(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053332
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】情報処理システム、及びホームセキュリティシステム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/00 20060101AFI20240408BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240408BHJP
G06Q 10/083 20230101ALI20240408BHJP
【FI】
G08B25/00 510E
G08B25/04 H
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159525
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 功昌
【テーマコード(参考)】
5C087
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5C087AA25
5C087BB18
5C087BB74
5C087DD05
5C087DD24
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG10
5C087GG66
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】配送サービスに伴うセキュリティを向上する。
【解決手段】情報処理システム10は、家屋20に設置され、ユーザの操作によって、動作モードを、家屋の監視を行わない解除モードと監視を行う監視モードとで切替え可能であり、ネットワーク400と通信可能なセキュリティ装置200を含むホームセキュリティシステム100と、ネットワークを通じてセキュリティ装置と通信可能に構成され、予め指定された家屋を含めた複数の配送先を経由する配送ルートを決定する処理装置310を含む配送システム300と、を備える。セキュリティ装置は、処理装置に動作モードが解除モードであるか監視モードであるかを特定するモード情報を通知する。処理装置は、モード情報を取得して、それに基づいて配送ルートを決定し、モード情報が解除モードである場合には家屋を配送ルートから削除せず、モード情報が監視モードである場合には家屋を配送ルートから削除する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家屋に設置され、ユーザの操作によって、動作モードを、前記家屋の監視を行わない「解除モード」と、前記家屋の監視を行う「監視モード」と、で切替え可能であり、外部の通信ネットワークと通信可能なセキュリティ装置と、
前記外部の通信ネットワークを通じて前記セキュリティ装置と通信可能に構成されて、予め指定された前記家屋を含めた複数の配送先を経由する配送ルートを決定する処理装置と、を備え、
前記セキュリティ装置は、前記処理装置に前記動作モードが「解除モード」であるか「監視モード」であるかを特定するモード情報を通知し、
前記処理装置は、前記モード情報を取得して、前記モード情報に基づいて前記配送ルートを決定し、前記モード情報が「解除モード」である場合には前記家屋を前記配送ルートから削除せず、前記モード情報が「監視モード」である場合には前記家屋を前記配送ルートから削除する処理を実行する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記処理装置は、前記外部の通信ネットワークを通じて配送員が装備する配送端末と通信可能であり、前記配送端末に前記配送ルートを通知し、前記配送端末に前記モード情報を通知しない、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記処理装置は、配送員がn番目の配送先へ移動する際に、前記配送員にn番目の配送先までの配送ルートを通知し、かつn+1番目以降の配送先までの配送ルートを通知しない、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記セキュリティ装置は、前記ユーザに対して前記情報処理システムに関する情報を報知する報知部を有し、
前記報知部は、所定の期間内における前記家屋への配送が期待される場合に、前記ユーザに対して荷物が配送予定であることを報知する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記報知部は、所定の期間内に前記家屋への配送が期待される場合に、前記ユーザの操作による前記モード情報の変更の操作があった場合に、前記動作モードの変更の要否を確認する、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
家屋に設置され、ユーザの操作によって、動作モードを、前記家屋の監視を行わない「解除モード」と、前記家屋の監視を行う「監視モード」と、で切替え可能であり、外部の通信ネットワークと通信可能なセキュリティ装置と、
前記外部のネットワークを通じて前記セキュリティ装置と通信可能に構成されるセキュリティ管理装置と、を備え、
前記セキュリティ管理装置は、配送員の携帯する配送端末と、前記家屋を含めた複数の配送先を経由する配送ルートを決定し、前記配送端末に前記配送ルートを通知する配送管理装置と、を有する配送システムと外部の通信ネットワークを通じて通信可能であって、
前記セキュリティ装置は、前記セキュリティ管理装置に前記動作モードが「解除モード」であるか「監視モード」であるかを特定するモード情報を通知し、
前記セキュリティ管理装置は、前記配送管理装置から前記モード情報の照会を受けて、前記配送管理装置に前記モード情報を通知し、
前記配送管理装置は、前記モード情報に基づいて前記配送ルートを決定し、前記モード情報が「解除モード」である場合には前記家屋を前記配送ルートに加え、前記モード情報が「監視モード」である場合には前記家屋を前記配送ルートから削除する処理を実行する、
ホームセキュリティシステム。
【請求項7】
前記配送管理装置は、前記配送端末に前記配送ルートを通知し、前記配送端末に前記モード情報を通知しない、
請求項6に記載のホームセキュリティシステム。
【請求項8】
前記配送管理装置は、前記配送員がn番目の配送先へ移動する際に、前記配送員にn番目の配送先までの配送ルートを通知し、n+1番目以降の配送先への配送ルートを通知しない、
請求項6に記載のホームセキュリティシステム。
【請求項9】
前記セキュリティ装置は、前記ユーザに対して前記情報処理システムに関する情報を報知する報知部を有し、
