(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005379
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】仮想画面表示プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04842 20220101AFI20240110BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20240110BHJP
H04L 67/02 20220101ALI20240110BHJP
【FI】
G06F3/04842
G06F3/14 350A
H04L67/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105538
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】松井 直
【テーマコード(参考)】
5B069
5E555
【Fターム(参考)】
5B069AA00
5B069CA01
5E555AA52
5E555BA02
5E555BA13
5E555BB02
5E555BB13
5E555BD05
5E555CC03
5E555DB03
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】WEB会議の参加者の作業負担を軽減しながら、機密性の高い情報の漏洩を防ぐことのできる仮想画面表示技術を提供する。
【解決手段】本発明の仮想画面表示プログラムは、コンピュータに、コンピュータの画面(13)に、起動されたソフトウェアに対応するウインドウを表示するステップと、コンピュータの画面(13)に、仮想画面を表示するステップと、コンピュータの画面(13)に表示されたウインドウの中から、仮想画面に表示するウインドウの選択を受け付けるステップと、選択されたウインドウを仮想画面に表示するステップと、仮想画面を画面共有するステップとを実行させる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
前記コンピュータの画面に、起動されたソフトウェアに対応するウインドウを表示するステップと、
前記コンピュータの画面に、第1の仮想画面を表示するステップと、
前記コンピュータの画面に表示された前記ウインドウの中から、前記第1の仮想画面に表示する前記ウインドウの選択を受付けるステップと、
選択された前記ウインドウを前記第1の仮想画面に表示するステップと、
前記第1の仮想画面を画面共有するステップと
を実行させる仮想画面表示プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータの画面に、第2の仮想画面を表示するステップと、
前記第2の仮想画面に、起動されたソフトウェアに対応する前記ウインドウを表示するステップを、前記コンピュータに実行させ、
前記第2の仮想画面において、前記第1の仮想画面に表示する前記ウインドウの選択を受付ける
請求項1に記載の仮想画面表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想画面による画面表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ上で複数のアプリケーションを起動して作業を行う場合には、アプリケーションの起動作業を効率化するために、1つのディスプレイ上に複数のアプリケーションを起動しておき、各アプリケーションに対応するウインドウを表示し、使用するアプリケーションのウインドウを最前面に表示して作業を行う。
【0003】
このように複数のウインドウを表示し、使用するアプリケーションに応じてウインドウの切り替えを行う場合、例えば、メールの送受信を行いながら、文書を作成するような場合、メールのアプリケーションと文書作成のアプリケーションの切り替えを頻繁に行う場合があり、ウインドウの切り替え作業が煩雑となる場合がある。このようなウインドウの切り替え作業を省略するために、コンピュータの実際の画面よりも大きな仮想画面を構成して、この仮想画面内に複数のウインドウを表示する画面表示技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、テレワークの浸透等によりネットワークを介したWEB会議が頻繁に行われており、オフィスのコンピュータを用いてWEB会議等で画面共有を行う場合には、WEB会議に無関係なウインドウが映り込んでしまうことにより、共有すべきでない機密性の高い情報がWEB会議の参加者の画面に表示されてしまう場合がある。例えば、メールのアプリケーションの画面が、WEB会議の相手のコンピュータの画面に映ってしまうような場合である。
【0006】
