(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005380
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20230101AFI20240110BHJP
G06Q 10/08 20240101ALI20240110BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
G06Q50/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105539
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】512139135
【氏名又は名称】ココネット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100209956
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 周
(71)【出願人】
【識別番号】517331376
【氏名又は名称】株式会社エアロネクスト
(72)【発明者】
【氏名】河合 秀治
(72)【発明者】
【氏名】樋口 忠成
(72)【発明者】
【氏名】田路 圭輔
(72)【発明者】
【氏名】堀 拓也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】配送者の配送効率をより向上させる。
【解決手段】配送依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼に含まれる依頼内容に基づき、前記配送依頼に配送者が対応することが、前記配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記条件が満たされないと判定されたことに基づき、前記配送者とは異なる他の配送手段による前記荷物の配達または集荷に関する配送指示情報を生成する生成部と、を備える、情報処理システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼に含まれる依頼内容に基づき、前記配送依頼に配送者が対応することが、前記配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記条件が満たされないと判定されたことに基づき、前記配送者とは異なる他の配送手段による前記荷物の配達または集荷に関する配送指示情報を生成する生成部と、
を備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記生成部により生成された前記配送指示情報を外部装置に送信する通信部、
を更に備える、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記外部装置は、無人移動体を管理する管理者が利用する情報端末を含む、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記外部装置は、無人移動体を含む、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記配送者は、移動体を用いて前記荷物を配送する、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記移動体は、陸路を移動する車両を含む、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記無人移動体は、前記陸路を自律移動する移動体を含む、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記無人移動体は、前記陸路と異なる経路を自律移動する移動体を含む、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記無人移動体は、空路を自律飛行する飛行体を含む、
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記判定部は、
前記依頼内容に含まれる前記荷物の受け取り位置に基づき、前記条件を満たすか否かを判定する、
請求項1から請求項9までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記判定部は、
前記配送者の配送エリアに基づき、前記条件が満たされる否かを判定する、
請求項1から請求項9までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記判定部は、
前記依頼内容に前記配送者の配送計画に影響する所定の要望が含まれていた際に、前記条件が満たされないと判定する、
請求項1から請求項9までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記判定部は、
前記荷物の配送開始位置が、前記荷物の配送に用いることが可能である前記無人移動体の位置から所定の範囲内に含まれていた際に、前記条件が満たされないと判定する、
請求項3から請求項9までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記判定部は、
前記荷物の配送開始位置が、前記荷物の配達または集荷に用いることが可能である前記無人移動体の位置と同一である場合に、前記条件が満たされないと判定する、
請求項3から請求項9までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記生成部は、
前記判定部により前記条件が満たされると判定されたことに基づき、前記配送者の配送手段による前記荷物の配達または集荷に関する他の配送指示情報を生成する、
請求項3から請求項9までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記通信部は、
前記他の配送指示情報を前記配送者の利用する端末に送信する、
請求項15に記載の情報処理システム。
【請求項17】
配送依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼に含まれる依頼内容に基づき、前記配送依頼に配送者が対応することが、前記配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記条件が満たされないと判定されたことに基づき、前記配送者とは異なる他の配送手段による前記荷物の配達または集荷に関する配送指示情報を生成する生成部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項18】
配送依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼に含まれる依頼内容に基づき、前記配送依頼に配送者が対応することが、前記配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かを判定することと、
前記条件が満たされないと判定されたことに基づき、前記配送者とは異なる他の配送手段による前記荷物の配達または集荷に関する配送指示情報を生成することと、
を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
【請求項19】
コンピュータに、
配送依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼に含まれる依頼内容に基づき、前記配送依頼に配送者が対応することが、前記配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かを判定する判定機能と、
