(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053687
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】スイッチング電源装置
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
H02M3/28 Q
H02M3/28 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160057
(22)【出願日】2022-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】000103208
【氏名又は名称】コーセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】守屋 真治
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】高見 和志
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA14
5H730BB62
5H730DD04
5H730DD16
5H730EE03
5H730EE07
5H730FD01
5H730FD21
5H730FG01
5H730FG22
(57)【要約】
【課題】出力電圧の低下を防止し、且つスイッチング損失及びトランス損失を抑制することを可能にするスイッチング電源装置を提供する。
【解決手段】スイッチング電源装置100が、入力巻線103a及び出力巻線103b、103cを有するトランス103と、入力巻線103aに対して直列に接続された共振用キャパシタ回路104と、スイッチング素子102a、102bを有し、出力巻線103b、103cに交流電圧を生成させるために、スイッチング素子102a、102bをオンオフして共振電流を生成させるスイッチング回路102と、共振用キャパシタ回路104に印加される電圧に応じて、共振用キャパシタ回路104から電流を流し出し、又は共振用キャパシタ回路104に電流を流し込む電圧調整回路とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力巻線及び出力巻線を有するトランスと、
前記入力巻線に対して直列に接続された共振用キャパシタ回路と、
第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子を有するスイッチング回路であって、前記出力巻線に交流電圧を生成させるために、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子をオンオフして共振電流を生成させるスイッチング回路と、
前記出力巻線に接続され、前記交流電圧を整流平滑化して所定の出力電圧を生成する整流平滑回路と、
前記共振用キャパシタ回路に印加される電圧が第1の所定の電圧値より大きくなったと判定した場合には、前記第1のスイッチング素子をオフし、その後前記第2のスイッチング素子をオンし、前記共振用キャパシタ回路に印加される電圧が第2の所定の電圧値より小さくなったと判定した場合には、前記第2のスイッチング素子をオフし、その後前記第1のスイッチング素子をオンする制御回路と
を備えるスイッチング電源装置であって、
前記共振用キャパシタ回路に印加される電圧に応じて、前記共振用キャパシタ回路から電流を流し出し、又は前記共振用キャパシタ回路に電流を流し込む電圧調整回路を更に備える、スイッチング電源装置。
【請求項2】
前記入力巻線に対して更に直列に接続された共振用インダクタを備える、請求項1に記載のスイッチング電源装置。
【請求項3】
前記共振用キャパシタ回路は、基準キャパシタと、前記基準キャパシタに対して並列に接続されて前記共振電流の一部を流す第1の分圧キャパシタ及び第2の分圧キャパシタとを備え、前記第1の分圧キャパシタ及び前記第2の分圧キャパシタは互いに直列に接続されている、請求項1又は2に記載のスイッチング電源装置。
【請求項4】
前記制御回路は、前記第1の分圧キャパシタと前記第2の分圧キャパシタとによって分圧された分圧点の電圧を検出し、前記分圧点の電圧が前記第1の所定の電圧値より大きくなったと判定した場合には、前記第1のスイッチング素子をオフし、その後前記第2のスイッチング素子をオンし、前記分圧点の電圧が前記第2の所定の電圧値より小さくなったと判定した場合には、前記第2のスイッチング素子をオフし、その後前記第1のスイッチング素子をオンする、請求項3に記載のスイッチング電源装置。
【請求項5】
前記電圧調整回路は、前記分圧点に接続された抵抗と、前記第1の所定の電圧値と前記第2の所定の電圧値との平均値に等しい電圧を出力する電圧源とを備え、前記電圧調整回路は、前記抵抗を介して、前記分圧点から電流を流し出し、又は前記分圧点に電流を流し込む、請求項4に記載のスイッチング電源装置。
【請求項6】
前記電圧調整回路は、前記分圧点の電圧の経時的な平均電圧値が、前記第1の所定の電圧値と前記第2の所定の電圧値との平均値に近づくように、前記分圧点から電流を流し出し、又は前記分圧点に電流を流し込む、請求項5に記載のスイッチング電源装置。
