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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053684
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/04 20060101AFI20240409BHJP
   B65H 11/00 20060101ALI20240409BHJP
   B65H 3/06 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
B65H7/04
B65H11/00 H
B65H3/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160049
(22)【出願日】2022-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】須永 泰雄
【テーマコード(参考)】
3F048
3F063
3F343
【Fターム(参考)】
3F048AA05
3F048AB01
3F048BA02
3F048BB02
3F048BB05
3F048CB03
3F048DA02
3F048DC05
3F048EB02
3F048EB15
3F048EB22
3F048EB29
3F063AB07
3F063BA02
3F063BB01
3F063BB07
3F063CA02
3F063CB05
3F063CD03
3F343FA02
3F343FB01
3F343FC01
3F343FC03
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA11
3F343JA01
3F343LC09
3F343LC22
3F343MA09
3F343MA23
3F343MB09
3F343MC09
3F343MC23
3F343MC27
(57)【要約】
【課題】構成の複雑化を抑制しつつ、給紙不良の発生を抑制できる記録装置を提供する。
【解決手段】印刷要求データに従って記録を行う記録装置11であって、一度に複数枚の用紙21をセット可能な手差し給紙部15と、手差し給紙部15にセットされた用紙21の有無を検出するための検出部16と、手差し給紙部15に用紙21が継ぎ足された継ぎ足し可能性を検出部16の出力に基づいて判定する判定部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷要求データに従って記録を行う記録装置であって、
一度に複数枚の用紙をセット可能な手差し給紙部と、
前記手差し給紙部にセットされた用紙の有無を検出するための検出部と、
前記手差し給紙部に用紙が継ぎ足された継ぎ足し可能性を前記検出部の出力に基づいて判定する判定部と、
を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記手差し給紙部にセットされた用紙があるときには紙有信号を出力すると共に、前記手差し給紙部にセットされた用紙がないときには紙無信号を出力し、
前記判定部は、
先行用紙の印刷を終了してから後続用紙の印刷を開始するまでの待機期間に前記検出部が前記紙無信号を出力した場合、前記継ぎ足し可能性をなしと判定し、
前記待機期間に前記検出部が前記紙無信号を出力しなかった場合、前記継ぎ足し可能性をありと判定することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
給紙される用紙を分離する分離ローラーと、
用紙に記録を行う記録部と、
前記記録部に向けて用紙を搬送する搬送ローラーと、
制御部と、
を更に備え、
前記制御部は、前記判定部が前記継ぎ足し可能性をありと判定した場合に、
前記搬送ローラーの搬送速度を下げる、
前記搬送ローラーを逆転駆動させる、
前記分離ローラーのトルクを上げる、
のうち少なくとも1つを実行することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記判定部の判定結果を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された情報に基づいて推定を行う推定部と、
を更に備え、
前記記憶部は、前記継ぎ足し可能性がありと判定された前記判定結果を記憶し、
前記推定部は、前記記憶部に記憶された前記判定結果に基づいて部品の状態を推定することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記手差し給紙部による給紙不良に関する給紙不良情報を記憶し、
