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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053464
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】直接感熱記録材料
(51)【国際特許分類】
   B41M 5/32 20060101AFI20240408BHJP
   B41M 5/41 20060101ALI20240408BHJP
   B41M 5/28 20060101ALI20240408BHJP
   B41M 5/42 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
B41M5/32
B41M5/41 200
B41M5/28 220
B41M5/42 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159772
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005980
【氏名又は名称】三菱製紙株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉田 亮太
(72)【発明者】
【氏名】西村 直哉
【テーマコード(参考)】
2H026
【Fターム(参考)】
2H026BB46
2H026EE05
2H026FF11
(57)【要約】
【課題】サーマルヘッドによって印字された画像部における塗膜の剥離が抑制された直接感熱記録材料を提供する。
【解決手段】光透過性支持体上に、該支持体に近い側から感熱記録層および保護層を有し、該感熱記録層が、非感光性の有機銀塩、還元剤、イソシアネート基またはエポキシ基を有するアルコキシシラン、および樹脂を含有することを特徴とする直接感熱記録材料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性支持体上に、該支持体に近い側から感熱記録層および保護層を有し、該感熱記録層が、非感光性の有機銀塩、還元剤、イソシアネート基またはエポキシ基を有するアルコキシシラン、および樹脂を含有することを特徴とする直接感熱記録材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーマルヘッドの加熱により画像を形成する直接感熱記録材料に関し、特に版下原稿の作製に好適な直接感熱記録材料に関する。
【背景技術】
【0002】
高画質の画像記録方法として、ハロゲン化銀感光材料を用いた湿式処理の画像形成方法が長く一般的に用いられてきた。しかしながら該画像形成方法は、現像液や定着液等の廃液処理や、現像処理設備の設置等が必要になることから、前記した湿式処理を必要としない乾式の画像形成方法が望まれてきた。その結果、現在ではインクジェットプリンター、電子写真、染料熱転写方式等といった画像形成システムが実用化されている。しかしこれらの乾式画像形成方法は、版下原稿に求められる高い解像力や、画像部における優れた遮光性、および非画像部における優れた光透過性を得ることは困難であった。
【0003】
このような中で、非感光性の有機銀塩と有機還元剤との反応を利用した直接感熱記録材料が、例えば特許文献1や特許文献2等に開示されている。かかる直接感熱記録材料は、サーマルヘッドを搭載した感熱プリンターによる直接感熱画像記録を行うことで、高解像度かつ高コントラストな画像を得ることができるため、版下原稿の作製に適している。また当該記録材料は非感光性であり暗室を必要としないことに加え、直接感熱方式の感熱プリンターは低コストで装置の信頼性が高く、小型化が容易であるため、導入のハードルが低いといった利点を有する。
【0004】
直接感熱記録方式で用いられる直接感熱記録材料では、印字時にサーマルヘッドと感熱記録層が接着する、いわゆるスティッキングが生じることを防ぐために、感熱記録層上に保護層を設けることが知られている。また、該保護層は架橋された親水性樹脂を含有することが透明性や印画適性付与の観点から効果的であることが知られている。例えば特許文献2には、活性水素を有する親水性重合体と特定の硬化剤を含有する保護層や、紫外線または電子ビームによって架橋する重合体を含有する保護層を有する直接感熱記録材料が開示されている。また特許文献3には、水溶性樹脂および架橋剤を含有する保護層を有する直接感熱記録材料が開示されている。
【0005】
しかしながらこのような直接感熱記録材料では、熱印加によって形成した画像部において感熱記録層と保護層との接着性が低下し、例えば前述の保護層表面に粘着テープを貼り付け、その後該粘着テープを剥がした際に保護層が剥離してしまう場合があった。感熱記録層と保護層との接着性の改善については、それらの層の間に中間層を設ける手法が知られており、例えば前述の特許文献1では、発色層と保護被覆層間の接着性を高め得る実質的に水溶性もしくは分散性のポリマー材料を含有する中間層を有する感熱記録材料が開示されている。また特許文献4では、感熱像形成層と保護層との間に、下塗り層として作用する中間層(接着促進層)を存在させても良いことが記載されている。しかしながら、このような感熱記録材料においても、印字された画像部における感熱記録層と保護層との接着性は未だ不十分であり、さらなる改善が求められていた。
