(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005382
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20230101AFI20240110BHJP
G06Q 10/08 20240101ALI20240110BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
G06Q50/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105541
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】512139135
【氏名又は名称】ココネット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100209956
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 周
(71)【出願人】
【識別番号】517331376
【氏名又は名称】株式会社エアロネクスト
(72)【発明者】
【氏名】河合 秀治
(72)【発明者】
【氏名】樋口 忠成
(72)【発明者】
【氏名】田路 圭輔
(72)【発明者】
【氏名】堀 拓也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】より配送効率が高い移動体により荷物の配送を対応させる。
【解決手段】荷物の配達または集荷を含む配送に利用される移動体による配送の障害となる要因に基づき、前記荷物の配達または集荷を含む配送に対する少なくとも陸路および空路を含む複数の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体による配送可否を判定する判定部、を備える、情報処理システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の配達または集荷を含む配送に利用される移動体による配送の障害となる要因に基づき、前記荷物の配達または集荷を含む配送に対する少なくとも陸路および空路を含む複数の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体による配送可否を判定する判定部、
を備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記判定部により配送不可であると判定された移動体を、前記荷物の配送を依頼する依頼者が前記荷物の配送に係る依頼内容において指定できないように制御する制御部、
を更に備える、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記判定部により配送可能であると判定された前記移動体による配送に係る情報を生成する生成部、
を更に備える、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記情報は、前記移動体による配送を指示する配送指示情報を含む、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記情報は、前記移動体による配送の参考となる参考情報を含む、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記荷物は、拠点から陸路または空路を移動する移動体により配送される、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記移動体は、前記陸路を移動する移動手段を有する車両と、前記空路を移動する移動手段を有する飛行体を含む、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記要因は、前記荷物の配送を依頼した依頼者の依頼内容に関連する要因を含む、
請求項1から請求項7までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記要因は、前記荷物を配送する配送者の状況、または前記配送に利用される移動体の状況に関連する要因を含む、
請求項1から請求項7までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記要因は、前記移動体が移動する環境に関連する要因を含む、
請求項1から請求項7までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記制御部は、
前記判定部により2以上の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体による配送が可能であると判定された際に、配送可能であると判定された前記複数の移動体の各々の配送に係る情報を比較し、比較の結果に基づき、前記荷物の配送に用いる移動体を指定する制御を行う、
請求項3から請求項7までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記生成部は、
前記判定部により2以上の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体による配送が可能であると判定された際に、配送可能であると判定された前記複数の移動体の各々の配送に係る情報を比較し、比較の結果に基づき、移動体の指定に用いる推奨情報を生成する、
請求項3から請求項7までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記移動経路に含まれる陸路および空路の各々には、複数の経路が含まれ、
前記判定部は、
複数の陸路および複数の空路を含む複数の移動経路の各々に対応する前記移動体による配送可否を判定する、
請求項3から請求項7までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記判定部は、
前記荷物の配送を依頼した依頼者が指定した移動手段に対応する移動体による配送可否を判定し、配送不可であると判定された際に、他の移動手段に対応する他の移動体による配送可否を判定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記判定部により配送が可能であると判定された前記他の移動体による配送を提案する提案情報を生成する生成部、
を更に備える、請求項14に記載の情報処理システム。
【請求項16】
荷物の配達または集荷を含む配送に利用される移動体による配送の障害となる要因に基づき、前記荷物の配達または集荷を含む配送に対する少なくとも陸路および空路を含む複数の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体による配送可否を判定する判定部、
を備える、情報処理装置。
【請求項17】
荷物の配達または集荷を含む配送に利用される移動体による配送の障害となる要因に基づき、前記荷物の配達または集荷を含む配送に対する少なくとも陸路および空路を含む複数の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体による配送可否を判定すること、
を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
【請求項18】
コンピュータに、
荷物の配達または集荷を含む配送に利用される移動体による配送の障害となる要因に基づき、前記荷物の配達または集荷を含む配送に対する少なくとも陸路および空路を含む複数の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体による配送可否を判定する判定機能、
