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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000536
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】自動車
(51)【国際特許分類】
   B60L 7/24 20060101AFI20231225BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20231225BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20231225BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20231225BHJP
   B60T 8/17 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
B60L7/24 D
B60L15/20 S
B60L50/60
B60L58/12
B60T8/17 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023099976
(22)【出願日】2023-06-19
(31)【優先権主張番号】102022000012946
(32)【優先日】2022-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519463178
【氏名又は名称】フェラーリ エッセ.ピー.アー.
【氏名又は名称原語表記】FERRARI S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Emilia Est, 1163, 41100 MODENA, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メリンダ マイネン
(72)【発明者】
【氏名】ロレンツォ ラライア
(72)【発明者】
【氏名】フランチェスコ プレタゴスティーニ
【テーマコード(参考)】
3D246
5H125
【Fターム(参考)】
3D246AA01
3D246AA08
3D246DA01
3D246EA05
3D246GB39
3D246GC14
3D246HA02A
3D246HA08A
3D246HA28A
3D246HA32A
3D246HA81A
3D246HA93A
3D246HA98A
3D246HB01B
3D246HC01
3D246KA15
3D246LA02Z
5H125AA01
5H125AC12
5H125BA07
5H125BC12
5H125CA02
5H125CB02
5H125CB07
5H125EE27
5H125EE42
5H125EE44
5H125EE53
5H125EE57
5H125EE63
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自動車の複数の電気機械を制御する方法に関する。
【解決手段】制御ユニットVCUは、第1及び第2の車輪4、5と、第3及び第4の車輪2、3と、第1及び第2の車輪4、5に接続された第1および第2の可逆電気機械RL、RRと、第3及び第4の車輪2、3に接続された第3及び第4の可逆電気機械FL、FRと、バッテリ6に貯蔵可能な電力量(Lim Recharge VCU)及び、自動車の第1の動作パラメータFrMot後部右左スプリット、FrMot後部右左スプリットに基づいて、回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な電力値を算出する。また、第1~第4の電気機械RL、RR、FL、FRの第2のパラメータに関連付けられた回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な第1~第4の回生トルク値に基づき、車輪2~5に作用させる第1~第4の摩耗制動トルクを制御する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(1)であって、
-使用時に後方に配置される前記自動車(1)の第1の車軸(12)を形成する第1および第2の車輪(4、5)と、
-使用時に前方に配置される前記自動車(1)の第2の車軸(11)を形成する第3および第4の車輪(2,3)と、
-前記第1および第2の車輪(4、5)と可逆的且つ動作可能にそれぞれ接続された第1および第2の電気機械(RL、RR)と、
-可逆的であり、前記第3および第4の車輪(2、3)とそれぞれ動作可能に接続された第3および第4の電気機械(FL、FR)と、
-充電可能であり、前記第1、第2、第3および第4の電気機械(FL、FR、RL、RR)に電気的に接続された電源(6)と、を備え、
前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)のそれぞれが、前記第1、第2、第3および第4の車輪(4、5;2、3)にそれぞれ第1、第2、第3および第4の駆動トルクをそれぞれ及ぼすための電動機として、ならびに、前記第1、第2、第3および第4の車輪(4、5;2、3)のそれぞれの運動エネルギーの少なくとも一部を使用し、使用時に前記電源(6)を再充電する電流を生成するための発電機として、作動可能であり、
前記自動車(1)が、さらに、
-前記自動車(1)の加速を要求するために運転者によって作動可能な第1のアクセルコマンド(7)と、
-前記自動車(1)の減速を要求するために運転者によって作動可能な第2のブレーキコマンド(8)と、を備え、
前記第1のコマンド(7)の解放の場合に、
-ステップ3、7)前記第1のコマンド(7)が解除された場合に、前記電源(6)に依然として貯蔵可能な電力量(Lim Recharge VCU)と、前記自動車(1)の第1の動作パラメータ(FrMot後部右左のスプリット、FrMot後部右左のスプリット)とに基づいて、それぞれの前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)についてのエンジンブレーキの回生シミュレーションに利用可能な第1、第2、第3および第4の電力(EM RL用のFrMotに利用可能な電力、EM RR用のFrMotに利用可能な電力、EM FL用のFrMotに利用可能な電力、EM FR用のFrMotに利用可能な電力)の値を処理し、
-ステップ4、8)回生シミュレーションに利用可能な前記第1、第2、第3および第4の電力(EM RL用のFrMotに利用可能な電力、EM RR用のFrMotに利用可能な電力、EM FL用のFrMotに利用可能な電力、EM FR用のFrMotに利用可能な電力)を、それぞれの前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)に通信し、それぞれの前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)自体の第2のパラメータに関連付けられた前記エンジンブレーキの前記回生シミュレーションのための第1、第2、第3および第4の利用可能なトルク(EM RL用のFrMotに利用可能なトルク、EM RR用のFrMotに利用可能なトルク、EM FL用のFrMotに利用可能なトルク、EM FR用のFrMotに利用可能なトルク)のそれぞれの値を、前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)から受信し、
-ステップ5、9)それぞれの前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)についての前記エンジンブレーキの前記シミュレーションのために実装されるべき第1、第2、第3および第4のトルク(エンジンブレーキを介して回生されたRLトルク、エンジンブレーキを介して回生されるRRトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFRトルク)(エンジンブレーキを介して回生されたRLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたRRトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFRトルク)を処理する、ようにプログラムされる制御ユニット(VCU)を備え、
