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特開2024-5364車載機器、運行管理システム、及び、運行記録プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005364
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】車載機器、運行管理システム、及び、運行記録プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240110BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20240110BHJP
   H04N 5/77 20060101ALI20240110BHJP
   H04N 5/91 20060101ALI20240110BHJP
   H04N 7/01 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G07C5/00 Z
H04N5/77
H04N5/91
H04N7/01 270
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105521
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅井 大季
【テーマコード(参考)】
3E138
5C053
5C063
5H181
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138BB04
3E138MA04
3E138MB08
5C053FA11
5C053FA14
5C053GB06
5C053JA21
5C053LA01
5C053LA11
5C063BA10
5C063CA05
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB12
5H181BB18
5H181CC04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF33
(57)【要約】
【課題】画像を適正に記録することができる車載機器、運行管理システム、及び、運行記録プログラムを提供する。
【解決手段】ドライブレコーダー1は、カメラ17と、SDカード16と、劣化判定部18cと、変更部18dとを備える。カメラ17は、車両に設けられ所定のフレームレートで画像を撮像する。SDカード16は、カメラ17で撮像された画像を記録する。劣化判定部18cは、SDカード16の劣化を判定する。変更部18dは、劣化判定部18cにより判定されたSDカード16の劣化に基づいてフレームレートを変更する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられ所定のフレームレートで画像を撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像された前記画像を記録する記録媒体と、
前記記録媒体の劣化を判定する劣化判定部と、
前記劣化判定部により判定された前記記録媒体の劣化に基づいて前記フレームレートを変更する変更部と、を備えることを特徴とする車載機器。
【請求項2】
前記撮像部により撮像された前記画像を前記記録媒体に書き込む書き込み速度を検出する検出部をさらに備え、
前記劣化判定部は、前記検出部により検出された前記書き込み速度に基づいて前記記録媒体の劣化を判定する請求項1に記載の車載機器。
【請求項3】
前記記録媒体を挿抜可能な挿抜部と、
前記記録媒体を前記挿抜部に挿抜した挿抜回数をカウントするカウント部と、をさらに備え、
前記劣化判定部は、前記カウント部によりカウントした前記挿抜回数に基づいて当該記録媒体の劣化を判定する請求項1又は2に記載の車載機器。
【請求項4】
前記劣化判定部は、前記記録媒体が前記挿抜部に挿入された際に、当該記録媒体の劣化を判定し、
前記変更部は、前記記録媒体を前記挿抜部に挿入後に、前記劣化判定部により前記記録媒体が劣化していないと判定した場合、変更した前記フレームレートをデフォルト値に戻す請求項3に記載の車載機器。
【請求項5】
前記変更部は、前記劣化判定部により判定された前記記録媒体の劣化に基づいて前記フレームレートを下げる際に、前記記録媒体の劣化が相対的に大きい場合、前記フレームレートを相対的に大きく下げ、前記記録媒体の劣化が相対的に小さい場合、前記フレームレートを相対的に小さく下げる請求項1又は2に記載の車載機器。
【請求項6】
車両に設けられ所定のフレームレートで画像を撮像する撮像部、前記撮像部で撮像された前記画像を記録する記録媒体、前記記録媒体の劣化を判定する劣化判定部、及び、前記劣化判定部により判定された前記記録媒体の劣化に基づいて前記フレームレートを変更する変更部を含む複数の車載機器と、
前記複数の車載機器の前記記録媒体に記録された前記画像に基づいて前記車両の運行を管理する管理装置と、を備えることを特徴とする運行管理システム。
【請求項7】
所定のフレームレートで画像を撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップで撮像された前記画像を記録媒体に記録する記録ステップと、
