(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053805
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
H01L21/60 321E
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160235
(22)【出願日】2022-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岩城 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 功
(57)【要約】
【課題】半導体装置の低背化を図ること。
【解決手段】半導体装置10は、電極28A,28Cが形成された素子表面21を有する半導体素子20と、端子表面31を有し、平面視において半導体素子20の周囲に配置された端子30A,30Cと、絶縁表面41を有し、半導体素子20と端子30A,30Cとの間に設けられた絶縁部材40と、電極28A,28Cと端子30A,30Cとを個別に接続するインク配線50A,50Cと、半導体素子20、インク配線50A,50C、絶縁部材40、および端子30A,30Cを封止する封止樹脂70と、を備える。インク配線50A,50Cは、絶縁表面41に接し、当該絶縁表面41上を通って電極28A,28Cと端子30A,30Cとを個別に接続している。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極が形成された素子表面と、厚さ方向において前記素子表面とは反対側の素子裏面と、を有する半導体素子と、
前記素子表面と同じ側を向く端子表面を有し、前記半導体素子の厚さ方向から視て、前記半導体素子の周囲に配置された端子と、
前記素子表面と同じ側を向く絶縁表面を有し、前記半導体素子と前記端子との間に設けられた絶縁部材と、
前記電極と前記端子とを接続する配線と、
前記半導体素子、前記配線、前記絶縁部材、および前記端子を封止する封止樹脂と、
を備え、
前記配線は、前記絶縁表面に接し、当該絶縁表面上を通って前記電極と前記端子とを接続している
半導体装置。
【請求項2】
前記配線は、導電性インクによって形成されている
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記導電性インクは、AgまたはAuを含む
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記配線は、前記端子表面と同じ側を向く配線表面を有し、
前記配線表面は、凹凸状に形成されている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記配線の厚さは、15μm未満である
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記配線の幅は、前記配線の厚さよりも大きい
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記配線のうち前記絶縁部材と前記半導体素子との境界上に形成された部分の厚さは、前記配線のうち前記絶縁部材上に形成された部分の厚さよりも厚い
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記配線のうち前記絶縁部材と前記端子との境界上に形成された部分の厚さは、前記配線のうち前記絶縁部材上に形成された部分の厚さよりも厚い
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記端子は、金属製の薄板によって構成されている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記端子は、導電性ペーストによって形成されている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記端子は、導電性インクによって形成されている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記配線は、前記端子表面の全体にわたり形成されている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記半導体素子は、前記素子表面と前記素子裏面とを繋ぐ素子側面を有し、
前記絶縁表面は、前記半導体素子の厚さ方向から視て前記素子表面の端縁において前記素子表面と面一となる
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記絶縁部材は、前記封止樹脂と異なる材料によって構成されている
請求項1に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電極を有する半導体素子と、半導体素子から離隔して配置された端子と、半導体素子の電極と端子とを接続するボンディングワイヤと、これらを封止する封止樹脂とを備える半導体装置が知られている(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
このような半導体装置の一例では、半導体素子のうち電極が形成された素子表面が端子のうち素子表面と同じ側を向く端子表面よりも高い。この場合、ボンディングワイヤは、端子表面との接合部をファーストボンド部とし、半導体素子の電極との接合部をセカンドボンド部とするように形成される。これにより、ボンディングワイヤのために確保する高さを抑制できるため、半導体装置の低背化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、半導体素子と端子とをボンディングワイヤで接続する構成では、半導体装置のさらなる低背化は困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する半導体装置は、電極が形成された素子表面と、厚さ方向において前記素子表面とは反対側の素子裏面と、を有する半導体素子と、前記素子表面と同じ側を向く端子表面を有し、前記半導体素子の厚さ方向から視て、前記半導体素子の周囲に配置された端子と、前記素子表面と同じ側を向く絶縁表面を有し、前記半導体素子と前記端子との間に設けられた絶縁部材と、前記電極と前記端子とを接続する配線と、前記半導体素子、前記配線、前記絶縁部材、および前記端子を封止する封止樹脂と、を備え、前記配線は、前記絶縁表面に接し、当該絶縁表面上を通って前記電極と前記端子とを接続している。
【発明の効果】
【0007】
上記半導体装置によれば、半導体装置の低背化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態の半導体装置の斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1の半導体装置のうち半導体素子およびその周辺を拡大した平面図である。
【
図5】
図5は、
図2のF5-F5線で半導体装置を切断した断面図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態の半導体装置の製造工程の一例を模式的に示す断面図である。
【
図8】
図8は、
図7に続く半導体装置の製造工程の一例を模式的に示す断面図である。
【
図9】
図9は、
図8に続く半導体装置の製造工程の一例を模式的に示す断面図である。
【
図10】
図10は、
図9に続く半導体装置の製造工程の一例を模式的に示す断面図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態の半導体装置の断面図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態の半導体装置の平面図である。
【
図14】
図14は、第2実施形態の半導体装置の製造工程の一例を模式的に示す断面図である。
【
図19】
図19は、第3実施形態の半導体装置の断面図である。
【
図20】
図20は、第3実施形態の半導体装置の平面図である。
【
図21】
図21は、第3実施形態の半導体装置の製造工程の一例を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本開示における半導体装置のいくつかの実施形態を説明する。なお、説明を簡単かつ明確にするために、図面に示される構成要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。また、理解を容易にするために、断面図ではハッチング線が省略されている場合がある。添付の図面は、本開示の実施形態を例示するに過ぎず、本開示を制限するものとみなされるべきではない。
【0010】
以下の詳細な記載は、本開示の例示的な実施形態を具体化する装置、システム、および方法を含む。この詳細な記載は本来説明のためのものに過ぎず、本開示の実施形態またはこのような実施形態の適用および使用を限定することを意図しない。
【0011】
<第1実施形態>
図1~
図11を参照して、第1実施形態の半導体装置10について説明する。
図1~
図6は第1実施形態の半導体装置10の構成を示し、
図7~
図11は第1実施形態の半導体装置10の製造工程を示している。なお、図面の理解を容易にするため、
図1では後述する封止樹脂70が二点鎖線で示され、
図2では封止樹脂70が透明な部品として示されている。また、
図2では後述するインク配線50A~50Dの形状を簡略化して示している。
【0012】
図1に示すように、半導体装置10は、半導体素子20と、複数の端子30A~30Dと、絶縁部材40と、複数のインク配線50A~50Dと、支持部材60と、これらを封止する封止樹脂70と、を備える。半導体装置10は、たとえば半導体素子20がホール素子である磁気センサである。半導体装置10は、ホールIC(Integrated Circuit)であるともいえる。
図1に示すとおり、半導体装置10は、図示していない配線基板に表面実装される表面実装型のパッケージ構造である。
【0013】
封止樹脂70は、矩形平板状に形成されている。封止樹脂70は、たとえば遮光性および絶縁性を有する樹脂材料によって形成されている。樹脂材料の一例は、黒色のエポキシ樹脂である。ここで、封止樹脂70の厚さ方向を「Z方向」とする。そしてZ方向と直交する方向のうち互いに直交する2方向をそれぞれ「X方向」および「Y方向」とする。以降の説明において、「平面視」はZ方向から半導体装置10を視ることをいう。
【0014】
平面視において、封止樹脂70は、X方向が短手方向となり、Y方向が長手方向となる矩形状に形成されている。一例では、封止樹脂70の厚さは封止樹脂70のX方向の寸法よりも小さい。封止樹脂70の長手方向(Y方向)の大きさは0.33mm~0.8mm程度であり、封止樹脂70の短手方向(X方向)の大きさは0.33mm~0.5mm程度である。封止樹脂70の厚さ(Z方向の大きさ)は、0.135mm程度である。一例では、封止樹脂70の長手方向の大きさは0.62mm程度であり、封止樹脂70の短手方向の大きさは0.5mm程度である。
【0015】
封止樹脂70は、Z方向において互いに反対側を向く封止表面71および封止裏面72と、封止表面71と封止裏面72とを繋ぐ第1~第4封止側面73~76と、を有する。一例では、封止表面71および封止裏面72の双方は、Z方向と直交する平面として形成されている。第1~第4封止側面73~76は、封止表面71および封止裏面72と交差する面である。第1実施形態では、第1~第4封止側面73~76は、封止表面71および封止裏面72と直交する面である。第1封止側面73および第2封止側面74は、封止樹脂70のY方向の両端面を構成しており、平面視においてX方向に沿って延びている。第3封止側面75および第4封止側面76は、封止樹脂70のX方向の両端面を構成しており、平面視においてY方向に沿って延びている。
【0016】
ホール素子としての半導体素子20は、Z方向が厚さ方向となる直方体に形成されている。このため、Z方向は、半導体素子20の厚さ方向であるともいえる。平面視における半導体素子20の形状は、たとえば正方形である。なお、平面視における半導体素子20の形状は任意に変更可能であり、たとえば長方形であってもよい。半導体素子20は、主にヒ化ガリウム(GaAs)によって形成されている。ヒ化ガリウムを主要材料とするホール素子は、磁束密度の変化に対するホール電圧の直線性に優れるとともに、温度変化の影響を受けにくいという利点を有する。半導体素子20の主要材料は任意に変更可能であり、たとえばシリコン(Si)、ヒ化インジウム(InAs)、およびアンチモン化インジウム(InSb)のいずれかであってもよい。
【0017】
図2および
図5に示すように、半導体素子20は、Z方向において互いに反対側を向く素子表面21および素子裏面22と、素子表面21と素子裏面22とを繋ぐ第1~第4素子側面23~26と、を有する。一例では、素子表面21および素子裏面22の双方は、Z方向と直交する平面として形成されている。素子表面21は封止表面71と同じ側を向き、素子裏面22は封止裏面72と同じ側を向いている。第1素子側面23および第2素子側面24は互いに反対側を向き、第3素子側面25および第4素子側面26は互いに反対側を向いている。平面視において、第1素子側面23および第2素子側面24と、第3素子側面25および第4素子側面26とは互いに直交している。
