(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053485
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】施設ポイント管理装置、施設ポイント管理システム、プログラム、及び施設ポイント管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/06 20120101AFI20240408BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20240408BHJP
【FI】
G06Q20/06
G06Q30/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159800
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000233491
【氏名又は名称】株式会社日立システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田尾 晋
(72)【発明者】
【氏名】北見 淳
【テーマコード(参考)】
5L020
5L030
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA12
5L030BB07
5L049BB07
5L055AA12
(57)【要約】
【課題】施設内で利用する金銭を効率的に管理する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】施設ポイント管理装置であって、特定の施設内で発生する対価の支払いに使用する施設ポイントの残高を含む施設ポイント情報を記憶する記憶部と、前記施設が有する施設側端末装置と通信を行う通信部と、前記施設側端末装置から、前記施設を特定する施設特定情報と、前記施設内でサービスを受ける受益者を特定する受益者特定情報と、前記サービスの内容とを含む清算要求情報を取得する使用情報取得部と、前記清算要求情報を取得すると、前記サービスの金額を特定して前記受益者の前記施設ポイント情報を生成する管理装置側ポイント管理部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の施設内で発生する対価の支払いに使用する施設ポイントの残高を含む施設ポイント情報を記憶する記憶部と、
前記施設が有する施設側端末装置と通信を行う通信部と、
前記施設側端末装置から、前記施設を特定する施設特定情報と、前記施設内でサービスを受ける受益者を特定する受益者特定情報と、前記サービスの内容とを含む清算要求情報を取得する使用情報取得部と、
前記清算要求情報を取得すると、前記サービスの金額を特定して前記受益者の前記施設ポイント情報を生成する管理装置側ポイント管理部と、
を備えることを特徴とする、施設ポイント管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の施設ポイント管理装置であって、
前記通信部は、施設ポイントを発行する機関が有するポイント発行機関端末装置と通信を行い、
前記ポイント発行機関端末装置から、前記受益者に対して発行した前記施設ポイントの金額を取得する発行ポイント情報取得部を備え、
前記管理装置側ポイント管理部は、前記発行ポイント情報取得部の取得した前記金額を用いて前記施設ポイント情報を生成することを特徴とする、施設ポイント管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の施設ポイント管理装置であって、
前記ポイント発行機関端末装置から、前記施設ポイントの発行申請受領通知を受信すると、前記施設側端末装置に対し、前記施設ポイントの発行の承認要求を送信する承認要求部を備え、
前記管理装置側ポイント管理部は、前記施設側端末装置により承認された前記施設ポイントの前記施設ポイント情報を生成することを特徴とする、施設ポイント管理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の施設ポイント管理装置であって、
前記施設ポイント情報には、複数の前記施設について、各々前記施設特定情報と、前記施設内の前記受益者を特定する前記受益者特定情報と、前記残高とが関連付けられており、
前記管理装置側ポイント管理部は、前記清算要求情報に含まれる前記施設特定情報と前記受益者特定情報との組み合わせに関連する前記残高を用いて清算を行い、
前記施設ポイント情報の、あるレコードに含まれる前記施設と異なる施設からの前記清算要求情報を取得した場合に、前記レコードに関する清算を抑制することを特徴とする、施設ポイント管理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の施設ポイント管理装置であって、
施設担当者及び前記受益者の生体情報を取得して認証可否を判定する認証可否判定部を備え、
前記管理装置側ポイント管理部は、認証可と判定された前記施設担当者から送信される前記清算要求情報を取得すると、認証可と判定された前記受益者に係る前記施設ポイントの清算を実行することを特徴とする、施設ポイント管理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の施設ポイント管理装置であって、
前記通信部は、前記受益者の関係者が有する関係者側端末装置と通信を行い、
前記施設ポイントの清算に関する情報を前記関係者側端末装置に送信する使用報告部を備えることを特徴とする、施設ポイント管理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の施設ポイント管理装置であって、
前記記憶部は、前記施設ポイントの換金条件を記憶しており、
前記管理装置側ポイント管理部は、前記関係者側端末装置から換金要求を示す換金要求情報を受信すると、前記換金要求に係る前記施設ポイント情報が前記換金条件を満たすか否かを判定し、満たさないと判定する場合に、前記換金条件に含まれる情報の送信を前記関係者側端末装置に要求することを特徴とする、施設ポイント管理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の施設ポイント管理装置であって、
前記通信部は、前記受益者の関係者が有する関係者側端末装置と通信を行い、
前記管理装置側ポイント管理部は、所定期間内に使用した前記施設ポイントの金額を用いて基準額を特定し、前記残高が前記基準額を下回る場合に、前記施設ポイントの追加購入を促す通知を前記関係者側端末装置に送信することを特徴とする、施設ポイント管理装置。
【請求項9】
施設が有する1又は複数の施設側端末装置と、前記施設側端末装置と通信可能に接続される施設ポイント管理装置と、を有する施設ポイント管理システムであって、
前記施設側端末装置は、
前記施設を特定する施設特定情報と、前記施設内でサービスを受ける受益者を特定する受益者特定情報と、前記サービスの内容とを含む清算要求情報を前記施設ポイント管理装置に送信する清算要求部を備え、
前記施設ポイント管理装置は、
施設内で使用する施設ポイントの残高を含む施設ポイント情報を記憶する記憶部と、
前記施設側端末装置と通信を行う通信部と、
前記清算要求情報を取得すると、前記サービスの金額を特定して前記施設ポイントの清算を行う管理装置側ポイント管理部と、
を備えることを特徴とする、施設ポイント管理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の施設ポイント管理システムであって、
前記施設ポイント管理装置と通信可能に接続される、施設ポイントを発行する機関が有するポイント発行機関端末装置を有し、
前記ポイント発行機関端末装置は、前記受益者の関係者からの要求に基づいて、前記施設ポイントを発行する施設ポイント発行部を備え、
前記施設ポイント管理装置は、前記ポイント発行機関端末装置から、発行した前記施設ポイントの金額を取得する発行ポイント情報取得部を備え、
前記施設ポイント管理装置の前記通信部は、前記ポイント発行機関端末装置と通信を行い、
前記管理装置側ポイント管理部は、前記発行ポイント情報取得部の取得した前記金額を用いて前記施設ポイント情報を生成することを特徴とする、施設ポイント管理システム。
【請求項11】
施設ポイント管理装置の有するコンピューターの処理部に施設ポイント管理方法を実行させるプログラムであって、
前記施設ポイント管理装置は、施設内で使用する施設ポイントの残高を含む施設ポイント情報を記憶する記憶部を備え、
前記施設が有する施設側端末装置と通信を行う通信手順と、
前記施設側端末装置から、前記施設を特定する施設特定情報と、前記施設内でサービスを受ける受益者を特定する受益者特定情報と、前記サービスの内容とを含む清算要求情報を取得する使用情報取得手順と、
前記清算要求情報を取得すると、前記サービスの金額を特定して前記施設ポイントの清算を行う施設ポイント管理手順と、
を実行させることを特徴とする、プログラム。
【請求項12】
施設ポイント管理装置により実行させる施設ポイント管理方法であって、
前記施設ポイント管理装置は、施設内で使用する施設ポイントの残高を含む施設ポイント情報を記憶する記憶部を備え、
前記施設が有する施設側端末装置と通信を行う通信手順と、
前記施設側端末装置から、前記施設を特定する施設特定情報と、前記施設内でサービスを受ける受益者を特定する受益者特定情報と、前記サービスの内容とを含む清算要求情報を取得する使用情報取得手順と、
前記清算要求情報を取得すると、前記サービスの金額を特定して前記施設ポイントの清算を行う施設ポイント管理手順と、
を実行することを特徴とする、施設ポイント管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設ポイント管理装置、施設ポイント管理システム、プログラム、及び施設ポイント管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
施設内で行う売買において、効率的に費用清算を行う種々の技術がある。例えば、一定額の金銭や預金通帳を施設に預け、預けた金銭等から商品の購入費用を清算する運用が行われている。
【0003】
特許文献1には、施設内商品購入システムに関する技術が開示されている。施設内購入システムにおいて、購入者のリストバンドに設けられたバーコードに含まれる識別コードと、商品コードとを施設の端末機が読み取ると、端末機は購入金額をシステムサーバに送信し、商品が購入者に販売される。本システムにおいて、購入者本人又は家族が、金融機関取引口座を指定すると、売掛金回収会社は、入院中又は通院・通所中の諸費用及び購買関連費用を、利用者と取り決めた預金口座から自動的に引き落とす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