前記記録媒体の劣化を判定する劣化判定ステップと、
前記劣化判定ステップで判定された前記記録媒体の劣化に基づいて前記フレームレートを変更する変更ステップとをコンピュータに実行させるための運行記録プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載機器、運行管理システム、及び、運行記録プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載機器として、例えば、特許文献1には、撮像部で撮影された画像を天候に応じて適正なフレームレートで記録する画像記録装置が記載されている。この画像記録装置は、画像を撮像フレームレートで撮像する撮像部と、撮像された画像を用いて、荒天であるか否かを判定する荒天判定処理部と、撮像された画像を記録する際の記録フレームレートを撮像フレームレートよりも低い第1のフレームレートに設定し、荒天であると判定された場合、記録フレームレートを第1のフレームレートよりも高い第2のフレームレートに切り替えるフレームレート切替部と、撮像された画像を記録フレームレートで記録する記録部とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-052350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の特許文献1に記載の画像記録装置は、例えば、記録部の断片化によって当該記録部への書き込み速度が低下し、これにより、記録フレームレートで画像を記録部に記録できず、画像が欠損するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像を適正に記録することができる車載機器、運行管理システム、及び、運行記録プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る車載機器は、車両に設けられ所定のフレームレートで画像を撮像する撮像部と、前記撮像部で撮像された前記画像を記録する記録媒体と、前記記録媒体の劣化を判定する劣化判定部と、前記劣化判定部により判定された前記記録媒体の劣化に基づいて前記フレームレートを変更する変更部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る運行管理システムは、車両に設けられ所定のフレームレートで画像を撮像する撮像部、前記撮像部で撮像された前記画像を記録する記録媒体、前記記録媒体の劣化を判定する劣化判定部、及び、前記劣化判定部により判定された前記記録媒体の劣化に基づいて前記フレームレートを変更する変更部を含む複数の車載機器と、前記複数の車載機器の前記記録媒体に記録された前記画像に基づいて前記車両の運行を管理する管理装置と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る運行記録プログラムは、所定のフレームレートで画像を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップで撮像された前記画像を記録媒体に記録する記録ステップと、前記記録媒体の劣化を判定する劣化判定ステップと、前記劣化判定ステップで判定された前記記録媒体の劣化に基づいて前記フレームレートを変更する変更ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る車載機器、運行管理システム、及び、運行記録プログラムは、例えば、記録媒体が劣化している場合、フレームレートを下げることで記録媒体への書き込みエラーを抑制することができ、この結果、画像を適正に記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る運行管理システムの構成例を示す模式図である。
図2図2は、実施形態に係るドライブレコーダーの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る劣化判定テーブルの構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る劣化の第1判定例(正常から劣化Lv1への判定)を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る劣化の第2判定例(劣化なし判定)を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る劣化の第3判定例(劣化Lv1から正常への判定)を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る劣化の第4判定例(正常から劣化Lv1への判定、挿抜回数が基準挿抜回数以上)を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る劣化の第5判定例(正常から劣化Lv1、劣化Lv1から劣化Lv2への判定)を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る劣化の第6判定例(劣化Lv3から劣化Lv4への判定)を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る運行管理システムの動作例を示すメインのフローチャートである。