前記推定部は、前記記憶部に記憶された前記判定結果及び前記給紙不良情報に基づいて前記部品の状態を推定することを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記判定部が判定した判定結果を出力する出力部を更に備えることを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンターなどの記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1のように、用紙の一例である媒体に画像形成を実行する記録装置の一例である画像形成装置がある。画像形成装置は、手差し給紙部の一例である手差しトレイ及び給紙部と、検出部の一例である残量センサーと、を備える。手差しトレイは、画像形成装置の外側に開閉可能に設けられる。給紙部は、手差しトレイに載せられた媒体を、給紙ローラーにより給紙する。残量センサーは、手差しトレイに載せられている媒体を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-111025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
手差し給紙部は、先の印刷が終了してから次の印刷が開始されるまでの間、給紙前の用紙を給紙ローラーで挟んだ状態で待機することがある。給紙ローラーが用紙を挟んだ状態のまま、新たな用紙が手差し給紙部に継ぎ足された場合、給送不良が生じることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する記録装置は、印刷要求データに従って記録を行う記録装置であって、一度に複数枚の用紙をセット可能な手差し給紙部と、前記手差し給紙部にセットされた用紙の有無を検出するための検出部と、前記手差し給紙部に用紙が継ぎ足された継ぎ足し可能性を前記検出部の出力に基づいて判定する判定部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】記録装置の一実施形態の模式図である。
図2】記録装置を備える記録システムの模式図である。
図3】監視ルーチンを示すフローチャートである。
図4】給紙ルーチンを示すフローチャートである。
図5】後続用紙の上に用紙が継ぎ足された状態を示す模式図である。
図6図5に示す状態で給紙ローラーが回転した場合の模式図である。
図7】後続用紙と残留用紙との間に用紙が継ぎ足された状態を示す模式図である。
図8図7に示す状態で給紙ローラーが回転した場合の模式図である。
図9】残留用紙の下に用紙が継ぎ足された状態を示す模式図である。
図10図9に示す状態で給紙ローラーが回転した場合の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[実施形態]
以下、記録装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態の記録装置は、例えば、定型紙、葉書、名刺、カード、普通紙、上質紙、再生紙、光沢紙、コート紙、マット紙などの用紙に液体の一例であるインクを吐出して印刷するインクジェット式のプリンターである。図面では、記録装置11が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。
【0008】
<記録装置>
図1に示すように、記録装置11は、筐体12と、収容カセット13と、カセット給紙部14と、を備えてもよい。記録装置11は、手差し給紙部15と、検出部16と、を備える。記録装置11は、搬送部17と、記録部18と、スタッカー19と、を備えてもよい。記録装置11は、複数の収容カセット13と、収容カセット13と同数のカセット給紙部14と、を備えてもよい。
【0009】
図1では、用紙21が搬送される搬送経路22を一点鎖線で示す。搬送経路22は、収容カセット13とスタッカー19とを結ぶ経路であると共に、手差し給紙部15とスタッカー19とを結ぶ経路である。収容カセット13から延びる搬送経路22と、手差し給紙部15から延びる搬送経路22と、は、途中で合流してもよい。
【0010】
収容カセット13は、複数の用紙21を積層状態で収容可能であってもよい。
カセット給紙部14は、対応する収容カセット13から、この収容カセット13に収容された用紙21を1枚ずつ搬送経路22に送り出す。なお、カセット給紙部14は、公知の構造であるため、詳細な説明を省略する。
【0011】
<手差し給紙部>
手差し給紙部15は、手差しトレイ24と、給紙ローラー25と、ホッパー26と、を備えてもよい。手差し給紙部15には、一度に複数枚の用紙21をセット可能である。
【0012】
手差しトレイ24は、筐体12の側面に、開閉可能に設けられてもよい。図1に示す開かれた状態の手差しトレイ24は、積層状態の用紙21を支持可能である。手差しトレイ24は、用紙21を外部に露出させた状態で支持する。手差しトレイ24は、給紙ローラー25側の端を下にして斜めに設けられてもよい。
【0013】
給紙ローラー25は、手差しトレイ24にセットされた用紙21のうち、最も上に位置する用紙21を搬送経路22に送り出す。
ホッパー26は、手差しトレイ24に設けられてもよい。ホッパー26は、手差しトレイ24にセットされた用紙21を押し上げることが可能である。ホッパー26は、給紙ローラー25に対して、用紙21を押し当ててもよい。
