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特開2024-53488サービス管理装置、サービス管理システム、サービス管理プログラム及びサービス管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053488
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】サービス管理装置、サービス管理システム、サービス管理プログラム及びサービス管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0283 20230101AFI20240408BHJP
【FI】
G06Q30/02 490
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159804
(22)【出願日】2022-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000233491
【氏名又は名称】株式会社日立システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田尾 晋
(72)【発明者】
【氏名】北見 淳
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB25
5L049BB25
(57)【要約】
【課題】簡便かつ正確にサービスの記録が可能な技術の提供を目的とする。
【解決手段】 サービス管理装置は、所定のサービス施設におけるサービスの提供者および利用者の生体情報を受け付けると、該生体情報を用いて前記サービスの提供者および利用者のそれぞれを特定する認証管理部と、前記サービスの内容の入力を受け付けると前記サービスの提供者から前記利用者へ提供されたサービスとして記録するサービス記録部と、記録された前記サービスに係る利用料を前記利用者毎に集計する集計部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のサービス施設におけるサービスの提供者および利用者の生体情報を受け付けると、該生体情報を用いて前記サービスの提供者および利用者のそれぞれを特定する認証管理部と、
前記サービスの内容の入力を受け付けると前記サービスの提供者から前記利用者へ提供されたサービスとして記録するサービス記録部と、
記録された前記サービスに係る利用料を前記利用者毎に集計する集計部と、
を備えることを特徴とするサービス管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサービス管理装置であって、
前記認証管理部は、前記サービスの前記提供者の前記生体情報をあらかじめ保持し、受け付けた前記生体情報との適合を判断して前記提供者を特定する、
ことを特徴とするサービス管理装置。
【請求項3】
請求項1に記載のサービス管理装置であって、
前記認証管理部は、前記サービスの前記利用者の前記生体情報をあらかじめ保持し、受け付けた前記生体情報との適合を判断して前記利用者を特定する、
ことを特徴とするサービス管理装置。
【請求項4】
請求項1に記載のサービス管理装置であって、
前記認証管理部は、前記サービスの前記提供者の前記生体情報として、前記提供者の静脈を撮影した生体画像を所定のパラメータで暗号化した情報を用いる、
ことを特徴とするサービス管理装置。
【請求項5】
請求項1に記載のサービス管理装置であって、
前記認証管理部は、前記サービスの前記利用者の前記生体情報として、前記利用者の静脈を撮影した生体画像を所定のパラメータで暗号化した情報を用いる、
ことを特徴とするサービス管理装置。
【請求項6】
請求項1に記載のサービス管理装置であって、
前記認証管理部は、前記サービスの前記提供者の前記生体情報を外部の生体認証サービスへ送信して、前記サービスの前記提供者の特定結果を得る、
ことを特徴とするサービス管理装置。
【請求項7】
請求項1に記載のサービス管理装置であって、
前記認証管理部は、前記サービスの前記利用者の前記生体情報を外部の生体認証サービスへ送信して、前記サービスの前記利用者の特定結果を得る、
ことを特徴とするサービス管理装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のサービス管理装置であって、
記録された前記サービスに係る所定の共有情報と、前記集計の結果と、を所定の関係者からの照会に応じて開示する照会応答部、
を備えることを特徴とするサービス管理装置。
【請求項9】
所定のサービス施設におけるサービスを管理するサービス管理装置と、前記サービス管理装置と通信可能に接続される可搬端末と、を備えるサービス管理システムであって、
前記可搬端末は、
前記サービス施設におけるサービスの提供者および利用者の生体情報を読み取る生体情報読取部と、
前記生体情報読取部が読み取った前記生体情報を前記サービス管理装置に送信して生体認証を要求する生体認証部と、
前記サービスの内容の入力を受け付ける入出力制御部と、
を備え、
前記サービス管理装置は、
前記サービス施設における前記サービスの前記提供者および前記利用者の前記生体情報を受け付けると、該生体情報を用いて前記サービスの前記提供者および前記利用者のそれぞれを特定する認証管理部と、
前記サービスの内容の入力を受け付けると前記サービスの前記提供者から前記利用者へ提供された前記サービスとして記録するサービス記録部と、
記録された前記サービスに係る利用料を前記利用者毎に集計する集計部と、
を備えることを特徴とするサービス管理システム。
【請求項10】
情報処理装置をサービス管理装置として機能させるサービス管理プログラムであって、
前記情報処理装置の処理部に、
所定のサービス施設におけるサービスの提供者および利用者の生体情報を受け付けると、該生体情報を用いて前記サービスの前記提供者および前記利用者のそれぞれを特定する認証管理手順と、
前記サービスの内容の入力を受け付けると前記サービスの前記提供者から前記利用者へ提供されたサービスとして記録するサービス記録手順と、