【0006】
一方、特許文献5には支持体上に感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤およびバインダーを含有する感光性層と、該感光性層上に非感光性層を有する熱現像感光材料が開示され、該支持体の感光層側の任意の層にイソシアネートとポリアルコールの付加体を添加することで、層間接着を良くし、層の剥離を防止できることが記載されている。また、特許文献6には、ポリ(ケイ酸)、水溶性ヒドロキシル含有ポリマーおよび水溶性ポリビニルアセタールの混合物を含み、下側層への接着性が向上したオーバーコート層を有する改良熱処理性画像形成要素が記載されている。しかしながら、これらのような感熱記録材料においても、印字された画像部における感熱記録層と保護層との接着性は未だ不十分であった。
【0007】
他方、特許文献7には支持体上に感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、還元剤およびバインダーを含有する画像形成層、および帯電防止層を有する熱現像感光材料を露光後に熱現像する画像形成方法が開示され、該帯電防止層が含有する水溶性導電性ポリマーの硬化剤の一例としてエポキシ基を有するシランカップリング剤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表平8-505579号公報
【特許文献2】特表平9-504752号公報
【特許文献3】特開2007-38633号公報
【特許文献4】特開平8-58239号公報
【特許文献5】特開2009-48058号公報
【特許文献6】特開平10-157305号公報
【特許文献7】特開2005-165173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、サーマルヘッドによって印字された画像部における塗膜の剥離が抑制された直接感熱記録材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した課題は、以下の発明により解決される。
光透過性支持体上に、該支持体に近い側から感熱記録層および保護層を有し、該感熱記録層が、非感光性の有機銀塩、還元剤、イソシアネート基またはエポキシ基を有するアルコキシシラン、および樹脂を含有することを特徴とする直接感熱記録材料。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、サーマルヘッドによって印字された画像部における塗膜の剥離が抑制された直接感熱記録材料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の詳細について説明する。
【0013】
本発明の直接感熱記録材料は、光透過性支持体を有する。かかる光透過性支持体としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、硝酸セルロース、ポリカーボネート等の樹脂フィルムや、ガラス等の無機材料等が挙げられる。なお、本発明において光透過性支持体とは、全光線透過率が60%以上である支持体を意味し、更に好ましくは70%以上である。また該光透過性支持体のヘーズ値は10%以下であることが好ましい。該光透過性支持体は易接着層、ハードコート層、帯電防止層等の公知の層を有していてもよい。本発明における光透過性支持体の厚みは特に規定されるものではないが、ハンドリング性の観点から50μm以上かつ300μm以下であることが好ましい。
【0014】
本発明の直接感熱記録材料が有する感熱記録層は、非感光性の有機銀塩を含有する。該有機銀塩は、後述する還元剤と共に加熱される事により還元されて銀画像を形成する。具体的には、熱現像感光材料に関するリサーチディスクロージャー第17029(II)項、第29963(XVI)項に記載されているような没食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の有機酸の銀塩;1-(3-カルボキシプロピル)チオ尿素、1-(3-カルボキシプロピル)-3,3-ジメチルチオ尿素等のカルボキシアルキルチオ尿素の銀塩;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等のアルデヒド類とサリチル酸、安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、5,5-チオジサリチル酸等の芳香族カルボン酸との高分子反応生成物と銀との錯体;3-(2-カルボキシエチル)-4-ヒドロキシメチル-4-チアゾリン-2-チオン、3-カルボキシメチル-4-メチル-4-チアゾリン-2-チオン等のチオン類の銀塩または錯体;イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,2,4-トリアゾール、1H-テトラゾール、3-アミノ-5-ベンジルチオ-1,2,4-トリアゾールおよびベンゾトリアゾールから選ばれる含窒素複素環の銀塩または錯体;サッカリン、5-クロロサリチルアルドキシム等の銀塩;メルカプチド類の銀塩等が挙げられる。これらのうち炭素数が10以上の脂肪酸銀が好ましく、ステアリン酸銀、ベヘン酸銀がより好ましい。
