(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053800
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】車両特性試験システム、車両特性試験方法及び接続ケーブル
(51)【国際特許分類】
G01M 17/007 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
G01M17/007 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160228
(22)【出願日】2022-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】菅野 哲郎
(57)【要約】
【課題】本発明は、機器の損傷を抑制することができる車両特性試験システム、車両特性試験方法及び接続ケーブルを得るものである。
【解決手段】本発明に係る車両特性試験システム、車両特性試験方法及び接続ケーブルでは、電界効果トランジスタと、電界効果トランジスタを流れるドレイン電流によって駆動される駆動部とを含み、車両の挙動制御を行う挙動制御機構と、電界効果トランジスタのゲート端子に制御信号を送る電子制御ユニットと、車両の電源と接続される第1電線を含む電源ケーブルとが、電力を挙動制御機構へ供給する第2電線と、電子制御ユニットから挙動制御機構へ送られる制御信号を伝送する第3電線とを含む接続ケーブルで接続された状態で特性が試験され、接続ケーブルの第3電線には、接続ケーブルから電子制御ユニットが取り外されている状態において、ゲート端子の電位を特定電位に保持する電位保持抵抗が接続されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(100)の特性を試験する車両特性試験システム(200)であって、
電界効果トランジスタ(71)と、前記電界効果トランジスタ(71)を流れるドレイン電流によって駆動される駆動部(35)と、を含み、前記車両(100)の挙動制御を行う挙動制御機構(5)と、
前記電界効果トランジスタ(71)のゲート端子(71a)に制御信号を送る電子制御ユニット(41)と、
前記車両(100)の電源(42)と接続される第1電線(51a)を含む電源ケーブル(50)と、
前記挙動制御機構(5)と前記電子制御ユニット(41)と前記電源ケーブル(50)とを接続し、前記電源(42)から前記電源ケーブル(50)を介して供給される電力を前記挙動制御機構(5)へ供給する第2電線(61a)と、前記電子制御ユニット(41)から前記挙動制御機構(5)へ送られる前記制御信号を伝送する第3電線(61b)と、を含む接続ケーブル(60)と、
を備え、
前記接続ケーブル(60)の前記第3電線(61b)には、前記接続ケーブル(60)から前記電子制御ユニット(41)が取り外されている状態において、前記ゲート端子(71a)の電位を特定電位に保持する電位保持抵抗(90)が接続されている、
車両特性試験システム。
【請求項2】
前記電源ケーブル(50)は、前記車両(100)の挙動信号を伝送する第4電線(51b)を含む、
請求項1に記載の車両特性試験システム。
【請求項3】
前記駆動部は、モータ(35)を含む、
請求項1に記載の車両特性試験システム。
【請求項4】
前記接続ケーブル(60)は、グランド用の第5電線(61c)を含み、
前記電位保持抵抗(90)は、前記第5電線(61c)と接続されるプルダウン抵抗である、
請求項1に記載の車両特性試験システム。
【請求項5】
前記電位保持抵抗(90)の一端及び他端の少なくとも一方は、電気的に遮断可能になっている、
請求項1に記載の車両特性試験システム。
【請求項6】
前記挙動制御は、アンチロックブレーキ制御である、
請求項1~5のいずれか一項に記載の車両特性試験システム。
【請求項7】
車両(100)の特性を試験する車両特性試験方法であって、
電界効果トランジスタ(71)と、前記電界効果トランジスタ(71)を流れるドレイン電流によって駆動される駆動部(35)と、を含み、前記車両(100)の挙動制御を行う挙動制御機構(5)と、
前記電界効果トランジスタ(71)のゲート端子(71a)に制御信号を送る電子制御ユニット(41)と、
前記車両(100)の電源(42)と接続される第1電線(51a)を含む電源ケーブル(50)と、
が、前記電源(42)から前記電源ケーブル(50)を介して供給される電力を前記挙動制御機構(5)へ供給する第2電線(61a)と、前記電子制御ユニット(41)から前記挙動制御機構(5)へ送られる前記制御信号を伝送する第3電線(61b)と、を含む接続ケーブル(60)で接続された状態で、前記特性が試験され、
前記接続ケーブル(60)の前記第3電線(61b)には、前記接続ケーブル(60)から前記電子制御ユニット(41)が取り外されている状態において、前記ゲート端子(71a)の電位を特定電位に保持する電位保持抵抗(90)が接続されている、