それぞれの前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)について実装されるべきそれぞれの前記第1、第2、第3および第4のトルク(エンジンブレーキを介して回生されたRLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたRRトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFRトルク)が、前記エンジンブレーキの前記回生シミュレーションのための第1、第2、第3および第4の利用可能なトルク(EM RL用のFrMotに利用可能なトルク、EM RR用のFrMotに利用可能なトルク、EM FL用のFrMotに利用可能なトルク、EM FR用のFrMotに利用可能なトルク)の対応する前記値に関連付けられる、ことを特徴とする、自動車。
【請求項2】
前記制御ユニット(VCU)が、
-前記エンジンブレーキの効果をシミュレートする目標トルク(Overbraking_TgtTq)と前記自動車の前進速度とを関連付けるテーブルを記憶し、
-それぞれの第1、第2、第3および第4の目標トルク(Overbraking_TgtTq*(1-FrMot後部右左のスプリット)*FrMot前後のスプリット;Overbraking_TgtTq*FrMot後部右左のSpスプリット*FrMot前後のスプリット;Overbraking_TgtTq*(1-FrMot後部右左のスプリット)*(1-FrMot前後のスプリット);Overbraking_TgtTq*(1-FrMot後部右左のスプリット)*FrMot前後のスプリット)を処理するように、前記目標トルク(Overbraking_TgtTq)を前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)にわたって分配し、
-ステップ5、9)それぞれの前記第1、第2、第3および第4の目標トルク(Overbraking_TgtTq*(1-FrMot後部右左のスプリット)*FrMot前後のスプリット;Overbraking_TgtTq*FrMot後部右左のスプリット*FrMot前後のスプリット;Overbraking_TgtTq*(1-FrMot後部右左のスプリット)*(1-FrMot前後のスプリット);Overbraking_TgtTq*(1-FrMot後部右左のスプリット)*FrMot前後のスプリット)の絶対値の間の最小値として実装されるように、前記第1、第2、第3および第4のトルクと、前記エンジンブレーキの前記回生シミュレーションのための対応する前記第1、第2、第3および第4の利用可能なトルク(EM RL用のFrMotに利用可能なトルク、EM RR用のFrMotに利用可能なトルク、EM FL用のFrMotに利用可能なトルク、EM FR用のFrMotに利用可能なトルク)とを処理する、ようにプログラムされる、ことを特徴とする、請求項1に記載の自動車。
【請求項3】
前記制御ユニット(VCU)が、
-実装されるべき前記第1、第2、第3および第4のトルク(エンジンブレーキを介して回生されたRLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたRRトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFRトルク)をそれぞれの前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)に通信し、
-ステップ6、10)前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)から、回生されるべきそれぞれの前記第1、第2、第3および第4の電力(EM RL用のエンジンブレーキを介して回生された電力、EM RR用のエンジンブレーキを介して回生された電力、EM FR用のエンジンブレーキを介して回生された電力、EM FR用のエンジンブレーキを介して回生された電力)を受信し、
-ステップ7)前記エンジンブレーキの前記回生シミュレーションのためにそれぞれの前記第1および第2の電気機械(FL、FR)によって回生された前記第1および第2の電力(EM RL用のエンジンブレーキを介して回生された電力、EM RR用のエンジンブレーキを介して回生された電力)の合計(エンジンブレーキを介して回生された後部電力)にも基づいて、前記第3および第4の電気機械(FL、FR)についての回生制動に利用可能な前記第3および第4の電力(EM FL用のFrMotに利用可能な電力、EM FR用のFrMotに利用可能な電力)の値を処理する、ようにプログラムされる、ことを特徴とする、請求項2に記載の自動車。
【請求項4】
前記制御ユニット(VCU)が、前記第2のコマンド(8)を作動させる場合に、
-前記エンジンブレーキの前記回生シミュレーションのために、前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)によって回生された前記第1、第2、第3および第4の電力の合計(エンジンブレーキを介して回生された電力)を処理し、
-ステップ11)前記エンジンブレーキの前記回生シミュレーションのために、前記自動車(1)の第3の動作パラメータ(制動F右左のスプリット)と、前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)によって回生された前記第1、第2、第3および第4の電力の前記合計(エンジンブレーキを介して回生された電力)の、前記電源(6)に依然として貯蔵可能な電力量(Lim Recharge VCU)とに基づいて、それぞれの前記第3および第4の電気機械(FL,FR)の回生制動のための第7および第8の利用可能な電力(EM FL用のFrRegに利用可能な電力、EM FR用のFrRegに利用可能な電力)の値を処理する、ようにプログラムされる、ことを特徴とする、請求項3に記載の自動車。
【請求項5】
前記制御ユニット(VCU)が、
-前記第3および第4の電気機械(FR、FL)によって実装される前記第3および第4の電力の合計(実装されたEM F電力)の電流値を受信し、
-ステップ14)前記エンジンブレーキの回生シミュレーションのために、前記第3および第4の電気機械(FR、FL)によって実装される前記第3および第4の電力の前記合計(実装されたEM F電力)の、ならびに前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)によって回生された前記第1、第2、第3および第4の電力の前記合計(エンジンブレーキを介して回生された電力)の、前記電源(6)に依然として貯蔵可能な電力量(Lim Recharge VCU)に基づいて、それぞれ前記第1、第2の電気機械(RL、RR)についての前記回生制動に利用可能な第5および第6の電力(EM RL用のFrRegに利用可能な電力、EM RR用のFrRegに利用可能な電力)の値を処理する、ようにプログラムされる、ことを特徴とする、請求項4に記載の自動車。
【請求項6】
前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)が、
-前記制御ユニット(VCU)から、入力時に、前記回生制動に利用可能な前記第5、第6、第7および第8の電力(EM RL用のFrMotに利用可能な電力、EM RR用のFrMotに利用可能な電力、EM FL用のFrRegに利用可能な電力、EM FR用のFrRegに利用可能な電力)をそれぞれ受信し、
-ステップ15)それぞれの前記第5および第6の電力(EM RL用のFrMotに利用可能な電力、EM RR用のFrMotに利用可能な電力)と、前記第1および第2の電気機械(RL、RR)の第2の動作パラメータとに基づいて、前記回生制動のための第1および第2の利用可能なトルク(EM RLに利用可能なFrRegトルク、EM RRに利用可能なFrRegトルク)を処理し、
-ステップ12)それぞれの前記第7および第8の電力(EM FL用のFrMotに利用可能な電力、EM FR用のFrMotに利用可能な電力)と、前記第3および第4の電気機械(FL、FR)の前記第2の動作パラメータとに基づいて、前記回生制動のための第3および第4の利用可能なトルク(EM FLに利用可能なFrRegトルク、EM FRに利用可能なFrRegトルク)を処理し、
-ステップ15の2)少なくとも前記電源(6)に依然として貯蔵可能な前記電力量(Lim Recharge VCU)と、前記第1および第2の電気機械(RL、RR)の角速度および電気機械効率とに基づいて、前記第1の車軸(12)についての第1の最大回生可能トルク(最大Regトルク後車軸)を処理し、
-ステップ12の2)少なくとも前記電源(6)に依然として貯蔵可能な前記電力量(Lim Recharge VCU)と、前記第3および第4の電気機械(FL、FR)の角速度および電気機械効率とに基づいて、前記第2の車軸(11)についての第2の最大回生可能トルク(最大Regトルク前車軸)を処理し、