【0014】
<検出部>
検出部16は、手差し給紙部15にセットされた用紙21の有無を検出するためのものである。検出部16は、手差しトレイ24に設けられてもよい。検出部16は、手差し給紙部15にセットされた用紙21があるときには紙有信号を出力する。検出部16は、手差し給紙部15にセットされた用紙21がないときには紙無信号を出力する。検出部16は、例えば図示しない投光部と、図示しない受光部と、を有する反射型の光学式センサーであってもよい。検出部16は、セットされた用紙21の下から投光すると共に、用紙21で反射した光を受光した場合に、紙有信号を出力してもよい。検出部16は、投光された光を受光部が受光しない場合に、紙無信号を出力してもよい。
【0015】
<搬送部>
搬送部17は、搬送経路22に沿って用紙21を搬送する。搬送部17は、手差し給紙部15から送られた用紙21と、収容カセット13から送られた用紙21と、をそれぞれ搬送してもよい。搬送部17は、分離ローラー28と、搬送ローラー29と、排出ローラー30と、無端状の搬送ベルト31と、一対のプーリー32と、を備えてもよい。
【0016】
分離ローラー28は、給紙される用紙21を分離する。分離ローラー28は、重なった状態の用紙21から、最も上の用紙21を分ける。分離ローラー28は、上から2枚目以降の用紙21を手差しトレイ24に押し留める。
【0017】
搬送ローラー29と排出ローラー30は、用紙21を挟んだ状態で回転することで、用紙21を搬送してもよい。搬送ローラー29は、搬送ベルト31より上流の搬送経路22に少なくとも1つ設けられてもよい。搬送ローラー29は、記録部18に向けて用紙21を搬送する。排出ローラー30は、搬送ベルト31より下流の搬送経路22に少なくとも1つ設けられてもよい。排出ローラー30は、印刷された用紙21をスタッカー19に排出する。スタッカー19は、搬送された用紙21を受ける。
【0018】
搬送ベルト31は、一対のプーリー32に掛け渡される。搬送ベルト31は、搬送経路22を挟んで記録部18と対向する。搬送ベルト31は、用紙21の一部を平坦な状態に支持する。搬送ベルト31は、用紙21を吸着した状態で回転することで、用紙21を搬送する。
【0019】
記録部18は、液体を吐出する複数のノズル34を有してもよい。記録部18は、複数のノズル34が開口するノズル面35を有してもよい。記録部18は、ノズル面35が水平面に対して傾いて設けられてもよい。記録部18は、搬送ベルト31に支持された用紙21に液体を吐出することで、用紙21に印刷する。印刷は、情報を記録するための手段の1つである。本実施形態の記録部18は、印刷によって用紙21に記録を行う。記録部18は、ラインプリンターであってもよいし、シリアルプリンターであってもよい。ラインプリンターは、記録部18が用紙幅以上の長さに広く形成され、記録部18が移動せずに用紙上にインクを吐出する方式のプリンターである。シリアルプリンターは、所定の方向に移動するキャリッジに記録部18が搭載され、キャリッジの移動に伴って記録部18が移動することにより用紙上にインクを吐出する方式のプリンターである。
【0020】
<記録システム>
図2に示すように、記録装置11は、記録システム37に含まれてもよい。記録システム37は、コンピューター38と、記録装置11と、を備えてもよい。コンピューター38と記録装置11は、インターネットなどのネットワークNTを介して通信可能であってもよい。
【0021】
記録装置11は、制御部40と、記憶部41と、操作部42と、判定部43と、推定部44と、出力部45と、を備えてもよい。
制御部40は、記録装置11における各機構の駆動を統括的に制御し、記録装置11で実行される各種動作を制御する。制御部40は、α:コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、β:各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはγ:それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。ハードウェア回路は、例えば特定用途向け集積回路である。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0022】
記憶部41は、例えば、上述したRAM及びROM等のメモリーである。記憶部41は、制御部40とは別に設けられてもよいし、制御部40が有してもよい。記憶部41は、各種プログラム、各種パラメーターを記憶する。制御部40は、記憶部41に記憶されるプログラムを実行することによって、判定部43及び推定部44として機能してもよい。記録装置11は、判定部43と、推定部44と、を備えてもよい。判定部43及び推定部44の少なくとも一方は、コンピューター38がプログラムを実行することで実現されてもよい。
【0023】
操作部42は、記録装置11の各種の操作を行うためのボタン、パネル、スイッチなどを有してもよい。
