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  • 特開-倉庫出入口ガード機構 図1
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  • 特開-倉庫出入口ガード機構 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053463
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】倉庫出入口ガード機構
(51)【国際特許分類】
   E01F 13/02 20060101AFI20240408BHJP
   E01F 9/631 20160101ALI20240408BHJP
   E01F 9/688 20160101ALI20240408BHJP
【FI】
E01F13/02 Z
E01F9/631
E01F9/688
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159771
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】514321334
【氏名又は名称】福岡運輸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】稲富 博則
【テーマコード(参考)】
2D064
2D101
【Fターム(参考)】
2D064AA11
2D064DB01
2D064EA01
2D064FA01
2D101CA12
2D101EA02
2D101GA13
2D101GA32
(57)【要約】
【課題】簡単で安価な構造で、倉庫の出入口を構成する自動扉やその周囲の壁とフォークリフトの各部位との衝突を未然に防止することが可能な機能と形状を備えた倉庫出入口ガード機構を提供する。
【解決手段】荷物の倉庫において、荷役運搬車両で倉庫出入口を通過して荷物を搬入・搬出する際に、前記倉庫出入口を構成する自動扉やその周囲の壁と前記荷役運搬車両の各部位との衝突を未然に防止するために、前記荷役運搬車両との衝突により傾動し、衝突が解除された場合は垂直に復元する復元機構を備えた門型ガードポストを、前記倉庫出入口を囲うように出口側・入口側それぞれに垂直に立設していることを特徴とする倉庫出入口ガード機構とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の倉庫において、荷役運搬車両で倉庫出入口を通過して荷物を搬入・搬出する際に、前記倉庫出入口を構成する自動扉やその周囲の壁と前記荷役運搬車両の各部位との衝突を未然に防止するために、前記荷役運搬車両との衝突により傾動し、衝突が解除された場合は垂直に復元する復元機構を備えた門型ガードポストを、前記倉庫出入口を囲うように出口側・入口側それぞれに垂直に立設していることを特徴とする倉庫出入口ガード機構。
【請求項2】
前記倉庫出入口を通過する前記荷役運搬車両のマスト及びフォーク、フォーク上に載置されている荷物が、前記門型ガードポストより上部に位置することを検出する対物センサと、対物センサの検出動作に連動して前記荷役運搬車両が前記倉庫出入口に接触する虞があることを伝達する報知ランプを備えたことを特徴とする請求項1に記載の倉庫出入口ガード機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、倉庫出入口ガード機構であって、詳しくは、倉庫の出入口を構成する自動扉及びその周囲の壁が荷役運搬車両と衝突して損傷することを未然に防止するための倉庫出入口ガード機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大型の荷物を保管する倉庫内には、複数の荷物の保管スペースを確保するために、複数の保管棚が多段式に構築されている。このような保管棚に荷物を搬入・搬出する際には荷役運搬車両(以下、フォークリフトともいう)が好適に用いられている。そして、倉庫内に大型の荷物を搬入する際には、フォークリフトにより保管する荷物を倉庫出入口から搬入して保管棚に保管し、倉庫内の荷物を搬出する際は、同様にフォークリフトを用いて保管棚から保管した荷物を倉庫出入口から倉庫外部に搬出している。
【0003】
また、近年では、荷物の保管倉庫は大型化しているため、倉庫内の多段式の保管棚も高段で設置されている。このため、荷物の運搬に使用されるフォークリフトも、高いところの保管棚に荷物を搬入・搬出することができる高マストのフォークリフトが好適に用いられる。一般に倉庫の出入口は、フォークリフトの接近を検知して自動的に開閉する自動扉が設置されている。特に、冷凍・冷蔵倉庫においては、庫内の温度を保つために、フォークリフトが通過できる最低限の大きさの自動扉が設けられている。