【0018】
図2に示すように、半導体素子20は、平面視において第1~第4素子側面23~26がX方向およびY方向の双方と交差するように配置されている。一例では、平面視において、X方向およびY方向の双方に対する第1~第4素子側面23~26の傾斜角の絶対値は、45°である。
【0019】
半導体素子20は、半導体素子20の四隅となるコーナ部分27A~27Dを有する。コーナ部分27Aは、第1素子側面23と第3素子側面25とを含むコーナ部分であり、半導体素子20の四隅のうち第3封止側面75寄りのコーナ部分を構成している。コーナ部分27Bは、第1素子側面23と第4素子側面26とを含むコーナ部分であり、半導体素子20の四隅のうち第1封止側面73寄りのコーナ部分を構成している。コーナ部分27Cは、第2素子側面24と第3素子側面25とを含むコーナ部分であり、半導体素子20の四隅のうち第2封止側面74寄りのコーナ部分を構成している。コーナ部分27Dは、第2素子側面24と第4素子側面26とを含むコーナ部分であり、第4封止側面76寄りのコーナ部分を構成している。
【0020】
半導体素子20は、素子表面21に形成された複数の電極28A~28Dを有する。複数の電極28A~28Dは、たとえばチタン(Ti)層に金(Au)層が積層された金属層によって形成されている。
【0021】
平面視において、複数の電極28A~28Dは、互いに離隔して配置されている。平面視において、電極28Aは素子表面21のうちコーナ部分27Aに対応する箇所に形成されている。電極28Bは素子表面21のうちコーナ部分27Bに対応する箇所に形成されている。電極28Cは素子表面21のうちコーナ部分27Cに対応する箇所に形成されている。電極28Dは素子表面21のうちコーナ部分27Dに対応する箇所に形成されている。
【0022】
図5に示すように、半導体素子20は、支持部材60によって支持されている。より詳細には、半導体素子20は、支持部材60に搭載されている。一例では、半導体素子20は、支持部材60にダイボンディングされている。つまり、半導体素子20は、接合材SDによって支持部材60に接合されている。接合材SDは、たとえばエポキシ樹脂等の絶縁性接合材が用いられてよい。なお、支持部材60と接合材SDとが一体とされたものであってもよい。たとえば支持部材60として、半導体素子20をダイボンディングするダイボンディング材が用いられてもよい。
【0023】
図3に示すように、平面視において、支持部材60は、たとえば円形に形成されている。支持部材60は、封止裏面72から露出している。支持部材60は、たとえば絶縁材料によって形成されている。
図5に示すとおり、支持部材60の厚さは、半導体素子20の厚さよりも薄い。
【0024】
図2に示すように、複数の端子30A~30Dは、平面視において、半導体素子20の周囲に配置されている。複数の端子30A~30Dは、半導体素子20から離隔して配置されている。複数の端子30A~30Dは、平面視において封止樹脂70の四隅となるコーナ部分77A~77Dに分散して配置されている。コーナ部分77Aは、第1封止側面73と第3封止側面75とを含むコーナ部分である。コーナ部分77Bは、第1封止側面73と第4封止側面76とを含むコーナ部分である。コーナ部分77Cは、第2封止側面74と第3封止側面75とを含むコーナ部分である。コーナ部分77Dは、第2封止側面74と第4封止側面76とを含むコーナ部分である。端子30Aはコーナ部分77Aに配置され、端子30Bはコーナ部分77Bに配置され、端子30Cはコーナ部分77Cに配置され、端子30Dはコーナ部分77Dに配置されている。
【0025】
複数の端子30A~30Dは、互いに同一の形状である。複数の端子30A~30Dの各々は、Z方向において互いに反対側を向く端子表面31および端子裏面32と、端子表面31および端子裏面32を繋ぐ第1~第4端子側面33~36と、を有する。第1端子側面33および第2端子側面34は、複数の端子30A~30Dの各々のY方向の両端面であり、平面視においてX方向に沿って延びている。第3端子側面35および第4端子側面36は、複数の端子30A~30Dの各々のX方向の両端面であり、平面視においてY方向に沿って延びている。
【0026】
複数の端子30A~30Dの各々は、傾斜面37を有する。傾斜面37は、第2端子側面34と第4端子側面36との間に形成されている。傾斜面37は、第4端子側面36から第3端子側面35に向かうにつれて第2端子側面34に近づくように傾斜している。一例では、X方向およびY方向に対する傾斜面37の傾斜角度は、45°である。このため、複数の端子30A~30Dの各々の傾斜面37は、半導体素子20の第1~第4素子側面23~26と対向している。具体的には、端子30Aの傾斜面37は、第1素子側面23と対向している。端子30Bの傾斜面37は、第4素子側面26と対向している。端子30Cの傾斜面37は、第3素子側面25と対向している。端子30Dの傾斜面37は、第2素子側面24と対向している。
【0027】
図5に示すように、端子30A,30Cの各々は、端子裏面32を含む外部電極部38と、端子表面31を含むフランジ部39と、を含む。なお、
図5では図示していないが、端子30B,30Dの各々も外部電極部38およびフランジ部39を含む。
【0028】
外部電極部38とフランジ部39とは一体化されている。第1~第4端子側面33~36(
図2参照)の各々は、外部電極部38を構成する端子側面と、フランジ部39を構成する端子側面と、を含む。傾斜面37は、外部電極部38を構成する傾斜面と、フランジ部39を構成する傾斜面と、を含む。
【0029】
図2に示すように、フランジ部39は、突出部39Aを含む。突出部39Aは、第1端子側面33からY方向に向けて突出している。突出部39AのX方向の大きさは、フランジ部39のX方向の大きさよりも小さい。突出部39Aは、たとえばフランジ部39のX方向の中央に対してX方向に偏った位置に設けられている。
【0030】
端子30Aは、第1端子側面33が第1封止側面73と同じ側を向き、第2端子側面34が第2封止側面74と同じ側を向き、第3端子側面35が第3封止側面75と同じ側を向き、第4端子側面36が第4封止側面76と同じ側を向くように配置されている。端子30Aの突出部39Aは第1封止側面73から露出している。端子30Aの第3端子側面35は第3封止側面75から露出している。
【0031】
端子30Bは、第1端子側面33が第1封止側面73と同じ側を向き、第2端子側面34が第2封止側面74と同じ側を向き、第3端子側面35が第4封止側面76と同じ側を向き、第4端子側面36が第3封止側面75と同じ側を向くように配置されている。端子30Bの突出部39Aは第1封止側面73から露出している。端子30Bの第3端子側面35は第4封止側面76から露出している。
【0032】
端子30Cは、第1端子側面33が第2封止側面74と同じ側を向き、第2端子側面34が第1封止側面73と同じ側を向き、第3端子側面35が第3封止側面75と同じ側を向き、第4端子側面36が第4封止側面76と同じ側を向くように配置されている。端子30Cの突出部39Aは第2封止側面74から露出している。端子30Cの第3端子側面35は第3封止側面75から露出している。
【0033】
端子30Dは、第1端子側面33が第2封止側面74と同じ側を向き、第2端子側面34が第1封止側面73と同じ側を向き、第3端子側面35が第4封止側面76と同じ側を向き、第4端子側面36が第3封止側面75と同じ側を向くように配置されている。端子30Cの突出部39Aは第2封止側面74から露出している。端子30Dの第3端子側面35は第4封止側面76から露出している。
【0034】
各端子30A~30DのX方向の長さはたとえば0.08mm~0.175mm程度であり、各端子30A~30DのY方向の長さはたとえば0.09mm~0.18mm程度である。ここで、各端子30A~30DのY方向の長さは、突出部39Aの先端面と第2端子側面34とのY方向の間の距離によって定義できる。各端子30A~30DのX方向の長さは、第3端子側面35と第4端子側面36とのX方向の間の距離によって定義できる。
【0035】
また、
図3に示すように、各端子30A~30Dのうちフランジ部39(
図5参照)を除く外部電極部38のY方向の長さは、たとえば0.07mm~0.14mm程度である。外部電極部38のY方向の長さは、外部電極部38における第1端子側面33と第2端子側面34とのY方向の長さによって定義できる。
【0036】
第1実施形態では、端子30Aと端子30CとのY方向の間の距離と、端子30Bと端子30DとのY方向の間の距離とは互いに等しい。端子30Aと端子30CとのY方向の間の距離は、たとえば0.44mm程度である。ここで、端子30Aと端子30CとのY方向の間の距離は、端子30Aの第2端子側面34と端子30Cの第2端子側面34とのY方向の間の距離によって定義できる。端子30Bと端子30DとのY方向の間の距離は、端子30Bの第2端子側面34と端子30Dの第2端子側面34とのY方向の間の距離によって定義できる。
【0037】
端子30Aと端子30BとのX方向の間の距離と、端子30Cと端子30DとのX方向の間の距離とは互いに等しい。端子30Aと端子30BとのX方向の間の距離は、たとえば0.15mm程度である。ここで、端子30Aと端子30BとのX方向の間の距離は、端子30Aの第4端子側面36と端子30Bの第4端子側面36とのX方向の間の距離によって定義できる。また、端子30Cと端子30DとのX方向の間の距離は、端子30Cの第4端子側面36と端子30Dの第4端子側面36とのX方向の間の距離によって定義できる。
【0038】
なお、端子30Aと端子30CとのY方向の間の距離は、端子30Aと端子30BとのX方向の間の距離と同じであってもよい。つまり、端子30Aと端子30CとのY方向の間の距離は、0.15mm程度であってもよい。同様に、端子30Bと端子30DとのY方向の間の距離は、端子30Aと端子30BとのX方向の間の距離であってもよく、たとえば0.15mm程度であってもよい。
【0039】
図5に示すように、複数の端子30A,30Cの各々の端子表面31は、半導体素子20の素子表面21よりも封止裏面72寄りに位置している。換言すると、半導体素子20の素子表面21は、複数の端子30A,30Cの各々の端子表面31よりも封止表面71寄りに位置している。なお、図示していないが、複数の端子30B,30Dの各々の端子表面31は、半導体素子20の素子表面21よりも封止裏面72寄りに位置している。換言すると、半導体素子20の素子表面21は、複数の端子30B,30Dの各々の端子表面31よりも封止表面71寄りに位置している。
【0040】
複数の端子30A~30Dは、互いに同一の金属材料によって形成されている。この金属材料としては、たとえば銅(Cu)を含む材料が用いられている。なお、複数の端子30A~30Dに用いられる金属材料は、導電性を有しかつ非磁性体であれば任意に変更可能である。
【0041】
図2および
図5に示すように、絶縁部材40は、半導体素子20と複数の端子30A~30Dとの双方の間に設けられている。絶縁部材40は、半導体素子20と複数の端子30A~30Dとの双方の間の隙間を埋めるように設けられている。絶縁部材40は、半導体素子20と複数の端子30A~30Dとの双方と接している。より詳細には、絶縁部材40は、半導体素子20の第1~第4素子側面23~26と、複数の端子30A~30Dの第2端子側面34、第4端子側面36、および傾斜面37とに接している。絶縁部材40は、絶縁性を有する材料によって形成されている。絶縁部材40は、たとえば封止樹脂70とは異なる材料によって形成されていてもよい。一例では、絶縁部材40は、シリコーン樹脂によって形成されている。なお、絶縁部材40は、封止樹脂70と同じ材料によって形成されていてもよい。
【0042】
絶縁部材40は、絶縁表面41と、Z方向において絶縁表面41とは反対側を向く絶縁裏面42とを有する。絶縁表面41は、平面視において半導体素子20と複数の端子30A~30Dとの間にわたり形成されている。絶縁表面41は、半導体素子20の素子表面21と複数の端子30A~30Dの各々の端子表面31とを繋ぐように形成されている。
図5に示すように、絶縁表面41は、傾斜面41Aを含む。傾斜面41Aは、半導体素子20から複数の端子30A~30Dに向かうにつれて封止裏面72に近づくように傾斜している。
【0043】
一例では、平面視において、絶縁部材40は、平面視において半導体素子20の素子表面21のうち第1~第4素子側面23~26と接する端縁において絶縁表面41が半導体素子20の素子表面21とZ方向に同じ位置となるように形成されている。つまり、絶縁表面41は、平面視において、半導体素子20の素子表面21の端縁において素子表面21と面一となっているといえる。
【0044】