【請求項7】
前記電圧調整回路は、前記抵抗に対して直列に接続されたキャパシタを備える、請求項5に記載のスイッチング電源装置。
【請求項8】
前記抵抗の抵抗値及び前記キャパシタの静電容量値より得られるカットオフ周波数は、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子のスイッチング周波数より低い、請求項7に記載のスイッチング電源装置。
【請求項9】
前記電圧調整回路は、前記分圧点の電圧に応じて、前記分圧点から前記キャパシタに電流を流し出し、又は前記キャパシタから前記分圧点に電流を流し込む、請求項7に記載のスイッチング電源装置。
【請求項10】
前記電圧調整回路は、前記第1のスイッチング素子をオフし、その後前記第2のスイッチング素子をオンするまでのデッドタイムと、前記第2のスイッチング素子をオフし、その後前記第1のスイッチング素子をオンするまでのデッドタイムとの間の時間差が小さくなるように、前記分圧点から電流を流し出し、又は前記分圧点に電流を流し込む、請求項5に記載のスイッチング電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力電圧の低下を防止し、且つスイッチング損失及びトランス損失を抑制することを可能にするスイッチング電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スイッチング電源装置、特にハーフブリッジ電流共振型スイッチング電源装置は、入力巻線及び出力巻線を有するトランスと、入力巻線に対して直列に接続された直列共振用インダクタ及び直列共振用キャパシタと、2つのスイッチング素子を有するスイッチング回路と、出力巻線に接続された整流平滑回路とを備え、2つのスイッチング素子のそれぞれのオン時比率を約50%とし、2つのスイッチング素子を互いに逆位相にオンオフして共振電流を生成させることによって、出力巻線に交流電圧を生成させ、この交流電圧を整流平滑回路によって整流平滑化させて所定の出力電圧を出力負荷に供給する。多くのスイッチング電源装置においては、スイッチング損失を抑制するために、共振現象を利用して次にオンされるスイッチング素子の印加電圧が所定の電圧より小さくなった後、例えば0Vになった後、そのスイッチング素子をオンするゼロ電圧スイッチングが採用されている。
【0003】
引用文献1には、共振用キャパシタに印加される電圧が、出力電圧の状態に応じて決定される高閾値電圧より大きくなったと判定した場合には、第1のトランジスタをオフした後、第2のトランジスタをオンし、共振用キャパシタに印加される電圧が、出力電圧の状態に応じて決定される低閾値電圧より小さくなったと判定した場合には、第2のトランジスタをオフした後、第1のトランジスタをオンする、スイッチング電源装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1によるスイッチング電源装置においてゼロ電圧スイッチングを採用すると、2つのトランジスタの寄生容量が大きい場合、また、出力負荷が軽負荷である場合、一方のトランジスタがオフした後、他方のトランジスタの印加電圧が所定の電圧より小さくなるまでの時間が長くなり、それによって、一方のトランジスタがオフし、その後他方のトランジスタがオンするまでのデッドタイムが長くなって、他方のトランジスタがオンする時間が遅延し、また、共振用キャパシタに印加される電圧が高閾値電圧を大きく上回って、又は低閾値電圧を大きく下回って、他方のトランジスタがオフする時間が遅延することから、出力電圧が低下し、更には、2つのトランジスタに流れる電流が増大することによってスイッチング損失及びトランス損失が増大するという問題点がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解決して、出力電圧の低下を防止し、且つスイッチング損失及びトランス損失を抑制することを可能にするスイッチング電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの観点によれば、スイッチング電源装置が、入力巻線及び出力巻線を有するトランスと、入力巻線に対して直列に接続された共振用キャパシタ回路と、第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子を有するスイッチング回路であって、出力巻線に交流電圧を生成させるために、第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子をオンオフして共振電流を生成させるスイッチング回路と、出力巻線に接続され、交流電圧を整流平滑化して所定の出力電圧を生成する整流平滑回路と、共振用キャパシタ回路に印加される電圧が第1の所定の電圧値より大きくなったと判定した場合には、第1のスイッチング素子をオフし、その後第2のスイッチング素子をオンし、共振用キャパシタ回路に印加される電圧が第2の所定の電圧値より小さくなったと判定した場合には、第2のスイッチング素子をオフし、その後第1のスイッチング素子をオンする制御回路とを備え、スイッチング電源装置が、共振用キャパシタ回路に印加される電圧に応じて、共振用キャパシタ回路から電流を流し出し、又は共振用キャパシタ回路に電流を流し込む電圧調整回路を更に備える。
