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特開2024-53439ステビオール配糖体を含む飲料の製造方法および飲料
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  • 特開-ステビオール配糖体を含む飲料の製造方法および飲料 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053439
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】ステビオール配糖体を含む飲料の製造方法および飲料
(51)【国際特許分類】
   C12G 3/055 20190101AFI20240408BHJP
   A23L 2/02 20060101ALI20240408BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20240408BHJP
   C12G 3/04 20190101ALI20240408BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20240408BHJP
   A23L 2/60 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
C12G3/055
A23L2/02 A
A23L2/52
C12G3/04
A23L2/00 B
A23L2/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159732
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100176094
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 満
(72)【発明者】
【氏名】久保田 理沙
(72)【発明者】
【氏名】生木 大志
(72)【発明者】
【氏名】玉岡 邦康
(72)【発明者】
【氏名】平野 真衣
【テーマコード(参考)】
4B115
4B117
【Fターム(参考)】
4B115LG02
4B115LH01
4B115LH03
4B115LH11
4B115LP02
4B117LC03
4B117LE10
4B117LG01
4B117LG02
4B117LG05
4B117LG07
4B117LK06
4B117LL02
4B117LL09
4B117LP16
4B117LP17
4B117LP20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】良好な味質を有する新規なステビオール配糖体含有飲料またはその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明によれば、果実および野菜からなる群から選択される1種以上を凍結して凍結物を得ること;凍結物を微粉砕して微粉砕物を得ること;微粉砕物を、原料成分の1種以上を抽出可能な濃度のアルコール溶液に浸漬してアルコール浸漬液を得ること;およびアルコール浸漬液とステビオール配糖体を飲料に配合すること、を含む、飲料の製造方法が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
果実および野菜からなる群から選択される1種以上を凍結して凍結物を得ること;
前記凍結物を微粉砕して微粉砕物を得ること;
前記微粉砕物を、原料成分の1種以上を抽出可能な濃度のアルコール溶液に浸漬してアルコール浸漬液を得ること;および
前記アルコール浸漬液とステビオール配糖体を飲料に配合すること、
を含む、飲料の製造方法。
【請求項2】
前記ステビオール配糖体が、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ズルコシドA、ルブソシドおよびステビオールビオシドからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含み、
前記1種以上のステビオール配糖体の配合量が、前記飲料に対して3mg/1000ml以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1種以上のステビオール配糖体の配合量が、前記飲料に対して10~800mg/1000mlである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1種以上のステビオール配糖体が、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群より選択される1種以上を含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記アルコール浸漬液の配合量が、前記飲料に対して純アルコール比で0.001~20%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記飲料にストレート果汁または濃縮果汁を配合することをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
低甘味度甘味料またはステビオール配糖体以外の高甘味度甘味料を配合することをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記アルコール浸漬液を飲料に配合する前に、遠心分離を行うことをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記微粉砕により、前記凍結物の平均粒径が200μm以下となる、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
15~100v/v%の濃度のアルコール溶液に浸漬して浸漬液を得る、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
柑橘類、仁果類または核果類の果実を凍結して凍結物を得る、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
果実および野菜からなる群から選択される1種以上の凍結微粉砕物のアルコール浸漬液と、ステビオール配糖体とを含む、飲料。
【請求項13】
アルコール度数が0.1~40v/v%である、請求項12に記載の飲料。
【請求項14】
ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ズルコシドA、ルブソシドおよびステビオールビオシドからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体の含有量が、飲料に対して、10~800mg/1000mlである、請求項12または13に記載の飲料。
【請求項15】
甘味強度が0.1~20である、請求項12~14のいずれか一項に記載の飲料。
【請求項16】
pHが2.0~4.6である、請求項12~15のいずれか一項に記載の飲料。
【請求項17】
柑橘類風味、仁果類風味、核果類風味、しょう果類風味、穀果類風味、熱帯性および亜熱帯性果実風味、果実的野菜風味、根菜類風味、葉茎菜類風味、果菜類風味、香辛野菜およびつまもの類風味、エナジードリンク風味、コーヒー風味、茶風味、ココア風味、コーラ風味、デザート風味または乳性飲料風味の飲料の飲料である、請求項12~16のいずれか一項に記載の飲料。
【請求項18】
容器詰飲料である、請求項12~17のいずれか一項に記載の飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステビオール配糖体を含む飲料の製造方法および飲料等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日本を中心に世界各地で、消費者のし好の多様化に伴って様々な味わい(フレーバー)の飲料が、容器詰めのノンアルコール飲料や幅広いアルコール度数の容器詰めアルコール飲料として販売されている。そのようなアルコール飲料として、焼酎やウオツカ、スピリッツ、ウイスキーなどの酒類に果汁や香料などを加えたチューハイやカクテル、ハイボールなどが挙げられる。さらに近年は、健康志向の高まりからアスパルテーム、ステビア、アセスルファムK、スクラロースなどの高甘味度甘味料を使用した低カロリーな製品等が好まれており、開発が行われている。しかしながら、これらの高甘味度甘味料は砂糖と異なる独特な味質を有することが知られており、その味質の改善が試みられている。
【0003】
例えば、特表2010-508824号公報(特許文献1)は、少なくとも1つの保存剤と、少なくとも1つの高甘味度甘味料と、少なくとも1つの甘味改善組成物を含む甘味料組成物やその甘味料組成物を含む飲料を開示している。
【0004】
また、特開2016-158585号公報(特許文献2)は、乳酸及びリンゴ酸の少なくとも1種の酸味料を含有し、前記酸味料の含有量がクエン酸換算量で0.005~2.000g/100mLであるアルコール飲料にステビアを所定量添加することで、甘味の後引きと苦味とが抑制されたアルコール飲料をもたらすことを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2010-508824号公報
【特許文献2】特開2016-158585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような状況の下、良好な味質を有する新規なステビオール配糖体含有飲料またはその製造方法の開発が待たれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らが確認したところ、ステビオール配糖体を含む飲料を飲用した際に、トップの甘味があまり強くなく、後半に苦味を感じるという官能特性が確認された。本発明者らは、驚くべきことに、このようなステビオール配糖体を含む飲料の官能特性が、果実の凍結粉砕浸漬製法によって得られた原料を用いることで改善されることを見出した。本発明はこのような知見に基づくものである。
【0008】
本発明は、次に示す、飲料の製造方法および飲料などを提供する。
[1]
果実および野菜からなる群から選択される1種以上を凍結して凍結物を得ること;
前記凍結物を微粉砕して微粉砕物を得ること;
前記微粉砕物を、原料成分の1種以上を抽出可能な濃度のアルコール溶液に浸漬してアルコール浸漬液を得ること;および
前記アルコール浸漬液とステビオール配糖体を飲料に配合すること、
を含む、飲料の製造方法。
[2]
前記ステビオール配糖体が、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ズルコシドA、ルブソシドおよびステビオールビオシドからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含み、
前記1種以上のステビオール配糖体の配合量が、前記飲料に対して3mg/1000ml以上である、[1]に記載の方法。
[3]
前記1種以上のステビオール配糖体の配合量が、前記飲料に対して10~800mg/1000mlである、[2]に記載の方法。
[4]
前記1種以上のステビオール配糖体が、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群より選択される1種以上を含む、[2]または[3]に記載の方法。
[5]
前記アルコール浸漬液の配合量が、前記飲料に対して純アルコール比で0.001~20%である、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]
前記飲料にストレート果汁または濃縮果汁を配合することをさらに含む、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7]
低甘味度甘味料またはステビオール配糖体以外の高甘味度甘味料を配合することをさらに含む、[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8]
前記アルコール浸漬液を飲料に配合する前に、遠心分離を行うことをさらに含む、[1]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9]
前記微粉砕により、前記凍結物の平均粒径が200μm以下となる、[1]~[8]のいずれかに記載の方法。
[10]
15~100v/v%の濃度のアルコール溶液に浸漬して浸漬液を得る、[1]~[9]のいずれかに記載の方法。
[11]
柑橘類、仁果類または核果類の果実を凍結して凍結物を得る、[1]~[10]のいずれかに記載の方法。
[12]
果実および野菜からなる群から選択される1種以上の凍結微粉砕物のアルコール浸漬液と、ステビオール配糖体とを含む、飲料。
[13]
アルコール度数が0.1~40v/v%である、[12]に記載の飲料。
[14]
ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ズルコシドA、ルブソシドおよびステビオールビオシドからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体の含有量が、飲料に対して、10~800mg/1000mlである、[12]または[13]に記載の飲料。
[15]
甘味強度が0.1~20である、[12]~[14]のいずれかに記載の飲料。
[16]
pHが2.0~4.6である、[12]~[15]のいずれかに記載の飲料。
[17]
柑橘類風味、仁果類風味、核果類風味、しょう果類風味、穀果類風味、熱帯性および亜熱帯性果実風味、果実的野菜風味、根菜類風味、葉茎菜類風味、果菜類風味、香辛野菜およびつまもの類風味、エナジードリンク風味、コーヒー風味、茶風味、ココア風味、コーラ風味、デザート風味または乳性飲料風味の飲料の飲料である、[12]~[16]のいずれかに記載の飲料。
[18]