車両特性試験方法。
【請求項8】
車両(100)の特性を試験する車両特性試験システムにおいて、
電界効果トランジスタ(71)と、前記電界効果トランジスタ(71)を流れるドレイン電流によって駆動される駆動部(35)と、を含み、前記車両(100)の挙動制御を行う挙動制御機構(5)と、
前記電界効果トランジスタ(71)のゲート端子(71a)に制御信号を送る電子制御ユニット(41)と、
前記車両(100)の電源(42)と接続される第1電線(51a)を含む電源ケーブル(50)と、
を接続する接続ケーブル(60)であって、
前記接続ケーブル(60)は、前記電源(42)から前記電源ケーブル(50)を介して供給される電力を前記挙動制御機構(5)へ供給する第2電線(61a)と、前記電子制御ユニット(41)から前記挙動制御機構(5)へ送られる前記制御信号を伝送する第3電線(61b)と、を含み、
前記接続ケーブル(60)の前記第3電線(61b)には、前記接続ケーブル(60)から前記電子制御ユニット(41)が取り外されている状態において、前記ゲート端子(71a)の電位を特定電位に保持する電位保持抵抗(90)が接続されている、
接続ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、機器の損傷を抑制することができる車両特性試験システム、車両特性試験方法及び接続ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、車両の挙動制御を行う種々の挙動制御機構が設けられている。例えば、挙動制御機構として、特許文献1に開示されているように、アンチロックブレーキ制御を行う液圧制御機構が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両の出荷前において、挙動制御機構の制御に用いられる各種パラメータ等の設定情報を車両に適合するように調整する必要がある。このような挙動制御機構の適合作業では、車両の特性を試験する車両特性試験が行われる。車両特性試験では、挙動制御機構を実際に動作させた状態で、車両の各種挙動信号が取得される。
【0005】
車両特性試験では、挙動制御機構がケーブルを介して電子制御ユニットと接続され、電子制御ユニットから送られる制御信号によって挙動制御機構が駆動されるようになっている場合がある。ここで、車両特性試験では、挙動制御機構の基板として簡易的な基板が利用されること等に起因して、挙動制御機構においてモータ等の駆動部を駆動するために設けられる電界効果トランジスタのゲート端子にケーブルが他の電気素子を介さずに接続される場合がある。この場合において、ケーブルから電子制御ユニットが取り外されると、挙動制御機構の電界効果トランジスタのゲート端子の電位が不定状態となるおそれがある。それにより、モータ等の駆動部が動作し続け、電流過多による電界効果トランジスタの破損等の機器の破損が生じ得る。
【0006】
本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、機器の損傷を抑制することができる車両特性試験システム、車両特性試験方法及び接続ケーブルを得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車両特性試験システムは、車両の特性を試験する車両特性試験システムであって、電界効果トランジスタと、前記電界効果トランジスタを流れるドレイン電流によって駆動される駆動部と、を含み、前記車両の挙動制御を行う挙動制御機構と、前記電界効果トランジスタのゲート端子に制御信号を送る電子制御ユニットと、前記車両の電源と接続される第1電線を含む電源ケーブルと、前記挙動制御機構と前記電子制御ユニットと前記電源ケーブルとを接続し、前記電源から前記電源ケーブルを介して供給される電力を前記挙動制御機構へ供給する第2電線と、前記電子制御ユニットから前記挙動制御機構へ送られる前記制御信号を伝送する第3電線と、を含む接続ケーブルと、を備え、前記接続ケーブルの前記第3電線には、前記接続ケーブルから前記電子制御ユニットが取り外されている状態において、前記ゲート端子の電位を特定電位に保持する電位保持抵抗が接続されている。
【0008】
本発明に係る車両特性試験方法は、車両の特性を試験する車両特性試験方法であって、電界効果トランジスタと、前記電界効果トランジスタを流れるドレイン電流によって駆動される駆動部と、を含み、前記車両の挙動制御を行う挙動制御機構と、前記電界効果トランジスタのゲート端子に制御信号を送る電子制御ユニットと、前記車両の電源と接続される第1電線を含む電源ケーブルと、が、前記電源から前記電源ケーブルを介して供給される電力を前記挙動制御機構へ供給する第2電線と、前記電子制御ユニットから前記挙動制御機構へ送られる前記制御信号を伝送する第3電線と、を含む接続ケーブルで接続された状態で、前記特性が試験され、前記接続ケーブルの前記第3電線には、前記接続ケーブルから前記電子制御ユニットが取り外されている状態において、前記ゲート端子の電位を特定電位に保持する電位保持抵抗が接続されている。