【0008】
本発明の一具体例によれば、スイッチング電源装置が、入力巻線に対して更に直列に接続された共振用インダクタを備える。
【0009】
本発明の一具体例によれば、スイッチング電源装置において、共振用キャパシタ回路が、基準キャパシタと、基準キャパシタに対して並列に接続されて共振電流の一部を流す第1の分圧キャパシタ及び第2の分圧キャパシタとを備え、第1の分圧キャパシタ及び第2の分圧キャパシタが互いに直列に接続されている。
【0010】
本発明の一具体例によれば、スイッチング電源装置において、制御回路が、第1の分圧キャパシタと第2の分圧キャパシタとによって分圧された分圧点の電圧を検出し、分圧点の電圧が第1の所定の電圧値より大きくなったと判定した場合には、第1のスイッチング素子をオフし、その後第2のスイッチング素子をオンし、分圧点の電圧が第2の所定の電圧値より小さくなったと判定した場合には、第2のスイッチング素子をオフし、その後第1のスイッチング素子をオンする。
【0011】
本発明の一具体例によれば、スイッチング電源装置において、電圧調整回路が、分圧点に接続された抵抗と、第1の所定の電圧値と第2の所定の電圧値との平均値に等しい電圧を出力する電圧源とを備え、電圧調整回路が、抵抗を介して、分圧点から電流を流し出し、又は分圧点に電流を流し込む。
【0012】
本発明の一具体例によれば、スイッチング電源装置において、電圧調整回路が、分圧点の電圧の経時的な平均電圧値が、第1の所定の電圧値と第2の所定の電圧値との平均値に近づくように、分圧点から電流を流し出し、又は分圧点に電流を流し込む。
【0013】
本発明の一具体例によれば、スイッチング電源装置において、電圧調整回路が、抵抗に対して直列に接続されたキャパシタを備える。
【0014】
本発明の一具体例によれば、スイッチング電源装置において、抵抗の抵抗値及びキャパシタの静電容量値より得られるカットオフ周波数が、第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子のスイッチング周波数より低い。
【0015】
本発明の一具体例によれば、スイッチング電源装置において、電圧調整回路が、分圧点の電圧に応じて、分圧点からキャパシタに電流を流し出し、又はキャパシタから分圧点に電流を流し込む。
【0016】
本発明の一具体例によれば、スイッチング電源装置において、電圧調整回路が、第1のスイッチング素子をオフし、その後第2のスイッチング素子をオンするまでのデッドタイムと、第2のスイッチング素子をオフし、その後第1のスイッチング素子をオンするまでのデッドタイムとの間の時間差が小さくなるように、分圧点から電流を流し出し、又は分圧点に電流を流し込む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子をバランス良くオンオフ動作させて、出力電圧の低下を防止することができ、且つスイッチング損失及びトランス損失を抑制することができる。
【0018】
なお、本発明の他の目的、特徴及び利点は、添付図面に関する以下の本発明の実施例の記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態としてのスイッチング電源装置の概略図である。
【
図2】本発明の別の実施形態としてのスイッチング電源装置の概略図である。
【
図3】本発明の別の実施形態としてのスイッチング電源装置の概略図である。
【
図4】本発明の別の実施形態としてのスイッチング電源装置の概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態としてのスイッチング電源装置のスイッチング制御回路の概略図である。
【
図6A】本発明の一実施形態としてのスイッチング電源装置の電圧調整回路の概略図である。
【
図6B】本発明の別の実施形態としてのスイッチング電源装置の電圧調整回路の概略図である。
【
図6C】本発明の別の実施形態としてのスイッチング電源装置の電圧調整回路の概略図である。
【
図6D】本発明の別の実施形態としてのスイッチング電源装置の電圧調整回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0021】
図1~
図6Dを参照して、本発明の幾つかの実施形態としてのスイッチング電源装置100について説明する。スイッチング電源装置100は、入力巻線103a、第1の出力巻線103b、及び第2の出力巻線103cを有するトランス103と、入力巻線103aに対して直列に接続され、少なくとも1つのキャパシタを備える共振用キャパシタ回路104と、第1のスイッチング素子102a及び第2のスイッチング素子102bを有するスイッチング回路102と、第1の出力巻線103b及び第2の出力巻線103cに接続された整流平滑回路107とを備え、入力電源101の入力電圧V
1を出力電圧V
0に変換する。
【0022】
図1~