前記報知部は、所定の期間内における前記家屋への配送が期待される場合に、前記ユーザに対して荷物が配送予定であることを報知する、
請求項6に記載のホームセキュリティシステム。
【請求項10】
前記セキュリティ管理装置は、前記配送システムから所定の期間内に前記家屋への配送が期待される旨の配送予告を受けた場合に、前記セキュリティ装置に前記配送予告を通知し、
前記報知部は、前記セキュリティ装置が前記配送予告を受けた後に前記ユーザによる前記モード情報を変更する操作があった場合に、前記ユーザに前記動作モードの変更の要否を確認する、
請求項9に記載のホームセキュリティシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理システム、及びホームセキュリティシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の生活環境の変化に伴って、配送サービスの利用が盛んになっている。例えば、購入者は直接店舗まで出向かずオンラインで商品を注文し、販売業者は配送サービスを利用して購入者に商品を配送してもらうという商品販売形態が増加している。
【0003】
荷物を確実に受け取りたいというユーザの希望に応じ、また不在宅への訪問による配送員への過度の負担を軽減するため、配送業者は、配送を行う時間帯を予め特定して配送する時間帯指定配送サービスを提供している。
【0004】
また、特許文献1には、電力消費先で消費される電力量の履歴を示す電力情報と、前記電力消費先での在宅状況の履歴を示す在宅情報と、を取得する第1取得部と、前記電力情報と前記在宅情報とに基づいて学習する学習部と、荷物の配送先情報に対応する電力消費先に設置された電力量計に測定され、当該電力量計の通信機能によって送信された前記電力情報を、配送先電力情報として取得する第2取得部と、前記配送先電力情報と前記学習部による学習結果と、に基づいて、前記荷物の配送先における在宅状況を示す予測情報を予測する予測部と、前記予測情報と、当該荷物の位置に関する基準位置情報と、に基づいて、当該荷物の配送順を示す配送情報を決定する決定部と、を備える情報処理システムが開示されている。
【0005】
しかしながら、消費される電力量と在宅か否かは、必ずしも関連していない場合がある。例えば、在宅ではあるが就寝中であるために消費電力量が少ない場合や、不在ではあるが洗濯乾燥機等を動かしているために消費電力量が多い場合も考えられる。
【0006】
また、指定していた配送時間帯に、急用で外出しなければならないこともある。
【0007】
不在であるにも関わらず配送員が配送を試み、その結果、配送員又は配送員が荷物を持ち帰った場合、配送員や現場や不在連絡票を目撃した第三者に、当該家屋が無人であるつまり家屋が留守宅であることが漏洩してしまう。これは、防犯上好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
配送サービスに伴うセキュリティを向上する情報処理システム及びホームセキュリティシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
情報処理システムは、家屋に設置され、ユーザの操作によって、動作モードを、前記家屋の監視を行わない「解除モード」と、前記家屋の監視を行う「監視モード」と、で切替え可能であり、外部の通信ネットワークと通信可能なセキュリティ装置と、前記外部の通信ネットワークを通じて前記セキュリティ装置と通信可能に構成されて、予め指定された前記家屋を含めた複数の配送先を経由する配送ルートを決定する処理装置と、を備える。前記セキュリティ装置は、前記処理装置に前記動作モードが「解除モード」であるか「監視モード」であるかを特定するモード情報を通知する。前記処理装置は、前記モード情報を取得して、前記モード情報に基づいて前記配送ルートを決定し、前記モード情報が「解除モード」である場合には前記家屋を前記配送ルートから削除せず、前記モード情報が「監視モード」である場合には前記家屋を前記配送ルートから削除する処理を実行する。
【0011】
ホームセキュリティシステムは、セキュリティ装置と、セキュリティ管理装置と、を備える。セキュリティ装置は、家屋に設置され、ユーザの操作によって、動作モードを、前記家屋に前記ユーザが在宅している状態の動作モードである「解除モード」と、留守である状態の動作である「監視モード」と、で切替え可能であり、外部の通信ネットワークと通信可能に構成される。セキュリティ管理装置は、前記外部のネットワークを通じて前記セキュリティ装置と通信可能に構成される。前記セキュリティ管理装置は、配送員の携帯する配送端末と、前記家屋を含めた複数の配送先を経由する配送ルートを決定し、前記配送端末に前記配送ルートを通知する配送管理装置と、を有する配送システムと外部の通信ネットワークを通じて通信可能である。前記セキュリティ装置は、前記セキュリティ管理装置に前記動作モードが「解除モード」であるか「監視モード」であるかを特定するモード情報を通知する。前記セキュリティ管理装置は、前記配送管理装置から前記モード情報の照会を受けて、前記配送管理装置に前記モード情報を通知する。前記配送管理装置は、前記モード情報に基づいて前記配送ルートを決定し、前記モード情報が「解除モード」である場合には前記家屋を前記配送ルートに加え、前記モード情報が「監視モード」である場合には前記家屋を前記配送ルートから削除する処理を実行する。
【0012】
これによれば、配送先のユーザが情報処理システムを利用している場合、配送員には、在宅であることが判明している状態でなければ当該配送先へ移動するルートが通知されない。したがって、配送員がユーザの留守宅に配送を試みることがないため、家屋の不在情報が第三者へ漏洩することが抑制される。したがって、家屋のセキュリティが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態による情報処理システムの一例の構成を概略的に示す図
【
図2】一実施形態によるホームセキュリティシステムの一例の概略構成を示すブロック図
【
図3】一実施形態による情報処理システムの一例の配送システムの概略構成を示すブロック図
【
図4】一実施形態によるホームコントローラの概略正面図であって、セキュリティ装置に配送予告情報が通知された場合におけるユーザに対する報知の一例を示す図
【
図5】一実施形態によるホームコントローラの概略正面図、待機状態において、ユーザによる動作モードの変更操作を受けた場合におけるユーザに対する報知の一例を示す図
【
図6】一実施形態による情報処理システムの一例の、n番目の配送先への配送における処理を示すフローチャート
【