【0009】
本発明に係る接続ケーブルは、車両の特性を試験する車両特性試験システムにおいて、電界効果トランジスタと、前記電界効果トランジスタを流れるドレイン電流によって駆動される駆動部と、を含み、前記車両の挙動制御を行う挙動制御機構と、前記電界効果トランジスタのゲート端子に制御信号を送る電子制御ユニットと、前記車両の電源と接続される第1電線を含む電源ケーブルと、を接続する接続ケーブルであって、前記接続ケーブルは、前記電源から前記電源ケーブルを介して供給される電力を前記挙動制御機構へ供給する第2電線と、前記電子制御ユニットから前記挙動制御機構へ送られる前記制御信号を伝送する第3電線と、を含み、前記接続ケーブルの前記第3電線には、前記接続ケーブルから前記電子制御ユニットが取り外されている状態において、前記ゲート端子の電位を特定電位に保持する電位保持抵抗が接続されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る車両特性試験システム、車両特性試験方法及び接続ケーブルでは、電界効果トランジスタと、電界効果トランジスタを流れるドレイン電流によって駆動される駆動部と、を含み、車両の挙動制御を行う挙動制御機構と、電界効果トランジスタのゲート端子に制御信号を送る電子制御ユニットと、車両の電源と接続される第1電線を含む電源ケーブルと、が、電源から電源ケーブルを介して供給される電力を挙動制御機構へ供給する第2電線と、電子制御ユニットから挙動制御機構へ送られる制御信号を伝送する第3電線と、を含む接続ケーブルで接続された状態で、特性が試験され、接続ケーブルの第3電線には、接続ケーブルから電子制御ユニットが取り外されている状態において、ゲート端子の電位を特定電位に保持する電位保持抵抗が接続されている。それにより、接続ケーブルから電子制御ユニットが取り外された場合であっても、挙動制御機構の電界効果トランジスタのゲート端子の電位が不定状態となることが抑制されるので、駆動部が動作し続けることが抑制される。ゆえに、機器の損傷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る車両の概略構成を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るブレーキシステムの概略構成を示す模式図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る車両特性試験システムの概略構成を示す模式図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る接続ケーブルと液圧制御機構との接続箇所における電気的な接続関係の一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る接続ケーブルから電位保持抵抗90が取り外された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る車両特性試験システム、車両特性試験方法及び接続ケーブルについて、図面を用いて説明する。
【0013】
なお、以下では、車両特性試験の対象となる車両が二輪のモータサイクルである例を説明しているが(
図1中の車両100を参照)、車両特性試験の対象となる車両は、二輪のモータサイクル以外の他の鞍乗り型車両であってもよい。鞍乗り型車両は、ライダーが跨って乗車する車両を意味する。鞍乗り型車両には、例えば、モータサイクル(自動二輪車、自動三輪車)、自転車、バギー等が含まれる。モータサイクルには、エンジンを動力源とする車両、電気モータを動力源とする車両等が含まれる。モータサイクルには、例えば、オートバイ、スクーター、電動スクーター等が含まれる。自転車は、ペダルに付与されるライダーの踏力によって路上を推進することが可能な車両を意味する。自転車には、普通自転車、電動アシスト自転車、電動自転車等が含まれる。また、車両特性試験の対象となる車両は、鞍乗り型車両以外の他の車両(例えば、自動四輪車等)であってもよい。
【0014】
また、以下では、挙動制御機構がブレーキ液を用いて車輪を制動する液圧制御機構である例を説明しているが(
図2中の液圧制御機構5を参照)、挙動制御機構は、この例に限定されない。例えば、挙動制御機構は、電力を用いて車輪を制動する機構であってもよく、車輪を制動する機構以外の機構(例えば、サスペンションを制御する機構等)であってもよい。
【0015】
また、以下では、前輪制動機構及び後輪制動機構が、それぞれ1つずつである場合を説明しているが、前輪制動機構及び後輪制動機構の少なくとも一方が複数であってもよく、また、前輪制動機構及び後輪制動機構の一方が設けられていなくてもよい。また、マスタシリンダのブレーキ液を副流路(