図4においては、第1のスイッチング素子102a及び第2のスイッチング素子102bはNMOSトランジスタであるが、PMOSトランジスタであってもよく、また、NPNトランジスタ、等の他のトランジスタによるスイッチであってもよい。また、第1のスイッチング素子102a及び第2のスイッチング素子102bにはそれぞれ、並列にキャパシタが接続されてもよく、逆並列にダイオードが接続されてもよい。
【0023】
スイッチング回路102は、第1のスイッチング素子102aのオン時比率を約50%及び第2のスイッチング素子102bのオン時比率を約50%とし、第1のスイッチング素子102a及び第2のスイッチング素子102bを互いに逆位相にオンオフすることによって、入力巻線103aの漏れインダクタンスL
l及び共振用キャパシタ回路104の静電容量値C
rに基づく共振電流を生成させる。例えば、共振用キャパシタ回路104は、入力巻線103aに対して直列に接続された1つのキャパシタを備えてもよく、入力巻線103aの漏れインダクタンスL
l及びそのキャパシタの静電容量値C
rに基づく共振電流を生成させてもよく、また、共振用キャパシタ回路104は、入力巻線103aに対して直列に接続された2つ以上の並列に接続されたキャパシタを備えてもよく、入力巻線103aの漏れインダクタンスL
l及びそれらのキャパシタの静電容量値C
rに基づく共振電流を生成させてもよい。また、
図2~
図4に示すように、入力巻線103aに対して更に直列に接続された共振用インダクタ109が追加されてもよく、この場合には、スイッチング回路102は、共振用インダクタ109の自己インダクタンスL
r、入力巻線103aの漏れインダクタンスL
l、及び共振用キャパシタ回路104の静電容量値C
rに基づく共振電流を生成させる。
【0024】
生成された共振電流から、トランス103を介して、第1のスイッチング素子102a及び第2のスイッチング素子102bのオンオフ動作に応じて、第1の出力巻線103b又は第2の出力巻線103cに交流電圧が生成される。整流平滑回路107は、生成された交流電圧を整流平滑化して所定の出力電圧V
0を生成する。整流平滑回路107は、第1の出力巻線103bに接続された第1の整流素子107b、第2の出力巻線103cに接続された第2の整流素子107c、及び平滑キャパシタ107aを備える。第1の出力巻線103bで生成された交流電圧は、第1の整流素子107b及び平滑キャパシタ107aによって整流平滑化され、第2の出力巻線103cで生成された交流電圧は、第2の整流素子107c及び平滑キャパシタ107aによって整流平滑化され、整流平滑回路107は、所定の出力電圧V
0を生成し、出力負荷108に出力電流を供給する。
図1~
図4においては、第1の整流素子107b及び第2の整流素子107cはダイオードであるが、他の整流素子であってもよい。
【0025】
スイッチング電源装置100は、共振用キャパシタ回路104の少なくとも1つのキャパシタに印加される電圧が第1の所定の電圧値より大きくなったと判定した場合には、第1のスイッチング素子102aをオフし、その後第2のスイッチング素子102bをオンし、また、共振用キャパシタ回路104の少なくとも1つのキャパシタに印加される電圧が第2の所定の電圧値より小さくなったと判定した場合には、第2のスイッチング素子102bをオフし、その後第1のスイッチング素子102aをオンする制御回路110を備える。また、スイッチング電源装置100は、整流平滑回路107が所定の出力電圧V0を生成しているか否かを監視する補償回路106を備える。補償回路106は、出力電圧V0に対応する補償電圧Vcompを制御回路110に出力し、制御回路110は、補償電圧Vcompに応じて第1のスイッチング素子102a及び第2のスイッチング素子102bをオンオフ動作させる。
【0026】
スイッチング電源装置100は、共振用キャパシタ回路104の少なくとも1つのキャパシタに印加される電圧に応じて、共振用キャパシタ回路104から電流を流し出し、又は共振用キャパシタ回路104に電流を流し込む電圧調整回路105を更に備える。電圧調整回路105は、共振用キャパシタ回路104の少なくとも1つのキャパシタに印加される電圧が所定の電圧値より大きい場合に共振用キャパシタ回路104から電流を流し出し、共振用キャパシタ回路104の少なくとも1つのキャパシタに印加される電圧が所定の電圧値より小さい場合に共振用キャパシタ回路104に電流を流し込んでもよい。このように、電圧調整回路105を備えることによって、共振用キャパシタ回路104の少なくとも1つのキャパシタに印加される電圧が第1の所定の電圧値より大きくなった場合であっても、共振用キャパシタ回路104の少なくとも1つのキャパシタに印加される電圧が第1の所定の電圧値を大きく上回ることがないように、共振用キャパシタ回路104から電圧調整回路105に電流を流し出して、共振用キャパシタ回路104の少なくとも1つのキャパシタに印加される電圧を第1の所定の電圧値以下に速く戻すことができ、また、共振用キャパシタ回路104の少なくとも1つのキャパシタに印加される電圧が第2の所定の電圧値より小さくなった場合であっても、共振用キャパシタ回路104の少なくとも1つのキャパシタに印加される電圧が第2の所定の電圧値を大きく下回ることがないように、電圧調整回路105から共振用キャパシタ回路104に電流を流し込んで、共振用キャパシタ回路104の少なくとも1つのキャパシタに印加される電圧を第2の所定の電圧値以上に速く戻すことができる。この結果、共振用キャパシタ回路104の少なくとも1つのキャパシタに印加される電圧が、第1の所定の電圧値を大きく上回ることがなく、且つ第2の所定の電圧値を大きく下回ることがないことから、第1のスイッチング素子102a及び第2のスイッチング素子102bは、バランス良くオンオフ動作して、制御遅延による出力電圧V0の低下を防止することができ、且つスイッチング損失及びトランス損失を抑制することができる。