記録された前記サービスに係る利用料を前記利用者毎に集計する集計手順と、
を実施させることを特徴とするサービス管理プログラム。
【請求項11】
サービス管理装置を用いたサービス管理方法であって、
前記サービス管理装置は、所定のサービス施設におけるサービスの提供者および利用者の生体情報を受け付けると、該生体情報を用いて前記サービスの前記提供者および前記利用者のそれぞれを特定する認証管理ステップと、
前記サービスの内容の入力を受け付けると前記サービスの前記提供者から前記利用者へ提供されたサービスとして記録するサービス記録ステップと、
記録された前記サービスに係る利用料を前記利用者毎に集計する集計ステップと、
を実施することを特徴とするサービス管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス管理装置、サービス管理システム、サービス管理プログラム及びサービス管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
介護サービスの現場では、高齢化の加速、介護サービスの多様化、複雑化等により、介護施設や訪問介護サービス機関等の業務負荷が増加している。介護施設や訪問介護サービス機関では、介護サービスを実施、提供するにあたり、誰が、いつ、どこで、誰に対して、何を行ったかを客観的かつ正確に記録する必要性も高まっている。しかし、紙とペンによる記録、あるいはタブレット端末等を用いた記録作業は、煩雑かつ誤入力等の課題があり、介護者の業務負荷が高い。また、これらの介護サービスにおいて、消耗品等の購入や交換で発生する費用の一時的な立替えや、その精算等の小口現金管理についても、介護施設側の業務負荷となっている。
【0003】
なお、特許文献1には、病院や老人ホームなどの施設における各室や待合室などに、タッチ画面式の入力手段を有する表示画面を備えた端末を情報の入出力用の端末として設ける一方、この施設内に、前記入出力端末に接続されて当該端末からの入力情報と当該端末への出力情報とを取扱うための入,出力手段となる端末を具備していると共に、外部情報源などにインターネットなどの通信網を介して接続されるサーバコンピュータを配備して成り、前記端末とサーバコンピュータの間で、放送などの映像,音声データ,医療・介護業務に関する案内データ,脈拍等の測定データ,日用品などのオーダデータ,問診データ,食事メニューの選択データ,薬剤検索データなどの情報交換をすることを特徴とする病院,老人ホーム等の施設における情報サービスシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-236745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のシステムは、サービス施設の一部の業務には有用であるが、サービスの記録業務の負荷軽減についての効果は限定的である。
【0006】
本発明の目的は、上記の点に鑑みてなされたものであり、簡便かつ正確にサービスの記録が可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様に係るサービス管理装置は、所定のサービス施設におけるサービスの提供者および利用者の生体情報を受け付けると、該生体情報を用いて前記サービスの提供者および利用者のそれぞれを特定する認証管理部と、前記サービスの内容の入力を受け付けると前記サービスの提供者から前記利用者へ提供されたサービスとして記録するサービス記録部と、記録された前記サービスに係る利用料を前記利用者毎に集計する集計部と、を備える。
【0009】
また、上記のサービス管理装置において、前記認証管理部は、前記サービスの前記提供者の前記生体情報をあらかじめ保持し、受け付けた前記生体情報との適合を判断して前記提供者を特定するものであってもよい。
【0010】
また、上記のサービス管理装置において、前記認証管理部は、前記サービスの前記利用者の前記生体情報をあらかじめ保持し、受け付けた前記生体情報との適合を判断して前記利用者を特定するものであってもよい。
【0011】
また、上記のサービス管理装置において、前記認証管理部は、前記サービスの前記提供者の前記生体情報として、前記提供者の静脈を撮影した生体画像を所定のパラメータで暗号化した情報を用いるものであってもよい。
【0012】
また、上記のサービス管理装置において、前記認証管理部は、前記サービスの前記利用者の前記生体情報として、前記利用者の静脈を撮影した生体画像を所定のパラメータで暗号化した情報を用いるものであってもよい。
【0013】
また、上記のサービス管理装置において、前記認証管理部は、前記サービスの前記提供者の前記生体情報を外部の生体認証サービスへ送信して、前記サービスの前記提供者の特定結果を得るものであってもよい。
【0014】
また、上記のサービス管理装置において、前記認証管理部は、前記サービスの前記利用者の前記生体情報を外部の生体認証サービスへ送信して、前記サービスの前記利用者の特定結果を得るものであってもよい。
【0015】
また、上記のサービス管理装置において、記録された前記サービスに係る所定の共有情報と、前記集計の結果と、を所定の関係者からの照会に応じて開示する照会応答部、を備えるものであってもよい。
【0016】
また、本発明の別の態様にかかるサービス管理システムは、所定のサービス施設におけるサービスを管理するサービス管理装置と、前記サービス管理装置と通信可能に接続される可搬端末と、を備えるサービス管理システムであって、前記可搬端末は、前記サービス施設における前記サービスの提供者および利用者の生体情報を読み取る生体情報読取部と、前記生体情報読取部が読み取った前記生体情報を前記サービス管理装置に送信して生体認証を要求する生体認証部と、前記サービスの内容の入力を受け付ける入出力制御部と、を備え、前記サービス管理装置は、前記サービス施設における前記サービスの前記提供者および前記利用者の前記生体情報を受け付けると、該生体情報を用いて前記サービスの前記提供者および前記利用者のそれぞれを特定する認証管理部と、前記サービスの内容の入力を受け付けると前記サービスの前記提供者から前記利用者へ提供されたサービスとして記録するサービス記録部と、記録された前記サービスに係る利用料を前記利用者毎に集計する集計部と、を備える。