図7】一実施形態による情報処理システムの一例の、n番目の配送先が配送順の上位に位置した場合における処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、一実施形態による情報処理システム、及びホームセキュリティシステムについて、図面を参照して説明する。
図1~
図3に示すように、実施形態による情報処理システム10は、ホームセキュリティシステム100と、配送システム300と、を含んで構成される。ホームセキュリティシステム100は、ユーザの家屋20及び又は家屋20の敷地内の異常を監視するシステムである。ユーザとは、ホームセキュリティシステム100を含むサービスを利用するユーザを指す。配送システム300は、ユーザの家屋20を含む配送先への効率的な配送を実現するシステムである。ホームセキュリティシステム100と配送システム300とは、例えば有線又は無線の公衆回線網又はインターネット網である通信ネットワーク400によって互いに接続されている。なお、本明細書で家屋とは、住居に限らず、事業所や商業施設、工場等の建物を含む。
【0015】
[ホームセキュリティシステム]
ホームセキュリティシステム100は、セキュリティ装置110と、セキュリティ管理装置200とを含んで構成される。セキュリティ装置110は、ユーザの家屋20に設置されている。セキュリティ管理装置200は、ユーザの家屋20の外部に立地し、管理センター30に設けられる。セキュリティ装置110と、セキュリティ管理装置200とは、通信ネットワーク400によって互いに接続されている。
【0016】
[セキュリティ装置]
図2に示すように、セキュリティ装置110は、ホームコントローラ120と、複数のセンサ130と、を含んで構成される。ホームコントローラ120は、セキュリティ装置110の動作を制御する。センサ130は、家屋20又は家屋20の敷地内に配置されて、家屋20及び家屋20の敷地に生じた異常を検知する。複数のセンサ130は、独立して、例えば侵入者等を撮影及び又は録画するカメラや、扉又は窓の開状態を検知するマグネットセンサであってもよい。複数のセンサ130は、それぞれ、家屋20又は家屋20の敷地内の複数の領域のいずれか又は複数を監視対象としている。
【0017】
[ホームコントローラ]
ホームコントローラ120は、制御部121と、操作部122と、通信部123と、報知部124とを有する。制御部121は、CPU1211や、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの記憶領域1212を有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。制御部121は、操作部122、通信部123、及び報知部124と電気的に接続され、それぞれの動作を制御する。操作部122は、ユーザによる操作を受け付ける。通信部123は、通信ネットワーク400を介して又は介さずに、センサ130と制御部121との間、セキュリティ管理装置200と制御部121との間での通信を可能にする。報知部124は、聴覚情報又は視覚情報等により、ユーザに情報処理システム10に関する情報を報知する機能を有する。報知部124は、例えば音声、メロディ、アラーム音等によりユーザに情報を報知するスピーカーを備えている。また、報知部124は、点灯及び又は点滅するランプや、メッセージ等をテキストまたは画像として表示することによってユーザに情報を報知しても良い。
【0018】
操作部122は、例えば液晶のタッチパネルであっても良いし、機械的なスイッチであっても良い。本実施形態では、操作部122は液晶のタッチパネルである。操作部122は、報知部124としての機能も有する。
【0019】
[動作モード]
セキュリティ装置110は、複数の動作モードを有する。動作モードは、制御部121によるセキュリティ装置110の処理内容を決定する。例えば、セキュリティ装置110は、「解除モード」と、「監視モード」と、を有する。
【0020】
「解除モード」は、センサ130が侵入異常を検知した場合にセキュリティ管理装置200に対して異常発生の通知を行わない動作モードである。侵入異常は、例えば家屋20又は家屋の敷地内に侵入者を検知した場合や、扉や窓の開状態を検知した場合を指す。通常、家屋20にユーザが存在するつまり家屋20が有人である場合に「解除モード」が設定される。なお、「解除モード」に設定された状態であっても、センサ130が侵入異常以外の異常、例えば家屋20又は家屋20の敷地内に煙や火が発生したことを検知した場合は、制御部121は、セキュリティ管理装置200に対して異常発生の通知を行うことができる。
【0021】
「監視モード」は、センサ130が侵入異常とその他の異常を含む異常を検知した場合にセキュリティ管理装置200に対して異常発生の通知を行う動作モードである。「監視モード」においてセンサ130が異常を検知した場合、制御部121は、セキュリティ管理装置200に対して異常発生の通知を行うとともに、報知部124によって異常発生を報知しても良い。
【0022】
「監視モード」は、更に「第1監視モード」と「第2監視モード」とを含む。「第1監視モード」は、家屋20が無人であるつまり留守である場合に使用される。この場合、複数のセンサ130のうちいずれのセンサ130が異常を検知しても、制御部121はセキュリティ管理装置200に対して異常発生の通知を行う。すなわち、「第1監視モード」では、制御部121は全てのセンサ130に対して家屋20又は家屋20の敷地内の監視を実行させる。
【0023】
「第2監視モード」は、家屋20が有人である場合であって侵入異常の監視が必要な場合に使用される。「第2監視モード」では、複数のセンサ130のうち、ユーザによって特定された領域を監視対象とするセンサ130が異常を検知した場合、制御部121はセキュリティ管理装置200に対して異常発生を通知する。ユーザによって特定された領域以外の領域を監視対象とするセンサ130が異常を検知した場合、制御部121は、セキュリティ管理装置200に対して異常発生の通知を行わない。すなわち、「第2監視モード」では、制御部121は特定された領域を監視するセンサ130に対して家屋20又は家屋20の敷地内の監視を実行させる。
【0024】
操作部122は、例えばユーザによる動作モードを切替える操作を受け付ける。制御部121は、操作部122が受け付けた動作モードを、モード情報として記憶領域1212に記憶する。また、制御部121は、操作部122が受け付けた動作モードを、モード情報としてセキュリティ管理装置200に通知する。セキュリティ管理装置200の制御部210は、通知された動作モードを、各セキュリティ装置を特定する情報と紐づけて記憶領域212に記憶する。
【0025】
[セキュリティ管理装置]
