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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005361
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】ヒータ、および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/10 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
H05B3/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105518
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】大橋 剛
【テーマコード(参考)】
3K092
【Fターム(参考)】
3K092PP18
3K092QA03
3K092QB02
3K092QB62
3K092QC25
3K092RE03
3K092VV36
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基部の材料を金属としても、ヒータに反りが発生するのを抑制することができるヒータ、および画像形成装置を提供することである。
【解決手段】実施形態に係るヒータ1は、板状を呈し、第1の方向に延びる第1の部分10aと、板状を呈し、前記第1の方向に延び、前記第1の部分の、前記第1の方向と直交する第2の方向の一方の端部と交差する第2の部分10bと、を有し、金属を含む基部10と、前記第1の部分に設けられた第1の絶縁層11と、前記第1の絶縁層の上に設けられ、前記第1の方向に延びる第1の発熱体20と、前記第1の発熱体を覆う第1の保護部40と、を具備している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状を呈し、第1の方向に延びる第1の部分と、板状を呈し、前記第1の方向に延び、前記第1の部分の、前記第1の方向と直交する第2の方向の一方の端部と交差する第2の部分と、を有し、金属を含む基部と;
前記第1の部分に設けられた第1の絶縁層と;
前記第1の絶縁層の上に設けられ、前記第1の方向に延びる第1の発熱体と;
前記第1の発熱体を覆う第1の保護部と;
を具備したヒータ。
【請求項2】
前記第2の部分に設けられた第2の絶縁層と;
前記第2の絶縁層の上に設けられ、前記第1の方向に延びる第2の発熱体と;
前記第2の発熱体を覆う第2の保護部と;
をさらに具備した請求項1記載のヒータ。
【請求項3】
前記基部は、板状を呈し、前記第1の方向に延び、前記第1の部分の、前記第1の方向と直交する第2の方向の他方の端部と交差し、前記第2の部分と対向する第3の部分をさらに有する請求項1または2に記載のヒータ。
【請求項4】
前記基部は、板状を呈し、前記第1の方向に延び、前記第2の部分の、前記第1の部分側とは反対側の端部と交差し、前記第1の部分と対向する第4の部分をさらに有する請求項1または2に記載のヒータ。
【請求項5】
請求項1記載のヒータを具備した画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ヒータ、および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタなどの画像形成装置には、トナーを定着させるためのヒータが設けられている。一般的に、この様なヒータは、長尺の板状の基部と、基部の一方の面に設けられ、基部の長手方向に延びる発熱体と、発熱体を覆う保護部と、を有している。
【0003】
基部は、耐熱性および絶縁性を有し、熱伝導率の高い材料から形成される。基部は、例えば、酸化アルミニウムなどのセラミックスから形成される。また、基部は、例えば、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものとされる場合もある。
保護部は、耐熱性および絶縁性を有し、熱伝導率が高く、化学的安定性の高い材料から形成される。例えば、保護部は、セラミックス、ガラスなどから形成される。
【0004】
ここで、基部の材料を金属とすれば、基部の剛性の向上や、製造コストの低減などを図ることができる。ところが、基部の材料を金属とすれば、基部の材料と、保護部の材料とが異なるものとなるので、材料の熱膨張率の差に起因して熱応力が発生する。熱応力が発生すると、ヒータに反りが発生し易くなる。またさらに、金属の熱膨張率は、セラミックスなどの熱膨張率に比べて高いので、熱応力が大きくなり易い。熱応力が大きくなると、ヒータの反りが大きくなる。
【0005】
ヒータの反りが大きくなると、ヒータと加熱対象物との間の距離がばらついて、加熱対象物に加熱ムラが生じるおそれがある。