【0015】
本発明において感熱記録層が含有する非感光性の有機銀塩の含有量は、感熱記録層の全固形分に対して5~80質量%が好ましく、10~70質量%がより好ましく、20~65質量%が更に好ましい。
【0016】
本発明の直接感熱記録材料が有する感熱記録層は還元剤を含有する。かかる還元剤としては、ハイドロキノン、カテコール、4-メチルカテコール、4-tert-ブチルカテコール、クロロヒドロキノン、ピロガロール等のポリヒドロキシベンゼン化合物、没食子酸、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、没食子酸ステアリル、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、3,4-ジヒドロキシ安息香酸エチル等のポリヒドロキシ安息香酸化合物、2-アミノフェノール、3-アミノフェノール、4-アミノフェノール等のアミノフェノール化合物、1-フェニル-3-ピラゾリドンおよびその誘導体、ヒドロキシルアミン類、特開平6-317870号公報記載のポリヒドロキシインダン類や、特開2001-328357号公報記載のジヒドロキシ安息香酸誘導体等が例示できる。上記した還元剤の中でも、ポリヒドロキシベンゼン化合物およびポリヒドロキシ安息香酸化合物が好ましい。
【0017】
感熱記録層における還元剤の含有量は、還元剤の種類や、有機銀塩の種類によって広範に変化しうるが、有機銀塩1モルあたり0.1~3.0モルであることが好ましく、0.5~2.0モルであることが更に好ましい。また種々の目的のために、上述した還元剤は2種以上を併用してもよい。
【0018】
本発明の直接感熱記録材料が有する感熱記録層はイソシアネート基またはエポキシ基を有するアルコキシシランを含有する。
【0019】
イソシアネート基またはエポキシ基を有するアルコキシシランは特に限定されず、イソシアネート基またはエポキシ基を有する公知のアルコキシシランを用いることができる。該アルコキシシランとしては、イソシアネート基またはエポキシ基を1つ有する単官能基型と、主鎖として有機鎖またはシロキサン鎖を有し、該主鎖にイソシアネート基またはエポキシ基を複数有する多官能基型が存在し、いずれも好ましく用いることができる。
【0020】
イソシアネート基を1つ有する単官能基型のアルコキシシランとして、3-トリメトキシシリルプロピルイソシアネート、3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネート、3-トリメトキシシリルブチルイソシアネート、3-トリエトキシシリルブチルイソシアネート、3-トリメトキシシリルペンチルイソシアネート、3-トリエトキシシリルペンチルイソシアネート、4-トリメトキシシリルフェニルイソシアネート、4-トリエトキシシリルフェニルイソシアネート等が例示され、エポキシ基を1つ有する単官能基型のアルコキシシランとして、(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、3-(3,4-エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、3-(3,4-エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、4-(3,4-エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、4-(3,4-エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が例示される。
【0021】
上記アルコキシシランは市販されており、いずれも好ましく用いることができる。具体的には、イソシアネート基を1つ有する単官能基型のアルコキシシランとしては信越化学工業(株)製のKBE-9007N等が、エポキシ基を1つ有する単官能基型のアルコキシシランとしては信越化学工業(株)製のKBM-402、KBM-403、KBE-402等が挙げられる。
【0022】
イソシアネート基を複数有する多官能基型のアルコキシシランとしては信越化学工業(株)製のX-12-1159L等が、エポキシ基を複数有する多官能基型のアルコキシシランとしては信越化学工業(株)製のKR-517、KR-516、X-12-981S、X-12-984S等が挙げられる。
【0023】
