特開 2024-53648 包装箱

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024053648

(43)【公開日】2024-04-16

(54)【発明の名称】包装箱

(51)【国際特許分類】

   B65D 5/50 20060101AFI20240409BHJP

【ＦＩ】

B65D5/50 C

【審査請求】未請求

【請求項の数】8

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022159982

(22)【出願日】2022-10-04

(71)【出願人】

【識別番号】000002897

【氏名又は名称】大日本印刷株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110001933

【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】仲辻 裕一

【テーマコード（参考）】

3E060

【Ｆターム（参考）】

3E060AA03

3E060AB05

3E060BA06

3E060BB02

3E060BB03

3E060BC02

3E060CC06

3E060CC18

3E060CC19

3E060CC60

3E060EA09

(57)【要約】

【課題】瓶の首部に取り付けられたラベルの破損を防止できる包装箱を提供する。
【解決手段】上部が底部６１１よりも太い胴部６１と首部６２を有する瓶６を包装する包装箱１は、筒状の側面部２と、側面部２の上面を開閉する蓋部３と、側面部２の底面を閉じる底面部４と、対向する一対の側面板２１、２３に連接して胴部６１の上部である肩部６１２と接触する一対の支持部５とを備える。支持部５は、肩部６１２を上方から押圧するとともに側方から押圧する。
【選択図】図５

【特許請求の範囲】

【請求項1】

上部が底部よりも太い胴部と前記胴部よりも細い首部を有する瓶を包装する包装箱であって、
複数の側面板を有する筒状の側面部と、
前記側面板の一つの上端と連設され前記側面部の上面を開閉する蓋部と、
前記側面部の底面を閉じる底面部と、
対向する一対の前記側面板に連接して前記胴部の上部である肩部と接触する一対の支持部とを備え、
前記支持部は、
前記側面板の上端から内方に折曲される上板部と、
前記上板部から折曲して下方に延びる延設部と、
前記延設部の下端から折曲して前記側面板に向かって延びる下板部と、
前記下板部から折曲し、前記側面板に接触して固定される固定部と、を有し、
前記延設部が前記肩部を上方から押圧するとともに、前記下板部が前記肩部を側方から押圧する包装箱。

【請求項2】

前記延設部は、下端部に上方に凹む第１凹部を有し、
前記下板部は、前記第１凹部と一体的に形成されて前記固定部に向かって凹む第２凹部を有し、
前記第１凹部が前記瓶の前記肩部に上方から当接するとともに前記第２凹部が前記瓶の前記肩部に側方から当接する請求項１に記載の包装箱。

【請求項3】

平面視において前記第１凹部の辺縁部は前記肩部の上部に沿う曲線状であり、
平面視において前記第２凹部の辺縁部は前記肩部の側部に沿う円弧状である請求項２に記載の包装箱。

【請求項4】

前記支持部の前記固定部は、前記側面板の内面に接着固定される請求項１から請求項３のいずれかに記載の包装箱。

【請求項5】

前記側面部の内部に収容される内支持部材をさらに有し、
前記内支持部材は、少なくとも前記一対の側面板それぞれの内面と接触して配置される一対の内側板を有し、
前記内側板は、それぞれ、前記瓶の前記胴部の少なくとも一部と接触し、
前記固定部は、前記側面板と前記内側板との間に挿入される請求項１から請求項３のいずれかに記載の包装箱。

【請求項6】

前記内支持部材は、筒状であり、
前記内支持部材は、前記側面部の各側面板の内面のそれぞれと接触して配置される複数の前記内側板を有する請求項５に記載の包装箱。

【請求項7】

前記内支持部材は、前記内側板と連設される底面部材を有し、
前記底面部材は、前記底面部と接触して配置される請求項５に記載の包装箱。

【請求項8】

前記内支持部材は、前記内側板と連設される底面部材を有し、
前記底面部材は、前記底面部と接触して配置される請求項６に記載の包装箱。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、瓶を包装する包装箱に関する。