図2中の副流路26を参照)に供給する供給流路がさらに設けられていてもよい。
【0016】
また、以下で説明する構成及び動作等は一例であり、本発明に係る車両特性試験システム、車両特性試験方法及び接続ケーブルは、そのような構成及び動作等である場合に限定されない。
【0017】
また、以下では、同一の又は類似する説明を適宜簡略化又は省略している。また、各図において、同一の又は類似する部材又は部分については、符号を付すことを省略しているか、又は同一の符号を付している。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。
【0018】
<車両の構成>
図1及び
図2を参照して、本発明の実施形態に係る車両100の構成について説明する。
【0019】
図1は、車両100の概略構成を示す模式図である。車両100は、車両特性試験の対象となる本発明に係る車両の一例に相当する二輪のモータサイクルである。
図1に示されるように、車両100は、胴体1と、ハンドル2と、前輪3と、後輪4と、液圧制御機構5とを備える。また、車両100は、ブレーキシステム10を備える。ブレーキシステム10は、第1ブレーキ操作部11と、前輪制動機構12と、第2ブレーキ操作部13と、後輪制動機構14とを含む。
【0020】
ハンドル2は、胴体1に旋回自在に保持されている。前輪3は、胴体1にハンドル2と共に旋回自在に保持されている。後輪4は、胴体1に回動自在に保持されている。液圧制御機構5は、車両100の車輪に生じる制動力を制御するためのものである。液圧制御機構5は、ブレーキシステム10に含まれる。液圧制御機構5の詳細については、後述する。
【0021】
ブレーキシステム10は、具体的には、第1ブレーキ操作部11、前輪制動機構12、第2ブレーキ操作部13及び後輪制動機構14に加えて、液圧制御機構5を備える。第1ブレーキ操作部11は、例えば、ハンドル2に設けられており、ライダーの手によって操作される。第1ブレーキ操作部11は、例えば、ブレーキレバーである。前輪制動機構12は、少なくとも第1ブレーキ操作部11に連動して前輪3を制動する。第2ブレーキ操作部13は、例えば、胴体1の下部に設けられており、ライダーの足によって操作される。第2ブレーキ操作部13は、例えば、ブレーキペダルである。後輪制動機構14は、少なくとも第2ブレーキ操作部13に連動して後輪4を制動する。液圧制御機構5は、前輪制動機構12によって前輪3に付与される制動力、及び、後輪制動機構14によって後輪4に付与される制動力を制御する機能を担うユニットである。
【0022】
図2は、ブレーキシステム10の概略構成を示す模式図である。
図2に示されるように、前輪制動機構12及び後輪制動機構14のそれぞれは、ピストン(図示省略)を内蔵しているマスタシリンダ21と、マスタシリンダ21に付設されているリザーバ22と、胴体1に保持され、ブレーキパッド(図示省略)を有しているブレーキキャリパ23と、ブレーキキャリパ23に設けられているホイールシリンダ24と、マスタシリンダ21のブレーキ液をホイールシリンダ24に流通させる主流路25と、ホイールシリンダ24のブレーキ液を逃がす副流路26とを備える。
【0023】
主流路25は、マスタシリンダ21とホイールシリンダ24とを連通する流路である。主流路25には、込め弁(EV)31が設けられている。副流路26は、主流路25のうちの、込め弁31に対するホイールシリンダ24側とマスタシリンダ21側との間をバイパスする。副流路26には、上流側から順に、弛め弁(AV)32と、アキュムレータ33と、ポンプ34とが設けられている。また、液圧制御機構5には、ポンプ34を駆動するモータ35が設けられている。
【0024】
込め弁31は、例えば、非通電状態で開き、通電状態で閉じる電磁弁である。弛め弁32は、例えば、非通電状態で閉じ、通電状態で開く電磁弁である。
【0025】
込め弁31、弛め弁32、アキュムレータ33、ポンプ34及びモータ35は、車両100に生じさせるブレーキ液圧を制御するためのコンポーネントに相当し、液圧制御機構5に含まれる。液圧制御機構5は、上述した主流路25及び副流路26等の流路が内部に形成されている基体5aを含み、基体5aに上記のコンポーネントが設けられる。
【0026】
なお、基体5aは、1つの部材によって形成されていてもよく、複数の部材によって形成されていてもよい。また、基体5aが複数の部材によって形成されている場合、各コンポーネントは、異なる部材に分かれて設けられていてもよい。
【0027】
