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  • 特開-引込線係留具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053645
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】引込線係留具
(51)【国際特許分類】
   H02G 7/02 20060101AFI20240409BHJP
   H02G 1/04 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
H02G7/02
H02G1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159978
(22)【出願日】2022-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】000221409
【氏名又は名称】東神電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 尚英
【テーマコード(参考)】
5G352
5G367
【Fターム(参考)】
5G352BA04
5G367DA02
5G367DB08
5G367DC03
(57)【要約】
【課題】
より簡単に引込線を固定できる引込線係留具を提供する。
【解決手段】
引込線W0を係留するための引込線係留具300であって、引込線W0を巻き付けるための巻付部170を備えた本体部100と、巻き付けられた引込線W0を押さえつけるスライドナット200と、を備えており、本体部100には、スライドナット200を挿通させて直線状にスライドさせる軸部140が形成されており、スライドナット200により引込線W0を押さえつけるために、スライドナット200を軸部140に沿ってスライドさせた位置で固定可能な固定手段を備えることを特徴とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引込線を係留するための引込線係留具であって、
前記引込線を巻き付けるための巻付部を備えた本体部と、
巻き付けられた前記引込線を押さえつけるスライドナットと、を備えており、
前記本体部には、前記スライドナットを挿通させて直線状にスライドさせる軸部が形成されており、
前記スライドナットにより前記引込線を押さえつけるために、前記スライドナットを前記軸部に沿ってスライドさせた位置で固定可能な固定手段を備えることを特徴とする引込線係留具。
【請求項2】
前記固定手段は、前記軸部に設けられた被係合部と、前記スライドナットに設けられ、前記被係合部と係合可能な係合部とから構成され、
前記被係合部と前記係合部は、前記スライドナットをスライドさせた複数の位置で、互いに係合できるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の引込線係留具。
【請求項3】
前記スライドナットは、前記引込線を前記巻付部へ向けて押さえつける押付爪を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の引込線係留具。
【請求項4】
前記スライドナットには、前記本体部の一部に面接触する面接触部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の引込線係留具。
【請求項5】
前記スライドナットには、前記本体部の一部に面接触する面接触部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の引込線係留具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、電線等の引込線を家屋等の構造物に引き込む際に、当該引込線を係留するための引込線係留具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から電線等の引込線を家屋等の構造物に引き込む際には、特許文献1に示すような引込線係留具が用いられており、この引込線係留具は、引込線を固定するための留具本体と、引込線が外れないように引込線を押さえつける締付ナットを備えている。そして、引込線を留具本体に巻き付けた後、締付ナットを回転させて引込線を締め付けるように固定している。ただ、張力がかかる電線等の引込線を高所で取り扱う作業においては、締付ナットを回転させて締め付ける作業は時間と労力がかかるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3574441号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって、本願発明は、上記問題に鑑み、より簡単に引込線を固定できる引込線係留具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願発明の引込線係留具は、引込線を係留するための引込線係留具であって、前記引込線を巻き付けるための巻付部を備えた本体部と、巻き付けられた前記引込線を押さえつけるスライドナットと、を備えており、前記本体部には、前記スライドナットを挿通させて直線状にスライドさせる軸部が形成されており、前記スライドナットにより前記引込線を押さえつけるために、前記スライドナットを前記軸部に沿ってスライドさせた位置で固定可能な固定手段を備えることを特徴とする。
【0006】