出力部45は、判定部43が判定した判定結果を出力してもよい。出力部45は、記録装置11に関する情報を出力可能であってもよい。出力部45は、例えば画像、映像、文字などで情報を出力可能なディスプレイであってもよい。出力部45と操作部42は、例えばタッチパネルのように一体で構成されてもよい。出力部45は、音声、音などで情報を出力可能なスピーカーであってもよい。出力部45は、光で情報を出力可能なライトであってもよい。ライトは、例えば対応するラベルを照らすことで判定結果を出力してもよい。出力部45は、記録装置11とは別の装置に対して判定結果を出力する通信機であってもよい。例えば出力部45は、コンピューター38に対して判定結果などの情報を出力してもよい。記録部18は、判定結果を用紙21などに印刷することで出力してもよい。この場合、記録部18は、出力部45としても機能する。
【0024】
<監視ルーチン>
図3に示す監視ルーチンは、記録装置11の電源が投入されたタイミング、手差しトレイ24にセットされた用紙21を使用する印刷が終了したタイミング、手差し給紙部15による給紙が終了したタイミングなどに実行されてもよい。
【0025】
図3に示すように、ステップS101において、制御部40は、記憶部41が記憶する紙無フラグを0で初期化する。
ステップS102において、制御部40は、検出部16から信号を受信する。受信した信号が紙無信号である場合、ステップS102がYESになり、制御部40は、処理をステップS103に移行する。ステップS103において、制御部40は、紙無フラグを1に設定する。
【0026】
ステップS102において、受信した信号が紙有信号である場合、ステップS102がNOになり、制御部40は、処理をステップS104に移行する。
ステップS104において、制御部40は、手差し給紙部15を指定する印刷が開始されたか否かを判断する。印刷が開始されない場合、ステップS104がNOになり、制御部40は、処理をステップS102に移行する。すなわち、制御部40は、次の印刷が開始されるまでの間、手差しトレイ24に用紙21がない状態が生じるか否かを監視する。
【0027】
印刷が開始されると、ステップS104がYESになり、制御部40は、処理をステップS105に移行する。ステップS105において、制御部40は、紙無フラグを確認する。
【0028】
紙無フラグが1である場合、ステップS105がYESになり、制御部40は、処理をステップS106に移行する。ステップS106において、制御部40は、継ぎ足し可能性はないと判定する。ステップS107において、制御部40は、通常給紙を選択して処理を終了する。
【0029】
紙無フラグが0である場合、ステップS105がNOになり、制御部40は、処理をステップS108に移行する。ステップS108において、制御部40は、継ぎ足し可能性があると判定する。ステップS109において、制御部40は、判定結果を記憶部41に記憶する。ステップS110において、制御部40は、対処給紙を選択して処理を終了する。
【0030】
制御部40は、監視ルーチンの一部を判定部43に実行させてもよい。制御部40は、監視ルーチンにおけるステップS105、ステップS106、及びステップS108を判定部43に実行させてもよい。すなわち、判定部43は、継ぎ足し可能性の有無を判定してもよい。
【0031】
<給紙ルーチン>
図4に示す給紙ルーチンは、手差しトレイ24にセットされた用紙21を指定する印刷が開始されたタイミング、手差し給紙部15が給紙を開始したタイミングなどに実行されてもよい。
【0032】
ステップS201において、制御部40は、給紙不良が生じているか否かを判断する。給紙不良が生じていない場合、ステップS201がNOになり、制御部40は、処理をステップS202に移行する。ステップS202において、制御部40は、給紙が終了したか否かを判断する。すなわち、一連の印刷に用いる用紙21の給紙が完了した場合、ステップS202がYESになり、制御部40は、処理を終了する。給紙が完了していない場合、ステップS202がNOになり、制御部40は、処理をステップS201に移行する。
【0033】
ステップS201において、給紙不良が生じた場合、ステップS201がYESになり、制御部40は、処理をステップS203に移行する。ステップS203において、制御部40は、手差し給紙部15による給紙を中止させる。
【0034】
ステップS204において、制御部40は、継ぎ足し可能性があるか否かを判断する。継ぎ足し可能性の有無は、記憶部41に判定結果が記憶されているかで判断することができる。すなわち、手差し給紙部15に用紙21が継ぎ足された可能性がある場合は、この給紙ルーチンを開始する前の監視ルーチンにおいて判定結果が記憶されている。
【0035】
判定結果が記憶されている場合は、用紙21が継ぎ足された可能性があるため、ステップS204がYESになり、制御部40は、処理をステップS205に移行する。ステップS205において、制御部40は、継ぎ足しエラーであると判断する。継ぎ足しエラーとは、用紙21の継ぎ足しに伴うエラーであることを否定できないエラーである。継ぎ足しエラーは、継ぎ足し可能性に紐づいたエラーである。