セキュリティ管理装置200は、制御部210と、通信部220と、表示部230と、操作部240と、を含んで構成される。制御部210は、CPU211や、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの記憶領域212を有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。記憶領域212は、セキュリティ装置110、家屋20、又はユーザのいずれか一つ又は複数を特定する特定情報を記憶する。特定情報は、例えば家屋20の名称及び又は住所、セキュリティ装置110の管理番号、家屋20の電話番号、ユーザの氏名、ユーザの電話番号、から選ばれる一以上の情報を含んでよい。制御部210は、通信部220、表示部230、及び操作部240と電気的に接続され、それぞれの動作を制御する。
【0026】
通信部220は、通信ネットワーク400を介してセキュリティ管理装置200とセキュリティ装置110との間、セキュリティ管理装置200と配送システム300との間の通信を可能にする。表示部230は、ホームセキュリティシステム100又は配送システム300に関する情報を表示する。例えば、制御部121が家屋20又は家屋20の敷地内において異常が発生したことをセキュリティ管理装置200に通知すると、制御部210は、表示部230にその旨及び特定情報を表示する。操作部240は、監視員による操作を受け付ける。
【0027】
[配送システム]
図3に示すように、配送システム300は、配送管理装置310と、配送端末320とを含んで構成される。配送管理装置310は、配送員による配送ルートを決定する機能を有する。配送端末320は、配送員に装備されて、配送管理装置310によって決定された配送ルートの通知を受け、配送員に当該配送ルートを報知する。
【0028】
[配送管理装置]
配送管理装置310は、制御部311と、通信部312と、ルート処理部313と、モード取得部314と、を含んで構成される。制御部311は、CPU3111や、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの記憶領域3112を有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。記憶領域3112は、配送先情報と、配送先情報に紐づけられた荷物情報とをデータテーブルとして記憶している。配送先情報は、所定の配送時間帯に配送すべき配送先を特定する情報である。荷物情報は、所定の配送時間帯に配送すべき荷物を特定する情報である。配送先情報は、配送時間帯、配送エリア、配送先の住所、等を含む。荷物情報は、配送する荷物の管理番号を含む。制御部311は、通信部312、ルート処理部313、及びモード取得部314と電気的に接続され、それぞれの動作を制御する。通信部312は、有線又は無線の電気通信回線によって通信ネットワーク400に接続可能であって、配送管理装置310とセキュリティ管理装置200との間の通信を可能にする。通信部312は、通信ネットワーク400を介して又は介さずに、配送管理装置310と配送端末320との間での通信を可能にする。ルート処理部313は、配送先情報等に基づいて決定された配送ルートを各配送員に通知する。モード取得部314は、配送先にセキュリティ装置110が設置されている場合において、セキュリティ装置110の動作モードを取得する。
【0029】
配送管理装置310とセキュリティ管理装置200とは、ともに、処理装置として機能する。処理装置は、情報処理システム10における処理を実行する。
【0030】
[配送端末]
配送端末320は、制御部321と、通信部322と、表示部323と、操作部324と、位置特定部325と、配送状況特定部326と、を含んで構成される。制御部321は、CPU3211や、ROM、RAM又は不揮発性メモリ等の記憶領域3212を有するマイクロコンピュータを主体として構成される。制御部321は、通信部322、表示部323、操作部324、位置特定部325、及び配送状況特定部326と電気的に接続されて、それぞれの動作を制御する。
【0031】
通信部322は、通信ネットワーク400を介して又は介さずに、配送端末320と配送管理装置310との間での通信を可能にする。表示部323は、配送システム300に関する情報を表示する。配送システム300に関する情報には、配送ルートが含まれる。位置特定部325は、配送端末320の現在位置を特定する情報である位置情報を取得する。例えば、位置特定部325は、GPS衛生から信号を受信する。制御部321は、位置特定部325が受信した信号を配送端末320の位置情報として記憶領域3212に記憶して又は記録せずに、配送管理装置310に通知する。配送状況特定部326は、配送員による操作部324への操作を受けて、配送状況情報を取得する。配送状況情報は、各荷物の各配送先への配送が完了したか完了していないかを特定する情報である。制御部321は、配送状況特定部326が取得した配送状況情報を、記憶領域3212に記憶して又は記録せずに、配送管理装置310に通知する。
【0032】
配送員1名が装備する配送端末320は、単一の物理的構成によって構成されていても良いし、複数の物理的構成によって構成されていても良い。本実施形態では、配送端末320は、複数この場合2個の第1配送端末320aと第2配送端末320bとによって構成されている。すなわち、各配送員は、配送端末320として第1配送端末320aと第2配送端末320bとをそれぞれ装備する。なお、以下の説明において、第1配送端末320の構成である場合には各構成の符号の末尾にaを、第2配送端末320bの構成である場合には各構成の符号の末尾にbを付する。また、第1配送端末320aであるか第2配送端末320bであるか、又は第1配送端末320aに含まれる構成であるか第2配送端末320bに含まれる構成であるかを区別する必要がない場合には、符号を省略することがある。
【0033】
第1配送端末320aは、配送員の移動手段例えば配送車両に取り付け可能であり、配送管理装置310からの配送ルートの通知を受けて、表示部323aに配送ルートを表示する。記憶領域3212aは、道路情報を含む地図データを記憶する。第1配送端末320aは、いわゆるカーナビゲーションシステムの装置としての機能を有する。配送員は、表示部323aに表示された配送ルートつまりルート処理部313から通知された処理部に従って、配送先に移動する。
【0034】
第2配送端末320bは、配送員が常時携帯する端末である。配送員は、任意の荷物の配送が完了すると、操作部324bを操作して、当該荷物の配送が完了した旨を入力する。また、配送員は、任意の荷物の配送を試みたものの、配送が不可能であった場合には、操作部324bを操作して、当該荷物の配送が未完である旨を入力する。
【0035】