前記判定機能により前記条件が満たされないと判定されたことに基づき、前記配送者とは異なる他の配送手段による前記荷物の配達または集荷に関する配送指示情報を生成する生成機能と、
を実現させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、あるユーザにより依頼された荷物の配達や集荷に関する配送作業に関し、当該配送作業に対応する配送者が、荷物を効率的に配達や集荷するための技術が開発されている。例えば、特許文献1では、3つの拠点を循環する一または複数の循環便の各積載量を取得し、取得した積載量に基づいて循環便の運航計画を変更するか否かを判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載した技術は、積載量に応じて循環便を増減させるものであり、荷物の配送依頼に含まれる依頼内容に応じて変動し得るような、循環便により荷物を配送する配送者の配送効率に関しては考慮されていない。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、配送者の配送効率をより向上させることが可能な、新規かつ改良された情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、配送依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼に含まれる依頼内容に基づき、前記配送依頼に配送者が対応することが、前記配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記条件が満たされないと判定されたことに基づき、前記配送者とは異なる他の配送手段による前記荷物の配達または集荷に関する配送指示情報を生成する生成部と、を備える、情報処理システムが提供される。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、配送依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼に含まれる依頼内容に基づき、前記配送依頼に配送者が対応することが、前記配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記条件が満たされないと判定されたことに基づき、前記配送者とは異なる他の配送手段による前記荷物の配達または集荷に関する配送指示情報を生成する生成部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、配送依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼に含まれる依頼内容に基づき、前記配送依頼に配送者が対応することが、前記配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かを判定することと、前記条件が満たされないと判定されたことに基づき、前記配送者とは異なる他の配送手段による前記荷物の配達または集荷に関する配送指示情報を生成することと、を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法が提供される。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに、配送依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼に含まれる依頼内容に基づき、前記配送依頼に配送者が対応することが、前記配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かを判定する判定機能と、前記判定機能により前記条件が満たされないと判定されたことに基づき、前記配送者とは異なる他の配送手段による前記荷物の配達または集荷に関する配送指示情報を生成する生成機能と、を実現させる、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本発明によれば、配送者の配送効率をより向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。
【
図2】本実施形態に係る配送枠の一例を説明するための説明図である。
【
図3】本実施形態に係る情報端末20の機能構成の一例を説明するための説明図である。
【
図4】本実施形態に係る運行管理サーバ30の機能構成の一例を説明するための説明図である。
【
図5】本実施形態に係る予定管理サーバ40の機能構成の一例を説明するための説明図である。
【
図6】配送効率に関する条件を満たすか否かの判定処理の一例を説明するための説明図である。
【
図7】配送効率に関する条件を満たすか否かの判定処理の他の例を説明するための説明図である。
【
図8】本実施形態に係る集荷位置および受け取り位置の他の例を説明するための説明図である。
【
図9】本実施形態に係る運行管理サーバ30の動作処理の一例を説明するための説明図である。
【
図10】本実施形態に係る運行管理サーバ30のハードウェア構成の一例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による情報処理システム等は、以下のような構成を備える。
[項目1]
配送依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼に含まれる依頼内容に基づき、前記配送依頼に配送者が対応することが、前記配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記条件が満たされないと判定されたことに基づき、前記配送者とは異なる他の配送手段による前記荷物の配達または集荷に関する配送指示情報を生成する生成部と、
を備える、情報処理システム。
[項目2]
前記生成部により生成された前記配送指示情報を外部装置に送信する通信部、
を更に備える、項目1に記載の情報処理システム。
[項目3]
前記外部装置は、無人移動体を管理する管理者が利用する情報端末を含む、
項目2に記載の情報処理システム。
[項目4]
前記外部装置は、無人移動体を含む、
項目2に記載の情報処理システム。
[項目5]
前記配送者は、移動体を用いて前記荷物を配送する、
項目4に記載の情報処理システム。
[項目6]
前記移動体は、陸路を移動する車両を含む、
項目5に記載の情報処理システム。
[項目7]
前記無人移動体は、前記陸路を自律移動する移動体を含む、
項目6に記載の情報処理システム。
[項目8]
前記無人移動体は、前記陸路と異なる経路を自律移動する移動体を含む、
項目6に記載の情報処理システム。
[項目9]
前記無人移動体は、空路を自律飛行する飛行体を含む、
項目8に記載の情報処理システム。
[項目10]
前記判定部は、
前記依頼内容に含まれる前記荷物の受け取り位置に基づき、前記条件を満たすか否かを判定する、
項目1から項目9までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
[項目11]
前記判定部は、
前記配送者の配送エリアに基づき、前記条件が満たされる否かを判定する、
項目1から項目9までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
[項目12]
前記判定部は、
