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特開2024-53750充電場所提案システム、充電場所提案方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053750
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】充電場所提案システム、充電場所提案方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240409BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20240409BHJP
   B60L 53/68 20190101ALI20240409BHJP
【FI】
G06Q50/10
B60L3/00 S
B60L53/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160145
(22)【出願日】2022-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村松 奈美
【テーマコード(参考)】
5H125
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5H125AA01
5H125AC11
5H125BC21
5H125BE01
5H125CA18
5H125CD10
5H125DD02
5H125EE27
5H125EE55
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】電動車両への充電費用を最小化し易い充電場所提案システム、充電場所提案方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】充電場所提案システム80は、電動車両50の目的地(自宅30)を含む複数の充電スポットにおける、電動車両50への充電単価を取得する単価取得部11Aと、充電費用が最も安くなるように、複数の充電スポットのなかから充電場所を提案可能な提案部11Eと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両の目的地を含む複数の充電スポットにおける、前記電動車両への充電単価を取得する単価取得部と、
充電費用が最も安くなるように、前記複数の充電スポットのなかから充電場所を提案可能な提案部と、
を備えた充電場所提案システム。
【請求項2】
前記電動車両の残電力量を取得する電力量取得部と、
前記電動車両の位置情報を取得する位置取得部と、を備え、
前記提案部は、前記位置情報に基づいて前記充電スポットへの移動時に消費する消費電力量を算出し、前記残電力量と前記消費電力量との差に応じて、前記充電場所を提案する、
請求項1に記載の充電場所提案システム。
【請求項3】
前記充電スポットにおいて充電される電力の発電時における単位電力量あたりの二酸化炭素排出量を取得する環境負荷情報取得部を備え、
前記提案部は、前記二酸化炭素排出量が最も少なくなるように充電場所を提案可能である、
請求項1又は2に記載の充電場所提案システム。
【請求項4】
電動車両の目的地を含む複数の充電スポットにおける、前記電動車両への充電単価を取得する工程と、
前記複数の充電スポットのなかから、充電費用が最も安い場所を充電場所として提案する工程と、
を備えた充電場所提案方法。
【請求項5】
電動車両の目的地を含む複数の充電スポットにおける、前記電動車両への充電単価を取得する工程と、
前記複数の充電スポットのなかから、充電費用が最も安い場所を充電場所として提案する工程と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電場所提案システム、充電場所提案方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、電動車両への満充電完了が最も早い充電スポット及び満充電までに要する料金が最も安い充電スポットを提案する充電スポット提案システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-50910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の充電スポット提案システムは、目的地に到着するまでに利用する充電スポットで支払う料金の合計額が最も安い走行経路を提案することもできる。しかしながら、例えば電動車両の所有者の自宅など、充電スポットは電動車両の目的地にも備えられている場合が多い。
【0005】
このような場合は、仮に目的地に到着するまでに充電スポットで支払う料金の合計額が最も安い経路を選択できたとしても、目的地における充電料金を加味すると、合計の充電費用が最も安くならない可能性がある。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、電動車両への充電費用を最小化し易い充電場所提案システム、充電場所提案方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一態様の充電場所提案システムは、電動車両の目的地を含む複数の充電スポットにおける、前記電動車両への充電単価を取得する単価取得部と、充電費用が最も安くなるように、前記複数の充電スポットのなかから充電場所を提案可能な提案部と、を備える。
