(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053548
(43)【公開日】2024-04-15
(54)【発明の名称】マッサージガン保持具
(51)【国際特許分類】
A61H 23/02 20060101AFI20240408BHJP
A61H 15/00 20060101ALN20240408BHJP
【FI】
A61H23/02 380
A61H15/00 340A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023170995
(22)【出願日】2023-09-30
(31)【優先権主張番号】P 2022159222
(32)【優先日】2022-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】709002624
【氏名又は名称】今枝 伸行
(72)【発明者】
【氏名】今枝 伸行
【テーマコード(参考)】
4C074
4C100
【Fターム(参考)】
4C074AA04
4C074CC01
4C074GG01
4C100AF02
4C100CA01
4C100DA05
4C100EB03
(57)【要約】
【課題】背中や肩のマッサージを可能にするマッサージガンはある。ところが、他の人に背中のマッサージを受ける場合と比較すると、使用者の体は、腕全体、肩に力が入り、脱力し、リラックスした状態にないといった問題がある。
【解決手段】本発明は、使用者の腕全体、肩に力が入ることなく、脱力し、リラックスした状態で、自らの背中や肩をマッサージ可能にする。そして、多数種類販売されているマッサージガンの多くが利用できる機能を有した保持具を提供することを目的とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部の一端は、マッサージガンを着脱可能に把持し、
該把持部の他端に、該マッサージガンの振動方向と概直交方向に、水平保持部の一端が設けられ、
該水平保持部の他端に、前記マッサージガンの振動方向と概平行方向に、垂直保持部の一端が設けられた、マッサージガン保持具であって、
前記垂直保持部の他端に、前記マッサージガンの振動方向と概平行方向に、前記垂直保持部を支える支点部を備え、
前記マッサージガン振動部の振動方向に、前記水平保持部から前記支点部先端までの長さは、前記水平保持部からの前記マッサージガン振動部先端までの長さよりも所定の長さ長く、
前記水平保持部は、前記マッサージガンの振動方向と概直交方向に、所定の長さを有し、
前記マッサージガン保持具は、所定の強度剛性を有し、
前記マッサージガンと前記マッサージガン保持具とそれらに付帯する物との合計重量を、前記マッサージガン振動部と前記支点部が支持し、
前記支点部が支持する重量の反力は、前記マッサージガン保持具使用者の手、及び/若しくは、その他反力を負担できる任意の物体であることを特徴とするマッサージガン保持具。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージガン保持具であって、
前記把持部、及び/若しくは、前記水平保持部は、所定の荷重が載荷可能であることを特徴とするマッサージガン保持具。
【請求項3】
請求項1記載若しくは請求項2記載の前記マッサージガン保持具であって、
前記把持部、及び/若しくは、前記水平保持部は、
重りが着脱可能な、及び/若しくは、重りが増減可能な、及び/若しくは、重りが移動可能な機能を備えることを特徴とするマッサージガン保持具。
【請求項4】
請求項1記載若しくは請求項2記載の前記マッサージガン保持具であって、
前記把持部は、パイプ状構造であり、
前記マッサージガンの一部を該パイプ状構造で保持し、
前記把持部と前記マッサージガンとの間に、ずれを防止する固定具を備えることを特徴とするマッサージガン保持具。
【請求項5】
請求項1記載若しくは請求項2記載の前記マッサージガン保持具であって、
前記水平保持部と前記垂直保持部との接合角度が調整可能である機構を備えることを特徴とするマッサージガン保持具。
【請求項6】
請求項1記載若しくは請求項2記載の前記マッサージガン保持具と前記マッサージガンとは、一体であることを特徴とするマッサージガン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
マッサージ機器に関するもので、更に具体的には、マッサージガンと呼ばれるマッサージ機器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、マッサージガンは普及してきている。大型サイズから小型サイズまで、多種多様である。下記特許文献1及び2には、一人で、自分の肩や背中をマッサージしやすくするマッサージガンの発明が開示されている。
そして、非特許文献1は、同様なマッサージができる商品が販売されていることを示す。