図11図11は、実施形態に係る運行管理システムの動作例を示すサブのフローチャート(その1)である。
図12図12は、実施形態に係る運行管理システムの動作例を示すサブのフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。更に、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0012】
〔実施形態〕
図面を参照しながら実施形態に係る運行管理システム100について説明する。運行管理システム100は、輸送業者等が所有する車両(例えば、トラック)Vの運行情報に基づいて、車両Vの運行を管理するものであり、特に、記録媒体の劣化よって記録エラーが生じることを抑制するものである。運行管理システム100は、例えば、図1に示すように、車載機器としての複数のドライブレコーダー1と、管理装置2とを備える。複数のドライブレコーダー1及び管理装置2は、無線通信可能に接続されている。複数のドライブレコーダー1は、例えば、外部の鉄塔に設けられた通信アンテナH、当該通信アンテナHに接続されるサーバーD、当該サーバーDに接続されるインターネット通信網Eを介して管理装置2に無線通信可能に接続される。
【0013】
ドライブレコーダー1は、車両Vに搭載され、車両Vの運行時における情報を時系列で記録するものである。ドライブレコーダー1は、例えば、図2に示すように、アンテナ11と、広域通信部12と、LCD(Liquid Crystal Display)13と、不揮発性メモリ14と、挿抜部15と、記録媒体としてのSDカード16と、撮像部としてのカメラ17と、CPU18とを備える。アンテナ11、広域通信部12、LCD13、不揮発性メモリ14、挿抜部15、SDカード16、カメラ17、及び、CPU18は、相互に通信可能に接続されている。
【0014】
アンテナ11は、電波を送受信するものである。アンテナ11は、ドライブレコーダー1の筐体に設けられ、広域通信部12から出力される情報を管理装置2に向けて放射する。また、アンテナ11は、管理装置2から送信された電波を受信して広域通信部12に出力する。
【0015】
広域通信部12は、アンテナ11を介して管理装置2と通信を行うものである。広域通信部12は、例えば、CPU18から出力される情報を、アンテナ11を介して管理装置2に送信する。また、広域通信部12は、アンテナ11を介して管理装置2から受信した情報をCPU18に出力する。
【0016】
LCD13は、情報を表示する液晶ディスプレイである。LCD13は、例えば、SDカード16の劣化に関する情報を表示する。
【0017】
不揮発性メモリ14は、情報を記録する不揮発性の記録媒体であり、例えば、EPROMやフラッシュメモリ等である。不揮発性メモリ14は、ドライブレコーダー1に予め内蔵されている。不揮発性メモリ14は、ドライブレコーダー1での各種処理に必要な条件や情報、ドライブレコーダー1で実行する運行記録プログラムやアプリケーション、制御データ等が格納されている。そして、不揮発性メモリ14は、SDカード16の劣化の初期状態も記憶している。不揮発性メモリ14は、CPU18等によってこれらの情報が必要に応じて読み出される。
【0018】
挿抜部15は、SDカード16を挿抜可能なSDカード用ソケットである。挿抜部15は、SDカード16が内部に挿入されることで当該SDカード16と電気的に接続され、当該SDカード16に対して情報を読み書き可能となる。挿抜部15は、SDカード16が抜去されることで当該SDカード16との電気的な接続が解除され、当該SDカード16に対して情報を読み書き不可となる。
【0019】
SDカード16は、情報を記録可能なカード状の記録媒体である。SDカード16は、挿抜部15に挿抜可能であり、挿抜部15の内部に挿入されることで、情報を読み書き可能となる。また、SDカード16は、挿抜部15から抜去されることで、情報を読み書き不可となる。SDカード16は、カメラ17で撮像された画像や、後述する初回の書き込み速度(初回速度)、フラグ情報、挿抜回数等を記録する。なお、SDカード16は、予め定められた複数のデータ領域(ファイル)を含んで構成され、画像、初回の書き込み速度(初回速度)、フラグ情報、及び、挿抜回数が、それぞれ定められたデータ領域(ファイル)に記録される。
【0020】
ここで、SDカード16は、記録領域の断片化や挿抜による接点の摩耗によって劣化する場合があり、劣化の度合に応じて様々な状態に分類される。例えば、SDカード16は、図3に示す劣化判定テーブルTのように、劣化していない正常な状態、劣化している度合がLv1である状態、劣化している度合がLv2である状態、劣化している度合がLv3である状態、劣化している度合がLv4である状態に分類される。SDカード16の正常な状態は、SDカード16に初めて情報を書き込む初回の書き込み速度(初回速度)に対する現状の書き込み速度の割合が100%程度~80%程度である状態である。すなわち、SDカード16の正常な状態は、初回の書き込み速度(初回速度)と遜色ない速度で書き込みができる状態である。
【0021】
SDカード16の劣化Lv1は、初回の書き込み速度(初回速度)に対する現状の書き込み速度の割合が80%程度~70%程度である状態である。すなわち、SDカード16の劣化Lv1は、初回の書き込み速度(初回速度)よりも20%程度~30%程度、書き込み速度が低下している状態である。