なお、第1配送端末320aの機能と第2配送端末320bの機能とは、単一の配送端末320によって実現される構成であってもよい。
【0036】
[ルート決定処理]
処理装置は、ルート決定処理を実行する。ルート決定処理は、配送先情報と、位置情報と、モード情報とに基づいて配送ルートを決定する処理である。ルート処理部313は、配送員の現在地すなわち位置情報によって特定される場所から移動を開始した場合に配送先情報に含まれる複数の配送先を効率的に巡回可能な配送順を作成する。モード取得部314は、ルート処理部313が作成した配送順において少なくとも上位にある配送先に関して、配送先を特定する情報例えば住所を指定してセキュリティ管理装置200にセキュリティ装置110のモード情報を照会する。上位にある配送先は、現在の配送先の順位がn-1である場合に、n番目の順位の配送先を含み、n+x番目までの順位の配送先を含んでよい。xは、例えば1~4までの範囲内の整数に設定することができる。n-1=0つまり配送員が配送作業を開始した直後は、上位にある配送先とは、n=1つまり1番目の配送先を含み、例えば1+x番目までの順位の配送先を含んで良い。
【0037】
照会を受けたセキュリティ管理装置200この場合制御部210は、配送先を特定する情報に基づいて、照会された配送先がホームセキュリティシステム100の監視対象であるか否かを判定する。照会された配送先がホームセキュリティシステム100の監視対象でない場合、セキュリティ管理装置200は、当該配送先は対象外である旨をモード取得部314に通知する。照会された配送先がホームセキュリティシステム100の監視対象である場合、セキュリティ管理装置200は、記憶領域212に記憶されたセキュリティ装置110のモード情報をモード取得部314に通知する。
【0038】
なおこの場合、セキュリティ管理装置200は、配送管理装置310から照会を受けて各セキュリティ装置110のモード情報をセキュリティ装置110に照会して取得しても良い。
【0039】
ルート処理部313は、モード取得部314が取得したモード情報に基づいて、配送順を更新する。モード情報が「監視モード」である場合には、ルート処理部313は、配送先としての家屋20を配送順から削除する。モード情報が「解除モード」である場合には、ルート処理部313は、配送先としての家屋20を配送順から削除しない。また、当該配送先がホームセキュリティシステム100の監視対象外である場合には、ルート処理部313は、配送先としての家屋20を配送順から削除しない。これにより、配送先としての家屋20のセキュリティ装置110が「監視モード」である場合には、家屋20への配送が試みられることがない。そのため、家屋20が無人であったり、就寝中であったりするなどの理由によって荷物を受け取ることができない状況において、基本的に家屋20を配送員が訪問することがない。したがって、家屋20が無人であることが、配送員の様子を目撃した第三者に漏洩することが抑制される。また、配送員が家屋20を訪問したにもかかわらず配送が完了しないという事態の発生が抑制されるため、配送員の作業負担が軽減される。
【0040】
ルート処理部313は、更新された配送順と、位置情報とに基づいて、配送ルートを決定する。ルート処理部313は、決定した配送ルートを、配送端末320aに通知する。ルート処理部313は、モード情報を配送端末320aに通知しない。そのため、家屋20が無人であることが配送員によって認知され難い。
【0041】
モード情報に変更があった場合、ルート処理部313は、配送ルートを更新する。モード取得部314は、配送員による配送期間内に、所定のタイミングで、セキュリティ管理装置200に複数回モード情報を照会する。所定のタイミングは、例えば所定の期間が経過するごとであっても良いし、配送管理装置310が配送状況特定部326から1つの配送先への配送状況の通知を受けるごと、すなわち配送員が1つの配送先を訪問するごとであっても良い。また、所定のタイミングは、その両方であっても良い。本実施形態では、ルート処理部313は、所定の期間が経過するごと、及び配送管理装置310が配送状況特定部326から1つの配送先への配送状況の通知を受けるごとに、モード情報を照会する。これにより、配送先のモード情報の変更を適時に反映した配送順が決定される。また、当該搬送順に基づいて、最適な搬送ルートが決定される。所定の期間は、例えば1分から15分の範囲内に設定することができる。
【0042】
ルート処理部313は、配送端末320aに配送ルート全体を通知せず、一部のみを通知する。配送ルート全体には、位置情報によって特定される現在位置から、配送順が最も大きいn=neとなる最後の配送先までの道順が含まれる。ルート処理部313は、現在の配送先の順位がnである場合に、n番目の配送先までのルートを配送端末320aに通知し、n+1番目以降の配送先までのルートを配送端末320aに通知しない。そのため、表示部323aには、n番目の配送先までのルートしか表示されない。よって、配送員は、現在の配送先を特定できるが、その後にどこにどの順で配送する予定となっているかを認識しない。したがって、n+1番目以降の配送先が途中で例えば留守となり、配送順ひいては配送ルートから削除されても、配送員は配送ルートが変更されたことを認識しない。
【0043】
[配送予告]
所定の期間内に配送が期待される場合、処理装置は、配送予告情報をセキュリティ装置110に通知する。配送予告情報は、現在から短期間の間に家屋20に配送が予定されている旨の情報である。所定の期間内に配送が期待されるとは、例えば配送員が家屋20から所定の距離以内に存在している状態を含む。所定の距離とは、空間的な距離及び時間的な距離の両方を含む概念であり、所定の空間的距離は、例えば2km以内の範囲内に設定することができる。所定の時間的な距離は、現在から配送予定時刻までの期間を、例えば15分以内の範囲内に設定することができる。なお、所定の時間的な距離は、指定可能な各配送時間帯の長さ例えば2時間~4時間よりも短く設定されている。
【0044】
具体的には、モード情報の照会の結果が「解除モード」であった場合、処理装置この場合配送管理装置310は、所定の期間内に家屋20へ荷物が配送されることが期待される状態又は、家屋20が配送順において上位に存在する状態において、配送予告処理を実行する。配送予告処理は、セキュリティ装置110又はセキュリティ管理装置200に配送予告情報を通知する処理である。本実施形態では、配送管理装置310は、セキュリティ管理装置200に配送予告情報を通知し、通知を受けたセキュリティ管理装置200は、セキュリティ装置110に配送予告情報を通知する。制御部121は、報知部124によってユーザに対して現在から短期間の間に家屋20に配送が予定されている旨を報知する。報知部124は、例えば
