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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053403
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】二重床パネル
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20240408BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240408BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
G06F1/20 C
G06F1/20 B
H05K7/20 G
F24F5/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159658
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】593063161
【氏名又は名称】株式会社NTTファシリティーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】二渡 直樹
(72)【発明者】
【氏名】宇田川 陽介
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322BA02
5E322BA03
5E322BA05
5E322BB03
5E322BB08
5E322EA05
(57)【要約】
【課題】 電子機器の吸込み温度の制御性悪化を抑制し、設置に要する空間や費用の増加抑制、制御に要する費用の増加抑制を行いやすい二重床パネルを提供する。
【解決手段】 複数の第1開口104が形成された板形状を有する固定部101と、複数の第2開口105が形成された板形状を有し、固定部101に対して相対移動することにより第1開口104と第2開口105の重なり部分の面積が変動する移動部102と、サーバ室内の温度に基づいて気体を貯蔵および放出する貯蔵部115と、固定部101および移動部102の一方に取り付けられ、貯蔵部115との間で気体が流通する筒状のシリンダ部111と、固定部101および移動部102の他方に取り付けられる取付部120を有し、貯蔵部115との間で流通する気体に基づいてシリンダ部111に対して相対的に移動するピストン部112と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ室に設置される二重床パネルであって、
複数の第1開口が形成された板形状を有する固定部と、
複数の第2開口が形成された板形状を有し、前記固定部に対して相対移動することにより第1開口と第2開口の重なり部分の面積が変動する移動部と、
前記サーバ室内の温度に基づいて気体を貯蔵および放出する貯蔵部と、
前記固定部および前記移動部の一方に取り付けられ、前記貯蔵部との間で前記気体が流通する筒状のシリンダ部と、
前記固定部および前記移動部の他方に取り付けられる取付部を有し、前記貯蔵部との間で流通する前記気体に基づいて前記シリンダ部に対して相対的に移動するピストン部と、
を有することを特徴とする二重床パネル。
【請求項2】
前記貯蔵部は、前記一方に配置されたことを特徴とする請求項1記載の二重床パネル。
【請求項3】
前記貯蔵部は、前記サーバ室に設置された電子機器を収納するラックにおける吸込み面に配置され、
前記貯蔵部と前記シリンダ部との間で前記気体が流通する導管部が配置されることを特徴とする請求項1または2記載の二重床パネル。
【請求項4】
前記貯蔵部には、第1貯蔵部および第2貯蔵部が含まれ、
前記第1貯蔵部は、前記サーバ室に設置された電子機器を収納するラックにおける吸込み面に配置され、
前記第2貯蔵部は、前記ラックにおける吸込み面とは異なる温度の前記一方に配置され、
前記シリンダ部には、第1シリンダ部および第2シリンダ部が含まれ、
前記第1シリンダ部には、前記第1貯蔵部によって放出された第1気体が導かれ、
前記第2シリンダ部には、前記第2貯蔵部によって放出された第2気体が導かれ、前記第1貯蔵部と前記第1シリンダ部との間で前記第1気体が流通する第1導管部が配置され、
前記ピストン部は前記第1シリンダ部および前記第2シリンダ部に挟まれて配置され、前記第1気体、および、前記第2気体の圧力差に基づいて前記第1シリンダ部および前記第2シリンダ部に対して相対移動することを特徴とする請求項1記載の二重床パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重床パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置や通信装置などの電子機器が配置されたサーバ室(電算機室とも表記する。)には、電子機器を冷却する空調設備が設けられている。例えば、サーバ室の床下を経由して電子機器の冷却に用いる冷気を供給する方法が知られている。
【0003】
具体的には、サーバ室を二重床とし、床上を電子機器が配置される空間とし、床下を冷気が流れる空間とする。空調機器から供給される冷気は、床下空間に供給される。冷気は二重床に形成された開口を経由して床下空間から床上空間に流出する。
【0004】
また、サーバ室の電子機器の吸込み温度を適正に保つ方法として、二重床パネルの開口率を調整する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1には、二重床パネルの開口率の調整方法として、制御装置により開口率を調整する方法が開示されている。また、制御装置により開口率を調整する方法の他に、手動で開口率を調整する方法も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-206565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、二重床パネルの開口率を手動で制御する場合には、人の作業の手間がかかることが問題であった。さらに人の作業では、電子機器の吸込み温度を定められた範囲内に収めることは難しいという問題もあった。
【0007】
また上述のように、二重床パネルの開口率を制御装置により調整する場合には、温度計測機、ネットワーク、および、制御装置のための電源配線といった設備が必要となる。つまり、手動で制御を行う場合と比較して、二重床パネルの設置に要する空間や費用が増えると共に、開口率の制御に要する費用も増えるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、電子機器の吸込み温度の制御性悪化を抑制するとともに、設置に要する空間や費用の増加抑制、制御に要する費用の増加抑制を行いやすい二重床パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の二重床パネルは、サーバ室に設置される二重床パネルであって、複数の第1開口が形成された板形状を有する固定部と、複数の第2開口が形成された板形状を有し、前記固定部に対して相対移動することにより第1開口と第2開口の重なり部分の面積が変動する移動部と、前記サーバ室内の温度に基づいて気体を貯蔵および放出する貯蔵部と、前記固定部および前記移動部の一方に取り付けられ、前記貯蔵部との間で前記気体が流通する筒状のシリンダ部と、前記固定部および前記移動部の他方に取り付けられる取付部を有し、前記貯蔵部との間で流通する前記気体に基づいて前記シリンダ部に対して相対的に移動するピストン部と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の二重床パネルによれば、サーバ室の温度変化によって、貯蔵部が気体を貯蔵または放出することにより第1開口と第2開口の重なり部分の面積が変動する。なお、固定部に配置される第1開口と、移動部に配置される第2開口と、の重なりで形成される開口を開口部とする。つまり、貯蔵部が気体を貯蔵する場合、シリンダ部内部の気体が貯蔵部に流出することにより、ピストン部はシリンダ部に対して相対移動する。また、貯蔵部が気体を放出する場合、貯蔵部からシリンダ部の内部に気体が流入することにより、ピストン部はシリンダ部に対して相対移動する。ピストン部がシリンダ部に対して相対移動することにより、固定部と移動部とが相対移動して第1開口と第2開口の重なり部分の面積が変動する。