そこで、基部の材料を金属としても、ヒータに反りが発生するのを抑制することができる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-240606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、基部の材料を金属としても、ヒータに反りが発生するのを抑制することができるヒータ、および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係るヒータは、板状を呈し、第1の方向に延びる第1の部分と、板状を呈し、前記第1の方向に延び、前記第1の部分の、前記第1の方向と直交する第2の方向の一方の端部と交差する第2の部分と、を有し、金属を含む基部と;前記第1の部分に設けられた第1の絶縁層と;前記第1の絶縁層の上に設けられ、前記第1の方向に延びる第1の発熱体と;前記第1の発熱体を覆う第1の保護部と;を具備している。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、基部の材料を金属としても、ヒータに反りが発生するのを抑制することができるヒータ、および画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態に係るヒータを例示するための模式斜視図である。
図2】基部を例示するための模式斜視図である。
図3】他の実施形態に係るヒータを例示するための模式斜視図である。
図4】他の実施形態に係るヒータを例示するための模式斜視図である。
図5】基部を例示するための模式斜視図である。
図6】他の実施形態に係るヒータを例示するための模式斜視図である。
図7】他の実施形態に係るヒータを例示するための模式斜視図である。
図8】基部を例示するための模式斜視図である。
図9】他の実施形態に係るヒータを例示するための模式斜視図である。
図10】本実施の形態に係る画像形成装置を例示するための模式図である。
図11】定着部を例示するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。また、各図面中の矢印X、Y、Zは互いに直交する三方向を表している。例えば、基部の第1の部分の長手方向をX方向(第1の方向の一例に相当する)、基部の第1の部分の短手方向(幅方向)をY方向(第2の方向の一例に相当する)、基部の第1の部分の面に垂直な方向をZ方向としている。
【0012】
(ヒータ)
図1は、本実施の形態に係るヒータ1を例示するための模式斜視図である。
図2は、基部10を例示するための模式斜視図である。
図1、および図2に示すように、ヒータ1は、例えば、基部10、絶縁層11、発熱体20(第1の発熱体の一例に相当する)、配線部30、および保護部40を有する。
【0013】
基部10は、第1の部分10a、および第2の部分10bを有する。第2の部分10bは、第1の部分10aの、Y方向の一方の端部と交差している。第2の部分10bは、第1の部分10aと接続されている。例えば、第2の部分10bのZ方向における一方の端部は、第1の部分10aの、Y方向の一方の端部と接続されている。例えば、第1の部分10a、および第2の部分10bは、一体に形成することができる。第1の部分10a、および第2の部分10bは、例えば、折り曲げ加工などの塑性加工により形成することもできるし、引き抜き加工などにより形成することもできる。
【0014】
第1の部分10a、および第2の部分10bは、板状を呈し、X方向に延びる形状を有している。第1の部分10aの面10a1に垂直な方向から見た第1の部分10aの形状は、例えば、長尺状の長方形である。第2の部分10bの面10b1に垂直な方向から見た第2の部分10bの形状は、例えば、長尺状の長方形である。
【0015】
第2の部分10bの厚みは、第1の部分10aの厚みと同じとすることもできるし、異なるものとすることもできる。第1の部分10aの厚み、および第2の部分10bの厚みは、例えば、0.5mm~1.0mm程度である。
X方向における、第2の部分10bの寸法は、X方向における、第1の部分10aの寸法と同じとすることもできるし、異なるものとすることもできる。
Z方向における、第2の部分10bの寸法は、Y方向における、第1の部分10aの寸法と同じとすることもできるし、異なるものとすることもできる。
第1の部分10aの寸法、および第2の部分10bの寸法は、加熱対象物(例えば、紙)の大きさなどに応じて適宜変更することができる。
【0016】
第1の部分10aと、第2の部分10bとの間の角度には、特に限定がない。例えば、図1、および図2に示すように、第1の部分10aと、第2の部分10bとの間の角度は、90°とすることができる。
【0017】
基部10は、耐熱性を有し、熱伝導率の高い材料から形成される。基部10は、例えば、ステンレスやアルミニウム合金などの金属から形成することができる。金属の熱伝導率は、セラミックスなどの無機材料の熱伝導率よりも高い。そのため、基部10が金属から形成されていれば、ヒータ1の温度に面内分布が生じるのを抑制することができる。また、基部10の剛性の向上、割れや欠けなどの発生の抑制、製造コストの低減などを図ることができる。
なお、基部10における反りの抑制に関する詳細は後述する。
【0018】
絶縁層11(第1の絶縁層の一例に相当する)は、基部10の、発熱体20が設けられるの面に設けられている。図1に例示をしたヒータ1の場合には、絶縁層11は、第1の部分10aの、第2の部分10bが突出する側とは反対側の面10a1に設けられている。絶縁層11は、第1の部分10aの、発熱体20が設けられる領域を覆っている。絶縁層11は、耐熱性と絶縁性を有する材料から形成される。絶縁層11は、例えば、セラミックスなどの無機材料から形成することができる。
【0019】