【背景技術】

【0002】

瓶を包装する従来の包装箱では、瓶は、胴部よりも細い首部が上部となるように包装箱に収納される。外箱の上端部には、円形の孔を有する支持板が設けられる。瓶は胴部に緩衝材が取り付けられた状態で、包装箱に収納され、首部が支持板の孔に挿入される。これにより、瓶が支持され、搬送時の振動等による瓶の破損が防止される。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２００９－２８０２７７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

瓶の首部の上端部は注ぎ口となっており、その注ぎ口には栓が取り付けられる。瓶によっては、栓及び首部の一部を覆うように、ラベルが取り付けられる場合がある。このように、首部にラベルが取り付けられる瓶において、支持板の貫通孔に首部を挿入して瓶を保持する場合、首部のラベルが支持板と擦れてラベルが破損する虞がある。

【0005】

本発明は、瓶の首部に取り付けられたラベルの破損を防止できる包装箱を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上記目的を達成するために本発明にかかる包装箱は、上部が底部よりも太い胴部と前記胴部よりも細い首部を有する瓶を包装する。包装箱は、複数の側面板を有する筒状の側面部と、前記側面板の一つの上端と連設され前記側面部の上面を開閉する蓋部と、前記側面部の底面を閉じる底面部と、対向する一対の前記側面板に連接して前記胴部の上部である肩部と接触する一対の支持部とを有する。前記支持部は、前記側面板の上端から内方に折曲される上板部と、前記上板部から折曲して下方に延びる延設部と、前記延設部の下端から折曲して前記側面板に向かって延びる下板部と、前記下板部から折曲し、前記側面板に接触して固定される固定部と、を有する。前記延設部が前記肩部を上方から押圧するとともに、前記下板部が前記肩部を側方から押圧する。

【発明の効果】

【0007】

本発明によると、瓶の首部に取り付けられたラベルの破損を防止することができる包装箱を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】図１は、一実施形態の包装箱に収納される瓶の斜視図である。

【図2】図２は、瓶が収納された包装箱の分解斜視図である。

【図3】図３は、ブランク板を示す平面図である。

【図4】図４は、支持部を折り曲げた状態の包装箱の斜視図である。

【図5】図５は、支持部を側面部内部に配置した状態の包装箱の斜視図である。

【図6】図６は、包装箱の支持部が瓶を支持した状態の上面図である。

【図7】図７は、包装箱を図６に示すＶＩＩ－ＶＩＩ線で切断した断面図である。

【図8】図８は、第１変形例の包装箱の図７と同じ断面で切断した断面図である。

【図9】図９は、第２変形例の包装箱の分解斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。本明細書では、図１及び図２に示す瓶６及び包装箱１の状態を基準に上下前後左右を定義する。つまり、首部６２が配置される側が「上」であり、その反対側が「下」である。また、ラベル６３の首部６２の側面の一部を覆う側を前後とし、ラベル６３の長い部分が配置される側が「前」であり、その反対側が「後」である。さらに、前方から後方に向かって瓶６又は包装箱１を見て、「左」、「右」を定義する。以下、別途説明する場合を除き、上述の方向を利用して説明する。

【0010】

図１は、一実施形態の包装箱１に収納される瓶６の斜視図である。図２は、瓶６が収納された包装箱１の分解斜視図である。図３は、ブランク板２０を示す平面図である。図４は、支持部を折り曲げた状態の包装箱１の斜視図である。図５は、支持部を側面部内部に配置した状態の包装箱１の斜視図である。なお、図４、図５では、内部に収納される瓶６を破線で示している。

【0011】

瓶６はガラス、陶磁器、プラスチック等により形成される。図１に示すように、瓶６は、胴部６１及び首部６２を有している。胴部６１は、有底筒状であり、底部６１１と、肩部６１２とを有する。胴部６１は、底部６１１から上方に向かうにつれて外径が大きくなるように形成されている。そして、底部６１１から一定の高さの部分に最大径となる部分を有する。そして、胴部６１の最大径の部分のより上部が肩部６１２である。肩部６１２は、上方に向かうにつれて外径が小さくなるように形成され、首部６２と接続する。

