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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053306
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】脱水機
(51)【国際特許分類】
   D06F 49/00 20060101AFI20240408BHJP
   D06F 37/24 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
D06F49/00 A
D06F37/24 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159475
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】397001396
【氏名又は名称】ツカサ電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099634
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 安雄
(72)【発明者】
【氏名】安荘 智弘
【テーマコード(参考)】
3B165
3B168
【Fターム(参考)】
3B165AA23
3B165AD08
3B165AE01
3B165AE02
3B165AE12
3B165BA23
3B165BA24
3B165CA01
3B165CA11
3B165CB01
3B165CB31
3B165CD05
3B165CD06
3B165CD18
3B165DW05
3B165GA02
3B165GH03
3B168AA23
3B168AD08
3B168AE01
3B168AE02
3B168AE12
3B168BA23
3B168BA24
(57)【要約】
【課題】電動モータを支持する枠体への負担が小さく、振動及び振動による騒音を抑制した脱水機を提供する。
【解決手段】脱水機1は、装置本体の外側を覆うケース2と、ケース2の内側に配設され、上部が開放されて筒状体で形成される内部容器3と、内部容器3の内側に配設され、対象物が投入される脱水籠5と、ケース2の上部に開閉自在に取り付けられ、内部容器3の上部開口部を遮蔽する蓋体4と、脱水籠5に接続されて当該脱水籠5を回転駆動する電動モータ7と、電動モータ7を支持し、支持手段11を介してケース2内に固定される枠体8とを備え、電動モータ7が、軸方向Aに沿って配置され、弾性体を有する防振手段11を介して、枠体8に支持される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の外側を覆うケースと、
前記ケースの内側に配設され、上部が開放されて筒状体で形成される内部容器と、
前記内部容器の内側に配設され、対象物が投入される脱水籠と、
前記ケースの上部に開閉自在に取り付けられ、前記内部容器の上部開口部を遮蔽する蓋体と、
前記脱水籠に接続されて当該脱水籠を回転駆動する電動モータと、
前記電動モータを支持し、支持手段を介して前記ケース内に固定される枠体とを備え、
前記電動モータが、軸方向に沿って配置され、弾性体を有する防振手段を介して、前記枠体に支持されることを
特徴とする脱水機。
【請求項2】
請求項1に記載の脱水機において、
前記防振手段が、前記電動モータと前記枠体との間に、軸方向に沿って配設されることを
特徴とする脱水機。
【請求項3】
請求項1に記載の脱水機において、
前記防振手段が、前記枠体の軸方向上面に、軸方向に沿って配設されることを
特徴とする脱水機。
【請求項4】
請求項1に記載の脱水機において、
前記防振手段の防振特性が、前記支持手段の防振特性と異なることを
特徴とする脱水機。
【請求項5】
請求項1に記載の脱水機において、
前記防振手段における弾性体が、防振ゴム又はコイルばねであることを
特徴とする脱水機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータを支持する枠体への負担が小さく、振動及び振動による騒音を抑制した脱水機に関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツジムやスイミングスクールなどには、水に濡れた水着などを短時間で脱水することができる脱水機が設置されている。
【0003】