また一例では、絶縁部材40は、複数の端子30A~30Dの各々の端子表面31のうち傾斜面37と接する端縁において絶縁表面41が複数の端子30A~30Dの各々の端子表面31とZ方向に同じ位置となるように形成されている。また一例では、絶縁部材40は、複数の端子30A~30Dの各々の端子表面31のうち第2端子側面34と接する端縁において絶縁表面41が複数の端子30A~30Dの各々の端子表面31とZ方向に同じ位置となるように形成されている。また一例では、絶縁部材40は、複数の端子30A~30Dの各々の端子表面31のうち第4端子側面36と接する端縁において絶縁表面41が複数の端子30A~30Dの各々の端子表面31とZ方向に同じ位置となるように形成されている。
【0045】
図2に示すように、平面視において、絶縁部材40は、支持部材60からはみ出すように形成されている。このため、
図3に示すように、絶縁裏面42は、封止裏面72から露出している。
【0046】
第1実施形態では、絶縁部材40は、第1~第4封止側面73~76から露出していない。つまり、絶縁部材40は、X方向およびY方向において封止樹脂70によって覆われている。
【0047】
なお、絶縁部材40の形成範囲は任意に変更可能である。一例では、絶縁部材40は、第1~第4封止側面73~76の少なくとも1つの封止側面から露出するように形成されていてもよい。一例では、絶縁部材40は、第1~第4封止側面73~76の各々から露出するように形成されていてもよい。
【0048】
図2に示すように、複数のインク配線50A~50Dの各々は、絶縁部材40の絶縁表面41に接しており、半導体素子20の複数の電極28A~28Dと複数の端子30A~30Dとを個別に電気的に接続している。具体的には、インク配線50Aは、電極28Aと端子30Aとを電気的に接続している。インク配線50Bは、電極28Bと端子30Bとを電気的に接続している。インク配線50Cは、電極28Cと端子30Cとを電気的に接続している。インク配線50Dは、電極28Dと端子30Dとを電気的に接続している。ここで、インク配線50A~50Dの各々は「配線」に対応している。
【0049】
インク配線50A~50Dの各々は、導電性インクによって形成されている。導電性インクは、たとえば銀または金(Au)を含む。インク配線50A~50Dの各々は、たとえばインクジェット印刷によって形成されている。
図4に示すように、インクジェット印刷によって形成されたインク配線50A~50Dの各々は、多数のドット54によって構成されている。ドット54は、平面視において円形に形成されている。多数のドット54は、隣り合う2つのドット54の一部が互いに重なるように配置されることによって、インク配線50A~50Dの各々を構成している。
【0050】
インク配線50A~50Dの各々は、半導体素子20の複数の電極28A~28Dに接続された電極接続部51と、複数の端子30A~30Dに接続された端子接続部52と、電極接続部51と端子接続部52とを接続する配線部53と、を含む。
【0051】
図2に示すように、インク配線50Aは、絶縁部材40の絶縁表面41に接し、この絶縁表面41上を通って電極28Aと端子30Aとを接続している。より詳細には、インク配線50Aは、電極28Aの電極表面、絶縁部材40の絶縁表面41、および端子30Aの端子表面31に接している。ここで、電極28Aの電極表面は電極28Aのうち素子表面21と同じ側を向く面である。平面視において、インク配線50Aの電極接続部51は、電極28Aの電極表面と部分的に接している。一例では、平面視において、電極接続部51は、電極28Aの電極表面のうち端子30A寄りの部分と接している。インク配線50Aの端子接続部52は、端子30Aの端子表面31に接している。一例では、インク配線50Aの端子接続部52は、端子30Aの端子表面31に部分的に接している。一例では、インク配線50Aの端子接続部52は、平面視において略矩形状の部分と、略矩形状の部分から半導体素子20に向けて端子30Aの端子表面31のうち傾斜面37寄りの端縁まで延びる部分と、を含む。インク配線50Aの配線部53は、半導体素子20の素子表面21および絶縁部材40の絶縁表面41と接している。この配線部53は、平面視において、電極28Aから端子30Aに向かうにつれて第3封止側面75に近づくようにY方向に対して傾斜して延びている。
図5に示すように、インク配線50Aの配線部53は、電極28Aから端子30Aに向かうにつれて封止裏面72に近づくように傾斜している。
【0052】
図2に示すように、インク配線50Bは、絶縁部材40の絶縁表面41に接し、この絶縁表面41上を通って電極28Bと端子30Bとを接続している。より詳細には、インク配線50Bは、電極28Bの電極表面、絶縁表面41、および端子30Bの端子表面31に接している。ここで、電極28Bの電極表面は電極28Bのうち素子表面21と同じ側を向く面である。平面視において、インク配線50Bの電極接続部51は、電極28Bの電極表面と部分的に接している。一例では、平面視において、電極接続部51は、電極28Bの電極表面のうち端子30B寄りの部分と接している。インク配線50Bの端子接続部52は、端子30Bの端子表面31に接している。一例では、インク配線50Bの端子接続部52は、端子30Bの端子表面31に部分的に接している。一例では、インク配線50Bの端子接続部52は、平面視において略矩形状の部分と、略矩形状の部分から半導体素子20に向けて端子30Bの端子表面31のうち傾斜面37寄りの端縁まで延びる部分と、を含む。インク配線50Bの配線部53は、半導体素子20の素子表面21および絶縁部材40の絶縁表面41と接している。この配線部53は、平面視において、電極28Bから端子30Bに向かうにつれて第4封止側面76に近づくようにY方向に対して傾斜して延びている。図示していないが、インク配線50Bの配線部53は、電極28Bから端子30Bに向かうにつれて封止裏面72に近づくように傾斜している。
【0053】
インク配線50Cは、絶縁部材40の絶縁表面41に接し、この絶縁表面41上を通って電極28Cと端子30Cとを接続している。より詳細には、インク配線50Cは、電極28Cの電極表面、絶縁表面41、および端子30Cの端子表面31に接している。ここで、電極28Cの電極表面は電極28Cのうち素子表面21と同じ側を向く面である。平面視において、インク配線50Cの電極接続部51は、電極28Cの電極表面と部分的に接している。一例では、平面視において、電極接続部51は、電極28Cの電極表面のうち端子30C寄りの部分と接している。インク配線50Cの端子接続部52は、端子30Cの端子表面31に接している。一例では、インク配線50Cの端子接続部52は、端子30Cの端子表面31に部分的に接している。一例では、インク配線50Cの端子接続部52は、平面視において略矩形状の部分と、略矩形状の部分から半導体素子20に向けて端子30Cの端子表面31のうち傾斜面37寄りの端縁まで延びる部分と、を含む。インク配線50Cの配線部53は、半導体素子20の素子表面21および絶縁部材40の絶縁表面41と接している。この配線部53は、平面視において、電極28Cから端子30Cに向かうにつれて第3封止側面75に近づくようにY方向に対して傾斜して延びている。
図5に示すように、インク配線50Cの配線部53は、電極28Cから端子30Cに向かうにつれて封止裏面72に近づくように傾斜している。
【0054】
図2に示すように、インク配線50Dは、絶縁部材40の絶縁表面41に接し、この絶縁表面41上を通って電極28Dと端子30Dとを接続している。より詳細には、インク配線50Dは、電極28Dの電極表面、絶縁表面41、および端子30Dの端子表面31に接している。ここで、電極28Dの電極表面は電極28Dのうち素子表面21と同じ側を向く面である。平面視において、インク配線50Dの電極接続部51は、電極28Dの電極表面と部分的に接している。一例では、平面視において、電極接続部51は、電極28Dの電極表面のうち端子30D寄りの部分と接している。インク配線50Dの端子接続部52は、端子30Dの端子表面31に接している。一例では、インク配線50Dの端子接続部52は、端子30Dの端子表面31に部分的に接している。一例では、インク配線50Dの端子接続部52は、平面視において略矩形状の部分と、略矩形状の部分から半導体素子20に向けて端子30Dの端子表面31のうち傾斜面37寄りの端縁まで延びる部分と、を含む。インク配線50Dの配線部53は、半導体素子20の素子表面21および絶縁部材40の絶縁表面41と接している。この配線部53は、平面視において、電極28Dから端子30Dに向かうにつれて第4封止側面76に近づくようにY方向に対して傾斜して延びている。図示していないが、インク配線50Dの配線部53は、電極28Dから端子30Dに向かうにつれて封止裏面72に近づくように傾斜している。
【0055】
インク配線50A~50Dの各々の配線部53は、平面視において配線部53の幅方向の両端が複数の円弧によって形成された凸凹形状に形成されている。
図4の例においては、インク配線50A~50Dの各々の端子接続部52においては、インク配線50A~50Dの各々の電極接続部51および配線部53よりも多くのドット54が積層されている。このため、インク配線50A~50Dの各々の端子接続部52の厚さは、インク配線50A~50Dの各々の電極接続部51および配線部53の厚さよりも厚い。インク配線50A~50Dの各々の厚さは、たとえば15μm未満である。一例では、インク配線50A~50Dの各々の厚さは、10μm以下である。一例では、インク配線50A~50Dの各々の厚さは、5μm以下である。一例では、インク配線50A~50Dの各々の厚さは、3μm以下である。一例では、インク配線50A~50Dの各々の厚さは、1μm以下である。ここで、インク配線50A~50Dの各々の厚さは、インク配線50A~50Dの各々の厚さの最大値によって定義できる。
【0056】
インク配線50A~50Dの各々の配線部53の幅は、インク配線50A~50Dの各々の端子接続部52の幅よりも小さい。ここで、配線部53の幅は、平面視において配線部53が延びる方向と直交する方向の大きさの最大値によって定義できる。端子接続部52の幅は、平面視において端子接続部52の延びる方向(長手方向)と直交する方向の大きさの最大値によって定義できる。
【0057】
インク配線50A~50Dの各々の配線部53の幅は、インク配線50A~50Dの各々の厚さよりも大きい。一例では、インク配線50A~50Dの各々の配線部53の幅は、たとえば15μm以上である。インク配線50A~50Dの各々の配線部53の幅は、たとえば20μm以上である。なお、平面視におけるインク配線50A~50Dを構成するドット54の直径は、たとえば10μm程度である。また、ドット54の厚さは、1μm以下であってもよい。
【0058】
一例では、配線部53の厚さに対する配線部53の幅の比率が5以上であってもよい。一例では、配線部53の厚さに対する配線部53の幅の比率が10以上であってもよい。一例では、配線部53の厚さに対する配線部53の幅の比率が15以上であってもよい。一例では、配線部53の厚さに対する配線部53の幅の比率が20以上であってもよい。
【0059】
図6は、
図5においてインク配線50Aの一部およびその周辺を拡大した断面図である。以下では、
図6を用いてインク配線50Aの詳細な構成について説明する。なお、インク配線50B~50Dは、インク配線50Aと同じ構成であるため、その詳細な説明を省略する。
【0060】
図6に示すように、インク配線50Aは、配線表面55と、配線表面55とは反対側の配線裏面56と、を有する。
インク配線50Aの配線裏面56は、複数の電極28A、絶縁部材40の絶縁表面41、および端子30Aの端子表面31と接する面である。インク配線50Aの配線表面55は、端子30Aの端子表面31と同じ側を向いているといえる。また、配線表面55は、絶縁部材40の絶縁表面41と同じ側を向いているともいえる。また、配線表面55は、電極28Aの電極表面と同じ側を向いているともいえる。
【0061】
インク配線50Aがドット54の重ね合わせによって構成されているため、インク配線50Aの配線表面55は、凹凸状に形成されている。このため、インク配線50Aの配線表面55は、インク配線50Aの配線裏面56よりも凸凹状に形成されている。
【0062】
また、一例では、インク配線50Aは、ドット54の積層数が多くなるにつれて凹凸の差が大きくなる。このため、インク配線50Aの各々の配線表面55のうち端子接続部52の面粗度は、配線部53の面粗度よりも大きい。ここで、面粗度は、たとえば算術平均粗さが用いられる。
【0063】
図6に示すように、インク配線50Aは、半導体素子20と絶縁部材40との境界上に形成された第1積層部57と、端子30Aと絶縁部材40との境界上に形成された第2積層部58と、を含む。
【0064】
第1積層部57は、半導体素子20と絶縁部材40との境界を跨ぐように形成されている。このため、第1積層部57は、配線部53に設けられている。つまり、配線部53は、第1積層部57を含む。
【0065】