【0011】
上記発明において、前記貯蔵部は、前記一方に配置されていることが好ましい。貯蔵部が、固定部に配置されている場合は、第1開口周辺の温度に基づいて移動部が移動される。貯蔵部が移動部に配置されている場合は、第2開口周辺の温度に基づいて移動部が移動される。つまり、固定部か移動部の周辺温度に基づいて、移動部は移動される。
【0012】
上記発明において、前記貯蔵部は、前記サーバ室に設置された電子機器を収納するラックにおける吸込み面(以後、前面とも記載する。)に配置され、前記貯蔵部と前記シリンダ部との間で前記気体が流通する導管部が配置されることが好ましい。
【0013】
このように貯蔵部を、サーバ室に設置されたラックにおける吸込み面に設置することにより、ラックが吸い込む空気の温度に基づいて、移動部は移動される。
また導管部を設けることで、貯蔵部から貯蔵および放出された気体は、導管部によって遠隔のシリンダ部まで導かれる。言い換えると、移動部から離れた位置に貯蔵部を設けることができる。
【0014】
上記発明において、前記貯蔵部には、第1貯蔵部および第2貯蔵部が含まれ、前記第1貯蔵部は、前記サーバ室に設置された電子機器を収納するラックにおける吸込み面に配置され、前記第2貯蔵部は、前記ラックにおける吸込み面とは異なる温度の前記一方に配置され、前記シリンダ部には、第1シリンダ部および第2シリンダ部が含まれ、前記第1シリンダ部には、前記第1貯蔵部によって放出された第1気体が導かれ、前記第2シリンダ部には、前記第2貯蔵部によって放出された第2気体が導かれ、前記第1貯蔵部と前記第1シリンダ部との間で前記第1気体が流通する第1導管部が配置され、前記ピストン部は前記第1シリンダ部および前記第2シリンダ部に挟まれて配置され、前記第1気体、および、前記第2気体の圧力差に基づいて前記第1ピストン部および前記第2ピストン部に対して相対移動することが好ましい。
【0015】
このように第1貯蔵部と第2貯蔵部として、2つの貯蔵部を設けることにより、サーバ室に設置されたラックにおける吸込み面と、サーバ室に設置されたラックにおける吸込み面とは異なる温度の固定部および移動部の一方と、に配置することができる。第1貯蔵部および第2貯蔵部は、それぞれ異なる温度の地点に配置されるため、第1貯蔵部が貯蔵および放出する気体の量と、第2貯蔵部が貯蔵および放出する気体の量との間に差が発生する。つまり、第1貯蔵部と第2貯蔵部が貯蔵および放出する気体には圧力差が発生する。
【0016】
また、第1貯蔵部が貯蔵および放出した気体は、第1シリンダ部に導かれ、第2貯蔵部が貯蔵および放出した気体は、第2シリンダ部に導かれる。それぞれのシリンダ部に導かれた気体の圧力差により、ピストン部が移動し、それに伴い移動部が移動される。つまり、第1貯蔵部と第2貯蔵部の設置された場所の温度差により、移動部は移動される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の二重床パネルによれば、貯蔵部が貯蔵および放出した気体が、第1開口と第2開口の重なり部分の面積を変動させるため、電子機器の吸込み温度の制御性悪化を抑制するとともに、設置に要する空間や費用の増加抑制、制御に要する費用の増加抑制を行いやすい二重床パネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】サーバ室の構成を説明する断面図である。
図2】第1実施形態の二重床パネルの配置を説明する平面図である。
図3】貯蔵部の温度が低下した際の固定部および移動部の配置を説明する床下空間から見た二重床パネルの模式図である。
図4】貯蔵部の温度が上昇した際の固定部および移動部の配置を説明する床下空間から見た二重床パネルの模式図である。
図5図3の固定部および移動部の配置を説明する断面図である。
図6図4の固定部および移動部の配置を説明する模式図である。
図7図3のアクチュエータ部の構成を説明する模式図である。
図8図4のアクチュエータ部の構成を説明する模式図である。
図9】貯蔵部の温度の変化による開口率の変化を説明するグラフである。
図10】第2実施形態の二重床パネルの配置を説明する模式図である。
図11】貯蔵部の温度が低下した際の図10のアクチュエータ部の構成を説明する模式図である。
図12】貯蔵部の温度が上昇した際の図10のアクチュエータ部の構成を説明する模式図である。
図13】第3実施形態の二重床パネルの構成を説明する模式図である。
図14図12のアクチュエータ部の構成を説明する模式図である。
図15】第1貯蔵部と第2貯蔵部の温度差の変化による開口率の変化を説明するグラフである。
図16】第4実施形態のアクチュエータ部の構成を説明する模式図である。
図17】第4実施形態のアクチュエータ部の構成を説明する模式図である。
図18】第4実施形態の第1貯蔵部および第2貯蔵部の温度差により、圧力の差およびバネの動作を説明するグラフである。
図19】第4実施形態のバネと第1貯蔵部および第2貯蔵部の温度差とにより、ピストン部の動作を説明するグラフである。
図20】第4実施形態のバネと第1貯蔵部および第2貯蔵部の温度差とにより、二重床パネルの開口率の変更されることを説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
〔第1の実施形態〕
この発明の第1の実施形態に係る二重床パネル100について、図1から図8を参照しながら説明する。本実施形態の二重床パネル100は、図1に示すようなサーバ室に配置されるものである。
【0020】
サーバ室には、複数のラック910が設けられている。当該ラック910には、電子機器903が配置されている。電子機器903には、CPUやGPU等の演算ユニット(図示せず。)および冷却用ファン(図示せず。)等が配置されている。冷却用ファンは、サーバ室内の空気を冷却用の空気として演算ユニットに送風する構成を有する。
【0021】
電子機器903は、前面からサーバ室の空気を吸気し、吸気した空気を背面から排気する構成を有する。吸気された空気は、CPUやGPU等の演算ユニットとの間で熱交換を行うことで、演算ユニットを冷却する。
【0022】
複数のラック910は、列状に隣接し並べられてラック列を形成する。複数のラック列は、隣接するラック列の前面同士、背面同士が対面するように配置されている。ラック列の前面側にはコールドアイル空間602が、背面側にはホットアイル空間603が形成されている。
【0023】
空調機900は、床上空間600の空気を吸入して冷却し、冷却した空気を床下空間601に供給する構成を有する。具体的には、図示しない室外機との間で冷媒を循環させることにより空気と冷媒との間で熱交換を行い、空気を冷却する構成を有する。室外機は、空気から熱を奪った冷媒が熱を外気に放出する構成を有する。
【0024】
空調機900には、熱交換により吸入した空気を冷却する熱交換部901と、床上空間600の空気を吸い込み床下空間601へ送り出す空調機ファン902と、が設けられている。熱交換部901や空調機ファン902は、公知の構成を有するものが使用される。
【0025】