脱水の際、被乾燥物が脱水籠内で偏在していると、脱水籠の回転時に脱水籠の偏心が大きくなり、振動や騒音の原因となってしまう。
【0004】
従来の脱水機では、上面に開閉蓋を有する機本体内の上位に設置した水受枡の内部に、上面が開口した脱水篭を設け、該脱水篭の支持シャフトを水受枡の底面下に設置した駆動モータに連繋してなる脱水機において、駆動モータがその四囲を防震手段に支持される構成が開示され、駆動モータの高速化に対応するものとしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5781901号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に示す脱水機は、防震手段の詳細な構成は不明であるが、脱水篭又はこれに連結される駆動モータの振動を当該防震手段で抑制し、その結果として、装置から発せられる騒音を低減できることが期待される。しかしながら、防振手段で振動を吸収する前に、駆動モータと防震手段とを繋ぐ枠体に、駆動モータからの振動のすべてが直接的に伝えられるため、枠体への負担が大きく、また、枠体の揺れによって騒音が発生するという課題を有していた。さらには、枠体の揺れ(振動)が装置本体にも伝搬され、装置自体の振動及び当該振動による騒音を生じさせるという課題を有していた。
【0007】
本発明は、上記課題を解消するためになされたものであり、電動モータを支持する枠体への負担が小さく、振動及び振動による騒音を抑制した脱水機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る脱水機は、装置本体の外側を覆うケースと、ケースの内側に配設され、上部が開放されて筒状体で形成される内部容器と、内部容器の内側に配設され、対象物が投入される脱水籠と、ケースの上部に開閉自在に取り付けられ、内部容器の上部開口部を遮蔽する蓋体と、脱水籠に接続されて当該脱水籠を回転駆動する電動モータと、電動モータを支持し、支持手段を介してケース内に固定される枠体とを備え、電動モータが、軸方向に沿って配置され、弾性体を有する防振手段を介して、枠体に支持される。
【0009】
このように本発明においては、電動モータとケース内に固定される枠体とが、軸方向に沿って配置される防振手段を介して連結されることから、電動モータにより脱水籠を回転させた際に発生する振動を電動モータから枠体に伝わる前に防振手段で吸収できることとなり、枠体への負担を小さくし、また、振動及び振動による騒音を抑制することができる。
【0010】
本発明に係る脱水機は、必要に応じて、防振手段が、電動モータと枠体との間に、軸方向に沿って配設される。
【0011】
このように本発明においては、電動モータと枠体との間に、軸方向に沿って防振手段が配設されることから、電動モータにより脱水籠を回転させた際に発生する振動を電動モータから枠体に伝わる前に防振手段で吸収できることとなり、枠体への負担を小さくし、また、振動及び振動による騒音を抑制することができる。
【0012】
本発明に係る脱水機は、必要に応じて、防振手段が、枠体の軸方向上面に、軸方向に沿って配設される。
【0013】
このように本発明においては、枠体の軸方向上面に、防振手段が軸方向に沿って配設されることから、電動モータにより脱水籠を回転させた際に発生する振動を電動モータから枠体に伝わる前に防振手段で吸収できることとなり、枠体への負担を小さくし、また、振動及び振動による騒音を抑制することができる。
【0014】
本発明に係る脱水機は、必要に応じて、防振手段の防振特性が、前記支持手段の防振特性と異なる。
【0015】
このように本発明においては、防振手段の防振特性と支持手段の防振特性とが異なっていることから、防振手段で減衰できる振動周波数と支持手段で減衰できる振動周波数とを異なるものとすることができることとなり、より広い範囲の周波数を減衰して、効果的に振動及び振動による騒音を抑制することができる。
【0016】
本発明に係る脱水機は、必要に応じて、防振手段における弾性体が、防振ゴム又はコイルばねである。
【0017】
