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特開2024-5381情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005381
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20240110BHJP
   G06Q 10/08 20240101ALI20240110BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
G06Q50/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105540
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】512139135
【氏名又は名称】ココネット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100209956
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 周
(71)【出願人】
【識別番号】517331376
【氏名又は名称】株式会社エアロネクスト
(72)【発明者】
【氏名】河合 秀治
(72)【発明者】
【氏名】樋口 忠成
(72)【発明者】
【氏名】田路 圭輔
(72)【発明者】
【氏名】堀 拓也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】配送者の配送効率をより向上させる。
【解決手段】配送者に関連する位置情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記位置情報に基づき、輸送対象を中継輸送する第1の移動体から、前記配送者が前記輸送対象を受け取る位置を示す受け取り位置を設定する設定部と、を備える、情報処理システム。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送者に関連する位置情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記位置情報に基づき、輸送対象を中継輸送する第1の移動体から、前記配送者が前記輸送対象を受け取る位置を示す受け取り位置を設定する設定部と、
を備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記輸送対象は、前記配送者により第2の移動体を利用して配達される、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記配送者の配送エリアは、複数の中継位置が含まれ、
前記設定部は、
複数の中継位置のうち一の中継位置を、前記受け取り位置として設定する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記位置情報は、前記配送者の位置を含み、
前記設定部は、
前記配送者の位置から所定の条件を満たした中継位置を、前記受け取り位置として設定する、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記設定部は、
前記配送者の位置および前記配送者の配達経路に基づき、前記受け取り位置を設定する、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記位置情報は、前記配送者が次に配達する予定の位置を含み、
前記設定部は、
前記配送者が次に配達する予定の位置から所定の条件を満たした中継位置を、前記受け取り位置として設定する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記位置情報は、前記配送者が指定した中継位置を含み、
前記設定部は、
前記配送者が指定した中継位置を、前記受け取り位置として設定する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項8】
所定の条件を満たした中継位置は、最も近い中継位置を含む、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記第1の移動体は、車両または飛行体を含む、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記第1の移動体は、他の配送者により利用される車両を含む、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記第2の移動体は、車両を含む、
請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記設定部は、
前記配送者と、前記他の配送者の中間地点を、前記受け取り位置として設定する、
請求項10または請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記設定部は、
中間地点に最も近い中継位置を受け取り位置として設定する。
請求項10または請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記設定部は、
前記配送者と他の配送者の利用する移動体の種類に応じて受け取り位置を設定する、
請求項10または請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記設定部により設定された受け取り位置に基づき、配送指示情報を生成する生成部、
を更に備える、
請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記生成部により生成された前記配送指示情報を外部装置に送信する通信部、
を更に備える、
請求項15に記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記通信部は、
前記輸送対象の配送依頼に含まれる依頼内容に所定の要望が含まれていた際に、前記配送者が利用する端末に、前記所定の要望に応じた通知情報を送信する、
請求項16に記載の情報処理システム。
【請求項18】
配送者に関連する位置情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記位置情報に基づき、輸送対象を中継輸送する第1の移動体から、前記配送者が前記輸送対象を受け取る位置を示す受け取り位置を設定する設定部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項19】
配送者に関連する位置情報を取得することと、
