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特開2024-53798情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053798
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/08 20120101AFI20240409BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240409BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20240409BHJP
【FI】
G06Q30/08
A63F13/79 520
A63F13/792
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160226
(22)【出願日】2022-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】栗山 幸介
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅矩
(72)【発明者】
【氏名】小牧 信貴
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】惠良 栞
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB50
5L030BB73
5L049BB50
5L049BB73
(57)【要約】
【課題】 好ましい条件でゲーム媒体の取引を行う機会をユーザに付与し易くするための情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】 ゲームにて対象ユーザが所有するゲーム媒体のうち、第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品された対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく処理を、前記第1マーケット及び前記第2マーケットの各々に設定された優先順位に応じて実行する処理実行部を備える、情報処理システム。
【選択図】 図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームにて対象ユーザが所有するゲーム媒体のうち、第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品された対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく処理を、前記第1マーケット及び前記第2マーケットの各々に設定された優先順位に応じて実行する処理実行部を備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記対象ユーザの入力情報に基づいて、前記第1マーケット及び前記第2マーケットの各々の優先順位を設定する設定部を有する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記対象ユーザによる、前記第1マーケット及び前記第2マーケットの各々の利用実績に基づいて、前記第1マーケット及び前記第2マーケットの各々の優先順位を設定する設定部を有する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記設定部は、前記対象ゲーム媒体毎に、前記第1マーケット及び前記第2マーケットの各々の優先順位を設定する、請求項2又は3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記設定部は、前記第1マーケット及び前記第2マーケットの各々の優先順位を変更することが可能であり、
前記優先順位の変更に関する情報を、前記第1マーケット及び前記第2マーケットの少なくとも一方の利用ユーザに通知する通知部を有する、請求項2又は3に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記対象ゲーム媒体に対する取得要求が前記第1マーケット及び前記第2マーケットの各々で行われた場合、前記処理実行部は、前記第1マーケットの優先順位が前記第2マーケットの優先順位よりも高いときには、前記第1マーケットにおける前記対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく取引を優先する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第1マーケットの優先順位が前記第2マーケットの優先順位よりも高く設定され、前記第2マーケットにおいて前記対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われてから所定時間が経過するまでの間に前記第1マーケットにおいて前記対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われない場合、前記処理実行部は、前記第2マーケットにおける前記対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく取引を実行する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記第2マーケットにおいて前記対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われたことを、前記所定時間が経過する前に、前記第1マーケットの利用ユーザに報知する報知部をさらに有する、請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記報知部は、前記第1マーケットの利用ユーザが使用する端末の画面に、前記第2マーケットにおいて前記対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われてから前記所定時間が経過する時点までの残り時間を表示させる、請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記所定時間は、前記第1マーケット又は前記第2マーケットにおいて前記対象ゲーム媒体を取得するのに必要な価値に応じて決定される、請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記第2マーケットにおいて前記対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われてから所定時間が経過するまでの間に、前記対象ユーザの承諾が得られた場合、前記処理実行部は、前記所定時間が経過する前の時点で、前記第2マーケットにおける前記対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく取引を実行する、請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記第1マーケット及び前記第2マーケットのうち、優先順位がより高い高順位マーケットにおいて前記対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われた場合、前記処理実行部は、前記高順位マーケットにおける前記対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく取引を実行する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記第1マーケットに出品された前記対象ゲーム媒体に関する情報を表示させる画面に、前記対象ゲーム媒体について設定された前記第1マーケットの優先順位に基づく情報を表示させ、前記第2マーケットに出品された前記対象ゲーム媒体に関する情報を表示させる画面に、前記対象ゲーム媒体について設定された前記第2マーケットの優先順位に基づく情報を表示させる表示制御部をさらに有する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記第1マーケットの優先順位が前記第2マーケットの優先順位よりも高く設定されており、且つ、
前記第1マーケットを利用可能な第1利用ユーザに対して、前記第2マーケットを利用可能な第2利用ユーザが依頼した、前記対象ゲーム媒体の取引代理に関する情報が記憶部に記憶されている場合に、
前記第1利用ユーザが前記第1マーケットにおいて前記対象ゲーム媒体に対する取得要求を行うと、前記処理実行部が、前記第1利用ユーザによる取得要求に基づく対象ゲーム媒体の取引を実行した後に、前記第1利用ユーザにより取得された前記対象ゲーム媒体を前記第2マーケットにおいて前記第2利用ユーザに取得可能とさせる処理を実行する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記処理実行部は、前記対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく取引として、前記対象ゲーム媒体に対する取得要求を行った要求ユーザに前記対象ゲーム媒体を譲渡する処理と、前記要求ユーザが所持する価値の数量を前記対象ゲーム媒体に応じて減算する処理とを実行する、請求項6乃至14のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項16】
プロセッサが、ゲームにて対象ユーザが所有するゲーム媒体のうち、第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品された対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく処理を、前記第1マーケット及び前記第2マーケットの各々に設定された優先順位に応じて実行する、情報処理方法。
【請求項17】
プロセッサに、ゲームにて対象ユーザが所有するゲーム媒体のうち、第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品された対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく処理を、前記第1マーケット及び前記第2マーケットの各々に設定された優先順位に応じて実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子商取引の一例として、ゲームをプレイするユーザが、ゲーム内で所有するゲーム媒体をオンラインでマーケットに出品して他のユーザに譲渡又は販売等することがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、ユーザがゲームにおいて使用可能であって運営者が出品するゲーム媒体に対してユーザが入札するゲーム内オークションシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-95643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲーム媒体を出品可能なマーケットは、複数存在する場合がある。この場合、複数のマーケットの中からいずれか一つを選んでゲーム媒体を出品する際には、ユーザは、より好ましい条件で取引を行えるようにマーケットを選ぶ必要がある。しかし、各マーケットの優劣をユーザが評価することは容易ではなく、適切なマーケットが選定されないと、好ましい条件でゲーム媒体の取引を行う機会を逸してしまう可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、好ましい条件でゲーム媒体の取引を行う機会をユーザに付与し易くするための情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、ゲームにて対象ユーザが所有するゲーム媒体のうち、第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品された対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく処理を、第1マーケット及び第2マーケットの各々に設定された優先順位に応じて実行する処理実行部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、好ましい条件でゲーム媒体の取引を行う機会をユーザに付与し易くするための情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一つの実施形態におけるマーケットでの取引の流れについて、第1の例を示す図である。
図2】本発明の一つの実施形態におけるマーケットでの取引の流れについて、第2の例を示す図である(その1)。
図3】本発明の一つの実施形態におけるマーケットでの取引の流れについて、第2の例を示す図である(その2)。
図4】本発明の一つの実施形態におけるマーケットでの取引の流れについて、第3の例を示す図である。