例えば、通常状態(つまり、後述されるアンチロックブレーキ制御等が実行されない状態)では、込め弁31が開放され、弛め弁32が閉鎖される。その状態で、第1ブレーキ操作部11が操作されると、前輪制動機構12において、マスタシリンダ21のピストン(図示省略)が押し込まれてホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧が増加し、ブレーキキャリパ23のブレーキパッド(図示省略)が前輪3のロータ3aに押し付けられて、前輪3に制動力が付与される。また、第2ブレーキ操作部13が操作されると、後輪制動機構14において、マスタシリンダ21のピストン(図示省略)が押し込まれてホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧が増加し、ブレーキキャリパ23のブレーキパッド(図示省略)が後輪4のロータ4aに押し付けられて、後輪4に制動力が付与される。
【0028】
ここで、液圧制御機構5は、車両100の挙動制御として、アンチロックブレーキ制御を行う。アンチロックブレーキ制御は、例えば、車輪(具体的には、前輪3又は後輪4)にロック又はロックの可能性が生じた場合に実行され、当該車輪に付与される制動力をライダーによるブレーキ操作部の操作によらずに減少させる制御である。例えば、アンチロックブレーキ制御が実行されている状態では、込め弁31が閉鎖され、弛め弁32が開放される。その状態で、モータ35によってポンプ34が駆動されることにより、ホイールシリンダ24のブレーキ液の液圧が減少し、車輪に付与される制動力が減少する。
【0029】
<車両特性試験システムの構成>
図3~
図5を参照して、本発明の実施形態に係る車両特性試験システム200の構成について説明する。
【0030】
図3は、車両特性試験システム200の概略構成を示す模式図である。車両特性試験システム200は、車両100の特性を試験するシステムの一例に相当する。具体的には、車両特性試験システム200は、車両100の出荷前において、液圧制御機構5の制御に用いられる各種パラメータ等の設定情報を車両100に適合するように調整するための車両特性試験に用いられる。ただし、本発明に係る車両特性試験システムは、液圧制御機構5以外の他の挙動制御機構の適合作業に用いられるシステムであってもよい。
【0031】
図3に示されるように、車両特性試験システム200は、挙動制御機構としての液圧制御機構5と、電子制御ユニット41と、電源42と、センサ43と、電源ケーブル50と、接続ケーブル60とを備える。電源42及びセンサ43は、電源ケーブル50に接続される。そして、液圧制御機構5と、電子制御ユニット41と、電源ケーブル50とが、接続ケーブル60によって接続される。車両特性試験システム200を用いた車両特性試験方法では、このように液圧制御機構5と、電子制御ユニット41と、電源ケーブル50とが、接続ケーブル60で接続された状態で、車両100の特性が試験される。なお、車両100の出荷後には、車両特性試験システム200のうち電子制御ユニット41及び接続ケーブル60が車両100から取り外され、液圧制御機構5が電源ケーブル50に接続された状態となる。
【0032】
車両特性試験システム200におけるケーブル(具体的には、電源ケーブル50及び接続ケーブル60)には、第1電線51a、第2電線61a、第3電線61b、第4電線51b、第5電線61c、第6電線61d及び第7電線51cが設けられる。これらの電線のうち、第1電線51a、第4電線51b及び第7電線51cが電源ケーブル50に設けられ、第2電線61a、第3電線61b、第5電線61c及び第6電線61dが接続ケーブル60に設けられる。
【0033】
図3の例では、電源ケーブル50は、3方向に分岐しており、接続端子52a、接続端子52b及び接続端子52cの3つの接続端子を含む。また、接続ケーブル60は、3方向に分岐しており、接続端子62a、接続端子62b及び接続端子62cの3つの接続端子を含む。ただし、後述するように、電源ケーブル50及び接続ケーブル60の分岐箇所の数及び配置は、
図3の例に限定されない。
【0034】
電子制御ユニット41は、液圧制御機構5の動作を制御する。例えば、電子制御ユニット41の一部又は全ては、マイコン、マイクロプロセッサユニット等で構成されている。また、例えば、電子制御ユニット41の一部又は全ては、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。電子制御ユニット41は、例えば、1つであってもよく、また、複数に分かれていてもよい。
【0035】
電源42は、車両100に搭載され、各装置に供給される電力を蓄電する。例えば、電源42は、二次電池等のバッテリである。
【0036】
センサ43は、車両100に搭載され、車両100の各種挙動信号を検出する。挙動信号は、車両100の挙動に関する信号である。センサ43としては、例えば、車輪速センサ又は慣性計測装置(IMU)等が挙げられる。
【0037】
電源ケーブル50の接続端子52aには、電源42が接続される。電源ケーブル50の接続端子52bには、センサ43が接続される。電源ケーブル50の接続端子52cには、接続ケーブル60の接続端子62cが接続される。
【0038】