第2積層部58は、端子30Aと絶縁部材40との境界を跨ぐように形成されている。つまり、第2積層部58は、端子接続部52および配線部53の双方に設けられている。
第1積層部57の厚さは、配線部53のうち第1積層部57および第2積層部58以外の部分の厚さよりも厚い。第1積層部57の厚さは、たとえば電極接続部51の厚さよりも厚い。第1積層部57の厚さは、たとえば端子接続部52のうち略矩形状の部分の厚さよりも薄い。第1積層部57は、導電性インクのドット54(
図4参照)を複数重ねることによって形成されている。
【0066】
第2積層部58の厚さは、配線部53のうち第1積層部57および第2積層部58以外の部分の厚さよりも厚い。第2積層部58の厚さは、たとえば電極接続部51の厚さよりも厚い。第2積層部58の厚さは、たとえば端子接続部52のうち略矩形状の部分の厚さよりも薄い。第2積層部58は、導電性インクのドット54を複数重ねることによって形成されている。
【0067】
このため、インク配線50Aのうち絶縁部材40と半導体素子20との境界上に形成された部分の厚さは、インク配線50Aのうち絶縁部材40上に形成された部分の厚さよりも厚いといえる。また、インク配線50Aのうち絶縁部材40と端子30Aとの境界上に形成された部分の厚さは、インク配線50Aのうち絶縁部材40上に形成された部分の厚さよりも厚いといえる。
【0068】
なお、インク配線50A~50Dの各々の端子接続部52は任意に変更可能である。一例では、インク配線50Aの端子接続部52は、端子30Aの端子表面31の全体にわたり接するように形成されていてもよい。インク配線50B~50Dの端子接続部52の各々についても同様に、端子30B~30Dの端子表面31の全体にわたり接するように形成されていてもよい。
【0069】
[半導体装置の製造方法]
図7~
図11を参照して、半導体装置10の製造方法について説明する。
半導体装置10の製造方法は、端子フレーム830を用意する工程と、支持部材60を用意する工程と、半導体素子20を搭載する工程と、絶縁部材40を形成する工程と、インク配線50A~50Dを形成する工程と、封止樹脂870を形成する工程と、個片化する工程と、を備える。
【0070】
図7に示すように、端子フレーム830を用意する工程においては、支持材800上に端子フレーム830が搭載される。支持材800としては、たとえば基板、テープ等が用いられる。一例では、支持材800の表面801上に端子フレーム830が載置される。
【0071】
端子フレーム830は、たとえば金属製の薄板である。端子フレーム830は、たとえば銅を含む材料によって形成されている。端子フレーム830は、たとえば互いに離隔して設けられた複数の端子30A~30D(
図2参照)を一組の端子群として、この一組の端子群が複数設けられた部品である。端子フレーム830は、端子30A~30Dの外部電極部38を構成する外部電極部838と、端子30A~30Dのフランジ部39(
図2参照)を構成するフランジ部839と、を含む。なお、
図7では、便宜上、端子30A,30Cに対応する端子フレーム830の断面構造を示している。一方、
図7では、端子30B,30Dに対応する端子フレーム830の図示を省略している。
【0072】
図8に示すように、支持部材60を用意する工程においては、支持材800の表面801上に支持部材60が載置される。支持部材60は、支持材800の表面801のうち平面視において、複数の端子30A~30Dによって囲まれた領域に載置される。
【0073】
続いて、半導体素子20を搭載する工程においては、半導体素子20が支持部材60に搭載される。一例では、支持部材60上に半導体素子20がたとえばダイボンディングされる。より詳細には、まず、支持部材60上に接合材SDが塗布される。続いて、接合材SD上に半導体素子20が載置される。そして、リフロー処理によって接合材SDを溶融し、固化することによって接合材SDが支持部材60と半導体素子20とを接合する。一例では、接合材SDの一部は、半導体素子20の第1~第4素子側面23~26のうち素子裏面22寄りの一部に接している。なお、
図8では、第1~第4素子側面23~26のうち第1素子側面23および第3素子側面25を示している。
【0074】
接合材SDとしては、一例として既知のダイボンディング材が用いられる。ダイボンディング材としては、たとえばエポキシ樹脂等の絶縁性接合材が用いられてよい。なお、支持部材60と接合材SDとが一体とされたものであってもよい。たとえば支持部材60として、半導体素子20をダイボンディングするダイボンディング材が用いられてもよい。この場合、支持材800上にダイボンディング材を塗布し、半導体素子20をダイボンディングした後、ダイボンディング材を硬化させる。
【0075】
図9に示すように、絶縁部材40を形成する工程においては、半導体素子20と端子フレーム830の複数の端子30A~30Dとの間に絶縁部材40が形成される。絶縁部材40は、たとえばポッティングによって半導体素子20と端子フレーム830の複数の端子30A~30Dとの間に充填される。絶縁部材40は、たとえばシリコーン樹脂が用いられる。
【0076】
図10に示すように、複数のインク配線50A~50Dを形成する工程においては、たとえばインクジェット印刷を用いて導電性インクを吐出することによって複数のインク配線50A,50Cが形成される。なお、図示していないが、インク配線50B,50Dについても同様にインクジェット印刷によって形成される。一例では、複数のインク配線50A~50Dは、導電性インクによって形成される。導電性インクとしては、銀(Ag)または金(Au)を含む。
【0077】
一例では、
図10に示すように、インクジェット印刷を用いて、電極28A,28Cの電極表面上に向けてインクを吐出することによって、電極表面上に多数のドット54(
図4参照)によって構成された電極接続部51が形成される。インクジェット印刷を用いて、半導体素子20の素子表面21上および絶縁部材40の絶縁表面41上に向けてインクを吐出することによって、素子表面21上および絶縁表面41上に多数のドット54によって構成された配線部53が形成される。インクジェット印刷を用いて、端子フレーム830の端子30A,30Cの端子表面31上に向けてインクを吐出することによって、端子表面31上に多数のドット54によって構成された端子接続部52が形成される。
【0078】
このように、複数のインク配線50A~50Dを形成する工程では、絶縁表面41に接し、この絶縁表面41を通って電極28A,28Cと端子30A,30Cとを接続するようにインク配線50A,50Cが形成される。また、図示していないが、複数のインク配線50A~50Dを形成する工程では、絶縁表面41に接し、この絶縁表面41を通って電極28B,28Dと端子30B,30Dとを接続するようにインク配線50B,50Dが形成される。
【0079】
一例では、平面視において、半導体素子20の素子表面21と絶縁部材40の絶縁表面41との境界部分と、絶縁部材40の絶縁表面41と端子フレーム830の端子30A,30Cの端子表面831との境界部分との両方において、インク配線50A,50Cの厚さが他の配線部53の厚さよりも厚くなるように形成されている。
【0080】
具体的には、半導体素子20の素子表面21と絶縁部材40の絶縁表面41との境界部分におけるインクジェット印刷による導電性インクの吐出回数を増加させている。これにより、半導体素子20の素子表面21と絶縁部材40の絶縁表面41との境界部分におけるインクジェット印刷による導電性インクの吐出回数は、他の配線部53における導電性インクの吐出回数よりも多くなる。その結果、半導体素子20の素子表面21と絶縁部材40の絶縁表面41との境界部分においては、ドット54の積層数が他の配線部53よりも多くなる。
【0081】
絶縁部材40の絶縁表面41と端子フレーム830の端子30A,30Cの端子表面831との境界部分におけるインクジェット印刷による導電性インクの吐出回数を増加させている。これにより、絶縁部材40の絶縁表面41と端子フレーム830の端子30A,30Cの端子表面831との境界部分におけるインクジェット印刷による導電性インクの吐出回数は、他の配線部53における導電性インクの吐出回数よりも多くなる。その結果、絶縁部材40の絶縁表面41と端子フレーム830の端子30A,30Cの端子表面831との境界部分においては、ドット54の積層数が他の配線部53よりも多くなる。以上の工程を経て、インク配線50A,50Cが形成される。なお、図示していないが、インク配線50B,50Dもインク配線50A,50Dと同様に形成される。
【0082】
図11に示すように、封止樹脂870を形成する工程においては、たとえばトランスファーモールド、コンプレッションモールド等によって封止樹脂870が形成される。封止樹脂870は、端子フレーム830、半導体素子20、絶縁部材40、および複数のインク配線50A~50Dを封止している。封止樹脂870としては、たとえば黒色のエポキシ樹脂が用いられる。封止樹脂870が形成された後、支持材800が取り除かれる。
【0083】
続いて、個片化する工程においては、まず、封止樹脂870を形成する工程によって製造された組立体をダイシングテープDTに載置する。続いて、
図11に示す切断線CLに沿って、たとえばダイシングブレードを用いて封止樹脂870および端子フレーム830を切断する。これにより、封止樹脂70および複数の端子30A~30Dが形成される。以上の工程を経て、半導体装置10が製造される。
【0084】
[作用]
第1実施形態の半導体装置10の作用について説明する。
半導体素子20の複数の電極28A~28Dと複数の端子30A~30Dとがボンディングワイヤで個別に接続された構成(以下、「比較構成」)では、低背化の実現のため、たとえば複数の端子30A~30Dとボンディングワイヤとの接合部をファーストボンド部とし、複数の電極28A~28Dとボンディングワイヤとの接合部をセカンドボンド部としている。しかし、ボンディングワイヤは、複数の電極28A~28Dおよび複数の端子30A~30Dの各々とZ方向において所定のループ高さを有するように離隔して形成される。これにより、装置全体の高さを低くすることに限界がある。
【0085】
この点、第1実施形態の半導体装置10は、複数のインク配線50A~50Dによって複数の電極28A~28Dと複数の端子30A~30Dとが個別に接続されている。複数のインク配線50A~50Dは、複数の電極28A~28D、絶縁部材40の絶縁表面41、および複数の端子30A~30Dに接した状態で形成される。つまり、複数のインク配線50A~50Dは、複数の電極28A~28Dに対してZ方向において封止表面71寄りに離隔していない。これにより、インク配線50A~50Dは、ボンディングワイヤのために確保する高さよりも厚さを薄くできるため、比較構成と比較して、半導体装置10の低背化を図ることができる。
【0086】
また、複数の端子30A~30Dのフランジ部39は、その厚さが薄いため、半導体装置10の製造過程において、ボンディングワイヤがフランジ部39に接合される際にフランジ部39の変形に起因して、ボンディングワイヤとフランジ部39との接合が安定しない場合がある。また、複数の端子30A~30Dがプレス加工によって形成された場合、フランジ部39にダレが発生する場合がある。これにより、ボンディングワイヤがフランジ部39に安定して接合されない場合がある。
【0087】
この点、第1実施形態の半導体装置10は、インク配線50A~50Dの形成時にフランジ部39を変形させるような力が加わることはないため、フランジ部39上にインク配線50A~50Dを安定して形成することができる。また、フランジ部39にダレが発生したとしても、その形状に沿ってインクを吐出することによってインク配線50A~50Dを形成することができる。
【0088】
また、ボンディングワイヤを形成するためのワイヤボンディング装置のキャピラリーツール(図示略)の干渉を回避するため、複数の端子30A~30Dを所定距離以上にわたり離隔する必要がある。このため、複数の端子30A~30Dの間の距離に起因して、X方向およびY方向における半導体装置10の小型化を図ることが困難である。
【0089】
この点、第1実施形態の半導体装置10では、インク配線50A~50Dの形成時にボンディングワイヤのようにキャピラリーツールを用いていないため、複数の端子30A~30Dの間の距離を小さくすることができる。したがって、X方向およびY方向における半導体装置10の小型化を図ることができる。
【0090】
加えて、複数の端子30A~30Dとボンディングワイヤとの接合部をファーストボンド部とする場合、複数の端子30A~30Dとボンディングワイヤとの接合部にはバンプが形成されるため、複数の端子30A~30Dとボンディングワイヤと接合面積が大きくなる。これにより、複数の端子30A~30Dの小型化が困難である。
【0091】