【0017】
また、本発明の別の態様にかかるサービス管理プログラムは、情報処理装置をサービス管理装置として機能させるサービス管理プログラムであって、前記情報処理装置の処理部に、所定のサービス施設におけるサービスの提供者および利用者の生体情報を受け付けると、該生体情報を用いて前記サービスの前記提供者および前記利用者のそれぞれを特定する認証管理手順と、前記サービスの内容の入力を受け付けると前記サービスの前記提供者から前記利用者へ提供されたサービスとして記録するサービス記録手順と、記録された前記サービスに係る利用料を前記利用者毎に集計する集計手順と、を実施させる。
【0018】
また、本発明の別の態様にかかるサービス管理方法は、サービス管理装置を用いたサービス管理方法であって、前記サービス管理装置は、所定のサービス施設におけるサービスの提供者および利用者の生体情報を受け付けると、該生体情報を用いて前記サービスの前記提供者および前記利用者のそれぞれを特定する認証管理ステップと、前記サービスの内容の入力を受け付けると前記サービスの前記提供者から前記利用者へ提供されたサービスとして記録するサービス記録ステップと、記録された前記サービスに係る利用料を前記利用者毎に集計する集計ステップと、を実施する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、簡便かつ正確にサービスの記録が可能な技術を提供することができる。
【0020】
なお、上記以外の課題、構成および効果等は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】サービス管理システムの概要の一例を示す図である。
図2】介護者データの一例を示す図である。
図3】被介護者データの一例を示す図である。
図4】関係者データの一例を示す図である。
図5】サービス履歴の一例を示す図である。
図6】集計データの一例を示す図である。
図7】共有データの一例を示す図である。
図8】サービス単価テーブルの一例を示す図である。
図9】可搬端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図10】記録シーケンスの一例を示す図である。
図11】画面遷移(業務選択まで)の一例を示す図である。
図12】画面遷移(業務選択以降)の一例を示す図である。
図13】照会処理のフローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の例である実施形態について図面を用いて説明する。
【0023】
図1は、サービス管理システム1の概要の一例を示す図である。本実施形態におけるサービス管理システム1は、利用者のサービス利用に関する情報を蓄積し管理する。サービス管理システム1には、可搬端末200と、可搬端末200とネットワーク50を介して通信可能に接続されるサービス管理装置300と、サービス管理装置300とネットワーク50を介して通信可能に接続される生体認証サービス350と、参照端末400と、が含まれる。
【0024】
本実施形態においては、サービス管理システム1は、介護施設を対象として例示しているが、所定のサービス施設のサービスを管理するものであればよく、介護者、被介護者はサービス提供者、サービス利用者をそれぞれ指すものといえる。また、介護施設についても、必ずしも同一所在地にある必要はなく、ブランチを含むものであってもよいし、訪問介護等のように被介護者の自宅を含むものであってもよい。また、本実施形態においては、サービスの具体的な内容は介護サービスであるが、これに限定されるものではなく、生活に関連する不便を他人の助力により便利にするもの全般であってよい。また、サービス管理システム1は、建設、運輸、営業等、実務担当者が作業の的確な業務記録を行う必要のある業種であれば、サービスを作業と読み替えて適用することができる。
【0025】
可搬端末200は、基本的にサービス提供者が携行する情報処理装置である。可搬端末200は、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、又はタブレット端末等の情報処理装置である。生体認証サービス350は、例えばクラウドサービスとして提供され、所定のURL(Uniform Resource Locator)によりアクセスを要求されると所定のサービスを実施し、その結果を要求元へ返す。参照端末400は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、又はタブレット端末等の情報処理装置である。なお、可搬端末200を使用する者は、本実施形態においては、介護者(サービス提供者)、被介護者(サービス利用者)である。参照端末400を使用する者は、本実施形態においては、被介護者の関係者(例えば、被介護者の親族や後見人等の身元引受人)、あるいは決済を担う金融機関等の決済担当機関の職員等である。
【0026】
ネットワーク50は、例えば、インターネットあるいはイントラネット等のネットワークである。ネットワーク50は、これに限られず、さらに、WAN(Wide Area Network)、携帯電話網等、あるいはこれらが複合した通信網であってもよい。または、ネットワーク50は、携帯電話通信網等の無線通信網上のVPN(Virtual Private Network)等であってもよい。
【0027】
可搬端末200は、処理部210と、記憶部220と、通信部230と、生体情報読取部240と、表示部250と、位置取得部260と、を備える。処理部210は、アプリケーション機能を実現する。例えば、処理部210は、介護サービス等のサービスの提供者あるいは利用者に対するポータル画面等の各種の操作画面を提供する。処理部210には、生体認証部211と、入出力制御部212と、が含まれる。生体認証部211は、生体情報読取部240が読み取った生体情報をサービス管理装置300に送信して生体認証を要求する。生体認証部211は、認証に用いる生体情報として、1)サービスの提供者および利用者の静脈を撮影した生体画像、2)サービスの提供者および利用者の顔を撮影した生体画像、3)サービスの提供者および利用者の指紋を読み取った生体画像を用いてもよいし、あるいは上記の1)2)3)のそれぞれの生体画像を所定のパラメータで暗号化した情報を用いることができる。入出力制御部212は、利用者が利用したサービスの内容についての入力を受け付けてサービス管理装置300に送信する。