電源ケーブル50の第1電線51aは、接続端子52aと接続端子52cとを接続する。ゆえに、第1電線51aによって、電源42と接続ケーブル60とが接続される。第1電線51aは、電源42から接続ケーブル60に電力を供給する。
【0039】
電源ケーブル50の第4電線51bは、接続端子52bと接続端子52cとを接続する。ゆえに、第4電線51bによって、センサ43と接続ケーブル60とが接続される。第4電線51bは、センサ43から接続ケーブル60に車両100の挙動信号を伝送する。
【0040】
電源ケーブル50の第7電線51cは、3方向に分岐しており、接続端子52aと接続端子52bと接続端子52cとを互いに接続する。第7電線51cは、グランド用の電線であり、例えば、車両100の胴体1と接続されている。
【0041】
接続ケーブル60の接続端子62aには、液圧制御機構5が接続される。接続ケーブル60の接続端子62bには、電子制御ユニット41が接続される。
【0042】
接続ケーブル60の第2電線61aは、接続端子62aと接続端子62cとを接続する。ゆえに、第2電線61aによって、液圧制御機構5と電源ケーブル50とが接続される。第2電線61aは、接続端子62c及び接続端子52cを介して第1電線51aと接続されており、電源42から電源ケーブル50を介して供給される電力を液圧制御機構5へ供給する。
【0043】
接続ケーブル60の第3電線61bは、接続端子62aと接続端子62bとを接続する。ゆえに、第3電線61bによって、液圧制御機構5と電子制御ユニット41とが接続される。第3電線61bは、電子制御ユニット41から液圧制御機構5へ送られる制御信号を伝送する。
【0044】
接続ケーブル60の第5電線61cは、3方向に分岐しており、接続端子62aと接続端子62bと接続端子62cとを互いに接続する。第5電線61cは、グランド用の電線であり、接続端子62c及び接続端子52cを介して第7電線51cと接続されている。
【0045】
接続ケーブル60の第6電線61dは、接続端子62bと接続端子62cとを接続する。ゆえに、第6電線61dによって、電子制御ユニット41と電源ケーブル50とが接続される。第6電線61dは、接続端子62c及び接続端子52cを介して第4電線51bと接続されており、センサ43から電源ケーブル50を介して伝送される車両100の挙動信号を電子制御ユニット41へ伝送する。
【0046】
車両特性試験システム200を用いた車両特性試験では、電源42から電源ケーブル50及び接続ケーブル60を介して供給される電力を用いて液圧制御機構5が駆動される。液圧制御機構5は、電子制御ユニット41から接続ケーブル60を介して伝送される制御信号に基づいて動作する。そして、車両100の走行中に、センサ43によって車両100の挙動信号が検出される。このように検出された挙動信号は、センサ43から電源ケーブル50及び接続ケーブル60を介して電子制御ユニット41に伝送される。その後、電子制御ユニット41に収集された各種情報に基づいて、液圧制御機構5の制御に用いられる各種パラメータ等の設定情報が車両100に適合するように調整される。
【0047】
図4は、接続ケーブル60と液圧制御機構5との接続箇所における電気的な接続関係の一例を示す図である。
図4に示されるように、接続ケーブル60は、液圧制御機構5に設けられる基板5bと電気的に接続される。基板5bには、電界効果トランジスタ71と、電力線72と、電力線73と、電力線74と、電力線75とが設けられている。
【0048】
電界効果トランジスタ71は、ゲート端子71aと、ドレイン端子71bと、ソース端子71cとを含む。ゲート端子71aに制御信号が印加されると、ドレイン端子71bからソース端子71cに向けて電流が流れる。このような電流をドレイン電流とも呼ぶ。
【0049】
電力線72は、接点81を介して、接続ケーブル60の第2電線61aと接続されている。電力線72は、接点81とドレイン端子71bとを接続する。電力線73は、接点82を介して、接続ケーブル60の第3電線61bと接続されている。電力線73は、接点82とゲート端子71aとを接続する。電力線74は、接点83を介して、接続ケーブル60の第5電線61cと接続されている。電力線74と電力線75との間には、モータ35が介在する。電力線74は、接点83とモータ35とを接続する。電力線75は、モータ35とソース端子71cとを接続する。
【0050】
電子制御ユニット41から出力された制御信号は、接続ケーブル60の第3電線61b、及び、基板5bの電力線73を介して、ゲート端子71aに送られる。ここで、ドレイン端子71bには、電源42から接続ケーブル60の第2電線61a、及び、基板5bの電力線72を介して、電力が供給される。また、ソース端子71cは、グランド用の電線である第5電線61cと、電力線74、モータ35及び電力線75を介して接続されている。ゆえに、ゲート端子71aに制御信号が印加されると、ドレイン端子71bからソース端子71cに向けてドレイン電流が流れ、モータ35に電流が印加される。このように、モータ35は、電界効果トランジスタ71を流れるドレイン電流によって駆動される。