前記依頼内容に前記配送者の配送計画に影響する所定の要望が含まれていた際に、前記条件が満たされないと判定する、
項目1から項目9までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
[項目13]
前記判定部は、
前記荷物の配送開始位置が、前記荷物の配送に用いることが可能である前記無人移動体の位置から所定の範囲内に含まれていた際に、前記条件が満たされないと判定する、
項目3から項目9までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
[項目14]
前記判定部は、
前記荷物の配送開始位置が、前記荷物の配達または集荷に用いることが可能である前記無人移動体の位置と同一である場合に、前記条件が満たされないと判定する、
項目3から項目9までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
[項目15]
前記生成部は、
前記判定部により前記条件が満たされると判定されたことに基づき、前記配送者の配送手段による前記荷物の配達または集荷に関する他の配送指示情報を生成する、
項目3から項目9までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
[項目16]
前記通信部は、
前記他の配送指示情報を前記配送者の利用する端末に送信する、
項目15に記載の情報処理システム。
[項目17]
配送依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼に含まれる依頼内容に基づき、前記配送依頼に配送者が対応することが、前記配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記条件が満たされないと判定されたことに基づき、前記配送者とは異なる他の配送手段による前記荷物の配達または集荷に関する配送指示情報を生成する生成部と、
を備える、情報処理装置。
[項目18]
配送依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼に含まれる依頼内容に基づき、前記配送依頼に配送者が対応することが、前記配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かを判定することと、
前記条件が満たされないと判定されたことに基づき、前記配送者とは異なる他の配送手段による前記荷物の配達または集荷に関する配送指示情報を生成することと、
を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
[項目19]
コンピュータに、
配送依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼に含まれる依頼内容に基づき、前記配送依頼に配送者が対応することが、前記配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かを判定する判定機能と、
前記判定機能により前記条件が満たされないと判定されたことに基づき、前記配送者とは異なる他の配送手段による前記荷物の配達または集荷に関する配送指示情報を生成する生成機能と、
を実現させる、プログラム。
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
また、本明細書及び図面では、配送者により利用される移動体を有人移動体10A、および自律制御または遠隔操作により移動する移動体を無人移動体10Bのように必要に応じて各移動体を区別する。ただし、各移動体を特に区別する必要が無い場合は、各移動体を単に移動体10と称する。また、荷物の配達や集荷に関する配送を行う配送者が利用する情報端末を配送者端末20A、および荷物の配達や集荷を依頼した依頼者が利用する情報端末を依頼者端末20Bのように、必要に応じて各情報端末を区別する。ただし、各情報端末を特に区別する必要がない場合は、各情報端末を単に情報端末20と称する。
【0015】
<<1.情報処理システムの概要>>
本発明の一実施形態は、配達または集荷に関する配送者の配送効率をより向上させることが可能な情報処理システムに関する。
【0016】
<1.1.概要>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。本実施形態に係る情報処理システムは、例えば
図1に示すように、移動体10と、情報端末20と、運行管理サーバ30と、予定管理サーバ40と、を有する。
【0017】
移動体10と、情報端末20と、運行管理サーバ30と、予定管理サーバ40は、ネットワークを介して互いに接続されている。
【0018】
(移動体10)
本実施形態に係る移動体10は、荷物Lを配達または集荷するような配送作業において利用される移動体である。例えば、移動体10は、依頼者U2により配送が依頼された荷物Lを、当該荷物Lが保管されている倉庫WHから配送する際に利用される。なお、移動体10は、配送作業において必須のものではなく、例えば、徒歩で台車(例えば、ボックス台車やかご台車など)と共に配送を行ってもよい。
【0019】
例えば、移動体10は、荷物Lを配達または集荷する配送者U1により利用される有人移動体10Aを含む。
【0020】
例えば、本実施形態に係る有人移動体10Aは、
図1に示すような陸路を移動する車両(例えば、乗用車、軽トラック、軽バンなどの貨物自動車、バイク、自転車、キックボードなど)であってもよい。ただし、有人移動体10Aは、車両に限定されない。例えば、有人移動体10Aは、空路を飛行する飛行体であってもよいし、海路や川路等の水路を移動する船舶であってもよい。
【0021】
また、本実施形態に係る移動体10は、自律制御または遠隔操作により移動する無人移動体10Bを含む。例えば、無人移動体10Bは、始点(例えば、荷物Lの配送開始位置や無人移動体10Bの移動開始位置)および終点(例えば、荷物Lの受け取り位置)のような2地点の位置、あるいは、さらに中継地点(例えば、荷物Lの集荷を伴う配送の場合に、荷物Lの集荷位置)や帰還地点(例えば、無人移動体10の移動開始位置と同じ位置、または、異なる待機位置など)も含めた3地点以上の位置等の入力情報を用いて自律制御により移動してもよい。なお、自律制御に用いる入力情報は、その他の経由地点や配送経路のような各種情報を含んでもよい。
【0022】
また、無人移動体10Bは、当該無人移動体10Bを管理する管理者により遠隔で操作入力された操作情報を用いて、遠隔操作により移動してもよい。
【0023】
例えば、無人移動体10Bは、
図1に示すような飛行体であってもよい。例えば、飛行体は、自律制御により飛行するドローン(Drone)であってもよいし、管理者による遠隔操作により飛行するUAV(Unmanned Aerial Vehicle)であってもよい。
【0024】
また、本実施形態に係る無人移動体10Bは、飛行体に限定されない。例えば、無人移動体10Bは、UGV(Unmanned Ground Vehicle)等の陸路を移動する車両であってもよいし、海路や川路等の水路を移動する船舶であってもよい。
【0025】
また、有人移動体10Aおよび無人移動体10Bは、陸路、水路および空路の少なくとも2以上の経路を移動可能な移動体であってもよい。
【0026】
(情報端末20)
本実施形態に係る情報端末20は、配達または集荷に関するサービスに関係する関係者により利用される端末である。例えば、情報端末20は、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)またはPC(Personal Computer)等の各種端末であってもよい。
