞれのアーム部材470は一対のアーム体として第一アーム体471と第二アーム体472とを備える。第一アーム体471の基端部(後端部)は、第一支持部材473を介して、後側の梯子体2における踏桟4に回動可能に支持される。また、第二アーム体472の基端部(前端部)は、第二支持部材474を介して、前側の梯子体2における踏桟4に回動可能に支持される。
【0081】
第一アーム体471の先端部(前端部)と第二アーム体472の先端部(後端部)とは、互いに回動可能に連結される。二組のアーム部材470・470における第一アーム体471と第二アーム体472との連結部分は、回転軸475で連結されている。
【0082】
第一アーム体471の先端部には、第一アーム体471と第二アーム体472との相対回転を規制するための規制部471aが形成されている。脚立410が脚立状態となってアーム部材470が伸長した際には、第二アーム体472が規制部471aに当接することにより、回転軸475が下方に変位する方向にアーム部材470が屈曲しないように構成される。
【0083】
図15に示す如く脚立410を脚立状態とした場合は、踏桟4・4が二組の伸長したアーム部材470・470により連結されているため、梯子体2・2は互いに近接又は離間する方向に相対回転しない。このため、梯子体2・2のなす角度は約30度のままであり、脚立410は脚立状態を維持する。
【0084】
本実施形態に係る脚立410においては図15に示す如く、開き止め機構407は、アーム部材470・470が伸長した状態から屈曲した状態へと変形可能な操作部476が設けられる。操作部476は回転軸475に対して連結板477・477を介して組付けられる。連結板477・477には長孔477a・477aが開口され、長孔477a・477aに回転軸475が挿通される。これにより、操作部476は回転軸475に対して回転自在かつ近接離間可能に取付けられる。
【0085】
脚立410の使用者が脚立410を閉状態とする場合は、操作部476を回転軸475よりも上側に回転変位させた状態で操作部476を上方に変位させる。これにより、アーム部材470・470が伸長した状態から屈曲した状態へと変形する。これにより、梯子体2・2の角度規制が解除され、梯子体2・2のなす角度が約30度よりも小さくなるように梯子体2・2を回動させることができる。
【0086】
そして、一対の梯子体2・2は自重により近接し、梯子体2・2のなす角度が約0度に近づくことにより、脚立410は閉状態となる。このように、脚立状態の際にアーム部材470を屈曲することにより、脚立410は梯子体2・2が近接した閉状態となる。
【0087】
このように、脚立410が脚立状態の際に、使用者が操作部476を回転軸475よりも上側で持ち上げることにより、片手により自然な姿勢でアーム部材470を屈曲させて脚立410を閉状態とすることができる。即ち、使用者は手前側の梯子体2を持ち上げてもう一方の梯子体2に近接させることにより脚立410の閉成操作を行うことができ、そのまま片手で脚立410を持ち上げて移動させることができる。
【0088】
また、図15に示す如く、脚立状態の脚立410において、操作部476を回転軸475に近接させることにより、操作時の操作部476の位置よりも下方に配置できる。これにより、使用者が脚立410を昇降する際に操作部476が使用者の昇降動作を阻害することを防止している。
【0089】
[第六実施形態・脚立510]
次に、図16から図20を用いて、本発明の第六実施形態に係る脚立510について説明する。本実施形態に係る脚立510は、一対の梯子体2・2のなす角度に応じて、以下の三つの形態をとることができる。
【0090】
第一の形態は、図16及び図17に示す如く梯子体2・2のなす角度を約30度として、4本の支柱3で脚立510を支える脚立状態である。第二の形態は、図18に示す如く梯子体2・2のなす角度を約0度に近接させる閉状態である。第三の形態は、図19及び図20に示す如く梯子体2・2のなす角度を約180度に開く梯子状態である。
【0091】
脚立510は、梯子状態を維持するためのロック部材508を備える。ロック部材508は、第二ヒンジ部6bにおいて回転支持部508aで回転可能に支持される。図19に示す如く、脚立510を梯子状態とした際には、ロック部材508の先端が第一ヒンジ部6aに形成されたロックピンPに係合される。これにより、梯子体2・2の相対変位が規制され、脚立510が梯子状態を維持する。
【0092】
脚立510は、脚立状態において、梯子体2・2のなす角度を規定するとともに互いの相対変位(回転)を規制する、開き止め機構507を備える。本実施形態における開き止め機構507は、梯子体2・2において対向して近接離間する一対の踏桟4・4(最上段の踏桟4・4)を連結する二組のアーム部材570・570を備える。
【0093】
本実施形態に係る脚立510において、それぞれのアーム部材570は一対のアーム体として第一アーム体571と第二アーム体572とを備える。第一アーム体571の基端部(後端部)は、第一支持部材573を介して、後側の梯子体2における踏桟4に回動可能に支持される。第一支持部材573には、梯子状態において第二アーム体572の基端部である被固定部572aが固定される固定部573aが形成される。
【0094】