取得された前記位置情報に基づき、輸送対象を中継輸送する第1の移動体から、前記配送者が前記輸送対象を受け取る位置を示す受け取り位置を設定することと、
を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
【請求項20】
コンピュータに、
配送者に関連する位置情報を取得する取得機能と、
前記取得機能により取得された前記位置情報に基づき、輸送対象を中継輸送する第1の移動体から、前記配送者が前記輸送対象を受け取る位置を示す受け取り位置を設定する設定機能と、
を実現させる、プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、あるユーザにより依頼された荷物の配達や集荷に関する配送作業に関し、当該配送作業に対応する配送者が、荷物を効率的に配達や集荷するための技術が開発されている。例えば、特許文献1では、3つの拠点を循環する一または複数の循環便の各積載量を取得し、取得した積載量に基づいて循環便の運航計画を変更するか否かを判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-52525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載した技術は、積載量に応じて循環便を増減させるものであり、例えば、他の移動体と連携することで配送の効率化を図ることに関しては考慮されていない。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、配送者の配送効率をより向上させることが可能な、新規かつ改良された情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、配送者に関連する位置情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記位置情報に基づき、輸送対象を中継輸送する第1の移動体から、前記配送者が前記輸送対象を受け取る位置を示す受け取り位置を設定する設定部と、を備える、情報処理システムが提供される。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、配送者に関連する位置情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記位置情報に基づき、輸送対象を中継輸送する第1の移動体から、前記配送者が前記輸送対象を受け取る位置を示す受け取り位置を設定する設定部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、配送者に関連する位置情報を取得することと、取得された前記位置情報に基づき、輸送対象を中継輸送する第1の移動体から、前記配送者が前記輸送対象を受け取る位置を示す受け取り位置を設定することと、を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法が提供される。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに、配送者に関連する位置情報を取得する取得機能と、前記取得機能により取得された前記位置情報に基づき、輸送対象を中継輸送する第1の移動体から、前記配送者が前記輸送対象を受け取る位置を示す受け取り位置を設定する設定機能と、を実現させる、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本発明によれば、配送者の配送効率をより向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。
図2】本実施形態に係る配送枠の一例を説明するための説明図である。
図3】本実施形態に係る情報端末20の機能構成の一例を説明するための説明図である。
図4】本実施形態に係る運行管理サーバ30の機能構成の一例を説明するための説明図である。
図5】本実施形態に係る予定管理サーバ40の機能構成の一例を説明するための説明図である。
図6】荷物の受け取り位置の設定に係る概要を説明するための説明図である。
図7】荷物の受け取り位置の設定に係る一例を説明するための説明図である。
図8】他の配送者U3が荷物Lを中継輸送する一例を説明するための説明図である。
図9】無人移動体10Bと、他の配送者U3が荷物Lを中継輸送する他の例を説明するための説明図である。
図10】本実施形態に係る運行管理サーバ30の動作処理の一例を説明するための説明図である。
図11】本実施形態に係る運行管理サーバ30のハードウェア構成の一例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による情報処理システム等は、以下のような構成を備える。
[項目1]
配送者に関連する位置情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記位置情報に基づき、輸送対象を中継輸送する第1の移動体から、前記配送者が前記輸送対象を受け取る位置を示す受け取り位置を設定する設定部と、
を備える、情報処理システム。
[項目2]
前記輸送対象は、前記配送者により第2の移動体を利用して配達される、
項目1に記載の情報処理システム。
[項目3]
前記配送者の配送エリアは、複数の中継位置が含まれ、
前記設定部は、
複数の中継位置のうち一の中継位置を、前記受け取り位置として設定する、
項目1または項目2に記載の情報処理システム。
[項目4]
前記位置情報は、前記配送者の位置を含み、
前記設定部は、
前記配送者の位置から所定の条件を満たした中継位置を、前記受け取り位置として設定する、
項目3に記載の情報処理システム。
[項目5]
前記設定部は、
前記配送者の位置および前記配送者の配達経路に基づき、前記受け取り位置を設定する、
項目4に記載の情報処理システム。
[項目6]
前記位置情報は、前記配送者が次に配達する予定の位置を含み、
前記設定部は、
前記配送者が次に配達する予定の位置から所定の条件を満たした中継位置を、前記受け取り位置として設定する、
項目1または項目2に記載の情報処理システム。
[項目7]
前記位置情報は、前記配送者が指定した中継位置を含み、
前記設定部は、
前記配送者が指定した中継位置を、前記受け取り位置として設定する、
項目1または項目2に記載の情報処理システム。
[項目8]
所定の条件を満たした中継位置は、最も近い中継位置を含む、
項目6に記載の情報処理システム。
[項目9]
前記第1の移動体は、車両または飛行体を含む、
項目2に記載の情報処理システム。
[項目10]
前記第1の移動体は、他の配送者により利用される車両を含む、
項目9に記載の情報処理システム。