二重床パネル100は、サーバ室の室内空間を、床上空間600と床下空間601とに区画する部材である。床上空間600には、複数のラック910と空調機900とが配置される。床下空間601には、電子機器903に接続される通信線や電源線が配置される。図2に示すように、床面のうちコールドアイル空間602の床面全体が、本実施形態の二重床パネル100で形成されてもよいし、コールドアイル空間602の床面の一部が、本実施形態の二重床パネル100で形成されてもよい。図2では、後述する開口面積が異なる二重床パネル100が図示されている。具体的には、開口面積が相対的に高い二重床パネル100が図2における下側に図示され、開口面積が相対的に低い二重床パネル100が図2における上側に図示されている。
【0026】
二重床パネル100は、図3および図4で示すように、固定部101、移動部102、および、アクチュエータ部110を備えている。固定部101は、二重床パネル100の外形を形成する矩形形状を有する板形状の部材であって、移動部102を相対移動可能に支持する部材である。固定部101には第1開口104と、レール部103とが設けられている。
【0027】
第1開口104は、固定部101に設けられた貫通孔である。第1開口104は、矩形形状を有する貫通孔であってもよいし、円形形状など他の形状を有する貫通孔であってもよい。本実施形態では、第1開口104が矩形形状であって角部が円弧状に形成された貫通孔である例に適用して説明する。
【0028】
第1開口104の個数は、少なくとも1つであればよい。本実施形態では第1開口104が28つである例に適用して説明する。28つの第1開口104は、縦4つ、横7つのマトリクス状に並んで配置されている。ここで、縦はレール部103が伸びる方向であって、横はレール部103が伸びる方向に対して直交する方向である。複数の第1開口104の配置は、マトリクス状の配置であってもよいし、他の配置であってもよい。
【0029】
レール部103は、固定部101に少なくとも1つ配置される長尺状の部材である。レール部103は、固定部101に対して移動部102を相対移動可能に支持する部材であって、移動部102の相対移動する方向を決定する部材である。レール部103は、固定部101の端部に配置されてもよいし、固定部101の中央など他の位置に配置されてもよい。本実施形態では、レール部103は2つ配置されている例に適用して説明する。2つのレール部103は間隔をあけて平行に並んで配置され、それぞれ固定部101における平行な2つの辺の近くに配置されている。2つのレール部103の間には、移動部102が移動可能に配置される。なお、レール部103に関しては、公知の技術を用いることができる。
【0030】
移動部102は、固定部101における床下空間601側の面に配置される矩形形状を有する板状の部材であって、固定部101およびレール部103に対して相対移動する部材である。移動部102には、第2開口105が設けられている。
【0031】
第2開口105は、移動部102に設けられた貫通孔であり、第1開口104と重なることにより床下空間601と床上空間600とをつなぐ流路を形成する貫通孔でもある。第2開口105は、矩形形状を有する貫通孔であってもよいし、円形形状など他の形状を有する貫通孔であってもよい。第2開口105は、第1開口104と同様の形状でもよいし、異なる形状でもよい。本実施形態では、第2開口105が矩形形状であって角部が円弧上に形成された第1開口104と同様の貫通孔である例に適用して説明する。
【0032】
第2開口105の個数は、少なくとも1つであればよい。第2開口105の個数は、第1開口104の個数と同じでもよいし、第1開口104の個数よりも多くてもよいし、少なくてもよい。本実施形態では第2開口105の個数が第1開口104の個数と同じ28つである例に適用して説明する。28つの第2開口105は、縦4つ、横7つのマトリクス状に並んで配置されている。複数の第2開口105の配置は、第1開口104と同じマトリクス状の配置であってもよいし、第1開口104と重なることにより流路を形成することができる他の配置であってもよい。
【0033】
アクチュエータ部110は、図7および図8で示すように、シリンダ部111、ピストン部112、および、バネ116を備えている。シリンダ部111は、シリンダ部111本体と貯蔵部115とを備えている。ピストン部112は、ピストンヘッド114とピストンロッド113と取付部120とを備えている。
【0034】
シリンダ部111は、貯蔵部115が貯蔵および放出した気体を流入および流出される筒状の形状の部材である。シリンダ部111は、固定部101および移動部102のいずれか一方に配置される。本実施形態では、シリンダ部111が固定部101に配置されている場合について説明する。本実施形態では、気体は水素とするが、気体は貯蔵部115が貯蔵および放出できる気体であればよい。シリンダ部111を形成する材料の材質は、気体(本実施形態では水素)に対して耐食性などの耐性を有する材質が好ましい。なお、シリンダ部111に関しては、公知の技術を用いることができる。
【0035】
貯蔵部115は、温度の変化で気体を貯蔵および放出をする部材である。貯蔵部115は、シリンダ部111の内部に配置される。例えば、後述するピストンヘッド114により区画される2つの空間のうち、ピストンロッド113が配置される空間とは異なる空間に配置されている。貯蔵部115には、気体を吸蔵および放出する材料が用いられてもよいし、気体を吸着および放出する材料が用いられてもよい。
【0036】
本実施形態では、貯蔵部115は気体を吸蔵および放出する材料を用いる例に適用して説明する。貯蔵部115に用いられる材料は、サーバ室における温度範囲(例えば10℃以上40℃以下の範囲)において気体を吸蔵および放出する特性を有することが好ましい。
【0037】
本実施形態では、貯蔵部115に用いられる材料として水素吸蔵合金を用いる例に適用して説明する。水素吸蔵合金とは、圧力や温度の変化に基づいて、水素を貯蔵または放出する性質をもつ物質である。水素吸蔵合金としては、例えば、ニッケル化合物やチタン化合物に用いることが好ましく、具体的に、LaNi4.7Al0.3、CaNi、LaNi、MmNi4.5AL0.5、TiFe0.9Mn0.1、TiFe、TiMn1.5、MmNi、Ti1.2Cr1.2Mn0.8、または、TiCr1.8を用いることが更に好ましい。貯蔵部115は気体を吸着および放出する材料を用いてもよく、例えばシリカゲルまたはゼオライトを用いてもよい。
【0038】
ピストン部112は、シリンダ部111の内部空間を2つの空間に区画し、2つの空間の圧力差に基づいてシリンダ部111に対して相対移動する部材である。ピストン部112を形成する材料の材質は、気体(本実施形態では水素)に対して耐食性などの耐性を有する材質が好ましい。
【0039】
ピストンヘッド114は、シリンダ部111の内部に配置され、シリンダ部111の内部を2つの空間に区画する板状または柱状の部材である。ピストンロッド113は、ピストンヘッド114と取付部120との間に配置された棒状の部材である。ピストンロッド113はシリンダ部111の内部から外部へ突出して配置されている。ピストンロッド113におけるシリンダ部111の内部側の端にはピストンヘッド114が配置され、外部側の端には取付部120が配置されている。取付部120はシリンダ部111の外部に配置された部材であって、固定部101および移動部102のうちシリンダ部111が配置されていない側に取り付けられる部材である。
【0040】