上記特徴によれば、スライドナットを直線状にスライドさせるという単純な操作によって、引き込んだ引込線を外れないように押さえつけ、さらに、スライドナットがスライドした位置で固定されるため、引込線が外れないように固定された状態を維持できる。
【0007】
さらに、本願発明の引込線係留具は、前記固定手段は、前記軸部に設けられた被係合部と、前記スライドナットに設けられ、前記被係合部と係合可能な係合部とから構成され、前記被係合部と前記係合部は、前記スライドナットをスライドさせた複数の位置で、互いに係合できるように構成されていることを特徴とする。
【0008】
上記特徴によれば、スライドナットをスライドさせて固定する位置を適宜変更でき、引込線の外径が変わっても、スライドナットは引込線をしっかりと押さえつけることができる。
【0009】
さらに、本願発明の引込線係留具は、前記スライドナットは、前記引込線を前記巻付部へ向けて押さえつける押付爪を備えることを特徴とする。
【0010】
上記特徴によれば、押付爪が、引込線を巻付部へ向けて押さえつけて、引留力の低下を防止している。
【0011】
さらに、本願発明の引込線係留具は、前記スライドナットには、前記本体部の一部に面接触する面接触部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
上記特徴によれば、スライドナットの姿勢が安定し、スライドナットが引込線をしっかりと押さえつけた状態を維持できる。
【発明の効果】
【0013】
本願発明の引込線係留具は、より簡単に引込線を固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本願発明の引込線係留具の本体部の全体斜視図である。
図2】(a)は、本願発明の引込線係留具の本体部の平面図、(b)は、本体部の側面図、(c)はA―A断面図である。
図3】(a)は、本願発明の引込線係留具のスライドナットの全体斜視図、(b)は、スライドナットの平面図である。
図4】(a)は、本願発明の引込線係留具のスライドナットの側面図、(b)は、図3のB―B断面図である。
図5】引込線係留具に引込線を取り付けて、引込線をスライドナットで押さえつける前の状態の全体斜視図である。
図6】引込線をスライドナットで押しつけて固定した状態の全体斜視図である。
図7図6に示す引込線係留具の平面図である。
図8】(a)は、図6に示す引込線係留具の側面図、(b)は、図7のC―C断面図である。
【符号の説明】
【0015】
100 本体部
140 軸部
170 巻付部
200 スライドナット
300 引込線係留具
W0 引込線

【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本願発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本願発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
【0017】
まず、図1及び図2に本願発明の引込線係留具300の本体部100を示す。なお、図1は、本体部100の全体斜視図、図2(a)は、本体部100の平面図、図2(b)は、本体部100の側面図、図2(c)はA―A断面図である。
【0018】
図1及び図2に示すように、本体部100は、絶縁性の合成樹脂で形成されており、全体が略直方体形状になっている。具体的には、本体部100は、上壁面110と下壁面120と両側の側壁面130とを備えており、先端101には、上壁面110と下壁面120と側壁面130のそれぞれが先端101へ向けて延出するように構成された軸部140が設けられている。さらに、軸部140の先端には係留部150が設けられており、係留部150には、係留金具等を係止する係留孔151が形成されている。
【0019】
また、側壁面130には、側方へ突出する巻付部170が複数設けられている。この巻付部170は、側壁面130に連結された根元部171と、根元部171の先端の頭部172とを備えており、頭部172は、根元部171に巻きつけられた電線等が外れないように、根元部171よりも大きな外径を備えている。なお、巻付部170は、片側の側壁面130に3つ並べて配置されているが、これに限定されず、片側の側壁面130に1つ又は2つ、もしくは、4つ以上の任意の数の巻付部170を並べて配置してもよい。また、図2(b)に示すように、巻付部170は、側面視で、巻付部170の中心線において線対称な形状をしている。そのため、後述するように、電線等を巻付部170に巻き付ける際は、上壁面110側又は下壁面120側のいずれかの側からでも巻き付ける事が出来るため、巻き付け方向を選ぶ必要がなく、作業性が良いのある。
【0020】
さらに、本体部100の末端102には、巻付補助部160が設けられている。この巻付補助部160は、側壁面130から側方へ突出しており、略C字形状をしている。具体的には、両側の保持片161と、保持片161の間の開口162を備えており、後述するように電線等を開口162から内部に挿通させて、保持片161の凹部163が、電線が抜けないように電線を保持するのである。
【0021】