施設の利用者が、施設内で使用する金銭を管理する方法として、利用者やその家族が予め金銭を預ける前払い方式を採用する施設がある。例えば、利用者が金銭の管理を行うことが困難である場合、前払い方式を採用することにより、預り金の金額を金銭取引の上限額とすることができる。一方、前払い方式では、施設側での預り金の不正使用を防止するなどの措置も必要となる。
【0006】
なお、特許文献1に開示された技術では、利用者が使用した金銭が預金口座から引き落とされるため、施設内で使用する金銭の管理を行うためには、預金口座を管理する必要がある。預金の残高が、施設内で使用を予定している金銭の総額を超過する場合、予定以上の支払を行うことにより、浪費してしまう可能性がある。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、施設内で利用する金銭を効率的に管理する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下の通りである。
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る施設ポイント管理装置は、特定の施設内で発生する対価の支払いに使用する施設ポイントの残高を含む施設ポイント情報を記憶する記憶部と、前記施設が有する施設側端末装置と通信を行う通信部と、前記施設側端末装置から、前記施設を特定する施設特定情報と、前記施設内でサービスを受ける受益者を特定する受益者特定情報と、前記サービスの内容とを含む清算要求情報を取得する使用情報取得部と、前記清算要求情報を取得すると、前記サービスの金額を特定して前記受益者の前記施設ポイント情報を生成する管理装置側ポイント管理部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
前記施設ポイント管理装置は、前記通信部が、施設ポイントを発行する機関が有するポイント発行機関端末装置と通信を行い、前記ポイント発行機関端末装置から、前記受益者に対して発行した前記施設ポイントの金額を取得する発行ポイント情報取得部を備え、前記管理装置側ポイント管理部は、前記発行ポイント情報取得部の取得した前記金額を用いて前記施設ポイント情報を生成することを特徴としてもよい。
【0011】
前記施設ポイント管理装置は、前記ポイント発行機関端末装置から、前記施設ポイントの発行申請受領通知を受信すると、前記施設側端末装置に対し、前記施設ポイントの発行の承認要求を送信する承認要求部を備え、前記管理装置側ポイント管理部は、前記施設側端末装置により承認された前記施設ポイントの前記施設ポイント情報を生成することを特徴としてもよい。
【0012】
前記施設ポイント情報には、複数の前記施設について、各々前記施設特定情報と、前記施設内の前記受益者を特定する前記受益者特定情報と、前記残高とが関連付けられており、前記管理装置側ポイント管理部は、前記清算要求情報に含まれる前記施設特定情報と前記受益者特定情報との組み合わせに関連する前記残高を用いて清算を行い、前記施設ポイント情報の、あるレコードに含まれる前記施設と異なる施設からの前記清算要求情報を取得した場合に、前記レコードに関する清算を抑制することを特徴としてもよい。
【0013】
前記施設ポイント管理装置は、施設担当者及び前記受益者の生体情報を取得して認証可否を判定する認証可否判定部を備え、前記管理装置側ポイント管理部は、認証可と判定された前記施設担当者から送信される前記清算要求情報を取得すると、認証可と判定された前記受益者に係る前記施設ポイントの清算を実行することを特徴としてもよい。
【0014】
前記施設ポイント管理装置は、前記通信部が、前記受益者の関係者が有する関係者側端末装置と通信を行い、前記施設ポイントの清算に関する情報を前記関係者側端末装置に送信する使用報告部を備えることを特徴としてもよい。
【0015】
前記記憶部は、前記施設ポイントの換金条件を記憶しており、前記管理装置側ポイント管理部は、前記関係者側端末装置から換金要求を示す換金要求情報を受信すると、前記換金要求に係る前記施設ポイント情報が前記換金条件を満たすか否かを判定し、満たさないと判定する場合に、前記換金条件に含まれる情報の送信を前記関係者側端末装置に要求することを特徴としてもよい。
【0016】
前記通信部は、前記受益者の関係者が有する関係者側端末装置と通信を行い、前記管理装置側ポイント管理部は、所定期間内に使用した前記施設ポイントの金額を用いて基準額を特定し、前記残高が前記基準額を下回る場合に、前記施設ポイントの追加購入を促す通知を前記関係者側端末装置に送信することを特徴としてもよい。
【0017】
本発明の他の態様に係る施設ポイント管理システムは、施設が有する1又は複数の施設側端末装置と、前記施設側端末装置と通信可能に接続される施設ポイント管理装置と、を有する施設ポイント管理システムであって、前記施設側端末装置は、前記施設を特定する施設特定情報と、前記施設内でサービスを受ける受益者を特定する受益者特定情報と、前記サービスの内容とを含む清算要求情報を前記施設ポイント管理装置に送信する清算要求部を備え、前記施設ポイント管理装置は、施設内で使用する施設ポイントの残高を含む施設ポイント情報を記憶する記憶部と、前記施設側端末装置と通信を行う通信部と、前記清算要求情報を取得すると、前記サービスの金額を特定して前記施設ポイントの清算を行う管理装置側ポイント管理部と、を備えることを特徴とする。
【0018】
前記施設ポイント管理システムは、前記施設ポイント管理装置と通信可能に接続される、施設ポイントを発行する機関が有するポイント発行機関端末装置を有し、前記ポイント発行機関端末装置は、前記受益者の関係者からの要求に基づいて、前記施設ポイントを発行する施設ポイント発行部を備え、前記施設ポイント管理装置は、前記ポイント発行機関端末装置から、発行した前記施設ポイントの金額を取得する発行ポイント情報取得部を備え、前記施設ポイント管理装置の前記通信部は、前記ポイント発行機関端末装置と通信を行い、前記管理装置側ポイント管理部は、前記発行ポイント情報取得部の取得した前記金額を用いて前記施設ポイント情報を生成することを特徴としてもよい。
【0019】
本発明の他の態様に係るプログラムは、施設ポイント管理装置の有するコンピューターの処理部に施設ポイント管理方法を実行させるプログラムであって、前記施設ポイント管理装置は、施設内で使用する施設ポイントの残高を含む施設ポイント情報を記憶する記憶部を備え、前記施設が有する施設側端末装置と通信を行う通信手順と、前記施設側端末装置から、前記施設を特定する施設特定情報と、前記施設内でサービスを受ける受益者を特定する受益者特定情報と、前記サービスの内容とを含む清算要求情報を取得する使用情報取得手順と、前記清算要求情報を取得すると、前記サービスの金額を特定して前記施設ポイントの清算を行う施設ポイント管理手順と、を実行させることを特徴とする。
【0020】
本発明の他の態様に係る施設ポイント管理方法は、施設ポイント管理装置により実行させる施設ポイント管理方法であって、前記施設ポイント管理装置は、施設内で使用する施設ポイントの残高を含む施設ポイント情報を記憶する記憶部を備え、前記施設が有する施設側端末装置と通信を行う通信手順と、前記施設側端末装置から、前記施設を特定する施設特定情報と、前記施設内でサービスを受ける受益者を特定する受益者特定情報と、前記サービスの内容とを含む清算要求情報を取得する使用情報取得手順と、前記清算要求情報を取得すると、前記サービスの金額を特定して前記施設ポイントの清算を行う施設ポイント管理手順と、を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、施設内で利用する金銭を効率的に管理する技術を提供することができる。
【0022】
上記した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】施設ポイント管理システムの概要の一例を示す図である。
【
図2】施設ポイント管理システムの機能ブロックの一例を示す図である。
【
図3】記憶部内の各情報のデータ構造の一例を示す図(その1)である。
図3(A)は、施設ポイント情報のデータ構造の一例であり、
図3(B)は清算情報のデータ構造の一例であり、
図3(C)は作業単価情報のデータ構造の一例である。
【
図4】記憶部内の各情報のデータ構造の一例を示す図(その2)である。
図4(A)は、介護者情報のデータ構造の一例であり、
図4(B)は、被介護者情報の一例であり、
図4(C)は、関係者情報のデータ構造の一例である。
【
図5】施設ポイント管理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図6】施設ポイント発行処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図7】施設ポイント管理装置における定期発行申請処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】施設ポイント管理装置における追加購入要求処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】施設ポイント使用報告処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図11】施設ポイント換金処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の例を説明する。
図1は、施設ポイント管理システム1の概要の一例を示す図である。施設ポイント管理システム1は、施設ポイント管理装置10と、施設側端末装置20と、ポイント発行機関端末装置30と、家族側端末装置40とを有する。施設ポイント管理装置10と、施設側端末装置20と、ポイント発行機関端末装置30と、家族側端末装置40とは、ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。
【0025】
施設ポイント管理装置10は、サーバーコンピューター、又はPC(Personal Computer)等の情報処理装置であって、例えば施設ポイント管理システム1を用いた施設ポイント管理サービスの事業者が運用している。一例として、当該事業者は、ネットワークNを介してアクセス可能なクラウドサーバーとして施設ポイント管理装置10を位置づけ、施設ポイント管理サービスをクラウドサービスとして展開している。
【0026】
施設ポイント管理装置10は、被介護者Xに対して発行される施設ポイントを管理する。なお、施設ポイント管理システム1において、1つの施設ポイント管理装置10は、1又は複数の施設側端末装置20と接続されており、施設側端末装置20を有する各々の施設Sについて発行された施設ポイントを管理する。