[項目11]
前記第2の移動体は、車両を含む、
項目10に記載の情報処理システム。
[項目12]
前記設定部は、
前記配送者と、前記他の配送者の中間地点を、前記受け取り位置として設定する、
項目10または項目11に記載の情報処理システム。
[項目13]
前記設定部は、
中間地点に最も近い中継位置を受け取り位置として設定する。
項目10または項目11に記載の情報処理システム。
[項目14]
前記設定部は、
前記配送者と他の配送者の利用する移動体の種類に応じて受け取り位置を設定する、
項目10または項目11に記載の情報処理システム。
[項目15]
前記設定部により設定された受け取り位置に基づき、配送指示情報を生成する生成部、
を更に備える、
項目1または項目2に記載の情報処理システム。
[項目16]
前記生成部により生成された前記配送指示情報を外部装置に送信する通信部、
を更に備える、
項目15に記載の情報処理システム。
[項目17]
前記通信部は、
前記輸送対象の配送依頼に含まれる依頼内容に所定の要望が含まれていた際に、前記配送者が利用する端末に、前記所定の要望に応じた通知情報を送信する、
項目16に記載の情報処理システム。
[項目18]
配送者に関連する位置情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記位置情報に基づき、輸送対象を中継輸送する第1の移動体から、前記配送者が前記輸送対象を受け取る位置を示す受け取り位置を設定する設定部と、
を備える、情報処理装置。
[項目19]
配送者に関連する位置情報を取得することと、
取得された前記位置情報に基づき、輸送対象を中継輸送する第1の移動体から、前記配送者が前記輸送対象を受け取る位置を示す受け取り位置を設定することと、
を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
[項目20]
コンピュータに、
配送者に関連する位置情報を取得する取得機能と、
前記取得機能により取得された前記位置情報に基づき、輸送対象を中継輸送する第1の移動体から、前記配送者が前記輸送対象を受け取る位置を示す受け取り位置を設定する設定機能と、
を実現させる、プログラム。
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
また、本明細書及び図面では、配送者により利用される移動体を有人移動体10A、および自律制御または遠隔操作により移動する移動体を無人移動体10Bのように必要に応じて各移動体を区別する。ただし、各移動体を特に区別する必要が無い場合は、各移動体を単に移動体10と称する。また、荷物の配達や集荷に関する配送を行う配送者が利用する情報端末を配送者端末20A、および荷物の配達や集荷を依頼した依頼者が利用する情報端末を依頼者端末20Bのように、必要に応じて各情報端末を区別する。ただし、各情報端末を特に区別する必要がない場合は、各情報端末を単に情報端末20と称する。
【0015】
<<1.情報処理システムの概要>>
本発明の一実施形態は、配達または集荷に関する配送者の配送効率をより向上させることが可能な情報処理システムに関する。
【0016】
<1.1.概要>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。本実施形態に係る情報処理システムは、例えば図1に示すように、移動体10と、情報端末20と、運行管理サーバ30と、予定管理サーバ40と、を有する。
【0017】
移動体10と、情報端末20と、運行管理サーバ30と、予定管理サーバ40は、ネットワークを介して互いに接続されている。
【0018】
また、以下の説明では、輸送対象が荷物Lである例を主に説明するが、本実施形態に係る輸送対象は荷物Lに限定されない。例えば、輸送対象は荷物Lのような物品に限らず、例えば人や動物などの生物であってもよい。
【0019】
(移動体10)
本実施形態に係る移動体10は、第1の移動体および第2の移動体の一例であり、例えば荷物Lを配達または集荷するような配送作業において利用される移動体である。例えば、移動体10は、依頼者U2により配送が依頼された荷物Lを、当該荷物Lが保管されている倉庫WHから配送する際に利用される。なお、移動体10は、配送作業において必須のものではなく、例えば、徒歩で台車(例えば、ボックス台車やかご台車など)と共に配送を行ってもよい。
【0020】
例えば、移動体10は、荷物Lを配達または集荷する配送者U1により利用される有人移動体10Aを含む。
【0021】
例えば、本実施形態に係る有人移動体10Aは、図1に示すような陸路を移動する車両(例えば、乗用車、軽トラック、軽バンなどの貨物自動車、バイク、自転車、キックボードなど)であってもよい。ただし、有人移動体10Aは、車両に限定されない。例えば、有人移動体10Aは、空路を飛行する飛行体であってもよいし、海路や川路等の水路を移動する船舶であってもよい。
【0022】
また、本実施形態に係る移動体10は、自律制御または遠隔操作により移動する無人移動体10Bを含む。例えば、無人移動体10Bは、始点(例えば、荷物Lの配送開始位置や無人移動体10Bの移動開始位置)および終点(例えば、荷物Lの受け取り位置)のような2地点の位置、あるいは、さらに中継地点(例えば、荷物Lの集荷を伴う配送の場合に、荷物Lの集荷位置)や帰還地点(例えば、無人移動体10の移動開始位置と同じ位置、または、異なる待機位置など)も含めた3地点以上の位置等の入力情報を用いて自律制御により移動してもよい。なお、自律制御に用いる入力情報は、その他の経由地点や配送経路のような各種情報を含んでもよい。
【0023】
また、無人移動体10Bは、当該無人移動体10Bを管理する管理者により遠隔で操作入力された操作情報を用いて、遠隔操作により移動してもよい。
【0024】
例えば、無人移動体10Bは、図1に示すような飛行体であってもよい。例えば、飛行体は、自律制御により飛行するドローン(Drone)であってもよいし、管理者による遠隔操作により飛行するUAV(Unmanned Aerial Vehicle)であってもよい。
【0025】
また、本実施形態に係る無人移動体10Bは、飛行体に限定されない。例えば、無人移動体10Bは、UGV(Unmanned Ground Vehicle)等の陸路を移動する車両であってもよいし、海路や川路等の水路を移動する船舶であってもよい。
【0026】
また、有人移動体10Aおよび無人移動体10Bは、陸路、水路および空路の少なくとも2以上の経路を移動可能な移動体であってもよい。
【0027】
(情報端末20)
