(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053364
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】枕用芯材
(51)【国際特許分類】
A47G 9/10 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
A47G9/10 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159589
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000196129
【氏名又は名称】西川株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】三宅 皓大
(72)【発明者】
【氏名】三好 香
(72)【発明者】
【氏名】中島 愛美
【テーマコード(参考)】
3B102
【Fターム(参考)】
3B102AA01
3B102AB07
3B102AC01
(57)【要約】
【課題】横向き寝時の寝心地を良好にすることができる枕用芯材を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る枕用芯材は、鉛直上方に向けられる上側芯材10と、上側芯材10に固定された状態で鉛直下方に向けられる下側芯材20と、を備える。上側芯材10は、下側芯材20よりも柔らかい素材によって構成されている。下側芯材20は、第1方向D1の一端部及び他端部のそれぞれにおいて下側芯材20の上面23から下方に窪む一対の穴部24を有する。上側芯材10と一対の穴部24のそれぞれとの間に、下側芯材20から上側芯材10が離隔した空間部27が形成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視において第1方向、及び前記第1方向に交差する第2方向に延在すると共に、前記第1方向及び前記第2方向の双方に交差する第3方向に厚さを有する枕用芯材であって、
鉛直上方に向けられる上側芯材と、
前記上側芯材に固定された状態で鉛直下方に向けられる下側芯材と、
を備え、
前記上側芯材は、前記下側芯材よりも柔らかい素材によって構成されており、
前記下側芯材は、前記第1方向の一端部及び他端部のそれぞれにおいて前記下側芯材の上面から下方に窪む一対の穴部を有し、
前記上側芯材と一対の前記穴部のそれぞれとの間に、前記下側芯材から前記上側芯材が離隔した空間部が形成されている、
枕用芯材。
【請求項2】
前記上側芯材は、前記下側芯材よりも通気性が高い素材によって構成されている、
請求項1に記載の枕用芯材。
【請求項3】
前記下側芯材は、一対の前記穴部の間において前記下側芯材を前記第3方向に貫通する貫通孔を有する、
請求項1又は2に記載の枕用芯材。
【請求項4】
前記下側芯材は、前記第2方向の一端部及び他端部のそれぞれに位置する一対の凸部と、一対の前記凸部の間に位置する凹部とを有し、
前記上側芯材と一対の前記凸部のそれぞれとは互いに接着されており、
前記上側芯材と前記凹部とは互いに接着されていない、
請求項1又は2に記載の枕用芯材。
【請求項5】
前記下側芯材は、平面視において前記上側芯材から前記第2方向に突出する突出部を有する、
請求項1又は2に記載の枕用芯材。
【請求項6】
前記下側芯材は、前記下側芯材の下面から窪む凹みを有し、
前記凹みに出し入れ可能とされており、且つ前記上側芯材よりも硬いクッション部材を備える、
請求項1又は2に記載の枕用芯材。
【請求項7】
前記第1方向に沿って見たときに、前記空間部が視認可能とされている、
請求項1又は2に記載の枕用芯材。
【請求項8】
前記下側芯材は、前記下側芯材の上面に形成された凹凸構造を有し、
前記上側芯材と前記凹凸構造とは互いに接着されていない、
請求項1又は2に記載の枕用芯材。
【請求項9】
前記凹凸構造は前記第1方向に延在しており、前記凹凸構造を構成する凹凸が前記第2方向に沿って並んでいる、
請求項8に記載の枕用芯材。
【請求項10】
一対の前記穴部が前記下側芯材を前記第3方向に貫通している、
請求項1又は2に記載の枕用芯材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、枕のカバーに収容される枕用芯材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、使用者の後頭部が当てられる枕のカバーに収容される芯材が記載されている。この芯材は、長手方向、及び長手方向に交差する幅方向に延在する布製の芯材である。芯材は、後頭部が当てられる中央部と、中央部の長手方向の両側に位置する両側部とを備える。両側部の幅方向の中央部分である第4部分は、両側部の幅方向の両端部である第5部分及び第6部分と比較して凹んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した芯材では、使用者が横向き寝をすると、両側部の幅方向の中央部分に頬が入り込む。これにより、横向き寝時における頬への圧迫を低減させることが可能である。しかしながら、枕用芯材における使用者の頬が当たる部分が凹んでいると、横向き寝時に当該部分と頬との間に隙間が形成されることがある。この場合、凹んだ部分から頬が浮いた状態になりうるので、横向き寝時において頬の周辺における圧力が適切に分散されないことが想定される。従って、横向き寝時における寝心地の点において改善の余地がある。