【0004】
ところが、フォークリフトは作業者が運転するため、作業者の運転ミス等により、倉庫の出入口の自動扉を損傷する事故が発生する可能性がある。特に、冷凍・冷蔵倉庫においては、倉庫の出入口の自動扉を損傷して閉止状態を保てなくなると、温度の高い外気が倉庫内に侵入し、冷凍・冷蔵に適した庫内の温度を保つことができなくなる。
【0005】
このような、倉庫の出入口におけるフォークリフトとの衝突事故を未然に防止するために、倉庫の出入口の入口側と出口側の両側端部にそれぞれガードポストを垂直に立設して、フォークリフトを運転する作業者が倉庫内へ侵入又は倉庫外へ退出する際に、誤って、出入口の両側端部に突出した自動扉と接触するように走行した場合でも、フォークリフトと出入口の両側端部に突出した自動扉との衝突を作業者が聴音できるように出音することで、倉庫の出入口の自動扉を保護するガードポスト構が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-51190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1のガードポストは、倉庫の出入口の自動扉を保護するガードポストを、倉庫の出入口の入口側と出口側の両側端部に垂直に立設することで、フォークリフトと倉庫の出入口の自動扉とが直接衝突して自動扉が損傷する事故を可及的に低く抑えることはできる。しかしながら、倉庫の大型化に伴い高マストのフォークリフトを荷物の運搬に使用する場合に、倉庫の出入口の両側だけではなく、高マストのフォークリフトがフォーク又はフォーク上の荷物を、倉庫の出入口の上部より高い場所に位置したまま倉庫の出入口に侵入する場合がある。
【0008】
この場合は、高い位置に保持されたフォークリフトのフォークが、倉庫出入口の上部壁面に衝突して壁を損傷する可能性がある。特に、冷凍・冷蔵倉庫においては、倉庫内の低温を保持するために、倉庫の壁に複数の断熱材を使用した特殊な壁材が用いられることが一般的であり、この特殊な壁材が損傷すると、本来の冷凍・冷蔵倉庫の機能を保てなくなるため早急な補修が必要となるばかりか、補修に係る費用も高額になるため、フォークリフトのフォークによる倉庫の出入口の上部の壁の損傷を効果的に防止することが待望されている。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために、簡単で安価な構造で、倉庫の出入口を構成する自動扉やその周囲の壁とフォークリフトの各部位との衝突を未然に防止することが可能な機能と形状を備えた倉庫出入口ガード機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、荷物の倉庫において、荷役運搬車両で倉庫出入口を通過して荷物を搬入・搬出する際に、前記倉庫出入口を構成する自動扉やその周囲の壁と前記荷役運搬車両の各部位との衝突を未然に防止するために、前記荷役運搬車両との衝突により傾動し、衝突が解除された場合は垂直に復元する復元機構を備えた門型ガードポストを、前記倉庫出入口を囲うように出口側・入口側それぞれに垂直に立設していることを特徴とする倉庫出入口ガード機構とした。
【0011】
また、前記出入口を通過する前記荷役運搬車両のマスト及びフォーク、フォーク上に載置されている荷物が、前記門型ガードポストより上部に位置することを検出する対物センサと、対物センサの検出動作に連動して前記荷役運搬車両が前記倉庫出入口に接触する虞があることを伝達する報知ランプを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の倉庫出入口ガード機構は、荷物の倉庫において、荷役運搬車両で倉庫出入口を通過して荷物を搬入・搬出する際に、前記倉庫出入口を構成する自動扉やその周囲の壁と前記荷役運搬車両の各部位との衝突を未然に防止するために、前記荷役運搬車両との衝突により傾動し、衝突が解除された場合は垂直に復元する復元機構を備えた門型ガードポストを、前記倉庫出入口を囲うように出口側・入口側それぞれに垂直に立設している。すなわち、本発明によれば、倉庫の出入口を囲うように門型ガードポストを垂直に立設しているため、倉庫の出入口を構成する自動扉やその周囲の壁と荷役運搬車両の各部位とが直接衝突することが無く、倉庫の出入口を構成する自動扉やその周囲の壁の損傷を防止することができる。
【0013】
また、門型ガードポストは、荷役運搬車両との衝突により傾動し、衝突が解除された場合は垂直に復元する復元機構を備えている。このため、荷役運搬車両との衝突が解除されると再び垂直に復元する。これにより、この復元機構の限界を超えた傾動(つまり、破損)以外なら何度も元の状態に復帰して使用することができる。つまり、門型ガードポストそのものが破損したり、復元機構が破損したりしない限り、門型ガードポストとしての機能を失うことが無い。