発熱体20は、印加された電力を熱(ジュール熱)に変換する。発熱体20は、絶縁層11の上に設けられている。発熱体20と基部10は、絶縁層11により絶縁されている。発熱体20は、例えば、X方向(第1の部分10aの面10a1の長手方向)に延びている。なお、図1においては、一例として、1つの発熱体20が設けられる場合を例示したが、発熱体の数や大きさは、第1の部分10aの面10a1の大きさや加熱対象物の大きさなどに応じて適宜変更することができる。また、長さ、幅、形状などが異なる複数種類の発熱体を設けることもできる。すなわち、発熱体は少なくとも1つ設けられていればよい。
【0020】
複数の発熱体20を設ける場合には、例えば、Y方向(第1の部分10aの面10a1の短手方向)に所定の間隔をあけて、複数の発熱体20を並べて設けることができる。複数の発熱体20は、例えば、直列接続することができる。複数の発熱体20のX方向の寸法(長さ寸法)は、例えば、略同一とすることができる。この場合、複数の発熱体20のそれぞれの中心が、直線20aの上に位置するようにすることが好ましい。すなわち、複数の発熱体20のそれぞれは、直線20aを対称軸として線対称となる形状を有することが好ましい。
【0021】
ヒータ1を画像形成装置100に取り付ける際には、例えば、直線20aが加熱対象物の搬送経路の中心線に重なるようにする。この様にすれば、加熱対象物の、搬送方向に直交する方向の寸法や位置が変化した場合であっても、加熱対象物を略均一に加熱することができる。
【0022】
複数の発熱体20の電気抵抗値は、略同一とすることもできるし、異なるものとすることもできる。例えば、複数の発熱体20の、X方向の寸法(長さ寸法)、Y方向の寸法(幅寸法)、およびZ方向の寸法(厚み寸法)をそれぞれ略同一とすることで、複数の発熱体20の電気抵抗値が略同一となるようにすることができる。また、これらの寸法の少なくともいずれかを変えることで、複数の発熱体20の電気抵抗値が異なるようにすることができる。また、材料を変えることで、複数の発熱体20の電気抵抗値が異なるようにすることができる。
【0023】
また、発熱体20の、単位長さ当たりの電気抵抗値は、X方向において略均一とすることができる。例えば、発熱体20の、Y方向の寸法(幅寸法)およびZ方向の寸法(厚み寸法)は、略一定とすることができる。Z方向から見た発熱体20の形状は、例えば、X方向に延びる略長方形とすることができる。
【0024】
発熱体20は、例えば、酸化ルテニウム(RuO)、銀・パラジウム(Ag-Pd)合金などを用いて形成することができる。発熱体20は、例えば、スクリーン印刷法などを用いてペースト状の材料を絶縁層11の上に塗布し、焼成法などを用いてこれを硬化させることで形成することができる。
【0025】
配線部30は、絶縁層11の上に設けられている。
配線部30は、例えば、端子30a、端子30b、配線30c、および配線30dを有する。
端子30aは、例えば、X方向における第1の部分10aの一方の端部の近傍に設けられる。端子30bは、例えば、X方向における第1の部分10aの他方の端部の近傍に設けられる。なお、端子30a、および端子30bは、例えば、X方向における第1の部分10aの一方の端部の近傍に設ることもできる。この場合、端子30a、および端子30bは、例えば、X方向またはY方向に並べて設けることができる。
端子30a、および端子30bは、コネクタおよび配線などを介して、例えば、電源などと電気的に接続される。
【0026】
配線30cは、例えば、X方向において、第1の部分10aの、端子30aが設けられる側に設けられる。配線30cは、X方向に延びている。配線30cは、端子30aと、発熱体20の端子30a側の端部とに電気的に接続されている。
【0027】
配線30dは、例えば、X方向において、第1の部分10aの、端子30bが設けられる側に設けられる。配線30dは、X方向に延びている。配線30dは、端子30bと、発熱体20の端子30b側の端部とに電気的に接続されている。
【0028】
配線部30(端子30a、端子30b、配線30c、および配線30d)は、例えば、銀や銅などを含む材料を用いて形成される。例えば、端子30a、端子30b、配線30c、および配線30dは、スクリーン印刷法などを用いてペースト状の材料を絶縁層11の上に塗布し、焼成法などを用いてこれを硬化させることで形成することができる。
【0029】
保護部40は、絶縁層11の上に設けられ、発熱体20(発熱体20)、および配線部30の一部(配線30c、および配線30d)を覆っている。この場合、配線部30の端子30a、および端子30bは、保護部40から露出している。
【0030】
保護部40は、X方向に延びている。保護部40は、例えば、発熱体20、および配線部30の一部を絶縁する機能、発熱体20において発生した熱を伝える機能、および、外力や腐食性ガスなどから発熱体20や配線部30の一部を保護する機能を有する。保護部40は、耐熱性および絶縁性を有し、化学的安定性および熱伝導率の高い材料から形成される。保護部40は、例えば、セラミックスや、ガラスなどから形成される。この場合、酸化アルミニウムなどの熱伝導率の高い材料を含むフィラーが添加されたガラスを用いて保護部40を形成することもできる。フィラーが添加されたガラスの熱伝導率は、例えば、2[W/(m・K)]以上とすることができる。
【0031】