非特許文献2は、多数種類販売されているマッサージガンを柱等にホールドし、背中のマッサージができる商品が販売されていることを示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3228625号
【特許文献2】特表2022-532147
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】株式会社アテックス、“ATEX NEWS”、[online]、令和4年7月11日、[令和4年9月10日検索]、インターネット<URL: https://www.atex-net.co.jp/news/atex_news/new-product/%e3%80%907%e6%9c%88%e4%b8%8b%e6%97%ac%e7%99%ba%e5%a3%b2%e3%80%91%e4%ba%ba%e6%b0%97%e3%82%bb%e3%83%ab%e3%83%95%e3%82%b1%e3%82%a2%e3%82%a2%e3%82%a4%e3%83%86%e3%83%a0%e3%80%8c%e3%83%a2%e3%83%8e%e3%83%ab/>
【非特許文献2】マッサージホルダー、[online]、令和4年7月11日、[令和4年9月10日検索]、インターネット<URL: https://paypayfleamarket.yahoo.co.jp/item/z158539632?cpt_s=shp&cpt_m=search&cpt_n=sand&cpt_c=item&sc_i=shp_pc_search_flmkdd>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1、2、及び、非特許文献1、2の発明及び商品は、背中や肩のマッサージを可能にする。
ところが、マッサージガン使用者は、マッサージガンを手で持ち体に押し付けるか、固定されたマッサージガンに体を押し付ける。
そのために、他の人に背中のマッサージを受ける場合と比較すると、使用者の手や腕や肩に力が入るため、上体が脱力し、リラックスした状態にないという問題がある。
【0006】
本発明は、使用者の腕や肩に力が入ることなく、上体を脱力し、リラックスした状態で、自らの背中や肩をマッサージ可能にする。
そして、多数種類販売されているマッサージガンの多くが利用可能になる保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、把持部の一端は、マッサージガンを着脱可能に把持し、該把持部の他端には、該マッサージガンの振動方向と概直交方向に、水平保持部の一端が設けられ、該水平保持部の他端には、前記マッサージガンの振動方向と概平行方向に、垂直保持部の一端が設けられたマッサージガン保持具である。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、前記垂直保持部の他端には、前記マッサージガンの振動方向と概平行方向に、前記垂直保持部を支える支点部を備えている。
そして、前記マッサージガンの振動部先端と、前記支点部先端とは、前記マッサージガン振動方向に、所定の高低差を有する。
【0009】
使用者が、床の上にうつ伏せで、若しくは、テーブルの上で上体をうつ伏せであれば、脱力し、リラックスした状態でマッサージができる。
また、前記マッサージガン振動部が患部に直角であると効果が高い。
そのために、前記振動部と前記支点部とに、上半身の厚み程度の高低差があるとリラックスした状態で効果的なマッサージができる。
所定の高低差は、使用者の体格により上半身の厚みが異なるために、複数の高低差の種類があるとよい。
例えば、S、M、L、2L、3Lサイズ等の高低差の種類があってもよい。
例えば、Mサイズであれば、約20cm±5cm程度でもよい。
また、前記垂直保持部を、長さ調整可能にしてもよいし、1カ所以上で着脱可能に分割し長さの違う垂直保持部に取換え可能にしてもよい。
さらに、高低差の調整のために、前記水平保持部と前記垂直保持部との接合点の角度が変更可能であってもよい。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、前記水平保持部は、所定の長さを有している。床の上にうつ伏せに、若しくは、テーブルの上で上体をうつ伏せになり、脱力し、リラックスした状態で、背中全体をマッサージするためには、前記水平保持部は一定の長さが必要である。
所定の長さは、使用者の体格により上半身の身長方向の長さが異なるため、
複数の長さの種類があるとよい。
例えば、S、M、L、2L、3Lサイズ等の長さの種類があってもよい。
例えば、Mサイズであれば、約45cm±10cm程度でもよい。
また、前記水平保持部を、長さ調整可能にしてもよいし、1カ所以上で着脱可能に分割し長さの違う水平保持部に取換え可能にしてもよい。
また、使用者はリラックスした腕や手を前記水平保持部に載せてもよい。これにより、マッサージ強度を調整できる。そして、当該マッサージガン保持具は、この程度の負荷があってもマッサージが可能な強度と剛性を保有する。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、前記把持部、及び/若しくは、前記水平保持部は、所定の荷重が載荷できる。