上述したアルコキシシランの中でも、感熱記録層と、後述する保護層との接着性向上の観点から、単官能基型のアルコキシシランが好ましく、3-トリメトキシシリルプロピルイソシアネート、3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネート、(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランがより好ましく、3-トリメトキシシリルプロピルイソシアネート、3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネート、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランがさらに好ましく、3-トリメトキシシリルプロピルイソシアネート、3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネートが特に好ましい。
【0024】
上述したアルコキシシランの含有量は、感熱記録層の全固形分に対して0.3質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、2.0質量%以上が更に好ましい。これにより、画像部における塗膜の剥離を効果的に抑制することができる。また、サーマルプリンターによって印字された画像の紫外線透過濃度の低下を抑制する観点から、アルコキシシランの含有量は20.0質量%以下であることが好ましく、14.0質量%以下であることがより好ましく、8.0質量%以下であることが更に好ましい。また種々の目的のために、上述したアルコキシシランは2種以上を含有してもよく、イソシアネート基を有するアルコキシシランと、エポキシ基を有するアルコキシシランを併用してもよい。
【0025】
本発明の直接感熱記録材料が有する感熱記録層は、樹脂を含有する。かかる樹脂は特に限定されず、公知の樹脂を用いることができ、例えばヒドロキシエチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂に代表されるポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が例示できる。中でも、前述した非感光性の有機銀塩の分散性に優れることから、ポリビニルブチラール樹脂に代表されるポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂が好ましく、ポリビニルアセタール樹脂が更に好ましい。これらの樹脂は水や有機溶媒に溶解して用いるか、疎水性ポリマー固体が微粒子の状態で分散しているラテックスやポリマー分子がミセルを形成し分散しているものを用いてもよい。本発明においては、上述した樹脂は乾燥後に光透過性の被膜を形成するものが好ましい。またこれらの樹脂は必要に応じてお互いに相溶する樹脂を2種以上併用してもよい。
【0026】
本発明において感熱記録層が含有する樹脂の含有量は、感熱記録層の全固形分に対して10~70質量%が好ましく、より好ましくは20~60質量%である。
【0027】
上述した樹脂は、塩化物イオンや臭化物イオン等の遊離のハロゲン化物イオンを実質的に含有しないことが好ましい。ハロゲン化物イオンは有機銀塩の銀イオンと反応し、感光性のハロゲン化銀を形成するため、本発明の直接感熱記録材料の耐光性を低下させる原因となる。具体的には樹脂の含有量に対して500ppm以下であることが好ましく、300ppm以下であることがより好ましく、100ppm以下であることが更に好ましい。
【0028】
本発明の直接感熱記録材料が有する感熱記録層は、サーモグラフィまたはフォトサーモグラフィの分野において知られている、いわゆる色調剤を含有する事が好ましい。色調剤の例としては上述の熱現像感光材料に関するリサーチディスクロージャー第17029(V)項、第29963(XXII)項等で公知であり、具体的にはフタルイミドに代表されるイミド類、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾールに代表されるメルカプト化合物、フタラジン、フタラゾン、4-メチルフタル酸、テトラクロロフタル酸およびそれらの無水物に代表されるフタル酸誘導体、1,3-ベンズオキサジン-2,4-ジオンに代表されるベンズオキサジン誘導体等が挙げられる。また種々の目的のために、上述した色調剤は2種以上を含有してもよい。
【0029】
本発明において感熱記録層が含有する色調剤の含有量は、感熱記録層の全固形分に対して0.1~30質量%が好ましく、0.5~20質量%がより好ましく、1.0~10質量%が更に好ましい。
【0030】
本発明の直接感熱記録材料が有する感熱記録層は上述の有機銀塩と共に、還元による画像銀の形成の抑制や促進、印画前後の保存性を向上させる等の目的で、様々な促進剤や安定剤およびそれらの前駆体を含有してもよい。具体的には写真用安定剤、抑制剤としてよく知られているベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール、5-クロロベンゾトリアゾール、2-メルカプトベンゾトリアゾール、2-メルカプトベンズイミダゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンズオキサゾール、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデン、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール、2-アミノ-5-メルカプト-1,3,4-チアジアゾール、3-メルカプト-5-フェニル-1,2,4-トリアゾール、4-ベンツアミド-3-メルカプト-5-フェニル-1,2,4-トリアゾール等から選ぶことができる。また種々の目的のために、上記促進剤および安定剤は2種以上を併用してもよい。
