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特開2024-53739浚渫ユニットおよびこれを備える浚渫装置
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  • 特開-浚渫ユニットおよびこれを備える浚渫装置 図1
  • 特開-浚渫ユニットおよびこれを備える浚渫装置 図2
  • 特開-浚渫ユニットおよびこれを備える浚渫装置 図3
  • 特開-浚渫ユニットおよびこれを備える浚渫装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053739
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】浚渫ユニットおよびこれを備える浚渫装置
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/88 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
E02F3/88 A
E02F3/88 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160125
(22)【出願日】2022-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】505328085
【氏名又は名称】古河産機システムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】宇野 秀城
(57)【要約】
【課題】安定した連続運転が可能な浚渫ユニットを提供する。
【解決手段】浚渫ユニット20は、浚渫ポンプ10の吸込口1sに対向する位置に装着され、浚渫用の掘削部22と、掘削部22の回転刃22aを駆動させる油圧モータ24と、掘削部22で掘削された浚渫物を浚渫ポンプ10へ導く吸引管26A、26Bと、を備える。回転刃22aの回転軸23は、油圧モータ24の出力軸25と同軸に接続され、吸引管26A、26Bは、回転軸23の中心に対して偏心した位置に設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浚渫ポンプの吸込口に対向する位置に装着される浚渫ユニットであって、
浚渫物側に向けて回転自在に設けられる回転刃を含む掘削部を有するケーシングと、
前記回転刃を回転可能に前記ケーシングの開口側とは反対側の基端部に付設されるモータと、
前記ケーシングの基端部に接続されるとともに前記掘削部で掘削された浚渫物を前記浚渫ポンプへと導く吸引管と、
を備え、
前記回転刃の回転軸は、前記モータの出力軸と同軸に接続され、
前記吸引管の浚渫物側の接続端部は、前記回転刃の回転軸の中心に対して偏心した位置に設けられている、
ことを特徴とする浚渫ユニット。
【請求項2】
前記吸引管が前記ケーシングの基端部の複数個所に設けられている請求項1に記載の浚渫ユニット。
【請求項3】
前記浚渫ポンプの吸込口との間に着脱可能に介装される中間室を更に有し、
前記中間室は、前記吸引管の基端側が接続されて前記中間室内で合流している請求項1に記載の浚渫ユニット。
【請求項4】
前記中間室は、自身側面に内部を点検可能に設けられた点検口を有する請求項3に記載の浚渫ユニット。
【請求項5】
浚渫ポンプと、
該浚渫ポンプの吸込口に対向する位置に装着される、請求項1~4のいずれか一項に記載の浚渫ユニットと、
を備えることを特徴とする浚渫装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浚渫技術に関する。
【背景技術】
【0002】
浚渫装置によって、水底に堆積した土砂等の堆積物を吸い上げようとする場合、水底に固まった土砂を浚渫ポンプの吸引管から吸引可能な状態にするために、例えば特許文献1記載の技術では、堆積した土砂に浚渫用の掘削部を押し付けて土砂を崩している。
【0003】