本実施形態に係る情報端末20は、配達や集荷に関するサービスに関係する関係者により利用される端末である。例えば、情報端末20は、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)またはPC(Personal Computer)等の各種端末であってもよい。
【0028】
例えば、情報端末20は、荷物Lを配達または集荷する配送者U1により利用される配送者端末20Aを含む。例えば、配送者U1は、配送者端末20Aを用いて、依頼者U2により登録された配送依頼に含まれる依頼内容に基づく配送タスクを含む配送指示情報を確認してもよい。なお、図1においては、荷物Lは、配送依頼を行った依頼者U2に対して配送されるものであるが、このような場合に限らず、依頼者が送り主であって、当該依頼者とは異なる受取者宛に配送される荷物であってもよい。このような場合、倉庫WHを出発する際などに荷物Lを配送者U1が移動体10などに積み込むと共に、一以上の配送タスクが予め所定の順に配送計画として設定されていてもよい。
【0029】
また、情報端末20は、荷物Lの配達または集荷を依頼する依頼者U2により利用される依頼者端末20Bを含む。例えば、依頼者U2は、依頼者端末20Bを用いて、荷物Lの配達または集荷に関する配送依頼を登録してもよい。
【0030】
(運行管理サーバ30)
本実施形態に係る運行管理サーバ30は、情報処理装置の一例であり、移動体10の運行に関する管理を行うサーバである。例えば、運行管理サーバ30は、ワークステーションやPCのような汎用コンピュータであってもよいし、クラウドサーバであってもよい。
【0031】
例えば、運行管理サーバ30は、配送者U1に関連する位置情報を取得し、当該位置情報に基づき、荷物Lを中継輸送する移動体10から、配送者U1が荷物Lを受け取る位置を示す受け取り位置を設定する。
【0032】
(予定管理サーバ40)
本実施形態に係る予定管理サーバ40は、配達や集荷に関する各種予定の管理を行うサーバである。例えば、予定管理サーバ40は、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータであってもよいし、クラウドサーバであってもよい。
【0033】
例えば、予定管理サーバ40は、配送者U1の配達または集荷に関する配送計画および配送予定を管理する。また、予定管理サーバ40は、無人移動体10Bの配達または集荷に関する配送計画および配送予定を管理する。
【0034】
例えば、予定管理サーバ40は、依頼者U2により荷物Lの配送依頼が登録された際に、荷物Lを配送する配送者U1または無人移動体10Bの配送計画の配送枠に、荷物Lの配達または集荷に係る配送予定を登録してもよい。
【0035】
なお、配送枠とは、無人移動体10Bまたは配送者U1が配送依頼に対応する時間枠である。例えば、無人移動体10B(または配送者U1)の1日の配送計画は、所定の配送枠(例えば、無人移動体なら15分や30分など、配送者なら1時間など)毎に区切られており、無人移動体10B(または配送者U1)は、配送枠毎に登録されている荷物Lの配送を、当該配送枠が示す時間に対応する。無人移動体の配送枠では、例えば1または2などの配送先への荷物が登録され、配送者の配送枠では、例えば5から10など多数の配送先への荷物が登録されていてもよいが、これに限るものではない。
【0036】
図2は、本実施形態に係る配送枠の一例を説明するための説明図である。例えば、無人移動体10B(または配送者)の1日の配送計画DSは、所定の配送枠(例えば、15分)毎に区切られており、無人移動体10B(または配送者)は、配送枠毎に登録されている荷物Lを、当該配送枠が示す時間に配送する。このような配送計画DSおよび配送枠の組合せは、複数の受け取り位置の候補の各々に設定されていてもよい。
【0037】
例えば、ある受け取り位置(例えば、図6に示した中継位置S1など)に設定される配送計画DSは、既に無人移動体10B(または配送者)による配送予定が埋まっていることを示す「満」の配送枠(以下、満枠DFと称する。)と、無人移動体10B(または配送者)による配送予定に空きがあることを示す「空き」の配送枠(以下、空枠DEと称する。)の二種類を含む。
【0038】
以上、本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明した。続いて、本実施形態に係る情報端末20、運行管理サーバ30および予定管理サーバ40の機能構成の一例を説明する。
【0039】
<1.2.情報端末20の機能構成例>
図3は、本実施形態に係る情報端末20の機能構成の一例を説明するための説明図である。本実施形態に係る情報端末20は、図3に示すように、通信部210と、制御部230と、操作表示部240と、を備える。
【0040】
(通信部210)
本実施形態に係る通信部210は、運行管理サーバ30や予定管理サーバ40との間で各種通信を行う。例えば、依頼者端末20Bが備える通信部210は、依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼を運行管理サーバ30に送信してもよい。
【0041】
また、配送者端末20Aが備える通信部210は、配送者端末20Aの位置を示す位置情報を運行管理サーバ30に送信してもよい。例えば、配送者端末20Aの位置を示す位置情報とは、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)により得られる測位情報(経度、緯度および高度に関する情報)を含む。また、配送者端末20Aの位置を示す位置情報とは、後述する操作表示部240により配送者が直接入力した位置情報(例えば、現在地住所)であってもよい。
【0042】
また、配送者端末20Aが備える通信部210は、荷物の配送に関する他の配送指示情報を運行管理サーバ30から受信してもよい。
【0043】
(制御部230)
本実施形態に係る制御部230は、情報端末20の動作全般を制御する。例えば、制御部230は、通信部210による各種情報の送受信を制御する。例えば、依頼者端末20Bが備える制御部230は、操作表示部240により入力された依頼内容を含む配送依頼を通信部210に送信させる制御を行ってもよい。
【0044】
また、制御部230は、運行管理サーバ30から受信した配送指示情報を操作表示部240に表示させる制御を行ってもよい。例えば、配送者端末20Aが備える制御部230は、運行管理サーバ30から受信した他の配送指示情報を操作表示部240に表示させる制御を行ってもよい。
【0045】
(操作表示部240)
本実施形態に係る操作表示部240は、荷物の配達または集荷に関する依頼内容を入力する操作部としての機能を有する。また、操作表示部240は、運行管理サーバ30から受信した配送指示情報を表示する表示部としての機能を有する。
【0046】