【0031】
感熱記録層は、上述した成分以外に紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料、染料、pH調整剤、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、軟化剤、滑剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤等の公知の添加剤を含有していてもよい。
【0032】
感熱記録層を形成する方法としては、上述した有機銀塩、還元剤、樹脂、イソシアネート基またはエポキシ基を有するアルコキシシラン、色調剤、および感熱記録層が含有可能な添加剤、更に公知の溶剤を含有する感熱記録層塗布液を作製し、該感熱記録層塗布液を上述した光透過性支持体上に塗布、乾燥して形成する事が好ましい。また、該感熱記録層塗布液の塗布量は乾燥質量で2.0~30.0g/mが好ましく、5.0~25.0g/mがより好ましく、8.0~20.0g/mが更に好ましい。
【0033】
本発明の直接感熱記録材料は、上述の感熱記録層上に保護層を有する。該保護層は樹脂を含有することが好ましく、かかる樹脂としては、ヒドロキシエチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂に代表されるポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂等を例示することができるが、特にこれらに限定されない。
【0034】
本発明における保護層は、サーマルヘッドによる印字時の熱印加に耐えられるよう、上述した樹脂とともに架橋剤を含有することが好ましい。樹脂を架橋する架橋剤は特に限定されないが、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネート化合物や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多価エポキシ化合物、分子中に2個以上のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマー、ホウ酸、アルコキシシランやその部分縮合物であるシリケートオリゴマー、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド等を用いることができる。
【0035】
上述した樹脂の一例として、紫外線や電子線の放射により架橋された樹脂を用いることも、常温硬化性や生産性が高いという点で好ましい態様の一つである。かかる樹脂を含有する保護層は、一般的に重合性オリゴマー、モノマー、光重合開始剤等を配合した光硬化性樹脂組成物を塗布し、紫外線や電子線を放射し硬化させて得られる。
【0036】
重合性オリゴマーとしてはエポキシ(メタ)アクリレート、各種ポリオールと有機イソシアネートとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等がある。モノマーは、塗布液の粘度を下げるためや、接着性や硬化膜の性質を改良するために用いられ、具体的には単官能のアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、N-ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリン、N-ビニルカプロラクトン、イソボルニル(メタ)アクリレート、N-ビニルホルムアミド等、多官能のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0037】
光重合開始剤は特に限定されず、公知の光重合開始剤を用いることが出来る。具体的にはベンゾフェノン、オルトベンゾイル安息香酸メチル、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。これらの光重合開始剤は2種以上を併用してもよい。更にその他の添加剤としてp-メトキシフェノール等の重合禁止剤等を含有させてもよい。
【0038】
本発明において保護層は搬送性を高める目的で、種々の艶消し剤を含有していてもよい。該保護層を形成するにあたり、艶消し剤は上記保護層中に分散させて用いることが好ましい。艶消し剤の分散には、ホモディスパーのような高速攪拌機が適している。
【0039】
保護層が含有することができる上記艶消し剤の量は、保護層が含有する樹脂の含有量に対して5~40質量%であることが好ましく、10~30質量%であることがより好ましい。
【0040】