同文献記載の技術では、掘削部の回転軸が掘削した土砂を浚渫ポンプに導く吸引管の先端部と同軸に配置され、掘削部の回転軸は、吸引管の側部に配置されたアクチュエータにより、動力伝達ベルトを介して回転駆動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-38511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、同文献記載の技術では、掘削部の回転軸とアクチュエータとは、動力伝達ベルトを介するベルト伝達駆動機構なので、ベルト伝達駆動機構への異物の噛み込みや動力伝達ベルトの張り直しによる運転の中断が生じ易いという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、安定した連続運転が可能な浚渫ユニットおよびこれを備える浚渫装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る浚渫ユニットは、浚渫ポンプの吸込口に対向する位置に装着される浚渫ユニットであって、浚渫物側に向けて回転自在に設けられる回転刃を含む掘削部を有するケーシングと、前記回転刃を回転可能に前記ケーシングの開口側とは反対側の基端部に付設されるモータと、前記ケーシングの基端部に接続されるとともに前記掘削部で掘削された浚渫物を前記浚渫ポンプへと導く吸引管と、を備え、前記回転刃の回転軸は、前記モータの出力軸と同軸に接続され、前記吸引管の浚渫物側の接続端部は、前記回転刃の回転軸の中心に対して偏心した位置に設けられている、ことを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る浚渫装置は、浚渫ポンプと、該浚渫ポンプの吸込口に対向する位置に装着される、本発明の一態様に係る浚渫ユニットと、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、浚渫ユニットは、浚渫ポンプの吸込口に対向する位置に装着される。そして、この浚渫ユニットは、回転刃の回転軸がモータの出力軸と同軸に接続され、吸引管が回転刃の回転軸の中心に対して偏心した位置に設けられているので、掘削時に安定して連続運転できる。
【発明の効果】
【0010】
上述のように、本発明によれば、安定した連続運転が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一態様に係る浚渫装置を用いた浚渫システムの一実施形態を説明する模式図である。
図2】本発明の一態様に係る浚渫装置の一実施形態の説明図であり、同図では、ポンプ本体部分および浚渫ユニットに係る構成を軸線に沿った縦断面にて示している。
図3】本発明の一態様に係る浚渫ユニットの一実施形態の模式的説明図であり、同図(a)はその正面図、(b)は(a)でのX-X断面図である。
図4】本発明の一態様に係る浚渫ユニットの掘削部を構成する回転刃および固定刃の一実施形態の説明図であり、同図(a)は回転刃の模式的平面図、(b)は固定刃の模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
【0013】
図1に、本実施形態の浚渫装置100を備える浚渫システムを示す。
同図に示すように、この浚渫システムは、ダム湖等の水上SLに配置される水上基地50と、水上基地50からワイヤ57で垂下されて水底に配備される浚渫装置100と、を備えて構成される。
【0014】
水上基地50には、発電機51と、ウインチ等を含む作業機54と、油圧源として内燃機関で駆動される可変容量タイプの油圧ポンプ55と、コントローラを構成する管理コンピュータ30と、が装備される。管理コンピュータ30および発電機51並びに油圧ポンプ55は、アンビリカルケーブル56を介してダム湖の湖底SBに配置された浚渫装置100に接続される。
【0015】
浚渫装置100は、水上基地50側から、浚渫装置100の作動に必要な電力や制御信号の供給並びに圧油の供給がアンビリカルケーブル56を介して可能になっている。
本実施形態の浚渫装置100は、ダム湖の湖底SBに立設可能な浚渫矢倉53と、浚渫矢倉53の中央に装備された浚渫ポンプ10と、浚渫ポンプ10に着脱可能に装備される浚渫ユニット20と、を備える。
【0016】