図5】本発明の一つの実施形態におけるマーケットでの取引の流れについて、第4の例を示す図である。
図6】本発明の一つの実施形態におけるマーケットでの取引の流れについて、第5の例を示す図である。
図7】本発明の一つの実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図8】ユーザ情報の一例を示す図である。
図9】マーケット情報の一例を示す図である。
図10】第1出品情報の一例を示す図である。
図11】第2出品情報の一例を示す図である。
図12】取引代理情報の一例を示す図である。
図13】本発明の一つの実施形態に係る情報処理システムの機能についての説明図である。
図14】出品されたゲーム媒体に関する情報が表示された画面の例を示す図である。
図15】本発明の一つの実施形態に係る情報処理フローの第1例を示す図である。
図16】本発明の一つの実施形態に係る情報処理フローの第2例を示す図である。
図17】本発明の一つの実施形態に係る情報処理フローの第3例を示す図である。
図18】本発明の一つの実施形態に係る情報処理フローの第4例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本発明の概要]
本発明は、オンラインでの取引(電子商取引)に係る情報処理技術、特に、ゲームにおいてユーザが所有するゲーム媒体の取引に係る情報処理技術に関する。
【0010】
ユーザは、ゲームにおいて所有するゲーム媒体を用いてゲームをプレイすることができる。ここで、ゲームは、ビデオゲームであり、例えば、オンラインゲームである。オンラインゲームには、ウェブブラウザを利用したブラウザゲーム、SNS(Social Networking Service)上で提供されるソーシャルゲーム等、モバイルゲーム等のように専用のアプリケーションプログラムをダウンロードしてプレイ可能なゲーム、及びプレイバイウェブ(PBW)等の定期更新型オンラインゲーム等が含まれる。
【0011】
ゲーム媒体は、ゲーム内で利用可能なデータ(デジタルデータ)であり、ゲームにおいて取得(入手)、所有、使用(消費)、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、又は贈与等の対象となる。なお、ゲームにおけるゲーム媒体の利用態様は、上記の内容に限られない。また、ゲーム媒体には、例えば、キャラクタ、アバター、アイテム、ゲーム内通貨等の価値、カード、チケット、及びその他の任意の媒体等が含まれ得る。
【0012】
また、ユーザは、本発明の情報処理システムの機能を通じてマーケットを利用することができる。マーケットは、オンライン形式のマーケットであり、本発明では、ゲーム媒体を取り扱うマーケットである。ユーザは、ゲームにて所有するゲーム媒体の中から出品対象のゲーム媒体を選定し、そのゲーム媒体をマーケットに出品して譲渡を申し込むことができる。以下、ゲーム媒体をマーケットに出品したユーザを「対象ユーザ」と呼ぶこととする。
【0013】
マーケットにおいて、対象ユーザを含むユーザは、そのマーケットに出品されたゲーム媒体に対する取得要求を行うことができる。以下、マーケットにおいてゲーム媒体に対する取得要求を行ったユーザを「要求ユーザ」と呼ぶこととする。マーケットにおいて要求ユーザが取得要求を行った場合には、その取得要求に基づく取引が実行される。取得要求に基づく取引は、取得要求に係るゲーム媒体を要求ユーザに取得させるための一連の情報処理、であり、具体的には、そのゲーム媒体を要求ユーザに譲渡する処理、及びそれに付随する処理である。
マーケットにてゲーム媒体を取得した要求ユーザは、そのゲーム媒体をゲームにて使用することができる。つまり、マーケットにおいてゲーム媒体を譲渡(取引)することは、そのゲーム媒体をゲーム内で使用する権限を移譲させることである。
【0014】
また、本発明において、対象ユーザは、同一のゲーム媒体を複数のマーケットに出品することができる。この場合、いずれかのマーケットにおいて要求ユーザがゲーム媒体に対する取得要求を行うと、その取得要求に基づく取引が実行される。これにより、上記の要求ユーザは、当該取得要求に係るゲーム媒体を取得することができる。
上記の複数のマーケットは、少なくとも第1マーケット及び第2マーケットを含む。第1マーケット及び第2マーケットは、それぞれ、独立したマーケットであり、互いに異なるプラットフォームによって提供される。ここで、第1マーケット及び第2マーケットは、相対的な概念を表している。例えば、上記の複数のマーケットが3つ以上のマーケットを含んでいて、その中の2つのマーケットを注目した場合に、そのうちの一方が第1マーケットに該当し、もう一方が第2マーケットに該当する。
なお、以下では、複数のマーケットが2つのマーケットを含む場合、すなわち、1つの第1マーケットと1つの第2マーケットを含む場合を例に挙げて説明する。
【0015】
そして、本発明では、ゲームにて対象ユーザが所有するゲーム媒体のうち、第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品されたゲーム媒体を「対象ゲーム媒体」とし、対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく処理を、所定の要領で実行する。具体的な処理の手順については、後述する。
【0016】
[本発明の一つの実施形態について]
以下、本発明の情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムについて、添付の図面に示す好適な実施形態(以下、本実施形態)を参照しながら詳細に説明する。
なお、本実施形態の内容を実現するための基礎的なデータ処理技術(通信/伝送技術、データ取得技術、データ記録技術、データ加工/解析技術、画像処理技術、及び可視化技術等)は、公知の技術であるため、それに関する説明については省略することとする。
【0017】
本実施形態では、ユーザが、同一の対象ゲーム媒体を、第1マーケット及び第2マーケットの双方に同時に出品することができる。ここで、「同時に出品する」とは、厳密に同じ時期に出品する場合に限られず、第1マーケットでの出品時期と第2マーケットでの出品時期とが少なくとも一部の期間において重複するケースが含まれることとする。
なお、対象ゲーム媒体を出品する具体的な方法については、既存のマーケットにおいてゲーム媒体を出品する公知の方法と同様であるため、説明を省略することとする。
【0018】
本実施形態において、対象ゲーム媒体を取得する場合、ユーザ(要求ユーザ)は、第1マーケット又は第2マーケットにおいて取得要求を行う。取得要求は、対象ゲーム媒体の取得を求める意思表示の行為であり、後述するユーザ端末16を通じて行われる。取得要求を行う具体的方法は、特に限定されないが、既存のマーケットにおいてゲーム媒体に対する取得要求を行う公知の方法と同様であるか、又は、それに準じた方法である。なお、取得要求は、少なくとも、取得を希望するゲーム媒体(対象ゲーム媒体)の選択を含む。
【0019】
また、本実施形態では、マーケットにおいて対象ゲーム媒体を取得する際に所定の価値との交換が必要となる。価値としては、例えば、現金及び電子マネー等の金銭、仮想通貨等の暗号資産、ゲーム内で利用可能なゲーム内通貨、SNS(Social Networking Service)におけるフォロワー数/応援数、感情を価値化した感情的指標の数(例えば、SNS又はゲーム等における「いいね」のようなリアクションの数)、並びに、価値として交換可能なゲーム媒体等が該当する。
【0020】
ユーザは、第1マーケットで利用可能な価値、及び第2マーケットで利用可能な価値のうち、少なくとも一方を所持する。各ユーザが所持する価値の数量(所持数)は、マーケット毎に管理され、取引の実行に伴って更新される。例えば、第1マーケット又は第2マーケットにおいて要求ユーザが対象ゲーム媒体に対する取得要求を行い、当該対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく取引が実行されたとする。この場合、要求ユーザの価値の所持数(詳しくは、上記の取得要求が行われたマーケットと対応する価値の所持数)が、対象ゲーム媒体の譲渡対価に応じて減算される。他方、対象ユーザの価値の所持数(詳しくは、上記の取得要求が行われたマーケットと対応する価値の所持数)は、対象ゲーム媒体の譲渡対価に応じて加算される。ここで、対象ゲーム媒体の譲渡対価とは、第1マーケット又は第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体を取得するのに必要な価値のことである。
【0021】
第1マーケット及び第2マーケットについて、詳細に説明する。第1マーケットは、ゲーム媒体を用いてプレイ可能なゲーム内で利用可能なマーケット、すなわち、ゲームの一機能として提供されるゲーム内マーケットである。つまり、ユーザは、ゲームのプレイ中に、第1マーケットにおいてゲーム媒体を出品することができ、また、出品されたゲーム媒体に対する取得要求を行うことができる。
【0022】
第1マーケットにてゲーム媒体を取得する際には、第1マーケットで利用可能な価値として、ゲームにおいて利用可能な価値、例えば、メダルやコイン等のようなゲーム内通貨を消費する必要がある。以降の説明では、第1マーケットで利用可能な価値を「第1価値」と呼ぶこととする。
なお、ゲーム媒体の取得に必要な第1価値、すなわち第1マーケットに出品されたゲーム媒体の譲渡対価は、そのゲーム媒体の種類、能力値等のパラメータ、希少度、及びマーケットでの人気(取得要求の数)等に応じて変わってもよい。
【0023】
第2マーケットは、ゲームの外で利用可能なマーケットであり、ゲーム媒体を取引対象とする電子商取引のWebサイト(ECサイト)を通じて利用することができる。すなわち、ユーザは、上記のWebサイトにアクセスしている間に、第2マーケットにおいてゲーム媒体を出品することができ、出品されたゲーム媒体に対する取得要求を行うことができる。なお、第2マーケットを構成するECサイトの種類は、特に限定されず、例えば、モール型のサイトでもよく、マーケット運営会社が自社管理するサイトでもよい。
【0024】
第2マーケットにてゲーム媒体を取得する際には、第2マーケットで利用可能な価値、具体的には、現金及び電子マネー等の金銭、あるいは仮想通貨等の暗号資産を消費する必要がある。つまり、第2マーケットにおいてゲーム媒体を取得するとは、第2マーケットで利用可能な価値を支払って、当該ゲーム媒体を購入することである。以降の説明では、第2マーケットで利用可能な価値を「第2価値」と呼ぶこととする。
なお、ゲーム媒体の取得に必要な第2価値、すなわち、第2マーケットに出品されたゲーム媒体の譲渡対価(販売価格)は、ゲーム媒体の種類、能力値等のパラメータ、希少度、マーケットでの人気(取得要求の数)等に応じて変わってもよい。
【0025】
第1価値と第2価値とは互いに異なる種類の価値であり、本実施形態では、第1価値と第2価値との直接的な変換が不可能である。つまり、本実施形態では、第1価値を第2価値に変換して第2マーケットで利用することはできず、また、第2価値を第1価値に変換して第1マーケットで利用することはできない。ただし、これに限定されず、第1価値と第2価値との直接的な変換(価値の交換)が可能であってもよい。
【0026】
また、本実施形態において、対象ゲーム媒体を含むゲーム媒体は、第1マーケット及び第2マーケットの少なくとも一方においてNFT(Non-fungible Token:非代替性トークン)として流通してもよい。この場合、ゲーム媒体のデータ、詳しくは、ゲームにおけるゲーム媒体の現状に関するデータは、ブロックチェーン技術により改竄されないように管理される。
ただし、各マーケットにおいてゲーム媒体がNFTとして流通する場合には限定されず、ゲーム媒体がFT(Fungible Token:代替性トークン)として流通してもよい。
【0027】
なお、一般的なNFTについては、NFTの所有権を譲渡する一方で、版権やコピーライト等が当初の権利者に留保される。これに対して、本実施形態では、NFTの譲渡に伴って版権やコピーライト等の権利が所有権とともに譲渡先(具体的には、NFTの購入者)に移譲されてもよい。また、版権やコピーライト等の権利についても、NFTとしてブロックチェーン技術によって管理するようにしてよい。
【0028】
また、第1マーケット及び第2マーケットを利用する場合、ユーザは、それぞれのマーケットの利用アカウントを取得する必要がある。対象ユーザは、対象ゲーム媒体を第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品する理由から、第1マーケットの利用アカウント及び第2マーケットの利用アカウントを取得している。
【0029】
また、本実施形態において、第1マーケット及び第2マーケットのうちの少なくとも一方を利用するユーザは、取得を希望するゲーム媒体(以下、所望のゲーム媒体という)を事前に申告し、例えば、「お気に入りリスト」に登録しておくことができる。この場合、第1マーケット又は第2マーケットにおいて所望のゲーム媒体が出品された際に、そのゲーム媒体を「お気に入りリスト」に登録したユーザに当該ゲーム媒体の出品を報知するのが好ましい。