【0005】
本開示は、横向き寝時の寝心地を良好にすることができる枕用芯材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る枕用芯材は、(1)平面視において第1方向、及び第1方向に交差する第2方向に延在すると共に、第1方向及び第2方向の双方に交差する第3方向に厚さを有する枕用芯材である。枕用芯材は、鉛直上方に向けられる上側芯材と、上側芯材に固定された状態で鉛直下方に向けられる下側芯材と、を備える。上側芯材は、下側芯材よりも柔らかい素材によって構成されている。下側芯材は、第1方向の一端部及び他端部のそれぞれにおいて下側芯材の上面から下方に窪む一対の穴部を有する。上側芯材と一対の穴部のそれぞれとの間に、下側芯材から上側芯材が離隔した空間部が形成されている。
【0007】
この枕用芯材は鉛直上方に向けられる上側芯材と下側芯材とを備え、下側芯材は上側芯材に固定された状態で鉛直下方に向けられる。上側芯材は、下側芯材よりも柔らかい素材によって構成されている。従って、使用者が横向き寝をしたときに、より柔らかい上側素材を使用者の頬が押すこととなるので、枕用芯材の使用者の頬を柔らかく包み込むことができる。下側芯材は第1方向の一端部及び他端部のそれぞれに位置する穴部を有し、上側芯材と各穴部との間に空間部が形成されている。すなわち、枕用芯材の第1方向の一端部及び他端部では、上側芯材の下に空間部が形成されている。従って、使用者が横向き寝をすると、使用者の頬が上側芯材を押し、空間部が縮小すると共に柔らかい上側芯材が頬に倣うように変形する。従って、上側芯材が頬に倣った形状になることにより、柔らかい上側芯材によって頬をやさしく包み込むことができる。よって、頬が浮いた状態にならずに、柔らかい上側芯材によって頬の圧力を適切に分散することができるので、使用者の横向き寝時における寝心地を良好にすることができる。更に、柔らかい上側芯材でやさしく頬を支えることにより、頬のターンオーバーを正常に維持してシミの発生を抑制できる。
【0008】
(2)上記(1)において、上側芯材は、下側芯材よりも通気性が高い素材によって構成されていてもよい。この場合、上側芯材の通気性は下側芯材の通気性よりも高い。よって、より通気性が高い上側芯材を使用者の頬が押すので、頬における通気性を良好にして蒸れを抑制することができる。
【0009】
(3)上記(1)又は(2)において、下側芯材は、一対の穴部の間において下側芯材を第3方向に貫通する貫通孔を有してもよい。この場合、第3方向に貫通する貫通孔を下側芯材が有することにより、下側芯材における通気性を高めることができる。よって、通気性を更に高めて蒸れをより確実に抑制できる。
【0010】
(4)上記(1)~(3)のいずれかにおいて、下側芯材は、第2方向の一端部及び他端部のそれぞれに位置する一対の凸部と、一対の凸部の間に位置する凹部とを有してもよい。上側芯材と一対の凸部のそれぞれとは互いに接着されていてもよく、上側芯材と凹部とは互いに接着されていなくてもよい。この場合、第2方向の中央において上側芯材は下側芯材に接着されていない。従って、第2方向の中央に使用者の後頭部が載せられたときに上側芯材の第2方向の中央をより効果的に凹ますことができる。よって、更なる寝心地の向上に寄与する。
【0011】
(5)上記(1)~(4)のいずれかにおいて、下側芯材は、平面視において上側芯材から第2方向に突出する突出部を有してもよい。この場合、下側芯材の突出部に使用者の首又は背中の上側部分が載せられることとなるので、突出部において背中上部を支えることができる。更に、突出部において首を支えることができるので、首におけるシワの発生を抑制できる。そして、使用者の頬と共に背中上部を支えることができるので、更なる寝心地の向上に寄与する。
【0012】
(6)上記(1)~(5)のいずれかにおいて、下側芯材は、下側芯材の下面から窪む凹みを有してもよい。枕用芯材は、凹みに出し入れ可能とされており、且つ上側芯材よりも硬いクッション部材を備えてもよい。この場合、クッション部材を凹みに出し入れすることによって下側芯材の硬さを調整できるので、使用者のニーズに応じて枕用芯材の硬さを調整することができる。また、クッション部材は、上側芯材よりも硬い素材によって構成されている。従って、柔らかい枕ではなく、ある程度硬くして頭部をしっかり支えたいときに、凹みにクッション部材を入れることによって硬い枕用芯材とすることができる。
【0013】
(7)上記(1)~(6)のいずれかにおいて、第1方向に沿って見たときに、空間部が視認可能とされていてもよい。この場合、枕用芯材の側方から上側芯材と下側芯材との間に形成された空間部を視認することができる。