【0051】
ここで、接続ケーブル60の第3電線61bには、電位保持抵抗90が接続されている。具体的には、電位保持抵抗90は、第5電線61cと接続されるプルダウン抵抗である。
図4の例では、電位保持抵抗90は、第3電線61bに設けられる接点84と、第5電線61cに設けられる接点85とを接続する。ゆえに、接続ケーブル60から電子制御ユニット41が取り外されている状態において、ゲート端子71aの電位は、グランド用の電線である第5電線61cの電位に保持される。このように、電位保持抵抗90は、接続ケーブル60から電子制御ユニット41が取り外されている状態において、ゲート端子71aの電位を特定電位(上記の例では、グランド用の電線である第5電線61cの電位)に保持するために設けられている。
【0052】
車両特性試験では、作業の効率化等の種々の目的で、接続ケーブル60から電子制御ユニット41が取り外される状況が生じ得る。仮に第3電線61bに電位保持抵抗90が接続されていない場合、接続ケーブル60から電子制御ユニット41が取り外されている状態において、ゲート端子71aは不定状態となるおそれがある。そこで、ゲート端子71aが不定状態となることを抑制するために、接続ケーブル60の第3電線61bに電位保持抵抗90が接続されている。
【0053】
以上説明したように、車両特性試験システム200では、接続ケーブル60の第3電線61bには、接続ケーブル60から電子制御ユニット41が取り外されている状態において、ゲート端子71aの電位を特定電位に保持する電位保持抵抗90が接続されている。それにより、接続ケーブル60から電子制御ユニット41が取り外されている状態において、ゲート端子71aの電位は、電位保持抵抗90によって特定電位(上記の例では、グランド用の電線である第5電線61cの電位)に保持される。ゆえに、接続ケーブル60から電子制御ユニット41が取り外された場合であっても、ゲート端子71aの電位が不定状態となることが抑制されるので、モータ35が動作し続けることが抑制される。よって、機器の損傷を抑制することができる。
【0054】
ここで、電位保持抵抗90は、例えば、接続ケーブル60に対して着脱可能に設けられていてもよい。
図5は、接続ケーブル60から電位保持抵抗90が取り外された状態を示す図である。
図5の例では、接点84及び接点85に対して電位保持抵抗90が着脱可能となっている。例えば、基板5bの電力線73にプルダウン抵抗が接続されている場合、
図5に示されるように、接続ケーブル60から電位保持抵抗90が取り外されたとしても、接続ケーブル60から電子制御ユニット41が取り外されている状態において、ゲート端子71aの電位は、上記プルダウン抵抗によって特定電位に保持される。ゆえに、ゲート端子71aの電位が不定状態となることが抑制される。その上で、接続ケーブル60から電位保持抵抗90を取り外すことによって、出荷後の車両100の状況により近い状況下で車両特性試験を行うことができる。
【0055】
なお、
図5の例は、電位保持抵抗90の両端が、電気的に遮断可能になっている例に相当する。ただし、電位保持抵抗90の一端及び他端の少なくとも一方が、電気的に遮断可能になっていれば、
図5の例と同様の効果が奏される。例えば、電位保持抵抗90と接点84との電気的な接続、又は、電位保持抵抗90と接点85との電気的な接続を遮断するスイッチが設けられてもよい。
【0056】
上記では、
図3~
図5を参照して、車両特性試験システム200の構成の一例を説明した。ただし、車両特性試験システム200の構成は、上記の例に限定されない。
【0057】
具体的には、車両特性試験システム200における各装置の接続関係は、
図3の例に限定されない。例えば、電源ケーブル50には、電源42及びセンサ43以外の装置(例えば、ランプ等の報知装置又はCAN通信用のバス等)がさらに接続されていてもよい。また、例えば、上記の例では、電源ケーブル50及び接続ケーブル60は、1つの装置に対して1つの接続端子を介して接続されている。ただし、電源ケーブル50及び接続ケーブル60は、1つの装置に対して複数の接続端子を介して接続されていてもよい。
【0058】
また、接続ケーブル60と液圧制御機構5との接続箇所における電気的な接続関係は、
図4の例に限定されない。例えば、基板5bに、信号のノイズを低減するための部品がさらに設けられていてもよい。また、例えば、上記の例では、電界効果トランジスタ71が、ゲート端子71aの電圧が高くなるとドレイン電流が流れるタイプ(つまり、アクティブハイのタイプ)である例を説明した。ただし、電界効果トランジスタ71は、ゲート端子71aの電圧が低くなるとドレイン電流が流れるタイプ(つまり、アクティブローのタイプ)であってもよい。この場合には、電位保持抵抗90として、プルダウン抵抗に替えてプルアップ抵抗が用いられ得る。