【0036】
判定結果が記憶されていない場合は、用紙21が継ぎ足された可能性がないため、ステップS204がNOになり、制御部40は、処理をステップS206に移行する。ステップS206において、制御部40は、通常エラーであると判断する。通常エラーとは、用紙21の継ぎ足しとは無関係に生じたエラーである。
【0037】
ステップS207において、制御部40は、記憶部41に給紙不良情報を記憶させる。具体的には、制御部40は、給紙不良情報として、継ぎ足しエラーと通常エラーのどちらのエラーであるかを記憶する。ステップS208において、制御部40は、手差し給紙部15の給紙不良が生じたことを例えば出力部45に出力させて処理を終了する。
【0038】
<実施形態の作用>
本実施形態の作用について説明する。
記録装置11は、印刷要求データに従って記録を行う。記録装置11は、例えばコンピューター38などの外部装置、外部の記憶メディアなどから印刷要求データを取得してもよい。記録装置11は、操作部42の操作により設定された印刷要求データを取得してもよい。
【0039】
図1に示すように、手差し給紙部15は、手差しトレイ24にセットされた用紙21を1枚ずつ搬送経路22に送り出す。先の印刷で使用する先行用紙21pの給紙が完了すると、制御部40は、次の用紙21である後続用紙21fの先端が給紙ローラー25を通過した後に給紙ローラー25の駆動を停止させる。すなわち、後続用紙21fは、給紙ローラー25と分離ローラー28に挟まれた状態で停止する。このとき検出部16は、紙有信号を出力する。
【0040】
<用紙の追加>
手差し給紙部15に用紙21を追加する場合、ユーザーは、まず残った用紙21を手差しトレイ24から取り除く。ユーザーは、給紙ローラー25と分離ローラー28との間に挟まった用紙21も引き抜くようにして取り除く。ユーザーは、取り除いた用紙21と追加する用紙21を重ねた状態で手差しトレイ24に載せる。
【0041】
そのため、正しく用紙21がセットされた場合、検出部16は、用紙21が取り除かれたタイミングで紙無信号を出力し、用紙21が手差しトレイ24に載せられたタイミングで紙有信号を出力する。したがって、正しく用紙21が追加された場合は、記憶部41は、紙無フラグとして1を記憶する。
【0042】
<給紙不良>
後続用紙21fが挟まれた状態のまま、手差し給紙部15に用紙21が継ぎ足されると次の印刷時に給紙不良が発生する虞がある。給紙不良が発生すると、用紙21は、皺や破れなどのダメージを受ける虞がある。
【0043】
複数の用紙21が重なったまま送られてしまう給紙不良は、重送ともいう。制御部40は、給紙ローラー25を駆動するための図示しない給紙モーターの負荷が閾値より大きい場合に、重送していると判断してもよい。用紙21が詰まって搬送ができなくなる給紙不良は、紙詰まりともいう。例えば重なった用紙21の枚数が少ない場合など、用紙21が重なったまま搬送されることがある。この場合、連なった用紙21が1つの大きな用紙21として認識されることがある。用紙21のサイズを正しく認識できない給紙不良は、サイズ不一致ともいう。
【0044】
<用紙の継ぎ足し>
以下の説明では、先の印刷が終了したときに後続用紙21fと手差しトレイ24との間に残った用紙21を残留用紙21rともいい、新たに継ぎ足される用紙21を継足用紙21aともいう。
【0045】
図5に示すように、継足用紙21aは、後続用紙21fの上に載せられる可能性がある。
図6に示すように、次の印刷が開始されて給紙ローラー25が回転すると、継足用紙21aは、後続用紙21fに運ばれるようにして給紙ローラー25に近づく。継足用紙21aは、給紙ローラー25に接触することで後続用紙21fと共に送られる。そのため、給紙不良が発生することがある。
【0046】
図7に示すように、継足用紙21aは、後続用紙21fと残留用紙21rとの間に差し込まれる可能性がある。
図8に示すように、次の印刷が開始されて給紙ローラー25が回転すると、後続用紙21fに続いて残留用紙21rが送られてしまうことがある。残留用紙21rの上には継足用紙21aが載っているため、図6と同様の状態になり、給紙不良が発生することがある。
【0047】
図9に示すように、継足用紙21aは、残留用紙21rの下に差し込まれる可能性がある。残留用紙21rは、継足用紙21aによって持ち上げられるようにして姿勢が変更される。
【0048】
図10に示すように、次の印刷が開始されて給紙ローラー25が回転すると、姿勢が変更された残留用紙21rが、給紙ローラー25及び分離ローラー28を超えてしまい、給紙不良が発生することがある。
【0049】