図4に示すように、「もうすぐ荷物が届きます。」とのメッセージをテキストデータとして表示する。また、テキストデータの表示と共に又は単独で、当該メッセージを音声データとして再生しても良い。なお、制御部121は、報知部124に代えて、セキュリティ装置110の図示しない子機によってユーザに対して現在から短期間の間に家屋20に配送が予定されている旨を報知してもよい。セキュリティ装置110の子機は、例えばユーザの所持するパーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末等の携帯端末であってもよい。
【0045】
配送予告を受けると、制御部121は、配送予告を記憶領域1212に記憶して、セキュリティ装置110の予告状態を「待機状態」とする。予告状態は、セキュリティ装置110が配送未完了の荷物に関して配送予告を受領した状態であるか否かを示す。「待機状態」は、配送予告を受領した状態である。セキュリティ装置110の予告状態が「待機状態」である場合において、ユーザが操作部122に対して動作モードを解除モードから監視モードに変更する操作を行った場合、制御部121はユーザに動作モードの変更の要否を確認する。この場合、報知部124は、確認のためのメッセージを音声データとして再生する及び又はテキストデータとして表示することにより、ユーザに動作モードの変更の要否を確認しても良い。例えば
図5に示すように、報知部124は、「監視モードに変更すると、荷物の配送予定がキャンセルされますが、動作モードの変更を実行しますか?」とのメッセージを表示することができる。制御部121は、報知部124に代えて、セキュリティ装置110の図示しない子機によって動作モードの変更の要否を確認してもよい。セキュリティ装置110の子機は、例えばユーザの所持するパーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末等の携帯端末であってもよい。
【0046】
報知部124による報知後、所定の期間内に、ユーザが操作部122を操作して動作モードの変更を取りやめると、動作モードは変更されずに解除モードのままに維持される。報知部124による報知後、所定の期間内に、ユーザが操作部122を操作して動作モードの変更を確定する又は操作部240を操作しないと、動作モードは監視モードに変更される。モード情報の変更を受けて、処理装置この場合配送管理装置310は、家屋20を配送ルートから削除して、新たな配送ルートを作成する。
【0047】
家屋20への配送が完了すると、配送情報特定部326bは、配送員による操作部324bへの操作を受けて、「配送状況情報:完了」を設定する。制御部321は、配送情報特定部326bが特定した配送状況情報を、セキュリティ管理装置200に通知する。セキュリティ管理装置200は、配送システム300の制御部321からの通知を受けて、セキュリティ装置110に、完了報告を通知する。制御部121は、セキュリティ管理装置200からの完了報告を受けて、予告状態を「待機状態」から「通常状態」に変更する。「通常状態」は、セキュリティ装置110が配送未完了の荷物に関する配送予告を受けていない状態、すなわち短期間内に家屋20に対する配送が予定されていない状態である。予告状態が「通常状態」である場合にユーザが操作部122に対して動作モードを変更する操作を行った場合には、制御部121は動作モードの変更の要否の確認を実行しない。
【0048】
[フローチャート]
続いて、
図6のフローチャートを参照して、n番目の配送先への配送時における処理装置による処理内容を説明する。なお、
図6のスタート時において、配送員によるn-1番目までの配送先への訪問が完了しており、次に配送員が向かう配送先の順位はn番目である。
【0049】
ステップS11において、配送管理装置310は、n番目以降の配送先について配送順を作成する。ステップS12において、モード取得部314は、n番目の配送先についてモード情報をホームセキュリティシステム100この場合セキュリティ管理装置200に照会する。
【0050】
ステップS13において、セキュリティ管理装置200は、n番目の配送先がホームセキュリティシステム100の監視対象か否かを判定する。n番目の配送先がホームセキュリティシステム100の監視対象でない場合(ステップS13でNo)、処理装置は処理をステップS14に進める。ステップS14において、制御部210は、モード取得部314にn番目の配送先は対象外であることを通知する。ステップS15において、ルート処理部313は、その後、処理装置は、配送順を維持したまま処理をステップS18に進める。
【0051】
n番目の配送先がホームセキュリティシステム100の監視対象である場合(ステップS13でYes)、処理装置は、処理をステップS15に進める。ステップS15において、制御部210は、モード情報をモード取得部314に通知し、モード取得部314は、制御部210からモード情報を取得する。
【0052】
ステップS16において、配送管理装置310は、n番目の配送先のモード情報が監視モードであるか否かを判定する。モード情報が監視モードでない場合(ステップS16でNo)、処理装置は、配送順を維持したまま処理をステップS18に進める。モード情報が監視モードである場合(ステップS16でYes)、処理装置は、処理をステップS17に進める。ステップS17において、ルート処理部313は、n番目の配送先であった家屋20を配送先から削除し、配送順を更新する。
【0053】
ステップS18において、ルート処理部313は、更新された配送順に基づいて、配送ルートを決定する。ステップS19において、ルート処理部313は、第1配送端末320aにn番目の配送先までの配送ルートを通知する。制御部321aは、表示部323aにルート処理部313から通知された配送ルートを表示する。これにより、配送員はn番目の配送先までの配送ルートを認識することができる。
【0054】
ステップS20において、制御部311は、第2配送端末320bから配送状況情報を取得したか否かを判定する。すなわち、制御部311は、配送員がn番目の配送先を訪問したか否かを判定する。配送状況情報を取得していない場合(ステップS20でNo)、処理装置は、処理をステップS21に進める。
【0055】
ステップS21において、処理装置この場合配送管理装置310は、前回の監視モードの照会から所定の期間が経過しているか否かを判定する。所定の期間が経過していない場合(ステップS21でNo)、配送管理装置310は、処理をステップS20に戻す。所定の期間が経過した場合(ステップS21でYes)、配送管理装置310は、処理をステップS12に戻す。
【0056】