容器詰飲料である、[12]~[17]のいずれかに記載の飲料。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、良好な味質を有する新規な飲料の製造方法が提供される。本発明の他の一態様によれば、良好な味質を有する新規な飲料が提供される。本発明の好ましい態様によれば、トップを含む全体の甘味と、後半の苦味が改善された新規な飲料の製造方法または飲料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明における官能特性について説明する図である。ステビオール配糖体を含む飲料を口に含むと、最初に甘味の立ち上がりを感じ、甘味が頂点(トップ)に達した後に時間経過とともに甘味が引いていく。図1における破線で囲った範囲(トップの後の後半の範囲)において、ステビオール配糖体を含む飲料が甘味よりも強い苦味を有することが確認された。一方で、本発明のいくつかの実施形態における方法およびそれによって得られた飲料によれば、トップを含む全体の甘味と後半の苦味が改善され、自然な甘味を感じることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施の形態のみに限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施をすることができる。
なお、本明細書において引用した全ての文献、および公開公報、特許公報その他の特許文献は、参照として本明細書に組み込むものとする。
【0012】
1.飲料の製造方法
本発明は、一態様として、以下の飲料を製造する方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう)を提供する。
本発明の一態様による製造方法は、
果実および野菜からなる群から選択される1種以上を凍結して凍結物を得ること;
前記凍結物を微粉砕して微粉砕物を得ること;
前記微粉砕物を、原料成分の1種以上を抽出可能な濃度のアルコール溶液に浸漬してアルコール浸漬液を得ること;および
前記アルコール浸漬液とステビオール配糖体を飲料に配合すること、
を含む、飲料の製造方法である。本発明の一態様による製造方法によって得られる飲料はノンアルコール飲料であってもアルコール飲料であってもよい。
【0013】
本明細書においてノンアルコール飲料とはアルコール度数が0.05v/v%以下の飲料を意味する。本明細書においてアルコール飲料とは、アルコール度数が0.05v/v%を超える飲料のことであるが、ここでいうアルコールとは、特に断らない限り、エチルアルコール(エタノール)を意味する。アルコール度数は特に限定されない。本発明のいくつかの実施形態による飲料は、アルコール度数が0.1~40v/v%である。なお本明細書において、アルコール度数は体積/体積基準の百分率(v/v%)で示されるものとする。また、飲料のアルコール度数は、日本国税局指定の方法で測定することができる。例えば、振動式密度計によって測定することができる。具体的には、飲料から濾過又は超音波によって炭酸ガスを抜いた試料を調製し、そして、その試料を蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算して求めることができる。あるいは、使用する酒類のアルコール度数が判明している場合には、そのアルコール度数と添加量から算出することができる。
【0014】
本発明の好ましい実施形態による製造方法によれば、飲料に含まれるステビオール配糖体の独特な味質が改善され、トップを含む全体の甘味と後半の苦味が改善された新規なステビオール配糖体含有飲料が提供される。本明細書における実施例で実証している通り、このような味質の改善は一般的な果汁(例えば、濃縮還元果汁)では得られず、アルコール浸漬液を用いた場合にのみ観察された。このことから、本発明の好ましい態様による効果は、予想外の効果であった。理論に拘束されることを望むものではないが、アルコール浸漬液とステビオール配糖体との相乗効果によって味質の改善がもたらされたと推察される。実施例において用いた果汁の量は、上記アルコール浸漬液中の果実由来の成分の量よりも有意に多いにもかかわらず味質の改善がほとんど見られなかったことから、果汁の添加量を増やしたとしても本発明と同様の効果は得られないと考えられる。
【0015】
本発明の一態様による製造方法において、果実および野菜からなる群から選択される1種以上を凍結して凍結物を得る。果実や野菜は特に限定されず、様々なものを用いることができる。例えば、果実としては、柑橘類(みかん、八朔、いよかん、ネーブルオレンジ、バレンシアオレンジ、日向夏、清見、ポンカン、文旦、グレープフルーツ、レモン、シークワーサー、タンゴール、なつみかん、甘夏、すだち、かぼす、だいだい、さんぼうかん、オロブランコ、ライム、柚子およびきんかんなど)、仁果類(りんご、日本梨、西洋なし、柿、びわ、ざくろおよびかりんなど)、核果類(桃、すもも、ネクタリン、さくらんぼ、梅およびあんずなど)、しょう果類(ぶどうおよびいちじくなど)、穀果類(栗、アーモンド、ピスタチオおよびカシューナッツなど)、熱帯性および亜熱帯性果実(パインアップル、バナナ、パパイヤ、ライチー、キウイフルーツおよびマンゴーなど)および果実的野菜(いちご、メロン、すいかおよびパパイヤなど)などを使用することができる。あるいは、あけび、アテモヤ、アボカド、オリーブ、ブラックベリー、ブルーベリー、ラズベリー、西洋すぐり、タンゼロ、チェリモヤ、ドリアン、なつめ、なつめやし、マンゴスチン、やまもも、ハスカップ、アボカド、パッションフルーツ、アセロラ、キワノ、グァバ、ぐみ、ピタヤ、びわ、りゅうがん、ホワイトサポテ、まくわうり、マルメロ、ココナッツ、スターフルーツ等も使用することができる。野菜としては、根菜類(にんじん、ビートおよびかんしょなど)、葉茎菜類(セルリー、パセリおよびクレソンなど)、葉菜類(ほうれん草、レタス、キャベツ)、果菜類(きゅうり、かぼちゃ、ピーマン、トマトおよびスイートコーンなど)、ハーブ類(ミント、レモングラス、コリアンダー、イタリアンパセリおよびローズマリーなど)、香辛野菜およびつまもの類(しょうが、しそ、とうがらし、桂皮およびこしょうなど)などを使用することができる。果実および野菜は2種類以上のものを組み合わせて用いてもよい。本発明の好ましい実施形態による製造方法において、柑橘類、仁果類または核果類の果実を凍結して凍結物を得、より好ましくは、レモン、オレンジ、みかん、グレープフルーツ、桃、ぶどう、シークワーサー、リンゴ、柚子、日本梨および西洋なしから選択される1種以上を凍結して凍結物を得る。本明細書において、「果実」または「野菜」とは、特に断らない限り、汁液および固形分を含む生の果実全体または野菜全体をいう。
【0016】
果実や野菜の凍結は、後述の方法で微粉砕可能であれば、任意の凍結機や凍結方法を用いてもよい。例えば、空気凍結法、エア・ブラスト凍結法、接触式凍結法、ブライン凍結法、液体窒素を用いる凍結法等いずれを用いてもよい。急速に凍結できる観点から、液体窒素を用いる凍結法が好ましい。
【0017】
果実や野菜の凍結温度は、これらが十分に凍結し、後述の方法で微粉砕可能であれば特に限定されない。好ましくは、凍結温度は-40℃以下、-50℃以下、-60℃以下、-70℃以下、-80℃以下、-90℃以下、-100℃以下、-110℃以下、-120℃以下、-130℃以下、-140℃以下、-150℃以下、-160℃以下、-170℃以下、-180℃以下または-190℃以下であってもよい。例えば液体窒素を用いて-196℃で凍結してもよい。あるいは、凍結温度は果実や野菜の脆化温度以下であることが好ましい。本明細書において、「脆化温度」とは、対象物が低温で急激に脆化(脆く、破壊されやすくなる)する温度をいう。果実や野菜の脆化温度は、例えば、特許第5154230号に記載の方法で求めることができる。
【0018】
果実や野菜は加工せずにそのまま凍結してもよく、事前に所定の大きさにカットしてから凍結してもよい。種子や果皮等の非可食部が付いたままの果実や野菜全体をカットしてもよく、事前に非可食部を除去した上でカットしてもよい。好ましくは果実や野菜は加工せずにそのまま凍結する。種子や果皮等が着いた状態で後述の微粉砕および浸漬に供することで、果実や野菜全体の風味がもたらされる点で好ましい。
【0019】
本発明の一態様による製造方法において、上述の方法で得られた凍結物を微粉砕して微粉砕物を得る。凍結物を微粉砕する際には、微粉砕物が後述の抽出が熱をかけずに十分かつ容易に実施できれば特に限定されない。例えば、微粉砕は、凍結粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製の「リンレックスミル」)等を用いて行うことができる。凍結物の微粉砕によって得られる微粉砕物の平均粒径は、実施例に記載の方法で測定した場合に、約200μm以下(または1~200μm)であることが好ましく、約100μm以下(または1~100μm)であることがより好ましい。本明細書で微粉砕物について平均粒径が示されている場合は、特に断らない限り、メジアン径(ふるい上分布曲線の50%に対応する粒径)を意味する。
【0020】
本発明の一態様による製造方法において、上記の方法で得られた微粉砕物を、原料成分の1種以上を抽出可能な濃度のアルコールに浸漬してアルコール浸漬液(以下、本明細書において、「凍結粉砕浸漬酒」ともいう)を得る。本明細書において、「原料成分の1種以上を抽出可能な濃度のアルコール溶液」とは、原料に用いている果実や野菜の成分の1種以上(例えば、香気成分)を抽出できる濃度のアルコール溶液であれば特に限定されない。
【0021】
浸漬に用いるアルコールとしては、上記のとおり原料成分の1種以上を抽出可能な濃度のアルコールであれば特に限定されない。例えば、アルコール濃度が約15~約100v/v%のものを用いることができる。好ましくは、約20~約70v/v%または約30~約60v/v%とすることができる。そのようなアルコールとしては、清酒、焼酎、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコールまたはスピリッツ(グレーンスピリッツ、ニュートラルスピリッツ)などを用いることができる。また、浸漬に用いるアルコール溶液のアルコール濃度を変えることにより、アルコール溶液中に抽出される香気成分や効能のある成分の種類や量が変化し得る。具体的には、果実(特に柑橘類、とりわけグレープフルーツおよびレモン)を用いる場合は、アルコール濃度は、香味を充分にもたせる観点から、約20v/v%以上、好ましくは約30v/v%以上、例えば約40v/v%とすることができ、好ましくない呈味(例えば、苦味)及び臭い(例えば、カビ臭)をもたせないようにするとの観点から、好ましくは約60v/v%以下とすることができる。あるいは、核果類の果実(特に桃)を用いる場合、アルコール濃度は、香味を充分にもたせる観点から、約20v/v%以上、好ましくは約25v/v%以上とすることができ、好ましくない呈味(例えば、苦味)及び臭い(例えば、カビ臭)をもたせないようにするとの観点から、好ましくは約60v/v%以下、さらに好ましくは、約40v/v%以下とすることができる。
【0022】
浸漬を行う際の浸漬比や浸漬時間は、材料の種類、微粉砕物の粒径、抽出したい成分の種類または量、求める抽出効率等に応じて適宜定めることができる。浸漬比は、一般的には、アルコール溶液1Lに対し、凍結微粉砕物が約1g~約500g、好ましくは約5g~約300g、より好ましくは約10g~約200gである。浸漬時間は、一般的には、約半日~数ヶ月であるであるのが好ましく、柑橘類果実の場合は好ましくは約1日~約3日であり、梅等の核果類果実の場合は数ヶ月としてもよい。
【0023】
浸漬を行う際の条件を調整することにより、浸漬液に含まれる成分の量や香気を調整することができる。例えば、浸漬時間を長くすることや、果実の浸漬量を増やすことで、浸漬液に含まれる成分の量を増やし、香気を強めることができる。したがって、原料によって浸漬条件を変えることで、得られるアルコール浸漬液またはそれを用いた飲料において安定した品質を保持することが可能となる。
【0024】
抽出工程終了後の浸出液から、そのまま、またはろ過して固形分を除いて、アルコール浸漬液を得ることができる。ろ過には、この分野で同様の目的で使用される通常の手段、例えば珪藻土を使用する方法を適用することができる。得られたアルコール浸漬液は、必要に応じ、蒸留等の追加の処理に供してもよい。
【0025】
本発明の好ましい実施形態による製造方法は、アルコール浸漬液を飲料に配合する前に、遠心分離を行うことをさらに含む。遠心分離を行うことにより、飲料のトップを含む全体の甘味と後半の苦味がより良好となるため好ましい。遠心分離は本技術分野における通常の方法で行うことができ、十分に液体と固形分を分離した上で、固形分を除去することができていれば特に限定されない。例えば、遠心分離は、アルファ・ラバル株式会社製の「ディスク型遠心分離機(型式:BRPX617S)」を用いて行うことができる。遠心分離の条件も特に限定されないが、例えば、3000~5000rpmで10~60分程度行うことができる。遠心分離の際の温度も特に限定されず、例えば室温で行ってもよい。
【0026】
本発明の一態様による製造方法において、アルコール浸漬液とステビオール配糖体を飲料に配合する。この配合方法は、アルコール浸漬液とステビオール配糖体を含む飲料が得られれば特に限定されない。アルコール浸漬液とステビオール配糖体は別々に飲料ベース(例えば、水や炭酸水)に添加してもよく、同時に添加してもよく、どちらを先に添加してもよい。また、ステビオール配糖体をろ過前のアルコール浸漬液に添加してからろ過を行い、それを飲料に添加してもよい。
【0027】
<ステビオール配糖体>
ステビオール配糖体とは、キク科ステビア(Stevia rebaudiana)の葉に含まれるジテルペノイドの一種であるステビオール(Steviol)を骨格として有する甘味物質である。ステビオール配糖体の多くは砂糖の数十倍~数百倍もの甘味を呈することから、カロリーレスの甘味料として飲食品産業に利用されている。
【0028】