【0008】
電動車両の充電単価は、街なかに設置された充電スポット毎に異なる場合がある。また、例えば電動車両の所有者の自宅など、電動車両の目的地における充電単価も、街なかに設置された充電スポットと異なる場合がある。このような場合においては、充電単価が安い充電スポットを適宜選択することなどにより、充電費用が最も安くなるように充電できることが好ましい。
【0009】
そこで、第一態様の充電場所提案システムによると、提案部が、充電費用が最も安くなるように、電動車両の目的地を含む複数の充電スポットのなかから充電場所を提案することができる。これにより、電動車両の所有者は、充電費用を最小化し易い。
【0010】
第二態様の充電場所提案システムは、前記電動車両の残電力量を取得する電力量取得部と、前記電動車両の位置情報を取得する位置取得部と、を備え、前記提案部は、前記位置情報に基づいて前記充電スポットへの移動時に消費する消費電力量を算出し、前記残電力量と前記消費電力量との差に応じて、前記充電場所を提案する。
【0011】
仮に「充電単価が最も安い充電スポット」が遠方の場合、電動車両の残電力量では、当該充電スポットに到達できない場合がある。
【0012】
そこで、第二態様の充電場所提案システムでは、提案部が、電動車両の位置情報に基づいて、充電スポットへの移動時に消費する消費電力量を算出する。そして、電動車両の残電力量と消費電力量との差に応じて、充電場所を提案する。
【0013】
すなわち、「電動車両の残電力量と消費電力量との差」が負の値になる充電スポットは電動車両で到達できない一方、「電動車両の残電力量と消費電力量との差」が正の値になる充電スポットは到達できる。このため、提案部は、残電力量で到達できる充電スポットの中から、充電費用が最も安くなるように、充電場所を提案できる。これにより電力切れを抑制できる。
【0014】
また、目的地へ向かう途中に他の充電スポットに立ち寄る場合は、目的地に直行する場合よりも消費電力量が多くなる。このため、目的地の充電単価より立ち寄る充電スポットの充電単価のほうが安くても、電動車両に満充電するための総充電量が多くなり、総充電費用も高くなる可能性がある。
【0015】
そこで、第二態様の充電場所提案システムでは、電動車両の残電力量を取得し、また、充電スポットへの移動時に消費する消費電力量を算出する。これにより、現在地から充電スポットに移動する際に消費する電力量、充電スポットで充電する電力量及び充電費用、充電スポットから目的地に移動する際に消費する電力量、並びに、目的地で充電する電力量及び充電費用を把握できる。これにより、充電スポットに立ち寄る場合の総充電量及び充電費用を把握できる。同様に、目的地に直行する場合の総充電量及び充電費用を把握できる。これにより、総充電費用が最も安くなるように、充電場所を提案できる。
【0016】
第三態様の充電場所提案システムは、前記充電スポットにおいて充電される電力の発電時における単位電力量あたりの二酸化炭素排出量を取得する環境負荷情報取得部を備え、前記提案部は、前記二酸化炭素排出量が最も少なくなるように充電場所を提案可能である。
【0017】
第三態様の充電場所提案システムでは、充電単価が最も安くなるように充電場所を提案できるだけでなく、二酸化炭素排出量が最も少なくなるように充電場所を提案することもできる。これにより、電動車両の所有者は、充電費用だけでなく環境負荷を考慮した意思決定を実施できる。
【0018】
すなわち、提案部は、充電費用が最も安くなるように、複数の充電スポットのなかから充電場所を提案可能である。しかしながら、目的地における充電単価と街なかに設置された充電スポットにおける充電単価との間に大きな差異が無い場合もある。このような場合において、二酸化炭素排出量が最も少なくなるように充電場所を提案することで、電動車両の所有者の選択肢を拡げられる。
【0019】
第四態様の充電場所提案方法は、電動車両の目的地を含む複数の充電スポットにおける、前記電動車両への充電単価を取得する工程と、前記複数の充電スポットのなかから、充電費用が最も安い場所を充電場所として提案する工程と、を備える。
【0020】
第五態様のプログラムは、電動車両の目的地を含む複数の充電スポットにおける、前記電動車両への充電単価を取得する工程と、前記複数の充電スポットのなかから、充電費用が最も安い場所を充電場所として提案する工程と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、電動車両への充電費用を最小化し易い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施形態に係る充電場所提案システムの構成及び充電場所提案装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る充電場所提案装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】(A)は本実施形態に係る充電スポットデータベースを示す表であり、(B)は自宅データベースを示す表であり、(C)は電動車両データベースを示す表である。