このように本発明においては、防振手段における弾性体を防振ゴム又はコイルばねとすることから、枠体への負担が小さく、振動、騒音を低減することができる。特に、防振手段における弾性体を防振ゴムとする場合には、コイルばねでは吸収することが困難であった、脱水籠を回転させた際に生じる歳差運動による振動を防振ゴムで効果的に吸収できることとなり、より枠体への負担が小さく、振動、騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施形態に係る脱水機の上部の左側面投影図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る脱水機の背面投影図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る脱水機の防振手段近傍における分解斜視図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る脱水機の背面投影図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係る脱水機の防振手段近傍における分解斜視図である。
図6】従来の脱水機における電動モータ近傍の分解斜視図である。
図7】実施例における従来の脱水機と本発明の脱水機との経過時間に対する騒音の大きさの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る脱水機について、図1ないし図3を用いて説明する。本実施形態の全体を通して、同じ要素には同じ符号を付している。
【0020】
本実施形態に係る脱水機1は、例えば、スイミングスクールやスポーツジムなどで使用された水着を急速に脱水するものであり、装置本体の外側を覆うケース2と、当該ケース2の内部に、上部が開放されて筒状体形成される内部容器である集水籠3とを備える。
【0021】
ケース2の上部には、集水籠3の上部開口部を遮蔽するための蓋体4が開閉自在に取り付けられている。
【0022】
集水籠3は、その内部に、脱水の対象となる被乾燥物を投入するために上部が開放されて筒状態で形成される脱水籠5を有し、この脱水籠5の側面には、脱水により搾り出された水分を排出するための脱水孔6が形成されている。集水籠3の側面内側と脱水籠5の側面外側は非接触状態となっており、脱水孔6から排出された水分は、集水籠3の側面内側に当たって下方に排水されるようになっている。
【0023】
蓋体4は、脱水中で脱水籠5が回転駆動されている間は、安全性を確保するためにロックされた状態となる。
【0024】
脱水籠5の下方には、当該脱水籠5に接続されて脱水籠5を回転駆動させる電動モータ7が配設されている。
電動モータ7の駆動軸は、ケース2に固定されたベアリングなどによって支持され、その先端部分が脱水籠5に固定されている。これにより、電動モータ7の駆動軸の回転が、脱水籠5に伝達されて脱水籠5が回転される。
【0025】
電動モータ7は、当該電動モータ7を宙に浮かせた状態で保持する枠体8に連結されている。枠体8は、軸方向Aにそって配設される支持手段9を介して、ケース2の内側中段部分に設置された設置台10に固定される。
【0026】
電動モータ7と枠体8との間には、軸方向Aに沿って、複数の防振手段11が配設されている。
【0027】
防振手段11は、電動モータ7の上面に、モータブラケットを介して周方向に等間隔で複数設置されており、図3に示す例では、周方向に90度ごとに四つの防振手段11が設置されている。
【0028】
防振手段11は、弾性体としての円筒状の防振ゴム12と、防振ゴム12を上下から挟持する扁平円筒状の支持部材13、14と、防振ゴム12及び二つの支持部材13、14の中心に軸方向Aに沿って挿通されるピン15とを有する。
ピン15の両端は、上下の支持部材13、14から突出しており、それぞれ電動モータ7のブラケット、枠体8に固定される。
防振ゴム12は、その他の弾性体、例えば、コイルばねであってもよい。
【0029】
防振ゴム12としては、電動モータ7からの振動や後述する歳差運動を吸収できるものであれば特に制限されないが、圧縮バネ定数が50ないし150(N/mm)のものを使用できる。
【0030】
枠体8は、下方に開放した本体部分8aと、本体部分8aの側面下端から水平方向に延在する鍔部分8bとを備える。
【0031】
本体部分8aの底面には、円形状の開口部分が形成されている。電動モータ7の駆動軸は、この開口部分を通して脱水籠5に接続されることとなる。
また、本体部分8aの底面内側に、防振手段11のピン15が固定される。
【0032】
鍔部分8bは、図3に示す例では、支持手段9の設置個数に合わせて周方向に120度ごとに三つ形成されているが、これに限定されない。
鍔部分8bには、孔8cと、孔8cの左右に二つの孔8dが形成されている。
【0033】