【0012】

首部６２は、上方に延びる筒状である。首部６２は、瓶６の内部に収容されている酒等の収容物を外部に注ぐための注ぎ口である。首部の外面には品名等を表示するラベル６３が貼り付けられる。ラベル６３は、首部６２の上端に首部６２を封鎖する栓部（不図示）の上部の少なくとも一部を覆い、首部６２の前後の両側に配置される。ラベル６３は前側６３１が長く形成されている。なお、ラベル６３の前側６３１に品名等が記載される。一方、ラベル６３の後側６３２は首部６２への固定に用いられる。そのため、ラベル６３の後側は、前側に比べて短い。なお、ラベル６３は、後側６３２も長くてもよい。

【0013】

図２に示すように、包装箱１は側面部２、蓋部３、底面部４、支持部５及び内支持部材７を備えている。側面部２は側面板２１～２４によって水平断面が矩形の筒状に形成される。なお、側面部２は、平面視正方形状の筒状である。蓋部３は蓋板３１及び差込片３２によって側面板２１の上端から折曲可能に形成され、側面部２の上面を開閉する。底面部４は底面板４１～４４（図３参照）により形成され、側面部２の底面を閉じる。

【0014】

支持部５は対向する側面板２１及び側面板２３の上端にそれぞれ連設される。詳細を後述するように、一対の支持部５によって瓶６の肩部６１２が支持される。

【0015】

包装箱１は段ボール紙、厚紙等により形成される一枚のブランク板２０を折り線２５上で折曲して組み立てられる。折り線２５は押罫または所定周期で切込みを配したミシン目により形成される。

【0016】

図３に示すように、ブランク板２０は折り線２５を介して連設される側面板２１、側面板２２、側面板２３、側面板２４及び糊代片２４１を有している。糊代片２４１を側面板２１に接着することにより、筒状の側面部２（図２等参照）が形成される。

【0017】

図３に示すように、側面板２１、側面板２２、側面板２３及び側面板２４の下端にはそれぞれ底面板４１、底面板４２、底面板４３及び底面板４４が折り線２５を介して連設される。底面板４１～４４はオートボトム構造の底面部４を構成する。底面板４１、４３は台形の同じ形状に形成される。底面板４２、４４は同じ形状に形成され、底面板４１～４４の並設方向に対して傾斜した折り線２５上で折曲される糊代片４２１、４４１を有している。

【0018】

底面板４１の内面は糊代片４２１の外面に接着され、底面板４４の内面は糊代片４４１の外面に接着される。底面板４２の先端が底面板４３の内面側に配されるとともに底面板４４の先端が底面板４１の内面側に配され、底面板４２、４４が互いに係合する。これにより、底面部４（図２等参照）が形成される。

【0019】

側面部２の内部には、内支持部材７が配置される。内支持部材７は、４つの内側板７１、７２、７３、７４にて形成される断面矩形状の筒体である。内支持部材７の内側板７１は、側面板２１の内面と接触して配置される。同様に、内支持部材７の内側板７２～７４は、側面板２２～２４にそれぞれ接触して配置される。内支持部材７は、側面部２に密着して配置される。そのため、包装箱１において、内支持部材７は、側面部２を補強する補強部材としての役割を果たす。

【0020】

なお、内支持部材７は、内側板７１～７４を有する筒状であるが、これに限定されない。例えば、底面部を有する有底筒状であってもよい。このとき、底面部は、包装箱１の底面部４と同様にオートボトム構造であってもよい。

【0021】

瓶６は、内支持部材７に接触して、包装箱１に収容される。内支持部材７は、瓶６の保護部材としての役割も果たす。なお、瓶６の保護部材とするため、内支持部材７は、ブランク板２０よりも厚みがある部材で形成されることが好ましい。さらに、内支持部材７には、支持部５の後述する固定部５４を固定する役割も果たす。固定部５４の固定の詳細については、後述する。

【0022】

図３に示すように、側面板２２の上端には蓋部３の蓋板３１が折り線２５を介して連設される。蓋板３１の開放端には差込片３２が折り線２５を介して連設される。蓋板３１及び差込片３２は側面部２（図２等参照）の上面を開閉する蓋部３（図２等参照）を形成する。側面板２４の内面に沿って差込片３２を差し込むことにより側面部２（図２等参照）の上面が閉じられる。