ポンプケーシング1には底面に吸込口1sが設けられ、ポンプケーシング1の吸込口1sに対向する位置に浚渫ユニット20が装着される。本実施形態の浚渫ポンプ10では、水中サンドポンプを採用しており、掘削された堆積物を泥水とともに送泥ホース7に送り出すポンプ浚渫が可能になっている。
【0017】
詳しくは、本実施形態の浚渫ポンプ10は、図2に示すように、ポンプ駆動部3と、ポンプ駆動部3の下部に設けられたポンプケーシング1とを備える。ポンプケーシング1には、底面に吸込口1sが設けられ、吸込口1sには、浚渫ユニット20が着脱可能に装着される。
本実施形態の浚渫ポンプ10を用いた浚渫装置100の構成では、浚渫ポンプ10の吸込口1s側に装着された浚渫ユニット20に破砕機構として掘削部22を設けている。浚渫ユニット20と共に、適宜にサクションホッパや多孔パイプ型のストレーナを装着してもよい。
【0018】
ポンプ駆動部3には水中モータ5が内蔵されている。ポンプ駆動部3の上部には、制御ユニット6からキャプタイヤケーブル52が接続され、湖上の水上基地50に設けられた発電機51から供給される電力が、キャプタイヤケーブル52から制御ユニット6を介して水中モータ5に供給される。なお、キャプタイヤケーブル52は、図1でのアンビリカルケーブル56の内部に設けられる。
【0019】
水中モータ5の駆動軸8は、駆動軸8上下が軸受9A、9Bで回転自在に支持されるとともに、駆動軸8下端が、ポンプケーシング1の上部中央から下方に向けて突設されている。
ポンプケーシング1内には、駆動軸8の先端にインペラ2が同軸に装着されている。ポンプ駆動部3とポンプケーシング1との間は、水中モータ5の駆動軸8の周囲の位置にメカニカルシールやオイルシール等の軸封部4が設けられている。
【0020】
ポンプケーシング1の側面には吐出口1tが設けられ、排出管37が吐出口1tに接続されている。排出管37は、湖底に沿って延設された可撓性を有する送泥ホース7に連結される。
これにより、本実施形態の浚渫ポンプ10は、水中モータ5が駆動されると、インペラ2が所定方向に正転駆動されてポンプケーシング1内で渦流を発生させ、湖底側を向く浚渫ユニット20からポンプ排水量に応じて掘削された浚渫物Sとともに泥水を吸込口1sに吸引し、吸込口1sから排出管37を介して送泥ホース7に排出可能になっている。なお、同図では、掘削された浚渫物Sのイメージを二点鎖線で示している(図3において同様)。
【0021】
ここで、本実施形態の浚渫ユニット20は、浚渫ポンプ10の吸込口1sに対向する位置に装着され、ポンプケーシング1の長手方向に沿って軸線CL2が浚渫ポンプ10の軸線CL1と同軸上に縦に配置される。
詳しくは、本実施形態の浚渫ユニット20は、図3に示すように、浚渫物側に開口する円筒状の掘削部ケーシング21を備える。掘削部ケーシング21は、水底に安定した姿勢で着底できるように、略扁平円筒状に設けられている。
【0022】
掘削部ケーシング21は、円筒状をなす下面部分が浚渫物側に向けて開口している部分が固定刃22bとされている。そして、掘削部ケーシング21には、浚渫物側に向けて回転自在に設けられる回転刃22aを含む掘削部22と、掘削部22の回転刃22aを回転可能に掘削部ケーシング21の基端部中央に固定された油圧モータ24と、が装備される。なお、掘削部22の駆動用モータは油圧モータに限定されず、掘削部22を駆動可能であれば、電動モータ等、種々のモータを採用できる。
【0023】
詳しくは、本実施形態の掘削部22は、軸方向で互いに隣接配置された回転刃22aと固定刃22bとを有して構成される。回転刃22aおよび固定刃22bは、図4に示すように、外形円形をなすとともに平面視において格子構造をそれぞれ有する。
本実施形態の例では、同図(a)に示すように、回転刃22aの格子構造は、四分円に区分された4つの格子領域から構成されている。また、固定刃22bの格子構造は、同図(b)に示すように、升目状の開口が縦横に3×3=9箇所並ぶ開口部が周方向に4等配されて構成され、回転刃22aの格子構造に対向して互いの格子構造が僅かな隙間を隔てて隣接配置される。