本発明において、ステビオール配糖体が用いられる。ステビオール配糖体としては特に限定されないが、例えば、ステビオシド、レバウジオシドA(以下、レバウジオシドをRebと略すことがある)、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドL、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドQ、レバウジオシドR、ズルコシドA、ズルコシドC、ステビオールモノシド、ステビオールビオシドおよびルブソシドなどが挙げられる。本発明の一実施形態において、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドL、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドQ、レバウジオシドR、ズルコシドA、ズルコシドC、ステビオールモノシド、ステビオールビオシドおよびルブソシドからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体が用いられる。本発明の好ましい実施形態の製造方法において、ステビオール配糖体は、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドM、レバウジオシドNおよびレバウジオシドOからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含む。本発明の他の好ましい実施形態の製造方法におけるステビオール配糖体は、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ズルコシドA、ルブソシドおよびステビオールビオシドからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含む。本発明のさらに好ましい実施形態の製造方法におけるステビオール配糖体は、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を含む。本発明に用いるステビオール配糖体は、ステビアから直接抽出してもよく、ステビア抽出物中に含まれる別の構造を有する化合物にグルコース等の1つ以上の糖分子を化学的または生化学的に付加することで得てもよい。
【0029】
ステビオール配糖体の配合量は、特に限定されないが、好ましくは飲料に対して3mg/1000ml以上である。3mg/1000ml以上の量で配合することにより、トップを含む全体の甘味と後半の苦味が良好な飲料が提供される。本発明のいくつかの実施形態において、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ズルコシドA、ルブソシドおよびステビオールビオシドからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体の配合量は、飲料に対して、3mg/1000ml以上、3~1000mg/1000ml、3~900mg/1000ml、3~800mg/1000ml、3~700mg/1000ml、3~600mg/1000ml、3~550mg/1000ml、3~500mg/1000ml、3~400mg/1000ml、3~300mg/1000ml、3~200mg/1000ml、3~100mg/1000ml、5~1000mg/1000ml、5~900mg/1000ml、5~800mg/1000ml、5~700mg/1000ml、5~600mg/1000ml、5~550mg/1000ml、5~500mg/1000ml、5~400mg/1000ml、5~300mg/1000ml、5~200mg/1000ml、5~100mg/1000ml、10~1000mg/1000ml、10~900mg/1000ml、10~800mg/1000ml、10~700mg/1000ml、10~600mg/1000ml、10~550mg/1000ml、10~500mg/1000ml、10~400mg/1000ml、10~300mg/1000ml、10~200mg/1000ml、10~100mg/1000ml、20~1000mg/1000ml、20~900mg/1000ml、20~800mg/1000ml、20~700mg/1000ml、20~600mg/1000ml、20~550mg/1000ml、20~500mg/1000ml、20~400mg/1000ml、20~300mg/1000ml、20~200mg/1000ml、20~100mg/1000ml、30~1000mg/1000ml、30~900mg/1000ml、30~800mg/1000ml、30~700mg/1000ml、30~600mg/1000ml、30~550mg/1000ml、30~500mg/1000ml、30~400mg/1000ml、30~300mg/1000ml、30~200mg/1000ml、30~100mg/1000ml、50~1000mg/1000ml、50~900mg/1000ml、50~800mg/1000ml、50~700mg/1000ml、50~600mg/1000ml、50~550mg/1000ml、50~500mg/1000ml、50~400mg/1000ml、50~300mg/1000ml、50~200mg/1000ml、50~100mg/1000ml、100~1000mg/1000ml、100~900mg/1000ml、100~800mg/1000ml、100~700mg/1000ml、100~600mg/1000ml、100~550mg/1000ml、100~500mg/1000ml、100~400mg/1000ml、100~300mg/1000ml、100~200mg/1000ml、200~1000mg/1000ml、200~900mg/1000ml、200~800mg/1000ml、200~700mg/1000ml、200~600mg/1000ml、200~550mg/1000ml、200~500mg/1000ml、200~400mg/1000ml、200~300mg/1000ml、300~1000mg/1000ml、300~900mg/1000ml、300~800mg/1000ml、300~700mg/1000ml、300~600mg/1000ml、300~550mg/1000ml、300~500mg/1000ml、300~400mg/1000ml、400~1000mg/1000ml、400~900mg/1000ml、400~800mg/1000ml、400~700mg/1000ml、400~600mg/1000ml、400~550mg/1000mlまたは400~500mg/1000mlであってもよい。2種以上のステビオール配糖体を配合する場合はその合計量を意味する。好ましくは、上記1種以上のステビオール配糖体の配合量は、飲料に対して、5~900mg/1000ml、10~800mg/1000mlまたは50~700mg/1000mlであってもよい。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態において、ステビオール配糖体が、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群より選択される1種以上を含む。本発明の他の実施形態において、1種以上のステビオール配糖体が、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群より選択される1種以上である。本発明の一実施形態において、ステビオール配糖体がステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ズルコシドA、ルブソシドおよびステビオールビオシドからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体から実質的になっていてもよく、好ましくは、ステビオール配糖体が、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群より選択される1種以上のステビオール配糖体から実質的になる。本明細書において「~から実質的になる(consisting essentially of)」とは、本発明に用いるステビオール配糖体が、ここに記載以外のステビオール配糖体を少量含み得ることを意味する。例えば、ステビオール配糖体が、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群より選択される1種以上のステビオール配糖体から実質的になる場合、ステビオール配糖体中の好ましくは85重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上がレバウジオシドA、レバウジオシドDおよび/またはレバウジオシドMで構成されることを意味する。例えば、純度90重量%以上の市販のレバウジオシドA製剤は、ステビオール配糖体中の90重量%以上がレバウジオシドAから構成されると理解できる。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態における製造方法は、飲料にレバウジオシドAを配合し、レバウジオシドAの配合量が3~1000mg/1000ml、3~900mg/1000ml、3~800mg/1000ml、3~700mg/1000ml、3~600mg/1000ml、3~550mg/1000ml、3~500mg/1000ml、3~400mg/1000ml、3~300mg/1000ml、3~200mg/1000ml、3~100mg/1000ml、5~1000mg/1000ml、5~900mg/1000ml、5~800mg/1000ml、5~700mg/1000ml、5~600mg/1000ml、5~550mg/1000ml、5~500mg/1000ml、5~400mg/1000ml、5~300mg/1000ml、5~200mg/1000ml、5~100mg/1000ml、10~1000mg/1000ml、10~900mg/1000ml、10~800mg/1000ml、10~700mg/1000ml、10~600mg/1000ml、10~550mg/1000ml、10~500mg/1000ml、10~400mg/1000ml、10~300mg/1000ml、10~200mg/1000ml、10~100mg/1000ml、20~1000mg/1000ml、20~900mg/1000ml、20~800mg/1000ml、20~700mg/1000ml、20~600mg/1000ml、20~550mg/1000ml、20~500mg/1000ml、20~400mg/1000ml、20~300mg/1000ml、20~200mg/1000ml、20~100mg/1000ml、30~1000mg/1000ml、30~900mg/1000ml、30~800mg/1000ml、30~700mg/1000ml、30~600mg/1000ml、30~550mg/1000ml、30~500mg/1000ml、30~400mg/1000ml、30~300mg/1000ml、30~200mg/1000ml、30~100mg/1000ml、50~1000mg/1000ml、50~900mg/1000ml、50~800mg/1000ml、50~700mg/1000ml、50~600mg/1000ml、50~550mg/1000ml、50~500mg/1000ml、50~400mg/1000ml、50~300mg/1000ml、50~200mg/1000ml、50~100mg/1000ml、100~1000mg/1000ml、100~900mg/1000ml、100~800mg/1000ml、100~700mg/1000ml、100~600mg/1000ml、100~550mg/1000ml、100~500mg/1000ml、100~400mg/1000ml、100~300mg/1000ml、100~200mg/1000ml、200~1000mg/1000ml、200~900mg/1000ml、200~800mg/1000ml、200~700mg/1000ml、200~600mg/1000ml、200~550mg/1000ml、200~500mg/1000ml、200~400mg/1000ml、200~300mg/1000ml、300~1000mg/1000ml、300~900mg/1000ml、300~800mg/1000ml、300~700mg/1000ml、300~600mg/1000ml、300~550mg/1000ml、300~500mg/1000ml、300~400mg/1000ml、400~1000mg/1000ml、400~900mg/1000ml、400~800mg/1000ml、400~700mg/1000ml、400~600mg/1000ml、400~550mg/1000mlまたは400~500mg/1000mlであってもよい。本発明の好ましい実施形態において、レバウジオシドAの配合量は、5~900mg/1000ml、10~800mg/1000mlまたは50~700mg/1000mlであってもよい。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態における製造方法は、飲料にレバウジオシドDを配合し、レバウジオシドDの配合量が3~1000mg/1000ml、3~900mg/1000ml、3~800mg/1000ml、3~700mg/1000ml、3~600mg/1000ml、3~550mg/1000ml、3~500mg/1000ml、3~400mg/1000ml、3~300mg/1000ml、3~200mg/1000ml、3~100mg/1000ml、5~1000mg/1000ml、5~900mg/1000ml、5~800mg/1000ml、5~700mg/1000ml、5~600mg/1000ml、5~550mg/1000ml、5~500mg/1000ml、5~400mg/1000ml、5~300mg/1000ml、5~200mg/1000ml、5~100mg/1000ml、10~1000mg/1000ml、10~900mg/1000ml、10~800mg/1000ml、10~700mg/1000ml、10~600mg/1000ml、10~550mg/1000ml、10~500mg/1000ml、10~400mg/1000ml、10~300mg/1000ml、10~200mg/1000ml、10~100mg/1000ml、20~1000mg/1000ml、20~900mg/1000ml、20~800mg/1000ml、20~700mg/1000ml、20~600mg/1000ml、20~550mg/1000ml、20~500mg/1000ml、20~400mg/1000ml、20~300mg/1000ml、20~200mg/1000ml、20~100mg/1000ml、30~1000mg/1000ml、30~900mg/1000ml、30~800mg/1000ml、30~700mg/1000ml、30~600mg/1000ml、30~550mg/1000ml、30~500mg/1000ml、30~400mg/1000ml、30~300mg/1000ml、30~200mg/1000ml、30~100mg/1000ml、50~1000mg/1000ml、50~900mg/1000ml、50~800mg/1000ml、50~700mg/1000ml、50~600mg/1000ml、50~550mg/1000ml、50~500mg/1000ml、50~400mg/1000ml、50~300mg/1000ml、50~200mg/1000ml、50~100mg/1000ml、100~1000mg/1000ml、100~900mg/1000ml、100~800mg/1000ml、100~700mg/1000ml、100~600mg/1000ml、100~550mg/1000ml、100~500mg/1000ml、100~400mg/1000ml、100~300mg/1000ml、100~200mg/1000ml、200~1000mg/1000ml、200~900mg/1000ml、200~800mg/1000ml、200~700mg/1000ml、200~600mg/1000ml、200~550mg/1000ml、200~500mg/1000ml、200~400mg/1000ml、200~300mg/1000ml、300~1000mg/1000ml、300~900mg/1000ml、300~800mg/1000ml、300~700mg/1000ml、300~600mg/1000ml、300~550mg/1000ml、300~500mg/1000ml、300~400mg/1000ml、400~1000mg/1000ml、400~900mg/1000ml、400~800mg/1000ml、400~700mg/1000ml、400~600mg/1000ml、400~550mg/1000mlまたは400~500mg/1000mlであってもよい。