【0027】
例えば、情報端末20は、荷物Lを配達または集荷する配送者U1により利用される配送者端末20Aを含む。例えば、配送者U1は、配送者端末20Aを用いて、依頼者U2により登録された配送依頼に含まれる依頼内容に基づく配送タスクを含む配送指示情報を確認してもよい。なお、
図1においては、荷物Lは、配送依頼を行った依頼者U2に対して配送されるものであるが、このような場合に限らず、依頼者が送り主であって、当該依頼者とは異なる受取者宛に配送される荷物であってもよい。このような場合、倉庫WHを出発する際などに荷物Lを配送者U1が移動体10などに積み込むと共に、一以上の配送タスクが予め所定の順に配送計画として設定されていてもよい。
【0028】
また、情報端末20は、荷物Lの配達または集荷を依頼する依頼者U2により利用される依頼者端末20Bを含む。例えば、依頼者U2は、依頼者端末20Bを用いて、荷物Lの配達または集荷に関する配送依頼を登録してもよい。
【0029】
(運行管理サーバ30)
本実施形態に係る運行管理サーバ30は、情報処理装置の一例であり、移動体10の運行に関する管理を行うサーバである。例えば、運行管理サーバ30は、ワークステーションやPCのような汎用コンピュータであってもよいし、クラウドサーバであってもよい。
【0030】
例えば、運行管理サーバ30は、依頼者U2により登録された配達または集荷に関する配送依頼に配送者U1が対応することが、配送者U1の配送効率に関する条件を満たすか否かを判定する。配送効率に関する条件を満たすか否かの判定に係る具体例については後述する。
【0031】
また、運行管理サーバ30は、配送者U1の配送効率に関する条件が満たされないと判定されたことに基づき、配送者U1とは異なる他の配送手段による荷物Lの配達または集荷に関する配送指示情報を生成する。
【0032】
例えば、運行管理サーバ30は、配送者U1の配送効率に関する条件が満たされないと判定された場合、配送者U1とは異なる他の配送手段である無人移動体10Bによる荷物Lの配達または集荷に関する配送指示情報を生成する。
【0033】
また、運行管理サーバ30は、配送者U1の配送効率に関する条件が満たされると判定されたことに基づき、配送者U1による荷物Lの配達または集荷に関する他の配送指示情報を生成してもよい。
【0034】
なお、配送指示情報および他の配送指示情報に関する具体例は後述するが、配送指示情報は、例えば無人移動体10Bの自律制御または遠隔操作による移動に用いる情報であり、例えば、依頼者U2により荷物Lの受け取り位置として指定された自宅B(または、集荷位置)の位置情報を含んでもよい。
【0035】
(予定管理サーバ40)
本実施形態に係る予定管理サーバ40は、配達や集荷に関する各種予定の管理を行うサーバである。例えば、予定管理サーバ40は、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータであってもよいし、クラウドサーバであってもよい。
【0036】
例えば、予定管理サーバ40は、配送者U1の配達や集荷に関する配送計画や配送予定を管理する。また、予定管理サーバ40は、無人移動体10Bの配達や集荷に関する配送計画や配送予定を管理する。
【0037】
例えば、予定管理サーバ40は、配送効率に関する条件を満たすか否かの判定結果を運行管理サーバ30から受信する。そして、予定管理サーバ40は、受信した判定結果に応じて、荷物Lを配送する配送者U1または無人移動体10Bの配送計画の配送枠に、荷物Lの配達または集荷に係る配送予定を登録してもよい。
【0038】
なお、配送枠とは、無人移動体10Bまたは配送者U1が配送依頼に対応する時間枠である。例えば、無人移動体10B(または配送者U1)の1日の配送計画は、所定の配送枠(例えば、無人移動体なら15分や30分など、配送者なら1時間など)毎に区切られており、無人移動体10B(または配送者U1)は、配送枠毎に登録されている荷物Lの配送を、当該配送枠が示す時間に対応する。無人移動体の配送枠では、例えば1または2などの配送先への荷物が登録され、配送者の配送枠では、例えば5から10など多数の配送先への荷物が登録されていてもよいが、これに限るものではない。
【0039】
図2は、本実施形態に係る配送枠の一例を説明するための説明図である。例えば、無人移動体10B(または配送者)の1日の配送計画DSは、所定の配送枠(例えば、15分)毎に区切られており、無人移動体10B(または配送者)は、配送枠毎に登録されている荷物Lを、当該配送枠が示す時間に配送する。このような配送計画DSおよび配送枠の組合せは、複数の受け取り位置の候補の各々に設定されていてもよい。
【0040】
例えば、ある受け取り位置(例えば、
図8に示した中継位置S1、S2など)に設定される配送計画DSは、既に無人移動体10B(または配送者)による配送予定が埋まっていることを示す「満」の配送枠(以下、満枠DFと称する。)と、無人移動体10B(または配送者)による配送予定に空きがあることを示す「空き」の配送枠(以下、空枠DEと称する。)の二種類を含む。
【0041】
以上、本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明した。続いて、本実施形態に係る情報端末20、運行管理サーバ30および予定管理サーバ40の機能構成の一例を順次説明する。
【0042】
<1.2.情報処理端末20の機能構成例>
図3は、本実施形態に係る情報端末20の機能構成の一例を説明するための説明図である。本実施形態に係る情報端末20は、
図3に示すように、通信部210と、制御部230と、操作表示部240と、を備える。
【0043】
(通信部210)
本実施形態に係る通信部210は、運行管理サーバ30や予定管理サーバ40との間で各種通信を行う。例えば、依頼者端末20Bが備える通信部210は、依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼を運行管理サーバ30に送信してもよい。
【0044】
また、配送者端末20Aが備える通信部210は、配送者の配送効率に関する条件が満たされると判定されたことに基づく他の配送指示情報を運行管理サーバ30から受信してもよい。
【0045】
(制御部230)
本実施形態に係る制御部230は、情報端末20の動作全般を制御する。例えば、制御部230は、通信部210による各種情報の送受信を制御する。例えば、依頼者端末20Bが備える制御部230は、操作表示部240により入力された依頼内容を含む配送依頼を通信部210に送信させる制御を行ってもよい。
【0046】
また、制御部230は、運行管理サーバ30から受信した配送指示情報を操作表示部240に表示させる制御を行ってもよい。例えば、配送者端末20Aが備える制御部230は、運行管理サーバ30から受信した他の配送指示情報を操作表示部240に表示させる制御を行ってもよい。
【0047】
(操作表示部240)
本実施形態に係る操作表示部240は、荷物の配達または集荷に関する依頼内容を入力する操作部としての機能を有する。また、操作表示部240は、運行管理サーバ30から受信した配送指示情報を表示する表示部としての機能を有する。
【0048】
操作部としての機能は、例えば、タッチパネルやキーボードにより実現され得る。また、表示部としての機能は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現され得る。なお、表示部としての機能および操作部としての機能は分離して構成されてもよい。
【0049】
なお、情報端末20は、
