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  • 特開-産業機器の表示装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053727
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】産業機器の表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04812 20220101AFI20240409BHJP
【FI】
G06F3/04812
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160107
(22)【出願日】2022-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】西村 勇人
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA08
5E555AA16
5E555AA26
5E555BA04
5E555BB04
5E555BC07
5E555CA12
5E555CA21
5E555CB18
5E555CB33
5E555CB34
5E555CC24
5E555CC25
5E555DB06
5E555DB18
5E555DB20
5E555DC26
5E555DC27
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】表示画面においてタッチされた箇所の視認を容易にすること。
【解決手段】一実施形態に係る表示装置1において、表示画面10がタッチされている状態である第1状態と、表示画面10がタッチされていない状態である第2状態とに応じて、カーソル20A/20Bの表示形態を切り替える制御部50を備え、カーソル20A/20Bは、背景画像を視認可能な半透明な色を有する画像であり、制御部50は、第2状態から第1状態に遷移すると、第1サイズでカーソル20Aを表示し、第1状態から第2状態に遷移すると、表示位置を変えることなく第1サイズよりも大きい第2サイズでカーソル20Bを表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面がタッチされると、前記表示画面においてタッチされた箇所にカーソルを表示する産業機器の表示装置であって、
前記表示画面がタッチされている状態である第1状態と、前記表示画面がタッチされていない状態である第2状態とに応じて、前記カーソルの表示形態を切り替える制御部を備え、
前記カーソルは、背景画像を視認可能な半透明な色を有する画像であり、
前記制御部は、
前記第2状態から前記第1状態に遷移すると、第1サイズで前記カーソルを表示し、
前記第1状態から前記第2状態に遷移すると、表示位置を変えることなく、前記第1サイズよりも大きい第2サイズで前記カーソルを表示する、表示装置。
【請求項2】
前記カーソルは、閉じた曲線によって構成される形状を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示画面内の所定領域がタッチされることで前記表示画面が切り替わると、前記制御部は、切り替え先の前記表示画面において、切り替え前の前記表示画面から表示位置を変えることなく、前記第2サイズで前記カーソルを表示する、請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業機器の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の産業機器のリモートコントロールユニット(RCU)は、タッチスクリーン等の表示画面がタッチされると、かかる表示画面においてタッチされた箇所に十字マーク等のカーソルを表示するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-78142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の表示装置では、表示画面上に表示されている文字や線等にカーソルが重なると、タッチされた箇所が視認し難いという問題点があった。
【0005】
また、従来の表示装置では、表示画面がタッチされた後、所定期間が経過すると、表示されているカーソルが消えるように構成されているため、RCUが応答しない場合には、オペレータは、どの個所にタッチしたのか判りにくいという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、表示画面においてタッチされた箇所の視認を容易にすることができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る表示装置は、表示画面がタッチされると、前記表示画面においてタッチされた箇所にカーソルを表示する産業機器の表示装置であって、前記表示画面がタッチされている状態である第1状態と、前記表示画面がタッチされていない状態である第2状態とに応じて、前記カーソルの表示形態を切り替える制御部を備え、前記カーソルは、背景画像を視認可能な半透明な色を有する画像であり、前記制御部は、前記第2状態から前記第1状態に遷移すると、第1サイズで前記カーソルを表示し、前記第1状態から前記第2状態に遷移すると、表示位置を変えることなく、前記第1サイズよりも大きい第2サイズで前記カーソルを表示することを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、表示画面においてタッチされた箇所の視認を容易にすることができる表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る表示装置1の外観の一例を説明する図である。
図2図2は、一実施形態に係る表示装置1の表示画面10における表示内容の一例を示す図である。
図3図3は、一実施形態に係る表示装置1の表示画面10における表示内容の一例を示す図である。
図4図4は、一実施形態に係る表示装置1の表示画面10における表示内容の一例を示す図である。
図5図5は、一実施形態に係る表示装置1の表示画面10における表示内容の一例を示す図である。
図6図6は、一実施形態に係る表示装置1の表示画面10における表示内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
以下、図1図6を参照して、本発明の第1実施形態に係る表示装置1について説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る表示装置1は、表示画面10と、制御部50とを備えている。ここで、表示装置1は、表示画面10がタッチされると、表示画面10においてタッチされた箇所にカーソル20A/20B(図2図6参照)を表示する産業機器の表示装置である。例えば、表示装置1は、産業機器のRCU(リモート・コントロール・ユニット)であってもよい。
【0013】
制御部50は、表示画面10がタッチされている状態である第1状態と、表示画面10がタッチされていない状態である第2状態とに応じて、カーソル20A/20Bの表示形態を切り替える。
【0014】