【0014】
また、復元機構としては、一例として倉庫の出入口の床面に垂直に立設した門型ガードポストの基端部を、複数の防振ゴムを配設して支持することで実現される。これにより、門型ガードポストと荷役運搬車両との衝突による衝撃を十分に吸収することができ、防振ゴムの弾性変形の範囲内において、門型ガードポストは、荷役運搬車両との衝突により一旦傾動したとしても、衝突が解除されると元の垂直状態に復元することができる。
【0015】
また、倉庫出入口を通過する荷役運搬車両のマスト及びフォーク、フォーク上に載置されている荷物が、前記門型ガードポストより上部に位置することを検出する対物センサと、対物センサの検出動作に連動して前記荷役運搬車両が前記倉庫出入口に接触する虞があることを伝達する報知ランプを備えている。この対物センサは、倉庫の出入口の上部、又は、門型ガードポストの上部に設置されている。そして、この対物センサにより、荷役運搬車両のマスト及びフォーク、フォーク上に載置されている荷物が門型ガードポストより上部に位置することを検出すると、例えば、倉庫の出入口の自動扉の開放を規制したり、倉庫出入口近傍に設けた報知ランプを構成する赤色灯を発光したりすることにより、荷役運搬車両を運転する作業者に、荷役運搬車両のマスト及びフォークの位置が危険な位置にあることを報知して、荷役運搬車両の高い位置に保持されたフォークリフトのフォークが、倉庫の出入口の上部の壁に衝突して壁を損傷することを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施例の倉庫出入口ガード機構の構成を示す斜視図である。
図2】本実施例の倉庫出入口ガード機構の構成を示す正面図である。
図3】本実施例の倉庫出入口ガード機構の構成を示す平面図である。
図4】本実施例の倉庫出入口ガード機構の対物センサの検出を説明する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、荷物の倉庫において、荷役運搬車両で倉庫出入口を通過して荷物を搬入・搬出する際に、前記倉庫出入口を構成する自動扉やその周囲の壁と前記荷役運搬車両の各部位との衝突を未然に防止するために、前記荷役運搬車両との衝突により傾動し、衝突が解除された場合は垂直に復元する復元機構を備えた門型ガードポストを、前記倉庫出入口を囲うように出口側・入口側それぞれに垂直に立設していることを特徴とする倉庫出入口ガード機構に関するものである。
【0018】
以下、本発明の倉庫出入口ガード機構の実施例について、図面を参照して説明する。図1は、本実施例の倉庫出入口ガード機構の構成を示す斜視図である。図2は、本実施例の倉庫出入口ガード機構の構成を示す正面図である。図3は、本実施例の倉庫出入口ガード機構の構成を示す平面図である。図4は、本実施例の倉庫出入口ガード機構の対物センサの検出を説明する側面図である。
【0019】
なお、以下の説明では、荷役運搬車両としてフォークリフト(特に、騒音の少ないバッテリーフォークリフト)を用いた場合を一例として説明する。
【0020】
本実施形態における倉庫出入口ガード機構の構成を、図1図4を参照して説明する。図1に示すように、倉庫出入口ガード機構1は、倉庫の内部と外部を区画する壁Wに設けられた倉庫出入口SEを、入口側及び出口側から囲うように設けられた門型ガードポスト10と、倉庫出入口SEの入口側及び出口側の上部中央(図3、4参照)に設けられた対物センサ20と、倉庫出入口SEの入口側及び出口側の開口部近傍に設けられた報知ランプ30とから構成されている。
【0021】
門型ガードポスト10は、床F上に設置された復元機構Rの上部に、左右ポール10R、10Lの基台部10Kを載置して垂直に立設されている。左右ポール10R、10Lの上部は、逆U字状の上部ポール10Uで連結されている。すなわち、門型ガードポスト10は、倉庫出入口SEの左右、上部の壁Wを囲うように、倉庫出入口SEの入口側及び出口側にそれぞれ垂直に立設されている。門型ガードポスト10の素材としては、安価で中空の建造用の鋼管が好適に用いられ、荷役運搬車両であるフォークリフト100が衝突し破損した場合でも容易に交換可能としている。
【0022】
図2(復元機構Rの拡大側面図)及び図3(復元機構Rの拡大平面図)に示すように、門型ガードポスト10の床F上に設置された復元機構Rは、矩形板状のベースプレート50の上面に配設された複数(図中は4個)の防振ユニットR1、R2、R3、R4により構成されている。防振ユニットR1、R2、R3、R4は、図3に示すように、床Fの表面に、四隅をアンカーボルトB2で固設されたベースプレート50の表面に、2列2行で均等に配設されている。