【0030】
また、本実施形態において、第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品される対象ゲーム媒体は、1体であってもよいし、2体以上であってもよい。また、対象ゲーム媒体は、同時期に複数存在してもよい。
【0031】
ところで、第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品された対象ゲーム媒体は、唯一の存在であって代替性が無い。そのため、一方のマーケットで対象ゲーム媒体が取得された後、その対象ゲーム媒体を他方のマーケットにおいて取得することはできない。つまり、同一の対象ゲーム媒体に対する取得要求が第1マーケット及び第2マーケットの各々において行われて複数の取得要求が重複した場合、一方のマーケットにおいて取得要求を行った要求ユーザのみが当該対象ゲーム媒体を取得することができる。
【0032】
以上の点を踏まえ、本実施形態では、対象ゲーム媒体について、第1マーケット及び第2マーケットの各々の優先順位が設定される。そして、第1マーケット及び第2マーケットの少なくとも一方において対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われた場合、その取得要求に基づく処理が各マーケットの優先順位に応じて実行される。具体的に説明すると、第1マーケット及び第2マーケットのうち、優先順位がより高いマーケットにおいて行われた対象ゲーム媒体に対する取得要求が優先的に処理される。かかる内容について、下記5つのケースを例に挙げて、より詳しく説明することとする。
【0033】
なお、以下では、説明を分かり易くするために、対象ゲーム媒体を「ゲーム媒体X」とし、ゲーム媒体Xを出品する対象ユーザを「ユーザA」とする。また、第1マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求を行う要求ユーザを「ユーザB」とし、第2マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求を行う要求ユーザを「ユーザC」とする。ここで、ユーザBは、第1マーケットを利用可能な第1利用ユーザに該当し、ユーザCは、第2マーケットを利用可能な第2利用ユーザに該当する。「第1/第2マーケットを利用可能」であるとは、第1/第2マーケットの利用アカウントを保有していること、つまり、第1/第2マーケットにおいてゲーム媒体に対する取得要求を行えることである。
【0034】
(ケース1)
ケース1では、図1に示すように、ゲーム媒体Xについて、ユーザBの取得要求とユーザCの取得要求とが重複している。このケースにおいて、第1マーケットの優先順位が第2マーケットの優先順位より高い場合には、ゲーム媒体Xに対するユーザBの取得要求、すなわち、第1マーケットにおける取得要求に基づく取引が優先される。これにより、ケース1では、図1に示すように、ユーザBがゲーム媒体Xを優先的に取得することができる。また、第1マーケットにてユーザBがゲーム媒体Xを取得すると、それに付随して、ユーザCの取得要求、すなわち、第2マーケットにおける取得要求が無効となる。さらに、第2マーケットにおけるゲーム媒体Xの出品が取り下げられ、第2マーケットにおけるゲーム媒体Xの譲渡(取引)が制限される。
【0035】
(ケース2)
ケース2では、例えば、第1マーケットの優先順位が第2マーケットの優先順位よりも高く設定された状況で、第2マーケットにおいてユーザCがゲーム媒体Xに対する取得要求を行う。そして、ユーザCの取得要求が行われてから所定時間が経過するまでの間に、第1マーケットにおいてユーザBがゲーム媒体Xに対する取得要求を行う。この場合には、図2に示すように、ユーザBの取得要求、すなわち、第1マーケットにおける取得要求に基づく取引が優先される。つまり、ケース2では、ゲーム媒体Xに対する取得要求が第2マーケットにて行われたとしても、その後に所定時間が経過するまでの間に第1マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求が行われれば、第1マーケットにおける取得要求が優先的に処理される。換言すると、上記の所定時間は、第2マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求が行われた後に、第1マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求を行うために設定された時間的猶予、すなわち制限時間である。
また、ケース2においても、第1マーケットでユーザBがゲーム媒体Xを取得すると、それに付随して、ユーザCの取得要求、すなわち、第2マーケットにおける取得要求が無効となる。さらに、第2マーケットにおけるゲーム媒体Xの出品が取り下げられ、第2マーケットにおけるゲーム媒体Xの譲渡(取引)が制限される。
【0036】
他方、ケース2において、上記の制限時間が経過するまでの間に、第1マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求が行われなかったとする。この場合、図3に示すように、第2マーケットにおける取得要求に基づく取引が実行される。すなわち、第2ケースでは、第2マーケットにおける取得要求が行われた後に制限時間が経過することを条件として、第2マーケットにおける取得要求が処理される。これにより、ユーザCは、第2マーケットにおいてゲーム媒体Xを取得(購入)することができる。そして、第2マーケットでユーザCがゲーム媒体Xを取得すると、それに付随して、第1マーケットにおけるゲーム媒体Xの出品が取り下げられ、第1マーケットにおけるゲーム媒体Xの譲渡(取引)が制限される。
【0037】
(ケース3)
ケース3では、例えば、第1マーケットの優先順位が第2マーケットの優先順位よりも高く設定された状況で、第2マーケットにおいてユーザCがゲーム媒体Xに対する取得要求を行う。この場合、ユーザCの取得要求が行われてから前述の制限時間が経過するまでの間にユーザAの承諾が得られると、図4に示すように、制限時間が経過する前の時点で、ゲーム媒体Xに対するユーザCの取得要求に基づく取引が実行される。つまり、ケース3において、ユーザCは、ユーザAの承諾が得られれば、制限時間の経過前の時点であっても第2マーケットにおいてゲーム媒体Xを取得することができる。そして、第2マーケットでユーザCがゲーム媒体Xを取得すると、それに付随して、第1マーケットにおけるゲーム媒体Xの出品が取り下げられ、第1マーケットにおけるゲーム媒体Xの譲渡(取引)が制限される。
【0038】
(ケース4)
ケース4では、第1マーケット及び第2マーケットのうち、優先順位がより高いマーケット(以下、高順位マーケット)においてゲーム媒体Xに対する取得要求が先に行われたとする。ここで、ゲーム媒体Xは、高順位マーケットよりも優先順位が高いマーケットには出品されていないこととする。そして、上記の状況で、高順位マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求が行われると、図5に示すように、その取得要求に基づく取引が実行される。これにより、高順位マーケットにおいて取得要求を行った要求ユーザは、ゲーム媒体Xを取得することができる。なお、図5の例では、第1マーケットが高順位マーケットに該当する。
そして、高順位マーケットで要求ユーザがゲーム媒体Xを取得すると、それに付随して、高順位マーケット以外のマーケットにおけるゲーム媒体Xの出品が取り下げられ、高順位マーケット以外のマーケットにおけるゲーム媒体Xの譲渡(取引)が制限される。
【0039】
(ケース5)
ケース5は、ユーザBとユーザCとの間で取り決められた取引代理を想定したケースである。具体的に説明すると、ケース5では、例えば、第1マーケットの優先順位が第2マーケットの優先順位よりも高く設定されている。また、ユーザCが取得を希望するゲーム媒体X(つまり、所望のゲーム媒体)が対象ゲーム媒体として第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品されている。ここで、ユーザCは、第2マーケットにてゲーム媒体Xを取得(購入)するのに必要な第2価値を有する一方で、第1マーケットにてゲーム媒体Xを取得するのに必要な第1価値を有していないものとする。
【0040】
他方、第1マーケット及び第2マーケットのそれぞれにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求が行われると、ケース1及び2で説明したように、第1マーケットにおけるゲーム媒体Xに対する取得要求に基づく取引が優先される。そのため、ユーザCは、図6に示すように、ユーザBに対してゲーム媒体Xの取引代理を依頼する。そして、ユーザBは、ユーザCからの取引代理の依頼を承諾すると、第1マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求を行い、第1マーケットでゲーム媒体Xを取得する。その後、ユーザBは、図6に示すように、第1マーケットで取得したゲーム媒体Xを第2マーケットにのみ出品する。このとき、ユーザBは、第2マーケットに出品したゲーム媒体Xの取得に必要な第2価値の数量(すなわち、第2マーケットでの販売価格)を、ユーザCがその時点で所持する第2価値の数量に応じて設定してもよい。
【0041】
なお、ユーザBは、第1マーケット及び第2マーケットの双方にゲーム媒体Xを出品してもよいが、その場合には、第1マーケット及び第2マーケットの各々の優先順位を変更し、第2マーケットの優先順位が第1マーケットの優先順位より高く設定するとよい。これにより、ユーザCは、第1マーケットにて他のユーザにゲーム媒体Xを取得されることなく、第2マーケットにおいて円滑にゲーム媒体Xを取得(購入)することができる。
【0042】
<<本実施形態に係る情報処理システム及び周辺機器について>>
次に、本実施形態に係る情報処理システム及び周辺機器について、図7を参照しながら説明する。なお、図7では、図示の便宜上、後述するユーザ端末16の台数が3台となっているが、実際には、情報処理システムの機能を利用するユーザの人数に応じた台数のユーザ端末16が存在する。
【0043】
本実施形態の情報処理システム(以下、情報処理システム10)は、1又は2以上のサーバコンピュータによって構成され、以下では、図7に示すように、2つのサーバである第1サーバ12及び第2サーバ14によって構成されることとする。第1サーバ12は、第1マーケットを管理し、第1マーケットにおけるゲーム媒体の取引を実行する。第2サーバ14は、第2マーケットを管理し、第2マーケットにおけるゲーム媒体の取引を実行する。なお、第1サーバ12及び第2サーバ14のそれぞれが、複数台のコンピュータを含むシステムとして構成されてもよい。
【0044】
なお、各マーケットにおける取引は、例えば、取引されたゲーム媒体の譲渡処理、及びそれに伴う決済処理、譲渡後のゲーム媒体をゲームにて使用可能な状態にするための処理、並びに、取引に伴う各種データの記録及び更新等を含む。これらの処理の内容については、ゲーム媒体を対象とする公知の取引と同様であるため、説明を省略することとする。
【0045】
各マーケットの取引は、図7に示すマーケット用システムSにおけるデータ通信を通じて行われる。マーケット用システムSにおいて、第1サーバ12及び第2サーバ14の各々は、図7に示すように、ネットワークNを介して、ユーザ端末16と通信可能である。第1マーケット又は第2マーケットの利用ユーザは、マーケットでゲーム媒体を出品したり、出品されたゲーム媒体を取得したりする際にユーザ端末16を操作する。ユーザの操作内容を示すデータは、ユーザ端末16から第1サーバ12又は第2サーバ14に向けて送信される。第1サーバ12及び第2サーバ14のうち、ユーザ端末16からデータを受信したサーバは、当該データに応じた処理を実行する。
【0046】
ユーザ端末16は、ユーザがゲームをプレイする場合、又はマーケットを利用する場合に操作される端末であり、情報処理システム10と連携してマーケット用の通信システム(マーケット用システムS)を構築する。ユーザ端末16は、例えば、パソコン、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ゲーム機、情報入力が可能なテレビ受像機、又はウェアラブル端末等によって構成される。また、ユーザ端末16は、ユーザの操作を受け付ける入力機器と、ディスプレイ等の表示画面を構成する表示機器とを有する。
なお、ユーザ端末16は、ユーザが所有する機器でもよいし、店舗等に設置された機器であって、ユーザが所有しないが店舗等に来店した際に暗証番号やパスワード等を入力したり、あるいは入金等したりすることで利用可能な端末やコンピュータでもよい。
【0047】
ユーザ端末16には、ゲーム用のアプリケーションプログラム、及び、Webブラウザ等のプログラムがインストールされている。ユーザは、ユーザ端末16にてゲーム用のアプリケーションプログラムを起動することで、ゲームをプレイし、また、ゲーム内でのゲーム媒体の取引、すなわち、第1マーケットでの取引を行うことができる。また、ユーザは、ユーザ端末16にてWebブラウザを起動することで、例えばNFT売買用のWebサイトにアクセスし、そのサイトにてゲーム媒体の取引、すなわち、第2マーケットでの取引を行うことができる。