具体的には、制御部50は、タッチされていない第2状態からタッチされた第1状態に遷移すると、タッチされた位置のカーソル20Aを第1サイズで表示し、第1状態からタッチされていない第2状態に遷移すると、カーソル20Aの表示位置を変えることなく、第1サイズよりも大きい第2サイズでカーソル20Bを表示する。
【0015】
ここで、かかるカーソル20A及びカーソル20Bを表示画面10に表示した際に、カーソル20A及びカーソル20Bの中心或いは重心が一致している場合、或いは、カーソル20A及びカーソル20Bの少なくとも一部が重なっている場合に、カーソル20A及びカーソル20Bの表示位置が変わっていないとする。
【0016】
なお、第2サイズは、第1サイズの1.3倍~1.7倍、好ましくは、1.5倍である。また、第1サイズは、指の太さ程度のサイズが好ましい。これにより、カーソル20A/20Bを指先の陰影のように表示することができるから、側方から手を伸ばして表示画面10にタッチするような場合でも、表示画面10のどの箇所にタッチしているかを側方から容易に視認することができる。
【0017】
また、カーソル20A/20Bは、背景画像を視認可能な半透明な色を有する画像である。ここで、カーソル20A/20Bの色は、背景画像の色に応じて変化するように構成されていてもよい。
【0018】
また、カーソル20A/20Bは、閉じた曲線によって構成される形状を有していてもよい。例えば、カーソルが、円形であっても、楕円形であってもよい。また、カーソルが、多角形であってもよい。さらに、かかる形状は、実線であってもよいし、点線であってもよいし、他の任意の線種であってもよい。
【0019】
なお、カーソル20A/20Bは、曲線だけでなく、一部に直線を含む形状を有していてもよい。
【0020】
また、タッチされていないときの第2状態におけるカーソル20Bは、半透明な色でなくてもよいし、所定時間経過で表示画面から消えるように構成されていてもよい。制御部50は、表示画面10がタッチされた第1状態からタッチされていない第2状態に遷移すると、カーソル20の色を、背景画像を視認可能な半透明な色に切り替えるように構成されていてもよい。
【0021】
また、カーソル20A/20Bの形状や色については、手動で変更することができるように構成されていてもよい。カーソル20A/20Bの形状は、背景画像等に応じて変化するように構成されていてもよい。
【0022】
以下、図2図6を参照して、オペレータの操作による表示画面10の遷移について説明する。
【0023】
図2では、表示装置1が第2状態であり、第2サイズのカーソル20Bが表示画面10に表示されている。ただし、このカーソル20Bは、タッチされていない第2状態が所定時間継続すると、表示画面10から自動的に消えるように構成されているが、ここでは、消える前の第2状態のカーソル20Bを表示している。
【0024】
第1に、オペレータが、表示画面10にタッチすると(例えば、図3の「零点調整」ボタンを押下すると)、図3に示すように、制御部50は、タッチされた箇所に、第1サイズのカーソル20Aを表示する。このとき、カーソル20Aは、指の太さ程度の大きさで表示されるため、表示されるボタンサイズが小さくても、また、側方から手を伸ばして表示画面10にタッチする場合でも、オペレータは、タッチした箇所を視認することができる。
【0025】
第2に、タッチした指を表示画面10から離すと、制御部50は、図4に示すように、オペレータがタッチした所定ボタン(図3では、「零点調整」ボタン)の機能に起因して、表示画面10の表示(図4の零点調整画面)に切り替える。
【0026】
なお、オペレータの指が表示画面10から離れると、制御部50は、表示装置1が第1状態から第2状態に遷移するため、第1状態のときのカーソル20Aを、第2サイズの大きさのカーソル20Bに切り替えて表示画面10に表示する。
【0027】
図4の例は、リング状に配列された1番から14番までの全計量ホッパWHに対して、零点調整を行う画面である。この画面において、右下欄の「零点調整」の文字の上段に描かれた、ひし形の開始マークと、-0-表示とを囲む領域Mをタッチすると、全計量ホッパWHに対して零点調整が実行されるように構成されている。
【0028】
第3に、オペレータが、図4の表示画面10の左下欄の「戻るキー」にタッチすると(所定ボタンを押下すると)、制御部50は、図5に示すように、タッチされた箇所に、第1サイズのカーソル20Aを表示する。
【0029】
図5の例では、表示装置1がタッチされていない第2状態からタッチされた第1状態に遷移するため、制御部50は、第1サイズでカーソル20Aを表示する。
【0030】
第4に、図5の「戻るキー」をタッチした指が表示画面10から離れると、表示装置1は、第1状態から第2状態に遷移し、制御部50は、図5の第1サイズのカーソル20Aを第2サイズのカーソル20Bに切り替えて、図6のように、表示画面10に表示する。
【0031】
図6の例では、表示装置1がタッチした第1状態からタッチしない第2状態に遷移したため、制御部50が、図5に示すカーソル20Aを、その表示位置において、第2サイズの大きさに切り替えてカーソル20Bを表示する。
【0032】
図3図6に示すように、表示画面10内の所定領域(所定ボタン)のタッチによって表示画面10が切り替わると、制御部50は、切り替わった表示画面10(図4及び図6参照)において、切り替え前の表示画面10(図3及び図5参照)における第1サイズのカーソル20Aを、第2サイズに切り替えてカーソル20Bを表示してもよい。
【0033】
本実施形態によれば、オペレータが、表示画面10上にタッチすると、タッチした指の太さ程度の大きさのカーソル20Aがタッチした領域に現れ、タッチした箇所から指を離すと、表示画面が切り替わって指の太さよりも大きなサイズ(第2サイズ)のカーソル20Bを表示するため、自身がタッチしていた箇所が判り易くなり、誤ったキーのタッチを回避して操作効率を向上させることができる。
【0034】
例えば、カーソルが、十字マーク等で構成されている場合、そのマークが、背景画像における文字や図形の直線等と重複すると、文字や直線等の視認が困難になるという問題点があった。本実施形態によれば、カーソル20A/20Bが、半透明な色を有しており、かつ、閉じた曲線及び/又は直線によって構成される形状を有しているため、かかる曲線等で囲まれたカーソル部分によって背景画像における文字や直線等が視認可能となるから、上述の問題点を解決することができる。
【0035】
また、本実施形態によれば、表示画面10に正しく対面せずに、斜めから手を伸ばして表示画面10をタッチするような場合でも、タッチした箇所のカーソル20A/20Bが、指先の陰影のような大きさで表示されるため、タッチした箇所が正しいか否かを側方からでも容易に視認することができる。特に、産業機器の表示装置では、側方から手を伸ばして表示画面を操作する場合があるが、そうした場合でも、ボタンの押し間違いを減らすことができる。
【0036】
上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0037】
1…表示装置
10…表示画面
20A、20B…カーソル
50…制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6