【0027】
図3及び
図4に示すように、共振用キャパシタ回路104は、基準キャパシタ104aと、基準キャパシタ104aに対して並列に接続されて共振電流の一部を流す第1の分圧キャパシタ104b及び第2の分圧キャパシタ104cとを備えてもよい。第1の分圧キャパシタ104b及び第2の分圧キャパシタ104cは、互いに直列に接続される。第1の分圧キャパシタ104bの静電容量値と第2の分圧キャパシタ104cの静電容量値との比に基づいて、基準キャパシタ104aに印加される電圧は分圧されることができる。制御回路110は、第1の分圧キャパシタ104bと第2の分圧キャパシタ104cとによって分圧された分圧点104dの電圧V
crを検出し、分圧点104dの電圧V
cr、すなわち、第2の分圧キャパシタ104cに印加される電圧が第1の所定の電圧値より大きくなったと判定した場合には、第1のスイッチング素子102aをオフし、その後第2のスイッチング素子102bをオンし、また、第2の分圧キャパシタ104cに印加される電圧が第2の所定の電圧値より小さくなったと判定した場合には、第2のスイッチング素子102bをオフし、その後第1のスイッチング素子102aをオンしてもよい。
【0028】
電圧調整回路105は、第2の分圧キャパシタ104cに印加される電圧が所定の電圧値より大きい場合に共振用キャパシタ回路104から電流を流し出し、第2の分圧キャパシタ104cに印加される電圧が所定の電圧値より小さい場合に共振用キャパシタ回路104に電流を流し込んでもよい。電圧調整回路105は、第2の分圧キャパシタ104cに印加される電圧が第1の所定の電圧値より大きくなった場合であっても、第2の分圧キャパシタ104cに印加される電圧が第1の所定の電圧値を大きく上回ることがないように、共振用キャパシタ回路104から電圧調整回路105に電流を流し出して、第2の分圧キャパシタ104cに印加される電圧を第1の所定の電圧値以下に速く戻すことができ、また、第2の分圧キャパシタ104cに印加される電圧が第2の所定の電圧値より小さくなった場合であっても、第2の分圧キャパシタ104cに印加される電圧が第2の所定の電圧値を大きく下回ることがないように、電圧調整回路105から共振用キャパシタ回路104に電流を流し込んで、第2の分圧キャパシタ104cに印加される電圧を第2の所定の電圧値以上に速く戻すことができる。この結果、第2の分圧キャパシタ104cに印加される電圧が、第1の所定の電圧値を大きく上回ることがなく、且つ第2の所定の電圧値を大きく下回ることがないことから、第1のスイッチング素子102a及び第2のスイッチング素子102bは、バランス良くオンオフ動作して、制御遅延による出力電圧V0の低下を防止することができ、且つスイッチング損失及びトランス損失を抑制することができる。
【0029】
図4及び
図5に示すように、制御回路110は、第1のスイッチング素子102a及び第2のスイッチング素子102bを制御するためのスイッチング制御回路111を備える。スイッチング制御回路111は、完全差動演算増幅器111a及びコモンモードフィードバック回路を備えてもよい。完全差動演算増幅器111aに、出力電圧V
0に対応する補償電圧V
comp及び使用者によって設定された一定の電圧V
cmが入力され、完全差動演算増幅器111aは、第1の所定の電圧値V
thh=V
cm+V
comp/2を出力し、第2の所定の電圧値V
thl=V
cm-V
comp/2を出力する。従って、第1の所定の電圧値V
thh及び第2の所定の電圧値V
thlは、補償電圧V
comp、すなわち、出力電圧V
0の状態に応じて決定される。また、スイッチング制御回路111は、第1の比較器111b及び第2の比較器111cを備えてもよく、また、第1の比較器111bに接続された第1のSRフリップフロップ回路111d及び第2の比較器111cに接続された第2のSRフリップフロップ回路111eを備えてもよい。第1の比較器111bの非反転入力端子及び反転入力端子にそれぞれ、分圧点104dの電圧V
cr及び第1の所定の電圧値V
thhが入力され、分圧点104dの電圧V
crが第1の所定の電圧値V
thhより大きくなった場合には、第1の比較器111bの出力端子からHレベルが出力され、第1のSRフリップフロップ回路111dのQ端子からLレベルが出力されて、第1のスイッチング素子102aのゲート電圧V