本発明の好ましい実施形態において、レバウジオシドDの配合量は、5~900mg/1000ml、10~800mg/1000mlまたは50~700mg/1000mlであってもよい。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態における製造方法は、飲料にレバウジオシドMを配合し、レバウジオシドMの配合量が3~1000mg/1000ml、3~900mg/1000ml、3~800mg/1000ml、3~700mg/1000ml、3~600mg/1000ml、3~550mg/1000ml、3~500mg/1000ml、3~400mg/1000ml、3~300mg/1000ml、3~200mg/1000ml、3~100mg/1000ml、5~1000mg/1000ml、5~900mg/1000ml、5~800mg/1000ml、5~700mg/1000ml、5~600mg/1000ml、5~550mg/1000ml、5~500mg/1000ml、5~400mg/1000ml、5~300mg/1000ml、5~200mg/1000ml、5~100mg/1000ml、10~1000mg/1000ml、10~900mg/1000ml、10~800mg/1000ml、10~700mg/1000ml、10~600mg/1000ml、10~550mg/1000ml、10~500mg/1000ml、10~400mg/1000ml、10~300mg/1000ml、10~200mg/1000ml、10~100mg/1000ml、20~1000mg/1000ml、20~900mg/1000ml、20~800mg/1000ml、20~700mg/1000ml、20~600mg/1000ml、20~550mg/1000ml、20~500mg/1000ml、20~400mg/1000ml、20~300mg/1000ml、20~200mg/1000ml、20~100mg/1000ml、30~1000mg/1000ml、30~900mg/1000ml、30~800mg/1000ml、30~700mg/1000ml、30~600mg/1000ml、30~550mg/1000ml、30~500mg/1000ml、30~400mg/1000ml、30~300mg/1000ml、30~200mg/1000ml、30~100mg/1000ml、50~1000mg/1000ml、50~900mg/1000ml、50~800mg/1000ml、50~700mg/1000ml、50~600mg/1000ml、50~550mg/1000ml、50~500mg/1000ml、50~400mg/1000ml、50~300mg/1000ml、50~200mg/1000ml、50~100mg/1000ml、100~1000mg/1000ml、100~900mg/1000ml、100~800mg/1000ml、100~700mg/1000ml、100~600mg/1000ml、100~550mg/1000ml、100~500mg/1000ml、100~400mg/1000ml、100~300mg/1000ml、100~200mg/1000ml、200~1000mg/1000ml、200~900mg/1000ml、200~800mg/1000ml、200~700mg/1000ml、200~600mg/1000ml、200~550mg/1000ml、200~500mg/1000ml、200~400mg/1000ml、200~300mg/1000ml、300~1000mg/1000ml、300~900mg/1000ml、300~800mg/1000ml、300~700mg/1000ml、300~600mg/1000ml、300~550mg/1000ml、300~500mg/1000ml、300~400mg/1000ml、400~1000mg/1000ml、400~900mg/1000ml、400~800mg/1000ml、400~700mg/1000ml、400~600mg/1000ml、400~550mg/1000mlまたは400~500mg/1000mlであってもよい。本発明の好ましい実施形態において、レバウジオシドMの配合量は、5~900mg/1000ml、10~800mg/1000mlまたは50~700mg/1000mlであってもよい。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態における製造方法は、飲料にレバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群より選択される1種以上を配合し、その合計配合量が5~1000mg/1000ml、5~900mg/1000ml、5~800mg/1000ml、5~700mg/1000ml、5~600mg/1000ml、5~550mg/1000ml、5~500mg/1000ml、5~400mg/1000ml、5~300mg/1000ml、5~200mg/1000ml、5~100mg/1000ml、10~1000mg/1000ml、10~900mg/1000ml、10~800mg/1000ml、10~700mg/1000ml、10~600mg/1000ml、10~550mg/1000ml、10~500mg/1000ml、10~400mg/1000ml、10~300mg/1000ml、10~200mg/1000ml、10~100mg/1000ml、20~1000mg/1000ml、20~900mg/1000ml、20~800mg/1000ml、20~700mg/1000ml、20~600mg/1000ml、20~550mg/1000ml、20~500mg/1000ml、20~400mg/1000ml、20~300mg/1000ml、20~200mg/1000ml、20~100mg/1000ml、30~1000mg/1000ml、30~900mg/1000ml、30~800mg/1000ml、30~700mg/1000ml、30~600mg/1000ml、30~550mg/1000ml、30~500mg/1000ml、30~400mg/1000ml、30~300mg/1000ml、30~200mg/1000ml、30~100mg/1000ml、50~1000mg/1000ml、50~900mg/1000ml、50~800mg/1000ml、50~700mg/1000ml、50~600mg/1000ml、50~550mg/1000ml、50~500mg/1000ml、50~400mg/1000ml、50~300mg/1000ml、50~200mg/1000ml、50~100mg/1000ml、100~1000mg/1000ml、100~900mg/1000ml、100~800mg/1000ml、100~700mg/1000ml、100~600mg/1000ml、100~550mg/1000ml、100~500mg/1000ml、100~400mg/1000ml、100~300mg/1000ml、100~200mg/1000ml、200~1000mg/1000ml、200~900mg/1000ml、200~800mg/1000ml、200~700mg/1000ml、200~600mg/1000ml、200~550mg/1000ml、200~500mg/1000ml、200~400mg/1000ml、200~300mg/1000ml、300~1000mg/1000ml、300~900mg/1000ml、300~800mg/1000ml、300~700mg/1000ml、300~600mg/1000ml、300~550mg/1000ml、300~500mg/1000ml、300~400mg/1000ml、400~1000mg/1000ml、400~900mg/1000ml、400~800mg/1000ml、400~700mg/1000ml、400~600mg/1000ml、400~550mg/1000mlまたは400~500mg/1000mlであってもよい。本発明の好ましい実施形態において、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群より選択される1種以上の合計配合量は、5~900mg/1000ml、10~800mg/1000mlまたは50~700mg/1000mlであってもよい。
【0035】
アルコール浸漬液の配合量は特に限定されないが、飲料に対して純アルコール比で0.001~20%であることが好ましい。本明細書において、「アルコール浸漬液の飲料に対する純アルコール比」は、飲料中のアルコール総量に対するアルコール浸漬液由来のアルコール量の体積比である。例えば、本明細書の実施例に記載の方法で求めることができる。アルコール浸漬液以外のアルコール分は、清酒、焼酎、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコールまたはスピリッツ(グレーンスピリッツ、ニュートラルスピリッツ)などを用いて調製することができる。アルコール浸漬液の配合量が飲料に対して純アルコール比で20%以下であることで、果実または野菜の香味の強度が適度であり、かつ、甘味も適度に感じることができるため好ましい。本発明のいくつかの実施形態において、アルコール浸漬液の配合量は、飲料に対して純アルコール比で、0.005~20%、0.005~19%、0.005~18%、0.005~17%、0.005~16%、0.005~15%、0.01~20%、0.01~19%、0.01~18%、0.01~17%、0.01~16%、0.01~15%、0.05~20%、0.05~19%、0.05~18%、0.05~17%、0.05~16%、0.05~15%、0.1~20%、0.1~19%、0.1~18%、0.1~17%、0.1~16%、0.1~15%、0.5~20%、0.5~19%、0.5~18%、0.5~17%、0.5~16%、0.5~15%、1~20%、1~19%、1~18%、1~17%、1~16%、1~15%、5~20%、5~19%、5~18%、5~17%、5~16%、5~15%、10~20%、10~19%、10~18%、10~17%、10~16%または10~15%であってもよい。好ましくは、0.01~18%、0.1~17%または0.1~16%である。あるいは、飲料中に配合されるアルコール浸漬液の比は、体積比で0.01~100ml/1000ml、0.05~50ml/1000mlまたは0.1~25ml/1000mlであってもよい。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態による製造方法は、飲料にストレート果汁(果実の搾汁液)または濃縮果汁を配合することをさらに含む。本明細書において、「ストレート果汁または濃縮果汁」とは、果実または野菜の凍結粉砕浸漬酒とは別に配合される果汁を意味する。濃縮果汁は、加熱濃縮法および冷凍濃縮法のいずれによって調製されたものであってもよい。ストレート果汁または濃縮果汁をさらに配合することで、果実の味わいが増強されるため好ましい。本発明の一実施形態における飲料における果汁の含有量は、果汁率で0.1~5%、0.5~4%または1~3%であってもよい。本明細書において、「果汁率」とは、果実を搾汁して得られるストレート果汁を100%としたときの相対濃度であり、JAS規格(果実飲料の日本農林規格)に示される糖用屈折計示度の基準(°Bx)または酸度の基準(%)に基づいて換算できる。
【0037】
代表的な果実の糖用屈折計示度の基準(単位:°Bx)の値としては、オレンジ:11、ミカン:9、グレープフルーツ:9、パイナップル:11、クランベリー:7、ブルーベリー、グァバ:8、バナナ:23、パパイヤ:9、パッションフルーツ:14、マンゴー:13、リンゴ:10、ブドウ:11、桃:8、日本梨:8、西洋梨:11、アンズ:7、メロン、キウイフルーツ:10である。また、代表的な果実の酸度の基準(単位:%)としては、レモン:4.5、ライム:6、梅:3.5、カボス:3.5である。
【0038】
具体的には、100mLの飲料中に配合される果汁配合量(g)と、上記糖用屈折計示度の基準(°Bx)または酸度の基準(%)から算出される果汁の濃縮倍率から、下記換算式によって算出することができる。
[果汁率(%)]=[果汁配合量(g)]×[濃縮倍率]/100mL×100
例えば、オレンジ果汁は、JAS規格がBx11°であるから、Bx55°の濃縮オレンジ果汁を飲料中6.0wt%配合した場合、果汁率は30%となる。なお、果汁の果汁率をJAS規格の糖用屈折計示度に基づいて換算する際には、果汁に加えられた糖類、はちみつ等の糖用屈折計示度を除くものとする。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態による製造方法は、低甘味度甘味料またはステビオール配糖体以外の高甘味度甘味料を配合することをさらに含む。種々の低甘味度甘味料またはステビオール配糖体以外の高甘味度甘味料を配合することで、味質の調整やカロリーの調整などを行うことができる。配合可能な低甘味度甘味料またはステビオール配糖体以外の高甘味度甘味料については、後述の「2.ステビオール配糖体と果実および/または野菜の凍結粉砕浸漬酒を含む飲料」に関する項目で詳述する。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態による製造方法は、容器詰工程やその後の殺菌工程を含んでいてもよい。容器詰めは、公知の任意の方法で行うことができる。容器詰めした後に加熱殺菌を行う場合、その種類は特に限定されず、例えばUHT殺菌及びレトルト殺菌等の通常の手法を用いて行うことができる。加熱殺菌工程の温度は特に限定されないが、例えば50~130℃、好ましくは50~120℃で、10~40分である。ただし、上記の条件と同等の殺菌価が得られれば適当な温度で数秒、例えば5~30秒での殺菌でも問題はない。