操作部としての機能は例えば、タッチパネルやキーボードにより実現され得る。また、表示部としての機能は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現され得る。なお、表示部としての機能および操作部としての機能は分離して構成されてもよい。
【0047】
なお、情報端末20は、マイクを備えていてもよく、その場合、依頼者は、マイクを用いて荷物の配達または集荷に関する依頼内容を音声入力してもよい。また、情報端末20は、スピーカを備えていてもよく、その場合、配送者は、スピーカから出力された音声により配送指示情報を確認してもよい。
【0048】
<1.3.運行管理サーバ30の機能構成例>
図4は、本実施形態に係る運行管理サーバ30の機能構成の一例を説明するための説明図である。本実施形態に係る運行管理サーバ30は、図4に示すように、通信部310と、記憶部320と、制御部330と、を備える。
【0049】
(通信部310)
本実施形態に係る通信部310は、情報端末20や予定管理サーバ40との間で各種通信を行う。例えば、通信部310は、依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼を依頼者端末20Bから受信してもよい。
【0050】
また、通信部310は、取得部の一例であり、配送者に関連する位置情報を受信してもよい。例えば、通信部310は、配送者端末20Aの位置を示す位置情報を配送者端末20Aから受信してもよい。また、通信部310は、配送者の配送計画に基づく位置情報を予定管理サーバ40から受信してもよい。
【0051】
また、通信部310は、後述する生成部333により生成された配送指示情報を、情報端末20または無人移動体10B等の外部装置に送信してもよい。
【0052】
また、通信部310は、依頼者の配送依頼に含まれる依頼内容に所定の要望が含まれていた際に、配送者端末20Aに当該所定の要望に応じた通知情報を送信してもよい。ここでの所定の要望とは、例えば、急ぎの配送等の要望を含む。例えば、急ぎの配送が依頼内容に含まれていた際に、通信部310は、急ぎの配送である旨を警告するような通知情報を配送者端末20Aに送信してもよい。
【0053】
(記憶部320)
本実施形態に係る記憶部320は、ソフトウェアおよび各種データを保持する。例えば、記憶部320は、依頼者情報を保持してもよい。ここで、依頼者情報とは、例えば、依頼者の氏名、サービス内における依頼者名、メールアドレス、住所または電話番号等の各種基本情報を含んでもよいし、依頼者の識別情報(ID:Identification)、外部アプリケーションのアカウント情報、または、荷物の受け取り位置に関する情報のいずれか1つ以上を含んでもよい。ただし、依頼者情報はこれらに限定されない。
【0054】
また、記憶部320は、配送者情報を保持してもよい。ここで、配送者情報とは、例えば、配送者の氏名、メールアドレス、電話番号等の配送者の基本情報を含んでもよいし、配送者の識別情報、現在位置情報、現在の配送エリア、移動体種別識別情報などを含んでいてもよいし、配送会社名および配送会社識別情報を含んでいてもよい。また、配送者情報は、例えば、外部アプリケーションアカウント情報、希望配送エリア、身分証明書情報(免許証情報含む)、振込口座情報、配送履歴情報などを含んでもよい。ただし、配送者情報はこれらに限定されない。
【0055】
また、記憶部320は、店舗情報を保持してもよい。例えば、店舗情報は、店舗名、営業時間、住所、連絡先、電話番号、店舗URL、送料等の店舗の基本情報を含んでもよい。また、店舗情報は、商品名、商品識別情報、商品対応格納容器種別情報、重量情報、管理温度帯情報等の商品に関する情報などを含んでもよい。ただし、店舗情報はこれらに限定されない。
【0056】
(制御部330)
本実施形態に係る制御部330は、運行管理サーバ30の動作全般を制御する。制御部330は、例えば図4に示すように、設定部331と、生成部333と、を備える。
【0057】
本実施形態に係る設定部331は、取得された配送者に関連する位置情報に基づき、荷物を中継輸送する移動体10から、配送者が当該荷物を受け取る位置を示す受け取り位置を設定する。受け取り位置の設定に係る具体例は後述する。
【0058】
本実施形態に係る生成部333は、設定部331により設定された受け取り位置に基づき、配送指示情報を生成する。なお、配送指示情報の具体例については後述するが、例えば、配送指示情報は、設定部331により設定された受け取り位置に関する情報を含む。
【0059】
<1.4.予定管理サーバ40の機能構成例>
図5は、本実施形態に係る予定管理サーバ40の機能構成の一例を説明するための説明図である。本実施形態に係る予定管理サーバ40は、図5に示すように、通信部410と、記憶部420と、制御部430と、を備える。
【0060】
(通信部410)
本実施形態に係る通信部410は、情報端末20や運行管理サーバ30との間で各種通信を行う。例えば、通信部410は、配送者に関連する位置情報を運行管理サーバ30に送信してもよい。
【0061】
例えば、通信部410は、依頼者により荷物の受け取り位置または集荷位置として指定された位置を示す受け取り位置に関する情報または集荷位置に関する情報を配送者端末20Aから受信してもよい。この場合、通信部410は、指定された受け取り位置または集荷位置を含む配送エリアにおいて、配送を担当する配送者に関連する位置情報を運行管理サーバ30に送信してもよい。
【0062】
例えば、通信部410は、配送者の配達経路や配送者が次に配達または集荷する予定の位置に関する情報を、配送者に関連する位置情報として運行管理サーバ30に送信してもよい。
【0063】
(記憶部420)
本実施形態に係る記憶部420は、ソフトウェアおよび各種データを保持する。例えば、記憶部420は、各配送者の配送計画や、無人移動体10Bの配送計画を保持する。例えば、配送計画とは、配送者の配達経路や、配送者により配達される予定の位置情報や、複数の中継位置の各々に関する位置情報や、配送者が配送に用いる有人移動体10Aの配送枠ごとの荷物の積載状況や、無人移動体10Bの空き状況などの各種情報を含む。
【0064】
(制御部430)
本実施形態に係る制御部430は、予定管理サーバ40の動作全般を制御する。例えば、制御部430は、配送者に関連する位置情報を通信部410に送信させる制御を行ってもよい。
【0065】
例えば、配送者により荷物の受け取り位置として、ある中継位置が指定された場合、制御部430は、指定された中継位置に関する位置情報を、配送者に関連する位置情報として通信部410から運行管理サーバ30に送信させるように制御を行ってもよい。
【0066】