【0028】
通信部230は、ネットワーク50を介する他の装置との通信の制御を行う。
【0029】
生体情報読取部240は、サービス施設におけるサービスの提供者および利用者の生体情報を読み取る。具体的には、生体情報読取部240は、読み取る生体情報に応じて、静脈センサ241と、カメラ242と、指紋読取センサ243と、を用いる。読み取る生体情報が静脈を撮影した生体画像の場合には、生体情報読取部240は、静脈センサ241を用いる。読み取る生体情報が顔を撮影した生体画像の場合には、生体情報読取部240は、カメラ242を用いる。読み取る生体情報が指紋を読み取った生体画像の場合には、生体情報読取部240は、指紋読取センサ243を用いる。
【0030】
表示部250は、一つ以上のI/Oインターフェースデバイスあるいは一つ以上の通信インターフェースデバイスである。すなわち、提供者あるいは利用者は、可搬端末200をI/Oインターフェースデバイス経由で使用する。あるいは、提供者あるいは利用者は、可搬端末200を一つ以上の通信インターフェースデバイスを介して他の情報処理装置(例えば、スマートフォン)等経由で使用する。
【0031】
位置取得部260は、現在地を測位する。例えば、位置取得部260は、GPS(Global Positioning System)、Glonass(Global Navigation Satellite System)、みちびき、Galileo、北斗等の衛星測位システムである。あるいは、位置取得部260は、近傍の無線アクセスポイントからの距離電波強度から算出して位置を特定するものであってもよい。
【0032】
サービス管理装置300は、処理部310と、記憶部320と、通信部340と、を備える。処理部310には、認証管理部311と、サービス記録部312と、集計部313と、照会応答部314と、が含まれる。認証管理部311は、認証要求を受け付けると、所定のサービス施設におけるサービスの提供者および利用者の生体情報を要求し、それぞれの認証を行う。具体的には、認証管理部311は、サービスの提供者および利用者の生体情報を受け付けると、該生体情報を用いてサービスの提供者および利用者のそれぞれを特定する。
【0033】
より具体的には、認証管理部311は、サービスの提供者の生体情報をあらかじめ保持し、受け付けた生体情報との適合を判断して提供者を特定する。また、認証管理部311は、サービスの利用者に登録された生体情報をあらかじめ保持し、受け付けた生体情報との適合を判断して利用者を特定する。また、認証管理部311は、認証に用いる生体情報として、1)サービスの提供者および利用者の静脈を撮影した生体画像、2)サービスの提供者および利用者の顔を撮影した生体画像、3)サービスの提供者および利用者の指紋を読み取った生体画像を用いてもよいし、あるいは上記の1)2)3)のそれぞれの生体画像を所定のパラメータで暗号化した情報を用いるようにしてもよい(既存技術)。後者の暗号化した情報を用いることで、生体情報そのものの漏洩や不正取得がなされることを防ぐことができる。また、パスワードのように定期的に暗号化パラメータを変更することで過去の生体情報の再利用を防ぐことが可能となるため、生体情報管理上のセキュリティレベルを高めることができる。
【0034】
また、認証管理部311は、サービスの提供者および利用者の生体情報を生体認証サービス350へ送信して、サービスの提供者および利用者の特定結果を得るものであってもよい。
【0035】
サービス記録部312は、利用されたサービスの内容の入力を受け付けるとサービスの提供者から利用者へ提供されたサービスの内容と関連付けてサービス履歴324に記憶させる。その際、サービス記録部312は、サービスが利用された日付、時刻、位置、購買物がある場合(小口決済がある場合)にはその金額を併せてサービス履歴324に記憶させる。
【0036】
集計部313は、記録されたサービスに係る利用料を利用者毎に集計する。
【0037】
照会応答部314は、記録されたサービスに係る所定の共有情報と、集計部313による集計の結果と、を所定の関係者からの照会に応じて開示する。
【0038】
記憶部320には、介護者データ321と、被介護者データ322と、関係者データ323と、サービス履歴324と、集計データ325と、共有データ326と、サービス単価テーブル327と、が含まれる。
【0039】
図2は、介護者データの一例を示す図である。介護者データ321は、介護サービスを提供する介護者の情報を記憶する。介護者データ321には、介護者ID321aと、氏名321bと、性別321cと、資格321dと、施設ID321eと、施設名称321fと、生体認証ID321gと、が含まれる。介護者ID321aは、介護者を他の介護者から識別する情報である。氏名321bと、性別321cとは、介護者の氏名および性別の情報である。資格321dは、介護者が有する介護資格を特定する情報である。施設ID321eと、施設名称321fとは、介護者が所属する介護施設を特定する情報および当該施設の名称の情報である。生体認証ID321gは、予め登録された介護者の生体情報である。
【0040】
図3は、被介護者データの一例を示す図である。被介護者データ322は、介護サービスを利用する被介護者の情報を記憶する。被介護者データ322には、被介護者ID322aと、氏名322bと、性別322cと、生年月日322dと、施設ID322eと、施設名称322fと、生体認証ID322gと、介護等級322hと、が含まれる。被介護者ID322aは、被介護者を他の被介護者から識別する情報である。氏名322bと、性別322cとは、被介護者の氏名および性別の情報である。生年月日322dは、被介護者の生年月日を特定する情報である。施設ID322eと、施設名称322fとは、被介護者が利用する介護施設を特定する情報および当該施設の名称の情報である。生体認証ID322gは、予め登録された被介護者の生体情報である。介護等級322hは、被介護者の介護等級を特定する情報である。