一般的にマッサージガンの効果の強弱は、マッサージガンの振動方向に、使用者の持ち手の押す力によって調整する。
しかし、本発明では、マッサージガンを手で持たない。そこで、前記所定の荷重は、マッサージガンを手で押す力の代わりとなる。
使用者の好みの強弱は多様であるので、載荷してもしなくてもよい。
そして、載荷するものは、使用者の腕や手、その他の重り等であってもよい。
載荷する場所は、前記水平保持部の内部や外部、また、前記把持部の外側である。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、前記マッサージガンの重量と前記マッサージガン保持具の重量と載荷可能な前記所定の荷重を、前記振動部と前記支点部が支持する。
そして、マッサージガン保持具使用者は、そのマッサージガン保持具を使用者の手だけではなく、太腿、上半身、机の上、床の上、椅子のひじ掛けの上等に前記支点部を載せて支持して、脱力し、リラックス状態でマッサージができる。
また、前記支持部は、机の上等で滑ることがないように、滑り止めの素材であってもよい。
そして、前記支持部は、太腿や上半身で支持する時のために、柔らかな素材であってもよい。
【0013】
上記問題を解決するために、請求項3に記載の発明は、前記把持部、及び/若しくは、前記水平保持部は、重りが着脱可能な、及び/若しくは、重りが増減可能な、及び/若しくは、重りが移動可能な機能がある。
マッサージガンの効果の強弱は、持ち手による押す力の加減の代わりに、重りの増減により調整する。また、重りの載荷位置を把持部に寄せたり離したりすることにより、マッサージガンの効果の強弱を調整する。
マッサージガンを押す力は、個人差があり、また、マッサージをする部位によっても異なるため、載荷しない場合からマッサージ効果が最大となる重量まで、重りを増減できる。
重りを載せる場所は、前記水平保持部の内部や外側、前記把持部の外側である。
【0014】
上記問題を解決するために、請求項4に記載の発明は、前記把持部は、パイプ状構造であり、前記マッサージガンの一部を該パイプ状構造が保持する。
そして、前記把持部と前記マッサージガンとを緊締し、ずれを防止する固定具を備える。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、多数販売されているマッサージガンの筐体は、概円柱形の組み合わせである。そのため、前記把持部はパイプ状構造であり、また、弾性体であって、サイズの違うマッサージガンを把持し、把持したマッサージガンがずれないようする。これにより、多様な形状のマッサージガンが使用できる。
また、前記マッサージガンの振動のため、把持する部分が共振することがある。その共振現象を回避するために、前記マッサージガンの筐体を把持する部分に振動を吸収する素材を有してもよい。
【0016】
請求項5に記載の発明は、前記振動部と前記支点部との高低差調整のために、前記水平保持部と前記垂直保持部との接合点の角度が変更可能にできる機構を備える。
また、請求項6は、前記マッサージガン保持具と前記マッサージガンが一体になっている、マッサージガンである。
【0017】
請求項1~5の前記マッサージガン保持具、及び、請求項6マッサージガンのサイズは大きい。
そこで、収納や搬送しやすくするために、コンパクトにするのもよい。垂直保持部若しくは水平保持部で、脱着自在に分割してもよい。
また、中折式構造で折り畳み可能にしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
一つのマッサージガンで、リラックスした状態で、肩や背中を含む全身をマッサージできるため、健康増進に役立つ。そして、Well-beingへの高い貢献が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施形態に係るマッサージガン保持具であって、マッサージガンを把持する前の全体を示す斜視図である。
【
図2】本実施形態に係るマッサージガン保持具であって、マッサージガンを把持した時の全体を示す斜視図である。
【
図3】本実施形態に係るマッサージガン保持具であって、マッサージガンを把持した時の全体を示す正面図である。
【
図4】本実施形態に係るマッサージガン保持具であって、マッサージガンを把持した時の全体を示す斜め下からの斜視図である。
【
図5】本実施形態に係るマッサージガン保持具であって、大型のマッサージガンを把持する前の全体を示す正面図である。
【
図6】本実施形態に係るマッサージガン保持具であって、大型のマッサージガンを把持した時の全体を示す正面図である。
【
図7】本実施形態に係るマッサージガン保持具であって、マッサージガンを把持する前の把持部の詳細を示した斜視図である。
【
図8】本実施形態に係るマッサージガン保持具であって、マッサージガンを把持した時の把持部の詳細を示した斜視図である。