【0022】
SDカード16の劣化Lv2は、初回の書き込み速度(初回速度)に対する現状の書き込み速度の割合が70%程度~60%程度である状態である。すなわち、SDカード16の劣化Lv2は、初回の書き込み速度(初回速度)よりも30%程度~40%程度、書き込み速度が低下している状態である。
【0023】
SDカード16の劣化Lv3は、初回の書き込み速度(初回速度)に対する現状の書き込み速度の割合が60%程度~50%程度である状態である。すなわち、SDカード16の劣化Lv3は、初回の書き込み速度(初回速度)よりも40%程度~50%程度、書き込み速度が低下している状態である。
【0024】
SDカード16の劣化Lv4は、初回の書き込み速度(初回速度)に対する現状の書き込み速度の割合が50%程度未満である状態である。すなわち、SDカード16の劣化Lv4は、初回の書き込み速度(初回速度)よりも50%程度を超えて、書き込み速度が低下している状態である。このように、SDカード16は、劣化の度合に応じて様々な状態に分類される。
【0025】
カメラ17は、所定のフレームレートで車両Vの外部の画像を撮像するものである。カメラ17は、CPU18の制御により、SDカード16の劣化に応じて異なるフレームレート(1秒当たりのフレーム数)で画像を撮像する。カメラ17は、劣化の度合が低いほど高いフレームレートで画像を撮像する。カメラ17は、例えば、図3に示すように、SDカード16が劣化していない場合(正常である場合)には10fpsで画像を撮像し、SDカード16の劣化がLv1の場合には7fpsで画像を撮像し、SDカード16の劣化がLv2の場合には5fpsで画像を撮像し、SDカード16の劣化が劣化Lv3の場合には2fpsで画像を撮像し、SDカード16の劣化がLv4の場合には1fpsで画像を撮像する。カメラ17は、所定のフレームレートで撮像した画像をSDカード16に出力する。これにより、カメラ17は、SDカード16の劣化によりSDカード16への書き込み速度が低下した際でも、画像が欠損することを抑制できる。なお、カメラ17は、フレームレートが高いほど滑らかな動画を撮像できるが、たとえフレームレートが1fpsであっても、車両Vの外部で発生した事象を確認できるレベルの動画を実現できる。
【0026】
CPU18は、各種機器を制御するものである。CPU18は、検出部18aと、カウント部18bと、劣化判定部18cと、変更部18dとを含んで構成される。検出部18a、カウント部18b、劣化判定部18c、及び、変更部18dは、相互に通信可能に接続されている。
【0027】
検出部18aは、カメラ17により撮像された画像をSDカード16に書き込む書き込み速度[KB/s]を検出するものである。検出部18aは、例えば、図4等に示すように、書き込みサイズ[KB]を書き込み時間[s]で除算することで、カメラ17により撮像された画像を所定のフレームレートでSDカード16に書き込む書き込み速度[KB/s]を検出する。検出部18aは、例えば、図4に示すように、書き込みサイズ139[KB]を書き込み時間0.021[s]で除算することで、カメラ17により撮像された画像を10fpsでSDカード16に書き込む書き込み速度6619[KB/s]を検出する。検出部18aは、検出した書き込み速度を劣化判定部18cに出力する。
【0028】
カウント部18bは、SDカード16を挿抜部15に挿抜した挿抜回数をカウントするものである。カウント部18bは、SDカード16が挿抜部15に1回挿入されると、挿抜回数1つカウントアップする。カウント部18bは、カウントした挿抜回数をSDカード16に記録する。
【0029】
劣化判定部18cは、SDカード16の劣化を判定するものである。劣化判定部18cは、例えば、検出部18aにより検出された書き込み速度に基づいてSDカード16の劣化を判定する。劣化判定部18cは、例えば、SDカード16に初めて情報を書き込む初回の書き込み速度(初回速度)に対する現状の書き込み速度の割合が100%程度~80%程度である場合、SDカード16が正常であると判定する。言い換えれば、劣化判定部18cは、現状の書き込み速度が劣化判定閾値(初回速度の80%)以上である場合、SDカード16が正常であると判定する。劣化判定部18cは、例えば、図4に示すように、SDカード16に初めて情報を書き込む初回の書き込み速度(初回速度=5200)に対する現状の書き込み速度5519[KB/s]の割合が100%程度~80%程度である場合、SDカード16が正常であると判定する。言い換えれば、劣化判定部18cは、現状の書き込み速度5519[KB/s]が劣化判定閾値(初回速度の80%=4160[KB/s])以上である場合、SDカード16が正常であると判定する。なお、劣化判定部18cは、他の処理の影響を考慮して、複数のサンプリングデータ(例えば、5つのサンプリングデータ)の平均値用いて現状の書き込み速度を算出している。
【0030】
劣化判定部18cは、SDカード16に初めて情報を書き込む初回の書き込み速度(初回速度)に対する現状の書き込み速度の割合が80%程度~70%程度である場合、SDカード16への書き込み速度が20%程度~30%程度低下した劣化Lv1と判定する。言い換えれば、劣化判定部18cは、現状の書き込み速度が劣化判定閾値(初回速度の80%未満~70%以上)の場合、SDカード16が劣化Lv1と判定する。