【0041】
図4は、関係者データの一例を示す図である。関係者データ323は、介護サービスの利用者である被介護者の身元引受人等、所定の関係がある者の情報を記憶する。関係者データ323には、関係者ID323aと、氏名323bと、被介護者323cと、関係者区分323dと、開示区分323eと、DL区分323fと、が含まれる。関係者ID323aは、関係者を他の関係者から識別する情報である。氏名323bは、関係者の氏名の情報である。被介護者323cは、対象の被介護者を特定する情報である。関係者区分323dは、被介護者との関係(例えば、配偶者、子供、兄弟、金融機関、外部委託先等)を判別する所定の区分である。開示区分323eおよびDL区分323fは、情報を開示あるいはダウンロード可能な範囲を判別する所定の区分である。
【0042】
図5は、サービス履歴の一例を示す図である。サービス履歴324は、サービス提供者(介護者)が提供し利用者(被介護者)が利用したサービスの内容を記憶する。また、サービス履歴324は、小口決済(消耗品や嗜好品等の購入)の内容を記憶する。サービス履歴324には、作業連番324aと、日付324bと、時刻324cと、座標324dと、被介護者324eと、介護者324fと、作業区分324gと、作業記録324hと、購買物324iと、金額324kと、が含まれる。このうち、作業記録324hと、購買物324iと、金額324kとは、作業区分324gごとに一又は複数関連付けられる。
【0043】
作業連番324aは、実施されたサービスを他のサービスから識別する情報である。日付324bと、時刻324cと、座標324dとは、それぞれサービスを実施した日付と、時刻と、位置とを特定する情報である。被介護者324eと、介護者324fとは、それぞれ、実施されたサービスの利用者および提供者を特定する情報である。作業区分324gは、実施されたサービスの区分を特定する情報である。作業記録324hは、実施されたサービスの具体的な内容である。購買物324iおよび金額324kは、被介護者からの依頼により介護者が物品等の購買を行った場合のそれぞれ購入品および金額を特定する情報である。すなわち、サービス履歴324には、サービス利用の履歴と、小口決済の証跡が記憶される。
【0044】
図6は、集計データの一例を示す図である。集計データ325は、サービス実施において購買等で発生した立替金や、付加的な有料オプションサービス等で発生した費用等を集計した情報を記憶する。集計データ325には、介護者ID325aと、氏名325bと、科目325cと、立替区分325dと、発生日付325eと、金額325fと、内容325gと、が含まれる。このうち、立替区分325dと、発生日付325eと、金額325fと、内容325gとは、科目325cごとに一又は複数関連付けられる。
【0045】
介護者ID325aは、介護者を他の介護者から識別する情報である。氏名325bは、介護者の氏名の情報である。科目325cは、実施されたサービスの費用の経理上の科目を特定する情報である。立替区分325dは、介護者による立替が発生したのか、被介護者が精算済かを区別する区分情報である。発生日付325eは、実施されたサービスの費用が発生した日付を特定する情報である。金額325fと、内容325gとは、実施されたサービスのそれぞれ金額と内容を特定する情報である。
【0046】
図7は、共有データの一例を示す図である。共有データ326は、被介護者が提供を受けた介護サービスのうち、関係者との間で共有するデータである。共有データには、介護サービスの内容や費用が含まれる。例えば、銀行等の金融機関の関係者は、サービス利用に係る費用の決済を行うために、共有データ326を参照する。例えば身元引受人である関係者は、適切な介護サービスが実施されているか否かを確認するために、共有データ326を参照する。
【0047】
共有データ326には、被介護者ID326aと、氏名326bと、施設ID326cと、施設名称326dと、日付326eと、開示範囲326fと、作業区分326gと、作業記録326hと、金額326iと、が含まれる。このうち、日付326eと、開示範囲326fと、作業区分326gと、作業記録326hと、金額326iとは、被介護者ID326aごとに一又は複数関連付けられる。
【0048】
被介護者ID326aは、被介護者を他の被介護者から識別する情報である。氏名326bは、被介護者の氏名の情報である。施設ID326cと、施設名称326dとは、被介護者が利用する介護施設を特定する情報および当該施設の名称の情報である。日付326eは、実施されたサービスの費用が発生した日付を特定する情報である。開示範囲326fは、情報の開示範囲を特定する情報である。作業区分326gは、介護者が提供したサービスの内容を判別する情報である。作業記録326hと、金額326iとは、実施されたサービスのそれぞれ金額と内容を特定する情報である。
【0049】
図8は、サービス単価テーブルの一例を示す図である。サービス単価テーブル327は、介護者が被介護者へ提供したサービスの単価を特定するデータである。サービス単価テーブルには、作業区分327aと、項目名327bと、単価327cと、課税区分327dと、が含まれる。
【0050】
作業区分327aは、介護サービスの所定の区分を判別する情報である。項目名327bは、介護サービスの所定の単位の作業名を特定する情報である。単価327cは、作業区分327aおよび項目名327bにより特定されるサービスの作業内容の単価を特定する情報である。課税区分327dは、作業区分327aおよび項目名327bにより特定されるサービスの課税の要否や課税率を特定する情報である。
【0051】
図1の説明に戻る。通信部340は、ネットワーク50を介する他の装置との通信の制御を行う。
【0052】