【0041】
[本発明の飲料の例示的な実施形態]
以下に本発明の飲料の例示的な実施形態を示すが、本発明は下記の実施形態に制限されるものではない。
本発明の一実施形態において、
レモン、オレンジ、みかん、グレープフルーツ、桃、ぶどう、シークワーサー、リンゴ、柚子、日本梨および西洋なしからなる群から選択される1種以上を凍結して凍結物を得ること;
前記凍結物を微粉砕して微粉砕物を得ること;
前記微粉砕物を、15~100v/v%の濃度のアルコール溶液に浸漬してアルコール浸漬液を得ること;および
前記アルコール浸漬液と、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ズルコシドA、ルブソシドおよびステビオールビオシドからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を飲料に配合すること、
を含む、飲料の製造方法が提供される。
【0042】
本発明の一実施形態において、
柑橘類、仁果類および核果類からなる群から選択される1種以上を凍結して凍結物を得ること;
前記凍結物を微粉砕して微粉砕物を得ること;
前記微粉砕物を、15~100v/v%の濃度のアルコール溶液に浸漬してアルコール浸漬液を得ること;および
前記アルコール浸漬液と、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ズルコシドA、ルブソシドおよびステビオールビオシドからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を飲料に配合すること、
を含み、
前記1種以上のステビオール配糖体の配合量が、前記飲料に対して3mg/1000ml以上または10~800mg/1000mlである、飲料の製造方法が提供される。
【0043】
本発明の一実施形態において、
柑橘類、仁果類および核果類からなる群から選択される1種以上を凍結して凍結物を得ること;
前記凍結物を微粉砕して微粉砕物を得ること;
前記微粉砕物を、15~100v/v%の濃度のアルコール溶液に浸漬してアルコール浸漬液を得ること;および
前記アルコール浸漬液と、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ズルコシドA、ルブソシドおよびステビオールビオシドからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体を飲料に配合すること、
を含み、
前記アルコール浸漬液の配合量が、前記飲料に対して純アルコール比で0.001~20%である、飲料の製造方法が提供される。
【0044】
2.ステビオール配糖体と果実および/または野菜の凍結微粉砕物のアルコール浸漬液を含む飲料
本発明は、他の一態様として、下記の飲料(以下、「本発明の飲料(あるいは、本発明の飲料)」ともいう)を提供する。
本発明の一態様による飲料は、果実および野菜からなる群から選択される1種以上の凍結微粉砕物の浸漬液と、ステビオール配糖体とを含む、飲料である。本発明の一実施形態による飲料は、ノンアルコール飲料であってもよく、アルコール飲料であってもよい。
【0045】
本明細書において、「果実および野菜からなる群から選択される1種以上の凍結微粉砕物のアルコール浸漬液」とは、果実および野菜からなる群から選択される1種以上を凍結し、それを微粉砕した後にアルコール溶液に浸漬することで得られる浸漬液を意味する。したがって、本発明のいくつかの実施形態に用いる浸漬液は、本明細書の「1.飲料の製造方法」に従って得られたものであってもよく、それ以外の方法で得られたものであってもよい。例えば、特許第4892348号に記載の方法に基づいて得られたものであってもよい。本発明の好ましい実施形態において、浸漬液は本明細書の「1.飲料の製造方法」に従って得られたものである。
【0046】
本発明の一態様による飲料は、様々な果実または野菜の凍結微粉砕物の浸漬液を含んでいてもよい。本発明のいくつかの実施形態における飲料は、柑橘類(みかん、八朔、いよかん、ネーブルオレンジ、バレンシアオレンジ、日向夏、清見、ポンカン、文旦、グレープフルーツ、レモン、シークワーサー、タンゴール、なつみかん、甘夏、すだち、かぼす、だいだい、さんぼうかん、オロブランコ、ライム、柚子およびきんかんなど)、仁果類(りんご、日本梨、西洋なし、柿、びわ、ざくろおよびかりんなど)、核果類(桃、すもも、ネクタリン、さくらんぼ、梅およびあんずなど)、しょう果類(ぶどうおよびいちじくなど)、穀果類(栗、アーモンド、ピスタチオおよびカシューナッツなど)、熱帯性および亜熱帯性果実(パインアップル、バナナ、パパイヤ、ライチー、キウイフルーツおよびマンゴーなど)および果実的野菜(いちご、メロン、すいかおよびパパイヤなど)などを使用することができる。あるいは、あけび、アテモヤ、アボカド、オリーブ、ブラックベリー、ブルーベリー、ラズベリー、西洋すぐり、タンゼロ、チェリモヤ、ドリアン、なつめ、なつめやし、マンゴスチン、やまもも、ハスカップ、アボカド、パッションフルーツ、アセロラ、キワノ、グァバ、ぐみ、ピタヤ、びわ、りゅうがん、ホワイトサポテ、まくわうり、マルメロ、ココナッツ、スターフルーツ等も使用することができる。根菜類(にんじん、ビートおよびかんしょなど)、葉茎菜類(セルリー、パセリおよびクレソンなど)、葉菜類(ほうれん草、レタス、キャベツ)、果菜類(きゅうり、かぼちゃ、ピーマン、トマトおよびスイートコーンなど)、ハーブ類(ミント、レモングラス、コリアンダー、イタリアンパセリおよびローズマリーなど)または香辛野菜およびつまもの類(しょうが、しそ、とうがらし、桂皮およびこしょうなど)の凍結微粉砕物の浸漬液を含む。本発明の好ましい実施形態による飲料において、柑橘類、仁果類または核果類の果実の浸漬液が用いられ、より好ましくは、レモン、オレンジ、みかん、グレープフルーツ、桃、ぶどう、シークワーサー、リンゴ、柚子、日本梨および西洋なしから選択される1種以上の浸漬液が用いられる。浸漬液は複数種の凍結微粉砕物の浸漬液を組み合わせて用いてもよい。浸漬液は、凍結微粉砕物を含んでいてもよく、あるいは、ろ過によって固形分を除去したものであってもよい。浸漬液の含有量は特に限定されず、本明細書の「1.飲料の製造方法」に記載の配合量と同じ量で含有していてもよい。
【0047】
ステビオール配糖体の含有量は、特に限定されないが、好ましくは飲料に対して3mg/1000ml以上である。3mg/1000ml以上の量で含有することにより、トップを含む全体の甘味と後半の苦味が良好な飲料が提供される。本発明のいくつかの実施形態において、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、レバウジオシドM、ズルコシドA、ルブソシドおよびステビオールビオシドからなる群から選択される1種以上のステビオール配糖体の含有量は、飲料に対して、3mg/1000ml以上、3~1000mg/1000ml、3~900mg/1000ml、3~800mg/1000ml、3~700mg/1000ml、3~600mg/1000ml、3~550mg/1000ml、3~500mg/1000ml、3~400mg/1000ml、3~300mg/1000ml、3~200mg/1000ml、3~100mg/1000ml、5~1000mg/1000ml、5~900mg/1000ml、5~800mg/1000ml、5~700mg/1000ml、5~600mg/1000ml、5~550mg/1000ml、5~500mg/1000ml、5~400mg/1000ml、5~300mg/1000ml、5~200mg/1000ml、5~100mg/1000ml、10~1000mg/1000ml、10~900mg/1000ml、10~800mg/1000ml、10~700mg/1000ml、10~600mg/1000ml、10~550mg/1000ml、10~500mg/1000ml、10~400mg/1000ml、10~300mg/1000ml、10~200mg/1000ml、10~100mg/1000ml、20~1000mg/1000ml、20~900mg/1000ml、20~800mg/1000ml、20~700mg/1000ml、20~600mg/1000ml、20~550mg/1000ml、20~500mg/1000ml、20~400mg/1000ml、20~300mg/1000ml、20~200mg/1000ml、20~100mg/1000ml、30~1000mg/1000ml、30~900mg/1000ml、30~800mg/1000ml、30~700mg/1000ml、30~600mg/1000ml、30~550mg/1000ml、30~500mg/1000ml、30~400mg/1000ml、30~300mg/1000ml、30~200mg/1000ml、30~100mg/1000ml、50~1000mg/1000ml、50~900mg/1000ml、50~800mg/1000ml、50~700mg/1000ml、50~600mg/1000ml、50~550mg/1000ml、50~500mg/1000ml、50~400mg/1000ml、50~300mg/1000ml、50~200mg/1000ml、50~100mg/1000ml、100~1000mg/1000ml、100~900mg/1000ml、100~800mg/1000ml、100~700mg/1000ml、100~600mg/1000ml、100~550mg/1000ml、100~500mg/1000ml、100~400mg/1000ml、100~300mg/1000ml、100~200mg/1000ml、200~1000mg/1000ml、200~900mg/1000ml、200~800mg/1000ml、200~700mg/1000ml、200~600mg/1000ml、200~550mg/1000ml、200~500mg/1000ml、200~400mg/1000ml、200~300mg/1000ml、300~1000mg/1000ml、300~900mg/1000ml、300~800mg/1000ml、300~700mg/1000ml、300~600mg/1000ml、300~550mg/1000ml、300~500mg/1000ml、300~400mg/1000ml、400~1000mg/1000ml、400~900mg/1000ml、400~800mg/1000ml、400~700mg/1000ml、400~600mg/1000ml、400~550mg/1000mlまたは400~500mg/1000ml含んでいてもよい。2種以上のステビオール配糖体を含有する場合はその合計量を意味する。好ましくは、上記1種以上のステビオール配糖体の含有量は、飲料に対して、5~900mg/1000ml、10~800mg/1000mlまたは50~700mg/1000mlであってもよい。飲料中のステビオール配糖体の含有量は原料の配合量から算出してもよく、液体クロマトグラフィー等の公知の分析方法を用いて測定してもよく、JECFA(2010)に準拠したHPLC法で測定することが好ましい。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態における飲料は、レバウジオシドAの含有量が3~1000mg/1000ml、3~900mg/1000ml、3~800mg/1000ml、3~700mg/1000ml、3~600mg/1000ml、3~550mg/1000ml、3~500mg/1000ml、3~400mg/1000ml、3~300mg/1000ml、3~200mg/1000ml、3~100mg/1000ml、5~1000mg/1000ml、5~900mg/1000ml、5~800mg/1000ml、5~700mg/1000ml、5~600mg/1000ml、5~550mg/1000ml、5~500mg/1000ml、5~400mg/1000ml、5~300mg/1000ml、5~200mg/1000ml、5~100mg/1000ml、10~1000mg/1000ml、10~900mg/1000ml、10~800mg/1000ml、10~700mg/1000ml、10~600mg/1000ml、10~550mg/1000ml、10~500mg/1000ml、10~400mg/1000ml、10~300mg/1000ml、10~200mg/1000ml、10~100mg/1000ml、20~1000mg/1000ml、20~900mg/1000ml、20~800mg/1000ml、20~700mg/1000ml、20~600mg/1000ml、20~550mg/1000ml、20~500mg/1000ml、20~400mg/1000ml、20~300mg/1000ml、20~200mg/1000ml、20~100mg/1000ml、30~1000mg/1000ml、30~900mg/1000ml、30~800mg/1000ml、30~700mg/1000ml、30~600mg/1000ml、30~550mg/1000ml、30~500mg/1000ml、30~400mg/1000ml、30~300mg/1000ml、30~200mg/1000ml、30~100mg/1000ml、50~1000mg/1000ml、50~900mg/1000ml、50~800mg/1000ml、50~700mg/1000ml、50~600mg/1000ml、50~550mg/1000ml、50~500mg/1000ml、50~400mg/1000ml、50~300mg/1000ml、50~200mg/1000ml、50~100mg/1000ml、100~1000mg/1000ml、100~900mg/1000ml、100~800mg/1000ml、100~700mg/1000ml、100~600mg/1000ml、100~550mg/1000ml、100~500mg/1000ml、100~400mg/1000ml、100~300mg/1000ml、100~200mg/1000ml、200~1000mg/1000ml、200~900mg/1000ml、200~800mg/1000ml、200~700mg/1000ml、200~600mg/1000ml、200~550mg/1000ml、200~500mg/1000ml、200~400mg/1000ml、200~300mg/1000ml、300~1000mg/1000ml、300~900mg/1000ml、300~800mg/1000ml、300~700mg/1000ml、300~600mg/1000ml、300~550mg/1000ml、300~500mg/1000ml、300~400mg/1000ml、400~1000mg/1000ml、400~900mg/1000ml、400~800mg/1000ml、400~700mg/1000ml、400~600mg/1000ml、400~550mg/1000mlまたは400~500mg/1000mlであってもよい。