特許文献1のような仮想画面を表示する技術を用いた場合に、画面共有の際に不要なアプリケーションを起動しないようにすることや、仮想画面上でアプリケーション毎にウインドウの表示位置を設定すること等により、情報の漏洩を防ぐ対応も考えられるが、機密性の高い情報の漏洩を完全に防ぐことはできない場合があり、WEB会議の参加者に対して煩雑な作業を強いることとなり、WEB会議等の円滑な進行を妨げることになる。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、WEB会議の参加者の作業負担を軽減しながら、機密性の高い情報の漏洩を防ぐことのできる仮想画面表示技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明にかかる仮想画面表示プログラムは、コンピュータに、前記コンピュータの画面に、起動されたソフトウェアに対応するウインドウを表示するステップと、前記コンピュータの画面に、第1の仮想画面を表示するステップと、前記コンピュータの画面に表示された前記ウインドウの中から、前記第1の仮想画面に表示する前記ウインドウの選択を受付けるステップと、選択された前記ウインドウを前記第1の仮想画面に表示するステップと、前記第1の仮想画面を画面共有するステップとを実行させる。
【0009】
本発明にかかる上記仮想画面表示プログラムの一構成例は、前記コンピュータの画面に、前記第2の仮想画面を表示するステップと、前記第2の仮想画面に、起動されたソフトウェアに対応する前記ウインドウを表示するステップを、前記コンピュータに実行させ、前記第2の仮想画面において、前記第1の仮想画面に表示する前記ウインドウの選択を受付ける。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、WEB会議の参加者の作業負担を軽減しながら、機密性の高い情報の漏洩を防ぐことのできる仮想画面表示技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の仮想画面表示プログラムを用いた情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、複数のウインドウが表示された情報処理装置の画面の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、仮想画面が表示された情報処理装置の画面の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、ウインドウを選択する際の情報処理装置の画面の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、ウインドウが選択された後の情報処理装置の画面の構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の仮想画面表示プログラムの動作フローの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の仮想画面表示プログラムを用いた情報処理装置の画面の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本発明は様々な形態で実施することが可能であり、以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。
<情報処理装置の構成>
図1は、本発明の仮想画面表示プログラムを用いた情報処理装置の画面の構成例を示すブロック図である。
【0013】
本発明の仮想画面表示プログラムを用いた情報処理装置#A(10)は、複数のブラウザやアプリケーション等のソフトウェアを起動可能なコンピュータである。情報処理装置#A(10)は、ローカルエリアネットワークLAN(以下、LANという)に接続されている。
【0014】
情報処理装置#A(10)は、同じLAN内の情報処理装置#B(10)や、通信網NWを介して接続された情報処理装置#C(10)との間で、画面共有を行いながら、WEB会議等を行うことができる。本発明は、情報処理装置#Aにおいて仮想画面を表示する技術に関するものである。
【0015】
本実施の形態における情報処理装置#A(10)は、LANや通信網NWと接続するための通信I/F部11、通信I/F部11に対する通信制御やWEB会議の制御、表示部13におけるウインドウの表示を制御する制御部12、複数のブラウザやアプリケーション等の起動されたソフトウェアのウインドウを表示する表示部13、マウスやキーボード等を接続するための入出力部14、USB(Universal Serial Bus)やHDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)等を介して外部機器を接続するための外部I/F部15、プログラムや各種データを記憶するための記憶部16を備えている。
【0016】
制御部12は、通信I/F部11を介して、通信制御やWEB会議を行う通信制御部、表示部13におけるウインドウの表示を制御する表示制御部、外部I/F部15との間でデータの入出力を制御する入出力制御部を備えている。仮想画面のウインドウの表示制御は、表示制御部において、仮想表示プログラムを実行することにより行われるが、外部I/F部15に接続された外部機器において実行するようにしてもよい。
【0017】
<本実施の形態の動作>
図2-
図6を参照して、本実施の形態にかかる情報処理装置10の動作について説明する。
図2は、複数のウインドウが表示された情報処理装置の画面の構成例を示す図である。
【0018】
図2の構成例では、情報処理装置10の画面13に、ブラウザ#1、ブラウザ#2、アプリケーション#1、アプリケーション#2が起動され、それぞれに対応するウインドウが表示されている。本実施の形態では、