また、ヒータ1には、発熱体20の温度を検出する検出部をさらに設けることができる。検出部は、例えば、サーミスタなどとすることができる。検出部は、第1の部分10a、および、第2の部分10bの少なくともいずれかに設けることができる。
【0032】
検出部が、第1の部分10aの面10a1側に設けられる場合には、検出部、および検出部に電気的に接続された配線と端子を、絶縁層11の上に設けることができる。検出部と、検出部に電気的に接続された配線は、保護部40により覆うことができる。検出部に電気的に接続された端子は、保護部40から露出させることができる。
【0033】
検出部が、第1の部分10aの面10a1側とは反対側、あるいは第2の部分10bに設けられる場合には、基部10の上に絶縁層を設け、検出部、および検出部に電気的に接続された配線と端子を、絶縁層の上に設けることができる。絶縁層は、面10a1の上に設けられた絶縁層11と同様とすることができる。また、検出部と、検出部に電気的に接続された配線は、保護部により覆うことができる。検出部に電気的に接続された端子は、保護部から露出させることができる。保護部は、絶縁層11の上に設けられた保護部40と同様とすることができる。
【0034】
次に、基部10における反りの抑制について説明する。
前述したように、基部10は、ステンレスやアルミニウム合金などの金属から形成される。一方、保護部40は、例えば、セラミックス、ガラス、フィラーが添加されたガラスなどから形成される。絶縁層11は、例えば、セラミックスなどの無機材料から形成される。
【0035】
そのため、基部10の熱膨張率と、保護部40および絶縁層11の熱膨張率とが異なるものとなる。また、ヒータ1の使用時に、発熱体20を発熱させると、基部10、保護部40、および絶縁層11が加熱される。ヒータ1の製造時に、保護部40や絶縁層11を焼成すると、基部10、保護部40、および絶縁層11が加熱される。そのため、ヒータ1の使用時や製造時に、材料の熱膨張率の差に起因して熱応力が発生する。熱応力が発生すると、ヒータに反りが発生するおそれがある。
【0036】
また、金属の熱膨張率は、セラミックスなどの熱膨張率に比べて高いので、ヒータの反りが大きくなり易くなる。また、第1の部分10aの短手方向(幅方向:例えば、Y方向)の長さが短かったり、第1の部分10aの長手方向(例えば、X方向)の長さが長かったり、第1の部分10aの厚みが薄かったりしても、ヒータの反りが大きくなり易くなる。
ヒータの反りが大きくなると、ヒータと加熱対象物との間の距離がばらついて、加熱対象物に加熱ムラが生じるおそれがある。
【0037】
図1、および図2に示すように、基部10は、第1の部分10aと、第1の部分10aと交差する第2の部分10bとを有する。第2の部分10bは、第1の部分10aと接続されている。そのため、絶縁層11、発熱体20、配線部30、および保護部40が設けられる第1の部分10aの曲げ剛性を大きくすることができる。そのため、材料の熱膨張率の差に起因して熱応力が発生したとしても、ヒータ1に反りが発生するのを抑制することができる。
【0038】
この場合、Z方向における第2の部分10bの寸法を大きくすれば、第1の部分10aの曲げ剛性が大きくなる。そのため、ヒータ1に反りが発生するのを抑制することが容易となる。しかしながら、Z方向における第2の部分10bの寸法を大きくすれば、ヒータ1が大きくなる。この場合、例えば、X方向における第1の部分10aの寸法が小さかったり、発生する熱応力が小さかったりした場合には、発生する反りが小さくなる。
【0039】
そのため、Z方向における第2の部分10bの寸法は、発生する反りや、発生する熱応力などに応じて適宜決定することができる。Z方向における第2の部分10bの寸法は、例えば、実験やシミュレーションを行うことで適宜決定することができる。
【0040】
図3は、他の実施形態に係るヒータ1aを例示するための模式斜視図である。
図3に示すように、ヒータ1aは、例えば、基部10、絶縁層11(第1の絶縁層、および第2の絶縁層の一例に相当する)、発熱体20、発熱体21(第2の発熱体の一例に相当する)、配線部30、配線部31、および保護部40(第1の保護部、および第2の保護部の一例に相当する)を有する。また、前述したヒータ1と同様に、発熱体20の温度を検出する検出部をさらに設けることもできる。また、発熱体21の温度を検出する検出部をさらに設けることもできる。
【0041】
絶縁層11は、第1の部分10aの、発熱体20が設けられるの面10a1、および、第2の部分10bの、発熱体21が設けられるの面10b1に設けられている。
【0042】
発熱体21は、印加された電力を熱(ジュール熱)に変換する。発熱体21は、第2の部分10bの面10b1に設けられた絶縁層11の上に設けられている。発熱体21と基部10は、絶縁層11により絶縁されている。発熱体21は、例えば、X方向(第2の部分10bの面10b1の長手方向)に延びている。発熱体21は、前述した発熱体20と同様とすることができる。すなわち、発熱体21の数、材料、寸法は、前述した発熱体20の数、材料、寸法と同じとすることができる。また、図3に示すように、X方向における発熱体21の寸法が、発熱体20の寸法と異なるようにすることもできる。
【0043】
X方向における発熱体21の寸法が、発熱体20の寸法と同じとなる様にすれば、例えば、発熱体20が故障した際に、発熱体21を用いることができる。すなわち、発熱体20および発熱体21のいずれかを予備にすることができる。