-ステップ16)前記第1の車軸(12)についての第1の最大回生可能トルク(FrReg最大トルク×後部)を、
前記回生制動のための前記第1および第2の利用可能なトルクの合計(EM RLに利用可能なFrRegトルク、EM RRに利用可能なFrRegトルク)に等しい前記第1の車軸(12)についての前記回生制動のための前記第1の利用可能なトルク(EM後部に利用可能なFrRegトルク)の絶対値と、
前記エンジンブレーキの前記回生シミュレーションのために実装されるべき、前記第1の車軸(12)についての前記第1の車軸において回生される最大トルク(最大Regトルク後車軸)と、前記第1および第2のトルクの合計(エンジンブレーキを介して回生される後部トルク)との差との間の最小値として処理し、
-ステップ13)前記第2の車軸(11)についての第2の最大回生可能トルク(前車軸についての最大FrRegトルク)を、
前記回生制動のための前記第3および第4の利用可能なトルク(EM FLに利用可能なFrRegトルク、EM FRに利用可能なFrRegトルク)の合計に等しい前記第2の車軸(11)についての前記回生制動のための前記第2の利用可能なトルク(EM FRに利用可能なFrRegトルク)の絶対値と、
前記第2の車軸(11)についての前記回生制動のための前記第2の最大利用可能トルク(最大Regトルク前車軸)と、前記エンジンブレーキの前記回生シミュレーションのための前記第3および第4の回生トルクの合計(エンジンブレーキを介して回生された前部トルク)との差との間の最小値として処理する、ようにプログラムされる、ことを特徴とする、請求項5に記載の自動車。
【請求項7】
-前記第1、第2、第3および第4の車輪(4、5、2、3)に摩擦によって制動トルクを付与するように適合された制動装置(10)と、
-ブレーキ制御ユニット(IBP)であって、前記第2のコマンド(8)が起動された場合に、
-前記第1および第2の電気機械(RL、RR)による前記回生制動のための前記第1の最大回生可能トルク(最大Regトルク後車軸)と、前記第3および第4の電気機械(FL、FR)による前記回生制動のための前記第2の最大回生トルク(最大Regトルク前車軸)とを受信し、
-前記回生制動のための前記第1の最大回生可能トルク(最大Regトルク後車軸)に基づいて、それぞれの前記第1および第2の電気機械(RL、RR)についての前記回生制動のために実装される第5および第6のトルクを処理し、
-前記回生制動のための前記第2の最大回生可能トルク(最大Regトルク前車軸)に基づいて、それぞれの前記第3および第4の電気機械(FL、FR)についての前記回生制動のために実装される第7および第8のトルクを処理し、
-前記回生制動のために実装されるべき前記第5、第6、第7および第8のトルクを前記制御ユニット(VCU)に通信し、
-使用時に、前記第2のペダル(8)上の前記コマンドセットと、前記回生制動のために実装される前記第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7および第8のトルクの値とに基づいて、前記制動装置(7)についての制動トルク値を処理する、ようにプログラムされたブレーキ制御ユニットと、を備える、
ことを特徴とする、請求項6に記載の自動車。
【請求項8】
前記制御ユニット(VCU)が、
-前記第1の電気機械(FL)に、前記エンジンブレーキの前記シミュレーションのために実装されるべき前記第1のトルク(エンジンブレーキを介して回生されるRLトルク)と、前記回生制動のために実装されるべき第5のトルクとを合計させ、
-前記第2の電気機械(FR)に、前記エンジンブレーキの前記シミュレーションのために実装されるべき前記第2のトルク(エンジンブレーキを介して回生されるRRトルク)と、前記回生制動のために実装されるべき第6のトルクとを合計させ、
-前記第3の電気機械(RL)に、前記エンジンブレーキの前記シミュレーションのために実装されるべき前記第3のトルク(エンジンブレーキを介して回生されるRLトルク)と、前記回生制動のために実装されるべき前記第7のトルクとを合計させ、
-前記第4の電気機械(RR)に、前記エンジンブレーキの前記シミュレーションのために実装されるべき前記第4のトルク(エンジンブレーキを介して回生されるRRトルク)と、前記回生制動のために実装されるべき前記第8のトルクとを実装させる、ように指令するようにプログラムされる、ことを特徴とする、請求項7に記載の自動車。
【請求項9】
熱機関を有しないことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項10】
自動車(1)の第1、第2、第3および第4の可逆電気機械(RL、RR、FL、FR)を制御する方法であって、
i)使用時に後方に配置された前記自動車(1)の第1の車軸(12)を形成する前記自動車(1)の第1の車輪および第2の車輪(4、5)に第1および第2の電気機械(RL、RR)をそれぞれ動作可能に接続するステップと、
ii)使用時に前方に配置された前記自動車(1)の第2の車軸(11)を形成する前記自動車(1)の第3および第4の車輪(2、3)に第3および第4の電気機械(FL、FR)をそれぞれ動作可能に接続するステップと、
iii)前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)に電気的に接続された充電式電源(6)を電気的に接続するステップと、
iv)前記自動車(1)の第1のアクセルコマンド(7)を作動させる場合に、前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)のそれぞれを電動機として動作させ、前記第1、第2、第3および第4の車輪(4、5;2、3)に第1、第2、第3および第4の駆動トルクをそれぞれ及ぼすステップと、
v)前記自動車(1)の第2のブレーキコマンド(8)を作動させる場合に、前記第1、第2、第3および第4の電気機械(FL、FR、RL、RR)のそれぞれを発電機として動作させ、前記第1、第2、第3および第4の車輪(4、5;2、3)のそれぞれの運動エネルギーの少なくとも一部を使用し、使用時に前記電源(6)を再充電する電流を生成するステップと、を含み、
前記第1のコマンド(7)の解放の場合に、
-vi)前記第1のコマンド(7)が解除された場合に、前記電源(6)に依然として貯蔵可能な電力量(Lim Recharge VCU)と、前記自動車(1)の第1の動作パラメータ(FrMot後部右左のスプリット、FrMot後部右左のスプリット)とに基づいて、それぞれの前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)についてのエンジンブレーキの回生シミュレーションに利用可能な第1、第2、第3および第4の電力(EM RL用のFrMotに利用可能な電力、EM RR用のFrMotに利用可能な電力、EM FL用のFrMotに利用可能な電力、EM FR用のFrMotに利用可能な電力)の値を処理し(ステップ3、7)、
-vii)回生シミュレーションに利用可能な前記第1、第2、第3および第4の電力(EM RL用のFrMotに利用可能な電力、EM RR用のFrMotに利用可能な電力、EM FL用のFrMotに利用可能な電力、EM FR用のFrMotに利用可能な電力)を、それぞれの前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)に通信し、それぞれの前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)自体の第2のパラメータに関連付けられた前記エンジンブレーキの前記回生シミュレーションのための第1、第2、第3および第4の利用可能なトルク(EM RL用のFrMotに利用可能なトルク、EM RR用のFrMotに利用可能なトルク、EM FL用のFrMotに利用可能なトルク、EM FR用のFrMotに利用可能なトルク)のそれぞれの値を、前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)から受信し(ステップ4、8)、
-viii)それぞれの前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)についての前記エンジンブレーキの前記シミュレーションのために実装されるべき第1、第2、第3および第4のトルク(エンジンブレーキを介して回生されたRLトルク、エンジンブレーキを介して回生されるRRトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFRトルク)(エンジンブレーキを介して回生されたRLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたRRトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFRトルク)を処理する(ステップ5、9)、さらなるステップを含み、