この点、第1実施形態の半導体装置10では、複数の端子30A~30Dの端子表面31上に形成されたインク配線50A~50D(端子接続部52)は、端子表面31と電気的に接続されていれば、面積を任意に変更可能である。したがって、複数の端子30A~30Dが小型化になったとしても、インク配線50A~50Dは複数の端子30A~30Dに安定して接合できる。したがって、複数の端子30A~30Dの小型化に起因して半導体装置10の小型化を図ることができる。
【0092】
[効果]
第1実施形態の半導体装置10によれば、以下の効果が得られる。
(1-1)半導体装置10は、電極28A~28Dが形成された素子表面21と、厚さ方向であるZ方向において素子表面21とは反対側の素子裏面22と、を有する半導体素子20と、素子表面21と同じ側を向く端子表面31を有し、半導体素子20の厚さ方向であるZ方向から視て、半導体素子20の周囲に配置された端子30A~30Dと、素子表面21と同じ側を向く絶縁表面41を有し、半導体素子20と端子30A~30Dとの間に設けられた絶縁部材40と、電極28A~28Dと端子30A~30Dとを個別に接続するインク配線50A~50Dと、半導体素子20、インク配線50A~50D、絶縁部材40、および端子30A~30Dを封止する封止樹脂70と、を備える。インク配線50A~50Dは、絶縁表面41に接し、当該絶縁表面41上を通って電極28A~28Dと端子30A~30Dとを個別に接続している。
【0093】
この構成によれば、インク配線50A~50Dが絶縁部材40の絶縁表面41、電極28A~28D、および端子30A~30DとZ方向において離隔していないため、上記作用に記載の比較構成と比較して、半導体装置10の低背化を図ることができる。
【0094】
(1-2)半導体装置の低背化のため、ワイヤに代えて銅箔によって形成された配線を用いることが考えられる。しかし、このような配線は、たとえば銅箔からエッチングによってパターニングして形成されるため、エッチングレジストのための版が必要となる。
【0095】
この点、第1実施形態では、インク配線50A~50Dは、導電性インクによって形成されている。この構成によれば、インク配線50A~50Dがインクジェット印刷によって形成できるため、エッチングレジストのような版が不要となる。したがって、半導体装置10の製造コストの低減を図ることができる。
【0096】
(1-3)インク配線50A~50Dの各々は、複数の端子30A~30Dの端子表面31と同じ側を向く配線表面55を有する。配線表面55は、凹凸状に形成されている。
この構成によれば、凸凹状の配線表面55に封止樹脂70が入り込むため、たとえばアンカー効果によってインク配線50A~50Dと封止樹脂70との密着性の向上を図ることができる。
【0097】
(1-4)インク配線50A~50Dの各々の幅は、インク配線50A~50Dの各々の厚さよりも大きい。
この構成によれば、インク配線50A~50Dの厚さを薄くすることによる半導体装置10の低背化を図るとともに、インク配線50A~50Dの断面積を大きくとることができるのでインク配線50A~50Dの電気抵抗の増加を抑制できる。
【0098】
(1-5)インク配線50A~50Dの各々のうち絶縁部材40と半導体素子20との境界上に形成された部分の厚さは、インク配線50A~50Dの各々のうち絶縁部材40上に形成された部分の厚さよりも厚い。
【0099】
この構成によれば、インク配線50A~50Dのうち段差が形成されやすい絶縁部材40と半導体素子20との境界上に形成された部分の厚さを厚くすることによって、上記段差に起因するインク配線50A~50Dの断線を回避することができる。
【0100】
(1-6)インク配線50A~50Dのうち絶縁部材40と複数の端子30A~30Dとの境界上に形成された部分の厚さは、インク配線50A~50Dの各々のうち絶縁部材40上に形成された部分の厚さよりも厚い。
【0101】
この構成によれば、インク配線50A~50Dのうち段差が形成されやすい絶縁部材40と複数の端子30A~30Dとの境界上に形成された部分の厚さを厚くすることによって、上記段差に起因するインク配線50A~50Dの断線を回避することができる。
【0102】
(1-7)インク配線50A~50Dの各々の配線表面55のうち端子接続部52は、配線部53よりも凹凸状に形成されている。
この構成によれば、端子接続部52と封止樹脂70との密着性の向上を図ることができるため、インク配線50A~50Dと封止樹脂70との密着性のさらなる向上を図ることができる。
【0103】
<第2実施形態>
図12~
図19を参照して、第2実施形態の半導体装置10について説明する。第2実施形態の半導体装置10は、第1実施形態の半導体装置10と比較して、複数の端子の構成が主に異なる。以下では、第1実施形態の半導体装置10と異なる点を詳細に説明し、第1実施形態の半導体装置10と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0104】
[半導体装置の構成]
図12および
図13に示すように、第2実施形態の半導体装置10の複数の端子30A~30Dは、第1実施形態の端子フレーム830(
図7参照)に代えて、導電性ペーストによって形成されている。このため、複数の端子30A~30Dは、Z方向を厚さ方向とする矩形平板状に形成されている。ここで、導電性ペーストとしては、たとえば銀(Ag)を含むペーストが用いられている。
【0105】
図13に示すように、平面視における複数の端子30A~30Dの各々の形状は、たとえばX方向が短手方向となり、Y方向が長手方向となる矩形状である。複数の端子30A~30Dは、端子表面31、端子裏面32(
図12参照)、および第1~第4端子側面33~36を有する。
【0106】
端子30A,30Bの第1端子側面33は封止樹脂70の第1封止側面73と同じ側を向き、端子30A,30Bの第2端子側面34は第2封止側面74と同じ側を向いている。端子30Aの第3端子側面35は第3封止側面75と同じ側を向き、端子30Aの第4端子側面36は第4封止側面76と同じ側を向いている。端子30Bの第3端子側面35は第4封止側面76と同じ側を向き、端子30Bの第4端子側面36は第3封止側面75と同じ側を向いている。
【0107】
端子30C,30Dの第1端子側面33は封止樹脂70の第2封止側面74と同じ側を向き、端子30C,30Dの第2端子側面34は第1封止側面73と同じ側を向いている。端子30Cの第3端子側面35は第3封止側面75と同じ側を向き、端子30Cの第4端子側面36は第4封止側面76と同じ側を向いている。端子30Dの第3端子側面35は第4封止側面76と同じ側を向き、端子30Dの第4端子側面36は第3封止側面75と同じ側を向いている。
【0108】
図13に示す例においては、複数の端子30A~30Dは、第1および第2封止側面73,74から露出しないように設けられている。一方、端子30A,30Cの第3端子側面35は第3封止側面75から露出しており、端子30B,30Dの第3端子側面35は第4封止側面76から露出している。また、複数の端子30A~30Dの端子裏面32は、封止裏面72(
図12参照)から露出している。
【0109】
複数の端子30A~30Dの厚さは、半導体素子20の厚さよりも薄い。一例では、複数の端子30A~30Dの厚さは、半導体素子20の厚さの1/2以下である。一例では、複数の端子30A~30Dの厚さは、半導体素子20の厚さの1/3以下である。一例では、複数の端子30A~30Dの厚さは、半導体素子20の厚さの1/4以下である。
【0110】
絶縁部材40は、第1実施形態と同様に、半導体素子20と複数の端子30A~30Dとの間に形成されている。絶縁部材40は、半導体素子20と複数の端子30A~30Dとに接している。より詳細には、絶縁部材40は、半導体素子20の第1~第4素子側面23~26と、複数の端子30A~30Dの第2端子側面34および第3端子側面35とに接している。
【0111】
各端子30A~30DのY方向の大きさはたとえば0.07mm程度であり、各端子30A~30DのX方向の大きさはたとえば0.07mm程度である。なお、封止樹脂70のサイズは第1実施形態と同様である。
【0112】
図13に示すように、絶縁部材40は、半導体素子20と支持部材60とを接合している。つまり、絶縁部材40は、ダイボンディング材であるといえる。ダイボンディング材の一例としては、エポキシ樹脂等の絶縁性接合材が用いられている。なお、支持部材60と絶縁部材40とが一体とされたものであってもよい。たとえば支持部材60として、半導体素子20をダイボンディングするダイボンディング材が用いられてもよい。
【0113】
絶縁部材40は、第1実施形態と同様に、絶縁表面41および絶縁裏面42を有する。
絶縁表面41は、平面視において、半導体素子20の素子表面21と複数の端子30A~30Dの端子表面31との間を繋ぐように形成されている。
【0114】
絶縁裏面42の一部は、支持部材60に接している。絶縁部材40のうち複数の端子30A~30D間に設けられた部分における絶縁裏面42は、封止裏面72から露出している。
【0115】
一例では、絶縁部材40は、絶縁部材40のうち第1~第4素子側面23~26と接する端縁において絶縁表面41が半導体素子20の素子表面21とZ方向に同じ位置となるように形成されている。また一例では、絶縁部材40は、絶縁部材40のうち複数の端子30A~30Dの第2端子側面34と接する端縁において絶縁表面41が複数の端子30A~30Dの各々の端子表面31とZ方向に同じ位置となるように形成されている。
【0116】
図12および
図13に示すように、複数のインク配線50A~50Dは、第1実施形態と同様に、複数の電極28A~28Dと複数の端子30A~30Dとを個別に電気的に接続するように形成されている。複数のインク配線50A~50Dの各々は、第1実施形態と同様に、電極接続部51、端子接続部52、および配線部53を有する。
【0117】
図13に示すように、複数のインク配線50A~50Dの各々の端子接続部52は、平面視において、複数の端子30A~30Dよりも一回り小さい矩形状に形成されている。複数のインク配線50A~50Dの各々の端子接続部52の厚さは、複数の端子30A~30Dの厚さよりも薄い。
【0118】
なお、インク配線50A~50Dの各々の端子接続部52は任意に変更可能である。一例では、インク配線50Aの端子接続部52は、端子30Aの端子表面31の全面にわたり接するように形成されていてもよい。インク配線50B~50Dの端子接続部52の各々についても同様に、端子30B~30Dの端子表面31の全面にわたり接するように形成されていてもよい。また、平面視における複数のインク配線50A~50Dの各々の端子接続部52の形状は、矩形状に限られず、任意に変更可能である。
【0119】
図13では明示していないが、第1実施形態と同様に、インク配線50Aのうち絶縁部材40と半導体素子20との境界上に形成された部分の厚さは、インク配線50Aのうち絶縁部材40上に形成された部分の厚さよりも厚い。より詳細には、インク配線50Aの配線部53のうち絶縁部材40の絶縁表面41と半導体素子20の素子表面21との境界上に形成された部分の厚さは、インク配線50Aの配線部53の他の部分(絶縁表面41上に形成された配線部53)の厚さよりも厚い。
【0120】
また第1実施形態と同様に、インク配線50Aのうち絶縁部材40と端子30Aとの境界上に形成された部分の厚さは、インク配線50Aのうち絶縁部材40上に形成された部分の厚さよりも厚い。より詳細には、インク配線50Aのうち絶縁部材40と端子30Aとの境界上には、インク配線50Aの配線部53と端子接続部52との境界部分が形成されている。このため、インク配線50Aの配線部53と端子接続部52との境界部分の厚さは、インク配線50Aの配線部53のうち半導体素子20から離隔しかつ絶縁部材40の絶縁表面41上に形成された部分の厚さよりも厚い。
【0121】
第1実施形態と同様に、インク配線50Cのうち絶縁部材40と半導体素子20との境界上に形成された部分の厚さは、インク配線50Cのうち絶縁部材40上に形成された部分の厚さよりも厚い。より詳細には、インク配線50Cの配線部53のうち絶縁部材40の絶縁表面41と半導体素子20の素子表面21との境界上に形成された部分の厚さは、インク配線50Cの配線部53の他の部分(絶縁表面41上に形成された配線部53)の厚さよりも厚い。
【0122】
また第1実施形態と同様に、インク配線50Cのうち絶縁部材40と端子30Cとの境界上に形成された部分の厚さは、インク配線50Cのうち絶縁部材40上に形成された部分の厚さよりも厚い。より詳細には、インク配線50Cのうち絶縁部材40と端子30Cとの境界上には、インク配線50Cの配線部53と端子接続部52との境界部分が形成されている。このため、インク配線50Cの配線部53と端子接続部52との境界部分の厚さは、インク配線50Cの配線部53のうち半導体素子20から離隔しかつ絶縁部材40の絶縁表面41上に形成された部分の厚さよりも厚い。
【0123】
図示していないが、インク配線50B,50Dについても同様に、インク配線50B,50Dのうち絶縁部材40と半導体素子20との境界上に形成された部分の厚さは、インク配線50B,50Dのうち絶縁部材40上に形成された部分の厚さよりも厚い。また、インク配線50B,50Dのうち絶縁部材40と複数の端子30B,30Dとの境界上に形成された部分の厚さは、インク配線50B,50Dのうち絶縁部材40上に形成された部分の厚さよりも厚い。