【0044】
X方向における発熱体21の寸法が、発熱体20の寸法と異なる様にすれば、例えば、加熱対象物の大きさに応じて、発熱体20および発熱体21のいずれかを選択することができる。すなわち、複数種類の加熱対象物に対してヒータ1aを兼用することができる。例えば、図3に示すように、X方向における発熱体21の寸法が、発熱体20の寸法よりも短い場合には、大きな加熱対象物に対しては発熱体20を用い、小さな加熱対象物に対しては発熱体21を用いることができる。
【0045】
また、発熱体20の中心が、直線20aの上に位置し、発熱体21の中心が、直線20aと交差する直線21aの上に位置するようにすることが好ましい。ヒータ1aを画像形成装置100に取り付ける際には、例えば、直線20aおよび直線21aのいずれかが加熱対象物の搬送経路の中心線に重なるようにする。この様にすれば、加熱対象物の、搬送方向に直交する方向の寸法や位置が変化した場合であっても、加熱対象物を略均一に加熱することができる。
【0046】
配線部31は、第2の部分10bの面10b1に設けられた絶縁層11の上に設けられている。配線部31は、例えば、端子31a、端子31b、配線31c、および配線31dを有する。例えば、端子31aは、前述した端子30aと同様とすることができる。例えば、端子31bは、前述した端子30bと同様とすることができる。配線31cは、端子31aと発熱体21とに電気的に接続されている。例えば、配線31cは、前述した配線30cと同様とすることができる。配線31dは、端子31bと発熱体21とに電気的に接続されている。例えば、配線31dは、前述した配線30dと同様とすることができる。
【0047】
本実施の形態に係るヒータ1aとすれば、前述したヒータ1と同様の作用効果を享受することができる。すなわち、基部10が金属から形成されているので、ヒータ1aの温度に面内分布が生じるのを抑制することができる。また、基部10の剛性の向上、割れや欠けなどの発生の抑制、製造コストの低減などを図ることができる。
【0048】
また、第1の部分10aと第2の部分10bが交差している。そのため、絶縁層11、発熱体20、配線部30、および保護部40が設けられる第1の部分10aの曲げ剛性を大きくすることができる。また、絶縁層11、発熱体21、配線部31、および保護部40が設けられる第2の部分10bの曲げ剛性を大きくすることができる。そのため、材料の熱膨張率の差に起因して熱応力が発生したとしても、ヒータ1aに反りが発生するのを抑制することができる。
また、発熱体20および発熱体21のいずれかを選択して用いたり、発熱体20および発熱体21のいずれかを予備にしたりすることもできる。
【0049】
図4は、他の実施形態に係るヒータ1bを例示するための模式斜視図である。
図5は、基部50を例示するための模式斜視図である。
図4、および図5に示すように、ヒータ1bは、例えば、基部50、絶縁層11、発熱体20、配線部30、および保護部40を有する。また、前述したヒータ1と同様に、発熱体20の温度を検出する検出部をさらに設けることもできる。
【0050】
基部50は、第1の部分10a、第2の部分10b、および第3の部分10cを有する。例えば、基部50は、前述した基部10に第3の部分10cを追加したものとすることができる。第3の部分10cは、板状を呈し、X方向に延びている。第3の部分10cは、Y方向において、第1の部分10aの、第2の部分10b側とは反対側の端部と交差している。第3の部分10cは、第2の部分10bと対向している。第3の部分10cは、第1の部分10aと接続されている。例えば、第3の部分10cのZ方向における一方の端部は、Y方向において、第1の部分10aの、第2の部分10b側とは反対側の端部と接続されている。
【0051】
例えば、第1の部分10a、第2の部分10b、および第3の部分10cは、一体に形成することができる。第1の部分10a、第2の部分10b、および第3の部分10cは、例えば、折り曲げ加工などの塑性加工により形成することもできるし、引き抜き加工などにより形成することもできる。
第3の部分10cの形状、寸法、角度は、例えば、第2の部分10bの形状、寸法、角度と同じとすることもできるし、異なるものとすることもできる。
【0052】
前述した基部10と同様に、基部50は、例えば、ステンレスやアルミニウム合金などの金属から形成することができる。基部50が金属から形成されていれば、ヒータ1bの温度に面内分布が生じるのを抑制することができる。また、基部50の剛性の向上、割れや欠けなどの発生の抑制、製造コストの低減などを図ることができる。
【0053】
また、第1の部分10aと第2の部分10bが交差し、第1の部分10aと第3の部分10cが交差している。そのため、前述したヒータ1の基部10と比べて、絶縁層11、発熱体20、配線部30、および保護部40が設けられる第1の部分10aの曲げ剛性をさらに大きくすることができる。そのため、材料の熱膨張率の差に起因して熱応力が発生したとしても、ヒータ1bに反りが発生するのをさらに抑制することができる。
【0054】
図6は、他の実施形態に係るヒータ1cを例示するための模式斜視図である。