【0048】
また、第1マーケット及び第2マーケットの双方に対象ゲーム媒体が出品された場合、第1マーケットを利用するユーザのユーザ端末16の画面には、第1マーケットに出品された対象ゲーム媒体に関する情報が表示される。また、第2マーケットを利用するユーザのユーザ端末16の画面には、第2マーケットに出品された対象ゲーム媒体に関する情報が表示される。
【0049】
第1サーバ12及び第2サーバ14は、図7に示すように、ネットワークNを通じて相互に通信可能である。例えば、第1マーケット又は第2マーケットの一方において対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われた場合、その取得要求が行われた方のマーケットを管理するサーバが、当該取得要求が行われた旨を、もう一方のサーバに通知する。
【0050】
また、第1サーバ12及び第2サーバ14は、各ユーザによる第1マーケット及び第2マーケットの各々の利用実績を共有する。マーケットの利用実績は、各ユーザがこれまでにマーケットを利用した度合いを示す情報であり、具体的には、マーケットの利用頻度、これまでにマーケットを利用した回数、マーケットでの取引に用いた価値の総数等が挙げられる。
【0051】
第1サーバ12及び第2サーバ14の各々のハードウェア構成について説明すると、各サーバは、例えば、SNSサーバ、若しくはクラウドサービス用のサーバコンピュータである。クラウドサービス用のサーバコンピュータには、ASP(Application Service Provider)、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)又はIaaS(Infrastructure as a Service)用のサーバコンピュータ等が含まれる。また、第1サーバ12及び第2サーバ14の各々は、1台のコンピュータでもよく、並列分散された複数台のコンピュータでもよい。例えば、第1サーバ12が複数のコンピュータによって構成される場合、ゲーム進行に関する処理を実行するコンピュータと、ゲーム媒体の取引を実行するコンピュータと、が互いに別機器であってもよい。
【0052】
第1サーバ12及び第2サーバ14の各々は、ハードウェア機器として、図7に示すように、プロセッサ21、メモリ22、通信用インタフェース23、及びストレージ24を有し、これらがバス25を介して電気的に接続されている。
【0053】
プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、TPU(Tensor Processing Unit)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成されるとよい。
メモリ22は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリによって構成されるとよい。
【0054】
通信用インタフェース23は、例えばネットワークインターフェースカード、又は通信インタフェースボード等によって構成されるとよい。通信用インタフェース23によるデータ通信の規格については、特に限定されるものではなく、Wi-fi(登録商標)に基づく無線LANによる通信、3G~5G若しくはそれ以降の世代の移動通信システムによる通信、又はLTE(Long Term Evolution)に基づく通信等が挙げられる。
【0055】
ストレージ24は、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、FD(Flexible Disc)、MOディスク(Magneto-Optical disc)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDカード(Secure Digital card)、又はUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)等によって構成されるとよい。ストレージ24は、サーバ本体内に内蔵されてもよく、外付け形式でサーバ本体に取り付けてもよいし、又はNAS(Network Attached Storage)等であってもよい。
【0056】
また、ストレージ24は、第1サーバ12及び第2サーバ14と通信可能に接続された第三のコンピュータ、例えば、データベースサーバやオンラインストレージ等によって構成されてもよい。この場合、第1サーバ12及び第2サーバ14は、ストレージ24を構成する第三のコンピュータとともに本発明の情報処理システムを構成することになる。
【0057】
ストレージ24には、各種の情報が記憶されて蓄積されている。具体的に説明すると、ストレージ24には、図8に示すユーザ情報、図9に示すマーケット情報、図10に示す第1出品情報、図11に示す第2出品情報、及び図12に示す取引代理情報等が記憶されている。
【0058】
ユーザ情報は、マーケットの利用ユーザに関する情報であり、ユーザ毎に記憶されている。ユーザ情報は、例えば、図8に示すように、ユーザのIDや名前等の個人情報、アカウント情報、価値の所持数、マーケット利用実績、ゲーム媒体の登録情報、及びフレンド情報等を含む。
アカウント情報は、第1マーケット及び第2マーケットのそれぞれについて、利用アカウントの有無、利用アカウントを保有する場合にはアカウントID及びパスワード等を示す情報である。
価値の所持数は、ユーザが各マーケットでの取引に使用する価値、すなわち、第1価値及び第2価値のそれぞれの所持数を示す情報である。
マーケット利用実績は、第1マーケット及び第2マーケットのそれぞれについて、利用頻度、これまでの利用回数、及び、これまでの取引に用いた価値の合計数(総数)等を示す情報である。
ゲーム媒体の登録情報は、ユーザが取得を希望するゲーム媒体、すなわち所望のゲーム媒体が「お気に入りリスト」に登録されているか否かを示し、また、登録されたゲーム媒体を特定するための情報(例えば、所望のゲーム媒体の名称)を含む。
フレンド情報は、ユーザとフレンド関係にある他のユーザ(フレンド)に関する情報であり、例えば、フレンドの名前やIDである。フレンド関係は、ユーザが他のユーザに申し出て、当該他のフレンドがその申し出を承諾することで成立する。また、フレンドを有するユーザは、例えば、フレンドに対して上述の取引代理を依頼することができる。
【0059】
マーケット情報は、第1マーケット及び第2マーケットのそれぞれの現状に関する情報であり、図9に示すように、各マーケットにおいて現時点で出品されているゲーム媒体、及び、現時点の優先順位を含む。各マーケットの優先順位は、第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品された対象ゲーム媒体について設定され、図9に示す例では、ゲーム媒体W、Xについて、第1マーケット及び第2マーケットの各々の優先順位が設定されている。また、対象ゲーム媒体が複数存在する場合には、図9に示すように、第1マーケット及び第2マーケットの各々の優先順位が、対象ゲーム媒体毎に設定される。
【0060】
第1出品情報は、第1マーケットに出品されたゲーム媒体に関する情報であり、図10に示すように、第1マーケットに出品されたゲーム媒体の種類、同じ種類であるゲーム媒体の第1マーケットにおける出品数、ゲーム媒体の譲渡対価、出品者であるユーザのID又はアカウントID、及び第1マーケットにおける取得要求の有無等を含む。取得要求が行われたゲーム媒体については、取得要求が行われた日時、及び、取得要求を行ったユーザのID又はアカウントID等が第1出品情報の中に含まれる。
【0061】
第2出品情報は、第2マーケットに出品されたゲーム媒体に関する情報であり、図11に示すように、第2マーケットに出品されたゲーム媒体の種類、同じ種類であるゲーム媒体の第2マーケットにおける出品数、ゲーム媒体の譲渡対価、出品者であるユーザのID又はアカウントID、及び第2マーケットにおける取得要求の有無等を含む。取得要求が行われたゲーム媒体については、取得要求が行われた日時、及び、取得要求を行ったユーザのID又はアカウントID等が第2出品情報の中に含まれる。
【0062】
取引代理情報は、現時点で有効な取引代理に関する情報であり、図12に示すように、取引代理の対象となる対象ゲーム媒体、取引代理を依頼したユーザのID又はアカウントID、取引代理を承諾したユーザのID又はアカウントID、取引代理を依頼したユーザが対象ゲーム媒体を購入する場合の希望価格等を含む。また、取引代理情報は、取引代理が履行されたか否かを示す情報をさらに含んでもよい。
【0063】
ストレージ24に記憶される情報には、図8~12に示す情報に限定されず、それ以外の情報がさらに含まれてもよい。また、図8~12のそれぞれに示す情報に含まれる項目についても、特に限定されず、上記の説明で列挙した項目以外の項目を含んでもよい。
【0064】
第1サーバ12及び第2サーバ14のそれぞれには、オペレーティングシステム(OS)用のプログラムと、マーケットでのゲーム媒体の取引に関する情報処理用のプログラムとがインストールされている。これらのプログラムは、本発明の「プログラム」に相当し、第1サーバ12及び第2サーバ14の各々を制御するプログラムである。つまり、上記のプロセッサ21によって実行されることにより、第1サーバ12及び第2サーバ14が情報処理システム10としての機能を発揮する。
なお、マーケットでのゲーム媒体の取引に関する情報処理用のプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(メディア)から読み込むことで取得できてもよい。あるいは、上記のプログラムがインターネット又はイントラネット等のネットワークを介して取得(ダウンロード)できてもよい。
【0065】
<<本実施形態に係る情報処理システムの機能について>>
次に、図13を参照しながら、情報処理システム10の構成について機能面から改めて説明する。なお、以下では、情報処理システム10の機能のうち、マーケットにおけるゲーム媒体の取引に関連する機能に限定して説明することとする。
【0066】
情報処理システム10は、図13に示すように、出品受付部31、要求受付部32、連絡部33、記憶部34、設定部35、通知部36、処理実行部37、報知部38、及び表示制御部39を有する。これらの機能部は、情報処理システム10を構成するサーバコンピュータ、より詳しくは第1サーバ12及び第2サーバ14のそれぞれが備えるハードウェア機器と、各サーバにインストールされたソフトウェアとしてのプログラムとの協働によって実現される。また、本実施形態において、上記の機能部のうちの一部は、第1サーバ12及び第2サーバ14のそれぞれに備えられている。その他の機能部は、第1サーバ12及び第2サーバ14の一方にのみ備えられており、あるいは第1サーバ12及び第2サーバ14の協働によって構成される。
以下、上記の機能部の各々について説明する。
【0067】
(出品受付部)
出品受付部31は、第1サーバ12及び第2サーバ14のそれぞれに備えられ、各マーケットにおけるゲーム媒体の出品を対象ユーザから受け付ける。具体的に説明すると、対象ユーザは、ユーザ端末16を操作して、自分がゲーム内において所持するゲーム媒体の中から出品対象のゲーム媒体を選定し、出品先であるマーケットを指定する。この操作の内容を示すデータがユーザ端末16から送信され、出品受付部31は、ユーザ端末16から送信される上記のデータを受信することでゲーム媒体の出品を受け付ける。
また、対象ユーザが第1マーケット及び第2マーケットの双方に同じゲーム媒体(すなわち、対象ゲーム媒体)を出品すると、各サーバの出品受付部31が、各マーケットにおける対象ゲーム媒体の出品をマーケット毎に受け付ける。
【0068】
(要求受付部)
要求受付部32は、第1サーバ12及び第2サーバ14のそれぞれに備えられ、各マーケットにおけるゲーム媒体に対する取得要求をユーザ(要求ユーザ)から受け付ける。具体的に説明すると、第1マーケットの利用ユーザ(以下、第1利用ユーザ)は、第1マーケットに出品されているゲーム媒体に関する情報をユーザ端末16にて確認する。また、第1利用ユーザは、取得を希望するゲーム媒体が出品されていれば、第1マーケットにおいて当該ゲーム媒体に対する取得要求を行う。同様に、第2マーケットの利用ユーザ(以下、第2利用ユーザ)は、第2マーケットに出品されているゲーム媒体に関する情報をユーザ端末16にて確認する。また、第2利用ユーザは、取得を希望するゲーム媒体が出品されていれば、第2マーケットにおいて当該ゲーム媒体に対する取得要求を行う。取得要求を行ったユーザのユーザ端末16は、その取得要求の内容を示すデータを生成して送信する。そして、取得要求が行われたマーケットと対応する要求受付部32は、ユーザ端末16から送信される上記のデータを受信することで、当該取得要求を受け付ける。
【0069】