図3に図示しないマイクを備えていてもよく、その場合、依頼者は、マイクを用いて荷物の配達または集荷に関する依頼内容を音声入力してもよい。また、情報端末20は
図3に図示しないスピーカをさらに備えていてもよく、その場合、配送者は、スピーカから出力された音声により配送指示情報を確認してもよい。
【0050】
<1.3.運行管理サーバ30の機能構成例>
図4は、本実施形態に係る運行管理サーバ30の機能構成の一例を説明するための説明図である。本実施形態に係る運行管理サーバ30は、
図4に示すように、通信部310と、記憶部320と、制御部330と、を備える。
【0051】
(通信部310)
本実施形態に係る通信部310は、情報端末20や予定管理サーバ40との間で各種通信を行う。例えば、通信部310は、依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼を依頼者端末20Bから受信してもよい。
【0052】
また、通信部310は、配送依頼を配送者が対応することが、配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かの判定結果を予定管理サーバ40に送信してもよい。そして、通信部310は、判定結果に対する応答として予定管理サーバ40から送信された配送手段や配送枠等の各種配送情報を受信してもよい。
【0053】
また、通信部310は、後述する生成部333により生成された配送指示情報を、情報端末20または無人移動体10B等の外部装置に送信してもよい。
【0054】
(記憶部320)
本実施形態に係る記憶部320は、ソフトウェアおよび各種データを保持する。例えば、記憶部320は、依頼者情報を保持してもよい。ここで、依頼者情報とは、例えば、依頼者の氏名、サービス内における依頼者名、メールアドレス、住所または電話番号等の各種基本情報を含んでもよいし、依頼者の識別情報(ID:Identification)、外部アプリケーションのアカウント情報、または、荷物の受け取り位置に関する情報のいずれか1つ以上を含んでもよい。ただし、依頼者情報はこれらに限定されない。
【0055】
また、記憶部320は、配送者情報を保持してもよい。ここで、配送者情報とは、例えば、配送者の氏名、メールアドレス、電話番号等の配送者の基本情報を含んでもよいし、配送者の識別情報、現在位置情報、現在の配送エリア、移動体種別識別情報などを含んでいてもよいし、配送会社名および配送会社識別情報を含んでいてもよい。また、配送者情報は、例えば、外部アプリケーションアカウント情報、希望配送エリア、身分証明書情報(免許証情報含む)、振込口座情報、配送履歴情報などを含んでもよい。ただし、配送者情報はこれらに限定されない。
【0056】
また、記憶部320は、店舗情報を保持してもよい。例えば、店舗情報は、店舗名、営業時間、住所、連絡先、電話番号、店舗URL、送料等の店舗の基本情報を含んでもよい。また、店舗情報は、商品名、商品識別情報、商品対応格納容器種別情報、重量情報、管理温度帯情報等の商品に関する情報などを含んでもよい。ただし、店舗情報はこれらに限定されない。
【0057】
(制御部330)
本実施形態に係る制御部330は、運行管理サーバ30の動作全般を制御する。制御部330は、例えば
図4に示すように、判定部331と、生成部333と、を備える。
【0058】
本実施形態に係る判定部331は、依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼に含まれる依頼内容に基づき、当該配送依頼をある配送者が対応することが、当該配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かを判定する。
【0059】
本実施形態に係る生成部333は、判定部331により条件が満たされないと判定されたことに基づき、配送者とは異なる他の配送手段による荷物の配達または集荷に関する配送指示情報を生成する。
【0060】
例えば、生成部333は、判定部331の判定結果に基づき予定管理サーバ40により指定された配送手段や配送枠等の各種配送情報を用いて、配送指示情報を生成してもよい。
【0061】
また、生成部333は、判定部331により条件が満たされると判定されたことに基づき、配送者による荷物の配達または集荷に関する他の配送指示情報を生成してもよい。
【0062】
<1.4.予定管理サーバ40の機能構成例>
図5は、本実施形態に係る予定管理サーバ40の機能構成の一例を説明するための説明図である。本実施形態に係る予定管理サーバ40は、
図5に示すように、通信部410と、記憶部420と、制御部430と、を備える。
【0063】
(通信部410)
本実施形態に係る通信部410は、情報端末20や運行管理サーバ30との間で各種通信を行う。例えば、通信部410は、配送依頼に配送者が対応することが、配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かの判定結果を受信してもよい。
【0064】
また、通信部410は、受信した判定結果に基づき指定された配送手段や配送枠等の各種配送情報を運行管理サーバ30に送信してもよい。
【0065】
(記憶部420)
本実施形態に係る記憶部420は、ソフトウェアおよび各種データを保持する。例えば、記憶部420は、各配送者の配送計画や、無人移動体10Bの配送計画を保持する。例えば、配送計画とは、配送者が配送に用いる有人移動体10Aの配送枠ごとの荷物の積載状況や、無人移動体10Bの空き状況などの各種情報を含む。
【0066】
(制御部430)
本実施形態に係る制御部430は、予定管理サーバ40の動作全般を制御する。例えば、制御部430は、配送依頼に配送者が対応することが、配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かの判定結果に基づき、配送手段や配送時間等の各種配送情報を指定する。
【0067】
例えば、制御部430は、配送効率に関する条件が満たされることを含む判定結果が受信された場合、配送者による有人移動体10Aでの配送を指定し、且つ、所定の配送者の配送計画の所定の順番に割り込ませたり、配送者の配送計画に含まれる空き状況に応じた配送枠を指定したりなどしてもよい。そして、制御部430は、指定された配送手段(配送者)および配送枠を含む配送情報を運行管理サーバ30に送信させたり、所定の配送車の配送計画を変更させるように通信部410の制御を行ってもよい。
【0068】
制御部430は、配送効率に関する条件が満たされないことを含む判定結果が受信された場合、無人移動体10Bでの配送を指定し、且つ、無人移動体10Bの配送計画に含まれる空き状況に応じた配送枠を指定してもよい。そして、制御部430は、指定された配送手段(無人移動体10B)および配送枠を含む配送情報を運行管理サーバ30に送信させるように通信部410の制御を行ってもよい。
【0069】
以上、本実施形態に係る情報端末20、運行管理サーバ30および予定管理サーバ40の機能構成の一例を説明した。続いて、
図6~
図8を参照し、配送効率に関する条件を満たすか否かの判定処理に係る具体例を説明する。
【0070】
<<2.配送効率に関する条件を満たすか否かの判定処理に係る具体例>>
アプリケーションやブラウザ上でフードや日用品などの荷物の配達や集荷を依頼者が依頼した場合、当該荷物の配送依頼に対応する配送者が割り当てられる場合がある。
【0071】
例えば、依頼者により依頼された荷物の配送依頼に対応する配送者は、当該荷物が保管されている倉庫や店舗に当該荷物を適宜集荷しに行く必要が生じる。この結果、例えば、配送者のいる位置から荷物を集荷する位置が離れていた場合、荷物の集荷に際した長距離移動が必要となり配送者の配送効率が低下される場合がある。