それぞれの前記第1、第2、第3および第4の電気機械(RL、RR、FL、FR)について実装されるべきそれぞれの前記第1、第2、第3および第4のトルク(エンジンブレーキを介して回生されたRLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたRRトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFRトルク)が、前記エンジンブレーキの前記回生シミュレーションのための対応する前記第1、第2、第3および第4の利用可能なトルクの値(EM RL用のFrMotに利用可能なトルク、EM RR用のFrMotに利用可能なトルク、EM FL用のFrMotに利用可能なトルク、EM FR用のFrMotに利用可能なトルク)に関連付けられる、ことを特徴とする、方法。
【請求項11】
自動車(1)の制御ユニット(VCU)にロード可能であり、実行時に請求項10に記載の方法のステップを実装するように適合されたコンピュータ製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本特許出願は、2022年6月20日に出願されたイタリア特許出願第102022000012946号の優先権を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、自動車および自動車の複数の電気機械を制御する方法に関する。
【0003】
より詳細には、本発明は、専ら電気バッテリによって電力が供給される少なくとも2つの電動機を備え、熱機関を欠く駆動システムを有する自動車に関する。
【背景技術】
【0004】
前記駆動システムは、一般にバッテリ電動車両(BEV)として知られている。
【0005】
自動車であって、
-各車輪に関連付けられた複数の電気機械と、
-電気機械に電気的に接続された高電圧バッテリと、
-車輪に作用する制動トルクを発生させるために運転者によって操作されることができるブレーキペダルと、
-車輪に作用するトルクを増大させるために運転者によって操作されることができるアクセルペダルと、を備える、自動車が知られている。
【0006】
既知の自動車は、
-アクセルペダルおよび電気機械に動作可能に接続された制御ユニットと、
-車輪に作用する液圧制動トルクを発生させるために動作されることができ、ブレーキペダルに動作可能に接続された液圧制動システムと、
-制動システムを制御するように設計され、制御ユニットおよび制動システムに動作可能に接続された、「ブレーキバイワイヤ」種類の制動制御ユニットと、をさらに備える。
【0007】
電気機械は、既知の方法で可逆的であり、これは、電気機械が電動機および発電機の双方として動作することができることを意味する。
【0008】
アクセルペダルが操作されると、電気機械は、電動機として動作し、すなわち、電気機械は、バッテリによって電力供給され、車輪に作用するそれぞれのトルクを発生させる。
【0009】
それらが発電機として動作するとき、電気機械は、自動車の運動エネルギーの配分をバッテリに利用可能になる電流に変換する。
【0010】
前記電流は、高電圧電気バッテリを充電するか、または高電圧補助負荷に電力を供給し、業界において「回生制動」として一般的に知られていることを実行する。
【0011】
ブレーキペダルが操作されると、制動制御ユニットは、車輪に付与される制動トルク値を設定する。
【0012】
特に、制動制御ユニットは、制動トルクの第1の配分を発揮するように制動システムを動作させ、制御ユニットは、制動トルクの残りの第2の配分を発生するように発電機として電気機械を動作させる。
【0013】
アクセルペダルが解放されると、制御ユニットは、制動トルク値の全体を処理する。換言すれば、第1の配分はゼロであり、第2の配分は制動トルク全体に対応する。
【0014】
前記制動トルク値は、運転者の要求を満たす必要はないが、アクセルペダルの解放および熱機関の抗力に続いて熱機関を備えた自動車の車輪に対して通常発生される制動トルクをシミュレートする。
【0015】
換言すれば、前記制動トルクは、運転者がヒートエンジンを備えた従来の自動車によって有するであろう運転感覚と同様の運転感覚を運転者に提供することを目的として発生される。
【0016】
バッテリに依然として貯蔵可能な電力は、発電機として動作する電気機械によって発生される制動トルクの値を超える制限を構成する。
【0017】
このため、既知の解決策では、制動システムは、安全上の理由から、自動車の通常動作中に運転者によって通常要求される全ての制動トルクを供給することができるようにサイズ決めされる。
【0018】
換言すれば、制動システムは、「回生制動」の可能性がないか、または実質的に非常に小さいかのようなサイズにされる。
【0019】
業界では、自動車の各動作状態において電気機械によって発生される制動トルクの第2の配分を可能な限り増加させる強い必要性がある。
【0020】
これは、第1に、「回生制動」によって得られるバッテリの充電、およびその結果としての自動車の範囲を可能な限り増加させる目的で、例えば充電コンセントなどの自動車の外部の電源によってバッテリを充電する必要がない。
【0021】
第2に、制動トルクの第2の配分の増加は、運転者の同じ要求が与えられた場合に、従来の制動システムに要求される制動トルクの第1の配分の対応する減少を決定し、したがって、制動システムによって放散される熱エネルギーの最大量、および制動システム自体に影響を及ぼす摩耗現象の減少を可能にし、スペース、重量、およびメンテナンスコストの削減に関して明らかな利点がある。
【0022】
さらにまた、制動トルクの第2の配分は、前輪によって形成される前車軸と後輪によって形成される後車軸との間、および同じ前車軸/後車軸の2つの左車輪/右車輪の間の前記制動トルクの分配の所与のパラメータにしたがって増加されなければならない。
【0023】
最後に、最も重要な動的操作においても、高電圧バッテリおよび単一の電気機械の回生限界を順守する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明の目的は、上述した必要性のうちの少なくとも1つを満たすことができる自動車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
前述の目的は、請求項1に記載の自動車に関するものとして、本発明によって達成される。
【0026】
さらにまた、本発明は、請求項11に記載の自動車の複数の電気機械を制御する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明は、添付の図面を参照して、非限定的な例として提供される好ましい実施形態の以下の詳細な説明を精読することによって最もよく理解されるであろう。
図1】本発明にかかる自動車の斜視図である。
図2】より明確にするために部品を取り除いた図1の自動車の平面図である。
図3図1および図2の自動車のさらなる構成要素を概略的に示している。
図4図1および図2の自動車のさらなる構成要素を概略的に示している。
図5図4の動作ステップに使用される番号を説明している。
図6図3および図4の動作ステップにおいて使用される調整図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
添付の図面を参照すると、番号1は、自動車、特に電気自動車を示し、したがって、熱機関を欠いている。
【0029】
以下、「上部に」、「下部に」、「前部に」、「後部に」などのそれらに類似する表現は、自動車1の通常の前進状態を参照して使用される。
【0030】
さらにまた以下を定義することが可能である:
-使用時に水平であり、自動車1の通常の前進方向に平行である、自動車1と一体の長手方向軸X、
-使用時に水平であり、軸Xに直交する、車両1に一体化された横方向軸X、および
-使用時に軸X、Yに垂直であり且つ直交する、車両1に一体化された軸X。
【0031】
より詳細には、自動車1は、
-それぞれ、前車軸11を形成する一対の前輪2、3、左前輪および右前輪、
-それぞれ、後車軸12を形成する一対の後輪4、5、左後輪および右後輪、
-車輪2、3、4、5の少なくとも一部に制動トルクを加えるために運転者によって操作されることができるブレーキペダル7、および
-車輪2、3、4、5の少なくとも一部にトルクを加えるために運転者によって操作されることができるアクセルペダル8を備える。
【0032】
自動車1は、
-各車輪2、3に動作可能に接続された一対の電気機械FL、FR、および
-車輪4、5に動作可能に接続された一対の電気機械RL、RR、