バネ116は、ピストン部112とシリンダ部111の間に配置された部材である。バネ116は、シリンダ部111の内部に配置されてもよいし、シリンダ部111の外部に配置されてもよい。例えば、シリンダ部111とピストンヘッド114との間に配置されてもよいし、シリンダ部111と取付部120との間に配置されてもよい。本実施形態では、バネ116はシリンダ部111と取付部120との間に配置される例に適用して説明する。バネ116は、ピストン部112がシリンダ部111から飛び出す方向に付勢してもよいし、ピストン部112がシリンダに引き込まれる方向に付勢してもよい。バネ116が気体(本実施形態では水素)に触れる場合には、バネ116は気体に対して耐食性などの耐性を有する材料を用いて形成されることが好ましい。なおバネ116に関しては、公知の技術を用いる。
【0041】
バネ116は、アクチュエータ部110におけるピストン部112とシリンダ部111との間に配置されてもよいし、固定部101と移動部102との間に配置されてもよい。また、固定部101と移動部102の間には、バネ116を配置してもよい。バネ116は、第1開口104と第2開口105との重なり面積である開口面積が大きくなる方向に付勢してもよいし、開口面積が小さくなる方向に付勢してもよい。本実施形態では、バネ116は開口面積が小さくなる方向に付勢する例に適用して説明する。
【0042】
次に、上記から構成される二重床パネル100における動作について説明する。まず、サーバ室の空調機900について図1を参照しながら説明する。
空調機900は、空調機900ファンを回転させることにより、床上空間600の空気を空調機900の内部に吸入する。空気は、空調機900における床上空間600に向かって開口する吸込口に吸入される。吸入される空気は、電子機器903から排出された空気であり、電子機器903の演算ユニットなどを冷却して温度が上昇した空気である。
【0043】
吸入された空気は熱交換部901において冷却される。具体的には、吸入された空気は、図示しない室外機と熱交換部901との間で循環する冷媒に熱を奪われて温度が低下する。吸入された空気から熱を奪った冷媒は室外機において奪った熱を外気に放出する。熱を放出した冷媒は再び熱交換部901において吸入された空気の熱を奪う。
【0044】
熱交換部901において冷却された空気は、空調機900ファンによって床下空間601へ送り出される。空気は、空調機900における底面に形成された床下空間601に向かって開口する開口部から送り出される。
【0045】
床下空間601に送り出された空気は、空調機900側の領域からラック910側の領域に向かって流れる。ラック910側の領域に到達した空気は、二重床パネル100の開口部を通って床上空間600に向かって流れだす。具体的には、サーバ室のコールドアイル空間602に向かって流出する。
【0046】
コールドアイル空間602に流入した空気は、ラック910に収納された電子機器903に吸入される。空気は、電子機器903におけるコールドアイル空間602側の面に形成された開口から内部に流れ込む。具体的には、内部に流れ込んだ空気は、電子機器903の演算ユニットなどにおいて発生した熱を奪い温度が上昇する。
【0047】
熱交換をした空気は、電子機器903の内部から外部へ流出する。空気は、電子機器903において、コールドアイル空間602とは反対側の面に形成された開口から外部へ流出する。具体的には、サーバ室のホットアイル空間603に向かって流出する。ホットアイル空間603へ流出した空気は、再び、空調機900に吸入される。
【0048】
次に二重床パネル100の動作について、図3から図8を参照して説明する。
二重床パネル100の固定部101に配置された貯蔵部115は、空調機900から送り出された空気と接している。貯蔵部115は、接触する空気に基づいて温度が変動する。貯蔵部115は空気の温度によって、温度が低下する場合もあるし、温度が上昇する場合もある。二重床パネル100は、貯蔵部115の温度が低下した場合と、上昇した場合とで、異なる動作をするため、それぞれについて説明する。
【0049】
まず、貯蔵部115の温度が低下する場合について図3図5、および、図7を参照して説明する。図7に示すように、貯蔵部115は温度が低下すると気体を吸蔵する。吸蔵される気体は、シリンダ部111におけるピストン部112により区画された2つの空間のうち、貯蔵部115が、配置された空間の気体である。貯蔵部115が気体を吸蔵することにより、貯蔵部115が配置された空間の圧力が低下する。
【0050】
貯蔵部115が配置された空間の圧力が低下すると、バネ116の付勢力によって、ピストン部112はシリンダ部111に対して相対的に移動する。具体的にはピストン部112が、貯蔵部115に向かって移動する。言い換えると、ピストン部112がシリンダ部111の外部から内部の方向にむかって、相対移動する。
【0051】
図3で示すように、ピストン部112は取付部120を介して移動部102に取り付けられ、シリンダ部111は固定部101に取り付けられているため、ピストン部112とシリンダ部111との相対移動は移動部102と固定部101に伝達される。言い換えると、ピストン部112の移動に伴って移動部102は、固定部101およびレール部103に対して、ピストン部112が移動する方向に相対移動する。具体的には、ピストン部112とシリンダ部111とが、図3および図5に示すように、第1開口104と第2開口105との重なり面積である開口面積が小さくなる方向に移動する。
【0052】
次に、貯蔵部115の温度が上昇する場合について図4図6、および、図8を参照して説明する。図8に示すように、貯蔵部115は温度が上昇すると気体を放出する。具体的には気体は、シリンダ部111におけるピストン部112により区画された2つの空間のうち、貯蔵部115が、配置された空間に放出される。貯蔵部115が気体を放出することにより、貯蔵部115が配置された空間の圧力が上昇する。
【0053】
貯蔵部115が配置された空間の圧力が上昇すると、当該圧力によりピストン部112が押される力がバネ116の付勢力よりも大きくなり、ピストン部112はシリンダ部111に対して相対的に移動する。具体的にはピストン部112が、取付部120側に移動する。言い換えると、ピストン部112がシリンダ部111の内部から外部の方向にむかって、相対移動する。
【0054】
図4で示すように、ピストン部112は取付部120を介して移動部102に取り付けられ、シリンダ部111は固定部101に取り付けられているため、ピストン部112とシリンダ部111との相対移動は移動部102と固定部101に伝達される。言い換えると、ピストン部112の移動に伴って移動部102は、固定部101およびレール部103に対して、ピストン部112が移動する方向に相対移動する。具体的には、ピストン部112とシリンダ部111とが、図4および図6に示すように、第1開口104と第2開口105との重なり面積である開口面積が大きくなる方向に移動する。二重床パネル100の開口率は、アクチュエータ部110が移動部102に伝達する力と、バネ116の復元力のつり合いにより決定される。
【0055】
図9で示すように、二重床パネル100の開口できる上限の範囲は、ピストン部112の稼働範囲によって制限される。言い換えると、ピストンロッド113の長さが、第1開口104の縦の長さより短い場合には、二重床パネル100の開口率は、100%以下になる。
【0056】
二重床パネル100の開口できる下限の範囲は、移動部102の固定部101に対しての相対位置によって制限される。言い換えると、アクチュエータ部110が稼働していない場合に、第1開口104と第2開口105の重なり部分の面積で形成される開口率が少なくとも、0%より高くなるように、移動部102を固定部101に対して配置することができる。
【0057】
本実施例では、貯蔵部115の温度が、27℃以上であれば、二重床パネル100の開口率は50%になる。貯蔵部115の温度が、27℃未満18℃以上であれば、二重床パネル100の開口率は、貯蔵部115の温度が下がるのに比例して50%から低くなっていく。貯蔵部115の温度が、18℃未満になると、二重床パネル100の開口率は10%になる。