図5図10に示すように、手差し給紙部15に用紙21を継ぎ足す場合は、何れの場合も先の印刷が終了してから次の印刷が開始されるまでの間、手差しトレイ24に用紙21が存在する。そのため、検出部16は、紙有信号の出力を続ける。したがって、用紙21が継ぎ足された可能性がある場合、記憶部41は、紙無フラグとして0を記憶する。用紙21が継ぎ足されず、先の印刷が終了した状態のまま次の印刷が開始される場合も、紙無フラグは0になる。
【0050】
判定部43は、手差し給紙部15に用紙21が継ぎ足された継ぎ足し可能性を検出部16の出力に基づいて判定する。判定部43は、先行用紙21pの印刷を終了してから後続用紙21fの印刷を開始するまでの待機期間に検出部16が紙無信号を出力した場合、継ぎ足し可能性をなしと判定する。判定部43は、待機期間に検出部16が紙無信号を出力しなかった場合、継ぎ足し可能性をありと判定する。
【0051】
制御部40は、判定部43が継ぎ足し可能性をなしと判定した場合に、通常給紙を実行する。制御部40は、判定部43が継ぎ足し可能性をありと判定した場合に、対処給紙を実行してもよい。対処給紙は、通常給紙よりも搬送ローラー29と給紙ローラー25の搬送速度を下げる、搬送ローラー29と給紙ローラー25を逆転駆動させる、通常給紙よりも分離ローラー28のトルクを上げる、のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0052】
搬送ローラー29と給紙ローラー25を逆転駆動させると、後続用紙21fを手差しトレイ24に戻すことができる。例えば給紙ローラー25と搬送ローラー29の距離が離れていて、搬送ローラー29が後続用紙21fに接していない場合は、給紙ローラー25を逆転駆動させ、搬送ローラー29の逆転駆動はさせなくてもよい。
【0053】
搬送ローラー29と給紙ローラー25の搬送速度を下げることと、分離ローラー28のトルクを上げることは、用紙21の分離をしやすくすることができる。したがって、対処給紙を行うことにより、給紙不良の発生、及び給紙不良に伴って用紙21が受けるダメージが低減される。
【0054】
記憶部41は、判定部43の判定結果を記憶してもよい。記憶部41は、判定結果のうち、継ぎ足し可能性がありと判定された判定結果を記憶してもよい。記憶部41は、手差し給紙部15による給紙不良に関する給紙不良情報を記憶してもよい。記憶部41は、判定結果と給紙不良情報とを紐づけて記憶してもよい。
【0055】
推定部44は、記憶部41に記憶された情報に基づいて推定を行ってもよい。推定部44は、記憶部41に記憶された判定結果及び給紙不良情報の少なくとも一方に基づいて部品の状態を推定してもよい。推定部44による推定は、記録装置11のメンテナンス、修理などのタイミングで行ってもよい。例えば、給紙不良は、給紙ローラー25、ホッパー26、分離ローラー28などの性能が低下した場合にも発生する。推定部44は、給紙不良情報のうち、継ぎ足し可能性ありという判定結果と紐づいて記憶されている給紙不良情報を考慮して給紙ローラー25、ホッパー26、分離ローラー28などの部品の状態を推定してもよい。制御部40は、推定結果に基づいて、部品の取付位置の調整、部品の交換などの必要性を出力してもよい。
【0056】
<実施形態の効果>
本実施形態の効果について説明する。
(1)判定部43は、検出部16の出力に基づいて、継ぎ足し可能性を判定する。すなわち、手差し給紙部15にセットされた用紙21の有無を検出するための検出部16によって、継ぎ足し可能性を判定することができる。したがって、継ぎ足し可能性の有無に合わせて給紙を行うことができるため、構成の複雑化を抑制しつつ、給紙不良の発生を抑制できる。
【0057】
(2)判定部43は、待機期間に検出部16が紙無信号を出力した場合に、継ぎ足し可能性をなしと判定する。判定部43は、検出部16が紙無信号を出力しなかった場合に、継ぎ足し可能性をありと判定する。すなわち、用紙21が継ぎ足しではなく、正しくセットされた場合、検出部16は紙無信号を出力する。具体的には、用紙21が手差し給紙部15から取り去られた後、再度手差し給紙部15にセットされた場合、検出部16は、紙無信号を出力した後、紙有信号を出力する。これに対し、用紙21が継ぎ足された場合、検出部16は、紙有信号を出力し続ける。したがって、検出部16が紙無信号を出力するか否かにより、継ぎ足し可能性を容易に判定できる。
【0058】
(3)制御部40は、継ぎ足し可能性がありと判定された場合に、搬送ローラー29の搬送速度を下げる、搬送ローラー29を逆転駆動させる、分離ローラー28のトルクを上げる、のうち少なくとも1つを実行する。したがって、用紙21の継ぎ足しによる給紙不良が生じる虞を低減できる。
【0059】
(4)推定部44は、判定部43の判定結果に基づいて部品の状態を推定する。すなわち、推定部44は、部品の状態を、継ぎ足し可能性に関連付けて推定することができる。したがって、推定部44は、部品の状態の推定を精度よく行うことができる。
【0060】
(5)推定部44は、継ぎ足し可能性に加え、給紙不良情報にも基づいて部品の状態を推定する。そのため、推定部44が部品の状態を推定する推定精度を向上させることができる。
【0061】