【0014】
(8)上記(1)~(7)のいずれかにおいて、下側芯材は、下側芯材の上面に形成された凹凸構造を有してもよい。上側芯材と凹凸構造とは互いに接着されていなくてもよい。この場合、柔らかい上側芯材に頬が載せられたときに、上側芯材の下に位置する凹凸構造によって頬をやさしく支えることができる。凹凸構造によって頬の圧力をより効果的に分散できるので、横向き寝時における寝心地を一層良好にすることができる。
【0015】
(9)上記(8)において、凹凸構造は第1方向に延在しており、凹凸構造を構成する凹凸が第2方向に沿って並んでいてもよい。この場合、下側芯材の凹凸構造が第1方向に沿って延在することによって、使用者の頭部が第1方向に延在する凹凸構造に対向する。従って、使用者が寝返りを打つと、第1方向に延在する凹凸構造が使用者の頭部を刺激することとなるので、頭圧分散を行って通気性を良好にできると共に、頭部の血流を良くして抜け毛を予防することができる。
【0016】
(10)上記(1)~(9)のいずれかにおいて、一対の穴部が下側芯材を第3方向に貫通していてもよい。この場合、使用者の頬が上側芯材を押したときに上側芯材をより凹ませやすくすることができる。従って、横向き寝時に頬をやさしく包むことができるので、更なる寝心地の向上に寄与する。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、横向き寝時の寝心地を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施形態に係る枕用芯材を示す平面図である。
【
図3】
図1の枕用芯材の上側芯材の一部を切断して下側芯材の一部を露出させた状態を示す図である。
【
図4】
図1の枕用芯材の下側芯材を示す斜視図である。
【
図5】第2実施形態に係る枕用芯材を上方から見た斜視図である。
【
図6】
図5の枕用芯材を下方から見た斜視図である。
【
図8】第3実施形態に係る枕用芯材を示す斜視図である。
【
図11】実施例に係る枕用芯材に対する実験結果を示す図である。
【
図12】実施例に係る枕用芯材に対する実験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、図面を参照しながら本開示に係る枕用芯材の実施形態について説明する。図面の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。図面は、理解の容易化のため一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0020】
本開示に係る枕用芯材は、柔軟性素材によって構成されている。「柔軟性素材」とは、身体が載せられて荷重を受けたときに変形するクッション性素材を示している。「枕用芯材」は、枕の芯材を示しており、例えば、枕カバーに収容される。本開示において、枕用芯材は、2層構造を有する。すなわち、枕用芯材は、上側芯材と、上側芯材の下に位置する下側芯材とを有する。
【0021】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る枕用芯材1を示す平面図である。
図2は、枕用芯材1を示す底面図である。
図1及び
図2に示されるように、例えば、枕用芯材1は、平面視において蝶形を呈する。枕用芯材1は、第1方向D1、及び第1方向D1に交差する第2方向D2の双方に延在すると共に、第1方向D1及び第2方向D2の双方に交差する第3方向D3に厚さを有する。
【0022】
本実施形態において、第1方向D1は枕用芯材1の長手方向(平面視における横方向)であり、第2方向D2は枕用芯材1の短手方向(平面視における縦方向)である。例えば、枕用芯材1は、メッシュ生地(不図示)に収容される。更に、枕用芯材1を収容したメッシュ生地が枕カバーに収容される。この状態で枕用芯材1は使用に供される。平面視において、枕用芯材1は、第1方向D1に沿って延びると共に第2方向D2に沿って並ぶ一対の第1側面2bと、第2方向D2に沿って延びると共に第1方向D1に沿って並ぶ一対の第2側面2cとを有する。
【0023】
例えば、第1側面2bは、枕用芯材1の第1方向D1の中央に近づくに従って枕用芯材1の中心側に窪む第1凹部2dを有する。第2側面2cは、枕用芯材1の第2方向D2の中央に近づくに従って枕用芯材1の中心側に窪む第2凹部2fを有する。一例として、第1凹部2d及び第2凹部2fのそれぞれは曲面状に窪んでいる。
【0024】
枕用芯材1は、使用時に鉛直上方に向けられる上側芯材10と、上側芯材10に固定された状態で下側に向けられる下側芯材20とを有する。上側芯材10は、下側芯材20より柔らかい素材によって構成されている。一例として、上側芯材10は軟質ウレタンフォームによって構成されており、下側芯材20はモールドウレタンによって構成されている。
【0025】