本発明の好ましい実施形態において、レバウジオシドAの含有量は、5~900mg/1000ml、10~800mg/1000mlまたは50~700mg/1000mlであってもよい。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態における飲料は、レバウジオシドDの含有量が3~1000mg/1000ml、3~900mg/1000ml、3~800mg/1000ml、3~700mg/1000ml、3~600mg/1000ml、3~550mg/1000ml、3~500mg/1000ml、3~400mg/1000ml、3~300mg/1000ml、3~200mg/1000ml、3~100mg/1000ml、5~1000mg/1000ml、5~900mg/1000ml、5~800mg/1000ml、5~700mg/1000ml、5~600mg/1000ml、5~550mg/1000ml、5~500mg/1000ml、5~400mg/1000ml、5~300mg/1000ml、5~200mg/1000ml、5~100mg/1000ml、10~1000mg/1000ml、10~900mg/1000ml、10~800mg/1000ml、10~700mg/1000ml、10~600mg/1000ml、10~550mg/1000ml、10~500mg/1000ml、10~400mg/1000ml、10~300mg/1000ml、10~200mg/1000ml、10~100mg/1000ml、20~1000mg/1000ml、20~900mg/1000ml、20~800mg/1000ml、20~700mg/1000ml、20~600mg/1000ml、20~550mg/1000ml、20~500mg/1000ml、20~400mg/1000ml、20~300mg/1000ml、20~200mg/1000ml、20~100mg/1000ml、30~1000mg/1000ml、30~900mg/1000ml、30~800mg/1000ml、30~700mg/1000ml、30~600mg/1000ml、30~550mg/1000ml、30~500mg/1000ml、30~400mg/1000ml、30~300mg/1000ml、30~200mg/1000ml、30~100mg/1000ml、50~1000mg/1000ml、50~900mg/1000ml、50~800mg/1000ml、50~700mg/1000ml、50~600mg/1000ml、50~550mg/1000ml、50~500mg/1000ml、50~400mg/1000ml、50~300mg/1000ml、50~200mg/1000ml、50~100mg/1000ml、100~1000mg/1000ml、100~900mg/1000ml、100~800mg/1000ml、100~700mg/1000ml、100~600mg/1000ml、100~550mg/1000ml、100~500mg/1000ml、100~400mg/1000ml、100~300mg/1000ml、100~200mg/1000ml、200~1000mg/1000ml、200~900mg/1000ml、200~800mg/1000ml、200~700mg/1000ml、200~600mg/1000ml、200~550mg/1000ml、200~500mg/1000ml、200~400mg/1000ml、200~300mg/1000ml、300~1000mg/1000ml、300~900mg/1000ml、300~800mg/1000ml、300~700mg/1000ml、300~600mg/1000ml、300~550mg/1000ml、300~500mg/1000ml、300~400mg/1000ml、400~1000mg/1000ml、400~900mg/1000ml、400~800mg/1000ml、400~700mg/1000ml、400~600mg/1000ml、400~550mg/1000mlまたは400~500mg/1000mlであってもよい。本発明の好ましい実施形態において、レバウジオシドDの含有量は、5~900mg/1000ml、10~800mg/1000mlまたは50~700mg/1000mlであってもよい。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態における飲料は、レバウジオシドMの含有量が3~1000mg/1000ml、3~900mg/1000ml、3~800mg/1000ml、3~700mg/1000ml、3~600mg/1000ml、3~550mg/1000ml、3~500mg/1000ml、3~400mg/1000ml、3~300mg/1000ml、3~200mg/1000ml、3~100mg/1000ml、5~1000mg/1000ml、5~900mg/1000ml、5~800mg/1000ml、5~700mg/1000ml、5~600mg/1000ml、5~550mg/1000ml、5~500mg/1000ml、5~400mg/1000ml、5~300mg/1000ml、5~200mg/1000ml、5~100mg/1000ml、10~1000mg/1000ml、10~900mg/1000ml、10~800mg/1000ml、10~700mg/1000ml、10~600mg/1000ml、10~550mg/1000ml、10~500mg/1000ml、10~400mg/1000ml、10~300mg/1000ml、10~200mg/1000ml、10~100mg/1000ml、20~1000mg/1000ml、20~900mg/1000ml、20~800mg/1000ml、20~700mg/1000ml、20~600mg/1000ml、20~550mg/1000ml、20~500mg/1000ml、20~400mg/1000ml、20~300mg/1000ml、20~200mg/1000ml、20~100mg/1000ml、30~1000mg/1000ml、30~900mg/1000ml、30~800mg/1000ml、30~700mg/1000ml、30~600mg/1000ml、30~550mg/1000ml、30~500mg/1000ml、30~400mg/1000ml、30~300mg/1000ml、30~200mg/1000ml、30~100mg/1000ml、50~1000mg/1000ml、50~900mg/1000ml、50~800mg/1000ml、50~700mg/1000ml、50~600mg/1000ml、50~550mg/1000ml、50~500mg/1000ml、50~400mg/1000ml、50~300mg/1000ml、50~200mg/1000ml、50~100mg/1000ml、100~1000mg/1000ml、100~900mg/1000ml、100~800mg/1000ml、100~700mg/1000ml、100~600mg/1000ml、100~550mg/1000ml、100~500mg/1000ml、100~400mg/1000ml、100~300mg/1000ml、100~200mg/1000ml、200~1000mg/1000ml、200~900mg/1000ml、200~800mg/1000ml、200~700mg/1000ml、200~600mg/1000ml、200~550mg/1000ml、200~500mg/1000ml、200~400mg/1000ml、200~300mg/1000ml、300~1000mg/1000ml、300~900mg/1000ml、300~800mg/1000ml、300~700mg/1000ml、300~600mg/1000ml、300~550mg/1000ml、300~500mg/1000ml、300~400mg/1000ml、400~1000mg/1000ml、400~900mg/1000ml、400~800mg/1000ml、400~700mg/1000ml、400~600mg/1000ml、400~550mg/1000mlまたは400~500mg/1000mlであってもよい。本発明の好ましい実施形態において、レバウジオシドMの含有量は、5~900mg/1000ml、10~800mg/1000mlまたは50~700mg/1000mlであってもよい。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態における飲料は、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群より選択される1種以上の合計含有量が5~1000mg/1000ml、5~900mg/1000ml、5~800mg/1000ml、5~700mg/1000ml、5~600mg/1000ml、5~550mg/1000ml、5~500mg/1000ml、5~400mg/1000ml、5~300mg/1000ml、5~200mg/1000ml、5~100mg/1000ml、10~1000mg/1000ml、10~900mg/1000ml、10~800mg/1000ml、10~700mg/1000ml、10~600mg/1000ml、10~550mg/1000ml、10~500mg/1000ml、10~400mg/1000ml、10~300mg/1000ml、10~200mg/1000ml、10~100mg/1000ml、20~1000mg/1000ml、20~900mg/1000ml、20~800mg/1000ml、20~700mg/1000ml、20~600mg/1000ml、20~550mg/1000ml、20~500mg/1000ml、20~400mg/1000ml、20~300mg/1000ml、20~200mg/1000ml、20~100mg/1000ml、30~1000mg/1000ml、30~900mg/1000ml、30~800mg/1000ml、30~700mg/1000ml、30~600mg/1000ml、30~550mg/1000ml、30~500mg/1000ml、30~400mg/1000ml、30~300mg/1000ml、30~200mg/1000ml、30~100mg/1000ml、50~1000mg/1000ml、50~900mg/1000ml、50~800mg/1000ml、50~700mg/1000ml、50~600mg/1000ml、50~550mg/1000ml、50~500mg/1000ml、50~400mg/1000ml、50~300mg/1000ml、50~200mg/1000ml、50~100mg/1000ml、100~1000mg/1000ml、100~900mg/1000ml、100~800mg/1000ml、100~700mg/1000ml、100~600mg/1000ml、100~550mg/1000ml、100~500mg/1000ml、100~400mg/1000ml、100~300mg/1000ml、100~200mg/1000ml、200~1000mg/1000ml、200~900mg/1000ml、200~800mg/1000ml、200~700mg/1000ml、200~600mg/1000ml、200~550mg/1000ml、200~500mg/1000ml、200~400mg/1000ml、200~300mg/1000ml、300~1000mg/1000ml、300~900mg/1000ml、300~800mg/1000ml、300~700mg/1000ml、300~600mg/1000ml、300~550mg/1000ml、300~500mg/1000ml、300~400mg/1000ml、400~1000mg/1000ml、400~900mg/1000ml、400~800mg/1000ml、400~700mg/1000ml、400~600mg/1000ml、400~550mg/1000mlまたは400~500mg/1000mlであってもよい。本発明の好ましい実施形態において、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群より選択される1種以上の合計含有量は、5~900mg/1000ml、10~800mg/1000mlまたは50~700mg/1000mlであってもよい。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態における飲料はアルコール飲料であり、そのアルコール度数は、0.1~40v/v%、0.1~35v/v%、0.1~30v/v%、0.1~25v/v%、0.1~20v/v%、0.1~15v/v%、0.1~12v/v%、0.5~40v/v%、0.5~35v/v%、0.5~30v/v%、0.5~25v/v%、0.5~20v/v%、0.5~15v/v%、0.5~12v/v%、0.6~40v/v%、0.6~35v/v%、0.6~30v/v%、0.6~25v/v%、0.6~20v/v%、0.6~15v/v%、0.6~12v/v%、1~40v/v%、1~35v/v%、1~30v/v%、1~25v/v%、1~20v/v%、1~15v/v%、1~14v/v%、1~13v/v%、1~12v/v%、1~11v/v%、1~10v/v%、1~9v/v%、1~8v/v%、1~7v/v%、1~6v/v%、1~5v/v%、1~4v/v%、1~3v/v%、1~2v/v%、2~40v/v%、2~35v/v%、2~30v/v%、2~25v/v%、2~20v/v%、2~15v/v%、2~14v/v%、2~13v/v%、2~12v/v%、2~11v/v%、2~10v/v%、2~9v/v%、2~8v/v%、2~7v/v%、2~6v/v%、2~5v/v%、2~4v/v%、2~3v/v%、2~2v/v%、3~40v/v%、3~35v/v%、3~30v/v%、3~25v/v%、3~20v/v%、3~15v/v%、3~14v/v%、3~13v/v%、3~12v/v%、3~11v/v%、3~10v/v%、3~9v/v%、3~8v/v%、3~7v/v%、3~6v/v%、3~5v/v%、3~4v/v%、4~40v/v%、4~35v/v%、4~30v/v%、4~25v/v%、4~20v/v%、4~15v/v%、4~14v/v%、4~13v/v%、4~12v/v%、4~11v/v%、4~10v/v%、4~9v/v%、4~8v/v%、4~7v/v%、4~6v/v%、4~5v/v%、5~40v/v%、5~35v/v%、5~30v/v%、5~25v/v%、5~20v/v%、5~14v/v%、5~13v/v%、5~12v/v%、5~11v/v%、5~10v/v%、5~9v/v%、5~8v/v%、5~7v/v%または5~6v/v%であってもよい。