(6)出力部45は、判定部43の判定結果を出力する。そのため、ユーザーに判定結果を容易に知らせることができる。
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0062】
・記録装置11は、重送を検出する図示しない重送検出部を備えてもよい。重送検出部は、例えば搬送される用紙21の厚みを検出してもよい。制御部40は、重送検出部が検出した用紙21の厚みが所定の厚みより厚い場合に、重送していると判断してもよい。
【0063】
・手差し給紙部15は、先の印刷が終了した後、ホッパー26と給紙ローラー25によって後続用紙21fを挟んでもよい。
・記録装置11は、分離ローラー28を備えない構成としてもよい。記録装置11は、例えば摩擦の大きい分離パットによって用紙21の分離を行ってもよい。記録装置11は、先の印刷が終了した後、給紙ローラー25と分離パットによって後続用紙21fを挟んでもよい。
【0064】
・記録装置11は、手差し給紙部15を備える第1機構と、記録部18を備える第2機構と、を備えてもよい。第1機構と第2機構は、別の装置であってもよい。
・記録装置11は、コンピューター38を備えてもよい。すなわち、記録システム37は、記録装置として機能してもよい。記録装置11とコンピューター38は、有線もしくは無線により直接接続されてもよい。
【0065】
・記録システム37は、複数の記録装置11を備えてもよい。記録システム37は、複数のコンピューター38を備えてもよい。記録システム37は、ネットワークNTを介して通信可能なサーバーを備えてもよい。
【0066】
・記録装置11は、出力部45を備えない構成としてもよい。出力部45は、記録装置11とは別に設けられてもよい。記録システム37は、出力部45を備えてもよい。ディスプレイなどの出力部45は、ネットワークNTを介して記録装置11と通信可能に設けられてもよい。
【0067】
・記憶部41は、判定部43の判定結果と給紙不良情報の少なくとも一方を記憶しなくてもよい。
・対処給紙は、例えば出力部45にメッセージを出力させることでユーザーに用紙21の再セットを促すことと、用紙21が再セットされるまで待機することと、通常給紙を実行することと、を含んでもよい。
【0068】
・検出部16は、手差し給紙部15にセットされた用紙21に干渉するレバーを有してもよい。レバーは、セットされた用紙21に押されて移動してもよい。検出部16は、レバーの位置を検出することにより、手差し給紙部15にセットされた用紙21の有無を検出してもよい。
【0069】
・検出部16は、透過型の光学式センサーであってもよい。投光部と受光部は、手差し給紙部15にセットされた用紙21を挟むように設けられてもよい。検出部16は、投光部が投光した光を、受光部が受光するか否かにより、手差し給紙部15にセットされた用紙21の有無を検出してもよい。
【0070】
・制御部40は、紙無フラグを設定しなくてもよい。判定部43は、検出部16の検出結果から、直接、用紙21の継ぎ足し可能性を判定してもよい。例えば、判定部43は、紙無信号を受信したタイミングで、用紙21が継ぎ足された可能性はないと判定してもよい。判定部43は、紙無信号を受信しないまま印刷が開始されたタイミングで、用紙21が継ぎ足された可能性があると判定してもよい。
【0071】
・記録装置11は、インクジェット式のプリンターに限らず、レーザープリンター、サーマルプリンター、ドットインパクトプリンター、デジタル印刷機などでもよい。
・記録装置は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりして記録を行う液体噴射装置であってもよい。液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。ここでいう液体は、液体噴射装置から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、液体は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液、のような流状体を含むものとする。液体は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する装置がある。液体噴射装置は、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。液体噴射装置は、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ、光学レンズ、などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する装置であってもよい。液体噴射装置は、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する装置であってもよい。
【0072】
[定義]
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0073】