【0058】
上記の構成の二重床パネル100によれば、サーバ室の温度変化によって、貯蔵部115が気体を貯蔵または放出することにより第1開口104と第2開口105の重なり部分の面積が変動する。つまり、貯蔵部115が気体を貯蔵する場合、シリンダ部111内部の気体が貯蔵部115に流出することにより、ピストン部112はシリンダ部111に対して相対移動する。また、貯蔵部115が気体を放出する場合、貯蔵部115からシリンダ部11の内部に気体が流入することにより、ピストン部112はシリンダ部111に対して相対移動する。ピストン部112がシリンダ部111に対して相対移動することにより、固定部101と移動部102とが相対移動して第1開口104と第2開口105の重なり部分の面積が変動する。
【0059】
貯蔵部115が貯蔵および放出した気体が、第1開口104と第2開口105の重なり部分の面積を変動させるため、電子機器903の吸込み温度の制御性悪化を抑制するとともに、設置に要する空間や費用の増加抑制、制御に要する費用の増加抑制を行いやすい二重床パネル100を提供することができる。
【0060】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、図10から図12を参照して説明する。本実施形態の二重床パネル200の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、アクチュエータ部210の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、第1の実施形態と相違する構成のみ説明し、同じ構成の説明は省略する。
【0061】
第2実施形態の二重床パネル200は、図10で示すように、固定部101、移動部102、および、アクチュエータ部210を備えている。
アクチュエータ部210は、図11および図12で示すように、シリンダ部211、ピストン部112、貯蔵部215、および、導管部217を備えている。貯蔵部215は、貯蔵部本体215Aおよび容器部215Bを備えている。
【0062】
本実施形態のアクチュエータ部210におけるシリンダ部211は、内部に貯蔵部215が配置されていない点が第1の実施形態と異なる。
貯蔵部本体215Aは、温度の変化で気体を貯蔵および放出をする部材である。貯蔵部本体215Aは、容器部215Bの内部に配置される。貯蔵部本体215Aは、第1の実施形態の貯蔵部115と同様に、気体を吸蔵および放出する材料が用いられてもよいし、気体を吸着および放出する材料が用いられてもよい。本実施形態の貯蔵部本体215Aは、第1の実施形態の貯蔵部115と同じ材料が用いられている。
【0063】
容器部215Bは、図10に示すように二重床パネル200と離れた位置に配置され、導管部217を通じて、シリンダ部211と気体が流通可能に接続されている。具体的には容器部215Bは、電子機器903が配置されたラック910の前面に配置される。容器部215Bは、図11および図12に示すように、内部に貯蔵部本体215Aが収納される中空形状を有し、導管部217との間で気体が流入および流出する部材である。容器部215Bを形成する材料の材質は、アルミニウムや銅と同等の熱伝導率を有する材質が好ましい。またアルミニウムや銅と比較して気体(本実施形態では水素)に対して耐食性などの耐性を有する材質が好ましい。容器部215Bは、空調機900から送風される空気と熱交換する面積を広げるため部材を備えてもよく、例えばフィンを備えるのが好ましい。なお、フィンに関しては、公知の技術を用いることができる。
【0064】
導管部217は、貯蔵部215とシリンダ部211の間に配置される配管の形状をした部材である。導管部217は容器部215B内の気体を、ピストン部112により区画されたピストンロッド113が配置されていない側の空間に導く部材であり、ピストンロッド113が配置されていない側の空間内の気体を容器部215Bに導く部材である。導管部217は、図10に示すように、貯蔵部215からラック910に沿って下方に伸びて配置されている。さらに導管部217は、固定部101の面に沿う方向に曲げられ、固定部101の面に沿って延びて配置されてもよい。導管部217を形成する材料の材質は、気体(本実施形態では水素)に対して耐食性などの耐性を有する材質が好ましい。なお、導管部217は公知の技術と用いることができる。
【0065】
次に、上記の構成の二重床パネル200における動作について図10から図12を参照して説明する。サーバ室のラック910に収納された電子機器903の冷却、移動部102の移動および、二重床パネル200の開口率の変更に関しては、第1の実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0066】
図10に示すように、電子機器903が配置されたラック910の前面に配置された貯蔵部215の容器部215Bは、電子機器903が吸込む空気と接している。図11および図12に示すように、容器部215Bは、接触する空気に基づいて温度が変動し、容器部215Bに収納された貯蔵部本体215Aも、温度が変動する。貯蔵部本体215Aは空気の温度によって、温度が低下する場合もあるし、温度が上昇する場合もある。二重床パネル200は、貯蔵部本体215Aの温度が低下した場合と、上昇した場合とで、異なる動作をするため、それぞれについて説明する。
【0067】
まず、貯蔵部本体215Aの温度が低下する場合について図11を参照しながら説明する。貯蔵部本体215Aは温度が低下すると気体を吸蔵する。具体的には貯蔵部215は、容器部215B内の気体を吸蔵する。さらに貯蔵部本体215Aは、シリンダ部211におけるピストン部112により区画された2つの空間のうち、ピストンロッド113が配置されていない空間の気体を、導管部217および容器部215Bを通じて吸蔵する。貯蔵部本体215Aが気体を吸蔵することにより、ピストンロッド113が配置されていない空間の圧力が低下する。
【0068】
次に、貯蔵部本体215Aの温度が上昇する場合について図12を参照しながら説明する。貯蔵部本体215Aは温度が上昇すると気体を放出する。具体的には貯蔵部215は、容器部215B内に気体を放出する。さらに貯蔵部本体215Aは、シリンダ部211におけるピストン部112により区画された2つの空間のうち、ピストンロッド113が配置されていない空間に、導管部217および容器部215Bを通じて気体を放出する。貯蔵部本体215Aが気体を放出することにより、ピストンロッド113が配置されていない空間の圧力が上昇する。第2の実施形態のおける以後の動作は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0069】
上記の構成の二重床パネル200によれば、貯蔵部215をサーバ室に設置されたラック910における前面に設置することにより、ラック910が吸い込む空気の温度に基づいて、移動部102は移動される。
【0070】
また導管部217を設けることで、貯蔵部215から貯蔵および放出された気体は、導管部217によって遠隔のシリンダ部211まで導かれる。言い換えると、移動部102から離れた位置に貯蔵部215を設けることができる。
【0071】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について、図13から図15を参照して説明する。本実施形態の二重床パネル300の基本構成は、図14に示すように第1の実施形態のアクチュエータ部110と第2の実施形態のアクチュエータ部210とが備えられている点が第1の実施形態や第2の実施形態と異なる。よって、本実施形態においては、第1の実施形態と第2の実施形態と相違する構成のみ説明し、同じ構成の説明は省略する。