【0124】
[半導体装置の製造方法]
図14~
図18を参照して、第2実施形態の半導体装置10の製造方法について説明する。なお、
図14~
図18では複数の端子30A~30Dのうち端子30A,30Cを示し、
図17および
図18では複数のインク配線50A~50Dのうちインク配線50A,50Cを示している。
【0125】
第2実施形態の半導体装置10の製造方法は、複数の端子30A~30Dを形成する工程と、支持部材60を形成する工程と、半導体素子20を搭載する工程と、複数のインク配線50A~50Dを形成する工程と、封止樹脂870を形成する工程と、個片化する工程と、を備える。
【0126】
図14に示すように、複数の端子30A~30Dを形成する工程においては、支持材800の表面801上に複数の端子30A,30Cが形成される。複数の端子30A,30Cは、たとえばパッド印刷またはスクリーン印刷によって形成される。なお、図示していないが、端子30B,30Dも端子30A,30Cと同様に形成される。
【0127】
続いて、支持部材60を形成する工程においては、支持材800の表面801上に支持部材60が形成される。支持部材60は、たとえばポッティングによって形成される。支持部材60は、複数の端子30A~30Dと接するように形成されている。
【0128】
図15に示すように、半導体素子20を搭載する工程は、支持部材60上に絶縁部材40をポッティングする工程と、支持部材60に半導体素子20を接合する工程と、を含む。
【0129】
支持部材60上に絶縁部材40をポッティングする工程においては、たとえばインジェクタを用いて絶縁部材40が支持部材60上に形成される。この絶縁部材40は、たとえばダイボンディング材によって形成されている。
【0130】
続いて、
図16に示すように、支持部材60に半導体素子20を接合する工程においては、まず、半導体素子20が絶縁部材40に搭載される。この際、
図16に示すとおり、絶縁部材40は、半導体素子20の第1~第4素子側面23~26(
図13参照)の全面を覆う。その後、リフロー処理し、冷却固化することによって、絶縁部材40が半導体素子20を支持部材60に接合する。なお、
図16では、第1~第4素子側面23~26のうち第1素子側面23および第3素子側面25を示している。
【0131】
図17に示すように、インク配線50A~50Dを形成する工程においては、第1実施形態と同様に、インク配線50A,50Cは、インクジェット印刷によって半導体素子20の複数の電極28A,28C上、素子表面21上、絶縁部材40の絶縁表面41上、および複数の端子30A,30Cの端子表面31上に形成される。一例では、平面視において、インク配線50A,50Cのうち半導体素子20の素子表面21と絶縁部材40の絶縁表面41との境界部分と、絶縁部材40の絶縁表面41と端子30A,30Cの端子表面31との境界部分との両方において、インク配線50A,50Cの厚さが他の配線部53の厚さよりも厚くなるように形成されている。この形成方法は第1実施形態と同様である。
【0132】
なお、図示していないが、インク配線50A~50Dを形成する工程においては、インク配線50B,50Dもインク配線50A,50Cと同様に、インクジェット印刷によって半導体素子20の複数の電極28B,28D上、素子表面21上、絶縁部材40の絶縁表面41上、および複数の端子30B,30Dの端子表面31上に形成される。一例では、平面視において、インク配線50B,50Dのうち半導体素子20の素子表面21と絶縁部材40の絶縁表面41との境界部分と、絶縁部材40の絶縁表面41と端子30B,30Dの端子表面31との境界部分との両方において、インク配線50B,50Dの厚さが他の配線部53の厚さよりも厚くなるように形成されている。
【0133】
図18に示すように、封止樹脂870を形成する工程は、第1実施形態の封止樹脂870を形成する工程と同様である。続いて、支持材800を除去する。
続いて、個片化する工程は、第1実施形態と同様に、封止樹脂870を形成する工程によって製造された組立体をダイシングテープDTに載置した状態でたとえばダイシングブレードを用いて切断線CLに沿って封止樹脂870を切断する。これにより、封止樹脂70が形成される。以上の工程を経て、半導体装置10が製造される。第2実施形態の半導体装置10によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0134】
<第3実施形態>
図19~
図25を参照して、第3実施形態の半導体装置10について説明する。第3実施形態の半導体装置10は、第1実施形態の半導体装置10と比較して、複数のインク配線および複数の端子の構成が主に異なる。以下では、第1実施形態の半導体装置10と異なる点を詳細に説明し、第1実施形態の半導体装置10と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0135】
[半導体装置の構成]
図19および
図20に示すように、第3実施形態の半導体装置10は、第1実施形態の複数のインク配線50A~50D(
図2参照)に代えて、複数のインク配線80A~80Dを備える。第3実施形態の半導体装置10においては、複数のインク配線80A~80Dと複数の端子30A~30Dとが、インクジェット印刷によって一体に形成されている。つまり、複数の端子30A~30Dは、導電性インクによって形成されている。複数の端子30A~30Dに用いられた導電性インクは、たとえば銀(Ag)または金(Au)を含む。第3実施形態では、複数のインク配線80A~80Dの形成のために用いられた導電性インクと、複数の端子30A~30Dの形成のために用いられた導電性インクとは、同じものである。このため、複数の端子30A~30Dは、インク配線80A~80Dを形成する導電性インクと同一材料の導電性インクによって一体に形成されているといえる。このように、複数のインク配線80A~80Dおよび複数の端子30A~30Dは、多数のドット54(
図4参照)によって形成されている。
【0136】
図19および
図20に示すように、複数のインク配線80A~80Dは、第1実施形態と同様に、複数の電極28A~28Dと複数の端子30A~30Dとを個別に電気的に接続するように形成されている。複数のインク配線80A~80Dの各々は、電極接続部81および配線部82を有する。複数のインク配線80A~80Dの各々の電極接続部81は、第1実施形態の複数のインク配線50A~50Dの各々の電極接続部51(
図2参照)と対応している。複数のインク配線80A~80Dの各々の配線部82は、第1実施形態の複数のインク配線50A~50Dの各々の配線部53と対応している。一方、複数のインク配線80A~80Dの各々は、第1実施形態の複数のインク配線50A~50Dの端子接続部52(
図3参照)を有していない。
【0137】
図20では明示していないが、第1実施形態と同様に、インク配線80Aのうち絶縁部材40と半導体素子20との境界上に形成された部分の厚さは、インク配線80Aのうち絶縁部材40上に形成された部分の厚さよりも厚い。より詳細には、インク配線80Aの配線部82のうち絶縁部材40の絶縁表面41と半導体素子20の素子表面21との境界上に形成された部分の厚さは、インク配線80Aの配線部82の他の部分(絶縁表面41上に形成された配線部82)の厚さよりも厚い。
【0138】
図20では明示していないが、第1実施形態と同様に、インク配線80Cのうち絶縁部材40と半導体素子20との境界上に形成された部分の厚さは、インク配線80Cのうち絶縁部材40上に形成された部分の厚さよりも厚い。より詳細には、インク配線80Cの配線部82のうち絶縁部材40の絶縁表面41と半導体素子20の素子表面21との境界上に形成された部分の厚さは、インク配線80Cの配線部82の他の部分(絶縁表面41上に形成された配線部53)の厚さよりも厚い。
【0139】
図示していないが、インク配線80B,80Dについても同様に、インク配線80B,80Dのうち絶縁部材40と半導体素子20との境界上に形成された部分の厚さは、インク配線80B,80Dのうち絶縁部材40上に形成された部分の厚さよりも厚い。
【0140】
図19に示すように、平面視における複数の端子30A~30Dの形状は、矩形状である。
図20に示すように、複数の端子30A~30Dの厚さは、複数のインク配線80A~80Dの配線部82の厚さよりも厚い。つまり、複数の端子30A~30Dは、配線部82よりもドット54(
図4参照)の積層数が多くなる。このため、複数の端子30A~30Dの端子表面31は、凹凸状となる。一例では、インク配線80A~80Dおよび端子30A~30Dでは、ドット54の積層数が多くなるにつれて凹凸の差が大きくなる。このため、複数の端子30A~30Dの面粗度は、インク配線80A~80Dの配線部82の面粗度よりも大きい。ここで、面粗度は、たとえば第1実施形態と同様に算術平均粗さが用いられる。
【0141】
各端子30A~30DのY方向の大きさはたとえば0.07mm程度であり、各端子30A~30DのX方向の大きさはたとえば0.07mm程度である。なお、封止樹脂70のサイズは第1実施形態と同様である。
【0142】
図20に示すように、絶縁部材40は、第2実施形態と同様に、半導体素子20と支持部材60とを接合している。つまり、絶縁部材40は、ダイボンディング材であるといえる。ダイボンディング材の一例としては、エポキシ樹脂等の絶縁性接合材が用いられている。
【0143】
絶縁部材40は、第2実施形態と同様に、絶縁表面41および絶縁裏面42を有する。
絶縁表面41は、平面視において、半導体素子20の素子表面21と複数の端子30A~30Dの端子表面31との間を繋ぐように形成されている。
【0144】
絶縁裏面42の一部は、支持部材60に接している。絶縁部材40のうち複数の端子30A~30D間に設けられた部分における絶縁裏面42は、封止裏面72から露出している。
【0145】
一例では、絶縁部材40は、絶縁部材40のうち第1~第4素子側面23~26と接する端縁において絶縁表面41が半導体素子20の素子表面21とZ方向に同じ位置となるように形成されている。また一例では、絶縁部材40は、絶縁部材40のうち複数の端子30A~30Dと接する端縁において絶縁表面41が複数の端子30A~30Dの各々の端子表面31とZ方向に同じ位置となるように形成されている。
【0146】
[半導体装置の製造方法]
図21~
図25を参照して、第3実施形態の半導体装置10の製造方法について説明する。なお、
図24および
図25では複数のインク配線80A~80Dのうちインク配線80A,80Cを示している。
【0147】
第3実施形態の半導体装置10の製造方法は、支持部材60を形成する工程と、半導体素子20を搭載する工程と、複数のインク配線80A~80Dおよび複数の端子30A~30Dを形成する工程と、封止樹脂870を形成する工程と、個片化する工程と、を備える。
【0148】
図21に示すように、支持部材60を形成する工程においては、支持材800の表面801上に支持部材60が形成される。支持部材60は、たとえばポッティングによって形成される。
【0149】
図22に示すように、半導体素子20を搭載する工程は、支持部材60上に絶縁部材40をポッティングする工程と、支持部材60に半導体素子20を接合する工程と、を含む。
【0150】
支持部材60上に絶縁部材40をポッティングする工程においては、たとえばインジェクタを用いて絶縁部材40が支持部材60上に形成される。この絶縁部材40は、たとえばダイボンディング材によって形成されている。
【0151】
続いて、
図23に示すように、支持部材60に半導体素子20を接合する工程においては、まず、半導体素子20が絶縁部材40に搭載される。この際、
図23に示すとおり、絶縁部材40は、半導体素子20の第1~第4素子側面23~26(
図20参照)の全面を覆う。その後、リフロー処理し、冷却固化することによって、絶縁部材40が半導体素子20を支持部材60に接合する。なお、
図23では、第1~第4素子側面23~26のうち第1素子側面23および第3素子側面25を示している。
【0152】
図24に示すように、複数のインク配線80A~80Dおよび複数の端子30A~30Dを形成する工程においては、第1実施形態と同様に、インクジェット印刷を用いて導電性インクを吐出することによってインク配線80A,80Cおよび端子30A,30Cが形成される。
【0153】
図24に示すとおり、インク配線80Aおよび端子30Aは、同一材料の導電性インクによって一体に形成されている。インク配線80Cおよび端子30Cは、同一材料の導電性インクによって一体に形成されている。このため、インク配線80A,80Cおよび端子30A,30Cは、半導体素子20の複数の電極28A,28C上、素子表面21上、絶縁部材40の絶縁表面41上、および支持材800の表面801上に形成される。支持材800の表面801上に付着した導電性インクによって複数の端子30A,30Cが形成される。なお、