本発明の好ましい実施形態による飲料のアルコール度数は、1~11v/v%、2~10v/v%または2~9v/v%であってもよい。アルコール度数は、清酒、焼酎、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコールまたはスピリッツ(グレーンスピリッツ、ニュートラルスピリッツ)などを用いて調整することができる。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態における飲料は、発泡性飲料であってもよい。本明細書において「発泡性飲料」とは、飲料から泡が発生する飲料であり、例えば、容器に注がれた場合に飲料の液面上に泡の層が形成される飲料が包含される。発泡性飲料の例としては、炭酸飲料が挙げられる。炭酸飲料は炭酸ガスを含む飲料であり、そのような炭酸ガスを含む飲料としては、飲料に別途炭酸ガスを注入して得た飲料や、原料に炭酸水を用いて得た飲料や、原料の一部を発酵させることによって炭酸ガスを発生させた飲料などが含まれる。発泡性飲料のガス圧は、特に限定されないが、0.5~5.0kgf/cm2、0.5~4.5kgf/cm2、0.5~4.0kgf/cm2、0.5~3.5kgf/cm2、0.5~3.0kgf/cm2、0.5~2.5kgf/cm2、0.5~2.0kgf/cm2、0.5~1.5kgf/cm2、1.0~5.0kgf/cm2、1.0~4.5kgf/cm2、1.0~4.0kgf/cm2、1.0~3.5kgf/cm2、1.0~3.0kgf/cm2、1.0~2.5kgf/cm2、1.0~2.0kgf/cm2、1.0~1.5kgf/cm2、1.5~5.0kgf/cm2、1.5~4.5kgf/cm2、1.5~4.0kgf/cm2、1.5~3.5kgf/cm2、1.5~3.0kgf/cm2、1.5~2.5kgf/cm2、1.5~2.0kgf/cm2、2.0~5.0kgf/cm2、2.0~4.5kgf/cm2、2.0~4.0kgf/cm2、2.0~3.5kgf/cm2、2.0~3.0kgf/cm2、2.0~2.5kgf/cm2、2.2~5.0kgf/cm2、2.2~4.5kgf/cm2、2.2~4.0kgf/cm2、2.2~3.5kgf/cm2、2.2~3.3kgf/cm2、2.2~3.2kgf/cm2、3.0~5.0kgf/cm2、2.3~4.5kgf/cm2、2.3~4.0kgf/cm2、2.3~3.5kgf/cm2、2.3~3.2kgf/cm2、2.0~5.0kgf/cm2、3.0~4.5kgf/cm2、3.0~4.0kgf/cm2、3.0~3.5kgf/cm2、1.1~2.4kgf/cm2、1.2~2.3kgf/cm2、1.3~2.2kgf/cm2または1.4~2.1kgf/cm2であり得る。発泡性飲料におけるガスの含量は、ガス圧で規定することができる。本明細書において「ガス圧」とは、特に記載がなければ、容器内の発泡性飲料における炭酸ガスのガス圧をいう。ガス圧の測定は、液温20℃にした飲料をガス内圧計に固定し、一度ガス内圧計活栓を開いて大気開放することでヘッドスペース内の炭酸ガスを抜いた後、再度活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達した時の値を読み取ることにより行うことができる。本明細書においては、特に記載がなければ、当該方法を用いて発泡性飲料のガス圧を測定する。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態における飲料の風味(フレーバー)は特に限定されず、種々の風味に調整することができる。例えば、本発明のいくつかの実施形態における飲料は、柑橘類(みかん、八朔、いよかん、ネーブルオレンジ、バレンシアオレンジ、日向夏、清見、ポンカン、文旦、グレープフルーツ、レモン、シークワーサー、柚子およびきんかんなど)風味、仁果類(りんご、日本梨、西洋なし、柿、びわ、ざくろおよびかりんなど)風味、核果類(もも、すもも、ネクタリン、梅およびあんずなど)風味、しょう果類(ぶどうおよびいちじくなど)風味、穀果類(栗、アーモンド、ピスタチオおよびカシューナッツなど)風味、熱帯性および亜熱帯性果実(パインアップル、バナナ、パパイヤ、ライチー、キウイフルーツおよびマンゴーなど)風味、果実的野菜(いちご、メロン、すいかおよびパパイヤなど)風味、根菜類(にんじんおよびかんしょなど)風味、葉茎菜類(セルリーなど)風味、果菜類(きゅうり、かぼちゃ、トマトおよびスイートコーンなど)風味、香辛野菜およびつまもの類(しょうが、しそ、とうがらし、桂皮およびこしょうなど)風味、エナジードリンク風味、コーヒー風味、茶(紅茶、緑茶、烏龍茶、焙じ茶、ジャスミン茶および各種ハーブティーなど)風味、ココア風味、コーラ風味、デザート(杏仁豆腐など)風味または乳性飲料(ヨーグルトおよびミルクなど)風味の飲料であってもよい。本発明のいくつかの実施形態における飲料の風味は含有する果実および/または野菜の凍結微粉砕物の浸漬液の風味と同じであってもよく、異なっていてもよい。本発明のいくつかの実施形態における飲料の風味は、果汁、酸味物質、香料、植物の抽出物、乳分、その他のフレーバー等、食品添加物として認可されている成分、または認可されていなくても古くから食経験があり、一般的に安全であると認識されている成分を添加することで調整することができる。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態における飲料の形態は限定されず、例えば缶、瓶、PETボトル、パウチ、紙パックおよびプラスチック容器等の容器に封入して容器詰めされた容器詰ノンアルコール飲料または容器詰アルコール飲料の形態としてもよい。
【0056】
<甘味強度>
本明細書において、「甘味強度」は物質の呈する甘味の強さを意味する。例えば、本明細書において、単位濃度Brix1当たりにスクロースの呈する甘味強度を甘味度1と定めた場合、レバウジオシドA、レバウジオシドDおよびレバウジオシドMはいずれも約300倍程度の甘味を有する。これらの甘味度に飲料中の甘味料の濃度(w/v%(飲料の場合はw/w%と同視し得る))を乗じて得られる数値が飲料の甘味強度となる。本発明において甘味強度を計算する際に、甘味度に幅のある高甘味度甘味料は特に断りのない限りその中心値を用いる。また、本発明のいくつかの実施形態における飲料の甘味強度は、ステビオール配糖体のみに由来するものでなくてもよく、後述の任意の甘味料を含有する場合はこれらの甘味料に由来する甘味強度との合計値である。例えば、羅漢果抽出物の甘味度は110~150(中心値130)、モグロシドVの甘味度は240~300(中心値270)、ソーマチンの甘味度は2,000となる。単位濃度Brix1当たりのスクロース溶液が呈する甘味強度を甘味度1と定めた場合、ブドウ糖(グルコース)の甘味度は0.6~0.7(中心値0.65)となる。この甘味度にブドウ糖の濃度Brix値を乗じて得られる数値がブドウ糖溶液の甘味強度となる。したがって、ブドウ糖の濃度がBrix1.5の場合、ブドウ糖溶液の甘味強度は0.65×1.5=0.975となる。
【0057】
ショ糖の甘味1に対する他の甘味料の甘味の相対比は、公知の砂糖甘味換算表等から求めることができる。例えば、スクロースの甘味度を1とすると、グルコースは約0.6~0.7、フルクトースは約1.3~1.7、マルトースは約0.4、フラクトオリゴ糖は約0.6、マルトオリゴ糖は約0.3、イソマルトオリゴ糖は約0.4~0.5、ガラクトオリゴ糖は約0.7、乳糖は約0.2~0.3、プシコースは約0.7、アロースは約0.8、タガトースは約0.9、果糖ぶどう糖液糖は約0.75である。ショ糖の甘味1に対する甘味の相対比が未知の甘味料や文献によって値が異なる甘味料については、ショ糖の甘味1に対する甘味の相対比を官能試験によって定めてもよい。そのような官能試験としては、例えば、甘味強度3.0から5.0まで0.5刻となるよう砂糖を純水に添加したサンプルを調製し、その中から所定濃度の甘味料の水溶液と同等の甘味強度を持つ砂糖添加サンプルを選択する方法が挙げられる。
【0058】
飲料の甘味強度は、具体的な飲料によって異なるが、概ね0.1~20であることが好ましく、例えば、0.1~18、0.1~15、0.5~14.5、1.0~14.0、1.5~13.5、2.0~13.0、2.5~12.5、3.0~12.0、3.5~11.5、4.0~11.0、4.5~10.5、5.5~10.0、6.0~9.5、6.5~9.0、7.0~8.5、7.5~8.0、4.5~12.5、4.5~10.0、4.5~7.5、5.5~12.5、5.5~10.0、5.5~7.5、6.5~12.5、6.5~10.0または6.5~7.5であってもよい。
【0059】
<任意の他の甘味料>
(低甘味度甘味料)
本発明のいくつかの実施形態における飲料は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、低甘味度甘味料をさらに含んでいてもよい。本明細書において、低甘味度甘味料とは、ショ糖(スクロース)と同等程度かそれよりも低い甘味度を有する甘味料を意味する。例えば、低甘味度甘味料はショ糖と同量において、ショ糖の0.1倍以上、かつ、5倍未満、3倍未満、2倍未満、1.5倍未満、1.0倍未満、0.8倍未満、0.7倍未満、0.6倍未満、0.5倍未満または0.4倍未満の甘味を呈する。本発明に用いることができる低甘味度甘味料は、例えば、グルコース、スクロース、フルクトース、マルトース、オリゴ糖、果糖ブドウ糖液糖、乳糖、プシコース、アロース、タガトース、キシロース、リボースおよびその組合せから選択される甘味料を含む。本発明の好ましい実施形態におけるノンアルコール飲料またはアルコール飲料は、グルコース、フルクトース、スクロース、果糖ブドウ糖液糖または希少糖(プシコース(アルロース)、キシリトールおよびエリスリトールなど)を含む。
【0060】
(高甘味度甘味料)
本発明のいくつかの実施形態における飲料は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、ステビオール配糖体以外の高甘味度甘味料をさらに含んでいてもよい。本明細書において「高甘味度甘味料」とは、ショ糖に比べて強い甘味を有する化合物を意味し、天然由来化合物、合成化合物、または天然由来化合物および合成化合物の組み合わせであってもよい。高甘味度甘味料はショ糖と同量において、ショ糖より5倍以上、10倍以上、50倍以上、100倍以上、500倍以上、1000倍以上、5000倍以上、10000倍以上、50000倍以上、100000倍以上の甘味を呈する。上記のステビオール配糖体も高甘味度甘味料の一種である。
【0061】
高甘味度甘味料の具体例としては、アスパルテーム、ネオテーム、アドバンテームなどのペプチド系甘味料等、例えばスクラロースなどのショ糖誘導体、例えばアセスルファムカリウム(アセスルファムK)、サッカリン、サッカリンナトリウム、サイクラミン酸ナトリウム、ズルチン、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン等の合成甘味料(ネオヘスペリジンジヒドロカルコンのように、天然にも存在するが、主に合成物が流通しているものも含む)、例えばソーマチン、モネリン、クルクリン、マビンリン、ブラゼイン、ペンタジン、ヘルナンズルチン、4β-ヒドロキシヘルナンズルチン、ミラクリン、グリチルリチン、ルブソシド、フィロズルチンなどの植物から抽出された甘味料、または高甘味度甘味料成分を含む植物抽出物、Siraitia grosvenorii(羅漢果)抽出物、Glycyrrhiza glabra(ヨウカンゾウ)抽出物、Rubus suavissimus S. Lee(甜茶)抽出物、Hydrangea macrophylla var. thunbergii(甘茶)抽出物、Sclerochiton ilicifolius抽出物、Thaumataococcus daniellii Benth(シビレクズウコン)抽出物、Dioscoreophyllum volkensii(セレンディピティベリー)抽出物、Curculigo latifolia(クルクリゴ)抽出物、Richadella dulcifica(ミラクルフルーツ)抽出物、Pentadiplandra brazzeana(ニシアフリカイチゴ)抽出物、Capparis masaikai(マビンロウ)抽出物、Lippia dulcis(スイートハーブメキシカン)抽出物等や当該抽出物中の甘味成分、羅漢果および羅漢果抽出物を処理することで得られるモグロシド(モグロシドVやモグロシドIVなど)、フィロズルチン配糖体などの植物抽出物から得られる配糖体、Glycyrrhiza glabra植物含有甘味成分(例えば、グリチルリチンなどのトリテルペン配糖体)、Rubus suavissimus S. Lee植物含有甘味成分(例えば、ルブソシドなどのジテルペン配糖体)、Hydrangea macrophylla var. thunbergii植物含有甘味成分(例えば、フィロズルチンなどのジヒドロイソクマリン)、Sclerochiton ilicifolius植物含有甘味成分(例えば、モナチンなどのアミノ酸)、Thaumataococcus daniellii Benth植物含有甘味成分(例えば、ソーマチンなどのタンパク質)、Dioscoreophyllum volkensii植物含有甘味成分(例えば、モネリンなどのタンパク質)、Curculigo latifolia植物含有甘味成分(例えば、クルクリンなどのタンパク質)、Richadella dulcifica植物含有甘味成分(例えば、ミラクリンなどのタンパク質)、Pentadiplandra brazzeana植物含有甘味成分(例えば、ブラゼイン、ペンタジンなどのタンパク質)、Capparis masaikai植物含有甘味成分(例えば、マビンリンなどのタンパク質)、Lippia dulcis植物含有甘味成分(例えば、ヘルナンズルチン、4β-ヒドロキシヘルナンズルチンなどのセスキテルペン)などが挙げられる。