例えば、上側芯材10の密度(比重)は下側芯材20の密度よりも小さい。また、上側芯材10の粗さ(目の細かさ)は、下側芯材20の粗さよりも粗い。従って、上側芯材10は下側芯材20よりも高い通気性を有する。例えば、下側芯材20の粘性は上側芯材10の粘性よりも高い。すなわち、触ったときに、上側芯材10は柔らかい触感があるのに対し、下側芯材20は多少粘ついた触感がある。
【0026】
下側芯材20は、上側芯材10の下方に位置する。平面視において下側芯材20は上側芯材10に覆われているため、例えば、下側芯材20の上部及び側部(下面21以外の部分)は視認不能とされている。
図3は、上側芯材10の一部を切断して下側芯材20の一部が露出した状態を示す図である。
【0027】
図2及び
図3に示されるように、下側芯材20は鉛直下方に向けられる下面21を有する。例えば、下側芯材20では、下面21のみが露出しており、下面21以外の部分が上側芯材10に覆われている。この場合、上側芯材10は、下方から見たときに下側芯材20の下面21を囲むように環状を呈する下面11を有する。
【0028】
例えば、下面21は、蝶形を呈する。より具体的には、下面21は、第1方向D1の中央且つ第2方向D2の両端のそれぞれに位置する一対の第1湾曲部21b、及び第2方向D2の中央且つ第1方向D1の両端のそれぞれに位置する一対の第2湾曲部21cを有し、第1湾曲部21b及び第2湾曲部21cのそれぞれは下面21の中央側に窪んでいる。上側芯材10の下面11は、下側芯材20の下面21の外縁に倣った蝶形状を呈する。すなわち、下面11は、各第1湾曲部21bに隣接する一対の第3湾曲部11b、及び第2湾曲部21cに隣接する一対の第4湾曲部11cを有する。
【0029】
下側芯材20は、下側芯材20を第3方向D3に貫通する貫通孔22を有する。例えば、貫通孔22は、平面視における下側芯材20の中央に形成されている。例えば、下側芯材20は、複数の貫通孔22を有する。一例として、複数の貫通孔22は、第1貫通孔22bと、第1貫通孔22bを囲むように配置された複数の第2貫通孔22cとを含む。一例として、平面視における下側芯材20の中央に1つの第1貫通孔22bが形成され、1つの第1貫通孔22bを囲むように8個の第2貫通孔22cが形成されている。
【0030】
図4は、下側芯材20を示す斜視図である。
図3及び
図4に示されるように、下側芯材20は、上側芯材10に対向する上面23と、第1方向D1の一端部及び他端部のそれぞれにおいて上面23から下方に窪む一対の穴部24とを有する。穴部24は、横向き寝をする使用者の頬が対向する部位に相当する。
【0031】
例えば、下側芯材20は、第2方向D2の両端側のそれぞれに位置する一対の凸部25と、一対の凸部25の間に位置する凹部26とを有する。一対の穴部24のそれぞれは、凹部26の第1方向D1の一端部及び他端部のそれぞれに位置しており、凹部26よりも更に窪んでいる。
【0032】
穴部24は、例えば、下側芯材20の第2方向D2の中央ではなく、下側芯材20の第2方向D2の片側に寄った位置に配置されている。例えば、複数の凸部25は、下側芯材20の第2方向D2の一端に位置しており使用者の頭頂部側に位置する第1凸部25bと、下側芯材20の第2方向D2の他端に位置しており使用者の首側(下半身側)に位置する第2凸部25cとを含む。穴部24は、下側芯材20の第2方向D2の中央よりも第2凸部25c寄りの位置に配置されている。
【0033】
例えば、平面視における穴部24の形状は、C字状を呈する。平面視における穴部24の第2方向D2の長さは、下側芯材20の第1方向D1の端部に向かうに従って長くなっっている。上面23からの穴部24の深さは、下側芯材20の第1方向D1の端部側、及び穴部24の第2方向D2の中央側に向かうに従って深くなっている。
【0034】
以上の穴部24が形成されていることにより、上側芯材10と一対の穴部24のそれぞれとの間には空間部27が形成されている。空間部27は、例えば、枕用芯材1の外部からは視認不能である。例えば、穴部24の上方において上側芯材10は平坦状に延在している。従って、空間部27では、下側芯材20から上側芯材10が離隔している。
【0035】
平面視における空間部27の形状は、例えば、穴部24と同じ形状である。より具体的には、平面視における空間部27の形状はC字状を呈する。そして、平面視における空間部27の第2方向D2の長さは、下側芯材20の第1方向D1の端部に向かうに従って長くなっている。
【0036】
次に、本実施形態に係る枕用芯材1から得られる作用効果について詳細に説明する。枕用芯材1は鉛直上方に向けられる上側芯材10と下側芯材20とを備え、下側芯材20は上側芯材10に固定された状態で鉛直下方に向けられる。上側芯材10は、下側芯材20よりも柔らかい素材によって構成されている。従って、使用者が横向き寝をしたときに、より柔らかい上側芯材10を使用者の頬が押すこととなるので、枕用芯材1の使用者の頬を柔らかく包み込むことができる。
【0037】