【
図9】本実施形態に係るマッサージガン保持具であって、マッサージガンを把持し、重りを装着した時の全体を示す斜視図である。
【
図10】本実施形態に係るマッサージガン保持具であって、マッサージガンを把持し、重りを装着するための、ホルダーを備えた全体を示す斜視図である。
【
図11】本実施形態に係るマッサージガン保持具であって、マッサージガンを把持し、重りを装着して、使用者がうつ伏せになり使用している正面図である。直線矢印は、マッサージガン保持具への外力を示している。曲線の矢印は、鉛直保持部を外側に押し出した時に発生する回転モーメントを示している。
【
図12】本実施形態に係るマッサージガン保持具であって、マッサージガンを把持し、重りを装着して、使用者が椅子に座り、支点部位をテーブルに置いて使用している正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1及至
図6を参照しながら、実施形態に関わるマッサージガン保持具1について説明する。
【0021】
近年、マッサージガンの効果が認知され、多くのデザインのマッサージガンが販売されている。使いやすい重さや形状、バッテリーの持ち時間等の制約条件から、マッサージガンの形状や重さは、一定範囲内に収まってきた。
マッサージガンの形状や重さは、2つに大別できる。1つは、
図1の小型マッサージガン10、もう一つは、
図5の大型マッサージガン15である。
【0022】
マッサージガン保持具1は、使用者が脱力し、リラックスした状態でマッサージができるように、マッサージガン10の振動部11と支点部32がマッサージガン10と本マッサージガン保持具1に掛かる全重量を支持する。
その支点部32を支点に、マッサージガン保持具1はピボットする。また、支点部32は滑動する。それらにより、マッサージする位置を容易に変えることができる。
マッサージガン保持具1は、軽量で取り扱いやすくしてもよい。
また、把持部20によって、多種多様なデザインのマッサージガンが利用できる。
そして、患部筋肉の深部までマッサージ効果をだすために、脱力した腕や手を水平保持部30に載せて、腕や手の重量を利用したり、重り40を装着したりする。そのために、本マッサージガン保持具1は、所定の弾性と剛性と強度があるとよい。
本マッサージガン保持具1を構成する素材としては、所定の弾性と剛性と強度がある、例えば、合成樹脂、金属製、木・竹製であるとよい。
【0023】
そこで、本実施形態では、全体をパイプ状の構造による。
図1から
図4に示すように、小型マッサージガンの握り手部分をパイプ状の前記把持部に挿入し、緊締及びずれ防止固定具22で、2カ所を緊締し、ずれを防止する。緊締及びずれ防止固定具22は、簡単に取り付け、取り外しができる面ファスナーやベルト等によるとよい。
図5から
図6に示すように、大型マッサージガン15の握り手部分を挿入し、2カ所を緊締し、ずれを防止する。
マッサージガンと本マッサージ保持部が固着一体化したものでもよい。
【0024】
前記水平保持部がパイプ状の構造であるため、載荷用の重りをパイプ内部に設置することができる。前記把持部にある小型マッサージガン11の重量だけでは、前記振動部を押す力は小さい。
そこで、最低必要な重りを前記水平保持部内に設置し、最低必要以上の重りは、前記水平保持部の外側で調整してもよい。
【0025】
図7及至
図8を参照しながら、実施形態に関わるマッサージガン保持具1の把持部20について詳細に説明する。
小型マッサージガン10の握り手部分を把持部20に挿入すると、マッサージガン振動部ガイド12が、ずれ防止部位25で止まる。そして、小型マッサージガン10を把持する弾性体上部23とマッサージガンを把持する弾性体下部24で小型マッサージガン10の握り手部分を把持する。
【0026】
その後、緊締及びずれ防止固定具22で、弾性体上部23と弾性体下部24を緊締し、ずれを防止する。
【0027】
弾性体上部23及び弾性体下部24が把持する方向は、マッサージガン振動方向と直行方向であり、その方向に所定の弾性変形性能を有する。
そして、弾性体上部23及び弾性体下部24は、振動方向には、所定の剛性と強度を有する。
弾性体上部23及び弾性体下部24を構成する素材としては所定の弾性と剛性と強度がある、例えば、合成樹脂、金属製、木・竹製であるとよい。
【0028】
弾性体下部24は、弾性体上部23と連続しているが、スリットの位置とスリットの数が異なる。
豊富な形状のマッサージガンを、できるだけ多くの種類を把持できるようにするために、弾性体上部23は2つのスリットを備えているが、1以上であればよい。
弾性体下部24と、弾性体上部23とのスリットの位置の違いは、ずれ防止部位25を備えるためである。
【0029】
図9及至
図10を参照しながら、実施形態に関わるマッサージガン保持具の重り40及び重りを保持するホルダー41について説明する。
【0030】
一般に、マッサージガンを手に持ち、腕や手の重量を使ったり、押したりして、患部に振動部11を押し付けて、マッサージの強度を調整する。