配送状況情報を取得した場合(ステップS20でYes)、処理装置は、処理をステップS22に進める。ステップS22において、処理装置は配送順のカウントに1増やしてn=n+1とする。そして、処理装置はn番目の配送先への配送を終了する(エンド)。
【0057】
続いて、
図7のフローチャートを参照して、n番目の配送先に対する配送予告処理に関連する処理装置と制御部121による処理内容を説明する。なお、
図7のスタート時において、配送順は作成されており、現時点から短期間の間にn番目の配送先への配送が予定されている状態であるものとする。例えば、現在の配送先の順位はn-1番目である。
【0058】
現時点から短期間の間にn番目の配送先への配送が予定されると(スタート)、ステップS31において、モード取得部314は、n番目の配送先についてモード情報をホームセキュリティシステム100この場合セキュリティ管理装置200に照会する。
【0059】
ステップS32において、セキュリティ管理装置200は、n番目の配送先がホームセキュリティシステム100の監視対象か否かを判定する。n番目の配送先がホームセキュリティシステム100の監視対象でない場合(ステップS32でNo)、処理装置は処理を終了する(エンド)。n番目の配送先がホームセキュリティシステム100の監視対象である場合(ステップS32でYes)、処理装置は、処理をステップS33に進める。
【0060】
ステップS33において、制御部210は、モード情報をモード取得部314に通知し、モード取得部314は、制御部210からモード情報を取得する。
【0061】
ステップS34において、配送管理装置310は、n番目の配送先のモード情報が解除モードであるか否かを判定する。モード情報が解除モードでない場合(ステップS34でNo)、処理装置処理をステップS43に進める。モード情報が監視モードである場合(ステップS34でYes)、処理装置は、処理をステップS35に進める。
【0062】
ステップS35において、配送管理装置310は、配送予告処理を実行する。配送管理装置310から配送予告情報を取得したセキュリティ管理装置200の制御部210は、セキュリティ装置110の制御部121に配送予告情報を通知する。ステップS36において、配送予告情報の通知を受けた制御部210は、セキュリティ装置110の予告状態を「待機状態」に設定する。
【0063】
ステップS37において、制御部210は、ユーザによる操作部122への動作モードの変更操作を受けたか否かすなわちモード情報に変更があるか否かを判定する。動作モードの変更操作を受けていない場合(ステップS37でNo)、処理装置は、処理をステップS42に進める。
【0064】
ステップS42において、制御部311は、第2配送端末320bから配送状況情報を取得したか否かを判定する。すなわち、制御部311は、配送員がn番目の配送先を訪問したか否かを判定する。配送状況情報を取得していない場合(ステップS42でNo)、処理装置は、処理をステップS37に戻す。配送状況情報を取得した場合(ステップS42でYes)、処理装置は、処理をステップS38に進める。
【0065】
ステップS38において、制御部121は、報知部124によってユーザに変更の要否を確認する。これにより、ユーザは、現時点から短期間の間に配送が予定されている状況において、動作モードを監視モードに変更することで荷物を受け取らないか、動作モードを解除モードに維持して荷物を受け取るかを選択することができる。
【0066】
ステップS39において、制御部121は、ユーザの操作部122に対する操作による変更のキャンセルがあったか否かを判定する。キャンセル操作がない場合(ステップS39でNo)、制御部121は、処理をステップS40に進める。
【0067】
ステップS40において、制御部121は、変更の要否の確認から所定期間が経過したか否かを判定する。所定期間は、例えば30秒~1分の範囲内に設定することができる。変更の要否の確認から所定期間が経過していない場合(ステップS40でNo)、制御部121は、処理をステップS39に戻す。変更の要否の確認から所定期間が経過した場合(ステップS40でYes)、制御部121は、処理をステップS41に進める。ステップS41において、制御部121は、モード情報を監視モードに更新する。また、制御部121は、セキュリティ管理装置200に、モード情報の更新を通知する。その後、処理装置は、処理をステップS43に進める。
【0068】
ユーザによる操作部122に対するキャンセル操作があった場合(ステップS39でYes)、処理装置は、処理をステップS42に進める。
【0069】
ステップS42において、制御部121は、完了報告の通知を受けたか否かを判定する。すなわち、制御部121は、配送予告を受けた荷物の配送が完了しているか否かを判定する。完了報告の通知を受けていない場合(ステップS42でNo)、処理装置は、処理をステップS37に戻す。完了報告の通知を受けた場合(ステップS42でYes)、処理装置は、処理をステップS43に進める。
【0070】
ステップS43において、制御部121は、予告状態を通常状態に設定する。これにより、n番目の配送先に対する配送予告処理に関連する処理装置と制御部121による処理が終了する。
【0071】
本実施形態の情報処理システム10は、セキュリティ装置110と、処理装置としてのセキュリティ管理装置200及び配送管理装置310と、を備える。セキュリティ装置110は、家屋20に設置され、ユーザの操作によって、動作モードを、家屋20の監視を行わない「解除モード」と、家屋の監視を行う「監視モード」と、の間で切替え可能であり、外部の通信ネットワーク400と通信可能に構成されている。配送管理装置310は、外部の通信ネットワーク400を通じてセキュリティ装置110と通信可能に構成されて、予め指定された家屋を含めた複数の配送先を経由する配送ルートを決定する。セキュリティ装置110は、処理装置に動作モードが「解除モード」であるか「監視モード」であるかを特定するモード情報を通知する。処理装置は、モード情報を取得して、モード情報に基づいて配送ルートを決定し、モード情報が「解除モード」である場合には家屋20を配送ルートから削除せず、モード情報が「監視モード」である場合には家屋20を配送ルートから削除する処理を実行する。
【0072】