図4】(A)は本実施形態に係る充電場所提案処理を実行するケース1を示す表であり、(B)はケース2を示す表であり、(C)はケース3を示す表であり、(D)はケース4を示す表である。
図5】本実施形態に係る充電場所提案処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の実施形態に係る充電場所提案システム、充電場所提案方法及びプログラムについて、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。但し、明細書中に特段の断りが無い限り、各構成要素は一つに限定されず、複数存在してもよい。
【0024】
また、各図面において重複する構成及び符号については、説明を省略する場合がある。なお、本開示は以下の実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において構成を省略する又は異なる構成と入れ替える等、適宜変更を加えて実施することができる。
【0025】
<充電場所提案システム>
(概要)
図1には、本発明の実施形態に係る充電場所提案システム80の全体構成が示されている。充電場所提案システム80は、電動車両50の目的地を含む複数の充電スポット20において電動車両50へ充電する際に、充電費用が最も安くなるように、充電場所を提案するためのシステムである。
【0026】
「目的地」としては、例えば電動車両50の所有者の自宅、勤務先、外出先など様々な場所が挙げられるが、本明細書においては、電動車両50の所有者の自宅30を目的地として説明する。
【0027】
充電場所提案システム80は、充電場所提案装置10、複数の充電スポット20、電動車両50、電動車両の目的地としての自宅30及びネットワークNを利用するネットワークシステムである。なお、本発明における充電スポットとは、充電スポット20及び目的地(一例として自宅30)を含む概念である。
【0028】
(自宅)
自宅30は、充電場所提案システム80を利用登録している特定利用者の自宅である。充電場所提案システム80は、複数の利用者によって同時に利用することができる。つまり、充電場所提案システム80には複数の自宅30が含まれていてもよい。
【0029】
但し、利用者が自ら保有する電動車両50の充電場所として利用できる自宅30は、当該利用者が居住する自宅30のみとする。自宅30は、太陽光パネル32、蓄電池34、分電盤36及び管理装置38を備えている。
【0030】
太陽光パネル32は、自宅30の屋根面に設けられ、太陽光を受けて発電する太陽電池を備えている。太陽光パネル32は、季節や日照条件などに応じて、発電電力が時間的に変動する電源である。
【0031】
蓄電池34は、自宅30に設けられている定置型蓄電池である。蓄電池34は、例えばリチウムイオン電池等の二次電池を備えている。蓄電池34には、太陽光パネル32で発電された電力及び電力系統Eから買電した電力が充電される。
【0032】
また、蓄電池34は、放電することにより自宅30内の電気機器である負荷(不図示)や自宅30の駐車スペースに駐車された電動車両50の蓄電池54へ電力を供給することもできる。
【0033】
分電盤36は、電力系統Eからの交流電力を、図示しない分岐電路を介して自宅30内の負荷に分配する。負荷は、分岐電路に供給される交流電力により動作する。さらに、分電盤36は、図示しない変換装置に接続されており、変換装置に交流電力を供給することができる。
【0034】
この変換装置は、電力系統Eと「太陽光パネル32、蓄電池34及び54」との間において、直流電力から交流電力、又は交流電力から直流電力への変換を行うことができる。
【0035】
管理装置38は、自宅30における電力管理及び制御を実施する装置であり、例えばHEMS(Home Energy Management System)等とも称される。
【0036】
管理装置38は、太陽光パネル32の発電電力を、上述した変換装置(不図示)を介して蓄電池34や54に充電することができる。あるいは、太陽光パネル32の発電電力を、変換装置を介して分電盤36に接続された負荷(不図示)や電力系統Eに供給することもできる。
【0037】
また、管理装置38は、電力系統Eから供給された電力を、変換装置を介して蓄電池34や蓄電池54に充電することができる。さらに、管理装置38は、蓄電池34や54に充電する順序や充電量を制御することができる。
【0038】
さらに、管理装置38は、蓄電池34に充電された電力を、変換装置を介して分電盤36に接続された負荷に供給することができる。また、管理装置38は、蓄電池54に充電された電力を、変換装置を介して分電盤36に接続された負荷や電力系統Eに供給することもできる。
【0039】
またさらに、管理装置38は、蓄電池34に充電された電力量を把握することができる。そして、管理装置38は、負荷における消費電力量を把握することができる。これにより、管理装置38は、自宅30の太陽光パネル32で自家発電された電力を蓄電する蓄電池34の残電力量を把握することができる。