図2のように表示された複数のウインドウの中から画面共有するウインドウを選択する。
【0019】
<仮想画面表示処理>
図3は、仮想画面が表示された情報処理装置の画面の構成例を示す図である。本実施の形態に係る仮想画面表示プログラムが起動されると、
図3のように、2つの仮想画面#1、#2が情報処理装置10の画面13に表示される。
【0020】
仮想画面#1(第1の仮想画面)は、画面共有するウインドウを表示する画面であり、WEB会議等で画面共有される画面である。仮想画面#2(第2の仮想画面)は、仮想画面#1に表示するウインドウの選択を受付けるための画面である。仮想画面#2には、
図2において表示されたブラウザ#1、ブラウザ#2、アプリケーション#1、アプリケーション#2のウインドウがキャプチャされる。
【0021】
図4は、ウインドウを選択する際の情報処理装置の画面の構成例を示す図である。
図4の構成例では、仮想画面#2には、キャプチャされたブラウザ#1、ブラウザ#2、アプリケーション#1、およびアプリケーション#2のウインドウが表示されている。
【0022】
ユーザは、仮想画面#2に表示されたウインドウの中から、仮想画面#1に表示するウインドウを選択することができる。
図4の構成例では、ブラウザ#2、アプリケーション#1のウインドウが仮想画面#1に表示されるウインドウとして選択されている。
【0023】
図5は、ウインドウが選択された後の情報処理装置の画面の構成例を示す図である。
図5の構成例では、
図4において選択されたブラウザ#2、アプリケーション#1のウインドウが仮想画面#1に表示されている。仮想画面#1は、WEB会議システムにおける画像共有操作により画面共有される画面である。
【0024】
本実施の形態によれば、情報処理装置10のユーザは、仮想画面#1を通じて画面共有するウインドウを自由に選択することができ、仮想画面#1に表示されていないウインドウの内容がWEB会議の相手に漏洩するのを防ぐことができるので、簡易な作業により、WEB会議において、情報の漏洩を防ぐことができる。
【0025】
図6は、本発明の仮想画面表示プログラムの動作フローの一例を示す図である。情報処理装置10においてブラウザやアプリケーションが起動されると、
図2に示したように、起動されたブラウザやアプリケーションのウインドウが情報処理装置10の画面に表示される(ステップS1-1、S1-2)。
【0026】
本実施の形態の仮想表示プログラムが起動されると、
図3に示したように、仮想画面#1と仮想画面#2が情報処理装置10の画面13に表示される(ステップS1-3)。仮想画面#2には、S1-1で起動されたウインドウがキャプチャされている(ステップS1-4)。
【0027】
図4に示したように、情報処理装置10のユーザは、仮想画面#2において、仮想画面#1に表示するウインドウが選択することができる。ウインドウが選択されると、
図5に示したように、選択されたウインドウが仮想画面#1に表示される(ステップS1-6)。仮想画面#1は、WEB会議等において画面共有される(ステップS1-7)。
【0028】
<本実施の形態の効果>
このように、本実施の形態は、情報処理装置10が、起動されたブラウザやアプリケーションのウインドウのうち、情報処理装置10のユーザによって選択されたウインドウを仮想画面に表示し、仮想画面に表示されたウインドウのみをWEB会議で画面共有するように構成されている。
【0029】
これにより、情報処理装置10の画面上でウインドウを選択するという簡便な作業により、ユーザが選択したウインドウのみを、WEB会議において画面共有することが可能となり、機密性の高い情報の漏洩を防ぐことが可能となる。
【0030】
<実施の形態の拡張>
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0031】
例えば、上記実施の形態では、仮想画面#1に表示するウインドウの選択を仮想画面#2においてキャプチャされたウインドウを選択することにより行ったが、仮想画面#2を表示することなく、
図2のような通常の画面において、仮想画面#1に表示するウインドウを選択するように構成してもよい。
【0032】
例えば、
図7に示したように、情報処理装置10のメイン画面において選択されたウインドウを仮想画面#1で表示するように構成し、メイン画面と仮想画面#1を画面上のボタンをクリックすることにより切り替えるようにしてもよい。
【0033】
また、上記の実施の形態では、情報処理装置10の記憶部16に記憶された仮想画面表示プログラムを制御部12にロードすることにより、制御部12を表示制御部として機能させる構成を提案したが、仮想画面表示プログラムの全部または一部を外部I/F15に接続したUSBデバイスやHDMIデバイス等の外部機器に搭載しておき、USBデバイスやHDMIデバイスを外部I/F15に接続することにより、仮想画面表示プログラムを制御部にロードするように構成してもよい。
【0034】
また、外部I/F15に接続したUSBデバイスやHDMIデバイスに搭載したCPUやGPUにおいて仮想画面表示プログラムを動作させるように構成することもできる。
【符号の説明】
【0035】
10…情報処理装置、11…通信I/F部、12…制御部、13…表示部、14…入出力部、15…外部I/F部、16…記憶部、LAN…ローカルエリアネットワーク、NW…通信網。