【0023】

図４、図５等に示すように、側面板２１、２３の上端にはそれぞれ支持部５が折り線２５を介して連設される。支持部５は上板部５１と、延設部５２と、下板部５３と、固定部５４とを有する。上板部５１は側面板２１、２３に隣接し、折り線２５によって側面板２１、２３から側面部２の内側に折曲される。延設部５２は上板部５１に折り線２５を介して連設され、瓶６の包装時に上板部５１から折曲して下方に延びる。

【0024】

下板部５３は、延設部５２の下端に折り線２５を介して連設される。そして、固定部５４は、下板部５３の延設部５２と接続する端部と反対側の端部に折り線２５を介して連設される。

【0025】

延設部５２の下端には、第１凹部５５が形成される。第１凹部５５の周縁は、平面視において、瓶６の肩部６１２の上部に全長に渡って接触可能な曲線状である（図６参照）。延設部５２の第１凹部５５は、支持部５を包装箱１の内部に配置したとき、収容された瓶６の胴部６１の肩部６１２を上方から押圧する（図４等参照）。なお、支持部５による瓶６の支持については後述する。

【0026】

下板部５３の延設部５２と連設される端部には、固定部５４に向かって凹む第２凹部５６を有する。延設部５２の第２凹部５６は、支持部５を包装箱１の内部に配置したとき、収容された瓶６の胴部６１の肩部６１２を側方から押圧する（図６、７等参照）。なお、支持部５による瓶６の支持については後述する。

【0027】

図２、図３等に示すように、折り線２５を折り曲げる前の支持部５において、第１凹部５５及び第２凹部５６は一体的に形成された貫通孔である。第２凹部５６は、下板部５３の平面視において、第２凹部５６の周縁部は、円弧状である。第２凹部５６は、延設部５２の下端部より、側面板２１、１３に向かって折り曲げられる。図３に示すように、第１凹部５５及び第２凹部５６は、曲線状の周縁の両端が接触するように配置されている。

【0028】

固定部５４は、下板部５３に対して折り曲げられる。図５、図７に示すように、包装箱１の内部において、固定部５４は、内支持部材７の内側板７１と側面板２１との隙間Ｔｈ及び内側板７３と側面板２３との隙間Ｔｈに挿入される。これにより、固定部５４は、側面板２１と内側板７１、側面板２３と内側板７３に挟まれて固定される。このとき、固定部５４は、側面板２１、２３及び内側板７１、７３の少なくとも一方に固定されてもよい。この固定の方法として、接着剤による接着を挙げることができるが、これに限定されず、粘着テープを用いた固定であってもよいし、その他の固定方法であってもよい。固定部５４を側面板２１、２３に対して移動しないように固定できる固定方法を広く採用することができる。

【0029】

次に、包装箱１の内部における、支持部５により瓶６の支持について図面を参照して説明する。図６は、包装箱１の支持部５が瓶６を支持した状態の上面図である。図７は、包装箱１を図６に示すＶＩＩ－ＶＩＩ線で切断した断面図である。

【0030】

図４に示すように、支持部５の上板部５１は、側面板２１、２３から折曲され、上板部５１から延設部５２が上方に折曲される。また、延設部５２から下板部５３が互いに内側に向かうように折曲され、下板部５３から固定部５４が上方に折曲される。

【0031】

支持部５が内側に回動することで、支持部５は側面部２の内部に移動する。このとき、固定部５４を、側面板２１と内支持部材７の内側板７１との隙間Ｔｈ及び側面板２３と内支持部材７の内側板７３との隙間Ｔｈに挿入する。これにより、固定部５４が側面板２１、２３の内面に固定される。

【0032】

そして、上板部５１及び下板部５３は、延設部５２にて連設されており、上板部５１を水平になるように下方に回動すると、下板部５３は固定部５４と下板部５３との接続部分を中心に下方に回動する。このとき、下板部５３に形成された第２凹部５６は、側面部２の内側に開口しており、瓶６の肩部６１２に側方から接触する（図５、図７等参照）。上板部５１が略水平になると、延設部５２の下端に形成された第１凹部５５が瓶６の肩部６１２に上方から接触する。同様に下板部５３も略水平になる。