【0031】
劣化判定部18cは、SDカード16に初めて情報を書き込む初回の書き込み速度(初回速度)に対する現状の書き込み速度の割合が70%程度~60%程度である場合、SDカード16への書き込み速度が30%程度~40%程度低下した劣化Lv2と判定する。言い換えれば、劣化判定部18cは、現状の書き込み速度が劣化判定閾値(初回速度の70%未満~60%以上)の場合、SDカード16が劣化Lv2と判定する。
【0032】
劣化判定部18cは、SDカード16に初めて情報を書き込む初回の書き込み速度(初回速度)に対する現状の書き込み速度の割合が60%程度~50%程度である場合、SDカード16への書き込み速度が40%程度~50%程度低下した劣化Lv3と判定する。言い換えれば、劣化判定部18cは、現状の書き込み速度が劣化判定閾値(初回速度の60%未満~50%以上)の場合、SDカード16が劣化Lv2と判定する。
【0033】
劣化判定部18cは、SDカード16に初めて情報を書き込む初回の書き込み速度(初回速度)に対する現状の書き込み速度の割合が50%程度未満である場合、SDカード16への書き込み速度が50%程度を超えて低下した劣化Lv4と判定する。言い換えれば、劣化判定部18cは、現状の書き込み速度が劣化判定閾値(初回速度の50%)未満の場合、SDカード16が劣化Lv4と判定する。上述の劣化の度合は、Lv1からLv4に向けて悪くなる。劣化判定部18cは、判定した劣化の度合を表す情報(正常、Lv1~Lv4)を変更部18dに出力する。
【0034】
劣化判定部18cは、さらに、カウント部18bによりカウントした挿抜回数に基づいて当該SDカード16の劣化を判定する。劣化判定部18cは、例えば、SDカード16を実際に挿抜部15等に挿抜した挿抜回数が、SDカード16の品質を保証する基準挿抜回数(例えば、10,000回)以上である場合、挿抜による接点の摩耗によってSDカード16が劣化したと判定する。劣化判定部18cは、SDカード16を実際に挿抜部15等に挿抜した挿抜回数が、SDカード16の品質を保証する基準挿抜回数(例えば、10,000回)未満である場合、挿抜による接点の摩耗によってSDカード16が劣化していない判定する。劣化判定部18cは、挿抜回数に基づく判定結果を変更部18dに出力する。
【0035】
変更部18dは、劣化判定部18cにより判定されたSDカード16の劣化に基づいてカメラ17のフレームレートを変更するものである。変更部18dは、例えば、劣化判定部18cによりSDカード16が正常であると判定された場合、図3に示すように、カメラ17のフレームレートを10fps(デフォルト値)に変更する。変更部18dは、劣化判定部18cによりSDカード16の劣化がLv1であると判定された場合、カメラ17のフレームレートを7fpsに変更し、劣化判定部18cによりSDカード16の劣化がLv2であると判定された場合、カメラ17のフレームレートを5fpsに変更し、劣化判定部18cによりSDカード16の劣化がLv3であると判定された場合、カメラ17のフレームレートを2fpsに変更し、劣化判定部18cによりSDカード16の劣化がLv4であると判定された場合、カメラ17のフレームレートを1fpsに変更する。このように、変更部18dは、劣化判定部18cにより判定されたSDカード16の劣化に基づいてフレームレートを下げる際に、SDカード16の劣化が相対的に大きい場合、フレームレートを相対的に大きく下げ、SDカード16の劣化が相対的に小さい場合、フレームレートを相対的に小さく下げる。
【0036】
次に、SDカード16が正常状態から劣化Lv1に劣化したことを判定する例について説明する。図4は、実施形態に係る劣化の第1判定例(正常から劣化Lv1への判定)を示す図である。劣化判定部18cは、例えば、図4に示すように、サンプリング回数「1018」の書き込み速度の平均速度4085[KB/s]が劣化判定閾値4160[KB/s](初回速度の80%)未満の場合、SDカード16が正常からLv1に劣化したと判定する。変更部18dは、劣化判定部18cにより判定された判定結果に基づいて、カメラ17のフレームレートを10fpsから7fpsに変更する。
【0037】
次に、新しいSDカード16が使用され、当該SDカード16が正常状態を維持していることを判定する例について説明する。図5は、実施形態に係る劣化の第2判定例(劣化なし判定)を示す図である。劣化判定部18cは、例えば、図5に示すように、サンプリング回数「1」~「19」の書き込み速度の平均速度が劣化判定閾値4095[KB/s](初回速度の80%)以上の場合、SDカード16が正常であると判定する。変更部18dは、劣化判定部18cにより判定された判定結果に基づいて、カメラ17のフレームレートを10fpsから変更しない。
【0038】
次に、SDカード16をフォーマット(初期化)して、当該SDカード16が劣化Lv1から正常状態に戻ったことを判定する例について説明する。図6は、実施形態に係る劣化の第3判定例(劣化Lv1から正常への判定)を示す図である。劣化判定部18cは、例えば、図6に示すように、サンプリング回数「5」の書き込み速度の平均速度4747[KB/s]が劣化判定閾値4160[KB/s](初回速度の80%)以上の場合、SDカード16が劣化Lv1から正常状態に回復したと判定する。変更部18dは、劣化判定部18cにより判定された判定結果に基づいて、カメラ17のフレームレートを7fpsから10fpsに変更する(デフォルト値に戻す)。