【0072】
また、依頼者の配送依頼には、様々な要求が含まれ得る。例えば、配送依頼には、配送枠や荷物の受け取り位置等の各種要求が含まれる。また、配送依頼には、荷物(例えば、フード等)をすぐに配送してほしいといった所定の要求が含まれ得る。
【0073】
このような所定の要求が含まれる場合、配送者は、当該荷物の配送を対応することが決まり次第、当該荷物が保管されている倉庫や店舗に荷物を集荷しに行くことにより、配送者の配送計画に影響が生じ得る。即ち、このようなイレギュラーな依頼を配送者が適宜対応した場合、配送者の配送効率が低下され得る。
【0074】
このような配送者に生じる負担の軽減や配送効率の低下の抑制を図るため、イレギュラーな依頼により配送が依頼された荷物に関して、例えば無人移動体10Bに配送を補助させることが望ましい場合がある。
【0075】
そこで、本実施形態に係る情報処理システムでは、ある荷物の配送依頼に配送者が対応することが、当該配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かを判定し、配送者の配送効率に関する条件が満たされない場合(例えば、配送依頼が上述したイレギュラーな依頼であった場合)、荷物の配達や集荷を無人移動体10Bに補助させる。以下では、配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かの判定処理に係る具体例を順次説明する。
【0076】
図6は、配送効率に関する条件を満たすか否かの判定処理の一例を説明するための説明図である。例えば、配送者U1に対して、当該配送者U1が荷物Lの配送を担当するエリアとして配送エリアAが指定されていた場合について説明する。なお、
図6~
図8に示す例では、配送者U1の配送エリアA内とは配送エリアAの境界を示す破線の左側であり、配送エリアA外とは配送エリアAの境界を示す破線の右側である。
【0077】
また、
図6~
図8に示す例では、説明の便宜上、荷物Lが移動体10の外部に露出している図を用いて説明するが、荷物Lは移動体10の内部に収納されていてもよい。また、無人移動体10Bは、荷物Lを把持する構造を有していてもよい。
【0078】
例えば、判定部331は、依頼者U2の依頼内容に含まれる荷物Lの受け取り位置に基づき、配送者U1の配送効率に関する条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0079】
例えば、判定部331は、荷物Lの受け取り位置または集荷位置として、
図6に示すような配送エリアAに含まれない自宅B2(または自宅B2付近の店舗や専用配送施設などの受け取り位置または集荷位置)が指定された場合、配送者U1の配送効率に関する条件が満たされないと判定してもよい。
【0080】
配送者U1の配送効率に関する条件が満たされないと判定された場合、生成部333は、配送者U1とは異なる配送手段として無人移動体10Bによる荷物Lの配達または集荷に関する配送指示情報を生成してもよい。
【0081】
そして、通信部310は、生成部333により生成された配送指示情報を無人移動体10Bに送信してもよい。この場合、配送指示情報を受信した無人移動体10Bは、受信した配送指示情報に基づき、自律制御により荷物Lを配送してもよい。
【0082】
また、通信部310は、生成部333により生成された配送指示情報を無人移動体10Bの管理者が利用する情報端末20に送信してもよい。この場合、管理者は、配送指示情報に基づき、無人移動体10Bを遠隔操作してもよいし、管理者が利用する情報端末20を用いて、無人移動体10Bに配送指示情報を送信してもよい。
【0083】
なお、配送指示情報は、例えば無人移動体10Bの自律制御や、無人移動体10Bの遠隔操作に用いるための各種情報を含む。例えば、配送指示情報は、荷物の配送開始位置および荷物Lの依頼者の受け取り位置に関する情報を含んでもよいし、配達経路や経由地点などの情報を含んでもよい。
【0084】
また、判定部331は、荷物Lの受け取り位置または集荷位置として、配送エリアAに含まれる住宅B1が指定された場合、配送者U1の配送効率に関する条件が満たされると判定してもよい。
【0085】
配送者U1の配送効率に関する条件が満たされると判定された場合、生成部333は、配送者U1による荷物Lの配達または集荷に関する他の配送指示情報を生成してもよい。
【0086】
そして、通信部310は、生成部333により生成された他の配送指示情報を外部装置である配送者U1が利用する配送者端末20Aに送信してもよい。
【0087】
なお、配送者U1による前記荷物の配達または集荷に関する他の配送指示情報は、他の配送手段(例えば、無人移動体10B)による荷物の配達または集荷に関する配送指示情報と同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、他の配送指示情報は、配送者U1の配送補助に関する情報(例えば、配送する順番、または、交通混雑状況等)を含んでもよい。
【0088】
また、運行管理サーバ30は、必ずしも配送指示情報や他の配送指示情報を外部装置に送信しなくてもよい。例えば、運行管理サーバ30が表示部を備えていた場合、当該表示部により配送指示情報や他の配送指示情報が表示されてもよい。そして、表示部に表示された配送指示情報を確認した管理者が、任意の方法で配送者U1や無人移動体10Bに配送を指示してもよい。
【0089】
以上説明した例によれば、配送エリアAに含まれない他のエリア(例えば、遠方または地理的に分離されているような場所を示す飛び地等)への配送を要する配送依頼に関し、無人移動体10Bが荷物の配送を補助する。この結果、配送者U1は、配送エリアA内の配送に注力して対応することが可能になり、配送者U1の配送効率がより向上され得る。
【0090】
なお、荷物Lが保管されている場所の一例として倉庫WHを挙げたが、当該倉庫WHは配送業者ごとに所有されるような倉庫であってもよいし、複数の配送業者により保管場所および仕分けスペースが共有されているような倉庫であってもよい。
【0091】
また、配送者U1の配送計画に、新しく配送が依頼された荷物Lの受け取り位置または集荷位置から所定の範囲内に他の荷物を配送する予定が含まれていない場合、判定部331は、配送効率に関する条件が満たされないと判定してもよい。これにより、近隣に他の荷物を配送する予定がある場合にのみ、配送者U1は配送依頼に対応することが可能になり、配送者U1の配送効率がより向上され得る。
【0092】
また、時間および日付に応じて配送者U1が担当する配送エリアAが変動する場合がある。この場合、判定部331は、依頼内容に含まれる配送希望時間や配送希望日に基づき、配送効率に関する条件が満たされるか否かを判定してもよい。
【0093】
例えば、ある配送者U1は午前中に第1の配送エリア(例えば、東エリア)で配送を担当し、午後に第2の配送エリア(例えば、西エリア)で配送を担当するような場合がある。この場合、判定部331は、例えば第1の配送エリアに含まれる位置に受け取り位置または集荷位置が指定され、配送希望時間が午前中であることが依頼内容に含まれていた際に、配送者U1が第1の配送エリアを担当している時間であるため、配送効率に関する条件が満たされると判定してもよい。
【0094】
一方、判定部331は、第1の配送エリアに含まれる位置に受け取り位置または集荷位置が指定され、配送希望時間が午後であることが依頼内容に含まれていた際に、配送者U1が第1の配送エリアを担当していない時間であるため、配送効率に関する条件が満たされないと判定してもよい。