【0023】
防振ユニットR1、R2、R3、R4は、平面視でひし形の取付プレート42の両端を取付ボルトB1によりベースプレート50の上面にそれぞれ固設されている。取付プレート42の中央部には円柱状の防振ゴム40が固設されており、防振ゴム40の中央上部にはボルト41が垂直に突設されている。そして、防振ユニットR1、R2、R3、R4それぞれの防振ゴム40の中央上部のボルト41と、左右ポール10R、10Lの基台部10Kの底面の底板51とを連結することにより、防振ユニットR1、R2、R3、R4の上部、言い換えると復元機構Rの上部に、左右ポール10R、10Lの基台部10Kの中央部に連結された左右ポール10R、10Lが垂直に立設される。
【0024】
このように、復元機構Rを、中央に防振ゴム40が配設された複数の防振ユニットR1、R2、R3、R4により構成することで、倉庫出入口SEの床Fに垂直に立設した門型ガードポスト10の基台部10Kを、複数の防振ゴム40により支持することになる。本実施形態の防振ゴム40は防振材の一種であり、弾性限界の大きな加硫ゴムが好適に用いられる。そして、門型ガードポスト10の基台部10Kと床Fのベースプレート50の上面との間に複数の防振ゴム40を介在させることにより、門型ガードポスト10とフォークリフト100との衝突による衝撃は、復元機構Rを構成する複数の防振ゴム40で十分に吸収されるので、門型ガードポスト10は傾動しても破損することを防止できる。つまり、複数の防振ゴム40の弾性変形の範囲内(弾性限界)において、門型ガードポスト10は、フォークリフト100との衝突により一旦傾動したとしても、衝突が解除されると元の垂直状態に復元される。本実施形態の復元機構Rによれば、複数の防振ゴム40の弾性変形の限界を超えた傾動状態以外なら何度でも元の状態に復帰することができる。
【0025】
一般に倉庫出入口SEには、自動開閉する自動扉ADが設けられている。そして、倉庫出入口SEの両側端部には、自動扉ADの一部が突出する場合があり、これにフォークリフト100が衝突すると、倉庫出入口SEに設けられた自動扉が損傷する場合がある。特に、冷凍・冷蔵する荷物を保管する倉庫においては、自動扉の損傷や作動不良は倉庫内温度が急激に変動するため大きな問題となる。
【0026】
これを防止するために、本実施形態においては、倉庫出入口SEのそれぞれに門型ガードポスト10を配設することで、例えば、フォークリフト100を運転する作業者が倉庫出入口SEを通過する際に、誤って、倉庫出入口SEの両側端部近傍を走行した場合でも、フォークリフト100と倉庫出入口SEの両側端部に突出した自動扉ADの一部との衝突を門型ガードポスト10の左右ポール10R、10Lで防止するとともに、衝突した場合でもフォークリフト100の走行方向を修正することで、倉庫出入口SEにおける自動扉ADの損傷や作動不良を可及的に低く抑えることができる。
【0027】
倉庫出入口SEの入口側及び出口側の上部中央(図3、4参照)に設けられた対物センサ20は、倉庫出入口SEを通過するフォークリフト100のフォーク101やマスト102、フォーク101上に載置された荷物が、門型ガードポスト10の上部ポール10Uより上に位置しているか否かを検出するためのものである。なお、本実施形態において、対物センサ20は、倉庫出入口SEの入口側及び出口側の壁Wの上部中央(図3、4参照)に配設されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、門型ガードポスト10の上部ポール10Uの中央部に配設されていてもよい。また、本実施形態における対物センサ20は、倉庫出入口SEの入口側及び出口側の壁Wの上部中央近傍に複数配設されるように構成してもよい。このように対物センサ20の数を増やすことにより対物センサ20で検出できる範囲を拡大して、倉庫出入口SEに正面から接近するフォークリフト100以外にも壁Wに沿って倉庫出入口SEまで接近するフォークリフト100も検知することができる。また、本実施形態における対物センサ20は、検出エリアPLに侵入したフォークリフト100のフォーク101やマスト102、フォーク101上に載置された荷物が門型ガードポスト10の上部ポール10Uより上部に位置していることを検出できる感度のものが好適に用いられる。
【0028】