図6に示すように、ヒータ1cは、例えば、基部50、絶縁層11、発熱体20、発熱体21、配線部30、配線部31、および保護部40を有する。また、前述したヒータ1aと同様に、発熱体20の温度を検出する検出部、および発熱体21の温度を検出する検出部をさらに設けることもできる。
【0055】
絶縁層11は、第1の部分10aの、発熱体20が設けられるの面10a1、および、第2の部分10bの、発熱体21が設けられるの面10b1に設けられている。第1の部分10aに設けられた絶縁層11の上には、発熱体20が設けられている。第2の部分10bに設けられた絶縁層11の上には、発熱体21が設けられている。すなわち、発熱体20、および発熱体21の構成や配置は、前述したヒータ1aと同様とすることができる。
【0056】
また、第3の部分10cに絶縁層11を設け、第3の部分10cに設けられた絶縁層11の上に、発熱体、および配線部を設けることもできる。また、第3の部分10cに設けられた発熱体の温度を検出する検出部をさらに設けることもできる。第3の部分10cに設けられる発熱体は、発熱体20、および発熱体21のいずれかと同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、X方向における発熱体の寸法が、発熱体20、および発熱体21のいずれかと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0057】
また、前述した発熱体21の中心の位置と同様に、発熱体20の中心が、直線20aの上に位置し、第3の部分10cに設けられる発熱体の中心が、直線20aと交差する直線の上に位置するようにすることが好ましい。この様にすれば、前述したヒータ1aの場合と同様に、ヒータ1cが取り付けられた画像形成装置100において、加熱対象物の、搬送方向に直交する方向の寸法や位置が変化した場合であっても、加熱対象物を略均一に加熱することができる。
【0058】
本実施の形態に係るヒータ1cとすれば、前述したヒータ1bと同様の作用効果を享受することができる。すなわち、基部50が金属から形成されているので、ヒータ1cの温度に面内分布が生じるのを抑制することができる。また、基部50の剛性の向上、割れや欠けなどの発生の抑制、製造コストの低減などを図ることができる。
【0059】
また、第1の部分10aと第2の部分10bが交差し、第1の部分10aと第3の部分10cが交差している。そのため、絶縁層11、発熱体20、配線部30、および保護部40が設けられる第1の部分10aの曲げ剛性をさらに大きくすることができる。また、絶縁層11、発熱体21、配線部31、および保護部40が設けられる第2の部分10bの曲げ剛性を大きくすることができる。そのため、材料の熱膨張率の差に起因して熱応力が発生したとしても、ヒータ1cに反りが発生するのを抑制することができる。
また、発熱体20および発熱体21のいずれかを選択して用いたり、発熱体20および発熱体21のいずれかを予備にしたりすることもできる。また、第3の部分10cにも発熱体を設ければ、選択できる発熱体の種類や、予備の数を増やすことができる。
【0060】
図7は、他の実施形態に係るヒータ1dを例示するための模式斜視図である。
図8は、基部60を例示するための模式斜視図である。
図7、および図8に示すように、ヒータ1dは、例えば、基部60、絶縁層11、発熱体20、配線部30、および保護部40を有する。また、前述したヒータ1と同様に、発熱体20の温度を検出する検出部をさらに設けることもできる。
【0061】
基部60は、第1の部分10a、第2の部分10b、第3の部分10c、および第4の部分10dを有する。例えば、基部60は、前述した基部50に第4の部分10dを追加したものとすることができる。第4の部分10dは、板状を呈し、X方向に延びている。第4の部分10dは、第2の部分10bの、第1の部分10a側とは反対側の端部と交差している。第4の部分10dは、第1の部分10aと対向している。第4の部分10dは、第2の部分10bと接続されている。例えば、第4の部分10dのY方向における一方の端部は、第2の部分10bのZ方向における、第1の部分10a側とは反対側の端部と接続されている。
【0062】
例えば、第1の部分10a、第2の部分10b、第3の部分10c、および第4の部分10dは、一体に形成することができる。第1の部分10a、第2の部分10b、第3の部分10c、および第4の部分10dは、例えば、折り曲げ加工などの塑性加工により形成することができる。また、基部60は、筒状を呈するものとしてもよい。筒状を呈する基部60は、例えば、引き抜き加工などにより形成することができる。
第4の部分10dの形状、寸法は、例えば、第1の部分10aの形状、寸法と同じとすることもできるし、異なるものとすることもできる。
【0063】
前述した基部10と同様に、基部60は、例えば、ステンレスやアルミニウム合金などの金属から形成することができる。基部60が金属から形成されていれば、ヒータ1dの温度に面内分布が生じるのを抑制することができる。また、基部60の剛性の向上、割れや欠けなどの発生の抑制、製造コストの低減などを図ることができる。
【0064】
また、第1の部分10aと第2の部分10bが交差し、第1の部分10aと第3の部分10cが交差し、第2の部分10bと第4の部分10dが交差している。そのため、前述したヒータ1bの基部50と比べて、絶縁層11、発熱体20、配線部30、および保護部40が設けられる第1の部分10aの曲げ剛性をさらに大きくすることができる。そのため、材料の熱膨張率の差に起因して熱応力が発生したとしても、ヒータ1dに反りが発生するのをさらに抑制することができる。