以上、本実施形態に係る情報端末20、運行管理サーバ30および予定管理サーバ40の機能構成の一例を説明した。続いて、図6図9を参照し、荷物の受け取り位置の設定に係る具体例を説明する。
【0067】
<<2.荷物の受け取り位置の設定に係る具体例>>
アプリケーションやブラウザ上でフードや日用品などの荷物の配達や集荷を依頼者が依頼した場合、当該荷物の配送依頼に対応する配送者が割り当てられる場合がある。
【0068】
例えば、依頼者により依頼された荷物の配送依頼に対応する配送者は、当該荷物が保管されている倉庫や店舗に当該荷物を適宜集荷しに行く必要が生じる。この結果、例えば、配送者のいる位置から荷物を集荷する位置が離れていた場合、荷物の集荷に際した長距離移動が必要となり配送者の配送効率が低下される場合がある。
【0069】
また、依頼者の配送依頼には、様々な要求が含まれ得る。例えば、配送依頼には、配送枠や荷物の受け取り位置等の各種要求が含まれる。また、配送依頼には、荷物(例えば、フード等)をすぐに配送してほしいといった所定の要求が含まれ得る。
【0070】
このような所定の要求が含まれる場合、配送者は、当該荷物の配送を対応することが決まり次第、当該荷物が保管されている倉庫や店舗に荷物を集荷しに行く必要が生じるため、配送者の配送計画に影響が生じ得る。即ち、このようなイレギュラーな依頼を配送者が適宜対応した場合、配送者の配送効率が低下され得る。
【0071】
例えば、このような配送者に生じる負担の軽減や配送効率の低下の抑制を図るため、依頼者に配送が依頼された荷物は、当該荷物が保管されている倉庫や店舗から他の移動体により中継輸送されることが望ましい場合がある。
【0072】
そこで、本実施形態に係る情報処理システムでは、配送者に関連する位置情報を取得し、当該位置情報に基づき、荷物を中継輸送する移動体10から、配送者が荷物を受け取る位置を示す受け取り位置を設定する。まず、図6を参照し、荷物の配送に係る概要を説明する。
【0073】
図6は、荷物の配送に係る概要を説明するための説明図である。図6図9に示す例では、説明の便宜上、荷物Lが移動体10の外部に露出している図を用いて説明するが、荷物Lは移動体10の内部に収納されていてもよい。また、無人移動体10Bは、荷物Lを把持する構造を有していてもよい。
【0074】
まず、依頼者U2は、依頼者端末20Bを用いて、荷物Lの配送を依頼する。この際に、依頼者U2は、荷物Lの受け取り位置(例えば、図6に示すような依頼者U2の自宅B2や自宅B2付近の店舗や専用配送施設などの受け取り位置など)を指定する。そして、予定管理サーバ40により依頼者U2の荷物Lの配送を対応する配送者U1が割り当てられる。
【0075】
例えば、配送を対応する配送者U1には、配送計画に含まれる配達経路や配送エリアに依頼者U2の自宅B2等の受け取り位置が含まれている配送者や、収納状況に空きがある有人移動体10A(例えば、トラック等)を利用する配送者が割り当てられてもよい。
【0076】
そして、運行管理サーバ30が備える通信部310は、配送を対応する配送者U1に関連する位置情報を配送者端末20Aまたは予定管理サーバ40から受信してもよい。そして、設定部331は、受信した配送者U1に関連する位置情報に基づき、受け取り位置(例えば、図6に示すような中継位置S1)を設定してもよい。
【0077】
そして生成部333は、設定された受け取り位置に基づき、配送指示情報を生成し、通信部310は、荷物Lを中継輸送する無人移動体10Bや配送者U1が利用する配送者端末20Aに対して、生成された配送指示情報を送信してもよい。
【0078】
これにより、無人移動体10Bは、依頼者U2により配送が依頼された荷物Lが保管されている倉庫WHから当該荷物Lを中継輸送し、設定された中継位置S1において、当該荷物Lを配送者U1に受け渡すことが可能になる。
【0079】
また、荷物Lを受け取った配送者U1は、依頼者U2により受け取り位置として指定された自宅B2等の受け取り位置に荷物Lを配送する。なお、配送者U1は、図6に示すように、有人移動体10Aを用いて荷物Lを配送してもよいし、徒歩で荷物Lを配送してもよい。
【0080】
以上、荷物の配送に係る概要を説明した。続いて、図7図9を参照し、荷物Lの受け取り位置の設定に係る具体例を説明する。
【0081】
図7は、荷物の受け取り位置の設定に係る一例を説明するための説明図である。図7に示す例では、配送者U1に対して、荷物Lの配送を担当するエリアとして配送エリアAが指定されていた場合について説明する。なお、図7に示す例では、配送者U1の配送エリアA内とは配送エリアAの境界を示す破線の右側であり、配送エリアA外とは、配送エリアAの境界を示す破線の左側である。
【0082】
例えば、配送者U1の配送エリアA内には、複数の中継位置S1~S4が含まれる。複数の中継位置S1~S4は、例えば、無人移動体10Bが待機することが可能なスタンドの設置位置であってもよいが限定されない。例えば、中継位置S1~S4は、任意の待ち合わせ位置であってもよいが、例えば、バス停や、建物や、駐車場などの待ち合わせの目印となるような位置が望ましい。
【0083】
設定部331は、例えば、複数の中継位置S1~S4のうち一の中継位置を受け取り位置として設定してもよい。
【0084】
例えば、通信部410は、配送者端末20Aの位置を示す位置情報を配送者U1の位置として当該配送者端末20Aから受信する。そして、設定部331は、配送者端末20Aから得られた配送者U1の位置から所定の条件を満たした中継位置を受け取り位置として設定してもよい。
【0085】
より具体的には、設定部331は、例えば、複数の中継位置S1~S4のうち配送者U1の位置から最も近い中継位置S1を、受け取り位置として設定してもよい。なお、本明細書では、所定の条件を満たした中継位置が、最も近い中継位置である例を主に説明するが係る例に限定されない。所定の条件を満たした中継位置は、例えば2番目に近い中継位置等の他の条件を満たした中継位置であってもよい。
【0086】
そして、生成部333は、設定された受け取り位置に基づき、配送指示情報を生成してもよい。例えば、配送指示情報は、配送開始位置(例えば、荷物Lが保管されている倉庫WHの位置)と受け取り位置に関する情報を含んでもよいし、配達経路や経由地点などの情報を含んでもよい。また、配送指示情報は、例えば無人移動体10Bの自律制御や、無人移動体10Bの遠隔操作に用いるための各種情報を含んでもよい。
【0087】
続いて、通信部310は、生成部333により生成された配送指示情報を外部装置に送信してもよい。例えば、外部装置は、荷物Lを中継輸送する無人移動体10Bや、無人移動体を管理する管理者が利用する情報端末20や、荷物Lを配送する配送者U1が利用する配送者端末20Aを含んでもよい。