【0033】

蓋部３の蓋板３１は、側面板２２から折曲される。そして、差込片３２を側面板２４と上板部５１との隙間に挿入される。このとき、蓋板３１は、支持部５の上板部５１を上方から下方に向かって押圧する。このとき、延設部５２の第１凹部５５の辺縁が全長に渡って瓶６の肩部６１２に接触する。これにより、延設部５２が瓶６の肩部６１２を下方に押圧する（図７参照）。

【0034】

瓶６の肩部６１２は、首部６２よりも径方向外側である。そのため、第１凹部５５及び第２凹部５６が瓶６の肩部６１２と接触しても、首部６２の取り付けられているラベル６３は、側面部２、蓋部３、支持部５等の包装箱１と接触しない。そのため、支持部５によって、瓶６が包装箱１の内部で支持されることで、ラベル６３が側面部２、蓋部３及び支持部５等によって擦れることがなく、ラベル６３が破れたり、剥がれたりすることを防止できる。これにより、ラベル６３を傷つけることなく、瓶６を包装箱１に収容することができる。

【0035】

また、下板部５３の第２凹部５６の辺縁が全長に渡って瓶６の肩部６１２側方から接触する。固定部５４が側面部２及び内支持部材７と、によって挟まれて側面板２１、２３の内面に固定されている。下板部５３は、側面板２１、２３と肩部６１２と接触し、瓶６の肩部６１２を側方から保持する。これにより、瓶６の上下方向の移動は、延設部５２によって制限され、瓶６の前後方向及び左右方向に沿う方向の移動は、下板部５３によって制限される。

【0036】

さらに、瓶６は胴部６１を内支持部材７に接触させた状態で包装箱１に収容される。これにより、内支持部材７は、瓶６の緩衝材としての役割を果たす。

【0037】

以上示したとおり、包装箱１に収容された瓶６は、支持部５及び内支持部材７によって保持され、包装箱１の内部でのがたつきが抑制される。これにより、瓶６の胴部６１の擦り傷等も抑制される。

【0038】

さらに、第１凹部５５の辺縁部が全長に渡って瓶６の肩部６１２を上方から押圧するとともに、第２凹部５６の辺縁部が全長に渡って瓶６の肩部６１２を側方から押圧する。また、上述のとおり、瓶６の胴部６１は内支持部材７と接触している。そのため、第１凹部５５及び第２凹部５６と瓶６の肩部６１２との摩擦力、及び、内支持部材７と瓶６の胴部６１との摩擦力よって、瓶６の回転が抑制される。

【0039】

これにより、瓶６は、ラベル６３の前側６３１が常に前方に向かった状態で、包装箱１の内部に収容される。その結果、蓋部３を上方に回動させたとき、ラベル６３は、開封者に対して常に同じ向きとなる。これにより、開封者は、包装箱１の蓋部３を開いたとき、ラベル６３の前側６３１を視認することができる。これにより、瓶６が収容された包装箱１状態の商品の品質を高めることができる。

【0040】

さらに、包装箱１の内部に、内支持部材７が配置されるため、包装箱１の側面部２の剛性が高められる。内支持部材７によって補強されるため、包装箱１は、剛性を保ちつつ、側面部２、蓋部３及び底面部４として、発色の良い素材（例えば、紙）を採用できる。そのため、包装箱１は、高い剛性及び意匠性を両立できる。

【0041】

なお、本実施形態において、支持部５の下板部５３が略水平になる構成を有している。そのため、第２凹部５６の辺縁の平面視の形状が円弧状である。例えば、第２凹部５６による、肩部６１２への押圧力（摩擦力）を調整するため、下板部５３を水平に対して傾いて配置する場合がある。この場合、第２凹部５６の辺縁の平面視の形状は、瓶６の肩部６１２に当接できる形状であり、円弧に限定されない。