生体認証サービス350は、ネットワーク経由で生体認証を実現する。具体的には、生体認証サービス350は、ネットワーク50経由でサービス管理装置300へのログインを実現する。例えば、生体認証サービス350は、一般的なLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)サーバー、あるいはAD(Active Directory)サーバーによりサービス管理装置300へのログインを実現する。生体認証サービス350は、可搬端末200で読み取った利用者の生体情報をペアで受け付けて、ペアの生体情報の一致度合いが所定以上であれば認証し、サービス管理装置300へのアクセスを許可する。
【0053】
図9は、可搬端末のハードウェア構成の一例を示す図である。可搬端末200は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、タッチパネルディスプレイ15と、通信装置16と、カメラ17と、静脈センサ18と、指紋読取センサ19とを有し、各構成要素はバスにより接続されている。また、電源は、一次電池でも、充電可能な二次電池でも良く、消耗・劣化した際に交換可能とすることができる。
【0054】
プロセッサ11はCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算装置であり、メモリ12又はストレージ13に記録されたプログラムに従って処理を実行する。可搬端末200では、メモリ12又はストレージ13上に読み出されたプログラムに従って動作するプロセッサ11により処理が行われる。処理部210は、プロセッサ11がプログラムを実行することにより各々の機能を実現する。
【0055】
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)又はフラッシュメモリ等の記憶装置であり、プログラムやデータが一時的に読み出される記憶エリアとして機能する。ストレージ13は、書き込み及び読み出し可能な記憶装置である。記憶部220は、メモリ12又はストレージ13によりその機能が実現される。なお、記憶部220は、通信装置16を介して接続される記憶装置によってその機能が実現されてもよい。
【0056】
タッチパネルディスプレイ15は、入出力を行うためのインターフェースを提供する装置であり、ディスプレイに出力を行い、タッチパネルにて入力を受け付ける。
【0057】
通信装置16は、可搬端末200を外部の装置と通信接続するためのインターフェースである。例えば、通信装置16は、無線LAN(Local Area Network)等に参加する所定の周波数帯域(例えば、2.4GHz(ギガヘルツ)あるいは5.2~5.6GHz帯)の電波を利用できるアンテナを用いて無線通信を行う。また、通信装置16は、5Gネットワークあるいは4Gネットワーク等の携帯電話通信網に参加する所定の電波を利用できるアンテナを用いて無線通信を行うものであってもよい。
【0058】
カメラ17は、所定の画角で周囲を撮像する。望ましくは、カメラ17には、インカメラと呼ばれるカメラと、インカメラで写せない範囲を撮像するアウトカメラと呼ばれるカメラが含まれる。その場合、インカメラは、タッチパネルディスプレイ15の表示面にレンズが設けられて、タッチパネルディスプレイ15を見ている人の顔(主に、介護者の顔)を撮像する。アウトカメラは、タッチパネルディスプレイ15の表示面の裏側にレンズが設けられて、タッチパネルディスプレイ15を見ている人に対面している人の顔(主に、被介護者の顔)を撮像する。なお、インカメラとアウトカメラの区別がなく一つしかカメラレンズがない場合には、当該カメラレンズにて介護者、被介護者のいずれも撮像する。
【0059】
静脈センサ18は、所定のセンサ部に接触している利用者(介護者あるいは被介護者)の指の透過波あるいは反射波を検出して、指静脈の形状を撮像して生体画像を得る。指紋読取センサ19は、所定のセンサ部に接触している利用者(介護者あるいは被介護者)の指紋を検出して、指紋の生体画像を得る。
【0060】
なお、可搬端末200の各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、可搬端末200の各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
【0061】
サービス管理装置300および参照端末400は、可搬端末200のハードウェア構成と概ね同じであるが、タッチパネルディスプレイ15と、カメラ17と、静脈センサ18と、指紋読取センサ19とは、備える必要はない。
【0062】
次に、サービス管理システム1の処理の流れについて説明する。図10は、サービス管理システム1の記録シーケンス図である。本シーケンス図の処理は、可搬端末200をサービス管理装置300に接続して作業記録を取る場合のシーケンスである。
【0063】
まず、可搬端末200の生体認証部211は、サービス管理装置300に認証開始を要求する(ステップS01)。その際、生体認証部211は、サービス管理装置300に介護者情報(介護者ID)を送信する。
【0064】
サービス管理装置300の認証管理部311は、認証開始を要求した介護者の介護者データを引き当て、生体情報を取得するよう可搬端末200に要求する(ステップS02)。認証開始を要求した介護者の介護者データを引き当てられない場合には、認証管理部311は、介護者の新規登録処理を開始する(図示せず)。
【0065】
そして、可搬端末200の生体認証部211は、介護者の生体情報を取得しサービス管理装置300に送信する(ステップS03)。具体的には、生体認証部211は、生体情報読取部240の静脈センサ241、カメラ242あるいは指紋読取センサ243により介護者の生体情報を取得する。望ましくは、生体認証部211は、カメラ242にて介護者の顔の生体画像を得る場合には、インカメラを用いて取得する。これにより、可搬端末200の向きを変えることなく、タッチパネルディスプレイ15を見ながらスムーズな操作を可能とする。
【0066】
そして、認証管理部311は、受信した生体情報と、介護者データ321に予め登録された生体認証ID321gと、を生体認証サービス350に送信する(ステップS04)。なお、認証管理部311は、認証に用いる生体情報として、上述のとおり、1)介護者の静脈を撮影した生体画像、2)介護者の顔を撮影した生体画像、3)介護者の指紋を読み取った生体画像を用いてもよいし、あるいは上記の1)2)3)のそれぞれの生体画像を所定のパラメータで暗号化した情報を用いるようにしてもよい(既存技術)。