【0088】
例えば、通信部310が無人移動体10Bに配送指示情報を送信した場合、配送指示情報を受信した無人移動体10Bは、倉庫WHから受け取り位置である中継位置S1まで自律制御により荷物Lを配送することが可能になる。
【0089】
また、通信部310が無人移動体10Bを管理する管理者が利用する情報端末20に配送指示情報を送信した場合、管理者は、配送指示情報に基づき、無人移動体10Bを遠隔操作してもよいし、管理者が利用する情報端末20を用いて、無人移動体10Bに配送指示情報を送信してもよい。
【0090】
また、通信部310が荷物Lを配送する配送者U1が利用する配送者端末20Aに配送指示情報を送信した場合、配送者U1は、無人移動体10Bから荷物を受け取ることが可能な中継位置S1の位置を確認することが可能になる。
【0091】
なお、無人移動体10Bは、配送者U1が中継位置S1に到着するまで、中継位置S1に待機しておいてもよい。また、無人移動体10Bは、配送者U1が中継位置S1に到着するまで待機せずに、中継位置S1に置き配して拠点である倉庫WHに帰還してもよい。また、無人移動体10Bは、例えば中継位置S1に収納ボックスが存在した場合、当該収納ボックスに荷物Lを収納して倉庫WHに帰還してもよい。さらに、待機した無人移動体10Bや収納ボックスから配送者U1が受け取る場合には、所定の識別情報を用いて受渡し認証を行ってもよい。
【0092】
また、配送者U1に関連する位置情報は、配送者U1の位置に限定されない。通信部410は、配送者U1に関連する位置情報として、配送者U1の配達経路を含む経路情報を予定管理サーバ40から受信してもよい。この場合、設定部331は、配送者U1の配達経路に基づき、受け取り位置を設定してもよい。
【0093】
より具体的には、設定部331は、配送者U1の配達経路および現在時間に基づき、配送者U1の位置を推定してもよい。そして、設定部331は、推定された配送者U1の位置に最も近い中継位置を、受け取り位置として設定してもよい。
【0094】
また、設定部331は、無人移動体10Bの移動速度および中継輸送の距離に基づく時間に応じて受け取り位置を設定してもよい。例えば、設定部331は、無人移動体10Bによる荷物Lの中継輸送に要する時間と、配送者U1の配達経路に基づき、中継輸送した後に想定される配送者U1の位置を推定してもよい。そして、設定部331は、中継輸送した後に想定される配送者U1の位置に最も近い中継位置を、受け取り位置として設定してもよい。
【0095】
また、通信部310は、配送者U1に関連する位置情報として、配送者U1により次に配達される予定の位置に関する情報を予定管理サーバ40から受信してもよい。この場合、設定部331は、配送者U1が次に配達する予定の位置から所定の条件を満たした中継位置(例えば、最も近い中継位置)を、受け取り位置として設定してもよい。
【0096】
また、通信部310は、配送者U1が指定した中継位置に関する指定情報を配送者端末20Aから受信してもよい。そして、設定部331は、配送者U1が指定した中継位置を、受け取り位置として設定してもよい。
【0097】
例えば、配送者U1は、受け取り位置として中継位置S4を指定してもよい。そして、配送者端末20Aは、配送者U1により指定された中継位置S4に関する指定情報を運行管理サーバ30に送信する。そして、設定部331は、指定情報に含まれる中継位置S4を、受け取り位置として設定してもよい。なお、指定情報は、予定管理サーバ40を経由して、予定管理サーバ40から運行管理サーバ30に送信されてもよい。
【0098】
また、依頼者U2の荷物Lの受け取り位置は自宅B2などの建物や施設に限定されない。例えば、依頼者U2の荷物Lの受け取り位置として、中継位置S1~S4が指定されてもよい。例えば、依頼者U2は、荷物Lの受け取り位置として、最寄りのバス停である中継位置S4を指定して配送を依頼してもよい。これにより、依頼者は、例えば、最寄りのバス停等で荷物Lを回収することが可能になり、依頼者の利便性がより向上され得る。
【0099】
以上説明したような荷物の受け取り位置の設定によれば、配送エリアAに含まれない他のエリア(例えば、遠方または地理的に分離されているような場所を示す飛び地等)への配送を要する配送依頼に関し、無人移動体10Bが荷物の配送を補助する。この結果、配送者U1は、配送エリアA内の配送に注力して対応することが可能になり、配送者U1の配送効率がより向上され得る。
【0100】
また、配送者U1の配送計画には、新しく配送が依頼された荷物Lの受け取り位置の近隣に、他の荷物を配達または集荷する予定が含まれていない場合がある。このような場合、配送者U1は、新しく配送が依頼された荷物Lのためにのみ、受け取り位置に向かう必要が生じ得る。一方、以上説明した荷物の受け取り位置の設定によれば、このような配送者U1の手間を削減することが可能になり、配送者U1の配送効率がより向上され得る。
【0101】
また、図7では、無人移動体10Bが荷物Lを中継輸送する例を説明したが、例えば、他の配送者U3が荷物Lを中継輸送してもよい。
【0102】
図8は、他の配送者U3が荷物Lを中継輸送する一例を説明するための説明図である。例えば、他の配送者U3が荷物Lを中継輸送する場合、設定部331は、例えば、配送者U1と、他の配送者U3の中間地点を、受け取り位置として設定してもよい。より具体的には、設定部331は、配送者U1の位置(例えば、経度および緯度)と、他の配送者U3の位置(例えば、経度および緯度)に基づき、中間地点を算出し、当該中間地点を受け取り位置として設定してもよい。
【0103】
また、設定部331は、配送者U1と、他の配送者U3の中間地点に最も近い中継位置S1を受け取り位置として設定してもよい。
【0104】
また、設定部331は、配送者U1と他の配送者U3の各々が利用する移動体10の種類に応じて、受け取り位置を設定してもよい。例えば、他の配送者U3が利用する有人移動体10Aの方が、配送者U1の利用する有人移動体10Aよりも速度が速い場合、設定部331は、より移動速度が遅い配送者U1の位置に近い中継位置を受け取り位置として設定してもよい。
【0105】
また、無人移動体10Bと、他の配送者U3を組み合わせて複数の荷物Lが中継輸送されてもよい。
【0106】
図9は、無人移動体10Bと、他の配送者U3が荷物Lを中継輸送する他の例を説明するための説明図である。例えば、依頼者U2は、依頼者端末20Bを用いて、フードFの配送を依頼する。この際に、店舗B3の店員やギグワーカ等の他の配送者U3が店舗B3でフードFを集荷し、中継位置S5まで配送する。ここで、中継位置S5には、無人移動体10Bの拠点により、または、他の荷物の受け渡しにより無人移動体10Bが待機している。
【0107】
