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  • 特開-クリップ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053774
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】クリップ
(51)【国際特許分類】
   B42F 1/02 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
B42F1/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160193
(22)【出願日】2022-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】521049827
【氏名又は名称】合同会社フードマーク
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】広本 秀一
【テーマコード(参考)】
2C017
【Fターム(参考)】
2C017BA06
2C017DA01
(57)【要約】
【課題】本発明は、比較的厚めの紙等であっても、しっかり挟んで把持することができるクリップを提供する。
【解決手段】 針金を曲げて半円形の湾曲を形成した半円形部2と、半円形部2の両端部から、半円形部2の方向とは逆方向で、互いに向き合う端部方向に双方が延伸された一対の挟部4a、bと、一対の挟部4a、bが交差されることで形成された交差部3と、一対の挟部4a、bが構成し、挟む対象の厚さよりも広く、かつ、当該挟むために針金をひねることが可能な長さを有する開口部5を有するクリップ。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の長さの針金を曲げて湾曲を形成し、当該湾曲が略半円形である半円形部と、
前記半円形部の両端部から、前記半円形部の方向とは逆方向で、互いに向き合う端部方向に双方が延伸された一対の挟部と、
前記一対の挟部が交差されることで形成された交差部と、
前記一対の挟部が構成し、挟む対象の厚さよりも広く、かつ、当該挟むために針金をひねることが可能な長さを有する開口部を有するクリップ。
【請求項2】
前記交差部の位置が、
クリップの全長:挟部の端部から交差部までの長さ = 2.6 : 略0.8~1.2の比率で配置されることで、
挟む対象の厚さよりも広く、かつ、当該挟むために針金をひねることが可能な長さを有する開口部を形成する請求項1に記載のクリップ。
【請求項3】
前記針金は、ステンレス線であって、直径が0.5から1.0mmである、請求項1に記載のクリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙等のシート状のものを挟んで保持するクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、紙等、薄いシート状のものを挟むにはクリップとして、ゼムクリップが知られている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Weblio辞書,[online],[令和4年10月1日検索],インターネット<https://www.weblio.jp/content/%E3%82%BC%E3%83%A0%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%97>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ゼムクリップは、図7に示すように、挟む紙が厚くなると、クリップが反対方向に反れてしまい、挟む力が、クリップを外そうとする力に変換されてしまう。したがって、結果的に、挟みにくい状態になってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、使用する材料を可能な限り少なく、少量の紙から比較的まとまった厚めの紙等であっても、しっかり挟んで把持することができるクリップを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0007】
本発明は、所定の長さの針金を曲げて湾曲を形成し、当該湾曲が略半円形である半円形部と、
前記半円形部の両端部から、前記半円形部の方向とは逆方向で、互いに向き合う端部方向に双方が延伸された一対の挟部と、
前記一対の挟部が交差されることで形成された交差部と、
前記一対の挟部が構成し、挟む対象の厚さよりも広く、かつ、当該挟むために針金をひねることが可能な長さを有する開口部を有するクリップを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、通常のゼムクリップよりも、使用する材料を少なくすみ(約3分の1)、比較的厚めの紙等であっても、しっかり挟んで把持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の好適な実施形態であるクリップ1を示す。
図2図2は、クリップ1の使用方法を説明する図である。
図3図3は、クリップ1を紙に使用した場合の斜視図である。
図4図4は、開口部が狭い場合のクリップの一例を示す図である。
図5図5は、開口部が広すぎる場合のクリップの一例を示す図である。
図6図6は、クリップをひねる際に指に当たる表面積を示す図である。
図7図6は、通常のゼムクリップを紙が多すぎる状態で挟んだ場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0011】
本発明の好適な実施形態について説明する。
本実施形態で説明するクリップ1は、針金、例えば、ステンレス線、鉄線等からなり、通常、5cm~15cm程度の所定の長さで切断されたものに対して、湾曲させて形状を変えて製作される。所定の長さは、クリップの大きさによって異なる。線経は、0.5mm~1.0mm、望ましくは、0.8mmである。ステンレス線は、錆を防止できる。
【0012】
図1に示すように、クリップ1は、所定の長さの針金を曲げて湾曲を形成し、この湾曲が略半円形である半円形部2を有する。この半円形部2の両端部2a、2bから、半円形部2の方向とは逆方向で、互いに向き合う端部方向に双方が延伸(図面では、2bから4a、2aから4bの方向に延伸)された一対の挟部4a、4bと、一対の挟部4a、4bが交差されることで形成された交差部3とを備える。挟部4a、4bの下側端部が、開口部5を形成する。
【0013】
なお、挟部4a、4bの下側端部の先端は、丸くなるように加工される。これは、挟む紙等が厚くなればなるほど、先端部分は、紙との接触が一番多くなる(接触面積が広くなる)ため、先端は接触箇所を最小にすべきであるからである。また、紙を切ってしまったり、傷つけることが無いようにするためである。
【0014】
このクリップ1の使用方法を図2に示す。
紙等の挟む対象に対して、クリップ1の開口部5に差し込む。この際に、対象に対して垂直に差し込むことが望ましい。そして、紙とクリップ1が平行になるようにひねる。半円形部2を2本の指でつまみ、ひねる。すなわち、使用する指の本数も最低限しか使用しない。次に、上から軽く半円形部2を押し込むことで固定することができる。
【0015】
図3は、一例として、50枚程度の紙を挟んだ場合を示す図である。この図に示すように、クリップ1は開口部5に、50枚程度の厚みの紙を差し込んで、ひねることができれば、図7に示すゼムクリップの場合と比べて、充分な保持力を有して、挟むことが可能となる。これは、挟部4a、4bが、各々紙の厚み方向(内向き)に、力を維持することができるため、結果的に、紙を挟み続けることが可能となる。これに対して、ゼムクリップは、構造上、紙の厚み方向(内向き)に、力を維持することができない。
【0016】
次に、交差部3の位置について説明する。
本発明の好適な実施例としては、クリップ1の交差部3の位置は、クリップの全長:挟部4a、4bの端部(開口部5)から交差部3までの長さ = 2.6 : 略0.8~1.2の比率で配置されることが望ましい。図1の例では、全長(Y1+Y2=26mm)であって、Y1=16mm、Y2=10mmである。半円形部2の半径は、3.2mmである。この位置は、挟む対象の厚さよりも十分広く、かつ、当該挟むために針金をひねることが可能な長さを有する開口部5を形成するために位置決めがされている。
【0017】
上記を説明するために、図4図5を参照する。
図4のクリップは、交差部3の位置が下側に配置された場合である。この例では、Y3=5.0mmであるが、開口部5が2mmとなる。挟む対象である紙は50枚で、おおよそ5.0mm程度であるので、このクリップでは、開口部5に紙を挟むことはできない。
【0018】
一方、図5のクリップは、交差部3が、上部に配置され、Y4=21mmである。この場合、開口部5が20mmになるため、開口部5に挟みやすいが、X3の長さが短い(4.0mm)ため、指で挟んでひねることができない。図6に示すように、指が、クリップ1をひねるために加えられことができる力は、半円形と上部の三角の面積部分に対して与えることが可能である。したがって、この面積を十分確保できる交差部3の位置決めをすることが望ましいため、クリップ1が好適であると着想している。
【0019】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0020】
1 クリップ、2 半円形部、3 交差部、4a,4b 挟部、5 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7