【0040】
管理装置38が把握する「残電力量」は、随時、ネットワークNへ送信され、充電場所提案装置10によって取得される。
【0041】
自宅30の住所や緯度、経度の情報(以下、「位置情報」と称す)は、上述した管理装置38によって把握される。管理装置38が把握する自宅30の「位置情報」はネットワークNへ送信され、後述する充電場所提案装置10によって取得され、図3(B)に示す自宅データベース13Cに記憶される。また、自宅30の位置情報は、後述する入力部14への入力により、充電場所提案装置10に取得させてもよい。
【0042】
なお、本実施形態においては、自宅30が蓄電池34を備える例について説明したが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば自宅30は蓄電池34を備えていなくてもよい。また、自宅30へ電力を供給する電力系統Eは、複数の自宅30毎に異なるものであってもよい。
【0043】
(充電スポット)
充電スポット20は、街なかに設けられた電動車両50用の充電場所であり、図示しない電力系統から買電した電力を、電動車両50の蓄電池54へ供給することができる。充電スポット20に電力を供給する電力系統は、複数の充電スポット20毎に異なるものであってもよい。
【0044】
充電スポット20の位置情報は、後述する入力部14への入力により、後述する充電場所提案装置10によって取得され、図3(A)に示す充電スポットデータベース13Bに記憶される。
【0045】
(電動車両)
電動車両50は、蓄電池54を内蔵しており、蓄電池54に充電された電気エネルギーを用いて走行する車両である。電動車両50としては、電動機の出力によって走行する電気自動車のほか、エンジンの出力と電動機の出力とを組み合わせて走行するプラグインハイブリッド車を適用することができる。
【0046】
電動車両50は、カーナビゲーションシステム52を備えている。電動車両50の運転者を含む搭乗者には、このカーナビゲーションシステム52を介して、運転している電動車両50を充電するための充電場所が提案される。
【0047】
電動車両50は、図示しない制御装置を備えており、当該制御装置は、蓄電池54に満充電した際の電力量(以下、「最大電力量」と称す)と、充電されている電力量(以下、「残電力量」と称す)と、を把握することができる。
【0048】
電動車両50の最大電力量は、電動車両50毎に、後述する充電場所提案装置10の電動車両データベース13D(図3(C)参照)に記憶される。また、電動車両50の制御装置が把握する「残電力量」は、随時、ネットワークNへ送信され、充電場所提案装置10によって取得される。
【0049】
また、電動車両50の制御装置は、カーナビゲーションシステム52が取得するGPS情報である電動車両50の位置情報を把握する。制御装置が把握する電動車両50の位置情報は、ネットワークNへ送信され、充電場所提案装置10によって取得される。
【0050】
<充電場所提案装置の電気的な構成>
図1に示すように、充電場所提案装置10は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置(R/W)16、通信インタフェース(I/F)部18及び外部I/F部19を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16、通信I/F部18及び外部I/F部19はバスB1を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0051】
(記憶部)
記憶部13はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、充電場所提案プログラム13Aが記憶されている。充電場所提案プログラム13Aは、充電場所提案プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの充電場所提案プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。CPU11は、充電場所提案プログラム13Aを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、充電場所提案プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。
【0052】
記憶部13には、充電スポットデータベース13B、自宅データベース13C及び電動車両データベース13Dが記憶される。これらのデータベースについては、詳細を後述する。
【0053】
(入力部)
入力部14では、ユーザによって、充電場所提案プログラム13Aを開始及び終了するための操作が実行される。ユーザとは、一例として、充電場所提案システム80の管理者である。また、入力部14では、ユーザまたは電動車両50の搭乗者によって、充電スポットデータベース13B、自宅データベース13C及び電動車両データベース13Dへ各種の情報を入力することもできる。
【0054】
(表示部)