また、第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品された対象ゲーム媒体に対して、第1マーケットにおいて取得要求が行われた場合には、第1サーバ12の要求受付部32が取得要求を受け付ける。また、第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われた場合、第2サーバ14の要求受付部32が取得要求を受け付ける。
【0070】
(連絡部)
連絡部33は、第1サーバ12及び第2サーバ14のそれぞれに備えられている。第1サーバ12の出品受付部31が対象ゲーム媒体の出品を受け付けた場合、第1サーバ12の連絡部33は、第1利用ユーザに対象ゲーム媒体の出品を連絡する。同様に、第2サーバ14の出品受付部31が対象ゲーム媒体の出品を受け付けた場合、第2サーバ14の連絡部33は、第2利用ユーザに対象ゲーム媒体の出品を連絡する。この際、連絡先のユーザは、対象ゲーム媒体を所望のゲーム媒体として「お気に入りリスト」に登録しているユーザに限定してもよい。
【0071】
また、第1サーバ12の要求受付部32が対象ゲーム媒体に対する取得要求を受け付けた場合、第1サーバ12の連絡部33が、第1マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われたことを、第2サーバ14に連絡する。同様に、第2サーバ14の要求受付部32が対象ゲーム媒体に対する取得要求を受け付けた場合、第2サーバ14の連絡部33が、第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われたことを、第1サーバ12に連絡する。これにより、第1マーケット又は第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われた場合に、その取得要求が行われたことをサーバ間で共有することができる。
【0072】
また、第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われたことが第1サーバ12に連絡された場合、第1サーバ12の連絡部33は、その内容を第1利用ユーザに連絡する。同様に、第1マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われたことが第2サーバ14に連絡された場合、第2サーバ14の連絡部33は、その内容を第2利用ユーザに連絡する。さらに、第1マーケット又は第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われた場合に、連絡部33は、その内容を対象ゲーム媒体の出品者である対象ユーザに連絡する。
【0073】
(記憶部)
記憶部34は、第1サーバ12及び第2サーバ14のそれぞれに備えられ、各サーバのストレージ24によって構成されている。記憶部34は、マーケットにおけるゲーム媒体の取引に関連する情報、具体的には、前述したユーザ情報、マーケット情報、第1出品情報、第2出品情報、及び取引代理情報等を記憶している。例えば、第1マーケットにおいてゲーム媒体が出品された場合には、第1サーバ12により第1出品情報が生成され、生成された第1出品情報が第1サーバ12の記憶部34に記憶される。また、第2マーケットにおいてゲーム媒体が出品された場合には、第2サーバ14により第2出品情報が生成され、生成された第2出品情報が第2サーバ14の記憶部34に記憶される。また、第1利用ユーザに対して第2利用ユーザが対象ゲーム媒体の取引代理を依頼した場合、その取引代理に関する情報(取引代理情報)が、第1サーバ12又は第2サーバ14の記憶部34に記憶される。
【0074】
(設定部)
設定部35は、第1サーバ12及び第2サーバ14のいずれか一方に備えられており、あるいは、第1サーバ12及び第2サーバ14の協働によって構成されている。設定部35は、対象ゲーム媒体について、第1マーケット及び第2マーケットの各々の優先順位を設定する。本実施形態において、設定部35は、対象ゲーム媒体を出品した対象ユーザの入力情報に基づいて各マーケットの優先順位を設定する。具体的に説明すると、対象ユーザは、自分のユーザ端末16を操作し、各マーケットの優先順位を指定する。対象ユーザのユーザ端末16は、指定された優先順位のデータを生成して送信し、設定部35は、ユーザ端末16から受信したデータ、換言すると対象ユーザの入力情報に基づいて、各マーケットの優先順位を設定する。このように本実施形態では、設定部35が対象ユーザの入力を受け付けて各マーケットの優先順位を設定し、換言すると、各マーケットの優先順位が手動設定される。
【0075】
また、複数のゲーム媒体が第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品されて複数の対象ゲーム媒体が存在する場合、設定部35は、対象ゲーム媒体毎に、第1マーケット及び第2マーケットの各々の優先順位を設定する。例えば、2つのゲーム媒体W、Xが対象ゲーム媒体に該当する場合、設定部35は、ゲーム媒体W、Xのそれぞれについて第1マーケット及び第2マーケットの各々の優先順位を設定する。
【0076】
また、設定部35は、既に設定された第1マーケット及び第2マーケットの各々の優先順位を変更することが可能である。例えば、各マーケットの優先順位が設定された後に、対象ユーザが、対象ゲーム媒体が出品されたマーケットの状況の変化に応じて各マーケットの優先順位を入力し直す(指定し直す)とする。この場合、設定部35は、対象ユーザの再入力情報に基づいて各マーケットの優先順位を再設定し、これにより、各マーケットの優先順位が更新される。
【0077】
(通知部)
通知部36は、第1サーバ12及び第2サーバ14のいずれか一方に備えられており、あるいは、第1サーバ12及び第2サーバ14の協働によって構成されている。通知部36は、設定部35が第1マーケット及び第2マーケットの各々の優先順位を変更した場合に、優先順位の変更に関する情報を、第1マーケット及び第2マーケットの少なくとも一方の利用ユーザに通知する。ここで、優先順位の変更に関する情報とは、変更後の各マーケットの優先順位でもよく、あるいは、優先順位が変更された旨の情報でもよい。
なお、優先順位の変更に関する情報が通知されるユーザは、第1マーケット及び第2マーケットの少なくとも一方を利用するユーザのうち、対象ゲーム媒体を所望のゲーム媒体として「お気に入りリスト」に登録しているユーザに限定してもよい。ここでの「対象ゲーム媒体」は、第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品された後に各マーケットの優先順位が変更された対象ゲーム媒体である。
【0078】
(処理実行部)
処理実行部37は、第1サーバ12及び第2サーバ14のいずれか一方に備えられており、あるいは、第1サーバ12及び第2サーバ14の協働によって構成されている。処理実行部37は、要求受付部32が対象ゲーム媒体に対する取得要求を受け付けた場合に、その取得要求に基づく処理を実行し、具体的には、対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく取引(以下、便宜的に「対象ゲーム媒体の取引」ともいう)を実行する。
【0079】
より詳しく説明すると、処理実行部37は、対象ゲーム媒体の取引として、対象ゲーム媒体に対する取得要求を行った要求ユーザに対象ゲーム媒体を譲渡する処理と、要求ユーザが所持する価値の数量を対象ゲーム媒体(厳密には、対象ゲーム媒体の譲渡対価)に応じて減算する処理とを実行する。また、処理実行部37は、取引の実行に付随して、対象ユーザが所持する価値の数量を対象ゲーム媒体(厳密には、対象ゲーム媒体の譲渡対価)に応じて加算する処理を実行してもよい。さらに、処理実行部37は、第1マーケット及び第2マーケットのうち、対象ゲーム媒体の取引が実行されなかった非取引マーケットにおける対象ゲーム媒体の出品を取り下げる処理と、非取引マーケットにおいて行われた対象ゲーム媒体に対する取得要求を無効にする処理とを、さらに実行してもよい。
【0080】
本実施形態において、処理実行部37は、対象ゲーム媒体の取引を、第1マーケット及び第2マーケットの各々に設定された優先順位に応じて実行する。具体的に説明すると、例えば、第1マーケットの優先順位が第2マーケットの優先順位より高い状況で、対象ゲーム媒体に対する取得要求が第1マーケット及び第2マーケットの各々で行われたとする。この場合、前述のケース1で説明した通り、処理実行部37は、第1マーケットにおける対象ゲーム媒体の取引を優先し、第2マーケットにおける対象ゲーム媒体の取引を見送る。
【0081】
また、第1マーケットの優先順位が第2マーケットの優先順位より高く設定された状況で、第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われたとする。また、第2マーケットにおいて取得要求が行われてから前述の制限時間が経過するまでの間に第1マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われたとする。この場合、前述のケース2で説明した通り、処理実行部37は、第1マーケットにおける対象ゲーム媒体の取引を優先し、第2マーケットにおける対象ゲーム媒体の取引を見送る。他方、上記の制限時間が経過するまでの間に、第1マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われない場合、処理実行部37は、上記の制限時間が経過した段階で、第2マーケットにおける対象ゲーム媒体の取引を実行する。また、上記の制限時間が経過するまでの間に、対象ユーザの承諾が得られた場合、前述のケース3で説明した通り、処理実行部37は、制限時間が経過する前の時点で、第2マーケットにおける対象ゲーム媒体の取引を実行する。
【0082】
また、第1マーケット及び第2マーケットのうち、優先順位がより高い高順位マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われたとする。この場合、高順位マーケットよりも優先順位が高いマーケットが存在しなければ、前述のケース4で説明した通り、処理実行部37は、高順位マーケットにおける対象ゲーム媒体の取引を実行する。
【0083】
また、第1マーケットの優先順位が第2マーケットの優先順位より高い状況で、第1利用ユーザに対して第2利用ユーザが対象ゲーム媒体の取引代理を依頼した場合、処理実行部37は、前述のケース5で説明した通り、取引代理に関する一連の処理を実行する。具体的には、上記の取引代理に関する情報(取引代理情報)が記憶部34に記憶されている場合に、第1利用ユーザが第1マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求を行う。これにより、処理実行部37は、第1利用ユーザの取得要求に基づく対象ゲーム媒体の取引を実行する。その後、処理実行部37は、第1利用ユーザにより取得された対象ゲーム媒体を第2マーケットにおいて第2利用ユーザに取得可能とさせる処理として、その対象ゲーム媒体を第2マーケットにのみ出品させる処理を実行する。そして、第2利用ユーザが第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求を行うと、処理実行部37が、第2利用ユーザの取得要求に基づく対象ゲーム媒体の取引を実行する。これにより、第2利用ユーザは、対象ゲーム媒体を第2マーケットにて取得(購入)することができる。
【0084】
(報知部)
報知部38は、第1サーバ12及び第2サーバ14のいずれか一方に備えられており、あるいは、第1サーバ12及び第2サーバ14の協働によって構成されている。報知部38は、対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われたことを、第1マーケット又は第2マーケットの利用ユーザに報知する。例えば、第1マーケットの優先順位が第2マーケットの優先順位より高く設定された状況で、対象ゲーム媒体に対する取得要求が第2マーケットにて行われたとする。この場合に、報知部38は、その取得要求が行われてから制限時間が経過する前に、当該取得要求が行われたことを第1利用ユーザに報知する。この際、報知部38は、第1利用ユーザが使用するユーザ端末16の画面に、第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われてから制限時間が経過する時点までの残り時間を表示させる。
【0085】
なお、制限時間は、一定であってもよく、状況に応じて適宜変更されてもよい。また、制限時間は、対象ユーザの入力情報に基づいて決められてもよく、あるいは、対象ゲーム媒体に関する情報に基づいて自動的に決められてもよい。後者の場合、制限時間は、例えば、第1マーケット又は第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体を取得するのに必要な価値、すなわち対象ゲーム媒体の譲渡対価に応じて決定されてもよい。この場合、対象ゲーム媒体の譲渡対価が高い場合の方が、低い場合よりも制限時間を長くしてもよく、例えば、対象ゲーム媒体の譲渡対価が高くなるほど、制限時間がより長い時間としてもよい。
【0086】
(表示制御部)