【0027】
施設ポイントとは、特定の施設S内で発生する対価の支払いに使用するために発行されるポイントである。本実施形態において、施設ポイントはポイント発行機関端末装置30により発行され、ポイント発行機関端末装置30及び施設ポイント管理装置10により管理される。本実施形態において、施設ポイントは、関係者の要請により発行され、被介護者X、及び施設担当者である介護者Yの意思表示に基づいて使用される。施設ポイントは、例えば被介護者Xの介護に用いられる消耗品の対価、被介護者Xが施設S内の購買で購入した物品の対価、施設Sが提供する嗜好品の対価、特別メニューの食事の支払、不定期に生じる有料サービスの支払等に使用される。
【0028】
本実施形態における施設ポイントなど、現金に代わって支払いを行う、いわゆる「前払式支払手段」の発行については、発行主体に対し法律上の制約が課せられることがある。本実施形態では、ポイント発行機関端末装置30を有する機関が、前払式支払手段の発行主体の適格性を有している。ポイント発行機関端末装置30が、複数の施設Sごとに、各々の施設Sで使用される施設ポイントを発行すると、施設ポイント管理装置10は、ポイント発行機関端末装置30が発行した施設ポイントを管理する。なお、施設ポイント管理装置10を有する事業者が、前払式支払手段の発行権限を有する場合、施設ポイント管理装置10は、ポイント発行機関端末装置30の機能を兼ね備えていてもよい。
【0029】
施設側端末装置20、ポイント発行機関端末装置30、及び家族側端末装置40は、PC、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、又はタブレット端末等の情報処理装置である。施設側端末装置20は、受益者にサービスを提供する施設Sが有する装置である。以下、施設Sが、被介護者Xが居住し、介護者Yが被介護者Xを介護する介護福祉施設である例を用いて説明する。しかしながら、本実施形態において、施設Sは介護福祉施設に限定されるものではなく、受益者に何らかのサービスを提供する団体であればよい。また、施設Sが介護福祉施設である場合において、被介護者Xに提供されるサービスは、施設Sの内部で実行されるものに限定されない。施設Sは被介護者Xの自宅を訪問して介護サービスを提供する訪問介護施設であってもよい。
【0030】
図1に示すように、施設側端末装置20は、介護者端末装置21と通信可能に接続されていてもよい。介護者端末装置21は、スマートフォンやタブレット等の可搬性のある情報処理装置であって、センサー等を用いて被介護者X及び介護者Yの生体情報を検知し、施設側端末装置20に送信する。なお、施設側端末装置20が介護者端末装置21と接続されていない場合において、施設側端末装置20は、図示しないセンサー等を用いて、被介護者X及び介護者Yの生体情報を検知してもよい。
【0031】
ポイント発行機関端末装置30は、施設ポイントを発行するポイント発行機関が有する端末装置である。以下、ポイント発行機関が、被介護者X又はその関係者が口座を有する金融機関である例を用いて説明する。しかしながら、施設ポイントを発行する機関は金融機関に限定されない。
【0032】
また、本実施形態において、ポイント発行機関端末装置30は、被介護者X又は被介護者Xの関係者の口座を管理する。関係者は、被介護者Xの財産管理を請け負う者であればよく、成年後見制度における成年後見人に限定されるものではない。関係者は、例えば被介護者Xの家族等、被介護者Xと血縁関係を有する者である。なお、ポイント発行機関端末装置30を有する者が金融機関でない場合、ポイント発行機関端末装置30は被介護者X又はその関係者が口座を有する図示しない金融機関端末装置と接続され、施設ポイント発行の対価の引き落としを要求することができる。
【0033】
家族側端末装置40は、関係者が有する端末装置であって、関係者側端末装置として機能する。本実施形態において、関係者は家族(家族A、家族B)であるものとして説明する。例えば、
図1に示すように、一人の被介護者Xに対して複数の関係者が存在する場合、施設ポイント管理システム1では、一人の介護者Yに対して複数の家族側端末装置40a・40bを使用することができる。
【0034】
一例として、被介護者Xはポイント発行機関端末装置30を有する金融機関に口座を有しており、預金通帳を施設Sに預けている。家族A又は家族Bは、家族側端末装置40を操作し、ポイント発行機関端末装置30に対し、金額を指定して施設ポイントの発行を依頼する情報を送信する。ポイント発行機関端末装置30は、施設ポイントを発行し、発行した施設ポイントの金額に関する情報を施設ポイント管理装置10に送信する。施設ポイント管理装置10は、施設ポイントの残高を管理する。
【0035】
施設S内において、施設ポイントを使用する際、被介護者X及び介護者Yは生体情報を介護者端末装置21に入力する。施設側端末装置20が生体情報に基づいて生体認証を行うと、被介護者X又は介護者Yは、利用するサービスを介護者端末装置21に入力する。施設ポイント端末装置は、利用したサービスの対価を、施設ポイントから減額する。
【0036】
なお、施設ポイントは、施設S内でのみ使用が可能であり、他の施設Sや一般的な市場では使用することができない。また、一定の条件を満たす場合を除き、施設ポイントは換金することができない。従って、施設ポイント管理システム1では、被介護者X以外の者が被介護者Xの施設ポイントを不正利用することを防ぐことができる。
【0037】
図2は、施設ポイント管理システム1の機能ブロックの一例を示す図である。施設ポイント管理装置10は、処理部110と、記憶部120と、入力部130と、出力部140と、通信部150と、を備える。処理部110は、施設ポイント管理装置10の全体を統括的に制御する。記憶部120は、処理部110の処理に必要な情報を記憶する。入力部130は、入力装置を用いて施設ポイント管理装置10への情報の入力を受け付ける。出力部140は、施設ポイント管理装置10に記憶された情報を出力装置に出力する。通信部150は、施設側端末装置20、ポイント発行機関端末装置30、又は家族側端末装置40との情報の送信及び受信を仲介する。
【0038】
処理部110は、使用情報取得部111と、管理装置側ポイント管理部112と、発行ポイント情報取得部113と、認証可否判定部114と、使用報告部115と、承認要求部116と、を備える。使用情報取得部111は、施設S内で使用された施設ポイントに関する情報を、施設側端末装置20から取得する。使用情報取得部111は、施設Sを特定する施設特定情報と、施設S内でサービスを受ける被介護者Xを特定する被介護者特定情報と、サービスの内容であるサービス識別情報とを含む清算要求情報を、施設側端末装置20から取得する。
【0039】
管理装置側ポイント管理部112は、施設ポイントの残高を含む施設ポイント情報121を生成する。管理装置側ポイント管理部112は、使用情報取得部111が清算要求情報を取得すると、サービスの金額を特定し、保有中の施設ポイントから減額して残高を算出し、新たな施設ポイント情報121のレコードを生成する。管理装置側ポイント管理部112は、ポイント発行機関端末装置30に対し、生成した施設ポイント情報121に含まれるサービスの金額と、施設特定情報と、被介護者特定情報とを送信する。
【0040】
また、管理装置側ポイント管理部112は、家族側端末装置40から施設ポイントの換金要求を示す換金要求情報を受信する。管理装置側ポイント管理部112は、換金要求に係る施設ポイント情報121が換金条件を満たすか否かを判定する。管理装置側ポイント管理部112は、条件を満たさないと判定する場合、換金条件に含まれる情報の送信を家族側端末装置40に要求する。例えば管理装置側ポイント管理部112は、換金条件として、被介護者Xの死亡診断書を家族側端末装置40に要求する。なお、管理装置側ポイント管理部112は、換金要求に係る施設ポイント情報121が換金条件を満たすと判定する場合、対象の施設ポイント情報121を特定してポイント発行機関端末装置30に通知する。
【0041】
また、管理装置側ポイント管理部112は、施設ポイント情報121が所定の追加購入通知条件を満たす場合に、施設ポイントの追加購入を促す通知を家族側端末装置40に対して送信する。例えば管理装置側ポイント管理部112は、所定期間内に使用した施設ポイントの金額を用いて基準額を特定し、施設ポイントの残高が基準額を下回る場合に、家族側端末装置40に対して通知する。
【0042】
発行ポイント情報取得部113は、発行された施設ポイントに関する情報を取得する。例えば発行ポイント情報取得部113は、ポイント発行機関端末装置30が家族側端末装置40から施設ポイントの発行申請を受け付けたことを示す情報を、ポイント発行機関端末装置30から取得する。また例えば、発行ポイント情報取得部113は、発行された施設ポイントの金額に関する情報を、ポイント発行機関端末装置30から取得する。また、発行ポイント情報取得部113は、家族側端末装置40から定期発行要求情報を取得すると、ポイント発行機関端末装置30に対して定期的にポイントの発行申請を送信する。
【0043】
認証可否判定部114は、被介護者X及び介護者Yの生体情報を取得し、予め登録された生体情報と比較することにより、被介護者X及び介護者Yを認証する。なお、認証可否判定部114は、公知の技術を用いて生体認証を実行する。付言すれば、認証可否判定部114は、生体認証サービス事業者により運用される生体認証端末装置であって、ネットワークNを介して接続される生体認証端末装置に生体情報を送信し、結果を取得することにより、被介護者X及び介護者Yを認証してもよい。
【0044】
使用報告部115は、施設ポイントの使用状況に関する使用報告書を、家族側端末装置40に送信する。使用報告書は、一定期間の収支を含むものであり、使用報告部115は、家族側端末装置40からの要求に応じて使用報告書を送信してもよいし、定期的に送信してもよい。
【0045】
承認要求部116は、ポイント発行機関端末装置30から施設ポイントの発行申請を受け付けたことを示す通知を受信すると、施設側端末装置20に対し、施設ポイントの発行の承認要求を送信し、施設側端末装置20から応答を受信する。また、承認要求部116は、施設側端末装置20から清算要求情報を取得すると、清算要求の対象となる施設ポイントの金額を特定し、施設側端末装置20に対して承認を要求する。
【0046】
記憶部120は、施設ポイント情報121と、清算情報122と、作業単価情報123と、介護者情報124と、被介護者情報125と、関係者情報126とを記憶している。施設ポイント情報121は、施設ポイントの残高を含む情報であって、施設Sを特定する施設特定情報と、被介護者Xを特定する被介護者特定情報との組み合わせに対して、残高が関連付けられている。