下側芯材20は第1方向D1の一端部及び他端部のそれぞれに位置する穴部24を有し、上側芯材10と各穴部24との間には、下側芯材20から上側芯材10が離隔している部分である空間部27が形成されている。すなわち、枕用芯材1の第1方向D1の一端部及び他端部では、上側芯材10の下に空間部27が形成されている。従って、使用者が横向き寝をすると、使用者の頬が上側芯材10を押し、空間部27が縮小すると共に柔らかい上側芯材10が頬に倣うように変形する。従って、上側芯材10が頬に倣った形状になることにより、柔らかい上側芯材10によって頬をやさしく包み込むことができる。
【0038】
よって、頬が浮いた状態にならずに、柔らかい上側芯材10によって頬の圧力を適切に分散することができるので、使用者の横向き寝時における寝心地を良好にすることができる。更に、柔らかい上側芯材10でやさしく頬を支えることにより、頬のターンオーバーを正常に維持してシミの発生を抑制できる。
【0039】
本実施形態において、上側芯材10は、下側芯材20よりも通気性が高い素材によって構成されている。従って、上側芯材10の通気性は下側芯材20の通気性よりも高い。よって、より通気性が高い上側芯材10を使用者の頬が押すので、頬における通気性を良好にして蒸れを抑制することができる。
【0040】
本実施形態において、下側芯材20は、一対の穴部24の間において下側芯材20を第3方向D3に貫通する貫通孔22を有する。従って、第3方向D3に貫通する貫通孔22を下側芯材20が有することにより、下側芯材20における通気性を高めることができる。よって、通気性を更に高めて蒸れをより確実に抑制できる。
【0041】
本実施形態において、下側芯材20は、第2方向D2の一端部及び他端部のそれぞれに位置する一対の凸部25と、一対の凸部25の間に位置する凹部26とを有する。上側芯材10と一対の凸部25のそれぞれとは互いに接着されており、上側芯材10と凹部26とは互いに接着されていない。すなわち、第2方向D2の中央において上側芯材10は下側芯材20に接着されていない。従って、第2方向D2の中央に使用者の後頭部が載せられたときに上側芯材10の第2方向D2の中央をより効果的に凹ますことができる。よって、更なる寝心地の向上に寄与する。
【0042】
(第2実施形態)
次に、
図5、
図6及び
図7を参照しながら第2実施形態に係る枕用芯材31について説明する。
図5は、枕用芯材31を上方から見た斜視図である。
図6は、枕用芯材31を下方から見た斜視図である。
図7は、枕用芯材31を示す側面図である。枕用芯材31の一部の構成は、前述した枕用芯材1の一部の構成と同一である。よって、以下の説明では、枕用芯材1の説明と重複する説明を同一の符号を付して適宜省略する。
【0043】
例えば、枕用芯材31は、平面視において、T字状を呈する。枕用芯材31は、第1方向D1に沿って延びる第1側面32bと、第2方向D2に沿って延びると共に第1方向D1に沿って並ぶ一対の第2側面32cと、第1側面32bとは反対側を向く第3側面32dとを有する。第1側面32bは、例えば、前述した第1側面2bと同様、第1凹部2dを有する。一例として、第2側面32cは、平面視において第2方向D2に直線状に延在している。例えば、第3側面32dは、平面視において第2方向D2に直線状に延在している。
【0044】
枕用芯材31は、使用時に鉛直上方に向けられる上側芯材40と、上側芯材40に固定された状態で下側に向けられる下側芯材50とを有する。例えば、上側芯材40の素材は上側芯材10の素材と同一であり、下側芯材50の素材は下側芯材20の素材と同一である。
【0045】
例えば、上側芯材40は下側芯材50に重ねられた状態で下側芯材50に接着されている。例えば、下側芯材50の第1方向D1又は第2方向D2を向く側部、及び下側芯材50の下面51は、露出しており、視認可能とされている。この場合、下側芯材50は、上面のみが上側芯材40に覆われている。例えば、下側芯材50の下面51はT字状を呈する。より具体的には、下面51は、第1方向D1に沿って延在する第1延在部51bと、第1延在部51bの第1方向D1の中央から第2方向D2に沿って延在する第2延在部51cとを有する。
【0046】
下側芯材50は、下面51から窪む凹み52を有する。枕用芯材31は、凹み52に足し入れ可能とされているクッション部材60を備える。
図6では、凹み52に入れる前のクッション部材60を示しており、凹み52にクッション部材60を入れるときには、
図6の状態から上下を逆にしたクッション部材60を凹み52に挿入する。例えば、クッション部材60の硬さは、上側芯材40の硬さよりも硬く、且つ下側芯材50の硬さよりも硬い。一例として、凹み52及びクッション部材60は、第1方向D1に沿って延在している。
【0047】
例えば、クッション部材60は棒状を呈する。一例として、クッション部材60の長手方向に直交する方向に延びる平面でクッション部材60を切断したときの断面形状は半円状である。換言すれば、クッション部材60は、底面が半円状とされた柱状とされている。また、クッション部材60は、凹み52に嵌め込まれたときに枕用芯材31の外部に露出する平面61を有する。
【0048】