ghはLレベルになり、第1のスイッチング素子102aはオフする。スイッチング制御回路111は、デッドタイム制御回路111fを備えてもよい。デッドタイム制御回路111fは、スイッチング回路102の出力電圧V
swを監視してもよく、第1のスイッチング素子102aがオフした後、共振現象を利用して出力電圧V
swが所定の電圧より小さくなった場合には、デッドタイム制御回路111fから第2のSRフリップフロップ回路111eのS端子にHレベルが出力され、第2のSRフリップフロップ回路111eのQ端子からHレベルが出力されて、第2のスイッチング素子102bのゲート電圧V
glはHレベルになり、第2のスイッチング素子102bはオンする。このようにして、第1のスイッチング素子102aをオフし、その後第2のスイッチング素子102bをオンする場合に、ゼロ電圧スイッチングが実現され、スイッチング損失を抑制することができる。
【0030】
また、第2の比較器111cの非反転入力端子及び反転入力端子にそれぞれ、第2の所定の電圧値Vthl及び分圧点104dの電圧Vcrが入力され、分圧点104dの電圧Vcrが第2の所定の電圧値Vthlより小さくなった場合には、第2の比較器111cの出力端子からHレベルが出力され、第2のSRフリップフロップ回路111eのQ端子からLレベルが出力されて、第2のスイッチング素子102bのゲート電圧VglはLレベルになり、第2のスイッチング素子102bはオフする。第2のスイッチング素子102bがオフした後、共振現象を利用して出力電圧Vswが所定の電圧より大きくなった場合には、デッドタイム制御回路111fから第1のSRフリップフロップ回路111dのS端子にHレベルが出力され、第1のSRフリップフロップ回路111dのQ端子からHレベルが出力されて、第1のスイッチング素子102aのゲート電圧VghはHレベルになり、第1のスイッチング素子102aはオンする。このようにして、第2のスイッチング素子102bをオフし、その後第1のスイッチング素子102aをオンする場合にも、ゼロ電圧スイッチングが実現され、スイッチング損失を抑制することができる。
【0031】
しかし、スイッチング回路102の出力に接続された寄生容量が大きい場合、また、出力負荷108が軽負荷である場合、第1のスイッチング素子102aがオフした後、出力電圧Vswの変動が遅くなって、出力電圧Vswが所定の電圧より小さくなるまでの時間が長くなり、また、第2のスイッチング素子102bがオフした後、出力電圧Vswの変動が遅くなって、出力電圧Vswが所定の電圧より大きくなるまでの時間が長くなる。このような場合、第1のスイッチング素子102aがオフし、その後第2のスイッチング素子102bがオンするまでのデッドタイムが長くなり、更に、分圧点104dの電圧Vcrは、第1の所定の電圧値Vthhを大きく上回る。そこで、分圧点104dの電圧Vcrが第1の所定の電圧値Vthhを大きく上回ることがないように、電圧調整回路105は、共振用キャパシタ回路104から電圧調整回路105に電流を流し出して、分圧点104dの電圧Vcrを第1の所定の電圧値Vthh以下に速く戻すことができる。また、第2のスイッチング素子102bがオフし、その後第1のスイッチング素子102aがオンするまでのデッドタイムが長くなり、更に、分圧点104dの電圧Vcrは、第2の所定の電圧値Vthlを大きく下回る。そこで、分圧点104dの電圧Vcrが第2の所定の電圧値Vthlを大きく下回ることがないように、電圧調整回路105は、電圧調整回路105から共振用キャパシタ回路104に電流を流し込んで、分圧点104dの電圧Vcrを第2の所定の電圧値Vthl以上に速く戻すことができる。この結果、分圧点104dの電圧Vcrが、第1の所定の電圧値Vthhを大きく上回ることがなく、且つ第2の所定の電圧値Vthlを大きく下回ることがないことから、第1のスイッチング素子102a及び第2のスイッチング素子102bは、バランス良くオンオフ動作して、制御遅延による出力電圧V0の低下を防止することができ、且つスイッチング損失及びトランス損失を抑制することができる。
【0032】
制御回路110は、分圧点104dに電流を流し込む第1の電流源110aと、分圧点104dから電流を流し出す第2の電流源110bとを備えてもよい。スイッチング制御回路111は、第1のスイッチング素子102aに同期して、第1のスイッチング素子102aのオン時には分圧点104dに電流を流し込むために第1の電流源110aをオンさせ、第2のスイッチング素子102bに同期して、第2のスイッチング素子102bのオン時には分圧点104dから電流を流し出すために第2の電流源110bをオンさせることによって、分圧点104dの電圧Vcrを調整してもよい。スイッチング制御回路111は、第1の電流源110aをオンさせて分圧点104dの電圧Vcrが第1の所定の電圧値Vthhより大きくなった場合には、第1のスイッチング素子102a及び第1の電流源110aをオフし、その後第2のスイッチング素子102b及び第2の電流源110bをオンしてもよい。また、スイッチング制御回路111は、第2の電流源110bをオンさせて分圧点104dの電圧Vcrが第2の所定の電圧値Vthlより小さくなった場合には、第2のスイッチング素子102b及び第2の電流源110bをオフし、その後第1のスイッチング素子102a及び第1の電流源110aをオンしてもよい。