【0047】
清算情報122は、施設ポイント管理装置10が施設側端末装置20から受信する清算要求に関する情報である。即ち、清算情報122は、施設Sにおいて被介護者Xが享受したサービスに関する情報が含まれる。作業単価情報123は、施設Sにおける作業単価を示す情報である。作業単価情報123は、被介護者Xに販売される商品の単価を含む。介護者情報124は、介護者Yに関する情報であって、介護者Yの生体情報を含む。被介護者情報125は、被介護者Xに関する情報であって、被介護者Xの生体情報を含む。関係者情報126は、家族側端末装置40を有する家族に関する情報である。
【0048】
施設側端末装置20は、処理部210と、記憶部220と、入力部230と、出力部240と、通信部250と、を備える。処理部210は、施設側端末装置20の全体を統括的に制御する。記憶部220は、処理部210の処理に必要な情報を記憶する。入力部230は、入力装置を用いて施設側端末装置20への情報の入力を受け付ける。出力部240は、施設側端末装置20に記憶された情報を出力装置に出力する。通信部250は、施設ポイント管理装置10、ポイント発行機関端末装置30、又は家族側端末装置40との情報の送信及び受信を仲介する。
【0049】
処理部210は、清算要求部211と、承認受付部212と、認証要求部213と、を備える。清算要求部211は、被介護者Xに提供するサービスに関する清算要求情報を施設ポイント管理装置10に送信する。清算要求情報は、施設特定情報と、被介護者特定情報と、サービスの内容を示すサービス識別情報とを含む。承認受付部212は、承認要求部116から施設ポイントの発行の承認要求を受信すると、介護者Y又は他の施設担当者から承認の入力操作を受け付け、施設ポイント管理装置10に送信する。
【0050】
認証要求部213は、介護者端末装置21から被介護者X及び介護者Yの生体情報を取得し、施設ポイント管理装置10に認証を要求する。認証要求部213は、施設側端末装置20の有する図示しないセンサーを用いて、被介護者X又は介護者Yの生体情報を取得してもよい。
【0051】
ポイント発行機関端末装置30は、処理部310と、記憶部320と、入力部330と、出力部340と、通信部350と、を備える。処理部310は、ポイント発行機関端末装置30の全体を統括的に制御する。記憶部320は、処理部310の処理に必要な情報を記憶する。入力部330は、入力装置を用いてポイント発行機関端末装置30への情報の入力を受け付ける。出力部340は、ポイント発行機関端末装置30に記憶された情報を出力装置に出力する。通信部350は、施設ポイント管理装置10、施設側端末装置20、又は家族側端末装置40との情報の送信及び受信を仲介する。
【0052】
処理部310は、預金管理部311と、施設ポイント発行部312と、発行機関側ポイント管理部313と、を備える。預金管理部311は、被介護者Xの預金を管理する。例えば預金管理部311は、施設ポイントを発行すると、預金の残高から施設ポイントの対価を減算する。
【0053】
施設ポイント発行部312は、被介護者X又は家族からの要求に基づいて、施設ポイントを発行する。施設ポイント発行部312は、例えば家族側端末装置40から、施設特定情報、被介護者特定情報、及び金額を含むポイント発行要求情報を受信すると、施設ポイント管理装置10に対し、施設ポイントの金額と、対象の被介護者特定情報と、対象の施設特定情報と、ポイント発行要求を行った家族を示す関係者特定情報とを含む発行申請受領通知を送信する。施設ポイント発行部312は、施設ポイントの発行にあたり施設側端末装置20の承認を受け付けると、施設ポイントを発行し、施設ポイントの残高に関する発行機関側施設ポイント情報321を生成する。
【0054】
発行機関側ポイント管理部313は、施設ポイント発行部312が発行した施設ポイントを管理する。施設Sにおいて施設ポイントが使用されると、発行機関側ポイント管理部313は、施設ポイント管理装置10が生成した施設ポイント情報121に含まれるサービスの金額と、施設特定情報と、被介護者特定情報とを施設ポイント管理装置10から取得する。発行機関側ポイント管理部313は、取得した情報に基づいて発行機関側施設ポイント情報321を生成する。なお、発行機関側ポイント管理部313は、施設ポイントの残高から、取得したサービスの金額を減算し、新たに生成した発行機関側施設ポイント情報321のレコードに含める。
【0055】
記憶部320は、発行機関側施設ポイント情報321を記憶している。発行機関側施設ポイント情報321は、施設ポイント管理装置10の記憶部120に記憶される施設ポイント情報121と同様に、施設特定情報と、被介護者特定情報との組み合わせに対し、施設ポイントの残高が関連付けられた情報である。
【0056】
家族側端末装置40は、処理部410と、記憶部420と、入力部430と、出力部440と、通信部450と、を備える。処理部410は、家族側端末装置40の全体を統括的に制御する。記憶部420は、処理部410の処理に必要な情報を記憶する。入力部430は、入力装置を用いて家族側端末装置40への情報の入力を受け付ける。出力部440は、家族側端末装置40に記憶された情報を出力装置に出力する。通信部450は、施設ポイント管理装置10、施設側端末装置20、又はポイント発行機関端末装置30との情報の送信及び受信を仲介する。
【0057】
処理部410は、施設ポイント発行要求部411と、照会要求部412と、換金要求部413と、を備える。施設ポイント発行要求部411は、家族の入力操作に応じた金額の施設ポイントの発行を要求する。施設ポイント発行要求部411は、施設Sと、被介護者Xと、希望する施設ポイントの金額とを含むポイント発行要求情報を生成し、ポイント発行機関端末装置30に送信する。
【0058】
照会要求部412は、施設ポイント管理装置10に対し、施設ポイントの使用に関する情報を要求する。照会要求部412は、時期を指定した清算内容に関する照会要求の入力操作を受け付ける。照会要求部412は、時期と被介護者Xとを特定した照会要求情報を生成し、施設ポイント管理装置10に送信し、応答として、指定された期間の利用明細書を受信する。
【0059】
換金要求部413は、発行された施設ポイントの換金を要求するための換金要求情報を生成する。換金要求情報は、換金対象の施設ポイントを有する被介護者Xを特定する被介護者特定情報と、換金要求を行う家族の関係者特定情報と、換金を要求する施設ポイントの金額と、を含む。
【0060】
図3は、記憶部120内の各情報のデータ構造の一例を示す図(その1)である。
図3(A)は、施設ポイント情報121のデータ構造の一例であり、
図3(B)は、清算情報122のデータ構造の一例であり、
図3(C)は、作業単価情報123のデータ構造の一例である。
【0061】
図3(A)に示すように、施設ポイント情報121は、被介護者ID121a、氏名121b、施設ID121c、施設名称121d、日付121e、入金額121f、出金額121g、及び残高121hを含む。被介護者ID121aは、被介護者Xを特定する識別情報、即ち被介護者特定情報である。氏名121bは、被介護者ID121aにより特定される被介護者Xの氏名を示す文字列である。
【0062】
施設ID121cは、施設Sを特定する識別情報、即ち施設特定情報である。施設名称121dは、施設ID121cにより特定される施設Sの名称を示す文字列である。日付121eは、施設ポイントの入金又は出金を行った日付を示す情報である。入金額121fは、施設ポイントの入金、即ち購入を行った金額を示す情報である。出金額121gは、施設ポイントの出金、即ち施設ポイントの使用金額を示す情報である。残高121hは、入金又は出金を行った結果、被介護者Xに残った施設ポイントの金額を示す情報である。
【0063】
施設ポイントの入金、又は出金が行われると、施設ポイント管理装置10の管理装置側ポイント管理部112は、施設ポイント情報121のレコードを生成し、該当する金額を記入する。
【0064】
図3(B)に示すように、清算情報122は、被介護者ID122aと、氏名122bと、施設ID122cと、施設名称122dと、日付122eと、介護者ID122fと、サービス識別情報122gと、数量122hと、金額122iと、を含む。被介護者ID122aは、被介護者Xを特定する識別情報である被介護者特定情報である。氏名122bは、被介護者ID122aにより特定される被介護者Xの氏名を示す文字列である。
【0065】
施設ID122cは、清算要求情報を送信した施設側端末装置20を特定する識別情報である施設特定情報である。施設名称122dは、施設ID122cにより特定される施設Sの名称を示す文字列である。日付122eは、施設ポイント管理装置10が清算要求情報を取得した日付を示す。介護者ID122fは、清算要求情報において、清算要求を行った者として特定される介護者Yを特定する情報である。
【0066】
サービス識別情報122gは、清算を要求するサービスの内容を特定する識別情報である。サービス識別情報122gにより、被介護者Xが利用したサービスが、例えば「Aメニュー」、「チョコレートケーキ」、「七夕イベント参加費」、「おむつ」等のいずれであるかを特定することができる。数量122hは、サービス識別情報122gにより特定されるサービスについて、施設Sが注文を受け付けた数量を示す値である。金額122iは、清算を要求されている施設ポイントの金額を示す情報である。
【0067】
図3(C)に示すように、作業単価情報123は、サービス識別情報123aと、サービス名123bと、単価123cとを含む。サービス識別情報123aは、サービスの内容を特定する識別情報である。サービス名123bは、サービス識別情報123aにより特定されるサービスの名称を示す文字列である。単価123cは、サービス識別情報123aにより特定される、1サービス当たりの金額を示す情報である。
【0068】
図4は、記憶部120内の各情報のデータ構造の一例を示す図(その2)である。
図4(A)は、介護者情報124のデータ構造の一例であり、
図4(B)は、被介護者情報125の一例であり、
図4(C)は、関係者情報126のデータ構造の一例である。
【0069】
図4(A)に示すように、介護者情報124は、介護者ID124aと、氏名124bと、資格124cと、施設ID124dと、施設名称124eと、生体認証ID124fと、を含む。介護者ID124aは、介護者Yを特定する識別情報である。氏名124bは、介護者ID124aにより特定される介護者Yの氏名を示す文字列である。資格124cは、介護者ID124aにより特定される介護者Yの保有する資格を示す情報である。