【0042】

例えば、第１凹部５５で瓶６の上下方向の移動のみを制限すればよい場合、第１凹部５５は、瓶６の肩部６１２と数か所で接触する折れ線状であってもよい。同様に、第２凹部５６で瓶６の前後方向及び左右方向の移動のみを制限すればよい場合、第２凹部５６は、瓶６の肩部６１２と数か所で接触する折れ線状であってもよい。

【0043】

＜第１変形例＞
第１変形例の包装箱１Ａについて図面を参照して説明する。図８は、第１変形例の包装箱１Ａの図７と同じ断面で切断した断面図である。第１変形例の包装箱１Ａでは、支持部５の固定部５４を側面板２１、２３の内面に直接固定し、内支持部材７を省略している。これ以外の点については、包装箱１と同じ構成を有する。そのため、包装箱１Ａの包装箱１と実質上同じ部分には同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明を省略する。

【0044】

図８に示すように、包装箱１Ａでは、支持部５を側面部２の内部に収容し、蓋部３の蓋板３１を回動して差込片３２を側面板２４の内面に沿って挿入される。蓋板３１が上板部５１を略水平となったときに下板部５３が略水平となるように、固定部５４は側面板２１、２３の内面に固定される。これにより、蓋部３が上板部５１を下方に回動したとき、延設部５２が下方に押圧されるとともに、下板部５３が固定部５４との境界を中心に回転する。なお、固定部５４の側面板２１、２３の内面への固定は、ここでは、接着剤を用いた接着にて行われる。しかしながら、固定部５４の固定は、接着剤による接着に限定されず、粘着テープを用いて固定する構成であってもよい。また、側面板２１、２３の内面の固定部５４が配置される部分を上部が開口した袋状に形成し、袋状の部分に固定部５４を挿入して固定するようにしてもよい。

【0045】

その結果、第１凹部５５が瓶６の肩部６１２の上方から接触し、第２凹部５６が瓶６の肩部６１２の側方から接触する。そのため、支持部５によって、瓶６は、包装箱１の内部に動かないように支持される。

【0046】

なお、包装箱１Ａにおいて支持部５の構成は、包装箱１の支持部５の構成と同じである。そのため、収納された瓶６に対する包装箱１Ａの効果は、包装箱１の効果と同じである。そして、包装箱１Ａは、内支持部材７を用いないため、構成部材を減らすことができる。

【0047】

＜第２変形例＞
第２変形例の包装箱１Ｂについて図面を参照して説明する。図９は、第２変形例の包装箱１Ｂの分解斜視図である。第２変形例の包装箱１Ｂでは、内支持部材７Ｂが図２に示す包装箱１の内支持部材７と異なる。これ以外の点については、包装箱１と同じ構成を有する。そのため、包装箱１Ｂの包装箱１と実質上同じ部分には同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明を省略する。

【0048】

図９に示すように、包装箱１Ｂの内支持部材７Ｂは、底部７０と、内側板７１と、内側板７３とを有する。なお、内側板７１、７３は、内支持部材７の内側板７１、７３と同じ構成である。

【0049】

底部７０は、包装箱１Ｂの底面部４の上面を覆う形状である。そして、底部７０は、側面部２の側面板２１～２４の内面のそれぞれと接触する矩形状（ここでは、正方形状）である。そして、内側板７１、７３は、底部７０の対向する辺から上方に突出する。

【0050】

内支持部材７Ｂは、内側板７１が側面板２１と、内側板７３が側面板２３とそれぞれ接触するように、包装箱１Ｂの内部に配置される。この状態で、瓶６が包装箱１Ｂの内部に収容される。このとき、瓶６の底部６１１は、内支持部材７Ｂの底部７０の上部と接触する。また、瓶６の胴部６１は、内側板７１、７３と接触する。つまり、内支持部材７Ｂは、瓶６を包装箱１Ｂの内部に収容することで、包装箱１Ｂの側面部２及び底面部４に接触して固定される。