【0039】
次に、SDカード16が正常状態から劣化Lv1に劣化したことを判定する例について説明する。この例では、SDカード16の挿抜回数が基準挿抜回数以上である。図7は、実施形態に係る劣化の第4判定例(正常から劣化Lv1への判定、挿抜回数が基準挿抜回数以上)を示す図である。劣化判定部18cは、例えば、図7に示すように、サンプリング回数「1018」の書き込み速度の平均速度4085[KB/s]が劣化判定閾値4160[KB/s](初回速度の80%)未満の場合、SDカード16が正常からLv1に劣化したと判定する。変更部18dは、劣化判定部18cにより判定された判定結果に基づいて、カメラ17のフレームレートを10fpsから7fpsに変更する。
【0040】
次に、SDカード16が正常状態から劣化Lv1、Lv2に劣化したことを判定する例について説明する。図8は、実施形態に係る劣化の第5判定例(正常から劣化Lv1、劣化Lv1から劣化Lv2への判定)を示す図である。劣化判定部18cは、例えば、図8に示すように、サンプリング回数「1018」の書き込み速度の平均速度4085[KB/s]が劣化判定閾値4160[KB/s](初回速度の80%)未満の場合、SDカード16が正常からLv1に劣化したと判定する。変更部18dは、劣化判定部18cにより判定された判定結果に基づいて、カメラ17のフレームレートを10fpsから7fpsに変更する。さらに、劣化判定部18cは、サンプリング回数「2018」の書き込み速度の平均速度3632[KB/s]が劣化判定閾値3640[KB/s](初回速度の70%)未満の場合、SDカード16がLv1からLv2に劣化したと判定する。変更部18dは、劣化判定部18cにより判定された判定結果に基づいて、カメラ17のフレームレートを7fpsから5fpsに変更する。
【0041】
次に、SDカード16が劣化Lv3から劣化Lv4に劣化したことを判定する例について説明する。図9は、実施形態に係る劣化の第6判定例(劣化Lv3から劣化Lv4への判定)を示す図である。劣化判定部18cは、例えば、図9に示すように、サンプリング回数「1018」の書き込み速度の平均速度2588[KB/s]が劣化判定閾値2600[KB/s](初回速度の50%)未満の場合、SDカード16がLv3からLv4に劣化したと判定する。変更部18dは、劣化判定部18cにより判定された判定結果に基づいて、カメラ17のフレームレートを2fpsから1fpsに変更する。
【0042】
次に、管理装置2について説明する。管理装置2は、複数のドライブレコーダー1のSDカード16に記録された画像に基づいて車両Vの運行を管理するものである。管理装置2は、例えば、パーソナルコンピューターにより構成され、輸送業者等の事務所に設置される。管理装置2は、SDカード16を挿入可能なSDカード用ソケットが設けられている。管理装置2は、SDカード16がSDカード用ソケットに挿入されると、当該SDカード16から情報を読み出すことができると共に、SDカード16に情報を書き込むことができる。管理装置2は、例えば、事故などのイベントが発生した場合、当該事故に関する画像をSDカード16から読み出し、管理者Pによる事故検証に用いられる。管理装置2は、SDカード16がSDカード用ソケットに挿入されると、SDカード16に記録されている挿抜回数を1回加算し、加算した挿抜回数をSDカード16に書き込む。なお、管理装置2は、ドライブレコーダー1からインターネット通信網Eを介して送信された情報(例えば、SDカード16の劣化に関する情報)をディスプレイに表示する。
【0043】
次に、フローチャートを参照して運行管理システム100の動作例について説明する。運行管理システム100において、ドライブレコーダー1は、不揮発性メモリ14に記憶された運行記録プログラムを読み出し、当該運行記録プログラムに基づいて以下の処理を実行する。ドライブレコーダー1は、例えば、図10に示すように、輸送業者の運転者が車両Vの運行を開始する際に、SDカード16がドライブレコーダー1の挿抜部15に挿入される(ステップS1)。ドライブレコーダー1は、SDカード16がドライブレコーダー1の挿抜部15に挿入されると、初期設定として、フラグをOFFに設定すると共にサンプリング回数を「0」に設定する(ステップS2)。次に、ドライブレコーダー1は、SDカード16が初めて挿入されたか否かを判定する(ステップS3)。ドライブレコーダー1は、例えば、SDカード16に記録された挿抜回数を読み出し、挿抜回数が「0回」の場合、初めて挿入されたと判定し(ステップS3;Yes)、挿抜回数のカウンタを「1」に設定する(ステップS4)。一方で、ドライブレコーダー1は、挿抜回数が「0回」でない場合、初めて挿入されていないと判定し(ステップS3;No)、挿抜回数のカウンタを加算する(ステップS5)。次に、ドライブレコーダー1は、SDカード16から初回速度を読み出し、フラグをONに設定する(ステップS6)。