【0070】
施設ID124dは、介護者ID124aにより特定される介護者Yが所属している施設Sを特定する施設特定情報である。施設名称124eは、施設ID124dにより特定される施設Sの名称を示す文字列である。生体認証ID124fは、介護者ID124aにより特定される介護者Yの生体情報を特定する識別情報である。生体認証ID124fは、介護者Yの生体情報を格納する箇所を示す情報であってもよい。施設ポイント管理装置10の認証可否判定部114は、施設側端末装置20が取得した介護者Yの生体情報と、生体認証ID124fにより特定される介護者Yの生体情報とを用いて、介護者Yの生体認証の可否を判定することができる。
【0071】
図4(B)に示すように、被介護者情報125は、被介護者ID125aと、氏名125bと、性別125cと、生年月日125dと、施設ID125eと、施設名称125fと、入所日125gと、等級125hと、生体認証ID125iと、を含む。被介護者ID125aは、被介護者Xを特定する被介護者特定情報である。氏名125b、性別125c、及び生年月日125dは、各々被介護者ID125aにより特定される被介護者Xの氏名、生年月日、及び性別を示す情報である。
【0072】
施設ID125eは、被介護者Xが入所している施設Sを特定する施設特定情報である。施設名称125fは、施設ID125eにより特定される施設Sの名称を示す文字列である。入所日125gは、被介護者ID125aにより特定される被介護者Xが、施設ID125eにより特定される施設Sに入所した日付を示す情報である。等級125hは、被介護者Xの等級を示す情報である。例えば等級125hは、被介護者Xの要介護度を示す文字列である。
【0073】
生体認証ID125iは、被介護者ID125aにより特定される被介護者Xの生体情報を特定する識別情報である。生体認証ID125iは、被介護者Xの生体情報を格納する箇所を示す情報であってもよい。介護者の生体認証と同様に、施設ポイント管理装置10の認証可否判定部114は、施設側端末装置20が取得した被介護者Xの生体情報と、生体認証ID125iにより特定される被介護者Xの生体情報とを用いて、被介護者Xの生体認証の可否を判定することができる。
【0074】
図4(C)に示すように、関係者情報126は、関係者ID126aと、氏名126bと、関係者区分126cと、被介護者ID126dと、施設ID126eと、権限区分126fと、DL(Download)区分126gとを含む。
【0075】
関係者ID126aは、関係者を特定する識別情報である関係者特定情報である。氏名126bは、関係者ID126aにより特定される関係者の氏名を示す文字列である。関係者区分126cは、関係者ID126aにより特定される関係者と被介護者Xとの関係を示す情報であって、例えば、「父」、「叔母」等の続柄を示す情報である。被介護者ID126dは、関係者126aにより特定される関係者と関係を有する被介護者Xを特定する被介護者特定情報である。施設ID126eは、施設Sを特定する施設特定情報である。
【0076】
権限区分126fは、関係者ID126aにより特定される関係者に許容される権限の度合いを示す情報である。例えば、権限区分126fは、施設ポイントの発行申請可否、照会要求可否、換金要求可否等を含む。DL区分126gは、関係者ID126aにより特定される関係者が、施設ポイント管理装置10が有する各情報をダウンロードする権限を有するか否かを示す情報である。
【0077】
図5は、施設ポイント管理装置10のハードウェア構成例を示す図である。施設ポイント管理装置10は、演算装置11と、メモリ12と、外部記憶装置13と、入力IF(Interface)14と、出力IF15と、通信IF16とを備え、各構成要素はバスにより接続されている。
【0078】
演算装置11はCPU(Central Processing Unit)等の演算装置であり、メモリ12又は外部記憶装置13に記録されたプログラムに従って処理を実行する。施設ポイント管理装置10では、メモリ12又は外部記憶装置13上に読み出されたプログラムに従って動作する演算装置11により処理が行われる。処理部110を構成する各処理部は、演算装置11がプログラムを実行することにより各々の機能を実現する。
【0079】
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)又はフラッシュメモリ等の記憶装置であり、プログラムやデータが一時的に読み出される記憶エリアとして機能する。外部記憶装置13は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、CD-R(Compact Disc- Recordable)、DVD-RAM(Digital Versatile Disk-Random Access Memory)等の書き込み及び読み出し可能な記憶メディア及び記憶メディア駆動装置等である。記憶部120は、メモリ12又は外部記憶装置13によりその機能が実現される。なお、記憶部120は、通信IF16を介して接続される記憶装置によってその機能が実現されてもよい。
【0080】
入力IF14は、操作者からの入力操作を受け付けるためのインターフェイスであり、例えばタッチパネル、キーボード、マウス、マイク等の入力装置が接続される。出力IF15は、施設ポイント管理装置10に内蔵されたLCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ等の表示装置等に対して情報を出力するためのインターフェイスである。
【0081】
通信IF16は、施設ポイント管理装置10をネットワークN及びバスに接続するためのインターフェイスであって、例えばLAN(Local Area Network)カード等の通信デバイスが接続される。通信部150は、通信IF16によりその機能が実現される。なお、施設ポイント管理装置10は、図示しない記憶媒体駆動装置を有し、可搬性のメディアから情報を入出力してもよい。
【0082】
なお、施設ポイント管理装置10の各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、施設ポイント管理装置10の各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
【0083】
施設側端末装置20、介護者端末装置21、ポイント発行機関端末装置30、及び家族側端末装置40のハードウェア構成は、施設ポイント管理装置10と同様であるため、説明を省略する。
【0084】
図6は、施設ポイント発行処理の一例を示すシーケンス図である。本実施形態では、本処理開始前に、家族が被介護者Xの名義の通帳を施設Sに預け、管理を依頼する。本シーケンス図の処理は、例えば介護者Y又は他の施設担当者が金融機関に出向き、預かっている通帳の口座に対し、被介護者Xの現金を入金すると開始される。なお、本図に示す例において、ポイント発行機関端末装置30は、被介護者Xの有する預金を資金として施設ポイントを発行するが、施設ポイントの資金は被介護者Xの名義の預金に限定されない。例えば、家族の有する預金を資金として施設ポイントが発行されてもよい。
【0085】
まず、ポイント発行機関端末装置30の預金管理部311は、預金残高を更新する(ステップS1)。具体的には、預金管理部311は、指定された被介護者Xの口座に、指定された金額を預金する。その結果、被介護者Xの口座に、指定された金額の金銭が預け入れられる。
【0086】
次に、家族側端末装置40の施設ポイント発行要求部411は、購入する施設ポイントについて、金額、施設S、及び被介護者Xの指定を受け付ける(ステップS2)。具体的には、施設ポイント発行要求部411は、発行を要求する施設ポイントの金額と、対象の施設Sと、対象の被介護者Xと、の入力を受け付ける。
【0087】
次に、家族側端末装置40の施設ポイント発行要求部411は、施設ポイントの発行申請を示す情報をポイント発行機関端末装置30に送信する(ステップS3)。具体的には、施設ポイント発行要求部411は、ステップS2で指定された施設ポイントの金額と、対象の施設特定情報と、対象の被介護者特定情報と、を含むポイント発行要求情報を生成し、ポイント発行機関端末装置30に送信する。なお、施設ポイントの資金が被介護者X以外の口座の預金である場合、ポイント発行要求情報は、施設ポイントの資金となる口座を示す情報が含まれていてもよい。
【0088】
付言すれば、家族側端末装置40の施設ポイント発行要求部411は、ポイント発行要求情報を、施設ポイント管理装置10に送信してもよい。施設ポイント管理装置10がポイント発行要求情報を受信すると、発行ポイント情報取得部113は、ポイント発行機関側端末装置30に対し、家族側端末装置40に代わって施設ポイントの発行を要求する。
【0089】
次に、ポイント発行機関端末装置30の施設ポイント発行部312は、預金残高を参照し、施設ポイントの購入可否を判定する(ステップS4)。具体的には、施設ポイント発行部312は、ステップS3で受信したポイント発行要求情報に含まれる、対象の被介護者特定情報を用いて、被介護者Xの口座を特定する。施設ポイント発行部312は、特定した口座について、ステップS1で更新した預金残高が、ポイント発行要求情報に含まれる施設ポイントの金額以上である場合に、施設ポイントの購入が可能であると判定する。なお、ポイント発行要求に含まれる施設ポイントの金額が、預金残高を上回る場合、本シーケンス図の処理は終了する。
【0090】
次に、ポイント発行機関端末装置30の施設ポイント発行部312は、発行申請の受領を通知する(ステップS5)。具体的には、施設ポイント発行部312は、ステップS3で受信したポイント発行要求情報に含まれる情報と、ポイント発行要求情報を送信した家族を特定する関係者特定情報と、を含む発行申請受領通知を生成し、施設ポイント管理装置10に送信する。
【0091】
次に、施設ポイント管理装置10の承認要求部116は、施設ポイントの発行申請可否を判定する(ステップS6)。具体的には、承認要求部116は、発行申請受領通知に含まれる関係者特定情報と、対象の施設特定情報とを用いて、関係者情報126を参照する。承認要求部116は、家族特定情報を関係者ID126aに含み、対象の施設特定情報を施設ID126eに含む関係者情報126のレコードを特定し、当該レコードの権限区分126fが、施設ポイントの発行申請が可能である権限であるか否かを判定する。なお、承認要求部116が、家族が施設ポイントの発行申請権限を有さないと判定する場合、承認要求部116は本シーケンス図の処理を終了する。
【0092】