-電気機械RL、RR、FL、FRおよび自動車1の補助システムに電気的に接続された電源、例えば高電圧バッテリ6、および
-バッテリ6、ペダル7、8、および電気機械RL、RR、FL、FRに動作可能に接続された制御ユニットVCU、をさらに備える。
【0033】
自動車1は、
-ペダル7、8および制御ユニットVCUに動作可能に接続された「ブレーキバイワイヤ」ブレーキ制御ユニットIPB、および
-ブレーキ制御ユニットIPBに動作可能に接続され、車輪2、3、4、5に作用する液圧制動トルクを発生させるようにブレーキ制御ユニットIPBによって制御されることができる制動システム10(図2に概略的にのみ示されている)をさらに備える。
【0034】
ブレーキ制御ユニットIPBは、車両1のある程度の安定性を確保するために、ペダル7の作動に続いて、またはペダル7が停止されているときに、制動システム10に液圧制動トルクを発生させる。
【0035】
制動システム10は、車輪2、3、4、5によって支持されたパッドおよびそれぞれのディスクによる摩擦を介した熱放散によって液圧制動トルクを発生させる。
【0036】
電気機械RL、RR、FL、FRは、可逆的であり、以下のように動作されることができる:
-ペダル8の作動時に、バッテリ6から電力を吸収し、車輪2、3、4、5に作用するトルクを発生させることができる電動機、
-ペダル7の作動時に、車輪2、3、4、5の運動エネルギーをバッテリ6に利用可能になる電流に変換することができる発電機。
【0037】
それらが発電機として使用される場合、電気機械RL、RR、FL、FRは、各車輪4、5、2、3に作用する電動制動トルクを発生させる。
【0038】
より具体的には、制御ユニットVCUは、発電機が、
-アクセルペダルの解放後に熱エンジンを有する自動車に典型的な「エンジンブレーキ」の模擬感覚を運転者に与えるために、運転者がペダル8を解放した場合に各車輪4、5、2、3に作用する電気制動トルクの各第1の配分に関連付けられた第1、第2、第3、および第4のトルク、および
-運転者によるペダル7の作動の場合に、それぞれの車輪2、3、4、5に作用する電気制動トルクのそれぞれの第2の配分に関連付けられた第5、第6、第7、および第8のトルク、を作動するときに動作される電気機械RL、RR、FL、FRを有するようにプログラムされる。
【0039】
以下では、運転者に「エンジンブレーキ」の模擬感覚を提供するために、電気機械RL、RR、FL、FRによって第1、第2、第3および第4のトルクの発生条件を、簡潔にするために、「回生エンジンブレーキシミュレーション」として示す。
【0040】
ペダル7に与えられたコマンドを少なくとも部分的に実行するために、電気機械RL、RR、FL、FRによる第5、第6、第7および第8のトルクの発生条件は、簡潔にするために、「回生制動」として示されている。
【0041】
制御ユニットVCUは、有利には、ペダル8が解放された場合に、
-バッテリ6に依然として貯蔵可能なLim Recharge VCUの電力量と、右左の後側EnBrスプリット、右左の後側EnBrスプリットの第1の動作パラメータとに基づいて、回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な第1、第2、第3および第4の電力の値である、それぞれの電気機械RL、RR、FL、FRについてのEM RL用のEnBrに利用可能な電力、EM RR用のEnBrに利用可能な電力、EM FL用のEnBrに利用可能な電力、EM FR用のEnBrに利用可能な電力を処理し、
-回生シミュレーションに利用可能な第1、第2、第3および第4の電力である、EM RL用のEnBrに利用可能な電力、EM RR用のEnBrに利用可能な電力、EM FL用のEnBrに利用可能な電力、EM FR用のEnBrに利用可能な電力を、それぞれの電気機械RL、RR、FL、FRに通信し、それぞれの電気機械RL、RR、FL、FR自体の第2のパラメータに関連付けられた回生エンジンブレーキシミュレーションのために第1、第2、第3、および第4の利用可能なトルクである、EM RL用のEnBrに利用可能なトルク、EM RR用のEnBrに利用可能なトルク、EM FL用のEnBrに利用可能なトルク、EM FR用のEnBrに利用可能なトルクのそれぞれの値を、前記第1、第2、第3、および第4の電気機械RL、RR、FL、FRから受信し、
-前記第1、第2、第3および第4の電気機械RL、RR、FL、FRのそれぞれについて、実装されるべき第1、第2、第3および第4のトルクである、エンジンブレーキを介して回生されたRLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたRRトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFRトルクを処理するようにプログラムされ、
第1、第2、第3、および第4の電気機械RL、RR、FL、FRのそれぞれについて、実装されるべき各第1、第2、第3および第4のトルクである、エンジンブレーキを介して回生されたRLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたRRトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFRトルクが、回生エンジンブレーキシミュレーションのために第1、第2、第3、および第4のトルクである、EM RL用のEnBrに利用可能なトルク、EM RR用のEnBrに利用可能なトルク、EM FL用のEnBrに利用可能なトルク、EM FR用のEnBrに利用可能なトルクの対応する利用可能な値に関連付けられる。
【0042】
回生エンジンブレーキシミュレーションの場合、制御ユニットVCUは、ブレーキ制御ユニットIPBから各電気機械RL、RR、FL、FRによって実装されるべき第1、第2、第3、および第4のトルクの値を自律的に処理することに留意されたい。
【0043】
以下により詳細に説明するように、制御ユニットVCUは、回生エンジンブレーキシミュレーションのために電気機械RL、RR、FL、FRによって回生された電力にも基づいて、それぞれの電気機械RL、RR、FL、FRによって回生制動のために回生されるべき第5、第6、第7、および第8のトルクの値を処理するようにプログラムされる。
【0044】
制御ユニットVCUは、ブレーキ制御ユニットIPBから、
-前後エンジンブレーキスプリットおよび左右エンジンブレーキスプリットのパラメータ、
-前後制動スプリット、左右F制動スプリットおよび左右R制動スプリットのパラメータ、を受信するようにプログラムされる。
【0045】
前後エンジンブレーキスプリットおよび左右エンジンブレーキスプリットのパラメータは、非限定的に、以下のサブパラメータに依存する:
-自動車1上で所望される軸Z周りのヨー運動量、
-自動車1の運転スタイル、
-軸Zに平行で各車輪2、3、4、5に作用する垂直荷重、および
-自動車1の安定性に影響を及ぼさない、車輪2、3、4、5に作用する最大制動トルク。
【0046】
前後制動スプリット、左右F制動スプリットおよび左右R制動スプリットのパラメータは、非限定的に、以下のサブパラメータに依存する:
-アスファルトグリップ条件、
-軸Zに平行で各車輪2、3、4、5に作用する垂直荷重、
-軸Yに平行な運転者によって要求される加速度、および
-軸Y上の長手方向加速度値に対する可能な制限。
【0047】
前後制動スプリットおよび左右制動スプリットのパラメータは、それらが依存する動作条件が変化するにつれて、経時的に動的に更新される。
【0048】
制御ユニットVCUは、そのメモリ(図6)内に、回生エンジンブレーキシミュレーションのための目標ブレーキトルク値に対応するパラメータOverbraking_TgtTqの値を自動車1の前進速度の値と関連付けるテーブルをさらに有する。
【0049】
さらにまた、制御ユニットVCUは、電気機械RL、RR、FL、FRによって現在回生されている電力の値をリアルタイムで受信する。
【0050】
ブレーキ制御ユニットIPBは、そのメモリ内に、自動車1の動作パラメータに経時的に動的に依存するパラメータ、左右前部RegBrスプリットおよび左右後部RegBrスプリットを有する。
【0051】
より詳細には、図3を参照すると、制御ユニットVCUは、ペダル8が停止されたという事実に対応する信号をペダル8から受信する。
【0052】
制御ユニットVCUは、バッテリ6に貯蔵されることができる電力の最大値に対応する値Lim Recharge HVBを入力としてさらに受信する(ステップ1)。
【0053】
制御ユニットVCUは、式(1)にしたがって回生されることができる最大電力に対応する値Lim Recharge VCUを処理するようにプログラムされる(ステップ2):