なお、ドライブレコーダー1は、SDカード16から初回速度を読み出せない場合、SDカード16の初回の使用であると考えられるので、SDカード16の初回の書き込み速度(初回速度)を算出してSDカード16に初回速度を書き込む。次に、ドライブレコーダー1は、不揮発性メモリ14から劣化の初期状態を読み出し、劣化の初期状態を前回状態に設定しておく(ステップS7)。例えば、ドライブレコーダー1は、劣化の初期状態が劣化Lv1である場合、劣化Lv1を前回状態に設定し、劣化の初期状態が正常状態である場合、正常状態を前回状態に設定しておく。次に、ドライブレコーダー1は、初期状態が正常状態であるか否かを判定する(ステップS8)ドライブレコーダー1は、初期状態が正常状態である場合(ステップS8;Yes)、変更前のフレームレート、すなわちフレームレートのデフォルト値(10fps)を設定する(ステップS9)。一方で、ドライブレコーダー1は、初期状態が正常状態でない場合(ステップS8;No)、劣化の度合に応じた変更後のフレームレート(7fps、5fps、2fps、又は、1fpsのいずれか)を設定する(ステップS10)。変更後のフレームレートは、前回の記録処理の際に不揮発性メモリ14に記録されている。次に、ドライブレコーダー1は、設定されたフレームレートでカメラ17により画像を撮像して動画をSDカード16に記録する(ステップS11)。このステップS11の動画記録処理については、図11図12を参照しながら後で詳細に説明する。ドライブレコーダー1は、動画記録処理の終了後、SDカード16が挿抜部15から抜去され(ステップS12)、不揮発性メモリ14の初期状態に劣化状態を設定する(ステップS13)。
【0044】
次に、図11図12に示すフローチャートを参照して動画記録処理(上述のステップS11)について詳細に説明する。上記動画記録処理では、ドライブレコーダー1は、所定のフレームレートで画像を撮像し(ステップT1)、撮像した画像をSDカード16に書き込む(ステップT3)。このとき、ドライブレコーダー1は、画像をSDカード16に書き込む時間を計測する(ステップT2、T4)。そして、ドライブレコーダー1は、複数のサンプリング結果に基づいて書き込み速度の平均を算出し(ステップT6)、フラグがONであるか否かを判定する(ステップT7)。ドライブレコーダー1は、フラグがONである場合(ステップT7;Yes)、書き込み速度の平均を設定し(ステップT8)、フラグをOFFにして(ステップT9)、ステップT1の処理(画像を撮像する処理)に戻る。ドライブレコーダー1は、フラグがOFFである場合(ステップT7;No)、SDカード16の劣化を判定する(ステップT10)。例えば、劣化判定部18cは、SDカード16に初めて情報を書き込む初回の書き込み速度(初回速度)と現状の書き込み速度とに基づいてSDカード16の劣化を判定する。劣化判定部18cは、前回状態から劣化が変化しているか否かを判定する(ステップT11)。劣化判定部18cは、前回状態から劣化が変化していない場合(ステップT11;No)、所定のフレームレートで画像をSDカード16に記録して図10に示すステップS12の処理(SDカード16を抜去)に移行する。一方で、劣化判定部18cは、前回状態から劣化が変化している場合(ステップT11;Yes)、前回状態から劣化が進んでいるか否かを判定する(ステップT12)。劣化判定部18cは、前回状態から劣化が進んでいない場合(ステップT12;No)、劣化が正常状態に戻ったか否かを判定する(ステップT13)。
【0045】
ドライブレコーダー1は、劣化が正常状態に戻っていない場合(ステップT13;No)、変更後のフレームレートに設定し(ステップT14)、当該フレームレートで画像をSDカード16に記録する。次に、ドライブレコーダー1は、フレームレートの決定を通信項目に設定し(ステップT15)、通信項目の内容を送信する(ステップT23)。次に、ドライブレコーダー1は、劣化状態を初期状態に設定し(ステップT24)、図10に示すステップS12の処理(SDカード16を抜去)に移行する。上述のステップT13で、ドライブレコーダー1は、劣化が正常状態に戻っている場合(ステップT13;Yes)、デフォルト値をフレームレートに設定し(ステップT16)、当該フレームレートで画像をSDカード16に記録する。次に、ドライブレコーダー1は、フレームレートの決定を通信項目に設定し(ステップT17)、通信項目の内容を送信する(ステップT23)。
【0046】
上述のステップT12で、劣化判定部18cは、前回状態から劣化が進んでいる場合(ステップT12;Yes)、劣化がLv4であるか否かを判定する(ステップT18)。劣化判定部18cは、劣化がLv4でない場合(ステップT18;No)、変更後のフレームレートに設定し(ステップT19)、当該フレームレートで画像をSDカード16に記録する。劣化判定部18cは、カウントした挿抜回数が基準挿抜回数以上であるか否かを判定する(ステップT20)。ドライブレコーダー1は、カウントした挿抜回数が基準挿抜回数以上でない場合(ステップT20;No)、SDカード16をフォーマット(初期化)することを推奨する旨を通信項目に設定し(ステップT21)、通信項目の内容を送信する(ステップT23)。上述のステップT18で、劣化がLv4である場合(ステップT18;Yes)、SDカード16を交換することを推奨する旨を通信項目に設定し(ステップT21)、通信項目の内容を送信する(ステップT23)。上述のステップT20で、カウントした挿抜回数が基準挿抜回数以上である場合(ステップT20;Yes)、SDカード16を交換することを推奨する旨を通信項目に設定し(ステップT21)、通信項目の内容を送信する(ステップT23)。そして、ドライブレコーダー1は、劣化状態を初期状態に設定し(ステップT24)、図10に示すステップS12の処理(SDカード16を抜去)に移行する。