【0033】
スイッチング電源装置100においては、上記のように、スイッチング制御回路111が、第1の分圧キャパシタ104bと第2の分圧キャパシタ104cとの分圧による分圧点104dの電圧Vcrを検出することによって、第1のスイッチング素子102a及び第2のスイッチング素子102bをオンオフ動作させるスイッチング周波数を制御してもよく、更には、第1の電流源110aの電流と第2の電流源110bの電流とによる分圧点104dの電圧Vcrを検出することによって、第1のスイッチング素子102a及び第2のスイッチング素子102bをオンオフ動作させるスイッチング周波数を制御してもよい。例えば、第2の分圧キャパシタ104cの静電容量値を第1の分圧キャパシタ104bの静電容量値に対して非常に大きくすれば、主に第1の電流源110aの電流と第2の電流源110bの電流とによる分圧点104dの電圧Vcrに従って、第1のスイッチング素子102a及び第2のスイッチング素子102bのスイッチング周波数を制御することができ、第1の分圧キャパシタ104b及び第2の分圧キャパシタ104cの静電容量値を、第1の電流源110a及び第2の電流源110bの電流とオン時間との積に対して非常に大きくすれば、主に第1の分圧キャパシタ104bと第2の分圧キャパシタ104cとの分圧による分圧点104dの電圧Vcrに従って、第1のスイッチング素子102a及び第2のスイッチング素子102bのスイッチング周波数を制御することができ、スイッチング電源装置100の使用者は、必要に応じてスイッチング周波数の制御方法を選択することができる。
【0034】
図6Aに示すように、電圧調整回路105は、分圧点104dの電圧V
crに応じて、分圧点104dから電流を流し出し、又は分圧点104dに電流を流し込むために、第1の電圧源105cを備えてもよい。第1の電圧源105cは、第1の所定の電圧値V
thhと第2の所定の電圧値V
thlとの平均値に等しい電圧を出力してもよい。すなわち、第1の電圧源105cは、第1の所定の電圧値V
thhと第2の所定の電圧値V
thlとの間の中点である電圧V
cmに等しい電圧を出力してもよい。この場合、電圧調整回路105は、分圧点104dの電圧V
crが電圧V
cmに近づくように、分圧点104dから電流を流し出し、又は分圧点104dに電流を流し込む。また、電圧調整回路105は、第1の抵抗105aを備えてもよく、第1の抵抗105aを介して分圧点104dに接続される。この場合、電圧調整回路105は、分圧点104dの電圧V
crが電圧V
cmに近づくように、分圧点104dの電圧V
crが第1の電圧源105cの電圧より大きい場合に、分圧点104dから第1の抵抗105aを介して電流を流し出し、分圧点104dの電圧V
crが第1の電圧源105cの電圧より小さい場合に、分圧点104dに第1の抵抗105aを介して電流を流し込む。
【0035】
図6Bに示すように、電圧調整回路105は、第1の抵抗105aと第1の電圧源105cとの間に第1のダイオード105d及び第2のダイオード105eを備えてもよい。第1のダイオード105dと第2のダイオード105eとは、互いに対して逆方向に並列に接続される。第1の電圧源105cは、第1の所定の電圧値V
thhと第2の所定の電圧値V
thlとの平均値に等しい電圧を出力してもよい。この場合、電圧調整回路105は、分圧点104dの電圧V
crが電圧V
cmに近づくように、分圧点104dの電圧V
crが第1の電圧源105cの電圧に第2のダイオード105eのドロップ電圧を加算した電圧より大きくなった場合に、分圧点104dから第2のダイオード105eを介して第1の電圧源105cに電流を流し出し、分圧点104dの電圧V
crが第1の電圧源105cの電圧から第1のダイオード105dのドロップ電圧を減算した電圧より小さくなった場合に、第1の電圧源105cから第1のダイオード105dを介して分圧点104dに電流を流し込む。
【0036】
図6Cに示すように、電圧調整回路105は、第1の抵抗105aにエミッタが接続されたNPNトランジスタ105f、第1の抵抗105aにエミッタが接続されたPNPトランジスタ105g、及びNPNトランジスタ105fのベースとPNPトランジスタ105gのベースとに接続された第2の電圧源105hを備えてもよい。第2の電圧源105hは、第1の所定の電圧値V
thhと第2の所定の電圧値V
thlとの平均値に等しい電圧を出力してもよい。この場合、電圧調整回路105は、分圧点104dの電圧V
crが電圧V
cmに近づくように、分圧点104dの電圧V
crが第2の電圧源105hの電圧にPNPトランジスタ105gのエミッタ-ベース間電圧を加算した電圧より大きくなった場合に、分圧点104dからPNPトランジスタ105gを介してGNDに電流を流し出し、分圧点104dの電圧V
crが第2の電圧源105hの電圧からNPNトランジスタ105fのベース-エミッタ間電圧を減算した電圧より小さくなった場合に、第1の電圧源105cからNPNトランジスタ105fを介して分圧点104dに電流を流し込む。
【0037】