表示制御部39は、第1サーバ12及び第2サーバ14のそれぞれに備えられており、対象ゲーム媒体に関連した情報を、各マーケットの利用ユーザが使用するユーザ端末16の画面に表示させる。図14を参照しながら具体的に説明すると、第1サーバ12の表示制御部39は、第1利用ユーザのユーザ端末16を制御し、ユーザ端末16の画面に、第1マーケットに出品された対象ゲーム媒体に関する情報を表示させる。このとき、画面には、その対象ゲーム媒体について設定された第1マーケットの優先順位に基づく情報が併せて表示される。
同様に、第2サーバ14の表示制御部39は、第2マーケットの利用ユーザのユーザ端末16を制御し、ユーザ端末16の画面に、第2マーケットに出品された対象ゲーム媒体に関する情報を表示させる。このとき、画面には、その対象ゲーム媒体について設定された第2マーケットの優先順位に基づく情報が併せて表示される。
【0087】
ここで、表示制御部39によって表示される対象ゲーム媒体に関する情報としては、例えば、対象ゲーム媒体の種類、その出品者である対象ユーザの名前又はユーザID、及び、対象ゲーム媒体の譲渡対価等が挙げられる。また、あるマーケットの優先順位に基づく情報としては、あるマーケットの優先順位、他のマーケットの優先順位、あるマーケットよりも優先順位が高いマーケットが存在しないこと、及び、あるマーケットよりも優先順位が高いマーケットが存在する場合に当該マーケットの優先順位等が挙げられる。
【0088】
[本実施形態に係る情報処理方法について]
本実施形態に係る情報処理システムを用いた情報処理フローとして、対象ゲーム媒体の取引に関するフロー(以下、ゲーム媒体取引フローと称する)について説明する。ゲーム媒体取引フローは、本発明の一つの実施形態に係る情報処理方法を採用している。換言すると、以下に説明するゲーム媒体取引フロー中の各ステップは、本発明の一つの実施形態に係る情報処理方法の構成要素に該当する。
なお、以下に説明するゲーム媒体取引フローは、あくまでも一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、ステップの実施順序を入れ替えてもよい。
【0089】
ゲーム媒体取引フロー中の各ステップは、本実施形態に係る情報処理システム10を構成する第1サーバ12及び第2サーバ14の各々のプロセッサ21により実施される。以下では、ゲーム媒体取引フローの手順について、幾つかの例を挙げて説明することとする。
また、以下の説明において、「ゲーム媒体X」は、対象ゲーム媒体であり、「ユーザA」は、ゲーム媒体Xを出品した対象ユーザである。また、「ユーザB」は、第1マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求を行う要求ユーザであり、「ユーザC」は、第2マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求を行う要求ユーザである。また、以下の説明では、特に断る場合を除き、第1マーケットの優先順位が第2マーケットの順位よりも高く設定されていることとする。
【0090】
ゲーム媒体取引フローの開始に際して、ユーザBが使用するユーザ端末16の画面には、図14に示すように、ゲーム媒体Xに関する情報と、ゲーム媒体Xについて設定された第1マーケットの優先順位に基づく情報が表示される。同様に、ユーザCが使用するユーザ端末16の画面には、ゲーム媒体Xに関する情報と、ゲーム媒体Xについて設定された第2マーケットの優先順位に基づく情報が表示される。
【0091】
ユーザB及びユーザCの各々は、ユーザ端末16の画面に表示された情報を確認しながら、ゲーム媒体Xを取得するかどうかを検討し、ゲーム媒体Xの取得を希望する場合には、ユーザ端末16を通じてゲーム媒体Xに対する取得要求を行う。以降の手順は、主として、4つのパターンに分かれる。以下、パターン毎にゲーム媒体取引フローについて説明することとする。
【0092】
(第1のパターン)
ゲーム媒体取引フローの第1のパターンは、前述のケース1に相当し、図15に示す流れに沿って進行する。具体的に説明すると、ゲーム媒体Xが第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品されている状態において、ユーザBが第1マーケットにてゲーム媒体Xに対する取得要求を行い、ユーザCが第2マーケットにてゲーム媒体Xに対する取得要求を行う。第1サーバ12及び第2サーバ14の各々のプロセッサ21は、ユーザB及びユーザCの各々のゲーム媒体Xに対する取得要求を受け付ける(S001)。これに伴い、第1サーバ12のプロセッサ21は、第1マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求が行われたことを第2サーバ14に連絡する(S002)。また、第2サーバ14のプロセッサ21は、第2マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求が行われたことを第1サーバ12に連絡する(S002)。
【0093】
そして、第1のパターンにおいて、プロセッサ21は、優先順位がより高い第1マーケットにおいて行われた取得要求、すなわちユーザBの取得要求を優先的に処理し、ユーザBの取得要求に基づく取引を優先して実行する(S003)。これにより、ユーザBは、第1マーケットにおいてゲーム媒体Xを取得することができる。
なお、図15には図示しないが、上記の取引の実行に伴い、プロセッサ21は、ユーザBの第1価値の所持数を、ゲーム媒体Xの譲渡対価に応じて減算し、ユーザAの第1価値の所持数を、ゲーム媒体Xの譲渡対価に応じて加算する。また、プロセッサ21は、ユーザBが第1マーケットでゲーム媒体Xを取得すると、第2マーケットにおける対象ゲーム媒体に対するユーザCの取得要求を無効にする。さらに、プロセッサ21は、第2マーケットにおけるゲーム媒体Xの出品を取り下げて、第2マーケットにおけるゲーム媒体Xの譲渡(取引)を制限する。
【0094】
(第2のパターン)
ゲーム媒体取引フローの第2のパターンは、前述のケース2又はケース3に相当し、図16に示す流れに沿って進行する。具体的に説明すると、ゲーム媒体Xが第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品されている状態において、ユーザCが第2マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求を行う。第2サーバ14のプロセッサ21は、ユーザCのゲーム媒体Xに対する取得要求を受け付ける(S011)。これに伴い、第2サーバ14のプロセッサ21は、第2マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求が行われたことを、第1サーバ12及びユーザAに連絡する(S012)。
【0095】
また、プロセッサ21は、第2マーケットにおけるゲーム媒体Xに対するユーザCの取得要求を受け付けた時点にて、制限時間のカウントダウンを開始する。また、プロセッサ21は、その制限時間が経過する前の時点で、第2マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求が行われたことを、第1利用ユーザであるユーザBに報知する(S013)。このとき、プロセッサ21は、ユーザBが使用するユーザ端末16の画面に上記の制限時間の残り時間を表示させる。
【0096】
そして、制限時間が経過する前の時点で、第1マーケットにおいてユーザBがゲーム媒体Xに対する取得要求を行うと(S014でYes)、プロセッサ21は、ユーザBの取得要求を受け付けて、当該取得要求に基づくゲーム媒体Xの取引を実行する(S015)。これにより、ユーザBは、第2マーケットにおけるゲーム媒体Xに対する取得要求が行われた後であっても、制限時間内に第1マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求を行うことで、ゲーム媒体Xを優先的に取得することができる。
なお、上記の取引の実行に伴い、プロセッサ21は、ゲーム媒体Xの譲渡対価に応じて、ユーザBの第1価値の所持数を減算し、ユーザAの第1価値の所持数を加算する。また、プロセッサ21は、第2マーケットにおける対象ゲーム媒体に対するユーザCの取得要求を無効にし、第2マーケットにおけるゲーム媒体Xの出品を取り下げる。
【0097】
一方、第1マーケットにおいてユーザBがゲーム媒体Xに対する取得要求が行われずに、上記の制限時間が経過したとする(S014でNo、且つ、S016でYes)。この場合、プロセッサ21は、第2マーケットにおけるゲーム媒体Xに対する取得要求、すなわちステップS011で受け付けたユーザCの取得要求に基づく取引を実行する(S017)。つまり、ユーザCは、第2マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求を行った後、制限時間が経過することを条件としてゲーム媒体Xを取得(購入)することができる。また、制限時間が経過する前であっても、ユーザAの承諾が得られた場合には(S016でNo、且つ、S018でYes)、プロセッサ21は、ゲーム媒体Xに対するユーザCの取得要求に基づく取引を実行する(S017)。
なお、上記の取引の実行に伴い、プロセッサ21は、ゲーム媒体Xの譲渡対価に応じて、ユーザCの第2価値の所持数を減算し、ユーザAの第2価値の所持数を加算する。また、プロセッサ21は、第1マーケットにおけるゲーム媒体Xの出品を取り下げる。
【0098】
(第3のパターン)
ゲーム媒体取引フローの第3のパターンは、前述のケース4に相当し、図17に示す流れに沿って進行する。具体的に説明すると、ゲーム媒体Xが第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品されている状態において、ユーザBが第1マーケットにてゲーム媒体Xに対する取得要求を行う。第1サーバ12のプロセッサ21は、ユーザBのゲーム媒体Xに対する取得要求を受け付ける(S021)。この場合、第1サーバ12のプロセッサ21は、第1マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求が行われたことを第2サーバ14に連絡する(S022)。
【0099】
そして、第1マーケットよりも優先順位が高い他のマーケットが存在しない場合には、プロセッサ21は、第1マーケットにおけるゲーム媒体Xに対するユーザBの取得要求に基づく取引を実行する(S023)。つまり、第1マーケットよりも優先順位が高いマーケットが他に存在しなければ、ユーザBは、第1マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求を行うことで、前述の制限時間の経過を待つことなく、ゲーム媒体Xを取得することができる。
なお、上記の取引の実行に伴い、プロセッサ21は、ゲーム媒体Xの譲渡対価に応じて、ユーザBの第1価値の所持数を減算し、ユーザAの第1価値の所持数を加算する。また、プロセッサ21は、第2マーケットにおけるゲーム媒体Xの出品を取り下げる。
【0100】
(第4のパターン)
ゲーム媒体取引フローの第4のパターンは、前述のケース5に相当し、図18に示す流れに沿って進行する。具体的に説明すると、ゲーム媒体Xが第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品されている状態において、ユーザCがユーザBに対してゲーム媒体Xの取引代理を依頼する。なお、ユーザCは、ゲーム媒体Xを所望のゲーム媒体として「お気に入りリスト」に登録しており、その情報は、ゲーム媒体の登録情報として記憶部34に記憶されている。
【0101】
ユーザBが取引代理の依頼を承諾すると、ユーザB又はユーザCが、ユーザ端末16を通じて上記の取引代理に関する情報を入力し、その情報が取引代理情報としてユーザ端末16から送信される。ユーザ端末16から送信された取引代理情報は、第1サーバ12又は第2サーバ14によって受信され、プロセッサ21が、受信された取引代理情報を記憶部34に記憶する(S031)。その後、取引代理を依頼されたユーザBが、第1マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求を行うと、第1サーバ12のプロセッサ21が、ゲーム媒体Xに対するユーザBの取得要求を受け付ける(S032)。これに伴い、第1サーバ12のプロセッサ21は、第1マーケットにおいてゲーム媒体Xに対する取得要求が行われたことを第2サーバ14に連絡する(S033)。
【0102】
そして、プロセッサ21は、第1マーケットにおけるゲーム媒体Xに対する取得要求、すなわちユーザBの取得要求に基づく取引を実行する(S034)。これにより、ユーザBは、ゲーム媒体Xを取得する。また、上記の取引の実行に伴い、プロセッサ21は、ゲーム媒体Xの譲渡対価に応じて、ユーザBの第1価値の所持数を減算し、ユーザAの第1価値の所持数を加算する。また、プロセッサ21は、第2マーケットにおけるゲーム媒体Xの出品を一度取り下げる。
【0103】