[付記]
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0074】
(A)記録装置は、印刷要求データに従って記録を行う記録装置であって、一度に複数枚の用紙をセット可能な手差し給紙部と、前記手差し給紙部にセットされた用紙の有無を検出するための検出部と、前記手差し給紙部に用紙が継ぎ足された継ぎ足し可能性を前記検出部の出力に基づいて判定する判定部と、を備える。
【0075】
この構成によれば、判定部は、検出部の出力に基づいて、継ぎ足し可能性を判定する。すなわち、手差し給紙部にセットされた用紙の有無を検出するための検出部によって、継ぎ足し可能性を判定することができる。したがって、継ぎ足し可能性の有無に合わせて給紙を行うことができるため、構成の複雑化を抑制しつつ、給紙不良の発生を抑制できる。
【0076】
(B)記録装置において、前記検出部は、前記手差し給紙部にセットされた用紙があるときには紙有信号を出力すると共に、前記手差し給紙部にセットされた用紙がないときには紙無信号を出力し、前記判定部は、先行用紙の印刷を終了してから後続用紙の印刷を開始するまでの待機期間に前記検出部が前記紙無信号を出力した場合、前記継ぎ足し可能性をなしと判定し、前記待機期間に前記検出部が前記紙無信号を出力しなかった場合、前記継ぎ足し可能性をありと判定してもよい。
【0077】
この構成によれば、判定部は、待機期間に検出部が紙無信号を出力した場合に、継ぎ足し可能性をなしと判定する。判定部は、待機期間に検出部が紙無信号を出力しなかった場合に、継ぎ足し可能性をありと判定する。すなわち、用紙が継ぎ足しではなく、正しくセットされた場合、検出部は紙無信号を出力する。具体的には、用紙が手差し給紙部から取り去られた後、再度手差し給紙部にセットされた場合、検出部は、紙無信号を出力した後、紙有信号を出力する。これに対し、用紙が継ぎ足された場合、検出部は、紙有信号を出力し続ける。したがって、検出部が紙無信号を出力するか否かにより、継ぎ足し可能性を容易に判定できる。
【0078】
(C)記録装置は、給紙される用紙を分離する分離ローラーと、用紙に記録を行う記録部と、前記記録部に向けて用紙を搬送する搬送ローラーと、制御部と、を更に備え、前記制御部は、前記判定部が前記継ぎ足し可能性をありと判定した場合に、前記搬送ローラーの搬送速度を下げる、前記搬送ローラーを逆転駆動させる、前記分離ローラーのトルクを上げる、のうち少なくとも1つを実行してもよい。
【0079】
この構成によれば、制御部は、継ぎ足し可能性がありと判定された場合に、搬送ローラーの搬送速度を下げる、搬送ローラーを逆転駆動させる、分離ローラーのトルクを上げる、のうち少なくとも1つを実行する。したがって、用紙の継ぎ足しによる給紙不良が生じる虞を低減できる。
【0080】
(D)記録装置は、前記判定部の判定結果を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された情報に基づいて推定を行う推定部と、を更に備え、前記記憶部は、前記継ぎ足し可能性がありと判定された前記判定結果を記憶し、前記推定部は、前記記憶部に記憶された前記判定結果に基づいて部品の状態を推定してもよい。
【0081】
この構成によれば、推定部は、判定部の判定結果に基づいて部品の状態を推定する。すなわち、推定部は、部品の状態を、継ぎ足し可能性に関連付けて推定することができる。したがって、推定部は、部品の状態の推定を精度よく行うことができる。
【0082】
(E)記録装置において、前記記憶部は、前記手差し給紙部による給紙不良に関する給紙不良情報を記憶し、前記推定部は、前記記憶部に記憶された前記判定結果及び前記給紙不良情報に基づいて前記部品の状態を推定してもよい。
【0083】
この構成によれば、推定部は、継ぎ足し可能性に加え、給紙不良情報にも基づいて部品の状態を推定する。そのため、推定部が部品の状態を推定する推定精度を向上させることができる。
【0084】
(F)記録装置は、前記判定部が判定した判定結果を出力する出力部を更に備えてもよい。
この構成によれば、出力部は、判定部の判定結果を出力する。そのため、ユーザーに判定結果を容易に知らせることができる。
【符号の説明】
【0085】
11…記録装置、12…筐体、13…収容カセット、14…カセット給紙部、15…手差し給紙部、16…検出部、17…搬送部、18…記録部、19…スタッカー、21…用紙、21a…継足用紙、21f…後続用紙、21p…先行用紙、21r…残留用紙、22…搬送経路、24…手差しトレイ、25…給紙ローラー、26…ホッパー、28…分離ローラー、29…搬送ローラー、30…排出ローラー、31…搬送ベルト、32…プーリー、34…ノズル、35…ノズル面、37…記録システム、38…コンピューター、40…制御部、41…記憶部、42…操作部、43…判定部、44…推定部、45…出力部、NT…ネットワーク。
図1
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図10