【0047】
以上のように、実施形態に係るドライブレコーダー1は、カメラ17と、SDカード16と、劣化判定部18cと、変更部18dとを備える。カメラ17は、車両Vに設けられ所定のフレームレートで画像を撮像する。SDカード16は、カメラ17で撮像された画像を記録する。劣化判定部18cは、SDカード16の劣化を判定する。変更部18dは、劣化判定部18cにより判定されたSDカード16の劣化に基づいてフレームレートを変更する。
【0048】
この構成により、ドライブレコーダー1は、例えば、SDカード16が劣化している場合、カメラ17のフレームレートを下げることでSDカード16に書き込む画像のデータ量を減少させることができ、SDカード16への書き込みエラーを抑制することができる。この結果、ドライブレコーダー1は、画像を適正に記録することができる。特に、ドライブレコーダー1は、画像が欠損することを抑制することが重要であるため、車両Vの外部で発生した事象を確認できるレベルまで多少画質を落とすことで画像を記録し続けることは有効である。
【0049】
上記ドライブレコーダー1は、カメラ17により撮像された画像をSDカード16に書き込む書き込み速度を検出する検出部18aをさらに備える。劣化判定部18cは、検出部18aにより検出された書き込み速度に基づいてSDカード16の劣化を判定する。この構成により、ドライブレコーダー1は、SDカード16への書き込み速度が低下した場合、例えば、断片化によりSDカード16が劣化していると判定することができる。
【0050】
上記ドライブレコーダー1は、SDカード16を挿抜可能な挿抜部15と、SDカード16を挿抜部15に挿抜した挿抜回数をカウントするカウント部18bとをさらに備える。劣化判定部18cは、カウント部18bによりカウントした挿抜回数に基づいて当該SDカード16の劣化を判定する。この構成により、ドライブレコーダー1は、SDカード16への書き込み速度が低下した場合、挿抜による接点の摩耗によりSDカード16が劣化していると判定することができる。
【0051】
上記ドライブレコーダー1において、劣化判定部18cは、SDカード16が挿抜部15に挿入された際に、当該SDカード16の劣化を判定する。変更部18dは、SDカード16を挿抜部15に挿入後に、劣化判定部18cによりSDカード16が劣化していないと判定した場合、変更したフレームレートをデフォルト値に戻す。この構成により、ドライブレコーダー1は、劣化したSDカード16がフォーマット(初期化)された際に、フレームレートをデフォルト値に戻すことができる。
【0052】
上記ドライブレコーダー1において、変更部18dは、劣化判定部18cにより判定されたSDカード16の劣化に基づいてフレームレートを下げる際に、SDカード16の劣化が相対的に大きい場合、フレームレートを相対的に大きく下げ、SDカード16の劣化が相対的に小さい場合、フレームレートを相対的に小さく下げる。この構成により、ドライブレコーダー1は、SDカード16の劣化の度合に応じて適切にフレームレートを設定することができる。
【0053】
運行管理システム100は、複数のドライブレコーダー1と、管理装置2とを備える。管理装置2は、複数のドライブレコーダー1のSDカード16に記録された画像に基づいて車両Vの運行を管理する。この構成により、運行管理システム100は、画像を適正に記録したSDカード16から取得した画像に基づいて車両Vの運行状態を適正に管理することができる。
【0054】
運行記録プログラムは、所定のフレームレートで画像を撮像する撮像ステップと、撮像ステップで撮像された画像をSDカード16に記録する記録ステップと、SDカード16の劣化を判定する劣化判定ステップと、劣化判定ステップで判定されたSDカード16の劣化に基づいてフレームレートを変更する変更ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。運行記録プログラムは、画像をSDカード16に適正に記録させることができる。
【0055】
なお、上記説明では、劣化判定部18cは、書き込み速度や挿抜回数に基づいてSDカード16の劣化を判定する例について説明したが、これに限定されず、例えば、SDカード16の使用期間に基づいてSDカード16の劣化を判定してもよい。
【0056】
記録媒体は、SDカード16である例について説明したが、これに限定されず、例えば、USBメモリ等の記録媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 ドライブレコーダー(車載機器)
15 挿抜部
16 SDカード(記録媒体)
17 カメラ(撮像部)
18a 検出部
18b カウント部
18c 劣化判定部
18d 変更部
100 運行管理システム
V 車両
図1
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図12