これにより、掘削部22で回転刃22aが回転駆動されると、格子構造のエッジ部分が刃として機能し、回転刃22aと固定刃22b相互の隣接する格子構造によって浚渫物をせん断しつつ掘削可能になっている。
特に、本実施形態では、図4に示すように、固定刃22bの格子構造の単位矩形開口部22btの開口面積は、回転刃22aの格子構造の単位矩形開口部22atの開口面積よりも小さく設定されている。これにより、掘削部22から浚渫ポンプ10側に吸い込まれる浚渫物を所望サイズ以下に篩うことで、浚渫ポンプ10側での閉塞を可及的に解消して円滑な吸い込み性能を担保している。
【0024】
さらに、掘削部ケーシング21の基端部と浚渫ポンプ10との間に吸込部が設けられる。本実施形態の吸込部は、浚渫姿勢において、掘削部ケーシング21の上面となる基端部に接続されて掘削部22で掘削された土砂等の浚渫物を浚渫ポンプ10の吸込口1sへと導く複数の吸引管26A、26Bと、これら複数の吸引管26A、26Bと吸込口1sとの間に介装されて吸込口1sに直接連通する円筒状の中間室27と、を有する。
【0025】
本実施形態では、円筒状をなす二本の吸引管26A、26Bが掘削部ケーシング21の中心を挟んで周方向で対向する位置に配置されている。各吸引管26A、26Bの浚渫物側の接続端部は、掘削部22の回転軸23の中心に対して偏心した位置に設けられている。そして、中間室27は、各吸引管26A、26Bの基端側が接続されて中間室27内で合流している。
これにより、本実施形態では、複数の吸引管26A、26Bは、吸込口1sに対して中間室27を介して接続される。本実施形態の中間室27は、自身側面に内部を点検可能に設けられた二つの点検口28A、28Bを有する。二つの点検口28A、28Bは、相互に対向する位置に設けられている。
【0026】
本実施形態では、偏心配置された複数の吸引管26A、26Bの中央の位置に、油圧モータ24が配置されている。掘削部22の回転軸23は、油圧モータ24の出力軸25と同軸に接続される。特に、本実施形態の浚渫ユニット20では、吸引管26A、26Bが、回転刃22aの回転軸23の中心CL2に対して偏心した位置に左右対称に設けられている。
【0027】
但し、本実施形態では、浚渫ユニット20と浚渫ポンプの吸込口1sとの間が、着脱可能な中間室27を介して接続されている例を示したが、これに限らず、中間室27を介することなく偏心した吸引管26A、26Bを吸込口1sに直接合流させて接続してもよい。また、吸引管は複数に限定されず、一つのみでもよい。
【0028】
次に、本実施形態の浚渫装置100の動作および作用効果について説明する。
本実施形態の浚渫装置100は、図1に示したように、水上基地50から水中に垂下され、垂直姿勢を保持した状態で土砂等の浚渫物の掘削を開始する。設置後、水上基地50からアンビリカルケーブル56を介して浚渫装置100に必要な圧油の供給、並びに、電力や制御信号を供給して浚渫装置100を駆動する。
【0029】
これにより、油圧モータ24および水中モータ5が駆動されると、浚渫ユニット20の掘削部22での回転刃22aの回転駆動によって土砂等の浚渫物をせん断しつつ掘削し、これと同時に、浚渫用ポンプ10は、インペラ2が所定方向に回転してポンプケーシング1内で渦流を発生させ、水底側を向く浚渫ユニット20からポンプ排水量に応じて掘削された浚渫物とともに泥水を吸込口1sに吸引し、吸込口1sから排出管37を介して送泥ホース7に排出して、移設位置に浚渫物を移動することができる。
【0030】
特に、本実施形態の浚渫ユニット20によれば、油圧モータ24は、図2および図3に示したように、浚渫ユニット20の掘削部ケーシング21の中心軸CL2と同軸に配置され、回転刃22aの回転軸23が油圧モータ24の出力軸25と同軸に接続された直結駆動機構なので、この直結駆動機構への異物の噛み込みの懸念が無く、また、動力伝達ベルトの張り直し等のメンテナンスが不要である。よって、掘削時に安定して連続運転できる(発明1)。
【0031】
また、上記直結駆動機構によって動力の伝達効率が向上し、回転刃22aの回転軸23への負担が減るため、部品の交換頻度も低減させることができる。また、油圧モータ24および水中モータ5を個別に制御できるため、ポンプの吸引条件と掘削部での屈側条件それぞれに適した運転を行う上で好適である。