また、第二アーム体572の基端部(前端部)に形成された被固定部572aは、第二支持部材574を介して、前側の梯子体2における踏桟4に回動可能に支持される。本実施形態において、第二アーム体572の被固定部572aは第二支持部材574に対して、ボルト・ナット等の固定部材を介して着脱可能とされる。
【0095】
第一アーム体571の先端部(前端部)と第二アーム体572の先端部(後端部)とは、互いに回動可能に連結される。二組のアーム部材570・570における第一アーム体571と第二アーム体572との連結部分は、操作部575で連結されている。
【0096】
第一支持部材573には、第一アーム体571の回動角度を規制するための規制部573bが形成されている。また、第二支持部材574には、第二アーム体572の回動角度を規制するための規制部574aが形成されている。脚立510が脚立状態となってアーム部材570が伸長した際には、第一アーム体571が規制部573bに当接し、第二アーム体572が規制部574aに当接しすることにより、操作部575が下方に変位する方向にアーム部材570が屈曲しないように構成される。なお、規制部は例えば第一アーム体571の先端上面側に形成されていてもよく、操作部575が下方に変位する方向にアーム部材570が屈曲しないように第一アーム体571と第二アーム体572の相対回転を規制できればよい。
【0097】
図16及び図17に示す如く脚立510を脚立状態とした場合は、踏桟4・4が二組の伸長したアーム部材570・570により連結されているため、梯子体2・2は互いに近接又は離間する方向に相対回転しない。このため、梯子体2・2のなす角度は約30度のままであり、脚立510は脚立状態を維持する。
【0098】
本実施形態に係る脚立510においては図16及び図17に示す如く、開き止め機構507は、アーム部材570・570が伸長した状態から屈曲した状態へと変形可能な操作部575が設けられる。
【0099】
脚立510の使用者が脚立510を閉状態とする場合は、操作部575を上方に変位させる。これにより、アーム部材570・570が伸長した状態から屈曲した状態へと変形する。これにより、梯子体2・2の角度規制が解除され、梯子体2・2のなす角度が約30度よりも小さくなるように梯子体2・2を回動させることができる。
【0100】
そして、一対の梯子体2・2は自重により近接し、梯子体2・2のなす角度が約0度に近づくことにより、脚立510は閉状態となる。このように、脚立状態の際にアーム部材570を屈曲することにより、脚立510は梯子体2・2が近接した閉状態となる。
【0101】
図19及び図20に示す如く、脚立510を梯子状態とした際は、第二アーム体572を第一アーム体571の下側に回動変位させる。そして、第二アーム体572の被固定部572aは第一支持部材573の固定部573aに固定される。この際、図20に示す如く、梯子状態の脚立510のどちらの梯子体2を上にして使用した場合でも、操作部575が固定された踏桟4の上面よりも操作部575が下方に位置するように配置される。これにより、使用者が梯子状態の脚立510を使用する際に操作部575が使用者の昇降動作を阻害せず、アーム部材570を安定的に保持することを可能としている。
【符号の説明】
【0102】
2 梯子体 3 支柱
3a 端具 4 踏桟
5 天板 6 ヒンジ
6a 第一ヒンジ部 6b 第二ヒンジ部
6c 回動支持部 7 開き止め機構
10 脚立(第一実施形態)
70 アーム部材 71 第一アーム体
71a 規制部 72 第二アーム体
73 第一支持部材 74 第二支持部材
75 回転軸 76 レバー部(操作部)
76a 操作片 76b 回動軸
76c 当接部 76d 平面部
77 支持部 77a 溝部
78 係合部(操作部)
107 開き止め機構
110 脚立(第二実施形態)
170 アーム部材 171 第一アーム体
171a 規制部 172 第二アーム体
173 第一支持部材 173a 第一支点片
174 第二支持部材 174a 第二支点片
175 第一連結部材(操作部)
176 第二連結部材(操作部)
177 回転軸
207 開き止め機構
210 脚立(第三実施形態)
270 アーム部材 271 第一アーム体
271a 規制部 272 第二アーム体
273 第一支持部材 274 第二支持部材
275 第一連結部材(操作部)
276 第二連結部材(操作部)
307 開き止め機構
310 脚立(第四実施形態)
370 アーム部材 371 第一アーム体
371a 規制部 372 第二アーム体
373 第一支持部材 374 第二支持部材
375 回転軸 376 操作部
407 開き止め機構
410 脚立(第五実施形態)
470 アーム部材 471 第一アーム体
471a 規制部 472 第二アーム体
473 第一支持部材 474 第二支持部材
475 回転軸 476 操作部
477 連結板 477a 長孔
507 開き止め機構 508 ロック部材
508a 回転支持部
510 脚立(第六実施形態)
570 アーム部材 571 第一アーム体
571a 規制部 572 第二アーム体
572a 被固定部 573 第一支持部材
573a 固定部 574 第二支持部材
575 操作部
P ロックピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20