【0072】
第3実施形態の二重床パネル300は、図13および図14で示すように、固定部101、移動部102、アクチュエータ部110、および、アクチュエータ部210を備えている。アクチュエータ部110、および、アクチュエータ部210は、所定の温度変化によってアクチュエータ部110が、移動部102を固定部101に対して相対移動させる方向と、同じ温度変化によってアクチュエータ部210が、移動部102を固定部101に対して相対移動させる方向とが、反対方向になるように配置される。
【0073】
具体的には、図14で示されたアクチュエータ部110に備えられている貯蔵部115が、シリンダ部111内の気体を吸蔵する際に、ピストン部112がシリンダ部111に対して相対移動する方向と、アクチュエータ部210に備えられている貯蔵部215が、シリンダ部211内の気体を吸蔵する際に、ピストン部112がシリンダ部211に対して相対移動する方向とが、反対方向になるように配置される。
【0074】
言い換えると、アクチュエータ部110に備えられている貯蔵部115が、シリンダ部111内の気体を放出する際に、ピストン部112がシリンダ部111に対して相対移動する方向と、アクチュエータ部210に備えられている貯蔵部215が、シリンダ部211内の気体を放出する際に、ピストン部112がシリンダ部211に対して相対移動する方向とが、反対方向になるように配置されてもよい。
【0075】
次に上記の構成の二重床パネル300における動作について図13および図14を参照して説明する。サーバ室のラック910に収納された電子機器903の冷却、貯蔵部115と貯蔵部215との気体の貯蔵および放出、および、移動部102の移動に関しては、第1の実施形態と第2の実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0076】
本実施形態では、図14で示すように、アクチュエータ部110は、貯蔵部115の温度が低下した場合に、第1開口104と第2開口105との重なり面積である開口面積が大きくなるように、移動部102を固定部101に対して相対移動させるように配置されている(図4参照)。アクチュエータ部210は、貯蔵部215の温度が低下した場合に、第1開口104と第2開口105との重なり面積である開口面積が小さくなるように、移動部102を固定部101に対して相対移動させるように配置されている(図5参照)。
【0077】
図13に示すように貯蔵部115と貯蔵部本体215Aとは離れた位置に配置されている。具体的には、貯蔵部115は二重床パネル300における床下空間601側の面に配置され、貯蔵部本体215Aはラック910におけるコールドアイル空間602側の位置に配置されている。空調機900および電子機器903が動作している場合には、床下空間601における二重床パネル300近傍の空気の温度は、コールドアイル空間602におけるラック910近傍の空気の温度以下となることが多い。
【0078】
貯蔵部115と貯蔵部本体215Aと温度差は大きくなる場合もあれば、小さくなる場合もある。以下では、貯蔵部115と貯蔵部本体215Aとの温度差が大きくなる場合の二重床パネル300における動作と、小さくなる場合の動作について説明する。
【0079】
まず貯蔵部115と貯蔵部本体215Aとの温度差が、大きくなる場合について説明する。例えば、二重床パネル300近傍の空気の温度が低下し、ラック910近傍の空気の温度が上昇する場合について説明する。アクチュエータ部110は、第1開口104と第2開口105との重なり面積である開口面積が大きくなる方向に力を発生させる(図4参照。)。
【0080】
図14に示すように、アクチュエータ部210は、第1開口104と第2開口105との重なり面積である開口面積が小さくなる方向に力を発生させる(図5参照。)。
図14に示すように、移動部102は、アクチュエータ部110とアクチュエータ部210との両方から力が伝達される。アクチュエータ部110が移動部102に対して伝達する力の方向は、アクチュエータ部210が移動部102に対して伝達する力の方向と反対である。アクチュエータ部110から伝達される力が、アクチュエータ部210から伝達される力より大きいため、移動部102はアクチュエータ部110から伝達される力の方向に相対移動する。
【0081】
つまり、貯蔵部115が吸蔵および放出する気体により発生する圧力と、貯蔵部215が吸蔵および放出する気体により発生する圧力との差によって、移動部102は固定部101に対して相対移動する。相対移動によって、第1開口104と第2開口105の重なり部分の面積が大きくなる。言い換えると、貯蔵部115と貯蔵部215との温度差により、第1開口104と第2開口105の重なり部分の面積を大きくさせることができる。
【0082】
次に貯蔵部115と貯蔵部本体215Aとの温度差が小さくなる場合について説明する。例えば、二重床パネル300近傍の空気の温度が上昇し、ラック910近傍の空気の温度が低下する場合について説明する。アクチュエータ部110は、第1開口104と第2開口105との重なり面積である開口面積が小さくなる方向に力を発生させる(図3参照。)。
【0083】
図14に示すように、アクチュエータ部210は、第1開口104と第2開口105との重なり面積である開口面積が大きくなる方向に力を発生させる(図6参照。)。図14に示すように、移動部102は、アクチュエータ部110とアクチュエータ部210との両方から力が伝達される。アクチュエータ部110が移動部102に対して伝達する力の方向は、アクチュエータ部210が移動部102に対して伝達する力の方向と反対である。アクチュエータ部110から伝達される力が、アクチュエータ部210から伝達される力より小さいため、移動部102はアクチュエータ部210から伝達される力の方向に相対移動する。
【0084】
つまり、貯蔵部115が吸蔵および放出する気体により発生する圧力と、貯蔵部215が吸蔵および放出する気体により発生する圧力との差によって、移動部102は固定部101に対して相対移動する。相対移動によって、第1開口104と第2開口105の重なり部分の面積が小さくなる。言い換えると、貯蔵部115と貯蔵部215との温度差により、第1開口104と第2開口105の重なり部分の面積を小さくさせることができる。
【0085】
二重床パネル300の開口率は、アクチュエータ部110が移動部102に伝達する力と、アクチュエータ部210が移動部102に伝達する力のつり合いにより決定される。具体的には貯蔵部115が吸蔵および放出する気体により発生する圧力と貯蔵部本体215Aが吸蔵および放出する気体により発生する圧力のつり合いにより決定される。
【0086】
後述する所定の温度差および前記温度差と開口率との関係について図15を参照して説明する。二重床パネル300の開口できる上限の範囲は、ピストン部112の移動範囲によって制限される。具体的にはピストンロッド113の長さが、第1開口104の縦の長さより短い場合には、二重床パネル300の開口率は、100%以下になる。
【0087】
二重床パネル300の開口できる下限の範囲は、移動部102の固定部101に対しての相対位置によって制限される。言い換えると、アクチュエータ部110とアクチュエータ部210との両方が稼働していない場合に、第1開口104と第2開口105の重なり部分の面積で形成される開口率が少なくとも、0%より高くなるように配置することができる。
【0088】