Lim Recharge HVB+Aux-buffer(1)、
式中、
-Lim Recharge HVBは、バッテリ6に貯蔵されることができる最大電力であり、
-Auxは、補助システムによって吸収される絶対値の電力であり、
-Bufferは、正の符号を有する安全値である。
【0054】
制御ユニットVCUは、以下の式(2)、(3)に基づいて、電気機械RL、RRについての回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な第1および第2の電力である、EM RL用のEnBrに利用可能な電力、EM RR用のEnBrに利用可能な電力の値を処理するようにプログラムされる(ステップ3):
電気機械RLについての回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な電力=Lim Recharge VCU*(1-右左後部EnBrスプリット)*前後EnBrスプリット(2)。
【0055】
電気機械RRについての回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な電力=
Lim Recharge VCU*右左後部EnBrスプリット*前後EnBrスプリット(3)
制御ユニットVCUは、
-ステップ(3)において計算された回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な第1および第2の電力のそれぞれの値を各電気機械RL、RRに通信し、
-前記第2のパラメータに基づいて処理された、回生エンジンブレーキシミュレーション(ステップ4)に利用可能な第1および第2のトルクのそれぞれの値を各電気機械RL、RRから受信する、ようにプログラムされる。
【0056】
前記第2のパラメータは、本明細書に示す特定の場合には、電気機械RL、RRの角速度、ならびに制御ユニットVCUによって通信される第1および第2の電力の車輪4、5に利用可能な機械的動力へのそれぞれの変換効率に対応する。
【0057】
回生エンジンブレーキシミュレーション(ステップ4)に利用可能な第1および第2のトルクの値は、それぞれの角速度センサを備え、それらのメモリに変換効率のそれぞれの値を有するそれぞれの電気機械RR、RLによって処理されることに留意されたい。
【0058】
制御ユニットは、式(4)、(5)にしたがって、電気機械RL、RRによって回生エンジンブレーキシミュレーションのために回生された第1および第2のトルクの値を処理するようにさらにプログラムされる(ステップ5):
電気機械RLによる回生エンジンブレーキシミュレーションのために回生された第1のトルク=MIN(Overbraking_TgtTq*前後EnBrスプリット*(1-右左後部EnBrスプリット));電気機械RLについての回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な第1のトルク(4)。
【0059】
電気機械RRによる回生エンジンブレーキシミュレーションのために回生された第2のトルク=MIN(Overbraking_TgtTq*前後EnBrスプリット*右左後部EnBrスプリット);電気機械RLについての回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な第1のトルク(5)。
【0060】
式(4)および式(5)では、全ての値が絶対値で示されている。
【0061】
換言すれば、制御ユニットVCUは、電気機械RL、RRによって回生されるべき第1および第2のトルクとして、それらが自動車1の前進速度の現在値について制御ユニットVCUに記憶された目標値よりも低く、前後EnBrスプリット*(1-右左後部EnBrスプリット)の係数に基づいて車輪2、3、4、5の間で分割される場合、電気機械RL、RRに利用可能な第1および第2のトルクを処理するようにプログラムされる。
【0062】
制御ユニットVCUは、電気機械RL、RRによる回生エンジンブレーキシミュレーションのために回生された第1および第2のトルクの前述の値を電気機械RL、RR自体に通信するようにさらにプログラムされる。
【0063】
電気機械RL、RRは、電気機械RL、RRによる回生エンジンブレーキシミュレーションのために回生されたトルクの前述の値である、電気機械RL、RRの角速度、および電気機械RL、RRの変換効率に基づいて、回生エンジンブレーキシミュレーションのために回生された第1および第2の電力の値を計算し、制御ユニットVCUに通信するようにプログラムされる(ステップ6)。
【0064】
制御ユニットVCUは、ステップ6において計算された電気機械RR、RLについての回生エンジンブレーキシミュレーションのために回生された第1および第2の電力の値の合計に基づいて、電気機械FR、FLについての回生エンジンブレーキシミュレーションのために利用可能な第3および第4の電力の値を処理するようにさらにプログラムされる(ステップ7)。
【0065】
本明細書に示す特定の場合には、制御ユニットVCUは、以下の式によって、電気機械FR、FLについての回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な第3および第4の電力の値を処理するようにプログラムされる:
-電気機械FRについての回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な第3の電力=(Lim Recharge VCU-回生エンジンブレーキシミュレーションのために機械RR、RLによって回生された第1および第2の電力の合計)*右左前部EnBrスプリット)(6)、および
-電気機械FLについての回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な第4の電力=(Lim Recharge VCU-回生エンジンブレーキシミュレーションのために機械RR、RLによって回生された第1および第2の電力の合計)*(1-右左前部EnBrスプリット)(7)。
【0066】
制御ユニットVCUは、
-ステップ(7)において計算された回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な第3および第4の電力のそれぞれの値を各電気機械FR、FLに通信し、
-各電気機械FR、FLから、電気機械FR、FLの角速度およびそれぞれの変換効率に基づいて処理された、回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な第3および第4のトルクのそれぞれの値を受信する(ステップ8)、ようにさらにプログラムされる。
【0067】
制御ユニットは、以下の式にしたがって、電気機械FR、FLによって回生エンジンブレーキシミュレーションのために回生された第3および第4のトルクの値を処理するようにさらにプログラムされる(ステップ9):
電気機械FRによる回生エンジンブレーキシミュレーションのために回生された第3のトルク=
MIN(Overbraking_TgtTq×(1-前後EnBrスプリット)*右左前部EnBrスプリット、電気機械FRについての回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な第3のトルク)(10)、
電気機械FLによる回生エンジンブレーキシミュレーションのために回生された第4のトルク=
MIN(Overbraking_TgtTq*前後EnBrスプリット*(1-右左後部EnBrスプリット)、電気機械RLについての回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な第4のトルク);(11)。
【0068】
電気機械FL、FRは、電気機械FR、FLによって回生エンジンブレーキシミュレーションのために回生された第3および第4のトルクの前述の値と、第2のパラメータに基づいて、本明細書に示す特定の場合には電気機械FR、FLの角速度および変換効率において、回生エンジンブレーキシミュレーションのために回生された第3および第4の電力の値を計算し、制御ユニットVCUに通信するようにプログラムされる(ステップ10)。
【0069】
電気機械RL、RR、FL、FRによって回生エンジンブレーキシミュレーションのために回生された前述の第1、第2、第3および第4のトルクは、回生エンジンブレーキシミュレーションのために実装されるべき第1、第2、第3および第4のトルクにそれぞれ対応する。
【0070】
ステップ(7)~(10)は、ステップ(3)~(6)と同時に実行されることに留意されたい。
【0071】