【0095】
また、
図6に示す例では、無人移動体10Bの拠点、且つ荷物Lが保管される倉庫WHを配送開始位置とした場合について説明したが、本実施形態に係る配送開始位置は係る例に限定されない。続いて、
図7を参照し、配送開始位置が無人移動体10Bの拠点ではない例(即ち、無人移動体10Bの拠点と異なる位置に配送する荷物が存在する例)について説明する。
【0096】
図7は、配送効率に関する条件を満たすか否かの判定処理の他の例を説明するための説明図である。例えば、無人移動体10Bの拠点(
図7に示す倉庫WH)と配送開始位置は必ずしも同一でなくてもよい。例えば、無人移動体10Bは、
図7に示すように、配送依頼に含まれるフードFが存在する店舗B3においてフードFを集荷してもよい。なお、
図7に示す例では荷物の一例としてフードFを挙げているが、他の荷物であってもよい。
【0097】
判定部331は、
図7に示すようなフードFを集荷する店舗B3が配送エリアAに含まれている場合であっても、依頼者U2の受け取り位置である自宅B2が配送エリアAに含まれていない場合は、配送効率に関する条件が満たされないと判定してもよい。
【0098】
また、判定部331は、受け取り位置である自宅B2が配送エリアAに含まれている場合であっても、フードFを集荷する店舗B3が配送エリアAに含まれていない場合は、配送効率に関する条件が満たされないと判定してもよい。
【0099】
一方、判定部331は、フードFを集荷する店舗B3および受け取り位置である自宅B2の双方が配送エリアAに含まれている場合、配送効率に関する条件が満たされると判定してもよい。
【0100】
また、
図7に示した例では、フードFを集荷する位置(以下、集荷位置と表現する場合がある。)として店舗B3を例示し、受け取り位置として自宅B2を例示したが、荷物Lの集荷位置や受け取り位置は、自宅B2や店舗B3などの建物や施設に限定されない。続いて、
図8を参照し、集荷位置および受け取り位置の他の例を説明する。
【0101】
図8は、本実施形態に係る集荷位置および受け取り位置の他の例を説明するための説明図である。例えば、集荷位置や受け取り位置は、
図8に示すような中継位置S1、S2であってもよい。
【0102】
例えば、中継位置S1、S2は、無人移動体10Bが待機することが可能なスタンドの設置位置であってもよい。例えば、ある輸送者U3は、依頼者U2により配送を依頼されたフードFを店舗B3で集荷してもよい。そして、輸送者U3は、店舗B3から中継位置S1にフードFを輸送してもよい。
【0103】
そして、無人移動体10Bは、例えば、中継位置S1を集荷位置として、フードFを輸送者U3から受け渡されてもよい。なお、ここでの輸送者U3は、例えば店舗B3の店員や、ギグワーカや、店舗B3の利用者等の任意の輸送者であってもよい。
【0104】
そして、輸送者U3からフードFを受け渡された無人移動体10Bは、中継位置S1から、依頼者U2により受け取り位置として指定された中継位置S2にフードFを配送してもよい。
【0105】
なお、無人移動体10Bは、依頼者U2が中継位置S2に到着するまで、中継位置S2に待機しておいてもよい。また、無人移動体10Bは、依頼者U2が中継位置S2に到着するまで待機せずに、中継位置S2に置き配して拠点である倉庫WHに帰還してもよいし、中継位置S2に収納ボックスが存在した場合、当該収納ボックスにフードFを収納して倉庫WHに帰還してもよい。さらに、待機した無人移動体10Bや収納ボックスから依頼者U2が受け取る場合には、所定の識別情報を用いて受渡し認証を行ってもよい。
【0106】
これにより、例えば、依頼者U2の最寄りのバス停または駅等、依頼者U2の受け取り位置の選択肢を増やすことが可能になり、依頼者U2の利便性がより向上され得る。
【0107】
なお、中継位置S1、S2は、無人移動体10Bが待機することが可能なスタンドの設置位置に限定されない。中継位置S1、S2は、任意の待ち合わせ位置であってもよいが、例えば、バス停、建物、または、駐車場などの待ち合わせの目印となるような位置が望ましい。
【0108】
以上、本実施形態に係る集荷位置および受け取り位置の他の例を説明した。なお、上述したように、配送依頼には様々な要求が含まれ得る。そこで、判定部331は、例えば、配送者の配送効率に影響を及ぼす各種要因を用いて、配送効率に関する条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0109】
例えば、配送者が、ある配送エリアにおいて複数の荷物を配送している際に、新規の配送依頼が追加されたとする。ここで、新規で追加された配送依頼に急ぎの配送等の所定の要望が含まれていた場合、配送者は、所定の要望が含まれていた荷物を優先的に集荷し、依頼者に配達する必要が生じ得る。
【0110】
この結果、当初配送者が配送していた複数の荷物の配送計画に影響を及ぼし得る。そこで、判定部331は、依頼内容に配送者の配送計画に影響する所定の要望が含まれていた際に、配送者の配送効率に関する条件が満たされないと判定してもよい。なお、配送者情報に追加許容情報(例えば、追加許容回数情報や追加許容時間情報、追加許容距離情報など)が含まれていてもよく、判定部331は、新規の配送依頼が追加許容情報が示す許容範囲内である場合には配送者の配送効率に関する条件が満たされると判定してもよい。
【0111】
また、配送者に配送エリアが指定されていなかった場合であっても、判定部331は、荷物の配送開始位置から受け取り位置までの距離が所定値以上であった際に、配送者の配送効率に関する条件が満たされないと判定してもよい。
【0112】
また、例えば
図7に示したようなフードFの配送開始位置である店舗B3から所定の範囲内に無人移動体10Bが配置されていた場合、無人移動体10BによりフードFを配送した方が効率的である場合がある。そこで、判定部331は、荷物の配送開始位置が、荷物の配達または集荷に用いることが可能である無人移動体10Bの位置から所定の範囲内に含まれていた際に、配送者の配送効率に関する条件が満たされないと判定してもよい。もしくは、配送者の配送効率に関する条件が満たされないと判定することに代えて、配送者の配送効率に関わらず無人移動体10Bによる配送を指定するようにしてもよい。
【0113】
また、判定部331は、荷物の配送開始位置が、荷物の配達または集荷に用いることが可能である無人移動体10Bの位置と同一である際に、配送者の配送効率に関する条件が満たされないと判定してもよい。例えば、判定部331は、
図7に示したようなフードFの配送開始位置である店舗B3に、無人移動体10Bが配置されていた場合、配送者の配送効率に関する条件が満たされないと判定してもよい。もしくは、配送者の配送効率に関する条件が満たされないと判定することに代えて、配送者の配送効率に関わらず無人移動体10Bによる配送を指定するようにしてもよい。
【0114】
または、無人移動体10Bの拠点である倉庫WHに依頼者が配送を依頼した荷物が存在した場合(或いは、依頼者により配送を依頼した荷物が倉庫WHに直接持ち込まれた場合)、判定部331は、配送者の配送効率に関する条件が満たされないと判定してもよい。もしくは、配送者の配送効率に関する条件が満たされないと判定することに代えて、配送者の配送効率に関わらず無人移動体10Bによる配送を指定するようにしてもよい。これにより、無人移動体10Bの活用が促進され、配送者の負担がより低減され得る。
【0115】
以上、配送効率に関する条件を満たすか否かの判定処理に関する他の例を説明した。続いて、