本実施例では、貯蔵部115と貯蔵部215との温度差が、5℃以上であれば、二重床パネル300の開口率は50%になる。貯蔵部115と貯蔵部215との温度差が、5℃未満1℃以上であれば、二重床パネル300の開口率は、貯蔵部115と貯蔵部215との温度差が低くなるのに比例して50%から低くなっていく。貯蔵部115と貯蔵部215との温度差が、1℃未満になると、二重床パネル300の開口率は10%になる。
【0089】
上記の構成の二重床パネル300によれば、貯蔵部115と貯蔵部215とを設けることにより、サーバ室に設置されたラック910における吸込み面と、サーバ室に設置されたラック910における吸込み面とは異なる温度の固定部101および移動部102の一方と、に配置することができる。貯蔵部115および貯蔵部215は、それぞれ異なる温度の地点に配置されるため、貯蔵部115が貯蔵および放出する気体の量と、貯蔵部215が貯蔵および放出する気体の量との間に差が発生する。つまり、貯蔵部115と貯蔵部215が貯蔵および放出する気体には圧力差が発生する。
【0090】
また、貯蔵部115が貯蔵および放出した気体は、アクチュエータ部110のシリンダ部111に導かれ、貯蔵部215が貯蔵および放出した気体は、シリンダ部211に導かれる。シリンダ部111とシリンダ部211とに導かれた気体の圧力差により、ピストン部112が移動し、それに伴い移動部102が移動される。つまり、第1貯蔵部115と第2貯蔵部215の設置された場所の温度差により、移動部102は移動される。
【0091】
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について、図16および図17を参照して説明する。本実施形態の二重床パネル400の基本構成は、第1の実施形態第、第2の実施形態、および、第3の実施形態と比較して、アクチュエータ部410の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、第1の実施形態第、第2の実施形態、および、第3の実施形態と相違する構成のみ説明し、同じ構成の説明は省略する。
【0092】
図16および図17に示すように、二重床パネル400は、固定部101、移動部102、バネ116、アクチュエータ部410、および、ストッパー418を備えている。アクチュエータ部410は、シリンダ部111、シリンダ部211、ピストン部412、貯蔵部215、および、導管部217を備えている。ピストン部412は、ピストンロッド413、ピストンヘッド414A、ピストンヘッド414B、および、取付部420を備えている。
【0093】
ピストン部412は、シリンダ部111の内部空間を2つの空間に区画し、シリンダ部211の内部空間を2つの空間に区画する部材である。ピストン部412はシリンダ部111の2つの空間のうち貯蔵部115が配置された側の空間と、シリンダ部211の2つの空間のうち貯蔵部215が配置された側の空間との、圧力差に基づいてシリンダ部111およびシリンダ部211に対して相対移動する部材である。
【0094】
つまり移動部102は、貯蔵部115が吸蔵および放出する気体により発生する圧力と、貯蔵部215が吸蔵および放出する気体により発生する圧力との差によって、固定部101に対して相対移動する。言い換えると、移動部102は、貯蔵部115と貯蔵部215との温度差により、固定部101に対して相対移動させることができる。
【0095】
ピストン部412は、シリンダ部111とシリンダ部211との両方から力が伝達される。シリンダ部111がピストン部412に対して伝達する力の方向は、シリンダ部211がピストン部412に対して伝達する力の方向と反対である。ピストン部412は、シリンダ部111とシリンダ部211とから伝達される力のうち、より大きな力を伝達した方向に移動する。
【0096】
ピストンヘッド414Aは、シリンダ部111の内部に配置され、シリンダ部111の内部を2つの空間に区画する板状または柱状の部材である。ピストンヘッド414Bは、シリンダ部111の内部に配置され、シリンダ部111の内部を2つの空間に区画する板状または柱状の部材である。
【0097】
ピストンロッド413は、ピストンヘッド414Aとピストンヘッド414Bとの間に配置された棒状の部材である。ピストンロッド413一方の端にはピストンヘッド414Aが配置され、他方の端にはピストンヘッド414Bが配置されている。ピストンロッド413の一方は、シリンダ部111の外部から内部へ突出し、他方はシリンダ部211の外部から内部へ突出して配置されている。ピストンロッド413におけるシリンダ部111とシリンダ部211のとの間の部分には取付部420が配置されている。
【0098】
取付部420はピストンロッド413に配置され、シリンダ部111とシリンダ部211との間に配置された部材である。取付部420は固定部101および移動部102のうち、シリンダ部111およびシリンダ部211が配置されていない側に取り付けられる部材である。
【0099】
バネ116は、アクチュエータ部410における取付部420とシリンダ部111との間に配置されてもよいし、取付部420とシリンダ部211との間に配置されてもよい。本実施形態では、バネ116は取付部420とシリンダ部211との間に配置され、シリンダ部111からピストン部412が引っ張られる方向に付勢する例に適用して説明する。
【0100】
ストッパー418は、取付部420と当接することにより取付部420の移動範囲を制限する部材である。ストッパー418は、シリンダ部111とシリンダ部211との両方に配置されている。具体的には、シリンダ部111における取付部420と対向する面と、シリンダ部211における取付部420と対向する面とに配置された部材である。
【0101】
次に上記の構成の二重床パネル400における動作について図16および図17を参照して説明する。サーバ室のラック910に収納された電子機器903の冷却、貯蔵部115と貯蔵部215との気体の貯蔵および放出、および、移動部102の移動に関しては、第1の実施形態と第2の実施形態と第3の実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0102】
二重床パネル400のシリンダ部111に配置された貯蔵部115は、空調機900から送り出された空気と接しており、貯蔵部115は、接触する空気に基づいて温度が変動する。二重床パネル400のシリンダ部211に配置された貯蔵部215の容器部215Bは、電子機器903が吸込む空気と接しており、容器部215Bは、接触する空気に基づいて温度が変動する(図10参照。)。
【0103】
ピストン部412は、シリンダ部111とシリンダ部211との両方から力が伝達される。ピストン部412は、シリンダ部111とシリンダ部211とのそれぞれから伝達される力の大きさによって、シリンダ部111に向かって移動する場合もあれば、シリンダ部211に向かって移動する場合もある。シリンダ部111に向かって移動する場合と、シリンダ部211に向かって移動する場合とで、異なる動作をするため、それぞれについて説明する。
【0104】
まずシリンダ部111に向かって移動する場合について説明する。ピストン部412は、シリンダ部211から伝達される力が、シリンダ部111から伝達される力およびバネ116の付勢力の合計より大きい場合には、シリンダ部111に向かって移動する。ピストン部412はシリンダ部111に向かって所定の距離まで近づくと、ピストン部412に配置されている取付部420がストッパー418Bに接触する。言い換えるとピストン部412の移動範囲は、ストッパー418Bにより制限される。なお所定の距離とは、シリンダ部111の外側からストッパー418Bが突出した距離である。
【0105】