次に、施設ポイント管理装置10の承認要求部116は、施設ポイント発行の承認要求を示す情報を施設側端末装置20に送信する(ステップS7)。具体的には、承認要求部116は、ステップS4で受信した発行申請受領通知に含まれる施設特定情報を用いて、承認要求の送付先の施設Sを特定する。承認要求部116は、発行申請受領通知に含まれる、施設ポイントの金額と、対象の被介護者特定情報とを含む承認要求を、承認要求の送付先に送信する。
【0093】
次に、施設側端末装置20の承認受付部212は、承認を示す入力操作を受け付け、施設ポイント管理装置10に送信する(ステップS8)。具体的には、承認受付部212は、介護者Y又は他の施設担当者による承認の入力操作を受け付ける。承認受付部212は、承認の入力操作を受け付けたことを示す情報を、施設ポイント管理装置10に送信する。
【0094】
次に、施設ポイント管理装置10の承認要求部116は、ポイント発行機関端末装置30に対し、承認を受け付けたことを示す情報を送信する(ステップS9)。
【0095】
次に、ポイント発行機関端末装置30の預金管理部311は、指定された金額を預金から引き落として、預金残高を更新する(ステップS10)。具体的には、預金管理部311は、ステップ4で受信したポイント発行要求情報に含まれる金額の施設ポイントの対価を特定し、被介護者Xの預金から引き落とす。預金管理部311は、被介護者Xの預金残高を示す情報を更新する。
【0096】
次に、ポイント発行機関端末装置30の施設ポイント発行部312は、発行機関側施設ポイント情報321を生成する(ステップS11)。具体的には、施設ポイント発行部312は、ステップS3で受信したポイント発行要求情報に含まれる被介護者特定情報と、施設特定情報との組み合わせに対し、発行した施設ポイントの金額を関連付けた発行機関側施設ポイント情報321を生成し、記憶部320に記憶させる。その後、施設ポイント発行部312は、発行した施設ポイントの金額と、被介護者特定情報と、施設特定情報とを、施設ポイント管理装置10に送信する。
【0097】
次に、施設ポイント管理装置10の管理装置側ポイント管理部112は、施設ポイント情報121を生成する(ステップS12)。具体的には、施設ポイント管理装置10の発行ポイント情報取得部113が、ポイント発行機関端末装置30から送信された、発行済みの施設ポイントに関する情報を取得すると、管理装置側ポイント管理部112は、施設ポイント情報121の新たなレコードを生成する。管理装置側ポイント管理部112は、ステップS11において施設ポイント発行部312から送信された被介護者特定情報を被介護者ID121aとし、対象の施設特定情報を施設ID121cとし、発行済みの施設ポイントの金額を入金額121fとして、新たなレコードに記録する。
【0098】
なお、管理装置側ポイント管理部112は、生成したレコードに含まれる被介護者ID121aと施設ID121cとの組み合わせを含むレコードがすでに施設ポイント情報121に存在する場合、被介護者Xはすでに施設ポイントを保有しているものとして、当該レコードの残高121hと入金額121fとを加算して、新たに生成したレコードの残高121hとする。その後、本シーケンス図の処理が終了する。
【0099】
付言すれば、本実施形態において、ポイント発行機関端末装置30における施設ポイントの発行の際、施設側端末装置20の承認が必要となる。即ち、施設ポイント管理装置10の管理装置側ポイント管理部112は、施設側端末装置20により承認された施設ポイントの施設ポイント情報121を生成する。これにより、施設側端末装置20は、施設ポイントの発行を管理することができる。なお、施設ポイント発行時の施設側端末装置20の承認は、必須ではない。施設側端末装置20は、ポイント発行機関端末装置30又は施設ポイント管理装置10から、発行された施設ポイントの金額を事後的に取得するものであってもよい。
【0100】
図7は、施設ポイント管理装置10における定期発行申請処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示す施設ポイント発行処理では、家族側端末装置40からの施設ポイントの発行申請の都度、施設ポイントを発行する。
図7に示す定期発行申請処理では、施設ポイント管理装置10の管理に基づいて、定期的に施設ポイントが発行される。
【0101】
まず、発行ポイント情報取得部113は、家族側端末装置40から、定期的に購入する施設ポイントの金額を指定した定期発行要求情報を受信する(ステップS21)。具体的には、発行ポイント情報取得部113は、所定期間(例えば1か月)に購入する施設ポイントの金額と、施設特定情報と、被介護者特定情報とを含む定期発行要求情報を家族側端末装置40から受信する。
【0102】
次に、発行ポイント情報取得部113は、購入時期が到来したか否かを判定する(ステップS22)。例えば、発行ポイント情報取得部113は、予め定められた定期的な時期(例えば毎月1日)が到来したか否かを判定する。発行ポイント情報取得部113が、購入時期が到来していないと判定する場合(ステップS22で「NO」の場合)、発行ポイント情報取得部113は、購入時期が到来するまでステップS22の処理を繰り返す。
【0103】
次に、ステップS23で行われる処理は、
図6のステップS6で行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
【0104】
発行ポイント情報取得部113が、購入時期が到来したと判定する場合(ステップS22で「YES」の場合)、発行ポイント情報取得部113は、ポイント発行機関端末装置30に、施設ポイントの発行申請を示す情報を送信する(ステップS24)。具体的には、発行ポイント情報取得部113は、ステップS21で取得した定期発行要求情報に含まれる施設特定情報と、被介護者特定情報と、施設ポイントの金額と、定期発行要求情報を送信した家族側端末装置40を操作する関係者を示す関係者特定情報とを含む施設ポイントの発行申請を、ポイント発行機関端末装置30に送信する。
【0105】
次に、発行ポイント情報取得部113は、発行申請受領通知を受信する(ステップS25)。本ステップにおいて発行ポイント情報取得部113が取得する発行申請受領通知は、
図6のステップS5においてポイント発行機関端末装置30が施設ポイント管理装置10に送信するものである。
【0106】
ステップS26の処理は、
図6のステップS7の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0107】
次に、承認要求部116は、承認を示す情報を受信する(ステップS27)。本ステップにおいて承認要求部116が受信する、承認の入力操作を受け付けたことを示す情報は、
図6のステップS8において施設側端末装置20から送信される情報である。
【0108】
次に、ステップS28、及びステップS29で行われる処理は、
図6のステップS9及びステップS12で行われる処理と同様であるため、説明を省略する。
【0109】
以上の定期発行申請処理によれば、家族のその都度の申請に依らずとも、定期的に施設ポイントが発行されるため、施設ポイント発行の申請のし忘れを防ぐことができ、利便性が向上する。なお、ステップS23において、定期的な発行申請の際に、家族について発行申請可否を判定するため、家族の状況に変化があった場合にも、施設ポイントを発行するか否かを適切に判定することができる。なお、定期的な発行申請の都度、発行申請可否を判定することが煩雑であれば、ステップS23の処理は省略してもよい。
【0110】
図8は、清算処理の一例を示すシーケンス図である。介護者Yが介護者端末装置21を起動し、介護者Y自身の生体情報を読み込ませると、本シーケンス図の処理が開始される。
【0111】
まず、施設側端末装置20の認証要求部213は、介護者Yの生体情報を取得して認証を要求する(ステップS31)。具体的には、認証要求部213は、介護者端末装置21の取得した介護者Yの生体情報を施設ポイント管理装置10に送信し、介護者Yの認証を要求する。
【0112】
次に、施設ポイント管理装置10の認証可否判定部114は、生体情報を用いて認証を実行し、認証結果を施設側端末装置20に通知する(ステップS32)。具体的には、認証可否判定部114は、ステップS31で取得した介護者Yの生体情報と、予め登録された生体情報とを比較することにより、介護者Yが予め登録された者であるか否かを判定し、判定結果を施設側端末装置20に送信する。判定結果には、認証された介護者Yを特定する介護者特定情報が含まれる。なお、認証可否判定部114は、前述したように、他の生体認証端末装置に介護者Yの生体認証を依頼し、得た認証結果を施設側端末装置20に送信してもよい。
【0113】
次に、施設側端末装置20の認証要求部213は、被介護者Xの生体情報を取得して認証を要求する(ステップS33)。具体的には、認証要求部213は、ステップ32において施設ポイント管理装置10から送信された認証結果が、認証成功であることを示す情報である場合、被介護者Xの生体情報を読み取るための管理画面を介護者端末装置21に表示させる。認証要求部213は、管理画面の操作により介護者端末装置21に入力された被介護者Xの生体情報を取得し、施設ポイント管理装置10に送信する。なお、ステップS32において施設ポイント管理装置10から送信された認証結果が、認証失敗であることを示す情報である場合、認証要求部213は被介護者Xの生体情報の取得を抑制する。
【0114】
次に、施設ポイント管理装置10の認証可否判定部114は、生体情報を用いて認証を実行し、認証結果を施設側端末装置20に送信する(ステップS34)。具体的には、認証可否判定部114は、ステップS33で取得した被介護者Xの生体情報と、予め登録された生体情報とを比較することにより、被介護者Xが予め登録された者であるか否かを判定し、判定結果を施設側端末装置20に送信する。判定結果には、認証された被介護者Xを特定する被介護者特定情報が含まれる。認証可否判定部114は、介護者Yの生体認証と同様に、他の生体認証端末装置に被介護者Xの生体認証を依頼し、得た認証結果を施設側端末装置20に送信してもよい。
【0115】
次に、施設側端末装置20の清算要求部211は、商品又はサービスの選択を受け付けて、清算要求情報を施設ポイント管理装置10に送信する(ステップS35)。具体的には、清算要求部211は、ステップ34において施設ポイント管理装置10から送信された認証結果が、認証成功であることを示す情報である場合、商品又はサービスの選択を受け付けるための管理画面を介護者端末装置21に表示させる。清算要求部211は、管理画面の操作により介護者端末装置21に入力された商品又はサービスのサービス識別情報と、商品の数量とを取得する。
【0116】