図24では図示していないが、インク配線80B,80Dおよび端子30B,30Dもインクジェット印刷によってインク配線80A,80Cおよび端子30A,30Cと同様に形成される。
【0154】
このように、複数のインク配線80A~80Dおよび複数の端子30A~30Dを形成する工程では、絶縁表面41に接し、複数の電極28A~28Dと個別に接続するように複数のインク配線80A~80Dが形成され、複数のインク配線80A~80Dから連続して支持材800の表面801に接するように複数の端子30A~30Dが形成される。
【0155】
また一例では、複数のインク配線80A~80Dおよび複数の端子30A~30Dを形成する工程では、平面視において、複数のインク配線80A~80Dのうち半導体素子20の素子表面21と絶縁部材40の絶縁表面41との境界上に形成された部分の厚さが、複数のインク配線80A~80Dのうち他の配線部53としての絶縁部材40上に形成された部分の厚さよりも厚くなるように、複数のインク配線80A~80Dのうち絶縁部材40と複数の端子30A~30Dとの境界上に形成された部分における導電性インクの吐出回数を増加させる。つまり、複数のインク配線80A~80Dのうち絶縁部材40と複数の端子30A~30Dとの境界上に形成された部分のドット54(
図4参照)の積層数を増加させることによって、上記部分の厚さを厚くしている。
【0156】
また一例では、複数のインク配線80A~80Dおよび複数の端子30A~30Dを形成する工程では、絶縁部材40の絶縁表面41と支持材800の表面801との境界上に形成された部分の厚さが、インク配線80A~80Dの厚さが他の配線部53の厚さよりも厚くなるように、複数のインク配線80A~80Dのうち絶縁部材40の絶縁表面41と支持材800の表面801との境界上に形成された部分における導電性インクの吐出回数を増加させる。つまり、複数のインク配線80A~80Dのうち絶縁部材40の絶縁表面41と支持材800の表面801との境界上に形成された部分のドット54の積層数を増加させることによって、上記部分の厚さを厚くしている。
【0157】
図25に示すように、封止樹脂870を形成する工程は、第1実施形態の封止樹脂870を形成する工程と同様である。続いて、支持材800を除去する。
続いて、個片化する工程は、第1実施形態と同様に、封止樹脂870を形成する工程によって製造された組立体をダイシングテープDTに載置した状態でたとえばダイシングブレードを用いて切断線CLに沿って封止樹脂870を切断する。これにより、封止樹脂70が形成される。以上の工程を経て、半導体装置10が製造される。
【0158】
[効果]
第3実施形態の半導体装置10によれば、以下の効果が得られる。
(3-1)複数の端子30A~30Dは、導電性インクによって形成されている。
【0159】
この構成によれば、端子フレーム830等の端子30A~30Dの専用の部品が不要となる。したがって、半導体装置10の製造コストを低減することができる。
(3-2)複数のインク配線80A~80Dおよび複数の端子30A~30Dは、共通の導電性インクによって一体に形成されている。
【0160】
この構成によれば、複数のインク配線80A~80Dおよび複数の端子30A~30Dを共通の工程において形成することができる。したがって、半導体装置10の製造工程が簡略化されるため、半導体装置10の製造コストを低減することができる。
【0161】
<変更例>
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、上記各実施形態および以下の各変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0162】
・第1実施形態において、複数の端子30A~30Dの構成は任意に変更可能である。一例では、複数の端子30A~30Dの少なくとも1つから突出部39Aを省略してもよい。また一例では、複数の端子30A~30Dの少なくとも1つからフランジ部39を省略してもよい。この場合、外部電極部38は、端子表面31および端子裏面32を含む。
【0163】
・第1実施形態において、平面視における複数の端子30A~30Dの形状は任意に変更可能である。一例では、平面視における複数の端子30A~30Dの形状は、矩形状であってもよい。この場合、フランジ部39から傾斜面37(37A,37B)が省略される。
【0164】
・第1実施形態において、半導体素子20の素子表面21と、複数の端子30A~30Dの各々の端子表面31とのZ方向の位置関係は任意に変更可能である。一例では、素子表面21は、複数の端子30A~30Dの各々の端子表面31とZ方向に同じ位置であってもよい。一例では、素子表面21は、複数の端子30A~30Dの各々の端子表面31よりもZ方向において封止裏面72寄りに位置していてもよい。
【0165】
・第2実施形態において、複数の端子30A~30Dは、封止樹脂70の第1~第4封止側面73~76のいずれかから露出していてもよい。この場合、半導体装置10の製造方法における個片化工程において、ダイシングブレードによって、封止樹脂870と複数の端子30A~30Dとがそれぞれ切断される。
【0166】
・第2実施形態において、複数の端子30A~30Dは、導電性ペーストによって形成されたが、これに限られない。たとえば、複数の端子30A~30Dは、導電性シートまたは導電性フィルムによって形成されていてもよい。
【0167】
・第1および第2実施形態において、絶縁部材40の形成範囲は任意に変更可能である。一例では、絶縁部材40は、複数の端子30A~30Bの端子表面31の一部の上に形成されていてもよい。
【0168】
・第2および第3実施形態において、絶縁部材40としてダイボンディング材が用いられたが、これに限られない。一例では、第1実施形態と同様に、半導体素子20が接合材SDによって支持部材60に接合された状態で、ダイボンディング材とは異なる材料の絶縁部材40が設けられていてもよい。ダイボンディング材とは異なる材料としては、たとえばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂等が用いられる。
【0169】
・第2および第3実施形態において、絶縁部材40を省略してもよい。この場合、インク配線50A~50D(80A~80D)は、たとえば電極28A~28D、素子表面21、第1~第4素子側面23~26、および支持部材60を通って複数の端子30A~30Dに個別に接続されていてもよい。
【0170】
・各実施形態において、インク配線50A~50D(80A~80D)の少なくとも1つは、インク配線のうち絶縁部材40と半導体素子20との境界上に形成された部分の厚さがインク配線のうち絶縁部材40上に形成された部分の厚さと等しくてもよい。
【0171】
・第1および第2実施形態において、インク配線50A~50D(80A~80D)の少なくとも1つは、インク配線のうち絶縁部材40と複数の端子30A~30Dとの境界上に形成された部分の厚さがインク配線のうち絶縁部材40上に形成された部分の厚さと等しくてもよい。
【0172】
・第3実施形態において、インク配線80A~80Dの少なくとも1つは、インク配線のうち絶縁部材40と複数の端子30A~30Dとの境界上に形成された部分の厚さがインク配線のうち絶縁部材40上に形成された部分の厚さよりも厚くてもよい。
【0173】
・第3実施形態において、インク配線80A~80Dに用いられる導電性インクと、複数の端子30A~30Dに用いられる導電性インクとが互いに異なる材料によって形成されていてもよい。
【0174】
・各実施形態において、半導体素子20の複数の電極28A~28Dと、複数の端子30A~30Dとを接続する配線は、導電性インクによって形成されたインク配線50A~50D(80A~80D)に限られない。一例では、上記配線は、無電解めっき法によって形成された金属層であってもよい。一例では、上記配線は、スパッタリング法によって形成された金属層であってもよい。
【0175】
・各実施形態において、封止樹脂70の封止裏面72から露出した複数の端子30A~30Dの端子裏面32に、めっき層を設けてもよい。めっき層は、たとえば無電解めっきによって形成される。
【0176】
本開示で使用される「~上に」という用語は、文脈によって明らかにそうでないことが示されない限り、「~上に」と「~の上方に」の意味を含む。したがって、「AがB上に形成される」という表現は、上記各実施形態ではAがBに接触してB上に直接配置され得るが、変更例として、AがBに接触することなくBの上方に配置され得ることが意図される。すなわち、「~上に」という用語は、AとBとの間に他の部材が形成される構造を排除しない。
【0177】
本開示で使用されるZ方向は必ずしも鉛直方向である必要はなく、鉛直方向に完全に一致している必要もない。したがって、本開示による種々の構造は、本明細書で説明されるZ方向の「上」および「下」が鉛直方向の「上」および「下」であることに限定されない。例えば、X方向が鉛直方向であってもよく、またはY方向が鉛直方向であってもよい。
【0178】
<付記>
上記各実施形態および各変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。なお、限定する意図ではなく理解の補助のために、付記に記載した構成について実施形態中の対応する符号を括弧書きで示す。符号は、理解の補助のために例として示すものであり、各符号に記載された構成要素は、符号で示される構成要素に限定されるべきではない。
【0179】
[付記A1]
電極(28A~28D)が形成された素子表面(21)と、厚さ方向(Z方向)において前記素子表面(21)とは反対側の素子裏面(22)と、を有する半導体素子(20)と、
前記素子表面(21)と同じ側を向く端子表面(31)を有し、前記半導体素子(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、前記半導体素子(20)の周囲に配置された端子(30A~30D)と、
前記素子表面(21)と同じ側を向く絶縁表面(41)を有し、前記半導体素子(20)と前記端子(30A~30D)との間に設けられた絶縁部材(40)と、
前記電極(28A~28D)と前記端子(30A~30D)とを接続する配線(50A~50D)と、
前記半導体素子(20)、前記配線(50A~50D)、前記絶縁部材(40)、および前記端子(30A~30D)を封止する封止樹脂(70)と、
を備え、
前記配線(50A~50D)は、前記絶縁表面(41)に接し、当該絶縁表面(41)上を通って前記電極(28A~28D)と前記端子(30A~30D)とを接続している
半導体装置(10)。
【0180】
[付記A2]
前記配線(50A~50D)は、導電性インクによって形成されている
付記A1に記載の半導体装置。
【0181】
[付記A3]
前記導電性インクは、AgまたはAuを含む
付記A2に記載の半導体装置。
【0182】
[付記A4]
前記配線(50A~50D)は、前記端子表面(31)と同じ側を向く配線表面(55)を有し、
前記配線表面(55)は、凹凸状に形成されている
付記A2またはA3に記載の半導体装置。
【0183】
[付記A5]
前記配線(50A~50D)の厚さは、15μm未満である
付記A2~A4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0184】
[付記A6]
前記配線(50A~50D)の幅は、前記配線(50A~50D)の厚さよりも大きい
付記A2~A5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0185】
[付記A7]
前記配線(50A~50D)のうち前記絶縁部材(40)と前記半導体素子(20)との境界上に形成された部分(57)の厚さは、前記配線(50A~50D)のうち前記絶縁部材(40)上に形成された部分(53)の厚さよりも厚い
付記A2~A6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0186】
[付記A8]
前記配線(50A~50D)のうち前記絶縁部材(40)と前記端子(30A~30D)との境界上に形成された部分(58)の厚さは、前記配線(50A~50D)のうち前記絶縁部材(40)上に形成された部分(53)の厚さよりも厚い
付記A2~A7のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0187】
[付記A9]
前記端子(30A~30D)は、金属製の薄板によって構成されている
付記A1~A8のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0188】
[付記A10]
前記端子(30A~30D)は、導電性ペーストによって形成されている
付記A1~A8のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0189】
[付記A11]
前記端子(30A~30D)は、導電性インクによって形成されている