図9を参照し、本実施形態に係る運行管理サーバ30の動作処理の一例を説明する。
【0116】
<<3.動作処理例>>
図9は、本実施形態に係る運行管理サーバ30の動作処理の一例を説明するための説明図である。まず、通信部310は、依頼者端末20Bから配送依頼を受信する(S101)。
【0117】
続いて、判定部331は、受信した配送依頼に含まれる依頼内容に基づき、配送依頼に配送者が対応することが、配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かを判定する(S105)。
【0118】
そして、通信部310は、配送依頼に配送者が対応することが、配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かの判定結果を予定管理サーバ40に送信する(S109)。
【0119】
続いて、通信部310は、判定結果に基づく配送手段および配送枠に関する情報を予定管理サーバ40から受信する(S113)。
【0120】
そして、制御部330は、S105において判定部331により配送者が配送依頼に対応することが、配送効率に関する条件を満たすと判定されたか否かを判断する(S117)。配送者が配送依頼に対応することが、配送効率に関する条件を満たさないと判定されていた場合(S117/No)、処理はS121に進められ、配送者が配送依頼に対応することが、配送効率に関する条件を満たすと判定されていた場合(S117/Yes)、処理はS125に進められる。
【0121】
配送者が配送依頼に対応することが、配送効率に関する条件を満たさないと判定されていた場合(S117/No)、生成部333は、荷物の配達または集荷に関する配送指示情報を生成し、通信部310は、生成された配送指示情報を無人移動体10Bに送信し(S121)、本実施形態に係る運行管理サーバ30は動作処理を終了する。
【0122】
配送者が配送依頼に対応することが、配送効率に関する条件を満たすと判定されていた場合(S117/Yes)、生成部333は、荷物の配達または集荷に関する他の配送指示情報を生成し、通信部310は、生成された他の配送指示情報を配送者端末20Aに送信し(S125)、運行管理サーバ30は動作処理を終了する。
【0123】
<<4.ハードウェア構成例>>
以上説明した情報処理は、ソフトウェアと以下に説明する運行管理サーバ30のハードウェアとの協働により実現される。なお、以下に説明するハードウェア構成は情報端末20および予定管理サーバ40にも適用可能である。
【0124】
図10は、本実施形態に係る運行管理サーバ30のハードウェア構成の一例を説明するための説明図である。運行管理サーバ30は、例えば
図10に示すように、制御部330、メモリ31、ストレージ32、送受信部33、入出力部34等を備え、これらはバス35を通じて相互に電気的に接続される。
【0125】
制御部330は、運行管理サーバ30の全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部330はCPU(Central Processing Unit)および/またはGPU(Graphics Processing Unit)であり、ストレージ32に格納されメモリ31に展開された本システムのためのプログラム等を実行して上述したような各種情報処理を実施する。
【0126】
メモリ31は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ31は、制御部330のワークエリア等として使用され、また、運行管理サーバ30の起動時に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
【0127】
ストレージ32は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ32に構築されていてもよい。
【0128】
送受信部33は、運行管理サーバ30をネットワークおよび/またはブロックチェーンネットワークに接続する。なお、送受信部33は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インターフェースを備えていてもよい。
【0129】
入出力部34は、キーボード、マイクおよびマウス類等の情報入力機器、及びディスプレイおよびスピーカ等の出力機器である。
【0130】
バス35は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0131】
<<5.補足>>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0132】
例えば、判定部331により、第1の配送エリアにおいて配送する第1の配送者が、ある配送依頼を対応することが、当該第1の配送者の配送効率に関する条件が満たされないと判定された場合、生成部333は、第2の配送エリアにおいて配送する第2の配送者に対する配送指示情報を生成してもよい。また、第1の配送者の配送効率に関する条件が満たされないと判定された場合であって、且つ、無人移動体10Bによる配送が適切ではない(例えば、利用可能な無人移動体10Bがない、無人移動体10Bの充電に時間を要する、荷物Lが無人移動体10Bの積載可能重量、積載可能サイズを超える、対応可能温度帯ではないなど)と判定された場合、生成部333は、第2の配送エリアにおいて配送する第2の配送者に対する配送指示情報を生成してもよい。このように人が人を補助することで、無人移動体10Bが拠点にない場合や、人により配送された方が効率的な場合等の様々な状況にも対応され得る。
【0133】
また、本明細書では、配送者が移動体10を利用して荷物を配送する例を主に説明したが、配送者は必ずしも移動体10を利用しなくてもよい。例えば、配送者は、徒歩にて荷物を配送してもよい。
【0134】
また、判定部331は、記憶部320により保持される配送者情報、店舗情報、および商品に関する情報等の各種情報に基づき、配送者の配送効率に関する条件を満たすか否かを判定してもよい。例えば、依頼者により配送が依頼された荷物の重量が所定の基準を超える(例えば、無人移動体10Bの積載可能重量を超える)場合、無人移動体10Bによる配送は困難であると見做し、判定部331は、配送者の配送効率に関する条件が満たされると判定してもよい。
【0135】
また、本実施形態に係る運行管理サーバ30は、予定管理サーバ40の機能構成の一部または全てを備えていてもよい。運行管理サーバ30が予定管理サーバ40の機能構成の全てを備えていた場合、本実施形態に係る情報処理システムは、予定管理サーバ40を有していなくてもよい。
【0136】
また、予定管理サーバ40が、運行管理サーバ30の機能構成の一部または全てを備えていてもよい。例えば、予定管理サーバ40は、判定部331および生成部333の機能を有する構成を備えていてもよい。
【0137】
また、情報端末20、運行管理サーバ30および予定管理サーバ40に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した情報端末20、運行管理サーバ30および予定管理サーバ40の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。
【符号の説明】
【0138】
10 移動体
20 情報端末
210 通信部
230 制御部
240 操作表示部
30 運行管理サーバ
310 通信部
320 記憶部
330 制御部
331 判定部
333 生成部
40 予定管理サーバ
410 通信部
420 記憶部
430 制御部