次にシリンダ部211に向かって移動する場合について説明する。ピストン部412は、シリンダ部111から伝達される力およびバネ116の付勢力の合計が、シリンダ部211から伝達される力より大きい場合には、シリンダ部211に向かって移動する。ピストン部412はシリンダ部111に向かって所定の距離まで近づくと、ピストン部412に配置されている取付部420がストッパー418Aに接触する。言い換えるとピストン部412の移動範囲は、ストッパー418Aにより制限される。なお所定の距離とは、シリンダ部211の外側からストッパー418Aが突出した距離である。
【0106】
次に、図18に示す貯蔵部115と貯蔵部215との温度差およびシリンダ部111とシリンダ部211との圧力差の関係について説明する。また、貯蔵部115と貯蔵部215との温度差およびバネ116の付勢力の大きさの関係について説明する。
【0107】
図18における横軸は、貯蔵部115と貯蔵部215との温度差(℃)を表す。言い換えると高温側の温度と低温側の温度との温度差を表す。縦軸は、シリンダ部111とシリンダ部211との圧力差(Pa)を表す。さらにバネ116の付勢力の大きさ(N)を表す。
【0108】
図18におけるグラフAは、貯蔵部115と貯蔵部215との温度差を示すグラフである。グラフBは、バネ116の付勢力の大きさを示すグラフである。付勢力の大きさCは、バネ116における初期の付勢力の大きさである。
【0109】
図18における横軸である貯蔵部115と貯蔵部215との温度差および縦軸であるシリンダ部111とシリンダ部211との圧力差は比例しており、当該温度差が大きくなるほど、当該圧力差も大きくなる。
【0110】
図19に示す貯蔵部115と貯蔵部215との温度差に対するピストン部412の変位の関係について説明する。また、図20に示す貯蔵部115と貯蔵部215との温度差に対する開口率の関係について説明する。
【0111】
図19における横軸は、貯蔵部115と貯蔵部215との温度差(℃)を表す。縦軸は、所定の基準位置からのピストン部412の変位を表す。図20における横軸は、貯蔵部115と貯蔵部215との温度差(℃)を表す。縦軸は、第1開口104と第2開口105の重なり部分の面積である開口率(%)を表す。
【0112】
アクチュエータ部410は貯蔵部115と貯蔵部215との温度差が1℃未満、1℃以上5℃未満、および、温度差が5℃以上の3つの温度差の場合に応じて動作が変わる。本実施形態では貯蔵部115の温度が18℃かつ貯蔵部215の温度が19℃未満の場合(温度差1℃未満の場合。)、貯蔵部115の温度が18℃かつ貯蔵部215の温度が19℃以上23℃未満の場合(温度差1℃以上5℃未満の場合。)、および、貯蔵部115の温度が18℃かつ貯蔵部215の温度が23℃以上(温度差5℃以上の場合。)の3つの場合に応じてそれぞれ説明する。
【0113】
まず貯蔵部115の温度が18℃かつ貯蔵部215の温度が19℃未満の場合(温度差1℃未満の場合。)について説明する。図19に示すように、貯蔵部115と貯蔵部215との温度差が1℃未満の場合、ピストン部412の変位は、ストッパー418Aにてピストン部412の相対移動する範囲が制限されるため一定となる。変位が制限されたピストン部412がバネ116を引っ張る力は、ストッパー418Aにて制限され一定となる。つまり図18に示すように、バネ116の付勢力の強さは一定になる。
【0114】
ピストン部412の変位が制限されるため、ピストン部412の移動に伴い移動する移動部102の移動範囲も制限され一定となる(図6参照。)。言い換えると図20に示すように、第1開口104と第2開口105の重なり部分の面積で形成される開口率(図3参照。)は一定になる。具体的には二重床パネル400の開口率は10%で一定となる。
【0115】
次に貯蔵部115の温度が18℃かつ貯蔵部215の温度が19℃以上23℃未満の場合(温度差1℃以上5℃未満の場合。)について説明する。図19に示すように、貯蔵部115と貯蔵部215との温度差が大きくなるのに比例して、ピストン部412の変位は大きくなる。具体的にはピストン部412は、シリンダ部111方向に向かって相対移動する。ピストン部412の変位が大きくなるほど、ピストン部412がバネ116を引っ張る強さは大きくなる。つまり図18に示すように、バネ116の付勢力の強さは、貯蔵部115と貯蔵部215の温度差が大きくなるのに比例して大きくなる。
【0116】
移動部102は、ピストン部412の移動に伴い移動する。言い換えると図20に示すように、第1開口104と第2開口105の重なり部分の面積で形成される開口率(図3参照。)は、貯蔵部115と貯蔵部215の温度差が大きくなるのに比例して大きくなる。具体的には二重床パネル400の開口率は、貯蔵部115と貯蔵部215の温度差が大きくなるのに比例して、10%から50%で変動となる。
【0117】
次に貯蔵部115の温度が18℃で貯蔵部215の温度が23℃以上の場合(温度差5℃以上の場合。)について説明する。図19に示すように、ピストン部412の変位は、ストッパー418Bにて相対移動する範囲が制限されるため一定となる。変位が制限されたピストン部412が、バネ116を引っ張る力はストッパー418Bにて制限され一定となる。つまり図18に示すように、バネ116の付勢力の強さは一定になる。
【0118】
ピストン部412の変位が制限されるため、ピストン部412の移動に伴い移動する移動部102の移動範囲も制限され一定となる(図6参照。)。言い換えると図20に示すように、第1開口104と第2開口105の重なり部分の面積で形成される開口率(図3参照。)は一定になる。具体的には二重床パネル400の開口率は50%で一定となる。
【0119】
上記の構成の二重床パネル400によれば、貯蔵部115と貯蔵部215とを、2つの貯蔵部を設けることにより、サーバ室に設置されたラック910における吸込み面と、サーバ室に設置されたラック910における吸込み面とは異なる温度の固定部101および移動部102の一方と、に配置することができる。貯蔵部115および貯蔵部215は、それぞれ異なる温度の地点に配置されるため、貯蔵部115が貯蔵および放出する気体の量と、貯蔵部215が貯蔵および放出する気体の量との間に差が発生する。つまり、貯蔵部115と貯蔵部215が貯蔵および放出する気体には圧力差が発生する。
【0120】
また、貯蔵部115が貯蔵および放出した気体は、アクチュエータ部410のシリンダ部111に導かれ、貯蔵部215が貯蔵および放出した気体は、シリンダ部211に導かれる。シリンダ部111とシリンダ部211とに導かれた気体の圧力差により、ピストン部412が移動し、それに伴い移動部102が移動される。つまり、第1貯蔵部115と第2貯蔵部215の設置された場所の温度差により、移動部102は移動される。
【0121】
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、本発明を上記の実施形態に適用したものに限られことなく、これらの実施形態を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定するものではない。
【符号の説明】
【0122】
100,200,300,400…二重床パネル、101…固定部、102…移動部、103…レール部、104…第1開口、105…第2開口、110,210,410…アクチュエータ部、111,211…シリンダ部、112,412…ピストン部、113,413…ピストンロッド、114,414A,414B…ピストンヘッド、115,120,215…貯蔵部、116…バネ、215A…貯蔵部本体、215B…容器部、217…導管部、418A,418B…ストッパー、600…床上空間、601…床下空間、602…コールドアイル空間、603…ホットアイル空間、900…空調機、901…熱交換部、902…空調機ファン、903…電子機器、910…ラック
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