【0067】
生体認証サービス350は、介護者の生体情報を判別して、生体認証ID321gとの適合を判別して認証し、応答を返す(ステップS05)。ここで、所定以上の適合を確認できない場合には、認証失敗を返す。
【0068】
そして、認証管理部311は、介護者の認証が成功した旨の通知を可搬端末200に送信する(ステップS06)。なお、介護者の認証が失敗している場合には、認証管理部311は、記録シーケンスを終了させるか、複数回の連続失敗が発生している場合には当該介護者の利用を一時停止する等の措置を取る。
【0069】
そして、可搬端末200の生体認証部211は、介護者の認証が成功した旨の通知を受信すると、被介護者の生体情報を取得しサービス管理装置300に送信する(ステップS07)。具体的には、生体認証部211は、生体情報読取部240の静脈センサ241、カメラ242あるいは指紋読取センサ243により被介護者の生体情報を取得する。望ましくは、生体認証部211は、カメラ242にて被介護者の顔の生体画像を得る場合には、アウトカメラを用いて取得する。これにより、可搬端末200の向きを変えることなく、介護者がタッチパネルディスプレイ15を見ながらスムーズな操作を可能とする。
【0070】
そして、認証管理部311は、受信した生体情報と、被介護者データ322に予め登録された生体認証ID322gと、を生体認証サービス350に送信する(ステップS08)。なお、認証管理部311は、認証に用いる生体情報として、上述のとおり、4)被介護者の静脈を撮影した生体画像、5)被介護者の顔を撮影した生体画像あるいは6)被介護者の指紋を読み取った生体画像を用いてもよいし、あるいは上記の4)5)6)のそれぞれの生体画像を所定のパラメータで暗号化した情報を用いるようにしてもよい(既存技術)。
【0071】
生体認証サービス350は、被介護者の生体情報を判別して、生体認証ID322gとの適合を判別して認証し、応答を返す(ステップS09)。ここで、所定以上の適合を確認できない場合には、認証失敗を返す。
【0072】
そして、認証管理部311は、被介護者の認証が成功した旨の通知を可搬端末200に送信する(ステップS10)。なお、被介護者の認証が失敗している場合には、認証管理部311は、記録シーケンスを終了させるか、複数回の連続失敗が発生している場合には当該被介護者の利用を一時停止する等の措置を取る。
【0073】
そして、可搬端末200の生体認証部211が被介護者の認証が成功した旨の通知を受信すると、可搬端末200の入出力制御部212は、介護者からのサービス内容の入力を受け付けてサービス管理装置300に送信する(ステップS11)。より具体的には、入出力制御部212は、介護者からのサービス内容の入力に加えて、位置取得部260が取得した現在地の座標をサービス管理装置300に送信する。なお、入力されるサービス内容には、サービスの提供者および利用者、サービスの作業区分、サービスの実際の内容を示すフリーテキスト、購買物がある場合には購買物およびその金額が含まれる。
【0074】
そして、サービス管理装置300のサービス記録部312は、介護者と被介護者と、サービス内容と、を紐づけて介護履歴に記録する(ステップS12)。具体的には、サービス記録部312は、介護者から入力されたサービス内容と、認証結果と、送信された現在地と、現在時刻とを用いて、サービス履歴324に情報を格納する。
【0075】
そして、集計部313は、サービス履歴324に格納されたサービスについて、サービス単価テーブル327の情報と照合する(ステップS13)。具体的には、各サービスの単価が照合できないものについては、作業単価の該当がない旨を可搬端末200に通知する。
【0076】
そして、集計部313は、集計データ、共有データを更新する(ステップS14)。具体的には、集計部313は、サービス単価テーブル327と照合した結果得られた単価を用いて、利用者ごとにサービスの利用に係る集計を行い、集計データ325に記録する。また、集計部313は、共有対象のデータである場合には、共有データ326に利用者ごとに格納する。その際、集計部313は、作業区分326gに応じてあらかじめ定められた関係者の開示範囲を特定し、開示範囲326fに格納する。
【0077】
以上が、記録シーケンスである。記録シーケンスによれば、サービスの主体、客体、内容、時期、位置を記録することができるため、作業証跡を残すことができるようになる。また、その際には、面倒な入力を極力行わず、特に認証および主客体の特定を生体認証により行うことが可能となるため、簡便かつ正確にサービスの記録が可能となる。また、サービスの内容についても、何(介護サービス、消耗品交換、嗜好品の購入や特別メニューの食事の注文等、不定期に生じる有料サービス)に対して、いくらの費用が発生したかを正確に記録できる。ひいては、超高齢社会を控えた高齢層の増加に対し、介護者不足等の問題は今後も深刻化が予想されるため、介護者の業務負荷軽減が期待できる。
【0078】
図11は、画面遷移(業務選択まで)の一例を示す図である。介護者ログイン画面500は、記録シーケンスのステップS01において表示される。介護者ログイン画面500には、静脈認証501と、顔認証502と、指紋認証503と、の選択入力領域が表示される。選択に応じて、静脈センサ241、カメラ242あるいは指紋読取センサ243が起動し、介護者の生体情報の読み取りが行われる。
【0079】
被介護者ログイン画面510は、記録シーケンスのステップS07において表示される。被介護者ログイン画面510には、静脈認証511と、顔認証512と、指紋認証513と、の選択入力領域が表示される。選択に応じて、静脈センサ241、カメラ242あるいは指紋読取センサ243が起動し、被介護者の生体情報の読み取りが行われる。
【0080】
操作選択画面520と、介護登録画面530とは、記録シーケンスのステップS11において表示される。操作選択画面520では、操作メニュー521の選択入力領域が表示される。選択に応じて、介護登録画面530が表示される。介護登録画面530では、実施する介護サービスの具体的な作業項目選択領域531と、戻るボタン532と、登録ボタン533と、が表示される。戻るボタン532への入力がなされると、操作選択画面520へと画面が遷移する。登録ボタン533への入力がなされると、作業項目選択領域531にて選択入力された作業項目を確定して後述の介護記録入力画面540へ遷移する。
