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  • 特開-表示装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053365
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/04 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
G09F13/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159590
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】弁理士法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】深尾 英臣
【テーマコード(参考)】
5C096
【Fターム(参考)】
5C096AA24
5C096AA27
5C096BA04
5C096BB29
5C096CA02
5C096CA04
5C096CA06
5C096CB01
5C096CB02
5C096CD05
5C096CD22
5C096FA12
5C096FA17
5C096FA18
(57)【要約】
【課題】複数の光源41を実装した基板4を収納する本体ケース5の所定の表示板部6に設けられた、複数の光源41からの光を夫々出射する複数の出射孔61と、基板4と表示板部6との間に設けられる導光部材7とを備える表示装置であって、導光部材7には、各光源41から発光された光を各出射孔61に導光する導光部71が複数設けられ、各導光部71は、各出射孔61に挿入可能な出射凸部71bを有するものにおいて、一部の出射孔が省略された仕様が異なる表示装置で共通の導光部材7を用いることができるようにする。
【解決手段】導光部材7を、少なくとも一部の導光部71Xが表示板部6から本体ケース5の内方に変位可能となるように構成する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源が実装されている基板と、基板を収納する本体ケースと、本体ケースの所定の表示板部に設けられた、複数の光源から発光された光を本体ケースの外部に夫々出射する複数の出射孔と、基板と表示板部との間に設けられる導光部材とを備える表示装置であって、導光部材には、各光源から発光された光を各出射孔に導光する導光部が複数設けられ、各導光部は、各出射孔に挿入可能な出射凸部を有するものにおいて、
導光部材は、少なくとも一部の導光部が表示板部から本体ケースの内方に変位可能となるように構成されることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記導光部材は、前記複数の導光部と、これら導光部の配置部を囲う外枠部と、各導光部と外枠部とを連結する連結腕部とが一体成形された部材であり、前記変位可能な導光部用の連結腕部は、変位可能でない導光部用の連結腕部に比し、長さが長くて撓み易いことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光源が実装されている基板と、基板を収納する本体ケースと、本体ケースの所定の表示板部に設けられた、複数の光源から発光された光を本体ケースの外部に夫々出射する複数の出射孔とを備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の表示装置として、基板と表示板部との間に設けられる導光部材を備え、導光部材に、各光源から発光された光を各出射孔に導光する導光部を複数設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このもので、各導光部は、各出射孔に挿入可能な出射凸部を有している。
【0003】
上記従来例のものは、各出射孔に各導光部の出射凸部を挿入している。そのため、一部の出射孔が省略された仕様の異なる表示装置に、この出射孔が省略されていない表示装置用の導光部材を用いると、省略された出射孔に対応する導光部の出射凸部が表示板部に干渉して、導光部材を表示装置に組み込めなくなってしまう。