その後、ユーザBは、ユーザ端末16を操作して、ユーザBが取得したゲーム媒体Xを第2マーケットにのみ出品し、第2サーバ14のプロセッサ21が、ユーザBによるゲーム媒体Xの出品を受け付ける(S035)。この際、ユーザBは、ユーザCの第2価値の所持数を踏まえて、ゲーム媒体Xの譲渡対価(販売価格)を指定してもよい。また、プロセッサ21は、第2マーケットにゲーム媒体Xが出品されたことを、第2マーケットの利用ユーザに連絡する(S036)。このときの連絡先となるユーザは、取引代行を依頼したユーザCに限定してもよい。
【0104】
その後、第2マーケットにおいてユーザCがゲーム媒体Xに対する取得要求を行うと、プロセッサ21は、その取得要求を受け付けて(S037)、当該取得要求に基づく取引を実行する(S038)。これにより、ユーザCは、第2マーケットにおいてゲーム媒体Xを取得する。また、取引の実行に伴い、プロセッサ21は、ゲーム媒体Xの譲渡対価に応じて、ユーザCの第2価値の所持数を減算し、ユーザBの第2価値の所持数を加算する。
【0105】
[その他の実施形態]
以上までに、本発明の情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関して、一つの具体例を挙げて説明してきたが、上述した実施形態は、あくまでも一例に過ぎず、他の実施形態も考えられ得る。また、本発明には、その等価物が含まれる。
また、上記の実施形態の説明の中で参照された図面が示す画面例も一例に過ぎない。すなわち、上述した画面の構成例、画面に表示される情報の内容、及びGUI(Graphical User Interface)等は、システム設計の仕様及びユーザの好み等に応じて自由に設計することができ、また適宜変更し得るものである。
【0106】
また、上記の実施形態における情報の通知、連絡、報知(以下、通知等)について、その具体的手段は、特に限定されない。例えば、メールによる通知等でもよく、ユーザ端末16の画面にメッセージを表示したり音/音声を再生したりすることで通知等を行ってもよい。また、SNS用アカウント(SNSのサイトに記事や画像等を投稿したり、SNS利用者同士でメッセージ等を交換したりするためのアカウント)を有するユーザに対して情報の通知等を行う場合には、SNSでの投稿やメッセージ交換等を活用してもよい。また、メッセージ等を表示させる画面は、ゲームのプレイ中の待機画面でもよく、あるいは、ユーザ端末16の初期画面(待ち受け画面)であってもよい。
【0107】
また、上記の実施形態における「端末の表示画面」は、端末自体に備わった表示機器によって構成される画面でもよく、あるいは、端末に有線又は無線形式で接続された表示機器によって構成される画面でもよい。端末に接続された表示機器には、一般的な据え置き型のディスプレイの他に、VRゴーグル等のHMD(Head Mounted Display)が含まれ得る。
【0108】
また、上記の実施形態では、サーバコンピュータ、厳密には複数のサーバが本発明の情報処理システムとしての機能を発揮しているが、本発明の情報処理システムの機能のうちの一部が、ユーザ端末16に備わっていてもよい。その場合には、複数のサーバとユーザ端末16との協働によって本発明の情報処理システムが構成されることになる。
【0109】
(優先順位の設定に関する変形例)
上記の実施形態では、情報処理システム10が備える一つの機能としての設定部35が、対象ゲーム媒体を出品した対象ユーザの入力情報に基づいて、第1マーケット及び第2マーケットの各々の優先順位を設定することとした。ただし、これに限定されず、設定部35は、対象ユーザによる第1マーケット及び第2マーケットの各々の利用実績に基づいて、各マーケットの優先順位を自動的に設定してもよい。この場合、例えば、設定部35は、対象ユーザの利用回数、利用頻度、又はマーケットにてこれまでに使用した価値の総数がより多い方のマーケットの優先順位を、より高く設定してもよい。
【0110】
(情報処理システムが備える機能部の構成に関する変形例)
上記の実施形態では、情報処理システム10の機能である設定部35、通知部36、処理実行部37及び報知部38が、第1サーバ12及び第2サーバ14のいずれか一方に備えられており、あるいは、2つのサーバの協働によって構成されることとした。ただし、これに限定されず、上記の機能部が第1サーバ12及び第2サーバ14のそれぞれに備わってもよい。
また、情報処理システム10が備える機能部のすべてが、第1サーバ12及び第2サーバ14の一方にのみ備えられてもよいし、あるいは、第1サーバ12及び第2サーバ14の協働によって構成されてもよい。
【0111】
(取引に使用される価値の変形例)
上記の実施形態では、第1マーケットでの取引に用いられる価値(第1価値)が、ゲーム内通貨であり、第2マーケットでの取引に用いられる価値(第2価値)が、金銭又は暗号資産であることとした。ただし、これに限定されず、第1価値が、金銭又は暗号資産であり、第2価値が、ゲーム内通貨でもよい。また、第1価値が、金銭であり、第2価値が暗号資産であってもよく、あるいは、その逆でもよい。また、第1価値と第2価値が、同じ種類の価値、例えば、いずれの価値も金銭、暗号資産又はゲーム内通貨であってもよい。
【0112】
(取引対象、及び取引内容の変形例)
上記の実施形態では、ユーザが所有するゲーム媒体をマーケットにおける取引対象とする例について説明したが、取引対象はゲーム媒体に限られず、各種のデジタルコンテンツや有体物であってもよい。また、上記の実施形態では、ゲーム媒体の譲渡(売買)を取引の例として説明したが、取引は、譲渡取引に限られず、貸与の取引であってもよい。
【0113】
(取引代理に関する変形例)
上記の実施形態では、第1マーケットの優先順位が第2マーケットの優先順位より高く設定された状況で、第1利用ユーザに対し、第2利用ユーザが対象ゲーム媒体の取引代理を依頼することとした。また、取引代理を依頼された第1利用ユーザが第1マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求を行うと、その取得要求に基づく対象ゲーム媒体の取引が実行されることとした。そして、上記の実施形態では、第1利用ユーザにより取得された対象ゲーム媒体を第2マーケットで第2利用ユーザに取得可能とさせる目的で、当該対象ゲーム媒体を第2マーケットにのみ出品させることとした。ただし、これに限定されず、第1利用ユーザにより取得された対象ゲーム媒体が、価値との交換(具体的には、第2価値の支払い)を条件にして、第1利用ユーザから第2利用ユーザへ直接譲渡されてもよい。
【0114】
なお、以上までに説明してきた具体的な実施形態(変形例を含む)については、それぞれの実施形態の要素及び特徴を適宜組み合わせてもよい。すなわち、本発明に関する複数の実施形態のうち、いずれかの実施形態における構成が、それ以外の実施形態でも適用可能であり、その構成がもたらす効果が同様に奏されてもよい。
【0115】
[まとめ]
本発明の目的の一つは、マーケットにおいてユーザがゲーム媒体の取引を適切に行うことである。
また、本発明の目的の一つは、ユーザがゲーム媒体の取引を行う機会を得やすくすることである。
より具体的には、以下に示す[付記1]~[付記17]に対応する課題を解決することを目的とする。
【0116】
[付記1]
本発明の目的の一つは、付記1に対応する課題を解決することであり、具体的には、好ましい条件でゲーム媒体の取引を行う機会をユーザに付与し易くすることである。
上記の課題を解決するために、付記1に係る情報処理システムは、ゲームにて対象ユーザが所有するゲーム媒体のうち、第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品された対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく処理を、第1マーケット及び第2マーケットの各々に設定された優先順位に応じて実行する処理実行部を備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、第1マーケット及び第2マーケットのそれぞれの優先順位に応じて、対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく処理を実行することで、優先順位がより高いマーケットにおける対象ゲーム媒体の取引を優先することができる。これにより、ユーザ、特に対象ゲーム媒体を出品した対象ユーザは、好ましい条件で対象ゲーム媒体の取引を行い易くなる。
【0117】
[付記2]
本発明の目的の一つは、付記2に対応する課題を解決することであり、具体的には、ユーザの意向を各マーケットの優先順位に反映させることである。
付記2に係る情報処理システムとしては、上記の課題を解決するための構成を有するものがよい。すなわち、上記付記1に記載の情報処理システムは、対象ユーザの入力情報に基づいて、第1マーケット及び第2マーケットの各々の優先順位を設定する設定部を有すると、より好適である。
上記の構成によれば、各マーケットの優先順位が、対象ユーザの入力情報に基づいて設定されるため、対象ユーザの意向を各マーケットの優先順位に反映させることができる。これにより、対象ユーザは、自分が望むマーケットにて対象ゲーム媒体の取引を行いやすくなる。
【0118】
[付記3]
本発明の目的の一つは、付記3に対応する課題を解決することであり、具体的には、ユーザによるマーケットの利用実績を各マーケットの優先順位に反映させることである。
付記3に係る情報処理システムとしては、上記の課題を解決するための構成を有するものがよい。すなわち、上記付記1に記載の情報処理システムは、対象ユーザによる、第1マーケット及び第2マーケットの各々の利用実績に基づいて、第1マーケット及び第2マーケットの各々の優先順位を設定する設定部を有すると、より好適である。
上記の構成によれば、各マーケットの優先順位が、対象ユーザによる各マーケットの利用実績に基づいて設定されるため、各マーケットについて、対象ユーザによる利用実績を基に適切な優先順位を設定することができる。これにより、対象ユーザは、例えば、頻繁に利用するマーケットにて対象ゲーム媒体の取引を行いやすくなる。
【0119】
[付記4]
本発明の目的の一つは、付記4に対応する課題を解決することであり、具体的には、対象ゲーム媒体が複数存在する場合に、それぞれの対象ゲーム媒体の取引を好ましい条件で行うことである。
付記4に係る情報処理システムとしては、上記の課題を解決するための構成を有するものがよい。すなわち、上記付記2又は3に記載の情報処理システムにおいて、上記の設定部は、対象ゲーム媒体毎に、第1マーケット及び第2マーケットの各々の優先順位を設定すると、より好適である。
上記の構成によれば、各マーケットの優先順位が対象ゲーム媒体毎に設定されるため、対象ゲーム媒体毎に、優先順位がより高いマーケットにおける対象ゲーム媒体の取引を優先することができる。これにより、対象ユーザは、それぞれの対象ゲーム媒体について、好ましい条件で取引を行うことができる。
【0120】
[付記5]
本発明の目的の一つは、付記5に対応する課題を解決することであり、具体的には、優先順位の変更に対してユーザが適切に応答し得ることである。
付記5に係る情報処理システムとしては、上記の課題を解決するための構成を有するものがよい。すなわち、上記付記2~4のいずれかに記載の情報処理システムにおいて、上記の設定部は、第1マーケット及び第2マーケットの各々の優先順位を変更することが可能であり、優先順位の変更に関する情報を、第1マーケット及び第2マーケットの少なくとも一方の利用ユーザに通知する通知部を有すると、より好適である。
上記の構成によれば、各マーケットの優先順位が変更された場合に、その変更に関する情報を、第1マーケット及び第2マーケットのうち、少なくとも一方のマーケットの利用ユーザに通知することができる。この結果、利用ユーザは、優先順位の変更を認識することができるため、優先順位の変更に対して適切な措置を講じることができる。例えば、第2マーケットの優先順位が第1マーケットの優先順位よりも高くなった場合、第2マーケットの利用ユーザにとって、対象ゲーム媒体に対する取得要求を行い易くなり、結果として、第2マーケットにおける取引が活性化される。
【0121】
[付記6]
本発明の目的の一つは、付記6に対応する課題を解決することであり、具体的には、ユーザにとって好ましいマーケットでの取引を優先することである。
付記6に係る情報処理システムとしては、上記の課題を解決するための構成を有するものがよい。すなわち、上記付記1~5のいずれかに記載の情報処理システムにおいて、対象ゲーム媒体に対する取得要求が第1マーケット及び第2マーケットの各々で行われた場合、処理実行部は、第1マーケットの優先順位が第2マーケットの優先順位よりも高いときには、第1マーケットにおける対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく取引を優先すると、より好適である。
上記の構成によれば、対象ゲーム媒体に対する取得要求が第1マーケット及び第2マーケットの各々で行われた場合に、優先順位がより高い第1マーケットにおける取得要求に基づく取引を優先する。これにより、対象ゲーム媒体を出品した対象ユーザは、より好ましい第1マーケットにおいて対象ゲーム媒体の取引を行うことができる。
【0122】
[付記7]