制御ユニットVCUは、電気機械RL、RR、FL、FRの回生制動に利用可能な第5、第6、第7、および第8の電力の値を処理するようにさらにプログラムされる。
【0072】
より具体的には、制御ユニットVCUは、以下の式に基づいて、電気機械FL、FRの回生制動に利用可能な第5および第6の電力の値を処理するようにプログラムされる(ステップ11):
電気機械FRについての回生制動に利用可能な第6の電力=
(Lim Recharge VCU-回生エンジンブレーキシミュレーションのために回生された第1、第2、第3、および第4の電力の合計)*右左制動スプリット)*前後制動スプリット(12);および
電気機械FLについての回生制動に利用可能な第5の電力=
(Lim Recharge VCU-回生エンジンブレーキシミュレーションのために回生された第1、第2、第3、および第4の電力の合計)*(1-右左F制動スプリット)*前後制動スプリット(13)。
【0073】
制御ユニットVCUは、
-回生制動に利用可能な第5および第6の電力のそれぞれの値を電気機械FL、FRに通信し、
-電気機械FL、FRから、回生制動に利用可能な第5および第6のトルクのそれぞれの値を受信する(ステップ12)、ようにさらにプログラムされる。
【0074】
さらにまた、電気機械FR、FLは、それぞれの利用可能な最大トルクの値を制御ユニットVCUに通信し、制御ユニットVCUは、以下の式にしたがって、前車軸11についての回生制動のための最大トルクを処理するようにプログラムされる(ステップ12の2):
前車軸11についての回生制動可能な最大トルク=(Lim recharge VCU/電気機械FRの変換効率/電気機械FRの角速度)+(Lim recharge VCU/電気機械FLの変換効率/電気機械FLの角速度)(14)。
【0075】
制御ユニットVCUは、電気機械FL、FRについての回生制動に利用可能な第5のトルクおよび第6のトルクの合計を処理するようにプログラムされる。
【0076】
制御ユニットVCUは、前車軸11についての回生制動に利用可能なトルクの最大値を計算してブレーキ制御ユニットIPBに通信するようにプログラムされる(ステップ13)。
【0077】
特に、前車軸11についての回生制動に利用可能なトルクの前記最大値は、以下の式によって計算される:
前車軸11についての回生制動に利用可能なトルクの最大値=
MIN(電気機械FL、FRについての回生制動に利用可能な第5のトルクおよび第6のトルクの合計;前車軸11についての回生制動に利用可能な最大トルク-電気機械FL、FRについての回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な第3のトルクおよび第4のトルクの合計)。
【0078】
制御ユニットVCUは、以下の式(15)および(16)に基づいて、電気機械RL、RRについての回生制動に利用可能な第7および第8の電力の値を処理するようにさらにプログラムされ、括弧内の値は、絶対値で考慮されなければならない(ステップ14);
電気機械RRについての回生制動に利用可能な第8の電力=
(Lim Recharge VCU-電気機械FL、FRによって現在回生されている電力値-回生エンジンブレーキシミュレーションのために回生された第1および第2の電力の合計)*右左後部制動スプリット*(15);および
電気機械RLについての回生制動に利用可能な第7の電力=
(Lim Recharge VCU-電気機械FL、FRによって現在回生されている電力値-回生エンジンブレーキシミュレーションのために回生された第1および第2の電力の合計)*(1-右左R制動スプリット)(16)。
【0079】
制御ユニットVCUは、
-回生制動に利用可能な第7および第8の電力のそれぞれの値を電気機械RL、RRに通信し、
-電気機械RL、RRから、回生制動に利用可能な第7および第8のトルクのそれぞれの値を受信する(ステップ15)、ようにさらにプログラムされる。
【0080】
電気機械RL、RRは、後車軸12についての回生制動に利用可能な最大トルクの値をさらに通信する(ステップ15の2)。
【0081】
制御ユニットVCUは、電気機械RL、RRについての回生制動に利用可能な第7および第8のトルクの合計を処理するようにプログラムされる。
【0082】
特に、後車軸12についての回生制動に利用可能なトルクの前記最大値は、以下の式によって制御ユニットVCUによって計算される:
後車軸12についての回生制動可能な最大トルク=(Lim recharge VCU/電気機械RRの変換効率/電気機械RRの角速度)+(Lim recharge VCU/電気機械RLの変換効率/電気機械RLの角速度)(17)。
【0083】
制御ユニットVCUは、後車軸12についての回生制動に利用可能なトルクの最大値を計算し、ブレーキ制御ユニットIPBに通信するようにさらにプログラムされる(ステップ16)。
【0084】
後車軸12についての回生制動に利用可能なトルクの最大値=
MIN(後車軸12についての回生制動に利用可能なトルク;後車軸12についての回生制動に利用可能な最大トルク-回生エンジンブレーキシミュレーションのために後車軸12で回生された第1および第2のトルクの合計)(18)。
【0085】
ブレーキ制御ユニットIBPは、
-ステップ13)において計算された前車軸11についての回生制動に利用可能なトルクの最大値に基づく電気機械FL、FRについての回生制動のために回生される第5および第6のトルクの値と、左右前部スプリット係数に対応する第3のパラメータ、および
-ステップ16)において計算された後車軸12についての回生制動に利用可能なトルクの最大値に基づく電気機械RR、RLについての回生制動のために回生された第7および第8のトルクの値と、左右後部スプリット係数に対応する第4のパラメータを処理し、
-第5、第6、第7、および第8の回生トルクの前記値を制御ユニットVCUに通信する、ようにプログラムされる。
【0086】
制御ユニットVCUは、
-電気機械RLに、回生エンジンブレーキシミュレーションのために実装されるべき第1のトルクおよび第5の回生トルクの合計に対応する第1の電気トルクを実装させ、車輪4に対応する制動トルクを加えさせ、
-電気機械RRに、回生エンジンブレーキシミュレーションのために実装されるべき第2のトルクおよび第6の回生トルクの合計に対応する第2の電気トルクを実装させ、車輪5に対応する制動トルクを加えさせ、
-電気機械FRに、回生シミュレーションのために実装されるべき第3のトルクおよび第7の回生トルクの合計に対応する第3の電気トルクを実装させ、車輪2に対応する制動トルクを加えさせ、
-電気機械RRに、回生シミュレーションのために実装されるべき第4のトルクおよび第8の回生トルクの合計に対応する第4の電気トルクを実装させ、車輪3に対応する制動トルクを加えさせる、ようにプログラムされる。
【0087】
第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8の電気トルクの合計は、電気制動トルクに対応する。
【0088】
ブレーキ制御ユニットIPBは、制動システム10に、ペダル7によって運転者によって要求されたブレーキトルクと、ブレーキ制御ユニットIPBによって要求された回生制動のために回生された第5、第6、第7、および第8のトルクの合計との差に対応するブレーキトルクを発生させるようにプログラムされる。
【0089】
換言すれば、ブレーキ制御ユニットIPBは、回生制動によっては得ることができない、運転者によって要求された制動トルクの量を補う。
【0090】
以下、運転者が車輪2、3、4、5に供給されるべき所望のトルク値を要求するためにペダル8を作動させる動作状態から始まる自動車1の動作について説明する。
【0091】
この状態では、バッテリ6は、対応する車輪4、5、2、3に作用するそれぞれのトルクを発生させる電気機械RL、RR、FL、FRに電力を供給する。
【0092】
運転者がペダル8を解放した場合、電子制御ユニットVCUは、上述したステップ1~10)を実行する。
【0093】
前述のステップ1~10)の終わりに、制御ユニットVCUは、各電気機械RL、RR、FL、FRのエンジンブレーキシミュレーションのために回生された第1、第2、第3および第4のトルクの値を処理している。
【0094】
運転者がまたペダル7を作動させる場合、制御ユニットVCUは、上述したステップ11~17)を実行し、ブレーキ制御ユニットIPBは、各電気機械RL、RR、FL、FRについての回生制動のために回生された第5、第6、第7、および第8のトルクの値を制御ユニットVCUに通信する。
【0095】
この時点で、制御ユニットVCUは、
-電気機械RLに、回生エンジンブレーキシミュレーションのために実装されるべき第1のトルクおよび第5の回生トルクの合計に対応する第1の電気トルクを実装させ、車輪4に対応する制動トルクを加えさせ、