従って、仕様の異なる表示装置毎に専用の導光部材を用意することが必要になり、生産性の向上を図る上で問題になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-328236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、仕様の異なる複数種の表示装置で共通の導光部材を用いることができるようにしたものを提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、複数の光源が実装されている基板と、基板を収納する本体ケースと、本体ケースの所定の表示板部に設けられた、複数の光源から発光された光を本体ケースの外部に夫々出射する複数の出射孔と、基板と表示板部との間に設けられる導光部材とを備える表示装置であって、導光部材には、各光源から発光された光を各出射孔に導光する導光部が複数設けられ、各導光部は、各出射孔に挿入可能な出射凸部を有するものにおいて、導光部材は、少なくとも一部の導光部が表示板部から本体ケースの内方に変位可能となるように構成されることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、変位可能な導光部に対応する一部の出射孔が省略された仕様の異なる表示装置に上記導光部材を用いた場合、省略された出射孔に対応する導光部が表示板部に押されて本体ケースの内方に変位するため、導光部材が表示装置に組み込み不能となることはない。従って、仕様の異なる複数種の表示装置で共通の導光部材を用いることができ、生産性を向上できる。
【0008】
また、本発明において、導光部材は、複数の導光部と、これら導光部の配置部を囲う外枠部と、各導光部と外枠部とを連結する連結腕部とが一体成形された部材であり、変位可能な導光部用の連結腕部は、変位可能でない導光部用の連結腕部に比し、長さが長くて撓み易いことが望ましい。これによれば、変位可能とすべき導光部を簡単な構造で変位可能とすることができ、コストダウンを図る上で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態の表示装置が組み込まれた食器洗浄機を示す斜視図。
図2図1の食器洗浄機の前扉の上部を構成する中部部材の本発明の実施形態の表示装置を組み込んだ部分の拡大正面図。
図3図2のIII-III線で切断した拡大切断平面図。
図4】実施形態の表示装置の分解状態の斜視図。
図5】仕様が異なる表示装置を組み込んだ上記中空部材の部分の拡大正面図。
図6図5のVI-VI線で切断した拡大切断平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の実施形態の表示装置Aが組み込まれた食器洗浄機を示している。この食器洗浄機は、システムキッチンのカウンタトップの下に設置されるビルトイン式のものであり、前面が開放されたハウジング1と、ハウジング1内に前方に引出し自在に収納される、食器類を収納可能な上面が開放された洗浄槽2と、洗浄槽2の前方に取付けられ、洗浄槽2をハウジング1内に収納したときにハウジング1の前面開口1aを覆う前扉3とを備えている。尚、前扉3は、洗浄槽2の前面の横方向両側部から前方に延出された取付板部21の前端に取付けられている。
【0011】
前扉3の上部は、洗浄槽2の上面よりも上方に突出する横長の中空部材31で構成されている。そして、この中空部材31の横方向中央部に、洗浄槽2を引き出すときに指を掛ける取手部32を設けている。また、中空部材31の後面下部から後方に延出された延出部33の前方から見て右寄り部分に、複数の操作ボタン34aが配置された食器洗浄機の操作部34を設けている。
【0012】
表示装置Aは、中空部材31の前方から見て右寄り部分に組み込まれている。以下、図2乃至図4を参照して、表示装置Aについて詳述する。表示装置Aは、発光ダイオード等から成る複数の光源41が実装された基板4と、基板4を収納する本体ケース5と、本体ケース5の所定の表示板部6に設けられた、複数の光源41から発光された光を本体ケース5の外部に夫々出射する複数の出射孔61と、基板4と表示板部6との間に設けられる導光部材7とを備えている。
【0013】
本実施形態において、本体ケース5は、中空部材3で構成されている。そして、本体ケース5の前壁51の前面に取付けられる薄板で表示板部6を構成している。基板4は、横方向に沿う起立姿勢で本体ケース5内に収納されている。そして、基板4の前面に横一列で6個の光源41が実装され、表示板部6には、6個の光源41に対応して横一列で6個の出射孔61が設けられている。左側から数えて1番目乃至4番目の光源41は、食器洗浄機の運転状態を表示するためのものであり、左側から数えて5番目の光源41は、洗浄槽2内の食器類が少ないときに水量や運転時間等を減少させるエコモードの選択時に発光するものであり、左側から数えて6番目の光源41は、予約運転の待機中に発光するものである。尚、運転状態を表示するため、例えば、洗浄運転中は、左側から数えて1番目乃至4番目の全ての光源41が発光し、第1段階のすすぎ運転中は、1番目乃至3番目の3つの光源41が発光し、温水による第2段階のすすぎ運転中は、1番目と2番目の2つの光源41が発光し、乾燥運転中は、1番目の光源41のみが発光する。
【0014】
本体ケース5の前壁51には、6個の光源41から発光された光が夫々入射する6個の入射孔52が横一列で形成されている。更に、前壁51の後面には、前壁51と基板4との間の空間を各光源41毎に仕切る隔壁部53が突設され、各光源41から発光された光が対応する入射孔52以外の入射孔52に入射されないようにしている。