マッサージガン保持具1では、把持部20近傍に重り40を、緊締及びずれ防止固定具41で緊締する。重り40の重量を増減することにより、そして、重り40を把持部の近くに配置したり遠くの垂直保持部31の近くに配置したりすることにより、患部に振動部11を押し付ける力を調整できる。
重りは、金属、金属版、砂鉄、砂、砂利、粘土、液体等であってもよい。
ベルト状の重りを巻き付けてもよい。
緊締及びずれ防止固定具41は、重り全体を包む大きなベルトや大きな面ファスナーであってもよい。また、幅広の輪ゴムのように弾性体で押さえつける素材で、例えば、合成樹脂、金属製であってもよい。
【0031】
図10は、重りの増減を容易にするために、重りを保持するホルダー42を備える。例えば、ペットボトルに砂等を入れて、その量を調整することにより、重量を調整する。本実施形態では、バランスをとるために、水平保持部30を中央線にして両側に重りが設置されている。
【0032】
水平保持部30のパイプの中に、重りを着脱可能で増減可能に設置してもよい。
一般的にマッサージガンの重量だけでは、マッサージ効果が低いので、一定の重りを、重り40の近傍のパイプの中に入れて置いてもよい。
また、支点部32は垂直保持部31と着脱可能で、載荷に使わない余分な重りを垂直保持部のパイプ内に収納してもよい。
【実施例0033】
図11及至
図12を参照しながら、実施形態に関わるマッサージガン保持具1の使用方法について説明する。
【0034】
図11は、使用者が脱力し、リラックスしたうつ伏せの状態で、支点部32を床の上に設置し、背中のマッサージをする場合である。
マッサージガン保持具の振動部11の振動方向が使用者の背中と概直交するように使用者の上体を置くには、振動部11と支点部32とは、振動方向に一定の高低差が必要である。
【0035】
図12は、使用者が脱力し、リラックスした座位の状態で、支点部32をテーブル上に設置し、肩のマッサージをする場合である。
マッサージガン10の振動部11の振動方向が使用者の肩と概直交するためには、振動部11と支点部32とは、振動方向に一定の高低差が必要である。
【0036】
前記高低差によって、使用者は自分の体を移動しやすい。また、支点部32を支点にしてマッサージガン保持具1を回転できる。
マッサージガン保持具1の支点部滑動、及び、回転、そして、使用者の体の移動により、患部を的確にマッサージできる。
【0037】
図11及至
図12を参照しながら、使用者の背中や肩に振動部11を押し付ける力の調整方法について説明する。
【0038】
重り40を増減させることにより、使用者の患部に振動部11を押し付ける力を調整できる。
【0039】
脱力し、リラックスした状態の、一方の手及び/若しくは腕101を保持部30に載せることにより、荷重94が増加し、使用者の患部に振動部11を押し付ける力が増大する。
保持部30に輪状の紐等を付け、脱力し、リラックスした状態の、一方の手及び/若しくは腕101を掛けてもよい。
【0040】
脱力し、リラックスした状態の、一方の手及び/若しくは腕101を保持部30に載せながら、振動部11を患部に押し付けると、マッサージガン保持具1は移動し辛い状態になる。
そして、振動部位11の振動方向と概直行方向に、他方の手102で、垂直保持部31を押し出す。すると、振動部11と支点部32との振動方向の高低差のために、垂直保持部31を押し出す力93により、保持部30の変曲点で曲げモーメント95が発生する。
その曲げモーメントにより、使用者の患部に振動部11を押し付ける力が増大する。支点部32を押し出す力93の強弱により、使用者の患部に振動部11を押し付ける力を調整できる。
【0041】
まとめると、(1)重り40の増減、(2)重り40の設置位置の移動、(3)一方の手及び/若しくは腕101の載荷加減、(4)支点部を押し出す力93により発生する曲げモーメント、これらの4つの方法のいろいろな組み合わせで、使用者の背中や肩へ振動部11を押し付ける力は、細かく調整できる。
その結果、本実施形態の使用者は、上体を脱力し、リラックした状態で、腕や手に、ほとんど力を入れることなく、肩や背中をマッサージすることができる。
【0042】
図11は、うつ伏せに寝た状態で背中のマッサージ例であり、
図12は、座位の状態で肩のマッサージ例である。
図では示していないが、座位の状態で背中をマッサージすることもできる。
この場合は、使用者の手によって、マッサージガン保持具1を支持するため、使用者の手や腕の脱力、リラックスは充分にはできない。
【0043】
その他に、収納しやすくするために、マッサージガン保持具1を折りたたむ機能を水平保持部30に付加することができる。
また、水平保持部30、若しくは、垂直保持部31は、着脱可能で、2つ以上に分割してもよい。
そして、把持部20のある水平保持部30の一部で、重り40を付けて、マッサージをしてもよい。
【0044】
また、使用者が触ることなく、本マッサージガン保持具1が自立するための構造を、垂直保持部31や支点部位32に設けてもよい。