例えば、凹み52の形状はクッション部材60に倣った形状を呈する。この場合、凹み52の長手方向(第1方向D1)に直交する平面で凹み52を切断したときの断面形状は半円形状である。この場合、凹み52にクッション部材60を嵌め込んだときにクッション部材60の平面61を下面51と面一にすることができる。
【0049】
例えば、凹み52及びクッション部材60は、下面51の第1延在部51bに設けられる。しかしながら、凹み52及びクッション部材60の配置位置及び配置態様は、上記の例に限定されない。例えば、凹み52及びクッション部材60は、下面51において第2方向D2に延在していてもよい。また、凹み52及びクッション部材60は、第1延在部51bと第2延在部51cとを跨がるように配置されてもよい。更に、枕用芯材31は、複数の凹み52、及び複数のクッション部材60を有していてもよい。
【0050】
下側芯材50は、下側芯材20と同様、貫通孔22を有する。また、下側芯材50は、平面視において上側芯材40から第2方向D2に突出する突出部53を有する。突出部53の下側に前述した第2延在部51cが形成されている。突出部53は、枕用芯材31の外部に露出する上面53bを有する。例えば、突出部53は、上側芯材40から離隔するに従って薄くなっている。上面53bは、上側芯材40から離隔するに従って斜め下方に延在している。
【0051】
一例として、突出部53は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に延在するシート状を呈する。平面視における突出部53の形状は、例えば、矩形状である。しかしながら、平面視における突出部53の形状は、上側芯材40から離隔するに従って第1方向D1への長さが短くなる台形状であってもよい。このように、突出部53の形状は特に限定されない。
【0052】
下側芯材50は、上側芯材10に対向する上面54と、第1方向D1の一端部及び他端部のそれぞれにおいて上面54から下方に窪む一対の穴部55とを有する。例えば、穴部55の形状は前述した穴部24の形状と同一である。穴部55が形成されていることにより、上側芯材40と一対の穴部55のそれぞれとの間には空間部56が形成されている。
【0053】
空間部56は、例えば、第1方向D1から視認可能とされている。すなわち、空間部56は、第1方向D1に露出している。また、穴部55の上方において上側芯材40は平坦状に延在している。よって、空間部56では、下側芯材50(穴部55)から上側芯材40が離隔している。
【0054】
以上、第2実施形態に係る枕用芯材31では、下側芯材50は、平面視において上側芯材40から第2方向D2に突出する突出部53を有する。よって、下側芯材50の突出部53に使用者の首又は背中の上側部分が載せられることとなるので、突出部53において背中上部を支えることができる。従って、突出部53において首を支えることができるので、首におけるシワの発生を抑制できる。更に、使用者の頬と共に背中上部を支えることができるので、更なる寝心地の向上に寄与する。
【0055】
第2実施形態において、下側芯材50は、下側芯材50の下面51から窪む凹み52を有する。枕用芯材31は、凹み52に出し入れ可能とされており、且つ上側芯材40よりも硬いクッション部材60を備える。よって、クッション部材60を凹み52に出し入れすることによって下側芯材50の硬さを調整できるので、使用者のニーズに応じて枕用芯材31の硬さを調整することができる。また、クッション部材60は、上側芯材40よりも硬い素材によって構成されている。従って、柔らかい枕ではなく、ある程度硬くして頭部をしっかり支えたいときに、凹み52にクッション部材60を入れることによって硬い枕用芯材31とすることができる。
【0056】
第2実施形態において、第1方向D1に沿って見たときに、空間部56が視認可能とされている。従って、枕用芯材31の側方から上側芯材40と下側芯材50との間に形成された空間部56を視認することができる。
【0057】
(第3実施形態)
続いて、
図8、
図9及び
図10を参照しながら第3実施形態に係る枕用芯材71について説明する。
図8は、枕用芯材71を示す斜視図である。
図9は、枕用芯材71を示す底面図である。
図10は、第1方向D1に沿って枕用芯材71を見た枕用芯材71の側面図である。
【0058】
例えば、平面視において、枕用芯材71は、長方形状を呈する。枕用芯材71は、例えば、第1方向D1に沿って延びると共に第2方向D2に沿って並ぶ第1側面72b、及び第2方向D2に沿って延びると共に第1方向D1に沿って並ぶ第2側面72cを有する。枕用芯材71は、鉛直上方に向けられる上側芯材80と、上側芯材80に固定された状態で下側に向けられる下側芯材90とを有する。
【0059】
例えば、上側芯材80の素材は、上側芯材10の素材と同一である。また、下側芯材90の素材は、下側芯材20の素材(例えばモールドウレタン)とは異なる。下側芯材90は、一例として、軟質ウレタンフォームによって構成されている。また、下側芯材90は、上側芯材80より硬い素材によって構成されている。
【0060】