表示部15には、充電場所提案プログラム13Aを開始及び終了するための情報や、上述した各種の情報を入力するための情報が表示される。
【0055】
<充電場所提案装置の機能的な構成>
次に、図2を参照して、本実施形態に係る充電場所提案装置10の機能的な構成について説明する。図2に示すように、充電場所提案装置10は、単価取得部11A、環境負荷情報取得部11B、電力量取得部11C、位置取得部11D及び提案部11Eを含む。充電場所提案装置10のCPU11は、充電場所提案プログラム13Aを実行することで単価取得部11A、環境負荷情報取得部11B、電力量取得部11C、位置取得部11D及び提案部11Eとして機能する。
【0056】
(単価取得部)
単価取得部11Aは、電動車両50の目的地を含む複数の充電スポットにおける、電動車両50への充電単価を取得する。具体的には、単価取得部11Aは、充電場所提案システム80を利用登録した複数の利用者の自宅30及び複数の充電スポット20毎に、充電単価をネットワークNから取得する。
【0057】
なお、自宅30における充電単価とは、電力系統E(図1参照)から買電した場合の充電単価である。太陽光パネル32において自家発電した場合の電力の充電単価は「0」とする。
【0058】
単価取得部11Aが取得した充電単価は、図3(A)、(B)に示すように、充電スポット20毎(充電スポットA1、A2、…)に、充電スポットデータベース13Bに記憶される。また、自宅30(自宅B1、B2、…)毎に、自宅データベース13Cに記憶される。
【0059】
なお、これらの充電単価は、入力部14への入力により、単価取得部11Aに取得させてもよい。
【0060】
(環境負荷情報取得部)
図2に示す環境負荷情報取得部11Bは、電動車両50の目的地を含む複数の充電スポットにおいて充電される電力の発電時における単位電力量あたりの二酸化炭素排出量(CO排出量)を取得する。
【0061】
具体的には、環境負荷情報取得部11Bは、充電場所提案システム80を利用登録した複数の利用者の自宅30及び複数の充電スポット20毎に、当該充電場所で充電される電力の発電時における単位電力量あたりの二酸化炭素排出量をネットワークNから取得する。
【0062】
環境負荷情報取得部11Bが取得した二酸化炭素排出量は、図3(A)、(B)に示すように、充電スポット20毎(充電スポットA1、A2、…)に、充電スポットデータベース13Bに記憶される。また、自宅30(自宅B1、B2、…)毎に、自宅データベース13Cに記憶される。
【0063】
なお、これらの二酸化炭素排出量は、入力部14への入力により、単価取得部11Aに取得させてもよい。
【0064】
(電力量取得部)
図2に示す電力量取得部11Cは、電動車両50の残電力量を取得する。具体的には、電力量取得部11Cは、電動車両50の制御装置が把握してネットワークNへ送信された電動車両50の残電力量を、随時取得する。環境負荷情報取得部11Bが取得した電動車両50の残電力量は、図3(C)に示すように、電動車両50毎(電動車両C1、C2、…)に、電動車両データベース13Dに記憶される。
【0065】
また、電力量取得部11Cは、自宅30の残電力量を取得する。具体的には、電力量取得部11Cは、自宅30の管理装置38が把握してネットワークNへ送信された自宅30における蓄電池34の残電力量を、随時取得する。環境負荷情報取得部11Bが取得した自宅30の残電力量は、図3(B)に示すように、自宅30毎(自宅B1、B2、…)に、自宅データベース13Cに記憶される。なお、蓄電池34を備えていない自宅30については、残電力量は「0」と記憶される。
【0066】
(位置取得部)
図2に示す位置取得部11Dは、電動車両50の位置情報を、随時取得する。具体的には、位置取得部11Dは、電動車両50の制御装置が把握してネットワークNへ送信された電動車両50の位置情報を、随時取得する。位置取得部11Dが取得した電動車両50の位置情報は、図3(C)に示すように、電動車両50毎(電動車両C1、C2、…)に、電動車両データベース13Dに記憶される。
【0067】
(提案部)
図2に示す提案部11Eは、電動車両50の充電費用が最も安くなるように、複数の充電スポットのなかから充電場所を提案することができる。具体的には、提案部11Eは、充電場所提案システム80を利用登録した利用者の自宅30及び複数の充電スポット20のなかから、電動車両50の充電費用が最も安くなるように、充電場所を提案することができる。
【0068】
また、提案部11Eは、二酸化炭素排出量が最も少なくなるように、充電場所を提案することができる。提案部11Eの提案内容の詳細は後述する。
【0069】
<データベース>
図3(A)に示すように、充電スポットデータベース13Bには、充電スポット20毎(充電スポットA1、A2、…)に、位置情報、充電単価及び二酸化炭素排出量が記録される。これらの情報の取得方法は上述した通りである。
【0070】
図3(B)に示すように、自宅データベース13Cには、充電場所提案システム80を利用登録している利用者の自宅30(自宅B1、B2、…)毎に、位置情報、電力系統Eから買電時の充電単価、二酸化炭素排出量及び蓄電池34の残電力量が記憶される。これらの情報の取得方法は上述した通りである。