また、本実施形態の浚渫ユニット20によれば、対称となる位置に偏心配置された複数の吸引管26A、26Bを有するので、浚渫装置100の接地中心に偏ることなく、接地面全体から安定した吸い上げが可能である。
【0032】
また、吸引管が一本のみの場合、流入した異物によって吸引管が閉塞したときには、浚渫装置100の運転を停止して閉塞を解消する必要があるところ、複数の吸引管26A、26Bを有することにより、一部の吸引管が閉塞したときであっても、他の吸引管によって浚渫装置100の運転を継続できる。そのため、閉塞による浚渫装置100の運転停止の頻度を防止または抑制する上で好適である(発明2)。
【0033】
また、本実施形態の浚渫装置100によれば、浚渫ユニット20が、図2に示したように、浚渫ポンプ10の吸込口1sに対して、着脱可能な中間室27にて接続されているので、浚渫ユニット20の点検が容易である。
さらに、中間室27は、回転軸23に対して偏心配置された吸引管26A、26Bを浚渫ポンプ10の吸込口1sに合流させる機能を担うため、浚渫ポンプ10側での円滑な吸い込みに寄与する(発明3)。
【0034】
また、中間室27には、側面に内部を点検可能に設けられた二つの点検口28A、28Bが設けられているので、組立状態のままであっても、側面に設けられた各点検口28A、28Bから浚渫ユニット20内の点検および吸引管26A、26Bの閉塞解消作業を行うことができる(発明4)。
【0035】
以上説明したように、本実施形態の浚渫ユニット20およびこれを備える浚渫装置100によれば、安定した連続運転が可能である。
なお、本発明に係る浚渫ユニットおよびこれを備える浚渫装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能であることは勿論である。
【0036】
例えば、上記実施形態では、円筒状をなす二本の吸引管26A、26Bが掘削部ケーシング21の中心を挟んで周方向で対向する位置に配置されている例を示したがこれに限定されず、複数の吸引管の数や形状および配置位置は種々変形可能である。例えば、円筒状をなす三本ないし四本の吸引管を周方向に離隔して等配することができる。また、吸引管の管路の横断面形状も円形に限らず、矩形や扇形状等を採用してもよい。但し、吸引管を複数設けることによって、いずれかの吸引管に閉塞が生じた場合であっても、残された他の吸引管によって補完し得るため、閉塞による浚渫装置100の運転停止の頻度を防止または抑制する上で吸引管を複数設けることは好ましい。
【0037】
また、例えば、複数の吸引管の管路の横断面形状を掘削部ケーシング21の中心を挟んで周方向で対向する位置に、扇形状の中心をケーシング21の中心と同軸に設ければ、吸引管の管路の部分での流路面積を可及的に広くすることができる。そのため、閉塞による浚渫装置100の運転停止の頻度を防止または抑制する上で好適である。
【0038】
また、上記実施形態では、二つの点検口28A、28Bが設けられている例を示したが、点検口の数や形状および配置位置についても種々変形可能である。但し、組立状態のままで浚渫ユニット20内の点検および吸引管26A、26Bの閉塞解消作業を行う上では、中間室27に点検口を設けることが好ましい。
【符号の説明】
【0039】
1 ポンプケーシング
1s 吸込口
1t 吐出口
2 インペラ
3 ポンプ駆動部
4 軸封部
5 水中モータ
6 制御ユニット
7 送泥ホース
8 駆動軸
9A、9B 軸受
10 浚渫ポンプ
20 浚渫ユニット
21 掘削部ケーシング(ケーシング)
22 掘削部
22a 回転刃
22b 固定刃
23 掘削刃の回転軸
24 油圧モータ(モータ)
25 油圧モータの出力軸
26A、26B 吸引管
27 中間室
28A、28B 点検口
29 吸込口接続部
30 管理コンピュータ
37 排出管
50 水上基地
51 発電機
52 キャプタイヤケーブル
53 浚渫矢倉
54 作業機
55 油圧ポンプ
56 アンビリカルケーブル
57 ワイヤ
100 浚渫装置
S 浚渫物
SB 湖底
SL 水上
図1
図2
図3
図4