また、軸部140周辺の上壁面110と下壁面120には、弾性片180が設けられている。この弾性片180は、上壁面110及び下壁面120において、基部181を残して周囲から切り離されて形成されている。さらに、弾性片180の裏側、つまり、本体部100の内部は空洞103になっているので、弾性片180は、基部181を起点に空洞103側へ弾性変形できる。さらに、弾性片180の表面には、後述するスライドナットの爪状の係合部が係合可能な被係合部182が複数形成されている。この被係合部182は、爪状に突出しており、所定間隔で平行に配置されている。なお、弾性片180には、複数の被係合部182が設けられているが、これに限定されず、被係合部182を一つのみ設けてもよい。さらに、弾性片180は、上壁面110及び下壁面120に設けられているが、これに限定されず、本体部100の任意の位置に任意の数設けてもよい。
【0022】
また、後述するように、スライドナットが軸部140から先端101側へ抜けないように、弾性片180の先端側には、スライドナットの係合部が係止して止まる抜防止爪183が設けられている。さらに、抜防止爪183に隣接する位置には、保持爪184が設けられている。後述するように、スライドナットが不用意に巻付部170側へスライドしないように、スライドナットの係合部が保持爪184に係止して、スライドナットを所定位置に保持する。また、基部181側には、弾性片180が弾性変形しやすいように、弾性片180の厚さを局所的に薄くした薄肉部185が設けられている。
【0023】
また、軸部140周辺の側壁面130には、レール部135が設けられている。このレール部135は、2本設けられており、互いに平行に直線状に延出している。また、本体部100には、上壁面110から下壁面120へ貫通する補助孔105が設けられており、電線等を引き込むために適宜利用してもよい。
【0024】
次に、図3及び図4に本願発明の引込線係留具300のスライドナット200を示す。なお、図3(a)は、スライドナット200の全体斜視図、図3(b)は、スライドナット200の平面図、図4(a)は、スライドナット200の側面図、図4(b)は、図3のB―B断面図である。
【0025】
図3及び図4に示すように、スライドナット200は、絶縁性の合成樹脂で形成されており、中央に挿通孔210を備えた本体部220と、本体部220の裏面側の四隅から突出した押付爪230と、本体部220の表面側から突出した面接触部240とを備える。挿通孔210は、後述するように本体部100の軸部140が挿通し、軸部140に沿ってスライド可能に構成されている。また、挿通孔210の内面211には、内側に突出した爪状の係合部212が設けられている。
【0026】
また、押付爪230は、後述するように本体部100の巻付部170へ向けて突出しており、押付爪230の内面は先端231へ向けて傾斜する傾斜面232となっている。また、押付爪230は、電線等に接触して押さえつける本体部220の当接部221に隣接しており、押付爪230の傾斜面232は、平坦な当接部221から斜めに突出している。なお、押付爪230は、当接部221の両側に設けられているが、これに限定されず、押付爪230は、当接部221の片側のみに設けてもよい。
【0027】
また、面接触部240は、内側に平坦な接触面241を備え、この接触面241は、本体部100の側壁面130に面接触可能に構成されている。また、面接触部240の接触面241は、挿通孔210の内面211と連続しており、接触面241と内面211は面一となっている。
【0028】
では次に、図5から図8を参照して、本願発明の引込線係留具300の使用態様について説明する。なお、図5は、引込線係留具300に引込線W0を取り付けて、引込線W0をスライドナット200で押さえつける前の状態の全体斜視図、図6は、引込線W0をスライドナット200で押しつけて固定した状態の全体斜視図、図7は、図6に示す引込線係留具300の平面図、図8(a)は、図6に示す引込線係留具300の側面図、図8(b)は、図7のC―C断面図である。
【0029】
まず、図5に示すように、引込線係留具300を用いて、電線などの引込線W0を引き込む際は、本体部100の軸部140にスライドナット200を挿通させて取り付けておく。その際、スライドナット200の係合部212(図3参照)が、本体部100の軸部140の抜防止爪183(図2参照)に係止するので、スライドナット200が本体部100の先端101側へ抜けることを防止できる。また、スライドナット200の係合部212(図3参照)が、本体部100の軸部140の保持爪184(図2参照)に係止するので、スライドナット200が巻付部170側へ向けてスライドすることを防止できる。つまり、スライドナット200を、巻付部170から離間した位置で保持できるのである。
【0030】
そして、引込線係留具300の係留孔151には、家屋等の構造物の一部に連結される金属製の連結金具等(不図示)を固定する。また、引込線係留具300の本体部100の各巻付部170に、引込線W0を交差させるように巻き付けて、引込線W0を引込線係留具300に固定する。このようにして、引込線係留具300を用いて、引込線W0を家屋等の構造物の一部に引き込んで固定するのである。
【0031】
具体的には、図5に示すように、引込線W0の一方端W1側を、巻付補助部160の開口162から巻付補助部160の内部に挿通させて、一方端W1を巻付補助部160の保持片161に引っ掛ける。すると、引込線W0の一方端W1側の位置や姿勢が、巻付補助部160によって保持されるので、次に続く、引込線W0の巻付部170への巻き付け作業が行いやすいのである。
【0032】
次に、図5に示すように、引込線W0を各巻付部170の根元部171に交互に引っ掛けるようにして巻き付ける。そして、引込線W0の他方端W2側を、先端101側の巻付部170に略U字状に巻き付ける。なお、引込線W0の他方端W2側は、家屋等の構造物の電気系統に接続されることになる。