【0071】
図3(C)に示すように、電動車両データベース13Dには、電動車両50(電動車両C1、C2、…)毎に、位置情報、最大電力量及び残電力量が記憶される。これらの情報の取得方法は上述した通りである。
【0072】
また、電動車両データベース13Dには、電動車両50(電動車両C1、C2、…)毎に、それぞれの電動車両の目的地である自宅が記憶されている。つまり、自宅データベース13Cと電動車両データベース13Dとは、互いに関連付けて記憶されている。
【0073】
<提案部の提案内容>
上述したように、提案部11Eは、充電場所提案システム80を利用登録した利用者の自宅30及び複数の充電スポット20のなかから、電動車両50の充電費用が最も安くなるように、充電場所を提案することができる。また、提案部11Eは、二酸化炭素排出量が最も少なくなるように、充電場所を提案することができる。
【0074】
(ケース1)
図4(A)に示すケース1について説明する。ケース1は、利用者の自宅30に太陽光パネル32が備えられており、蓄電池34が備えられていない場合である。また、ケース1としては、晴天時の昼間が想定されている。時間や天気は、充電場所提案装置10がネットワークNから取得する。
【0075】
晴天時の昼間においては、自宅30の太陽光パネル32が発電する電力により電動車両50を充電できる。このため自宅30で充電する場合の充電単価は0[円/kWh]である。このとき、提案部11Eは、電動車両50の充電費用が最も安くなるように、自宅30を充電場所として提案することができる。
【0076】
また、充電スポットA4は、この充電スポットA4で充電される電力の発電時における単位電力量あたりの二酸化炭素排出量が約0[kg/kWh]である。充電スポットA4には、例えば水力発電によって発電された電力が供給される。また、自宅30の太陽光パネル32の発電時における単位電力量あたりの二酸化炭素排出量も約0[kg/kWh]である。このとき、提案部11Eは、二酸化炭素排出量が最も少なくなるように、充電スポットA4又は自宅30を、充電場所として提案することもできる。
【0077】
なお、電動車両50の利用者は、提案部11Eに、電動車両50の充電費用が最も安くなるように充電場所を提案させるか、二酸化炭素排出量が最も少なくなるように充電場所を提案させるか、を予め設定しておくことができる。また、利用者は、提案部11Eに、どちらの提案も提示するように設定しておくこともできる。この設定は、任意の端末からネットワークNを介して入力することができる。利用者による設定内容は、記憶部13に記憶される。
【0078】
ここで、提案部11Eは、電動車両50の位置情報に基づいて充電スポット20及び自宅30への移動時に消費する消費電力量を算出し、残電力量と消費電力量との差に応じて、充電場所を提案することもできる。
【0079】
図4(A)に示すように、提案部11Eは、各充電スポット20(充電スポットA4、A5、A6)及び自宅30毎に、電動車両50との距離を導出できる。この距離は、充電場所提案装置10のCPU11が、図3(A)~(C)に示す充電スポットデータベース13B、自宅データベース13C及び電動車両データベース13Dから、各充電スポット20、自宅30及び電動車両50の位置情報を読み出すことで導出される。
【0080】
仮に「充電単価が最も安い充電スポット」が遠方の場合、電動車両50の残電力量では、当該充電スポットに到達できない場合がある。
【0081】
そこで、提案部11Eは、電動車両50の位置情報に基づいて、自宅30及び各充電スポット20への移動時に消費する消費電力量(電動車両50と、自宅30又は充電スポット20との距離×単位距離あたりの消費電力量)を算出する。そして、電動車両50の残電力量と算出された消費電力量との差に応じて、充電場所を提案する。
【0082】
すなわち、「電動車両50の残電力量と消費電力量との差」が負の値になる自宅30又は充電スポット20は電動車両50で到達できない一方、「電動車両50の残電力量と消費電力量との差」が正の値になる自宅30又は充電スポット20は電動車両50で到達できる。このため、提案部11Eは、残電力量で到達できる自宅30又は充電スポット20の中から、充電費用が最も安くなるように、充電場所を提案できる。
【0083】
つまり、図4(A)に示した例では、自宅30と電動車両50との距離は20[km]であるが、電動車両50の残電力量が少なく電動車両50の残電力量では20[km]走行できないことも想定される。このような場合は、提案部11Eは、残電力量で到達できる充電スポット20(充電スポットA4、A5、A6)の中から、充電費用が最も安くなるように、充電スポットA5を充電場所として提案できる。
【0084】
(ケース2)
図4(B)に示すケース2について説明する。ケース2は、利用者の自宅30に太陽光パネル32が備えられており、蓄電池34が備えられていない場合である。また、ケース2としては、夜間が想定されている。
【0085】