本発明の目的の一つは、付記7に対応する課題を解決することであり、具体的には、各マーケットの優先順位を反映してゲーム媒体の取引の機会を確保することである。
付記7に係る情報処理システムとしては、上記の課題を解決するための構成を有するものがよい。すなわち、上記付記1~6のいずれかに記載の情報処理システムにおいて、第1マーケットの優先順位が第2マーケットの優先順位よりも高く設定され、第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われてから所定時間が経過するまでの間に第1マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われない場合、処理実行部は、第2マーケットにおける対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく取引を実行すると、より好適である。
上記の構成によれば、第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われてから所定時間が経過するまでの間は、優先順位がより高い第1マーケットの利用ユーザに時間的な猶予(猶予期間)が与えられる。この猶予期間中に、第1マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求があれば、第1マーケットにおける取得要求に基づく処理が優先される。これにより、対象ゲーム媒体を出品した対象ユーザは、より好ましい第1マーケットにおいて対象ゲーム媒体の取引を行うことができる。
【0123】
[付記8]
本発明の目的の一つは、付記8に対応する課題を解決することであり、具体的には、優先順位が高いマーケットにおいて対象ゲーム媒体の取引の可能性を向上させることである。
付記8に係る情報処理システムとしては、上記の課題を解決するための構成を有するものがよい。すなわち、上記付記7に記載の情報処理システムは、第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われたことを、所定時間が経過する前に、第1マーケットの利用ユーザに報知する報知部をさらに有すると、より好適である。
上記の構成によれば、第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われたことを、第1マーケットの利用ユーザ(第1利用ユーザ)に報知する。これにより、第1利用ユーザに対して、対象ゲーム媒体に対する取得要求を行うように意識付け(動機付け)を実施することができる。
【0124】
[付記9]
本発明の目的の一つは、付記9に対応する課題を解決することであり、具体的には、優先順位が高いマーケットにおいて対象ゲーム媒体の取引の可能性をより向上させることである。
付記9に係る情報処理システムとしては、上記の課題を解決するための構成を有するものがよい。すなわち、上記付記8に記載の情報処理システムにおいて、上記の報知部は、第1マーケットの利用ユーザが使用する端末の画面に、第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われてから所定時間が経過する時点までの残り時間を表示させると、より好適である。
上記の構成によれば、第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われてから所定時間が経過する時点までの残り時間を、優先順位がより高い第1マーケットの利用ユーザが使用する端末に表示させる。これにより、第1利用ユーザに対して、より容易に、対象ゲーム媒体に対する取得要求を行うように意識付け(動機付け)を実施することができる。
【0125】
[付記10]
本発明の目的の一つは、付記10に対応する課題を解決することであり、具体的には、対象ゲーム媒体の価値に応じて、優先順位が高いマーケットにおける取引の可能性を向上させることである。
付記10に係る情報処理システムとしては、上記の課題を解決するための構成を有するものがよい。すなわち、上記付記7~9のいずれかに記載の情報処理システムにおいて、所定時間は、第1マーケット又は第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体を取得するのに必要な価値に応じて決定されると、より好適である。
上記の構成によれば、優先順位がより高い第1マーケットの利用ユーザに対して付与される猶予期間、すなわち、第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われてから所定時間が経過するまでの期間が、対象ゲーム媒体の希少度や人気等に応じて決められる。これにより、第1利用ユーザに対して、さらに容易に、対象ゲーム媒体に対する取得要求を行うように意識付け(動機付け)を実施することができる。
【0126】
[付記11]
本発明の目的の一つは、付記11に対応する課題を解決することであり、具体的には、対象ゲーム媒体の取引を円滑に実行することである。
付記11に係る情報処理システムとしては、上記の課題を解決するための構成を有するものがよい。すなわち、上記付記7~10のいずれかに記載の情報処理システムにおいて、第2マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われてから所定時間が経過するまでの間に、対象ユーザの承諾が得られた場合、処理実行部は、所定時間が経過する前の時点で、第2マーケットにおける対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく取引を実行すると、より好適である。
上記の構成によれば、対象ユーザの承諾が得られた場合には、上記の所定時間が経過する前の時点であっても、第2マーケットにおける対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく取引を実行する。これにより、第2マーケットにおける対象ゲーム媒体の取引を、より円滑に実行することができる。
【0127】
[付記12]
本発明の目的の一つは、付記12に対応する課題を解決することであり、具体的には、優先順位がより高いマーケットにおける対象ゲーム媒体の取引を優先することである。
付記12に係る情報処理システムとしては、上記の課題を解決するための構成を有するものがよい。すなわち、上記付記1~11のいずれかに記載の情報処理システムにおいて、第1マーケット及び第2マーケットのうち、優先順位がより高い高順位マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われた場合、処理実行部は、高順位マーケットにおける対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく取引を実行すると、より好適である。
上記の構成によれば、高順位マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求が行われた場合には、それを契機として、その取得要求に基づく取引が実行される。つまり、高順位マーケットにおける対象ゲーム媒体に対する取得要求は、優先的に処理される。この結果、対象ユーザは、より好ましい条件(マーケット)で対象ゲーム媒体の取引を行うことができる。
【0128】
[付記13]
本発明の目的の一つは、付記13に対応する課題を解決することであり、具体的には、対象ゲーム媒体の取引に適切なマーケットを、ユーザが認識できるようにすることである。
付記13に係る情報処理システムとしては、上記の課題を解決するための構成を有するとよい。すなわち、上記の付記1~12のいずれかに記載の情報処理システムは、第1マーケットに出品された対象ゲーム媒体に関する情報を表示させる画面に、対象ゲーム媒体について設定された第1マーケットの優先順位に基づく情報を表示させ、第2マーケットに出品された対象ゲーム媒体に関する情報を表示させる画面に、対象ゲーム媒体について設定された第2マーケットの優先順位に基づく情報を表示させる表示制御部をさらに有すると、より好適である。
上記の構成によれば、第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品された対象ゲーム媒体に関する情報を表示させる画面に、各マーケットの優先順位に基づく情報が表示される。各ユーザは、画面に表示された情報を見て、自分が利用するマーケットの優先順位等を確認し、対象ゲーム媒体に対する取得要求等、対象ゲーム媒体の取引に関する措置を、上記の情報に応じて適切に講じることができる。
【0129】
[付記14]
本発明の目的の一つは、付記14に対応する課題を解決することであり、具体的には、優先順位が低いマーケットの利用ユーザに対しても所望のゲーム媒体を取得できる機会を提供することである。
付記14に係る情報処理システムとしては、上記の課題を解決するための構成を有するものがよい。すなわち、上記付記1~13のいずれかに記載の情報処理システムにおいて、第1マーケットの優先順位が第2マーケットの優先順位よりも高く設定されており、且つ、第1マーケットを利用可能な第1利用ユーザに対して、第2マーケットを利用可能な第2利用ユーザが依頼した、対象ゲーム媒体の取引代理に関する情報が記憶部に記憶されている場合に、第1利用ユーザが第1マーケットにおいて対象ゲーム媒体に対する取得要求を行うと、処理実行部が、第1利用ユーザによる取得要求に基づく対象ゲーム媒体の取引を実行した後に、第1利用ユーザにより取得された対象ゲーム媒体を第2マーケットにおいて第2利用ユーザに取得可能とさせる処理を実行すると、より好適である。
上記の構成によれば、優先順位がより低い第2マーケットの利用ユーザであっても、優先順位がより高い第1マーケットの利用ユーザに対して取引代理を依頼することにより、所望のゲーム媒体(対象ゲーム媒体)を第2マーケットにおいて取得できる。
【0130】
[付記15]
本発明の目的の一つは、付記15に対応する課題を解決することであり、具体的には、対象ゲーム媒体と対価との交換を適切に実行することである。
付記15に係る情報処理システムとしては、上記の課題を解決するための構成を有するものがよい。すなわち、上記付記6~14のいずれか一項に記載の情報処理システムにおいて、処理実行部は、対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく取引として、対象ゲーム媒体に対する取得要求を行った要求ユーザに対象ゲーム媒体を譲渡する処理と、要求ユーザが所持する価値の数量を対象ゲーム媒体に応じて減算する処理とを実行すると、より好適である。
上記の構成によれば、対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく取引として、その取引に必要な一連の処理が実行されることにより、上記の取引を適切に実行することができる。
【0131】
[付記16]
本発明の目的の一つは、付記16に対応する課題を解決することであり、具体的には、好ましい条件でゲーム媒体の取引を行う機会をユーザに付与し易くする情報処理方法を提供することである。
付記16に係る情報処理方法は、上記の課題を解決するための構成を有し、具体的には、プロセッサが、ゲームにて対象ユーザが所有するゲーム媒体のうち、第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品された対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく処理を、第1マーケット及び第2マーケットの各々に設定された優先順位に応じて実行することを特徴とする。
上記の情報処理方法によれば、ユーザ、特に対象ゲーム媒体を出品した対象ユーザは、好ましい条件で対象ゲーム媒体の取引を行い易くなる。
【0132】
[付記17]
本発明の目的の一つは、付記17に対応する課題を解決することであり、具体的には、好ましい条件でゲーム媒体の取引を行う機会をユーザに付与し易くするプログラムを提供することである。
付記17に係るプログラムは、上記の課題を解決するための構成を有し、具体的には、プロセッサに、ゲームにて対象ユーザが所有するゲーム媒体のうち、第1マーケット及び第2マーケットの双方に出品された対象ゲーム媒体に対する取得要求に基づく処理を、第1マーケット及び第2マーケットの各々に設定された優先順位に応じて実行させるプログラムである。
上記のプログラムをプロセッサに実行させることで、ユーザ、特に対象ゲーム媒体を出品した対象ユーザは、好ましい条件で対象ゲーム媒体の取引を行い易くなる。
【符号の説明】
【0133】
10 情報処理システム
12 第1サーバ
14 第2サーバ
16 ユーザ端末
21 プロセッサ
22 メモリ
23 通信用インタフェース
24 ストレージ
25 バス
31 出品受付部
32 要求受付部
33 連絡部
34 記憶部
35 設定部
36 通知部
37 処理実行部
38 報知部
39 表示制御部
N ネットワーク
S マーケット用システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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