【0015】
導光部材7には、各光源41から発光された光を対応する各出射孔61に導光する導光部71が横一列で6個設けられている。より具体的に説明すれば、導光部材7は、6個の導光部71と、これら導光部71の配置部を囲う外枠部72と、各導光部71と外枠部72とを連結する連結腕部73とが透光材料で一体成形された部材である。各導光部71は、外枠部7の上側と下側の辺に上下一対の連結腕部73を介して連結される平板部71aと、平板部71aの前面に突設した、各出射孔61に挿入可能な出射凸部71bと、平板部71aの後面に突設した、入射孔52に挿入可能な入射凸部71cとを有している。出射凸部71bは、前端面が前方に凸の曲面に形成されている。
【0016】
本体ケース5の前壁51の前面には、導光部材7の外枠部72と連結腕部73と導光部71の平板部71aとを受け入れる凹溝54が形成されている。凹溝54の平板部71aを受け入れる部分の溝底面に入射孔52が開口しており、この入射孔52に入射凸部71cが挿入される。また、左側から数えて5番目の光源41、入射孔52、出射孔61及び導光部71を夫々特定光源41X、特定入射孔52X、特定出射孔61X及び特定導光部71Xとして、特定導光部71Xの平板部71a及び特定導光部71X用の特定連結腕部73Xを受け入れる凹溝54の部分54aは、凹溝54の他の部分よりも深くなっている。そして、特定導光部71Xの出射凸部71bが特定出射孔61Xに挿入された状態で、特定導光部71Xの入射凸部71cが特定入射孔52Xに未挿入の状態で臨むようにしている。
【0017】
ところで、食器洗浄機には、選択可能なモードとしてエコモードを含まない機種もある。この機種においては、表示装置Aの仕様を、図5図6に示す如く、特定光源41X及び特定出射孔61Xを省略したものとする。この場合、導光部材7として、特定導光部71Xを省略した専用のものを用いることも可能である。然し、これでは、複数種の導光部材7を用意することが必要になって、その調達に支障を生じたり、誤って別機種用の導光部材7を取付けてしまうことがあり、生産性が悪化してしまう。
【0018】
そこで、本実施形態において、導光部材7は、特定導光部71Xが表示板部6から本体ケース5の内方、即ち、後方に変位可能となるように構成されている。より具体的に説明すれば、特定導光部71X用の特定連結腕部73Xを、変位可能でない他の導光部71用の連結腕部73に比し、長さが長くて撓み易いものにしている。これによれば、特定出射孔61Xを省略した仕様の表示装置Aに上述した導光部材7を使用した場合、特定導光部71Xが図6に示す如く表示板部6に押されて後方に変位するため、導光部材7が表示装置Aに組み込み不能となることはない。従って、仕様の異なる表示装置Aで共通の導光部材7を用いることができ、生産性を向上できる。
【0019】
また、本実施形態では、仕様の異なる表示装置Aで共通の本体ケース5を用いている。そして、本体ケース5の前壁51の前面に形成した凹溝54の特定導光部71Xの平板部71a及び特定連結腕部73Xを受け入れる部分54aを上述したように他の部分よりも深くすることで、特定出射孔61Xを省略した仕様の表示装置Aにおいて、特定導光部71Xが後方に変位することを妨げないようにしている。尚、凹溝54の特定導光部71X以外の導光部71の平板部71a及び連結腕部73を受け入れる部分を上記部分54aと同様に深く形成することも可能である。
【0020】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、左側から5番目の特定導光部71Xのみを変位可能としているが、左から5番目の特定出射孔61X以外の出射孔61が省略される仕様の表示装置Aも存在する場合は、特定導光部71X以外の導光部71も変位可能にすればよい。また、導光部材7に、変位可能な特定導光部71Xをバネで付勢して設けることも可能である。但し、上記実施形態によれば、変位可能な特定導光部71X用の特定連結腕部73Xの長さを長くして撓み易くするだけであり、バネ等の部品を追加せずに済む。即ち、変位可能とすべき特定導光部71Xを簡単な構造で変位可能とすることができ、コストダウンを図る上で有利である。また、上記実施形態は、食器洗浄機に組み込まれる表示装置Aに本発明を適用したものであるが、他の用途の表示装置にも同様に本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0021】
A…表示装置、4…基板、41…光源、5…本体ケース、6…表示板部、61…出射孔、7…導光部材、71…導光部、71X…特定導光部(変位可能な導光部)、72…外枠部、73…連結腕部、73X…特定連結腕部(変位可能な導光部用の連結腕部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6