夜間においては、自宅30の太陽光パネル32が発電する電力により電動車両50を充電することができない。このため自宅30で充電する場合は電力系統Eから買電する必要があり、充電単価は一例として24[円/kWh]である。一方、充電スポットA5の充電単価は一例として18[円/kWh]である。このとき、提案部11Eは、電動車両50の充電費用が最も安くなるように、充電スポットA5を充電場所として提案することができる。
【0086】
また、提案部11Eは、二酸化炭素排出量が最も少なくなるように、充電スポットA4を、充電場所として提案することもできる。
【0087】
ケース2においても、提案部11Eは、電動車両50の位置情報に基づいて充電スポット20及び自宅30への移動時に消費する消費電力量を算出し、残電力量と消費電力量との差に応じて、充電場所を提案することができる。
【0088】
例えば、目的地である自宅30へ向かう途中に充電スポットA5に立ち寄る場合は、自宅30に直行する場合よりも消費電力量が多くなる。このため、自宅30の充電単価(24[円/kWh])より充電スポットA5の充電単価(18[円/kWh])のほうが安くても、電動車両50に満充電するための総充電量が多くなり、総充電費用も高くなる可能性がある。
【0089】
そこで、提案部11Eは、電動車両50の残電力量を取得し、また、充電スポットA5への移動時に消費する消費電力量を算出する。これにより、現在地から充電スポットA5に移動する際に消費する電力量、充電スポットA5で充電する電力量及び充電費用、充電スポットA5から自宅30に移動する際に消費する電力量、並びに、自宅30で充電する電力量及び充電費用を把握できる。これにより、充電スポットA5に立ち寄る場合の総充電量及び充電費用を把握できる。同様に、自宅30に直行する場合の総充電量及び充電費用を把握できる。
【0090】
このように、提案部11Eは、目的地である自宅30及び各充電スポット20による充電費用を加味して、総充電費用が最も安くなるように充電場所を提案できる。このような提案には、自宅30のみで充電する場合や、充電スポット20及び自宅30で充電する場合の双方が含まれる。
【0091】
(ケース3)
図4(C)に示すケース3について説明する。ケース2は、利用者の自宅30に太陽光パネル32が備えられており、蓄電池34も備えられている場合である。また、ケース3としては、夜間が想定されている。
【0092】
蓄電池34がある場合、蓄電池34の残電力により、電動車両50を充電することができる。蓄電池34に残電力が十分にある場合は、ケース1と同様に、自宅30における充電単価を0[円/kWh]にできる。一方、蓄電池34に残電力が十分にない場合、一部を蓄電池34の残電力によって充電し、残りを電力系統Eからの買電により充電する。
【0093】
例えば、電動車両50の満充電量(最大電力量)と残電力量との差、つまり満充電するために必要な充電量が5[kWh]であり、蓄電池34の残電力が2[kWh]である場合、3[kWh]を電力系統Eからの買電により充電する。買電による充電単価が24[円/kWh]である場合、蓄電池34の残電力による充電と買電による充電とを組み合わせた充電単価は、24×3/5=14.4[円/kWh]となる。このとき、提案部11Eは、電動車両50の充電費用が最も安くなるように、自宅30を充電場所として提案することができる。
【0094】
また、提案部11Eは、二酸化炭素排出量が最も少なくなるように、充電スポットA4を、充電場所として提案することもできる。
【0095】
(ケース4)
図4(D)に示すケース4について説明する。ケース4は、利用者の自宅30に太陽光パネル32が備えられており、蓄電池34が備えられていない場合である。また、ケース4としては、晴天の夕方が想定されている。
【0096】
晴天の夕方においては、自宅30の太陽光パネル32が発電する電力により電動車両50を充電できる。しかし、太陽光パネル32に日射が得られなくなると発電できなくなるため、充電可能量には限界がある。
【0097】
例えば、電動車両50の満充電量(最大電力量)と残電力量との差、つまり満充電するために必要な充電量が5[kWh]であり、蓄電池34の発電余力が1[kWh]である場合、4[kWh]を電力系統Eからの買電により充電する。買電による充電単価が24[円/kWh]である場合、蓄電池34の残電力による充電と買電による充電とを組み合わせた充電単価は、24×4/5=19.2[円/kWh]となる。このとき、提案部11Eは、電動車両50の充電費用が最も安くなるように、充電スポットA5を充電場所として提案することができる。
【0098】
<作用>
次に、図5を参照して、本実施形態に係る充電場所提案システム80の作用を説明する。ユーザからの入力部14を介した実行指示等に応じて、充電場所提案装置10のCPU11が充電場所提案プログラム13Aを実行することにより、図5に示す充電場所提案処理が実行される。
【0099】
錯綜を避けるため、ここでは、充電スポットデータベース13Bにおける各充電スポット20(充電スポットA1、A2、…)の位置情報、充電単価及び二酸化炭素排出量(環境負荷情報)が予め記憶されている場合について説明する。同様に、自宅データベース13Cにおける各自宅30(自宅B1、B2、…)位置情報、充電単価及び二酸化炭素排出量(環境負荷情報)が予め記憶されている場合について説明する。さらに、電動車両データベース13Dにおける各電動車両50(電動車両C1、C2、…)の最大電力量及び各電動車両50の目的地である自宅(自宅B1、B2、…)が予め記憶されている場合について説明する。