例えば、上側芯材80は下側芯材90に重ねられた状態で下側芯材90に接着されている。枕用芯材71は上側芯材80及び下側芯材90が互いに接着する接着部73を有し、接着部73は下側芯材90の第2方向D2の両端のそれぞれに設けられる。接着部73では、下側芯材90の第2方向D2の両端側に糊を介して上側芯材80が接着されている。
【0061】
例えば、下方から見たときに、下側芯材90の外形は長方形状を呈する。一例として、下方から見たときに、下側芯材90は、第1方向D1に延びると共に第2方向D2に沿って並ぶ一対の長辺90bを有する。例えば、長辺90bは、第1方向D1の中央において下側芯材90の中心側に窪む凹部91cを有する。
【0062】
下側芯材90は、上側芯材80に対向する上面91と、第1方向D1の一端部及び他端部のそれぞれにおいて上面91から下方に窪む一対の穴部92とを有する。一対の穴部92は、下側芯材90を第3方向D3に貫通している。例えば、平面視において穴部92は三角形状を呈する。平面視において、穴部92の第2方向D2の長さは、下側芯材90の第1方向D1の端部に向かうに従って長くなっている。一例として、平面視において、穴部92の第1方向D1の中央側に位置する角部は丸みを帯びている。
【0063】
下側芯材90は、上面91に形成された凹凸構造94を有する。凹凸構造94は、第2方向D2に沿って並ぶ複数の凹凸95によって形成されている。凹凸95は、上側芯材80に向かって突出する凸と、凸に対して窪む凹とを含む。一例として、凹凸95の凸及び凹の形状は、U字状を呈する。凹凸構造94は、第1方向D1に延在している。例えば、凹凸構造94は、第1方向D1に沿って直線状に延在している。この場合、第1方向D1に直交する平面に沿って凹凸構造94を切断した断面の形状は、第1方向D1の位置によらず不変である。
【0064】
例えば、上側芯材80は、下側芯材90の穴部92の上方に位置する凹部81と、下側芯材90の凹凸構造94の上方に位置しており凹部81の第2方向D2の両端側に位置する一対の隆起部82とを有する。凹部81の下方に穴部92が位置しており、凹部81は隆起部82に対して相対的に窪んでいる。
【0065】
隆起部82の下方には凹凸構造94が位置しており、隆起部82は上方から荷重を受けたときに凹凸構造94に当接する。従って、使用者の側頭部が隆起部82を押し下げると隆起部82が凹凸構造94に当接するので、当該側頭部における圧力分散を促進できる。例えば、凹部81及び一対の隆起部82は、下側芯材90に接着されていない。
【0066】
上側芯材80は、下側芯材90の第2方向D2の両端側のそれぞれに位置する一対の端部83を有する。一対の端部83は、下側芯材90を第2方向D2の両端側から挟み込んでいる。各端部83は鉛直下方に向けられる下面83bを有し、下側芯材90も下面90dを有する。下方から見たときに、下面90dの第2方向D2の両端のそれぞれに下面83bが形成されている。一例として、各下面83bと下面90dは面一とされている。
【0067】
一対の端部83のそれぞれは、接着部73を介して下側芯材90の第2方向D2の両端に接着されている。例えば、下側芯材90に対する上側芯材80の接着部は、下側芯材90の第2方向D2の両端に位置する接着部73のみであり、接着部73以外の部位では上側芯材80は下側芯材90に接着されていない。この場合、例えば凹部81及び隆起部82において上側芯材80は変形自在とされている。
【0068】
以上、第3実施形態に係る枕用芯材71では、下側芯材90は、下側芯材90の上面91に形成された凹凸構造94を有する。上側芯材80と凹凸構造94とは互いに接着されていない。従って、柔らかい上側芯材80に頬が載せられたときに、上側芯材80の下に位置する凹凸構造94によって頬をやさしく支えることができる。凹凸構造94によって頬の圧力をより効果的に分散できるので、横向き寝時における寝心地を一層良好にすることができる。
【0069】
第3実施形態において、凹凸構造94は第1方向D1に延在しており、凹凸構造94を構成する凹凸95が第2方向D2に沿って並んでいる。従って、下側芯材90の凹凸構造94が第1方向D1に沿って延在することによって、使用者の頭部が第1方向D1に延在する凹凸構造94に対向する。従って、使用者が寝返りを打つと、第1方向D1に延在する凹凸構造94が使用者の頭部を刺激することとなるので、頭圧分散を行って通気性を良好にできると共に、頭部の血流を良くして抜け毛を予防することができる。
【0070】
第3実施形態において、一対の穴部92が下側芯材90を第3方向D3に貫通している。よって、使用者の頬が上側芯材80を押したときに上側芯材80をより凹ませやすくすることができる。従って、横向き寝時に頬をやさしく包むことができるので、更なる寝心地の向上に寄与する。
【0071】
(実施例)
次に、実施形態に係る枕用芯材の実施例について説明する。なお、本発明は以下の実施例には限定されない。前述した第1実施形態に係る枕用芯材1を実施例とし、穴部24を有しない下側芯材と上側芯材10とを備えた枕用芯材を比較例として、頬の圧力を測定する実験を行った。この実験は、20人の女性を被検者として行い、そのうち3人の圧力測定の結果を