【0065】
図9は、他の実施形態に係るヒータ1eを例示するための模式斜視図である。
図9に示すように、ヒータ1eは、例えば、基部60、絶縁層11、発熱体20、発熱体21、配線部30、配線部31、および保護部40を有する。また、前述したヒータ1aと同様に、発熱体20の温度を検出する検出部、および発熱体21の温度を検出する検出部をさらに設けることもできる。
【0066】
絶縁層11は、第1の部分10aの、発熱体20が設けられるの面10a1、および、第2の部分10bの、発熱体21が設けられるの面10b1に設けられている。第1の部分10aに設けられた絶縁層11の上には、発熱体20が設けられている。第2の部分10bに設けられた絶縁層11の上には、発熱体21が設けられている。すなわち、発熱体20、および発熱体21の構成や配置は、前述したヒータ1aと同様とすることができる。
【0067】
また、第3の部分10cに絶縁層を設け、第3の部分10cに設けられた絶縁層の上に、発熱体、および配線部を設けることもできる。第3の部分10cに設けられた発熱体の温度を検出する検出部をさらに設けることもできる。
【0068】
また、第4の部分10dに絶縁層を設け、第4の部分10dに設けられた絶縁層の上に、発熱体、および配線部を設けることもできる。第4の部分10dに設けられた発熱体の温度を検出する検出部をさらに設けることもできる。
【0069】
第3の部分10cに設けられる発熱体、および第4の部分10dに設けられる発熱体は、発熱体20、および発熱体21のいずれかと同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、X方向における発熱体の寸法が、発熱体20、および発熱体21のいずれかと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0070】
また、前述した発熱体21の中心の位置と同様に、発熱体20の中心が、直線20aの上に位置し、第3の部分10cに設けられる発熱体の中心が、直線20aと交差する直線の上に位置するようにすることが好ましい。また、第4の部分10dに設けられる発熱体の中心が、直線21aと交差する直線の上に位置するようにすることが好ましい。この様にすれば、前述したヒータ1aの場合と同様に、ヒータ1eが取り付けられた画像形成装置100において、加熱対象物の、搬送方向に直交する方向の寸法や位置が変化した場合であっても、加熱対象物を略均一に加熱することができる。
【0071】
本実施の形態に係るヒータ1eとすれば、前述したヒータ1dと同様の作用効果を享受することができる。すなわち、基部60が金属から形成されているので、ヒータ1eの温度に面内分布が生じるのを抑制することができる。また、基部60の剛性の向上、割れや欠けなどの発生の抑制、製造コストの低減などを図ることができる。
【0072】
また、第1の部分10aと第2の部分10bが交差し、第1の部分10aと第3の部分10cが交差し、第2の部分10bと第4の部分10dが交差している。そのため、絶縁層11、発熱体20、配線部30、および保護部40が設けられる第1の部分10aの曲げ剛性をさらに大きくすることができる。また、絶縁層11、発熱体21、配線部31、および保護部40が設けられる第2の部分10bの曲げ剛性をさらに大きくすることができる。そのため、材料の熱膨張率の差に起因して熱応力が発生したとしても、ヒータ1eに反りが発生するのをさらに抑制することができる。
また、発熱体20および発熱体21のいずれかを選択して用いたり、発熱体20および発熱体21のいずれかを予備にしたりすることもできる。また、第3の部分10c、および第4の部分10dの少なくともいずれかにも発熱体を設ければ、選択できる発熱体の種類や、予備の数を増やすことができる。
【0073】
(画像形成装置)
本発明の1つの実施形態において、ヒータ1を具備した画像形成装置100を提供することができる。前述したヒータ1に関する説明、およびヒータ1の変形例(例えば、前述したヒータ1a~1eなど)は、いずれも画像形成装置100に適用することができる。
【0074】
また、以下においては、一例として、画像形成装置100が複写機である場合を説明する。ただし、画像形成装置100は複写機に限定されるわけではなく、トナーを定着させるためのヒータが設けられるものであればよい。例えば、画像形成装置100は、プリンタなどとすることもできる。
【0075】
図10は、本実施の形態に係る画像形成装置100を例示するための模式図である。
図11は、定着部200を例示するための模式図である。
図10に示すように、画像形成装置100は、例えば、フレーム110、照明部120、結像素子130、感光ドラム140、帯電部150、放電部151、現像部160、クリーナ170、収納部180、搬送部190、定着部200、およびコントローラ210を有する。
【0076】
フレーム110は、箱状を呈し、その内部に、照明部120、結像素子130、感光ドラム140、帯電部150、現像部160、クリーナ170、収納部180の一部、搬送部190、定着部200、およびコントローラ210を収納する。