ホームセキュリティシステム100は、セキュリティ装置110と、セキュリティ管理装置200とを備える。セキュリティ装置110は、家屋20に設置され、ユーザの操作によって、動作モードを、家屋20の監視を行わない「解除モード」と、家屋20の監視を行う「監視モード」と、で切替え可能であり、外部の通信ネットワーク400と通信可能に構成されている。セキュリティ管理装置200は、配送員の携帯する配送端末320と、家屋20を含めた複数の配送先を経由する配送ルートを決定し、配送端末320に配送ルートを通知する配送管理装置310と、を有する配送システム300と外部の通信ネットワーク400を通じて通信可能に構成される。セキュリティ装置110は、セキュリティ管理装置200に動作モードが「解除モード」であるか「監視モード」であるかを特定するモード情報を通知する。セキュリティ管理装置200は、配送先に家屋20が該当する場合に配送管理装置310からモード情報の照会を受けて、配送管理装置310にモード情報を通知する。配送管理装置310は、モード情報に基づいて配送ルートを決定し、モード情報が「解除モード」である場合には家屋20を配送ルートから削除せず、モード情報が「監視モード」である場合には家屋20を配送ルートから削除する処理を実行する。
【0073】
これにより、配送先のユーザがホームセキュリティシステム100を利用している場合、配送員には、在宅であることが判明している状態でなければ当該配送先へ移動するルートが通知されない。したがって、配送員がユーザの留守宅に配送を試みることがないため、家屋20の不在情報の第三者への漏洩が抑制される。したがって、家屋20のセキュリティが向上する。
【0074】
なお、ホームセキュリティシステム100を利用していない配送先に関して、配送管理装置310がセキュリティ管理装置200に動作モードを照会した場合、セキュリティ管理装置200は、配送管理装置310に、当該配送先はセキュリティシステムの対象外であることを通知する。この場合、配送管理装置310は、動作モードが「解除モード」である場合と同様に処理することができる。
【0075】
なお、配送管理装置310は、家屋20が一度配送ルートから削除された後であっても、予め指定された配送時間帯が経過するまでの期間において、再びセキュリティ管理装置200に家屋20の動作モードを照会しても良い。この場合、照会を受けたセキュリティ管理装置200は、配送管理装置310に動作モードを通知する。もし、通知されたモード情報が「解除モード」である場合には、配送管理装置310は、家屋20を配送ルートに再び加える処理を実行しても良い。
【0076】
これにより、一度配送リストから削除された場合であっても、ユーザが帰宅するなどして配達時間帯中に動作モードが「解除」に変更になった場合には、再度配送を受けることができる。
【0077】
処理装置としての配送管理装置310は、外部の通信ネットワーク400を通じて配送員が装備する配送端末320a,320bと通信可能である。配送管理装置310は、配送端末320aに配送ルートを通知し、配送端末320bにモード情報を通知しない。
【0078】
これにより、配送先が有人であるか無人であるかに結び付くモード情報は、配送員に通知されない。そのため、配送員は、指定された時間帯経過後に手元に残っている荷物からユーザ宅が留守であったことを認識することは確かにできるのもの、いつの時点で家屋20が留守であったのか、今現在留守であるのかについては認識することが難しい。したがって、配送員にユーザの家屋20が留守であることをリアルタイムで認識されることが抑制できる。よって、家屋20のセキュリティが更に向上する。
【0079】
処理装置としての配送管理装置310は、配送員がn番目の配送先へ移動する際に、配送員にn番目の配送先までの配送ルートを通知し、かつn+1番目以降の配送までの配送ルートを通知しない。
【0080】
これにより、例えばn番目の配送先に配送中にn+1番目の家屋が留守となり、配送ルートから削除されても、配送員は配送ルートが変更されたことを認識しない。そのため、配送員は、いつの時点でユーザ宅が留守であったのか、今現在留守であるのかについては認識することが更に難しい。したがって、配送員にとってもユーザの家屋20が留守であることをリアルタイムで認識することが一層抑制される。よって、家屋20のセキュリティが一層向上する。
【0081】
ここで、ユーザは、家屋20で荷物の配送を待つ場合であっても、配達指定時間帯のうち具体的にどの時刻に配送されるかわからなければ、途中で中断し難い作業に着手すべきか否か悩むことがある。
【0082】
セキュリティ装置110は、ユーザに対して情報処理システム10に関する情報を報知する報知部124を有する。報知部124は、所定の期間内における家屋20への配送が期待される場合に、ユーザに対して荷物が配送予定であることを報知する。
【0083】
これにより、ユーザはもうすぐ荷物が配送されることを予期することができる。したがって、ユーザは、指定配送時間帯の間実際にどのような時刻に配送されるのか少なくとも一定の期間前に分かるため、受け取りの準備をすることができる。またユーザは、配達指定時間帯が開始後も、途中で中断し難い作業に着手し易くなる。更に、報知はセキュリティ装置110によって行われるので、配送予定の報知のための追加の設備が不要となる。したがって、ユーザの利便性が向上する。
【0084】
報知部124は、所定の期間内に家屋20への配送が期待される場合に、ユーザによるモード情報の変更の操作があった場合に、ユーザに動作モードの変更の要否を確認する。
【0085】
セキュリティ管理装置200は、配送システム300から所定の期間内に家屋20への配送が期待される旨の配送予告を受けた場合に、セキュリティ装置110に配送予告を通知する。報知部124は、セキュリティ装置110が配送予告を受けた後に、ユーザによるモード情報を変更する操作があった場合に、ユーザに動作モードの変更の要否を確認する。
【0086】
これにより、動作モードの変更が実行される前に、ユーザは、必要性や好みに応じて、動作モード荷物を受け取ってから出かけるか、そのまま出かけて荷物を受け取らないかを選択することができる。したがって、ユーザの利便性が向上する。
【0087】
なお、上記では、家屋20が荷物の配送先である場合を説明したが、これに限らない。本実施形態は、家屋20が荷物の集荷元である場合にも適用することができる。例えば、家屋20が荷物の集荷元である場合に、処理装置としての配送管理装置310は、モード情報が「解除モード」である場合には家屋20を集荷ルートから削除せず、モード情報が「監視モード」である場合には家屋20を集荷ルートから削除する処理を実行しても良い。
【0088】
本発明の実施形態は、上記した態様及び図面に記載した態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や拡張をすることができる。
【符号の説明】
【0089】
10…情報処理システム、20…家屋、100…ホームセキュリティシステム、110…セキュリティ装置、124…報知部、200…セキュリティ管理装置(処理装置)、300…配送システム、310…配送管理装置(処理装置)、320…配送端末、320a…第1配送端末(配送端末)、320b…第2配送端末(配送端末)、400…通信ネットワーク