【0062】
本発明の他の一実施形態における飲料は、上記のステビオール配糖体に加えて、それ以外の高甘味度甘味料、例えば、ペプチド系甘味料、ショ糖誘導体または合成甘味料など、を含んでいてもよい。例えば、本発明の他の一実施形態における飲料は、ステビオール配糖体に加えて、アセスルファムKおよびスクラロースから選択される1種以上の高甘味度甘味料を含んでいてもよい。
【0063】
ステビオール配糖体以外の甘味料の含有量は、高甘味度甘味料(例えば、モグロシドVおよび人工甘味料)の場合、飲料に含まれるステビオール配糖体の総量とステビオール配糖体以外の高甘味度甘味料の総量との組成比は、質量比で99:1~50:50、95:5~55:45、90:10~60:40、85:15~65:35、80:20~70:30、80:20~75:25、99:1~85:5、98:2~86:14、97:3~87:13、96:4~88:12または95:5~89:11であってよい。本発明の一実施形態における飲料に低甘味度甘味料(例えば、ショ糖や果糖ぶどう糖液糖など)が含まれる場合、飲料に含まれるステビオール配糖体の総量と低甘味度甘味料の総量との組成比は、重量比で1:1000~1:100、1:800~1:100、1:700~1:100、1:600~1:100、1:500~1:100、1:400~1:100、1:300~1:100、または1:200~1:100であってよい。
【0064】
飲料等によく使用されるショ糖や果糖ブドウ糖液糖などの低甘味度甘味料はエネルギーが多いため、低甘味度甘味料の含有量を低減することで、ノンアルコール飲料またはアルコール飲料のエネルギー(カロリー)を大きく低減し得る。本発明のいくつかの実施形態において、低甘味度甘味料の濃度を低く抑えることで低エネルギー(すなわち低カロリー)でありながらも、低甘味度甘味料およびステビオール配糖体との組み合わせにより、摂取した際に十分な甘味を感じられる。したがって、低甘味度甘味料の含有量は、好ましくは100kcal/100ml以下のエネルギーを提供する量である。本発明の一実施形態によるノンアルコール飲料またはアルコール飲料のエネルギーは、実施形態によって5~100kcal/100ml、20~80kcal/100mlまたは25~70kcal/100mlとなり得る。甘味物質やアルコールのエネルギーは既知であるか、含有量をHPLC等にて測定し、エネルギー換算係数を乗じて算出することや、カロリーメーター(例えばボンブカロリーメーター等)により物理的燃焼熱を測定し、これを消化吸収率や排泄熱量などで補正すること等により決定することができる。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態による飲料は、酸味物質をさらに含んでいてもよい。酸味物質としては、飲料に酸味を付与することができれば特に限定されないが、例えば、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸、グルコノデルタラクトンまたはそれらの塩が挙げられる。塩としてはクエン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、などが挙げられる。これらの酸味物質の中でも、アスコルビン酸、リン酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸またはそれらの塩が好ましく、リン酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、グルコン酸、酢酸またはそれらの塩がより好ましい。これらの酸味物質は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0066】
pHは特に限定されないが、例えば、2.0~6.5であってもよい。例えば、本発明のいくつかの実施形態による飲料のpHは、2.0~6.0、2.0~5.5、2.0~5.0、2.0~4.6、3.0~4.5、2.6~3.9、2.7~3.8、2.8~3.7、2.9~3.6または3.0~4.0であってもよい。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態による飲料は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、酸化防止剤(エリソルビン酸ナトリウムなど)、乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなど)、色素および香料等を適宜配合することができる。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態の製造方法において、「果実および/または野菜」、「ステビオール配糖体」および「果汁」は、上記飲料の項目で述べた定義と同様であり、その数値は上記飲料の項目で述べた数値がそのまま当てはまる。
【0069】
本明細書において、「約」との文言は、主体が「約」に続く数値の±25%、±10%、±5%、±3%、±2%または±1%の範囲に存在することを意味する。例えば「約10」は、7.5~12.5の範囲を意味する。
【実施例0070】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0071】
[参考例]RebDによるアルコール飲料の香味に対する影響の評価
<サンプルの調製>
表1に示す配合量となるように、グレーンスピリッツ、甘味料および水を混合してサンプル液を準備した。使用した原料は次のとおりである。グレーンスピリッツ(アルコール度数59v/v%)、砂糖(スクロース、三井製糖株式会社製、「グラニュ糖GS」)、レバウジオシドD(RebD):純度90%以上、水(逆浸透水(RO水))。各サンプルは甘味強度が8となるように調整した。その際、砂糖(スクロース)の甘味度を1とし、レバウジオシドDの甘味度を砂糖の約300倍としてサンプルを調製した。調製したサンプルについて、訓練された専門のパネル2名がフリーコメントにて評価した。結果を表1にまとめる。
【表1】
【0072】
[実施例A]レモン凍結粉砕浸漬酒の配合による効果の検討
参考例における検討結果を踏まえ、レバウジオシドDを飲料に用いた場合の味質(トップの甘味があまり強くなく、後半に苦味を感じる)がレモン凍結粉砕浸漬酒を添加した場合に改善するか否かを評価した。サンプルの調製方法および評価手順ならびに得られた結果について以下にまとめる。
【0073】
<サンプル調製手順>
I.レモン凍結粉砕浸漬酒の調製
生のレモンの果実を用い、国際公開第2006/009252号に記載される内容に準じて凍結粉砕果実浸漬酒を作成した。
具体的には、生のレモンの果実を適当な大きさに切断し、-196℃の液体窒素を用いて凍結した。得られた凍結物を凍結粉砕機に投入し、凍結したまま微粉砕することにより、粒径約200μm以下の粉末状の凍結微粉砕物を得た。なお、粒径の測定は、凍結微粉砕物を約20倍量の水で希釈し、レーザ回折式粒度分布測定装置(SALD-3100;(株)島津製作所)で粒度分布を測定することにより行った。次に、凍結微粉砕物を、アルコール度数59v/v%の原料用アルコールに浸漬した。得られた浸漬液を、遠心分離機を用いて処理し、十分に液体と固形分を分離した上で、固形分を除去した。このような手順により、アルコール度数約54v/v%のレモン凍結粉砕浸漬酒を得た。
【0074】
II.サンプル飲料の調製
表2に示す配合量となるように、上記Iで調製したレモン凍結粉砕浸漬酒またはレモン果汁に加え、グレーンスピリッツ、甘味料および水を混合することでサンプル液を準備した。使用した原料は次のとおりである。グレーンスピリッツ(アルコール度数59v/v%)、レバウジオシドD(RebD):純度90%以上、レモン果汁:S.A. San Miguel社「冷凍濃縮レモン透明果汁400GPL」、水(RO水)。
【0075】
<味質の評価>
(評価方法)
上記のとおり調製したサンプルについて、訓練された専門のパネル4名が「後半の苦味と甘味」について、下記評価基準に則って1~5点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。ここで、「後半の苦味」は図1に示すようなトップ後の後半の苦味を意味し、「甘味」はトップを含む全体の甘味を意味する。点数が高いほど、トップを含む全体の甘味が改善し、後半における苦味が抑えられていることを意味する。すなわち点数が高いほど、味質が良好であることを意味する。
(評価基準)
1点:後半の苦味が気になる
2点:後半の苦味がやや気になる
3点:後半の苦味は気にならないが、甘みが弱い
4点:後半の苦味が気にならず、甘味もある
5点:後半に自然な甘味を有する
【0076】
上記官能評価の結果を表2に示す。甘味強度は添加した甘味料の量から算出した。アルコール度数は添加したグレーンスピリッツの量とレモン凍結粉砕浸漬酒の量から算出した。また、レモン凍結粉砕浸漬酒の純アルコール比率は次の方法で算出した。まず、レモン凍結粉砕浸漬酒のアルコール度数が54v/v%であるため、配合量からレモン凍結粉砕浸漬酒由来のアルコール量を算出する。例えば、実施例A2はレモン凍結粉砕浸漬酒の配合量が14.2ml/1000mlであるため、アルコール量は7.7ml/1000mlである(14.2(ml/1000ml)×0.54=7.7ml/1000ml)。そして、アルコール度数は5v/v%(≒50ml/1000mlで実施)であり、この値でレモン凍結粉砕浸漬酒由来のアルコール量を除することで純アルコール比率(15%)を算出することができる(7.7/50x100)。
【表2】
【0077】
(実施例B)砂糖や果汁との併用による効果の検討
実施例Aと同様に、表3に示す配合量となるように、グレーンスピリッツ、甘味料および水を混合してサンプル液を準備した。使用した原料は次のとおりである。グレーンスピリッツ(アルコール度数59v/v%)、砂糖(スクロース、三井製糖株式会社製、「グラニュ糖GS」)、レモン果汁:S.A. San Miguel社「冷凍濃縮レモン透明果汁400GPL」、レバウジオシドD(RebD):純度90%以上、水(RO水)、レモン凍結粉砕浸漬酒(実施例Aで調製したもの)。
【0078】
このようにして調製したサンプルについて、訓練された専門のパネル4名が、実施例Aと同じ基準で「後半の苦味と甘味」を評価した。アルコール度数は添加したグレーンスピリッツとレモン凍結粉砕浸漬酒の量から算出した。甘味強度は添加した甘味料の量から算出した。結果を表3に示す。
【表3】
【0079】
(実施例C)追加工程の効果の検討
追加工程(遠心分離工程)の効果を評価するために、レモン凍結粉砕浸漬酒調製時の遠心分離工程の有無における効果の違いを対比した。実施例Aにおけるレモン凍結粉砕浸漬酒調製手順の最後に遠心分離処理を行わなかった以外は実施例Aと同様の手順でレモン凍結粉砕浸漬酒を調製した。実施例Aと同様に、表4に示す配合量となるように、グレーンスピリッツ、甘味料および水を混合してサンプル液を準備した。使用した原料は次のとおりである。グレーンスピリッツ(アルコール度数59v/v%)、砂糖(スクロース、三井製糖株式会社製、「グラニュ糖GS」)、レモン果汁:S.A. San Miguel社「冷凍濃縮レモン透明果汁400GPL」、レバウジオシドD(RebD):純度90%以上、水(RO水)、レモン凍結粉砕浸漬酒(実施例Aで調製したもの)。
【0080】
このようにして調製したサンプルについて、訓練された専門のパネル4名が、実施例Aと同じ基準で「後味の苦味と甘味」を評価した。アルコール度数は添加したグレーンスピリッツとレモン凍結粉砕浸漬酒の量から算出した。甘味強度は添加した甘味料の量から算出した。結果を表4に示す。
【表4】
【0081】
(実施例D)異なる果実やステビオール配糖体による効果の検討
実施例Aと同様に、表5に示す配合量となるように、グレーンスピリッツ、甘味料および水を混合してサンプル液を準備した。使用した原料は次のとおりである。グレーンスピリッツ(アルコール度数59v/v%)、レバウジオシドA:純度95.0%以上、レバウジオシドM:純度96.6%、レバウジオシドD(RebD):純度90%以上、水(RO水)、レモン凍結粉砕浸漬酒(実施例Aで調製したもの)。桃凍結粉砕浸漬酒(アルコール度数約30v/v%)は、果実をレモンから桃に変更し、アルコール度数30v/v%の原料用アルコールを用いて浸漬した以外は実施例Aに記載の条件で調製したものを用いた。
【0082】
このようにして調製したサンプルについて、訓練された専門のパネル4名が、実施例Aと同じ基準で「後半の苦味と甘味」を評価した。アルコール度数は添加したグレーンスピリッツとレモンおよび桃の凍結粉砕浸漬酒の量から算出した。甘味強度は添加した甘味料の量から算出した。結果を表5に示す。
【表5】
【0083】
(実施例E)種々のステビオール配糖体を用いる例
実施例Aと同様に、表6に示す配合量となるように、グレーンスピリッツ、甘味料および水を混合してサンプル液を準備する。使用する原料は次のとおりである。グレーンスピリッツ(アルコール度数59v/v%)、レバウジオシドA:純度95.0%以上、レバウジオシドM:純度96.6%、レバウジオシドD(RebD):純度90%以上、水(RO水)、レモン凍結粉砕浸漬酒(実施例Aと同様の方法で調製するもの)。アルコール度数は添加するグレーンスピリッツとレモン凍結粉砕浸漬酒の量から算出する。甘味強度は添加する甘味料の量から算出する。
【表6】
【0084】
(実施例F)異なる果物の凍結粉砕浸漬酒を用いる例
実施例Aと同様に、表7に示す配合量となるように、グレーンスピリッツ、甘味料および水を混合してサンプル液を準備する。使用する原料は次のとおりである。グレーンスピリッツ(アルコール度数59v/v%)、レバウジオシドD(RebD):純度90%以上、水(RO水)、凍結粉砕浸漬酒(実施例Aに記載の方法と同様の手順で、レモンの代わりにブドウまたは桃を用い、アルコール度数は約30v/v%である)。アルコール度数は添加するグレーンスピリッツとブドウまたは桃凍結粉砕浸漬酒の量から算出する。甘味強度は添加する甘味料の量から算出する。
【表7】
図1