フレーム110の上面には、ガラスなどの透光性材料を用いた窓111を設けることができる。窓111の上には、複写される原稿500が載置される。また、原稿500の位置を移動させる移動部を設けることができる。
【0077】
照明部120は、窓111の近傍に設けられる。照明部120は、例えば、ランプなどの光源121、および反射鏡122を有する。
結像素子130は、窓111の近傍に設けられる。
感光ドラム140は、照明部120および結像素子130の下方に設けられる。感光ドラム140は、回転可能に設けられる。感光ドラム140の表面には、例えば、酸化亜鉛感光層または有機半導体感光層が設けられる。
帯電部150、放電部151、現像部160、およびクリーナ170は、感光ドラム140の周辺に設けられる。
【0078】
収納部180は、例えば、カセット181、およびトレイ182を有する。カセット181は、フレーム110の一方の側部に着脱可能に取り付けられる。トレイ182は、フレーム110の、カセット181が取り付けられる側とは反対側の側部に設けられる。カセット181には、複写が行われる前の紙510(例えば、白紙)が収納される。トレイ182には、複写像511aが定着した紙511が収納される。
【0079】
搬送部190は、感光ドラム140の下方に設けられる。搬送部190は、カセット181とトレイ182との間で紙510を搬送する。搬送部190は、例えば、搬送される紙510を支持するガイド191、および紙510を搬送する搬送ローラ192~194を有する。また、搬送部190には、搬送ローラ192~194を回転させるモータを設けることができる。
【0080】
定着部200は、感光ドラム140の下流側(トレイ182側)に設けられる。
図11に示すように、定着部200は、例えば、ヒータ1、ステー201、フィルムベルト202、および加圧ローラ203を有する。
ステー201の、紙510の搬送ライン側にはヒータ1が取り付けられる。ヒータ1は、ステー201に埋め込むことができる。この場合、ヒータ1の、保護部40が設けられた側がステー201から露出する。
【0081】
フィルムベルト202は、ヒータ1が設けられたステー201を覆っている。フィルムベルト202は、例えば、ポリイミドなどの耐熱性を有する樹脂を含むことができる。
【0082】
加圧ローラ203は、ステー201と対向するように設けられる。加圧ローラ203は、例えば、芯金203a、駆動軸203b、および弾性部203cを有する。駆動軸203bは、芯金203aの端部から突出し、モータなどの駆動装置に接続される。弾性部203cは、芯金203aの外面に設けられる。弾性部203cは、耐熱性を有する弾性材料から形成される。弾性部203cは、例えば、シリコーン樹脂などを含むことができる。
【0083】
コントローラ210は、フレーム110の内部に設けられている。コントローラ210は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算部、および制御プログラムが格納された記憶部を有する。演算部は、記憶部に格納されている制御プログラムに基づいて、画像形成装置100に設けられた各要素の動作を制御する。また、コントローラ210は、使用者が複写条件などを入力する操作部、動作状態や異常表示などを表示する表示部などを備えることもできる。
なお、画像形成装置100に設けられた各要素の制御には、既知の技術を適用することができるので詳細な説明は省略する。
【0084】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【0085】
以下、前述した実施形態に関する付記を示す。
【0086】
(付記1)
板状を呈し、第1の方向に延びる第1の部分と、板状を呈し、前記第1の方向に延び、前記第1の部分の、前記第1の方向と直交する第2の方向の一方の端部と交差する第2の部分と、を有し、金属を含む基部と;
前記第1の部分に設けられた第1の絶縁層と;
前記第1の絶縁層の上に設けられ、前記第1の方向に延びる第1の発熱体と;
前記第1の発熱体を覆う第1の保護部と;
を具備したヒータ。
【0087】
(付記2)
前記第2の部分に設けられた第2の絶縁層と;
前記第2の絶縁層の上に設けられ、前記第1の方向に延びる第2の発熱体と;
前記第2の発熱体を覆う第2の保護部と;
をさらに具備した付記1記載のヒータ。
【0088】
(付記3)
前記基部は、板状を呈し、前記第1の方向に延び、前記第1の部分の、前記第1の方向と直交する第2の方向の他方の端部と交差し、前記第2の部分と対向する第3の部分をさらに有する付記1または2に記載のヒータ。
【0089】
(付記4)
前記基部は、板状を呈し、前記第1の方向に延び、前記第2の部分の、前記第1の部分側とは反対側の端部と交差し、前記第1の部分と対向する第4の部分をさらに有する付記1~3のいずれか1つに記載のヒータ。
【0090】
(付記5)
付記1~4のいずれか1つに記載のヒータを具備した画像形成装置。
【符号の説明】
【0091】
1 ヒータ、 1a~1e ヒータ、10 基部、10a 第1の部分、10b 第2の部分、10c 第3の部分、10d 第4の部分、11 絶縁層、20 発熱体、21 発熱体、30 配線部、40 保護部、50 基部、60 基部、100 画像形成装置、200 定着部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11