支持手段9は、鍔部分8bの下面及び設置台10間に固定される。支持手段9としては、洗濯機や脱水機等において電動モータを支持する枠体を装置本体に固定するために使用される従来公知のものを使用することができ、その詳細は省略するが、例えば、二つの扁平状支持部材間に弾性体としてのコイルばねや防振ゴムが固定された構成となっている。弾性体がコイルばねである場合、コイルばね全体がポリ塩化ビニル(PVC)などのカバーによって覆われていてもよい。
【0034】
支持手段9は、防振手段11とは異なり、枠体8も含めて支持する構成となっていることから、防振手段11と比較して強度、剛性が大きくなるように選択されることが好ましく、これにより、支持手段9と防振手段11との防振特性を異なるものとすることができる。
【0035】
支持手段9上部の支持部材9a上面には、中心に形成された貫通孔9bと、貫通孔9bの左右で枠体8側に突出した二つの凸部9cとが形成されている。
この凸部9cが枠体8の鍔部分8bにおける孔8dに係止されるとともに、固定具8eが鍔部分8bの孔8c及び貫通孔9bを介して、支持手段9の上下に挿通されることによって、支持手段9に枠体8が固定される。
【0036】
支持手段9における弾性体としては、上記した防振手段11で使用可能な防振ゴムやコイルばねを用いることができる。
【0037】
このように、防振手段11の防振特性と支持手段9の防振特性とが異なっていることから、防振手段11で減衰できる振動周波数と支持手段9で減衰できる振動周波数とを異なるものとすることができることとなり、より広い範囲の周波数を減衰して、効果的に振動及び振動による騒音を抑制することができる。
【0038】
また、防振手段11の設置個数と支持手段9の設置個数とが異なることから、防振手段11の防振特性と支持手段9の防振特性とが異なり、防振手段11で減衰できる振動周波数と支持手段9で減衰できる振動周波数とを異なるものとすることができることとなり、より広い範囲の周波数を減衰して、効果的に振動及び振動による騒音を抑制することができる。
【0039】
防振手段11と支持手段9との防振特性は、その設置個数だけでなく、周方向における設置位置を異なる位置などとすることによっても異なるものとすることができる。
【0040】
集水籠3の下方には、排水ホース16に接続するための孔が空いており、この孔が排水ホース16と接続されて集水籠3内部に生じた水分を排水する。排水ホース16は、装置本体の下段部分に設置された排水容器17に接続されており、排水ホース16を伝った水分が排水容器17に溜まるようになっている。
排水容器17は装置本体から取り外し自在になっており、排液がある程度溜まったら定期的に廃棄できるようになっている。
なお、脱水の際に生じた水分の排水は、排水ホース16を装置本体外に引き出して排水口に接続し、当該排水口に直接廃棄するようにしてもよい。
【0041】
また、ケース2の上部には、被乾燥物の脱水を行うための脱水ボタンなど、利用者が操作するための操作パネル18が設けられている。
【0042】
以上にように、電動モータ7と枠体8との間に、軸方向Aに沿って防振手段11が配設されることから、電動モータ7により脱水籠5を回転させた際に発生する振動を電動モータ7から枠体8に伝わる前に防振手段11で吸収できることとなり、枠体8への負担を小さくし、また、振動及び振動による騒音を抑制することができる。
【0043】
また、防振手段11における弾性体を防振ゴム12とすることから、コイルばねでは吸収することが困難であった、脱水籠5を回転させた際に生じる歳差運動による振動を防振ゴム12で効果的に吸収できることとなり、より枠体8への負担が小さく、振動、騒音を低減することができる。
特に、撥水性を有する水着などを脱水する場合には、水着が偏在しやすく、脱水籠5(電動モータ7)の歳差運動による振動が大きく、これに伴い騒音が大きくなる傾向がある。これに対し、本実施形態に係る脱水機1は、電動モータ7と枠体8との間に、防振ゴム12を介在させていることから、コイルばねと比較して、より効果的にこの歳差運動に起因する振動を吸収できるものである。
【0044】
(本発明の第2の実施形態)
上記第1の実施形態に係る脱水機においては、電動モータと枠体との間に、軸方向に沿って防振手段を備える構成としているが、これに限らず、図4及び図5に示すように、枠体上方に、軸方向に沿って防振手段を備える構成とすることもできる。
【0045】
防振手段20は、枠体19の上面に、周方向に等間隔で複数設置されており、図5に示す例では、周方向に90度ごとに四つの防振手段20が設置されている。
【0046】
防振手段20は、弾性体としての円筒状の防振ゴム12と、防振ゴム12を上下から挟持する扁平円筒状の支持部材13、14と、防振ゴム12及び二つの支持部材13、14の中心に軸方向Aに沿って挿通されるピン21とを有する。