-電気機械RRに、回生エンジンブレーキシミュレーションのために実装されるべき第2のトルクおよび第6の回生トルクの合計に対応する第2の電気トルクを実装させ、車輪5に対応する制動トルクを加えさせ、
-電気機械FRに、回生シミュレーションのために実装されるべき第3のトルクおよび第7の回生トルクの合計に対応する第3の電気トルクを実装させ、車輪2に対応する制動トルクを加えさせ、
-電気機械RRに、回生シミュレーションのために実装されるべき第4のトルクおよび第8の回生トルクの合計に対応する第4の電気トルクを実装させ、車輪3に対応する制動トルクを加えさせる。
【0096】
第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8の電気トルクの合計は、電気制動トルクに対応する。
【0097】
最後に、ブレーキ制御ユニットIPBは、制動システム10に、ペダル7によって運転者によって要求されたブレーキトルクと、ブレーキ制御ユニットIPBによって要求された回生制動のために回生された第5、第6、第7、および第8のトルクの合計との差に対応するブレーキトルクを発生させる。
【0098】
上記の開示は、本発明によって得ることができる明らかな利点を明らかにする。
【0099】
より詳細には、制御ユニットVCUは、ペダル8が解放された場合に、
-バッテリ6に依然として貯蔵可能なLim Recharge VCUの電力量と、右左の後側EnBrスプリット、右左の後側EnBrスプリットの第1の動作パラメータとに基づいて、回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な第1、第2、第3および第4の電力の値である、それぞれの電気機械RL、RR、FL、FRについてのEM RL用のEnBrに利用可能な電力、EM RR用のEnBrに利用可能な電力、EM FL用のEnBrに利用可能な電力、EM FR用のEnBrに利用可能な電力を処理し、
-回生シミュレーションに利用可能な第1、第2、第3および第4の電力である、EM RL用のEnBrに利用可能な電力、EM RR用のEnBrに利用可能な電力、EM FL用のEnBrに利用可能な電力、EM FR用のEnBrに利用可能な電力を、それぞれの電気機械RL、RR、FL、FRに通信し、それぞれの電気機械RL、RR、FL、FR自体の第2のパラメータに関連付けられた回生エンジンブレーキシミュレーションのために第1、第2、第3、および第4の利用可能なトルクである、EM RL用のEnBrに利用可能なトルク、EM RR用のEnBrに利用可能なトルク、EM FL用のEnBrに利用可能なトルク、EM FR用のEnBrに利用可能なトルクのそれぞれの値を、前記第1、第2、第3、および第4の電気機械RL、RR、FL、FRから受信し、
-前記第1、第2、第3および第4の電気機械RL、RR、FL、FRのそれぞれについて、実装されるべき第1、第2、第3および第4のトルクである、エンジンブレーキを介して回生されたRLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたRRトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFRトルクを処理するようにプログラムされる。
【0100】
このようにして、ペダル8の解放後の回生エンジンブレーキシミュレーションの場合、実装されるべき第1、第2、第3および第4のトルクである、エンジンブレーキを介して回生されたRLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたRRトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFLトルク、エンジンブレーキを介して回生されたFRトルクは、依然としてバッテリ6に貯蔵可能な実際の電力量Lim Recharge VCUに基づいて、係数右左後部EnBrスプリット、右左後部EnBrスプリットによって表される車輪4、5、2、3への電力の分割のための所望の動的特徴に基づいて、および電気機械RL、RR、FL、FRの変換効率および回転数に基づいて処理される。
【0101】
これにより、ペダル8の解放後のエンジンブレーキ効果の回生シミュレーションの場合には、バッテリ6ならびに電気機械RL、RR、FL、FRの限界を考慮して、バッテリ6において回生される電力量、ひいては第1、第2、第3および第4の実装される電気トルクの値が最大化されることができる。
【0102】
結果として、一方では、電動機として動作する電気機械RL、RR、FL、FRに利用可能にされるべき電力量を最大化することが可能であり、他方では、制動システム10から除去されるべき熱量ならびに制動システム10に影響を及ぼす摩耗現象を低減することが可能である。
【0103】
同様に、ブレーキペダル7の作動の場合、ブレーキ制御ユニットは、前後制動スプリット、右左F制動スプリット、右左R制動スプリットによって表される車輪4、5、2、3への電力の分割のための所望の動的特徴に基づいて、および回生エンジンブレーキシミュレーションのために現在実装されている電力に基づいて、バッテリ6に依然として貯蔵可能な実際の電力Lim Recharge VCUに基づいて電気機械RL、RR、FL、FRについて実装されるべき第5、第6、第7、第8のトルクを処理する。
【0104】
したがって、ブレーキペダル7の作動の場合に電気機械RL、RR、FL、FRについて実装される第5、第6、第7、第8のトルクの前記値はまた、バッテリ6に依然として貯蔵可能な電力、および電気機械RL、RR、FL、FRの特徴、ならびにペダル7の作動の場合に自動車1の所望の動的特徴にしたがって処理される。
【0105】
これは、さらに、電動機として動作する電気機械RL、RR、FL、FRに利用可能な電力量を最大化するのに役立つ。
【0106】
これは、ペダル7の作動の場合であっても、制動トルクの低減、したがって、制動システム10によって放散されなければならない熱量の低減、および制動システム10に影響を及ぼす摩耗効果の低減をもたらす。
【0107】
最後に、制御ユニットVCUは、回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な電力の第3および第4の値である、回生エンジンブレーキシミュレーションのために車軸12で回生された電力に基づいて、車軸11に作用する電気機械FL、FRについてのEM FL用のEnBrに利用可能な電力、EM FR用のEnBrに利用可能な電力を処理するようにプログラムされる。
【0108】
換言すれば、ペダル8の解放の場合、制御ユニットVCUは、回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な電力の第1および第2の値である、EM RL用のEnBrに利用可能な電力、前述の回生エンジンブレーキシミュレーションに利用可能な電力の第3および第4の値に対して優先的に車軸12上で動作する電気機械FL、FRについてのEM RR用のEnBrに利用可能な電力、EM FL用のEnBrに利用可能な電力、車軸11上で動作する電気機械FL、FRについてのEM FR用のEnBrに利用可能な電力を処理する。
【0109】
反対に、ペダル7の作動の場合、制御ユニットVCUは、回生制動電力に利用可能な電力の第5および第6の値である、車軸11で現在実装されている電力に基づいて、車軸12に作用する電気機械RL、RRについてのEM RL用のRegBrに利用可能な電力、EM RR用のRegBrに利用可能な電力を処理するようにプログラムされる。
【0110】
換言すれば、ペダル7の作動の場合、制御ユニットVCUは、回生制動について利用可能な電力の前述の第5および第6の値である、軸12上で動作する電気機械RL、RRについてのEM RL用のRegBrに利用可能な電力、EM RR用のRegBrに利用可能な電力と比較して優先的に、回生制動電力に利用可能な電力の第7および第8の値である、軸11上で動作する電気機械FL、FRについてのEM FL用のRegBrに利用可能な電力、EM FR用のRegBrに利用可能な電力を処理する。
【0111】
したがって、前述の第1の電力、第2の電力、第3の電力、第4の電力、第5の電力、第6の電力、第7の電力および第8の電力は、ペダル8の解放またはペダル7の作動の場合の自動車の通常の挙動により密着するように、車輪4、5、2、3の間で分割されることができる。
【0112】
最後に、本発明にかかる自動車1および電気機械制御方法は、明らかに、添付の特許請求の範囲に記載された保護の範囲を超えない変更および変形を受けることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】