【0081】
図12は、画面遷移(業務選択以降)の一例を示す図である。介護記録入力画面540は、介護登録画面530に続いて表示される。介護記録入力画面540には、介護記録入力欄541と、戻るボタン542と、登録ボタン543と、が表示される。介護記録入力欄541は、サービス内容に関するテキストの入力を受け付ける。戻るボタン542への入力がなされると、介護登録画面530へと画面が遷移する。登録ボタン543への入力がなされると、介護記録入力欄541にて入力されたサービス内容を確定して後述の送信確認画面550へ遷移する。
【0082】
送信確認画面550には、介護登録画面530にて選択された介護サービスの具体的な作業項目551と、介護記録入力画面540にて入力されたサービス内容に関するテキスト552と、戻るボタン553と、送信ボタン554と、が表示される。戻るボタン553への入力がなされると、介護記録入力画面540へと画面が遷移する。送信ボタン554への入力がなされると、作業項目551とテキスト552との内容がサービス管理装置300へ送信され、記録シーケンスのステップS12が開始される。
【0083】
図13は、照会処理のフローの一例を示す図である。照会処理は、記録シーケンスにて記録された作業記録について、参照端末400を用いた関係者からの照会に応答する処理である。
【0084】
まず、照会応答部314は、参照端末400からログイン情報を受信したか否か判定する(ステップS101)。ログイン情報を受信していない場合(ステップS101にて「No」の場合)には、照会応答部314は、ステップS101を再実施する。
【0085】
ログイン情報を受信した場合(ステップS101にて「Yes」の場合)には、照会応答部314は、ログイン情報と関係者データ323とが適合するか否か判定する(ステップS102)。適合しない場合(ステップS102にて「No」の場合)には、照会応答部314は、データ参照の不許可を参照端末400に通知し(ステップS103)、照会応答部314は、ステップS101を再実施する。
【0086】
適合する場合(ステップS102にて「Yes」の場合)には、照会応答部314は、データ参照の許可を参照端末400に通知する(ステップS104)。
【0087】
そして、照会応答部314は、データ参照要求を受信したか否か判定する(ステップS105)。データ参照要求を受信していない場合(ステップS105にて「No」の場合)には、照会応答部314は、ステップS105を再実施する。
【0088】
データ参照要求を受信した場合(ステップS105にて「Yes」の場合)には、照会応答部314は、当該データの参照要求が正当か否か判定する(ステップS106)。具体的には、照会応答部314は、ログイン情報にある関係者は、参照要求がなされたデータについて、共有データ326の開示範囲326f内にあるか否か判定し、開示範囲内にある場合には正当と判定する。当該データの参照要求が正当ではない場合(ステップS106にて「No」の場合)には、照会応答部314は、制御をステップS103に進める。
【0089】
当該データの参照要求が正当である場合(ステップS106にて「Yes」の場合)には、照会応答部314は、当該データを引き当てて、参照端末400に表示可能に送信する(ステップS107)。
【0090】
以上が、照会処理である。照会処理によれば、記録したサービスの利用情報を、参照することが可能な立場の者が参照することができる。そのため、サービスの質や費用について関係者(被介護者の家族、成年後見人等の身元引受人)が共有することで、適切な介護の実施、適切な現金管理等の実態確認が可能となる。
【0091】
以上、本発明に係る実施形態の説明を行ってきたが、本発明は、上記した実施形態の一例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態の一例は、本発明を分かり易くするために詳細に説明したものであり、本発明は、ここで説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の一例の構成の一部を他の一例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の一例の構成に他の一例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の一例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることもできる。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、図中の制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、全てを示しているとは限らない。ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1・・・サービス管理システム、50・・・ネットワーク、200・・・可搬端末、210・・・処理部、211・・・生体認証部、212・・・入出力制御部、220・・・記憶部、230・・・通信部、240・・・生体情報読取部、241・・・静脈センサ、242・・・カメラ、243・・・指紋読取センサ、250・・・表示部、260・・・位置取得部、300・・・サービス管理装置、310・・・処理部、311・・・認証管理部、312・・・サービス記録部、313・・・集計部、314・・・照会応答部、320・・・記憶部、321・・・介護者データ、322・・・被介護者データ、323・・・関係者データ、324・・・サービス履歴、325・・・集計データ、326・・・共有データ、327・・・サービス単価テーブル、340・・・通信部、350・・・生体認証サービス、400・・・参照端末。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13