【0047】
ピン21は、円柱状の胴部21aと、胴部21aの一端に形成され、胴部21aよりも径の大きい扁平円柱状の頭部21bとを有する。
ピン21は、頭部21bの下面が上側の支持部材13の上面に当接するように配置されて固着されている。頭部21bは、支持部材13の上面に固着されていてもよいし、固着されていなくてもよい。
また、ピン21の頭部21bとは反対側の胴部21a端部は、電動モータ7のブラケットに固定されている。
【0048】
枠体19は、下方に開放した本体部分19aと、本体部分19aの側面下端から水平方向に延在する鍔部分19bとを備える。本体部分19aと電動モータ7のブラケットとは、直接的には接触していない。
【0049】
本体部分19aの底面には、円形状の開口部分が形成されている。電動モータ7の駆動軸は、この開口部分を通して脱水籠5に接続されることとなる。
また、本体部分19aの底面には、貫通孔19cが形成される。貫通孔19cの径は、ピン21の胴部21aの径よりも大きく形成され、ピン21は、この貫通孔19cの内側面に接触しないようにして貫通孔19cに挿通される。
【0050】
鍔部分19bは、図5に示す例では、支持手段9の設置個数に合わせて周方向に120度ごとに三つ形成されているが、これに限定されない。
鍔部分19bには、孔19dと、孔19dの左右に二つの孔19eが形成されている。
鍔部分19bの孔19eに支持手段9の凸部9bが係止されるとともに、固定具8eが鍔部分19bの孔19d及び支持手段9の貫通孔9bを介して、支持手段9の上下に挿通されることによって、支持手段9に枠体19が固定される。
【0051】
以上のように、枠体19の軸方向上面に、防振手段20が軸方向Aに沿って配設されることから、電動モータ7により脱水籠5を回転させた際に発生する振動を電動モータ7から枠体19に伝わる前に防振手段20で吸収できることとなり、枠体19への負担を小さくし、また、振動及び振動による騒音を抑制することができる。
【実施例0052】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0053】
図2及び図3で示されるような防振手段を備えた本発明の脱水機、並びに防振手段を備えていない、図6で示されるような支持手段のみを備えた従来の脱水機を用いて、経過時間(秒)に対する騒音の変化(dB)を測定した。
従来の脱水機としては、図6で示されるように、防振手段を介することなく、電動モータ107が枠体108に連結されて保持され、枠体108が軸方向に延在する支持手段109を介して設置台に固定された構成を有するものを使用した。
【0054】
騒音の測定は、偏心用のおもりとして粘土100gを脱水籠に投入して蓋体を閉じた後、操作パネルの脱水ボタンを押下して、脱水籠を回転させた状態で実施した。
【0055】
この状態で、脱水機の正面側に設置した騒音計LA-4440(小野測器社製)を用いて、脱水機から発せられる騒音を測定した。
騒音計は、電動モータ近傍の高さで、脱水機から300mm離れた位置に設置し、測定データをオシロスコープDLM2024(横河計測社製)に取り込んで解析した。
測定結果を図7に示す。
【0056】
図7に示されるように、脱水機の動作安定後、本発明の脱水機では、騒音が概ね67dB前後で測定され、従来の脱水機の騒音77dBと比較して、約10dBも騒音を低減できていることが確認された。また、脱水籠が不安定となりやすい、脱水機を起動させた直後においても、十分に騒音を抑えられていることが確認できる。
以上のことから、電動モータが、軸方向に沿って配される防振手段を介して枠体に支持されることによって、装置本体の振動及び振動による騒音を低減できることがわかる。
【符号の説明】
【0057】
1 脱水機
2 ケース
3 集水籠
4 蓋体
5 脱水籠
6 脱水孔
7 電動モータ
8 枠体
8a 本体部分
8b 鍔部分
8c、8d 孔
8e 固定具
9 支持手段
9a 支持部材
9b 貫通孔
9c 凸部
10 設置台
11 防振手段
12 防振ゴム
13、14 支持部材
15 ピン
16 排水ホース
17 排水容器
18 操作パネル
19 枠体
19a 本体部分
19b 鍔部分
19c 貫通孔
19d、19e 孔
20 防振手段
21 ピン
21a 胴部
21b 頭部
107 電動モータ
108 枠体
109 支持手段
A 軸方向

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7