そして、他の配送者U3は、中継位置S5において無人移動体10BにフードFを受け渡してもよい。そして、無人移動体10Bは、設定部331により設定された受け取り位置である中継位置S1に移動してもよい。
【0108】
このように、他の配送者U3と、無人移動体10Bが組み合わされることにより、荷物Lの配送に係る配送効率がより向上され得る。また、他の配送者がギグワーカ等の役務提供者や店員であった場合、新たな就業機会の増加にも繋がり得る。
【0109】
なお、荷物の配送開始位置の候補が複数ある場合も想定される。このような場合、設定部331は、複数の配送開始候補のうち一の配送開始位置を指定してもよい。
【0110】
例えば、依頼者があるフードの配送を依頼した場合、当該フードを取り扱う店舗が複数存在する場合がある。この場合、設定部331は、例えば複数の店舗の各々の位置と配送者の位置の間の距離が最も小さくなるような店舗または配送車の位置まで配達する時間が最も短くなるような店舗をフードの配送開始位置として指定してもよい。
【0111】
以上、荷物の受け取り位置の設定に係る具体例について説明した。続いて、図10を参照し、本実施形態に係る運行管理サーバ30の動作処理の一例を説明する。
【0112】
<<3.動作処理例>>
図10は、本実施形態に係る運行管理サーバ30の動作処理の一例を説明するための説明図である。まず、通信部310は、配送者に関連する位置情報を受信する(S101)。
【0113】
続いて、設定部331は、受信した配送者に関連する位置情報に基づき、配送者が荷物を受け取る位置を設定する(S105)。
【0114】
そして、生成部333は、設定した受け取り位置に基づき、配送指示情報を生成する(S109)。
【0115】
そして、通信部310は、生成された配送指示情報を外部装置である配送者端末20Aおよび無人移動体10Bに送信し(S113)、本実施形態に係る運行管理サーバ30は動作処理を終了する。
【0116】
<<4.ハードウェア構成例>>
以上説明した情報処理は、ソフトウェアと以下に説明する運行管理サーバ30のハードウェアとの協働により実現される。なお、以下に説明するハードウェア構成は情報端末20および予定管理サーバ40にも適用可能である。
【0117】
図11は、本実施形態に係る運行管理サーバ30のハードウェア構成の一例を説明するための説明図である。運行管理サーバ30は、例えば図11に示すように、制御部330、メモリ31、ストレージ32、送受信部33、入出力部34等を備え、これらはバス35を通じて相互に電気的に接続される。
【0118】
制御部330は、運行管理サーバ30の全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部330はCPU(Central Processing Unit)および/またはGPU(Graphics Processing Unit)であり、ストレージ32に格納されメモリ31に展開された本システムのためのプログラム等を実行して上述したような各種情報処理を実施する。
【0119】
メモリ31は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ31は、制御部330のワークエリア等として使用され、また、運行管理サーバ30の起動時に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
【0120】
ストレージ32は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ32に構築されていてもよい。
【0121】
送受信部33は、運行管理サーバ30をネットワークおよび/またはブロックチェーンネットワークに接続する。なお、送受信部33は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インターフェースを備えていてもよい。
【0122】
入出力部34は、キーボード、マイクおよびマウス類等の情報入力機器、及びディスプレイおよびスピーカ等の出力機器である。
【0123】
バス35は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0124】
<<5.補足>>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0125】
例えば、本明細書では、配送者が移動体10を利用して荷物を配送する例を主に説明したが、配送者は必ずしも移動体10を利用しなくてもよい。例えば、配送者は、徒歩にて荷物を配送してもよい。
【0126】
また、設定部331は、記憶部320により保持される配送者情報、店舗情報、または商品に関する情報等の各種情報に基づき、配送者が荷物を受け取る位置を示す受け取り位置を設定してもよい。例えば、依頼者により配送が依頼された荷物の管理温度帯が冷凍帯であった場合、無人移動体10Bによる長距離の中継輸送が困難である場合があるため、設定部331は、無人移動体10Bに近い中継位置を受け取り位置として設定してもよい。
【0127】
また、運行管理サーバ30は、必ずしも配送指示情報や通知情報を外部装置に送信しなくてもよい。例えば、運行管理サーバ30が表示部を備えていた場合、当該表示部により配送指示情報や通知情報が表示されてもよい。そして、例えば表示部に表示された配送指示情報を確認した管理者が、任意の方法で配送者U1や無人移動体10Bに配送を指示してもよい。
【0128】
また、本実施形態に係る運行管理サーバ30は、予定管理サーバ40の機能構成の一部または全てを備えていてもよい。運行管理サーバ30が予定管理サーバ40の機能構成の全てを備えていた場合、本実施形態に係る情報処理システムは、予定管理サーバ40を有していなくてもよい。なお、予定管理サーバ40が、運行管理サーバ30の機能構成の一部または全てを備えていてもよい。
【0129】
また、情報端末20、運行管理サーバ30および予定管理サーバ40に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した情報端末20、運行管理サーバ30および予定管理サーバ40の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。
【符号の説明】
【0130】
10 移動体
20 情報端末
210 通信部
230 制御部
240 操作表示部
30 運行管理サーバ
310 通信部
320 記憶部
330 制御部
331 設定部
333 生成部
40 予定管理サーバ
410 通信部
420 記憶部
430 制御部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11