倉庫出入口SEの入口側及び出口側の開口部近傍に設けられた報知ランプ30は、検出エリアPLに侵入したフォークリフト100のフォーク101やマスト102、フォーク101上に載置された荷物が、門型ガードポスト10の上部ポール10Uより上部に位置している場合にフォークリフト100が倉庫出入口SEと接触する虞があることをフォークリフト100を運転する作業者に報知するためのものである。報知ランプ30は、対物センサ20と連動しており、対物センサ20が検出エリアPLに侵入したフォークリフト100のフォーク101やマスト102、フォーク101上に載置された荷物が、門型ガードポスト10の上部ポール10Uより上部に位置していることを検出すると報知ランプ30を構成する赤色灯を発光してフォークリフト100を運転する作業者に倉庫出入口SEと接触する虞があることを報知するように構成している。なお、本実施形態において、報知ランプ30は、倉庫出入口SEの入口側及び出口側の開口部近傍に配設されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、フォークリフト100を運転する作業者が視認可能な位置であればどこに設置されていてもよく、例えば、門型ガードポスト10の左右ポール10R、10Lの上端部近傍に配設されていてもよい。
【0029】
図1に示すように、倉庫に荷物を搬入又は倉庫から荷物を搬出するフォークリフト100は、倉庫出入口SEを通過する前に既定の検出エリアPLに侵入後、一旦停止する。倉庫出入口SEには、図2に示すように自動扉ADが設けられており、この自動扉ADは、検出エリアPLに侵入したフォークリフト100の停止を確認した後開放される。このため、倉庫出入口SEの近傍には、検出エリアPLにおけるフォークリフト100の停止を確認するための図示しない各種センサが設けられており、この各種センサの情報に基づいて自動扉ADの開閉を制御する図示しない制御装置が設けられている。
【0030】
本実施形態においては、図4に示すように、倉庫出入口SEの上部中央に設けられた対物センサ20により、フォークリフト100のフォーク101やマスト102、フォーク101上に載置された荷物が、門型ガードポスト10の上部ポール10Uより上部に位置していることを検出すると、上述した自動扉ADの開閉を制御する制御装置に検出信号を送信し、制御装置は自動扉ADを開放しないようにする。このとき、門型ガードポスト10の上部ポール10Uとフォークリフト100のフォーク101やマスト102、フォーク101上に載置された荷物とが衝突する位置にあることを、報知ランプ30を構成する赤色灯を発光させることによりフォークリフト100を運転する作業者に注意を促すように構成している。
【0031】
そして、フォークリフト100を運転する作業者は、フォーク101を下降させて、門型ガードポスト10の上部ポール10Uより下方に、フォークリフト100のフォーク101やマスト102、フォーク101上に載置された荷物が位置するように操作する。これにより、対物センサ20による検出が解除されると、自動扉ADの開閉を制御する制御装置は自動扉ADを開放して、倉庫出入口SEにおけるフォークリフト100の通過が許可されることになる。これにより、フォークリフト100のフォーク101やマスト102、フォーク101上に載置された荷物が、倉庫の出入口の上部の壁に衝突して壁を損傷することを未然に防止することができる。特に、倉庫が冷凍・冷蔵倉庫の場合は、倉庫内の低温を保持するために、倉庫の壁Wは、複数の断熱材を使用した特殊な壁材で構成されているため、この特殊な壁材が損傷することで本来の冷凍・冷蔵倉庫の機能を保てなくなるという問題の発生を可及的に低く抑えることができる。
【0032】
上述してきた構成の倉庫出入口ガード機構1によれば、簡単で安価な構造で、倉庫出入口SEを囲うように門型ガードポスト10を垂直に立設し、さらに、門型ガードポスト10の上部ポール10Uより上部に位置するフォークリフト100のフォーク101やマスト102、フォーク101上に載置された荷物を検出可能な対物センサ20を備え、倉庫出入口SEとフォークリフト100が接触する危険があることを報知可能な報知ランプ30を備えているため、倉庫出入口SEを構成する自動扉やその周囲の壁とフォークリフト100の各部位とが直接衝突することが無く、倉庫出入口SEを構成する自動扉ADやその周囲の壁Wの損傷を可及的に低く抑えることができる。
【0033】
以上、上記実施形態を通して本発明を説明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、上述した各効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0034】
1 倉庫出入口ガード機構
10 門型ガードポスト
20 対物センサ
40 防振ゴム
50 ベースプレート
100 フォークリフト
101 フォーク
102 マスト
AD 自動扉
R 復元機構
SE 倉庫出入口
図1
図2
図3
図4