艶消し剤は有機系または無機系いずれの艶消し剤でも使用することができる。有機系艶消し剤としては、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート等が例示され、無機系艶消し剤としては、シリカ、アルミナ、タルク、マイカ等が例示される。市販品としては、タルクとして日本タルク(株)製のミクロエース(登録商標)シリーズ、ナノエース(登録商標)シリーズ、SG-95、SG-2000、兵庫クレー(株)製のHC-08L、HC-1Lや、シリコーン樹脂系艶消し剤としてモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズジャパン合同会社から発売されているトスパール(登録商標)120、130、145、2000Bや、シリカ系艶消し剤としてAGCエスアイテック(株)から発売されているサンスフェア(登録商標)H-31、H-51、NP-30等を例示することができる。これらは単一の微粒子であるが、艶消し剤の形態としては単一の微粒子および微粒子が集合した微粒子集合体粒子のいずれを用いてもよく、その平均粒径は単一の微粒子の場合は一次粒径を、微粒子集合体粒子の場合は二次粒径を指す。
【0041】
本発明における保護層は、上述した成分以外に紫外線吸収剤、pH調整剤、酸化防止剤、顔料、染料、架橋剤、界面活性剤、分散剤、消泡剤、増粘剤、軟化剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤等の公知の添加剤を含有していてもよい。
【0042】
保護層を形成する方法としては、上述した樹脂、艶消し剤、および保護層が含有可能な添加剤、更に公知の溶剤を含有する保護層塗布液を作製し、該保護層塗布液を上述した感熱記録層上に塗布、乾燥し、必要に応じて紫外線や電子線を放射し硬化させて形成する事が好ましい。また、該保護層塗布液の塗布量は乾燥質量で0.5~10.0g/mが好ましく、1.0~8.0g/mがより好ましく、1.5~6.0g/mが更に好ましい。
【0043】
本発明において、上記した感熱記録層および保護層の塗布法については特に制限はなく、E.D.Cohen,E.B.Gutoff,“Modern Coating and Drying Technology”,WILEY-VCH,Inc.New York,1992に記載されているような各種の塗布法から選択することができる。更に複数の層を同時に塗布することは、生産性を向上させる意味でも特に好ましい。
【0044】
本発明の直接感熱記録材料には更に必要に応じて、感熱記録層、保護層に加えて、光透過性支持体と感熱記録層との間に易接着層や断熱層等を、感熱記録層と保護層から見て光透過性支持体の反対の面に帯電防止層等を有していてもよい。
【0045】
本発明によれば、前述した直接感熱記録材料を用い、サーマルヘッドを該直接感熱記録材料の保護層と接触させ、サーマルヘッドの下で直接感熱記録材料を搬送し像に従って加熱することにより画像を得ることができる。直接感熱記録材料は、サーマルヘッドによって与えられる熱パルスの数を変えることにより400℃まで温度を変えて加熱することができ、熱パルスの数を変えることにより、画像部の濃度を変化させることができる。
【実施例0046】
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、この記述により本発明が限定されるものではない。なお記述中「%」は質量基準である。
【0047】
<実施例1>
【0048】
<ベヘン酸銀分散液の調製>
ベヘン酸銀結晶20g、Butvar(登録商標)B-79(イーストマンケミカルジャパン(株)製ポリビニルブチラール)20gを180gの2-ブタノンに加え、ビーズミルを用いて分散しベヘン酸銀分散液を得た。
【0049】
<感熱記録層塗布液の調製および塗布>
2-ブタノン10gに、Butvar B-79を0.5g、上記ベヘン酸銀分散液を10g、3,4-ジヒドロキシ安息香酸エチルを0.3g、テトラクロロフタル酸無水物を0.1g、フタラゾンを0.2g、アルコキシシランとして3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネート0.154gを加えて混合し、感熱記録層塗布液とした。光透過性支持体として厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(全光線透過率92%、ヘーズ値4%)を用意し、その一方の面に感熱記録層塗布液を乾燥質量が13.0g/mとなるようにワイヤーバーを用いて塗布し、80℃にて3分間乾燥させ感熱記録層を形成した。
【0050】
<保護層塗布液の調製および塗布>
酢酸エチル7.0gに、紫光(登録商標)UV-1700B(三菱ケミカル(株)製;ウレタンアクリレート、アクリル酸エステルモノマーを含む混合物)5.0g、OMNIRAD(登録商標)184(IGM Resins B.V製、光重合開始剤)0.1gを加えて溶液を得たのち、SG-95を1.5g添加し、スリーワンモータ(登録商標)(新東科学(株)製)にて300rpmで1時間分散して保護層塗布液を得た。続いて、上記のようにして得られた感熱記録層上に、乾燥質量が4.5g/mとなるように該保護層塗布液を塗布し、60℃にて乾燥させたのち、高圧水銀ランプを照射距離10cm、搬送速度5m/minの条件で照射して保護層を形成し、実施例1の直接感熱記録材料を得た。
【0051】
<実施例2>