【0059】
<車両特性試験システムの効果>
本発明の実施形態に係る車両特性試験システム200の効果について説明する。
【0060】
車両特性試験システム200は、電界効果トランジスタ71と、電界効果トランジスタ71を流れるドレイン電流によって駆動される駆動部(上記の例では、モータ35)と、を含み、車両100の挙動制御を行う挙動制御機構(上記の例では、液圧制御機構5)と、電界効果トランジスタ71のゲート端子71aに制御信号を送る電子制御ユニット41と、車両100の電源42と接続される第1電線51aを含む電源ケーブル50と、挙動制御機構と電子制御ユニット41と電源ケーブル50とを接続し、電源42から電源ケーブル50を介して供給される電力を挙動制御機構へ供給する第2電線61aと、電子制御ユニット41から挙動制御機構へ送られる制御信号を伝送する第3電線61bと、を含む接続ケーブル60と、を備える。そして、接続ケーブル60の第3電線61bには、接続ケーブル60から電子制御ユニット41が取り外されている状態において、ゲート端子71aの電位を特定電位に保持する電位保持抵抗90が接続されている。それにより、接続ケーブル60から電子制御ユニット41が取り外された場合であっても、ゲート端子71aの電位が不定状態となることが抑制されるので、駆動部が動作し続けることが抑制される。ゆえに、機器の損傷を抑制することができる。
【0061】
好ましくは、車両特性試験システム200では、電源ケーブル50は、車両100の挙動信号を伝送する第4電線51bを含む。それにより、センサ43から電子制御ユニット41に収集された挙動信号に基づいて、挙動制御機構の設定情報を車両100に適合するように調整することが適切に実現される。そして、そのような車両特性試験を行うことができる車両特性試験システム200において、機器の損傷を抑制することができる。
【0062】
好ましくは、車両特性試験システム200では、駆動部は、モータ35を含む。モータ35を含む駆動部を備える車両特性試験システム200において、ゲート端子71aの電位が不定状態となることを抑制することによって、モータ35が動作し続けることが抑制される。ゆえに、機器の損傷を抑制することが適切に実現される。
【0063】
好ましくは、車両特性試験システム200では、接続ケーブル60は、グランド用の第5電線61cを含み、電位保持抵抗90は、第5電線61cと接続されるプルダウン抵抗である。それにより、接続ケーブル60から電子制御ユニット41が取り外されている状態において、ゲート端子71aの電位を特定電位に保持することが適切に実現される。ゆえに、ゲート端子71aの電位が不定状態となることを抑制することが適切に実現される。
【0064】
好ましくは、車両特性試験システム200では、電位保持抵抗90の一端及び他端の少なくとも一方は、電気的に遮断可能になっている。それにより、例えば、基板5bの電力線73にプルダウン抵抗が接続されている場合、接続ケーブル60から電位保持抵抗90を取り外すことによって、出荷後の車両100の状況により近い状況下で車両特性試験を行うことができる。
【0065】
好ましくは、車両特性試験システム200では、挙動制御は、アンチロックブレーキ制御である。それにより、挙動制御としてアンチロックブレーキ制御を行う挙動制御機構(例えば、上述した液圧制御機構5)を備える車両特性試験システム200において、ゲート端子71aの電位が不定状態となることを抑制し、機器の損傷を抑制することができる。
【0066】
本発明は実施形態の説明に限定されない。例えば、実施形態の一部のみが実施されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 胴体、2 ハンドル、3 前輪、3a ロータ、4 後輪、4a ロータ、5 液圧制御機構、5a 基体、5b 基板、10 ブレーキシステム、11 第1ブレーキ操作部、12 前輪制動機構、13 第2ブレーキ操作部、14 後輪制動機構、21 マスタシリンダ、22 リザーバ、23 ブレーキキャリパ、24 ホイールシリンダ、25 主流路、26 副流路、31 込め弁、32 弛め弁、33 アキュムレータ、34 ポンプ、35 モータ、41 電子制御ユニット、42 電源、43 センサ、50 電源ケーブル、51a 第1電線、51b 第4電線、51c 第7電線、52a 接続端子、52b 接続端子、52c 接続端子、60 接続ケーブル、61a 第2電線、61b 第3電線、61c 第5電線、61d 第6電線、62a 接続端子、62b 接続端子、62c 接続端子、71 電界効果トランジスタ、71a ゲート端子、71b ドレイン端子、71c ソース端子、72 電力線、73 電力線、74 電力線、75 電力線、81 接点、82 接点、83 接点、84 接点、85 接点、90 電位保持抵抗、100 車両、200 車両特性試験システム。