【0100】
(充電場所提案処理)
充電場所提案プログラム13Aの実行が開始されると、ステップ104で、CPU11は、電動車両50の充電依頼受付待ちを実行する。「充電依頼」とは、電動車両50の搭乗者による、充電場所提案システム80への、充電場所の提案依頼である。CPU11は、充電依頼を受付けるまで、ステップ104を繰り返し実行する。返却依頼を受付けると、ステップ106へ移行する。
【0101】
ステップ106で、CPU11は、充電依頼を受付けた電動車両50の位置情報及び残電力量を取得する。また、CPU11は、充電依頼を受付けた電動車両50の目的地である自宅30の位置情報及び残電力量を取得する。さらに、CPU11は、電動車両50と自宅30とを結ぶ最短経路から所定距離以内にある充電スポット20の位置情報を取得する。ステップ106の後は、ステップ108へ移行する。
【0102】
ステップ108で、CPU11は、充電スポットデータベース13Bから、各充電スポット20(充電スポットA1、A2、…)の充電単価及び二酸化炭素排出量(環境負荷情報)を読み出す。また、CPU11は、自宅データベース13Cから、充電依頼を受け付けた電動車両50の目的地である自宅30の充電単価及び二酸化炭素排出量(環境負荷情報)を読み出す。ステップ108の後は、ステップ110へ移行する。
【0103】
ステップ110で、CPU11は、充電依頼を受付けた電動車両50の搭乗者へ、充電場所を提案する。この際の提案内容は、例えば上述したケース1~4の通りである。
【0104】
ステップ112で、CPU11は、充電場所提案処理の終了タイミングが到来したか否かを判定し、肯定判定となった場合は充電場所提案処理を終了する。この終了タイミングは、一例として、ユーザの入力部14を介した入力によって到来する。ステップ112で否定判定となった場合はステップ104へ戻る。
【0105】
<効果>
電動車両50の充電単価は、図3(A)の充電スポットデータベース13Bにも示されるように、街なかに設置された充電スポット20(充電スポットA1、A2、…)毎に異なる場合がある。また、電動車両50の所有者の自宅30(自宅B1、B2、…)など、電動車両50の目的地における充電単価も、街なかに設置された充電スポット20と異なる場合がある。
【0106】
このような場合においては、充電単価が安い充電スポット20又は自宅30を適宜選択することなどにより、充電費用が最も安くなるように充電できることが好ましい。
【0107】
そこで、本発明の充電場所提案システム80によると、提案部11Eが、充電費用が最も安くなるように、電動車両50の目的地(自宅30)を含む複数の充電スポット20のなかから充電場所を提案することができる。これにより、電動車両50の所有者は、充電費用を最小化し易い。
【0108】
また、充電場所提案システム80では、充電単価が最も安くなるように充電場所を提案できるだけでなく、二酸化炭素排出量が最も少なくなるように充電場所を提案することもできる。これにより、電動車両50の所有者は、充電費用だけでなく環境負荷を考慮した意思決定を実施できる。
【0109】
すなわち、提案部11Eは、充電費用が最も安くなるように、複数の充電スポット20(充電スポットA1、A2、…)及び自宅30のなかから充電場所を提案可能である。しかしながら、自宅30における充電単価と街なかに設置された充電スポット20における充電単価との間に大きな差異が無い場合もある。このような場合において、二酸化炭素排出量が最も少なくなるように充電場所を提案することで、電動車両50の所有者の選択肢を拡げられる。
【0110】
なお、本発明の充電場所提案システムにおいては、二酸化炭素排出量が少なくなるように充電場所を提案することは必須ではない。二酸化炭素排出量が少なくなるように充電場所を提案しない場合は、環境負荷情報取得部は必要としない。
【0111】
また、上記実施形態において、例えば、単価取得部11A、環境負荷情報取得部11B、電力量取得部11C、位置取得部11D及び提案部11Eの各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0112】
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0113】
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0114】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。このように、本発明は様々な態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0115】
11A 単価取得部
11B 環境負荷情報取得部
11C 電力量取得部
11D 位置取得部
11E 提案部
13A 充電場所提案プログラム(プログラム)
20 充電スポット
30 自宅(目的地、充電スポット)
50 電動車両
80 充電場所提案システム
図1
図2
図3
図4
図5