清算要求部211は、ステップS31及びステップS33において認証を要求した施設側端末装置20を有する施設Sを特定する施設特定情報と、ステップS34において取得した被介護者特定情報と、ステップS35で取得したサービス識別情報とを含む清算要求情報を生成する。清算要求部211は、生成した清算要求情報を施設ポイント管理装置10に送信する。なお、清算要求情報には、ステップS32において取得した介護者特定情報が含まれていてもよい。付言すれば、ステップS34において施設ポイント管理装置10から送信された認証結果が、認証失敗であることを示す情報である場合、認証要求部213はサービス識別情報の取得を抑制する。
【0117】
次に、施設ポイント管理装置10の使用情報取得部111は、使用する施設ポイントの金額を特定する(ステップS36)。具体的には、使用情報取得部111は、ステップS35において取得したサービス識別情報を用いて作業単価情報123を参照し、対応する単価123cを特定する。使用情報取得部111は、単価123cに対し、ステップS35において取得した数量を乗算することにより、使用する施設ポイントの金額を特定する。
【0118】
次に、承認要求部116は、特定した金額と被介護者Xとを通知し、承認を要求する(ステップS37)。具体的には、承認要求部116は、ステップS36で特定した施設ポイントの金額と、ステップS35で取得した被介護者特定情報とを含む承認要求を、施設側端末装置20に送信する。承認要求には、ステップS32で取得した介護者特定情報が含まれていてもよい。
【0119】
次に、施設側端末装置20の承認受付部212は、承認の入力操作を受け付けると、承認を示す情報を施設ポイント管理装置10に送信する(ステップS38)。具体的には、承認受付部212は、ステップS37で施設ポイント管理装置10から送信された承認要求に含まれる情報を表示し、介護者Y又は他の施設担当者から承認の入力操作を受け付ける。承認受付部212は、承認されたことを示す情報を、施設ポイント管理装置10に送信する。
【0120】
なお、承認要求に介護者特定情報が含まれる場合、承認受付部212は、承認要求に含まれる介護者特定情報を用いて、対象の介護者端末装置21を特定する。承認受付部212は、特定した介護者端末装置21に、承認要求に含まれる被介護者Xと、商品の金額とを表示させ、承認の入力操作を受け付けることができる。
【0121】
次に、施設ポイント管理装置10の使用情報取得部111は、清算内容をポイント発行機関端末装置30に通知する(ステップS39)。具体的には、使用情報取得部111は、ステップS38において承認された承認要求に含まれる施設ポイントの金額と、被介護者特定情報と、施設側端末装置20を有する施設Sの施設特定情報とをポイント発行機関端末装置30に送信する。
【0122】
次に、ポイント発行機関端末装置30の発行機関側ポイント管理部313は、発行機関側施設ポイント情報321を生成する(ステップS40)。具体的には、発行機関側ポイント管理部313は、発行機関側施設ポイント情報321を参照し、ステップS39で受信した通知に含まれる施設特定情報と、被介護者特定情報との組み合わせ対応する残高を特定する。発行機関側ポイント管理部313は、ステップS39で受信した通知に含まれる施設ポイントの金額を、特定した残高から減算し、清算後の施設ポイントの残高を得る。発行機関側ポイント管理部313は、施設特定情報と、被介護者特定情報と、当該残高とを関連付けた発行機関側施設ポイント情報321のレコードを生成する。
【0123】
次に、施設ポイント管理装置10の管理装置側ポイント管理部112は、施設ポイント情報121を生成する(ステップS41)。具体的には、管理装置側ポイント管理部112は、施設ポイント情報121を参照し、ステップS39においてポイント発行機関端末装置30に送信した通知に含まれる施設特定情報と、被介護者特定情報との組み合わせに対応する残高121hを特定する。管理装置側ポイント管理部112は、ステップS39で送信した通知に含まれる施設ポイントの金額を、特定した残高121hから減算し、清算後の施設ポイントの残高を得る。管理装置側ポイント管理部112は、特定した被介護者特定情報を被介護者ID121aとし、特定した施設特定情報を施設ID121cとし、施設ポイントの金額を出金額121gとし、清算後の施設ポイントの残高を残高121hとした施設ポイント情報121のレコードを生成する。その後、本シーケンス図の処理が終了する。
【0124】
なお、本実施形態では、施設ポイント管理装置10及びポイント発行機関端末装置30の各々で、施設ポイント情報を管理している。しかしながら、施設ポイントの管理は、施設ポイント管理装置10のみが行うものであってもよい。
【0125】
付言すれば、本実施形態では、施設ポイント管理装置10は、施設ポイント情報121を参照し、ステップS35において施設側端末装置20から送信される清算要求情報に含まれる施設特定情報と、被介護者特定情報との組み合わせに関連する残高を用いて清算を行う。被介護者Xが2つの施設Sに所属しており、施設S1の施設ポイントを有している場合において、他の施設S2からの清算要求情報を施設ポイント管理装置10が受信した場合、施設ポイント管理装置10は施設S1の施設ポイントを使用した清算を抑制する。即ち、一方の施設S1において利用したサービスの対価を、他方の施設S2の施設ポイントで支払うことが抑制される。
【0126】
本実施形態により、施設Sごとに施設ポイントが発行され、他の施設Sでの施設ポイントの使用が制限されるため、施設ポイントの流出を防ぐことができる。特に、被介護者Xの金銭管理の能力が欠ける場合であっても、第三者の施設ポイントの不正使用を予防することができる。
【0127】
また、本実施形態では、認証可と判定された施設担当者から送信される清算要求情報を施設ポイント管理装置10が受信すると、認証可と判定された被介護者Xの施設ポイントの清算が実行される。従って、他者の施設ポイントの使用を防ぎ、より適切に施設ポイントを管理することができる。
【0128】
図9は、施設ポイント管理装置10における追加購入要求処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、施設ポイント管理装置10において、例えば定期的に実行される。
【0129】
まず、管理装置側ポイント管理部112は、対象の被介護者Xを特定する(ステップS51)。具体的には、管理装置側ポイント管理部112は、被介護者情報125に含まれる被介護者ID125aの中から、処理対象の被介護者特定情報を特定する。
【0130】
次に、管理装置側ポイント管理部112は、ひと月あたりの平均使用額を算出する(ステップS52)。具体的には、管理装置側ポイント管理部112は、ステップS51で特定した被介護者特定情報を用いて清算情報122を参照し、ひと月あたりの施設ポイントの金額122iを使用して平均使用額を算出する。
【0131】
次に、管理装置側ポイント管理部112は、残高が平均使用額以下であるか否かを判定する(ステップS53)。具体的には、管理装置側ポイント管理部112は、ステップS51で特定した被介護者特定情報を用いて施設ポイント情報121を参照し、残高121hを特定する。管理装置側ポイント管理部112は、特定した残高が、ステップS52で算出した平均使用額以下であるか否かを判定する。
【0132】
管理装置側ポイント管理部112が、残高が平均使用額以下でないと判定する場合(ステップS53で「NO」の場合)、処理部110は本フローチャートの処理を終了する。
【0133】
管理装置側ポイント管理部112が、残高が平均使用額以下であると判定する場合(ステップS53で「YES」の場合)、管理装置側ポイント管理部112は、家族側端末装置40に追加の施設ポイントの購入を促す通知を送信する(ステップS54)。具体的には、管理装置側ポイント管理部112は、関係者情報126を参照し、ステップS51で特定した被介護者特定情報を被介護者ID126dに含むレコードを特定する。管理装置側ポイント管理部112は、特定したレコードに含まれる関係者ID126aを特定し、当該関係者の有する家族側端末装置40に対し、施設ポイントの追加購入を促す通知を送信する。その後、処理部110は本フローチャートの処理を終了する。
【0134】
以上、本実施形態では、ひと月あたりの平均使用額を基準額とし、施設ポイントの残高が基準額を下回る場合に、施設ポイントの追加購入を促す通知を家族側端末装置40に送信した。なお、基準額はひと月あたりの平均使用額に限定されるものではない。例えば、どの被介護者Xに対しても共通する固定額を基準額としてもよいし、特別な季節イベントがある月は基準額を増加するなど、補正値の入力操作を受け付けて基準額を決定してもよい。
【0135】
本実施形態では、被介護者Xの施設ポイントの使用状況に応じた基準値を設け、適切なタイミングで追加購入を促す通知を家族側端末装置40に送信することができる。これにより、使用時に施設ポイントが不足する事態を予防することができる。
【0136】
図10は、施設ポイント使用報告処理の一例を示すシーケンス図である。施設ポイント管理装置10は、例えば定期的又は家族側端末装置40からの問い合わせに応じて、施設ポイントの使用状況や介護サービスの内容に関する報告書を送信する。
【0137】
まず、施設側端末装置20の清算要求部211は、施設ポイント管理装置10に対し、施設ポイントの使用報告書の送信を要求する(ステップS61)。清算要求部211が送信する情報には、施設ポイント使用報告書の対象となる被介護者特定情報が含まれている。清算要求部211は、施設側端末装置20に対する入力操作に応じて、施設ポイントの使用報告書の送信を施設ポイント管理装置10に要求してもよいし、設定に基づいて定期的に要求してもよい。付言すれば、ステップS62以降の処理は、清算要求部211による要求を契機とせずに施設ポイント管理装置10において定期的に実行されてもよい。
【0138】
次に、施設ポイント管理装置10の使用報告部115は、所定期間の使用額に関する使用報告書を生成する(ステップS62)。具体的には、使用報告部115は、ステップS61で受信した要求に含まれる被介護者特定情報を被介護者ID122aに含み、日付122eが現時点から所定期間遡った期間内に存在する清算情報122のレコードを抽出する。使用報告部115は、抽出したレコードを用いて使用報告書を生成する。生成した使用報告書には、所定期間の金額122iのほか、サービス識別情報122gにより特定されるサービス内容が含まれている。
【0139】
次に、使用報告部115は、ステップS62で作成した使用報告書を家族側端末装置40に送信する(ステップS63)。
【0140】