実施例1の感熱記録層の調製および塗布において、3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネートの添加量を0.066gとして感熱記録層塗布液を得た以外は実施例1と同様にして実施例2の直接感熱記録材料を得た。
【0052】
<実施例3>
実施例1の感熱記録層の調整および塗布において、3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネートの添加量を0.044gとして感熱記録層塗布液を得た以外は実施例1と同様にして実施例3の直接感熱記録材料を得た。
【0053】
<実施例4>
実施例1の感熱記録層の調製および塗布において、3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネートの添加量を0.022gとして感熱記録層塗布液を得た以外は実施例1と同様にして実施例4の直接感熱記録材料を得た。
【0054】
<実施例5>
実施例1の感熱記録層の調製および塗布において、3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネートの添加量を0.363gとして感熱記録層塗布液を得た以外は実施例1と同様にして実施例5の直接感熱記録材料を得た。
【0055】
<実施例6>
実施例1の感熱記録層の調製および塗布において、3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネートの添加量を0.602gとして感熱記録層塗布液を得た以外は実施例1と同様にして実施例6の直接感熱記録材料を得た。
【0056】
<実施例7>
実施例1の感熱記録層塗布液の調製および塗布において、アルコキシシランとして3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネート0.154gを3-トリメトキシシリルプロピルイソシアネート0.154gに変更して感熱記録層塗布液を得た以外は実施例1と同様にして実施例7の直接感熱記録材料を得た。
【0057】
<実施例8>
実施例1の感熱記録層塗布液の調製および塗布において、アルコキシシランとして3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネート0.154gを(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン0.154gに変更して感熱記録層塗布液を得た以外は実施例1と同様にして実施例8の直接感熱記録材料を得た。
【0058】
<実施例9>
実施例1の感熱記録層塗布液の調製および塗布において、アルコキシシランとして3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネート0.154gを3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン0.154gに変更して感熱記録層塗布液を得た以外は実施例1と同様にして実施例9の直接感熱記録材料を得た。
【0059】
<実施例10>
実施例1の感熱記録層塗布液の調製および塗布において、アルコキシシランとして3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネート0.154gを、イソシアネート基を複数有する多官能基型のアルコキシシランであるX-12-1159L0.154gに変更して感熱記録層塗布液を得た以外は実施例1と同様にして実施例10の直接感熱記録材料を得た。
【0060】
<実施例11>
実施例1の感熱記録層塗布液の調製および塗布において、アルコキシシランとして3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネート0.154gを、エポキシ基を複数有する多官能基型のアルコキシシランであるX-12-981S 0.154gに変更して感熱記録層塗布液を得た以外は実施例1と同様にして実施例11の直接感熱記録材料を得た。
【0061】
<実施例12>
実施例1の保護層塗布液の調製および塗布において、トルエン10gとメタノール7.0gにButvarB-79を1.1g溶解させ、コロネート2715(東ソー(株)製;ポリイソシアネート、90%)を1.0g、SG-95を0.2g添加し、スリーワンモータにて300rpmで1時間攪拌して保護層塗布液を得、実施例1と同様にして形成した感熱記録層上に、該保護層塗布液を乾燥質量が4.5g/mとなるようにワイヤーバーを用いて塗布し、90℃にて3分間乾燥させて保護層を形成したのち、40℃にて24時間加温して実施例12の直接感熱記録材料を得た。
【0062】
<実施例13>
実施例1の保護層塗布液の調製および塗布において、クラレポバール3-80((株)クラレ製;ポリビニルアルコール樹脂)の5質量%水溶液28.0gに、テトラメチルオルソシリケートを0.2g、エチルシリケート40(コルコート(株)製;シリケートオリゴマー)を1.0g、SG-95を0.2g添加し、スリーワンモータにて300rpmで1時間攪拌して保護層塗布液を得、実施例1と同様にして形成した感熱記録層上に、該保護層塗布液を乾燥質量が4.5g/mとなるようにワイヤーバーを用いて塗布し、90℃にて3分間乾燥させて保護層を形成したのち、40℃にて24時間加温して実施例13の直接感熱記録材料を得た。