図11に示している。
【0072】
図11の「A」、「B」、「C」は、前述した3人の被検者を示しており、色彩が濃い箇所ほど高い圧力がかかっており、色彩が薄い箇所ほど圧力が低いことを示している。
図11に示されるように、被検者「A」、「B」及び「C」のいずれについても、穴部24を有する実施例の枕用芯材1では、穴部24を有しない比較例の枕用芯材よりも頬の圧力が軽減しており、圧力分散性が高いことが分かった。ところで、肌に強い刺激を受けるとメラニンが生成されやすくなり、肌が継続的な圧力を受けると肌のターンオーバーが正常に行われずシミができやすいことが知られている。これに対し、実施例に係る枕用芯材1では、柔らかい上側芯材10と、穴部24を有する下側芯材20とを備えるので、圧力分散性を高めて頬をやさしく支えることができると共にシミの原因を予防できる。更に、前述した20人の被検者に主観評価をしてもらったが、主観評価の結果も実施例の方が良好であることが分かった。
【0073】
図12は、上記の実験の結果得られた実施例及び比較例のそれぞれにおける最大圧力(mmHg)、及び平均圧力(mmHg)を示している。
図12に示されるように、実施例に係る穴部24を有する枕用芯材1では、最大圧力、平均圧力ともに、穴部24を有しない比較例に係る枕用芯材よりも低減できていることがわかった。具体的には、実施例に係る枕用芯材1では、比較例に係る枕用芯材よりも、最大圧力を10(mmHg)程度、平均圧力を3(mmHg)程度低減できていることが分かった。
【0074】
以上、本開示に係る枕用芯材の種々の実施形態及び実施例について説明した。しかしながら、本開示は、前述した各実施形態又は実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨を変更しない範囲において更に変更可能である。すなわち、本開示に係る枕用芯材の各部の構造、形状、大きさ、材料、数及び配置態様は、上記の要旨の範囲内において適宜変更可能である。上記では、第1実施形態~第3実施形態に係る枕用芯材について説明したが、本開示に係る枕用芯材は、これらの実施形態が組み合わされた枕用芯材であってもよい。すなわち、第1実施形態~第3実施形態のうちの一部と、第1実施形態~第3実施形態のうちの当該一部とは異なる他部とが組み合わされた枕用芯材であってもよい。
【0075】
例えば、前述した第2実施形態では、第1方向D1又は第2方向D2を向く側部、及び下面51が露出しており、視認可能とされている下側芯材50について説明した。しかしながら、第2実施形態に係る下側芯材50において、第1実施形態の下側芯材20と同様、下面51のみが露出していてもよい。すなわち、第1実施形態と同様、下面51のみが露出しており、下面51以外の部分が上側芯材40に覆われていてもよい。また、第1実施形態に係る枕用芯材1が突出部53を有していてもよい。すなわち、枕用芯材1において、下側芯材20が第2方向D2に延びる突出部53を有していてもよい。
【0076】
例えば、前述した実施形態では、下側芯材20と、下側芯材20より通気性が高い上側芯材10とを備えた枕用芯材1について説明した。しかしながら、上側芯材の通気性は下側芯材の通気性より高くなくてもよく、上側芯材の通気性については適宜変更可能である。更に、前述した実施形態では、貫通孔22を有する下側芯材20について説明したが、下側芯材20は貫通孔22を有しなくてもよい。
【0077】
また、前述した実施形態では、第1方向D1に延びる凹凸構造94を有する下側芯材90を備えた枕用芯材71について説明した。しかしながら、下側芯材90の凹凸構造は、第1方向D1に延びるものに限定されない。例えば、下側芯材は、格子状に凹凸が配列された凹凸構造を有していてもよい。また、前述した実施形態では、平面視において蝶形を呈する枕用芯材1について説明した。しかしながら、平面視における枕用芯材の形状は、蝶形以外の形状であってもよく、特に限定されない。
【符号の説明】
【0078】
1…枕用芯材、2b…第1側面、2c…第2側面、2d…第1凹部、2f…第2凹部、10…上側芯材、11…下面、11b…第3湾曲部、11c…第4湾曲部、20…下側芯材、21…下面、21b…第1湾曲部、21c…第2湾曲部、22…貫通孔、22b…第1貫通孔、22c…第2貫通孔、23…上面、24…穴部、25…凸部、25b…第1凸部、25c…第2凸部、26…凹部、27…空間部、31…枕用芯材、32b…第1側面、32c…第2側面、32d…第3側面、40…上側芯材、50…下側芯材、51…下面、51b…第1延在部、51c…第2延在部、52…凹み、53…突出部、53b…上面、54…上面、55…穴部、56…空間部、60…クッション部材、61…平面、71…枕用芯材、72b…第1側面、72c…第2側面、73…接着部、80…上側芯材、81…凹部、82…隆起部、83…端部、83b…下面、90…下側芯材、90b…長辺、90d…下面、91…上面、91c…凹部、92…穴部、94…凹凸構造、95…凹凸、D1…第1方向、D2…第2方向、D3…第3方向。