付記A1~A8のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0190】
[付記A12]
前記配線(50A~50D)は、前記端子表面(31)の全体にわたり形成されている
付記A1~A11のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0191】
[付記A13]
前記半導体素子(20)は、前記素子表面(21)と前記素子裏面(22)とを繋ぐ素子側面(23~26)を有し、
前記絶縁表面(41)は、前記半導体素子(20)の厚さ方向(Z方向)から視て前記素子表面(21)の端縁において前記素子表面(21)と面一となる
付記A1~A12のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0192】
[付記A14]
前記絶縁部材(40)は、前記封止樹脂(70)と異なる材料によって構成されている
付記A1~A13のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0193】
[付記A15]
前記配線(80A~80D)および前記端子(30A~30D)は、同一材料の導電性インクによって一体に形成されている
付記A1~A8のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0194】
[付記B1]
電極(28A~28D)が形成された素子表面(21)を有する半導体素子(20)と、
前記半導体素子(20)の厚さ方向(Z方向)から視て、前記半導体素子(20)の周囲の位置に形成された端子(30A~30D)と、
前記電極(28A~28D)と前記端子(30A~30D)とを接続する配線(50A~50D)と、
前記半導体素子(20)、前記配線(50A~50D)、および前記端子(30A~30D)を封止する封止樹脂(70)と、
を備え、
前記配線(50A~50D)は、導電性インクによって形成されている
半導体装置。
【0195】
[付記B2]
前記導電性インクは、AgまたはAuを含む
付記B1に記載の半導体装置。
【0196】
[付記B3]
前記配線(50A~50D)は、前記端子表面(31)と同じ側を向く配線表面(55)を有し、
前記配線表面(55)は、凹凸状に形成されている
付記B1またはB2に記載の半導体装置。
【0197】
[付記B4]
前記配線(50A~50D)の厚さは、15μm未満である
付記B1~B3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0198】
[付記B5]
前記配線(50A~50D)の幅は、前記配線(50A~50D)の厚さよりも大きい
付記B1~B4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0199】
[付記B6]
前記配線(50A~50D)のうち前記絶縁部材(40)と前記半導体素子(20)との境界上に形成された部分(57)の厚さは、前記配線(50A~50D)のうち前記絶縁部材(40)上に形成された部分(53)の厚さよりも厚い
付記B1~B5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0200】
[付記B7]
前記配線(50A~50D)のうち前記絶縁部材(40)と前記端子(30A~30D)との境界上に形成された部分(58)の厚さは、前記配線(50A~50D)のうち前記絶縁部材(40)上に形成された部分(53)の厚さよりも厚い
付記B1~B6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0201】
[付記B8]
前記配線(50A~50D)は、前記端子表面(31)の全体にわたり形成されている
付記B1~B7のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0202】
[付記B9]
前記端子(30A~30D)は、導電性インクによって形成されている
付記B1~B7のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0203】
[付記B10]
前記端子(30A~30D)は、前記配線(80A~80D)を形成する導電性インクと同一材料の導電性インクによって一体に形成されている
付記B1~B8のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0204】
[付記C1]
支持材(800)上に、互いに離隔して設けられた複数の端子(830,30A~30D)を載置する工程と、
前記支持材(800)上のうち前記複数の端子(30A~30D)によって囲まれる領域内に支持部材(60)を載置する工程と、
電極(28A~28D)が形成された素子表面(21)と、厚さ方向(Z方向)において前記素子表面(21)とは反対側の素子裏面(22)と、を有する半導体素子(20)を前記支持部材(60)に搭載する工程と、
前記素子表面(21)と同じ側を向く絶縁表面(41)を有する絶縁部材(40)を前記半導体素子(20)と前記複数の端子(30A~30D)との間に形成する工程と、
前記電極(28A~28D)と前記端子(30A~30D)とを接続する配線(50A~50D)を形成する工程と、
前記半導体素子(20)、前記配線(50A~50D)、前記絶縁部材(40)、および前記端子(30A~30D)を封止する封止樹脂(870)を形成する工程と、
を備え、
前記配線(50A~50D)を形成する工程では、前記絶縁表面(41)に接し、当該絶縁表面(41)上を通って前記電極(28A~28D)と前記端子(30A~30D)とを接続するように前記配線(50A~50D)を形成する
半導体装置の製造方法。
【0205】
[付記C2]
支持材(800)上に、互いに離隔して設けられた複数の端子(30A~30D)を載置する工程と、
前記支持材(800)上のうち前記複数の端子(30A~30D)によって囲まれる領域内に支持部材(60)を載置する工程と、
前記支持部材(60)上に絶縁部材(40)をポッティングする工程と、
電極(28A~28D)が形成された素子表面(21)と、厚さ方向(Z方向)において前記素子表面(21)とは反対側の素子裏面(22)と、前記素子表面(21)と前記素子裏面(22)とを繋ぐ素子側面(23~26)と、を有する半導体素子(20)を、前記絶縁部材(40)が前記素子側面(23~26)の全体を覆うように前記絶縁部材(40)に接合する工程と、
前記電極(28A~28D)と前記端子(30A~30D)とを接続する配線(50A~50D)を形成する工程と、
前記半導体素子(20)、前記配線(50A~50D)、前記絶縁部材(40)、および前記端子(30A~30D)を封止する封止樹脂(870)を形成する工程と、
を備え、
前記配線(50A~50D)を形成する工程では、前記絶縁表面(41)に接し、当該絶縁表面(41)上を通って前記電極(28A~28D)と前記端子(30A~30D)とを接続するように前記配線(50A~50D)を形成する
半導体装置の製造方法。
【0206】
[付記C3]
前記配線(50A~50D)を形成する工程では、インクジェット印刷を用いて導電性インクを吐出することによって前記配線(50A~50D)を形成する
付記C1またはC2に記載の半導体装置の製造方法。
【0207】
[付記C4]
前記配線(50A~50D)を形成する工程では、前記配線(50A~50D)のうち前記絶縁部材(40)と前記半導体素子(20)との境界上に形成された部分(57)の厚さが前記配線(50A~50D)のうち前記絶縁部材(40)上に形成された部分(53)の厚さよりも厚くなるように、前記配線(50A~50D)のうち前記絶縁部材(40)と前記半導体素子(20)との境界上に形成された部分(57)における前記導電性インクの吐出回数を増加させる
付記C3に記載の半導体装置の製造方法。
【0208】
[付記C5]
前記配線(50A~50D)を形成する工程では、前記配線(50A~50D)のうち前記絶縁部材(40)と前記端子(30A~30D)との境界上に形成された部分(58)の厚さが前記配線(50A~50D)のうち前記絶縁部材(40)上に形成された部分(53)の厚さよりも厚くなるように、前記配線(50A~50D)のうち前記絶縁部材(40)と前記端子(30A~30D)との境界上に形成された部分(58)における前記導電性インクの吐出回数を増加させる
付記C3またはC4に記載の半導体装置の製造方法。
【0209】
[付記C6]
支持材(800)上に支持部材(60)を載置する工程と、
前記支持部材(60)上に絶縁部材(40)をポッティングする工程と、
電極(28A~28D)が形成された素子表面(21)と、厚さ方向(Z方向)において前記素子表面(21)とは反対側の素子裏面(22)と、前記素子表面(21)と前記素子裏面(22)とを繋ぐ素子側面(23~26)と、を有する半導体素子(20)を、前記絶縁部材(40)が前記素子側面(23~26)の全体を覆うように前記絶縁部材(40)に接合する工程と、
前記電極(28A~28D)に接続される配線(80A~80D)および端子(30A~30D)を形成する工程と、
前記半導体素子(20)、前記配線(80A~80D)、前記絶縁部材(40)、および前記端子(30A~30D)を封止する封止樹脂(870)を形成する工程と、
を備え、
前記配線(80A~80D)および前記端子(30A~30D)を形成する工程では、前記絶縁表面(41)に接し、前記電極(28A~28D)と接続するように前記配線(80A~80D)を形成し、前記配線(80A~80D)から連続して前記支持材(800)の表面(801)に接するように前記端子(30A~30D)を形成する
半導体装置の製造方法。
【0210】
[付記C7]
前記配線(80A~80D)および前記端子(30A~30D)を形成する工程では、インクジェット印刷を用いて導電性インクを吐出することによって前記配線(80A~80D)および前記端子(30A~30D)を形成する
付記C6に記載の半導体装置の製造方法。
【0211】
[付記C8]
前記配線(80A~80D)および前記端子(30A~30D)を形成する工程では、インクジェット印刷によって前記配線(80A~80D)および前記端子(30A~30D)を一体に形成する
付記C7に記載の半導体装置の製造方法。
【0212】
[付記C9]
前記配線(80A~80D)および前記端子(30A~30D)を形成する工程では、前記配線(80A~80D)のうち前記絶縁部材(40)と前記半導体素子(20)との境界上に形成された部分の厚さが前記配線(80A~80D)のうち前記絶縁部材(40)上に形成された部分の厚さよりも厚くなるように、前記配線(80A~80D)のうち前記絶縁部材(40)と前記半導体素子(20)との境界上に形成された部分における前記導電性インクの吐出回数を増加させる
付記C7またはC8に記載の半導体装置の製造方法。
【0213】
[付記C10]
前記配線(80A~80D)および前記端子(30A~30D)を形成する工程では、前記配線(80A~80D)のうち前記絶縁部材(40)と前記支持材(800)との境界上に形成された部分の厚さが前記配線(80A~80D)のうち前記絶縁部材(40)上に形成された部分の厚さよりも厚くなるように、前記配線(80A~80D)のうち前記絶縁部材(40)と前記支持材(800)との境界上に形成された部分における前記導電性インクの吐出回数を増加させる
付記C7~C9のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【0214】
以上の説明は単に例示である。本開示の技術を説明する目的のために列挙された構成要素および方法(製造プロセス)以外に、より多くの考えられる組み合わせおよび置換が可能であることを当業者は認識し得る。本開示は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲内に含まれるすべての代替、変形、および変更を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0215】
10…半導体装置
20…半導体素子
21…素子表面
22…素子裏面
23~26…第1~第4素子側面
27A~27D…コーナ部分
28A~28D…電極
30A~30D…端子
31…端子表面
32…端子裏面
33~36…第1~第4端子側面
37…傾斜面
38…外部電極部
39…フランジ部
39A…突出部
40…絶縁部材
41…絶縁表面
41A…傾斜面
42…絶縁裏面
50A~50D…インク配線
51…電極接続部
52…端子接続部
53…配線部
54…ドット
55…配線表面
56…配線裏面
57…第1積層部
58…第2積層部
60…支持部材
70…封止樹脂
71…封止表面
72…封止裏面
73~76…第1~第4封止側面
77A~77D…コーナ部分
80A~80D…インク配線
81…電極接続部
82…配線部
800…支持材
801…表面
830…端子フレーム
831…端子表面
838…外部電極部
839…フランジ部
870…封止樹脂
CL…切断線
DT…ダイシングテープ
SD…接合材