図6Dに示すように、電圧調整回路105は、第2の電圧源105hの代わりに、NPNトランジスタ105fのベースとPNPトランジスタ105gのベースとに接続された第2の抵抗105i及び第3の抵抗105jを備えてもよい。第2の抵抗105iと第3の抵抗105jとによって分圧された電圧は、第1の所定の電圧値V
thhと第2の所定の電圧値V
thlとの平均値に等しい電圧であってもよい。この場合、電圧調整回路105は、分圧点104dの電圧V
crが電圧V
cmに近づくように、分圧点104dの電圧V
crが第2の抵抗105iと第3の抵抗105jとによって分圧された電圧にPNPトランジスタ105gのエミッタ-ベース間電圧を加算した電圧より大きくなった場合に、分圧点104dからPNPトランジスタ105gを介してGNDに電流を流し出し、分圧点104dの電圧V
crが第2の抵抗105iと第3の抵抗105jとによって分圧された電圧からNPNトランジスタ105fのベース-エミッタ間電圧を減算した電圧より小さくなった場合に、第1の電圧源105cからNPNトランジスタ105fを介して分圧点104dに電流を流し込む。
【0038】
このように、第1の所定の電圧値Vthhと第2の所定の電圧値Vthlとの平均値に等しい電圧を基準として、電流調整回路105が、分圧点104dから電流を流し出し、又は分圧点104dに電流を流し込むことによって、分圧点104dの電圧Vcrの経時的な平均電圧値は、第1の所定の電圧値Vthhと第2の所定の電圧値Vthlとの平均値に等しい電圧、すなわち、第1の所定の電圧値Vthhと第2の所定の電圧値Vthlとの間の中点である電圧Vcmに等しい電圧に近づくようになる。これによって、第1のスイッチング素子102aをオフし、その後第2のスイッチング素子102bをオンするまでのデッドタイムと、第2のスイッチング素子102bをオフし、その後第1のスイッチング素子102aをオンするまでのデッドタイムとの間の時間差が小さくなり、第1のスイッチング素子102a及び第2のスイッチング素子102bは、バランス良くオンオフ動作して、制御遅延による出力電圧V0の低下を防止することができ、且つスイッチング損失及びトランス損失を抑制することができる。
【0039】
図6B~
図6Dに示すように、電圧調整回路105は、第1の抵抗105aに対して直列に接続されたキャパシタ105bを備えてもよい。電圧調整回路105は、分圧点104dの電圧V
crに応じて、分圧点104dから第1の抵抗105aを介してキャパシタ105bに電流を流し出し、又はキャパシタ105bから第1の抵抗105aを介して分圧点104dに電流を流し込む。電圧調整回路105は、分圧点104dの電圧V
crがキャパシタ105bに印加される電圧より大きい場合に分圧点104dから第1の抵抗105aを介してキャパシタ105bに電流を流し出し、分圧点104dの電圧V
crがキャパシタ105bに印加される電圧より小さい場合にキャパシタ105bから第1の抵抗105aを介して分圧点104dに電流を流し込んでもよい。第1の抵抗105aの抵抗値及びキャパシタ105bの静電容量値は、第1の抵抗105aの抵抗値及びキャパシタ105bの静電容量値より得られるカットオフ周波数が第1のスイッチング素子102a及び第2のスイッチング素子102bのスイッチング周波数より低くなるように設定される。これによって、第1のスイッチング素子102a及び第2のスイッチング素子102bのスイッチング周波数は、主に生成された共振電流の周波数並びに/又は第1の電流源110a及び第2の電流源110bの電流によって決定され、電圧調整回路105は、分圧点104dの電圧V
crが電圧V
cmに近づくようにするための補助的な手段として機能することができる。
【0040】
上記記載は特定の実施例についてなされたが、本発明はそれに限らず、本発明の原理と添付の特許請求の範囲の範囲内で種々の変更及び修正をすることができることは当業者に明らかである。
【符号の説明】
【0041】
100 スイッチング電源装置
101 入力電源
102 スイッチング回路
102a 第1のスイッチング素子
102b 第2のスイッチング素子
103 トランス
103a 入力巻線
103b 第1の出力巻線
103c 第2の出力巻線
104 共振用キャパシタ回路
104a 基準キャパシタ
104b 第1の分圧キャパシタ
104c 第2の分圧キャパシタ
104d 分圧点
105 電圧調整回路
105a 第1の抵抗
105b キャパシタ
105c 第1の電圧源
105d 第1のダイオード
105e 第2のダイオード
105f NPNトランジスタ
105g PNPトランジスタ
105h 第2の電圧源
105i 第2の抵抗
105j 第3の抵抗
106 補償回路
107 整流平滑回路
107a 平滑キャパシタ
107b 第1の整流素子
107c 第2の整流素子
108 出力負荷
109 共振用インダクタ
110 制御回路
110a 第1の電流源
110b 第2の電流源
111 スイッチング制御回路
111a 完全差動増幅増幅器
111b 第1の比較器
111c 第2の比較器
111d 第1のSRフリップフロップ回路
111e 第2のSRフリップフロップ回路
111f デッドタイム制御回路