【0033】
次に、図6から図8に示すように、スライドナット200を巻付部170側へ向けてスライドさせる。スライドナット200は、軸部140に沿って直線状にスライドするので、作業者はスライドナット200を巻付部170へ向けて単純に移動させるだけでよい。そして、スライドナット200を巻付部170へ向けてスライドさせると、引込線W0の他方端W2側(巻付部170に略U字状に巻き付けられた箇所)が、スライドナット200の当接部221によって押さえつけられるので、本体部100の巻付部170に巻き付けられた引込線W0が外れてしまうことを防止できる。なお、巻付部170の頭部172は、根元部171よりも外径が大きいので、頭部172は、根元部171に巻き付けられた引込線W0が外れることを防止している。
【0034】
さらに、図8(b)に示すように、スライドナット200がスライドした位置において、スライドナット200の係合部212が、本体部100の被係合部182に係合している。そのため、スライドナット200はスライドした位置において固定されているので、スライドナット200は、引込線W0が外れないように押さえつけた状態を強固に維持できる。このように、本願発明の引込線係留具300によれば、スライドナット200を直線状にスライドさせるという単純な操作によって、引き込んだ引込線W0を外れないように押さえつけ、さらに、スライドナット200がスライドした位置で固定されるため、引込線W0が外れないように押さえつけられた状態を維持できる。
【0035】
さらに、図8(b)に示すように、被係合部182は複数設けられているので、スライドナット200をスライドさせて固定する位置を適宜変更でき、引込線W0の外径が変わっても、スライドナット200は引込線W0をしっかりと押さえつけることができる。
【0036】
さらに、図8(a)に示すように、スライドナット200の押付爪230は、巻付部170側へ突出しており、引込線W0の他方端W2側に当接している。そのため、押付爪230は、引込線W0の他方端W2側を巻付部170へ向けて押さえつけており、引込線W0の他方端W2が本体部100の先端101側へ引っ張られて立ち上がってしまうことを防止できる。特に、引込線W0の他方端W2側は、家屋等の構造物の電気系統に接続されるため、外力によって、本体部100の先端101側へ引っ張られて立ち上がりやすい。すると、引込線W0の他方端W2側が巻付部170から離れてしまい、巻付部170への引留力の低下を招いてしまう。そこで、押付爪230が、引込線W0を巻付部170へ向けて押さえつけて、引留力の低下を防止しているのである。
【0037】
また、図7に示すように、引込線W0の他方端W2側に、本体部100の先端101側へ立ち上がるように外力がかかると、引込線W0の他方端W2側を押さえつけているスライドナット200にも、本体部100の先端101側へ立ち上がるように力Fがかかる。すると、スライドナット200の一方の側端部201側は、力Fによって先端101側へ持ち上げられ、スライドナット200は、本体部100の軸部140に対して斜めに傾くようになり、スライドナット200の姿勢が安定しなくなる。すると、スライドナット200が引込線W0をしっかりと押さえつけることが難しくなる。
【0038】
ただ、図7に示すように、スライドナット200の面接触部240が、本体部100の一部に面接触しているので、スライドナット200が傾くことを防止している。その結果、スライドナット200の姿勢が安定し、スライドナット200が引込線W0をしっかりと押さえつけた状態を維持できる。さらに、図8に示すように、面接触部240の両側には本体部100のレール部135が配置されている。そのため、スライドナット200の面接触部240の位置及び姿勢がズレにくく、スライドナット200の姿勢が更に安定し易くなる。なお、2本のレール部135が、面接触部240の両側に沿って配置されているが、これに限定されず、レール部135を1本のみ設け、面接触部240に設けた溝などにレール部135を嵌め込んでスライド可能にし、スライドナット200の姿勢を安定させてもよい。また、その他にも、レール部は、スライドナット200の面接触部240の位置及び姿勢がズレないように、面接触部240を案内できる態様であれば、任意の態様であってもよい。
【0039】
なお、図7から図8に示す引込線係留具300では、スライドナット200に係合部212が一つ設けられ、係合部212と係合する被係合部182が、本体部100側に複数設けられているが、これに限定されず、スライドナット200側に係合部212が複数設けられ、本体部100側に被係合部182を一つ設けてもよい。また、図7から図8に示す引込線係留具300では、スライドナット200をスライドさせた位置で固定する固定手段が、スライドナット200の爪状の係合部212と、本体部100の爪状の被係合部182とから構成されているが、これに限定されず、固定手段は、スライドナット200をスライドさせた位置で固定できるのであれば、任意の手段から構成されてもよい。例えば、固定手段は、本体部100に設けられた固定孔と、スライドナット200に設けられた固定ピンとから構成され、スライドナット200の固定ピンを本体部100の固定孔に挿入することで、スライドナット200をスライドさせた位置で固定してもよい。
【0040】
なお、本願発明の引込線係留具は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8