【0063】
<比較例1>
実施例1の感熱記録層塗布液の調製および塗布において、3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネートを添加せずに感熱記録層塗布液を得た以外は実施例1と同様にして比較例1の直接感熱記録材料を得た。
【0064】
<比較例2>
実施例1の感熱記録層塗布液の調製および塗布において、アルコキシシランとして3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネート0.154gをテトラメチルオルソシリケート0.154gに変更して感熱記録層塗布液を得た以外は実施例1と同様にして比較例2の直接感熱記録材料を得た。
【0065】
<比較例3>
実施例1の感熱記録層塗布液の調製および塗布において、アルコキシシランとして3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネート0.154gを、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン0.154gに変更して感熱記録層塗布液を得た以外は実施例1と同様にして比較例3の直接感熱記録材料を得た。
【0066】
<比較例4>
実施例1の感熱記録層塗布液の調製および塗布において、アルコキシシランとして3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネート0.154gを、イミダゾール基を有するアルコキシシランであるイミダゾールシランIS-1000(JX金属(株)製)0.154gに変更して感熱記録層塗布液を得た以外は実施例1と同様にして比較例4の直接感熱記録材料を得た。
【0067】
<比較例5>
実施例1の感熱記録層塗布液の調製および塗布において、3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネートを添加せずに感熱記録層塗布液を得た以外は実施例1と同様にして感熱記録層を形成した。次に、実施例1の保護層塗布液の調製および塗布において、トルエン10gとメタノール7.0gにButvarB-79を1.1g溶解させ、コロネート2715(東ソー(株)製;ポリイソシアネート、90%)を1.0g、SG-95を0.2g添加し、スリーワンモータにて300rpmで1時間攪拌して保護層塗布液を得、上記のようにして得られた感熱記録層上に、該保護層塗布液を乾燥質量が4.5g/mとなるようにワイヤーバーを用いて塗布し、90℃にて3分間乾燥させて保護層を形成したのち、40℃にて24時間加温して比較例5の直接感熱記録材料を得た。
【0068】
<比較例6>
実施例1の感熱記録層塗布液の調製および塗布において、3-トリエトキシシリルプロピルイソシアネートを添加せずに感熱記録層塗布液を得た以外は実施例1と同様にして感熱記録層を形成した。次に、実施例1の保護層塗布液の調製および塗布において、クラレポバール-80((株)クラレ製;ポリビニルアルコール樹脂)の5質量%水溶液28.0gに、テトラメチルオルソシリケートを0.2g、エチルシリケート40(コルコート(株)製;シリケートオリゴマー)を1.0g、SG-95を0.2g添加し、スリーワンモータにて300rpmで1時間攪拌して保護層塗布液を得、上記のようにして得られた感熱記録層上に、該保護層塗布液を乾燥質量が4.5g/mとなるようにワイヤーバーを用いて塗布し、90℃にて3分間乾燥させて保護層を形成したのち、40℃にて24時間加温して比較例6の直接感熱記録材料を得た。
【0069】
このようにして得られた実施例1~13および比較例1~6の直接感熱記録材料を360mm幅に裁断し、サーマルデジタルプリンター(三菱製紙(株)製TDP-459:1200dpi/120lpi、ラインヘッド)により、印字速度1msec/lineにて、画像サイズ350mm(幅)×450mm(長さ)の塗りつぶし画像を印字した。
【0070】
<塗膜接着性評価>
塗りつぶし画像を印字した画像部における感熱記録層と保護層との塗膜接着性を、JIS K5600-5-6:1999に従ってクロスカット法により分類0~5で評価した。結果を表1に示す。なお、本発明においては、分類0~3であるものをサーマルヘッドによって印字された画像部における塗膜の剥離が抑制された直接感熱記録材料であるとし、分類0に近いものほど、より好ましい。
【0071】
<紫外光透過濃度評価>
塗りつぶし画像を印字した画像部における紫外光透過濃度を、X-Rite(登録商標)361T(ビデオジェット・エックスライト(株)製)の紫外光モードで測定した。結果を表1に示す。紫外光透過濃度は、用途によっても異なるが、3.0以上であることが好ましく、より好ましくは3.5以上である。
【0072】
【表1】
【0073】
表1の結果から明らかなように、本発明によって、サーマルヘッドによって印字された画像部における塗膜の剥離が抑制された直接感熱記録材料が得られることが分かる。