【0051】

内側板７１は側面板２１と接触し、内側板７３は側面板２３と接触している。この状態で、支持部５の固定部５４を、内側板７１と側面板２１との隙間及び内側板７３と側面板２３との隙間に挿入して、固定部５４を固定することができる。このように、内支持部材７Ｂを備える包装箱１Ｂを用いても、包装箱１と同様の効果を有することができる。
なお、内側板７１を側面板２１の内面に、内側板７３を側面板２３の内面にそれぞれ、固定してもよい。なお、内側板７１、７３を側面板２１、２３に固定する場合、内側板７１、７３の上端部は、固定部５４が挿入可能な隙間ができるように、固定されない部分が形成される。このように、内側板７１、７３を、側面板２１、２３に固定することで、内支持部材７Ｂでも固定部５４を強固に固定することができる。内側板７１、７３の固定方法については、接着を挙げることができるが、これ以外にも、強固に固定できる方法を広く採用することができる。

【0052】

なお、本発明は上述した構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる構成にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本発明の技術的範囲に含まれる。

【0053】

＜まとめ＞
本発明の包装箱は、以下の構成を有する。

【0054】

（１）上部が底部よりも太い胴部と前記胴部よりも細い首部を有する瓶を包装する包装箱であって、複数の側面板を有する筒状の側面部と、前記側面板の一つの上端と連設され前記側面部の上面を開閉する蓋部と、前記側面部の底面を閉じる底面部と、対向する一対の前記側面板に連接して前記胴部の上部である肩部と接触する一対の支持部とを備え、前記支持部は、前記側面板の上端から内方に折曲される上板部と、前記上板部から折曲して下方に延びる延設部と、前記延設部の下端から折曲して前記側面板に向かって延びる下板部と、前記下板部から折曲し、前記側面板に接触して固定される固定部と、を有し、前記延設部が前記肩部を上方から押圧するとともに、前記下板部が前記肩部を側方から押圧する包装箱。

【0055】

（２）前記延設部は、下端部に上方に凹む第１凹部を有し、前記下板部は、前記第１凹部と一体的に形成されて前記固定部に向かって凹む第２凹部を有し、前記第１凹部が前記瓶の前記肩部に上方から当接するとともに前記第２凹部が前記瓶の前記肩部に側方から当接する（１）に記載の包装箱。

【0056】

（３）平面視において前記第１凹部の辺縁部は前記肩部の上部に沿う曲線状であり、
平面視において前記第２凹部の辺縁部は前記肩部の側部に沿う円弧状である（２）に記載の包装箱。

【0057】

（４）前記支持部の前記固定部は、前記側面板の内面に接着固定される（１）から（３）のいずれかに記載の包装箱。

【0058】

（５）前記側面部の内部に収容される内支持部材をさらに有し、前記内支持部材は、少なくとも前記一対の側面板それぞれの内面と接触して配置される一対の内側板を有し、前記内側板は、それぞれ、前記瓶の前記胴部の少なくとも一部と接触し、前記固定部は、前記側面板と前記内側板との間に挿入される（１）から（４）のいずれかに記載の包装箱。

【0059】

（６）前記内支持部材は、筒状であり、前記内支持部材は、前記側面部の各側面板の内面のそれぞれと接触して配置される複数の前記内側板を有する（５）に記載の包装箱。

【0060】

（７）前記内支持部材は、前記内側板と連設される底面部材を有し、前記底面部材は、前記底面部と接触して配置される（５）又は（６）に記載の包装箱。

【産業上の利用可能性】

【0061】

本発明によると、肩部が盛り上がった胴部及び胴部の上部に首部が設けられた瓶を包装する包装箱に利用することができる。

【符号の説明】

【0062】

１、１Ａ 包装箱
２０ ブランク板
２ 側面部
２１～２４ 側面板
２４１ 糊代片
２５ 折り線
３ 蓋部
３１ 蓋板
３２ 差込片
４ 底部
４１～４４ 底面板
４２１、４４１ 糊代片
５ 支持部
５１ 上板部
５２ 延設部
５３ 下板部
５４ 固定部
５５ 第１凹部
５６ 第２凹部
６ 瓶
６１ 胴部
６１１ 底部
６１２ 肩部
６２ 首部
６３ ラベル
７ 内支持部材
７１～７４ 内側板
Ｔｈ 隙間

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】