次に、家族側端末装置40の照会要求部412は、使用報告書に関する照会要求の入力操作を受け付ける(ステップS64)。具体的には、照会要求部412は、ステップS63により受信した使用報告書のレコードのうち、照会を要求したいレコードを指定する入力操作を受け付ける。なお、照会要求部412は、照会内容を選択するための選択肢を表示することができる。選択肢には、例えば費用の細目、サービス内容、サービス提供位置が含まれる。照会要求部412は、照会内容を選択する入力操作を受け付ける
【0141】
次に、家族側端末装置40の照会要求部412は、照会要求を示す情報を施設ポイント管理装置10に送信する(ステップS65)。照会要求部412は、ステップS64において指定された使用報告書のレコードと、照会内容とを特定した、照会要求を示す情報を送信する。
【0142】
次に、施設ポイント管理装置10の使用報告部115は、照会要求の応答を表示する(ステップS66)。具体的には、使用報告部115は、ステップS65で指定された使用報告書のレコードと、照会内容に応じた情報とを含む応答を生成し、ディスプレイに表示する。なお、使用報告部115は、照会内容として、例えば費用の細目が選択された場合、対象の使用報告書のレコードに含まれるサービス識別情報を用いて作業単価情報123を参照し、サービス識別情報123aに対応するサービス名123bと単価123cとを含む応答を生成する。
【0143】
また、照会内容として、例えばサービス内容が選択された場合、使用報告部115は、対象の使用報告書のレコードに含まれるサービス識別情報を用いて、記憶部120の図示しない領域に含まれるサービス内容関連情報を参照し、サービス識別情報により特定されるサービスの説明に関する情報を取得する。使用報告部115は、取得したサービスの説明に関する情報を含む応答を生成する。
【0144】
また、照会内容として、例えばサービス提供位置が選択された場合、使用報告部115は、対象の使用報告書のレコードに含まれる介護者識別情報と、日付とを特定する。使用報告部115は、記憶部120の図示しない領域に記憶された作業記録情報を参照する。作業記録情報には、介護者特定情報と、介護者端末装置21が介護者Yの生体情報を読み取った時の日付及び位置情報が含まれている。使用報告部115は、特定した介護者識別情報と日付との組み合わせと関連する位置情報を特定し、該位置情報を含む応答を生成する。なお、使用報告部115が応答として家族側端末装置40に送信する照会内容は、費用の細目、サービス内容、及びサービス提供位置に限定されない。
【0145】
次に、使用報告部115は、応答を家族側端末装置40に送信する(ステップS67)。使用報告部115は、ステップS66で生成した応答を家族側端末装置40に送信する。なお、使用報告部115は、施設ポイント管理装置10を操作する施設ポイント管理サービスの事業者からの、応答への入力操作を受け付けてもよい。その後、本シーケンス図の処理が終了する。
【0146】
以上、本実施形態によれば、施設ポイントの使用状況について、任意のタイミングで家族側端末装置40に報告書を送信することができ、費用清算の公正性が担保される。これにより、預り金を施設Sが不正使用する等の事態を抑止することができる。
【0147】
図11は、施設ポイント換金処理の一例を示すシーケンス図である。本実施形態では、予め設定された換金条件を満たす場合に、発行した施設ポイントを換金することができる。
【0148】
まず、家族側端末装置40の換金要求部413は、施設ポイントの換金要求情報を施設ポイント管理装置10に送信する(ステップS71)。換金要求情報には、対象の被介護者識別情報と、換金要求を行う家族を特定する関係者特定情報と、換金を要求する施設ポイントの金額と、が含まれている。
【0149】
次に、施設ポイント管理装置10の管理装置側ポイント管理部112は、換金要求が所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS72)。具体的には、管理装置側ポイント管理部112は、記憶部120の図示しない領域に記憶された換金条件を参照し、ステップS71で受信した換金要求が換金条件を満たすか否かを判定する。換金条件とは、例えば被介護者Xの死亡診断書や、権限のある家族の身分証明書や、委任状等の提出である。なお、管理装置側ポイント管理部112が、換金条件を満たすと判定する場合、ステップS73及びステップS74の処理を省略する。
【0150】
次に、管理装置側ポイント管理部112は、換金条件を満たさない場合に、換金条件に含まれる情報を要求する(ステップS73)。具体的には、管理装置側ポイント管理部112は、換金条件を満たすために必要な情報であって、まだ提出されていない情報がある場合に、家族側端末装置40に対して情報の送信を要求する。なお、換金条件に、権限のある家族からの換金要求であることが含まれる場合、管理装置側ポイント管理部112は、関係者情報126を参照し、換金要求に含まれる関係者特定情報を関係者ID126aに含むレコードを特定する。管理装置側ポイント管理部112は、特定したレコードの権限区分126fを参照することにより、換金要求を行った家族が換金権限を有するか否かを判定することができる。
【0151】
次に、家族側端末装置40の換金要求部413は、要求された情報を送信する(ステップS74)。換金要求部413は、ステップS73で要求された情報の入力操作を受け付け、施設ポイント管理装置10に送信する。
【0152】
次に、施設ポイント管理装置10の管理装置側ポイント管理部112は、施設ポイントの換金要求を示す情報をポイント発行機関端末装置30に送信する(ステップS75)。具体的には、管理装置側ポイント管理部112は、家族側端末装置40から受信した換金要求情報と、ステップS74で家族側端末装置40から送信された情報とを、ポイント発行機関端末装置30に送信する。
【0153】
次に、ポイント発行機関端末装置30の発行機関側ポイント管理部313は、施設ポイントを換金し、所定の口座に預金する(ステップS76)。具体的には、発行機関側ポイント管理部313は、ステップS75で施設ポイント管理装置10から送信された換金要求情報に含まれる被介護者特定情報を参照し、被介護者Xの口座を特定する。また、発行機関側ポイント管理部313は、換金要求情報に含まれる施設ポイントの金額を特定する。その後、預金管理部311が、施設ポイントに相当する金額を被介護者Xの口座に預金する。
【0154】
なお、発行機関側ポイント管理部313は、被介護者Xの口座への預金に代えて、家族の有する口座に預金してもよい。その場合、発行機関側ポイント管理部313は、換金要求情報に含まれる関係者特定情報を用いて、換金対象の施設ポイントに相当する金額を関係者の口座に預金する。
【0155】
次に、発行機関側ポイント管理部313は、換金終了を施設ポイント管理装置10に通知する(ステップS77)。
【0156】
次に、施設ポイント管理装置10の管理装置側ポイント管理部112は、換金終了を家族側端末装置40に送信する。(ステップS78)
【0157】
次に、施設ポイント管理装置10の管理装置側ポイント管理部112は、施設ポイント情報121を更新する(ステップS79)。具体的には、管理装置側ポイント管理部112は、施設ポイント情報121を参照し、ステップS78で通知した換金終了の対象である換金要求情報に含まれる被介護者特定情報を被介護者ID121aに含むレコードを特定する。管理装置側ポイント管理部112は、特定したレコードの残高121hから、換金要求情報に含まれる、換金対象の施設ポイントの金額を減額して新たなレコードを作成し、施設ポイント情報121を更新する。その後、本シーケンス図の処理が終了する。
【0158】
以上、本実施形態によれば、施設S内で利用する施設ポイントを効率的に管理する施設ポイント管理システム1において、施設ポイントを適正に換金することができ、被介護者Xや家族の利便性が向上する。
【0159】
以上、本発明に係る各実施形態の説明を行ってきたが、本発明は、上記した実施形態の一例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態の一例は、本発明を分かり易くするために詳細に説明したものであり、本発明は、ここで説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の一例の構成の一部を他の一例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の一例の構成に他の一例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の一例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることもできる。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、図中の制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、全てを示しているとは限らない。ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0160】
また、上記の施設ポイント管理装置10、施設側端末装置20、ポイント発行機関端末装置30、及び家族側端末装置40の機能構成は、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。上述に示す通り、施設ポイント管理装置10、施設側端末装置20、ポイント発行機関端末装置30、及び家族側端末装置40の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【符号の説明】
【0161】
1:施設ポイント管理システム、10:施設ポイント管理装置、11:演算装置、12:メモリ、13:外部記憶装置、14:入力IF、15:出力IF、16:通信IF、20:施設側端末装置、21:介護者端末装置、30:ポイント発行機関端末装置、40・40a・40b:家族側端末装置、110・210・310・410:処理部、111:使用情報取得部、112:管理装置側ポイント管理部、113:発行ポイント情報取得部、114:認証可否判定部、115:使用報告部、116:承認要求部、120・220・320・420:記憶部、121:施設ポイント情報、122:清算情報、123:作業単価情報、124:介護者情報、125:被介護者情報、126:関係者情報、130・230・330・430:入力部、140・240・340・440:出力部、150・250・350・450:通信部、211:清算要求部、212:承認受付部、213:認証要求部、311:預金管理部、312:施設ポイント発行部、313:発行機関側ポイント管理部、321:発行機関側施設ポイント情報、411:施設ポイント発行要求部、412:照会要求部、413:換金要求部、A・B:家族、N:ネットワーク、S・S1・S2:施設、X:被介護者、Y:介護者