を実現させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、あるユーザにより依頼された荷物の配達や集荷に関する配送作業に関し、当該配送作業に対応する配送者が、荷物を効率的に配達や集荷するための技術が開発されている。例えば、特許文献1では、3つの拠点を循環する一または複数の循環便の各積載量を取得し、取得した積載量に基づいて循環便の運航計画を変更するか否かを判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載した技術は、循環便が移動する道路が渋滞している等のような移動体の配送の障害となる様々な要因が生じた際に、荷物の配送効率が低下される場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、より配送効率が高い移動体により荷物の配送を対応させることが可能な、新規かつ改良された情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、荷物の配達または集荷を含む配送に利用される移動体の配送の障害となる要因に基づき、前記荷物の配達または集荷を含む配送に対する少なくとも陸路および空路を含む複数の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体による配送可否を判定する判定部、を備える、情報処理システムが提供される。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、荷物の配達または集荷を含む配送に利用される移動体による配送の障害となる要因に基づき、前記荷物の配達または集荷を含む配送に対する少なくとも陸路および空路を含む複数の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体による配送可否を判定する判定部、を備える、情報処理装置が提供される。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、荷物の配達または集荷を含む配送に利用される移動体による配送の障害となる要因に基づき、前記荷物の配達または集荷を含む配送に対する少なくとも陸路および空路を含む複数の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体による配送可否を判定すること、を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法が提供される。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに、荷物の配達または集荷を含む配送に利用される移動体による配送の障害となる要因に基づき、前記荷物の配達または集荷を含む配送に対する少なくとも陸路および空路を含む複数の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体による配送可否を判定する判定機能、を実現させる、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本発明によれば、より配送効率が高い移動体により荷物の配送を対応させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。
【
図2】本実施形態に係る情報端末20の機能構成の一例を説明するための説明図である。
【
図3】本実施形態に係る運行管理サーバ30の機能構成の一例を説明するための説明図である。
【
図4】本実施形態に係る予定管理サーバ40の機能構成の一例を説明するための説明図である。
【
図5】環境要因の一例を説明するための説明図である。
【
図6】環境要因の他の例を説明するための説明図である。
【
図7】本実施形態に係る配送枠の一例を説明するための説明図である。
【
図8】本実施形態に係る運行管理サーバ30の動作処理の一例を説明するための説明図である。
【
図9】本実施形態に係る運行管理サーバ30のハードウェア構成の一例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による情報処理システム等は、以下のような構成を備える。
[項目1]
荷物の配達または集荷を含む配送に利用される移動体による配送の障害となる要因に基づき、前記荷物の配達または集荷を含む配送に対する少なくとも陸路および空路を含む複数の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体による配送可否を判定する判定部、
を備える、情報処理システム。
[項目2]
前記判定部により配送不可であると判定された移動体を、前記荷物の配送を依頼する依頼者が前記荷物の配送に係る依頼内容において指定できないように制御する制御部、
を更に備える、
項目1に記載の情報処理システム。
[項目3]
前記判定部により配送可能であると判定された前記移動体による配送に係る情報を生成する生成部、
を更に備える、
項目2に記載の情報処理システム。
[項目4]
前記情報は、前記移動体による配送を指示する配送指示情報を含む、
項目3に記載の情報処理システム。
[項目5]
前記情報は、前記移動体による配送の参考となる参考情報を含む、
項目3に記載の情報処理システム。
[項目6]
前記荷物は、拠点から陸路または空路を移動する移動体により配送される、
項目3に記載の情報処理システム。
[項目7]
前記移動体は、前記陸路を移動する移動手段を有する車両と、前記空路を移動する移動手段を有する飛行体を含む、
項目3に記載の情報処理システム。
[項目8]
前記要因は、前記荷物の配送を依頼した依頼者の依頼内容に関連する要因を含む、
項目1から項目7までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
[項目9]
前記要因は、前記荷物を配送する配送者の状況、または前記配送に利用される移動体の状況に関連する要因を含む、
項目1から項目7までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
[項目10]
前記要因は、前記移動体が移動する環境に関連する要因を含む、
項目1から項目7までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
[項目11]
前記制御部は、
前記判定部により2以上の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体による配送が可能であると判定された際に、配送可能であると判定された前記複数の移動体の各々の配送に係る情報を比較し、比較の結果に基づき、前記荷物の配送に用いる移動体を指定する制御を行う、
項目3から項目7までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
[項目12]
前記生成部は、
前記判定部により2以上の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体による配送が可能であると判定された際に、配送可能であると判定された前記複数の移動体の各々の配送に係る情報を比較し、比較の結果に基づき、移動体の指定に用いる推奨情報を生成する、
項目3から項目7までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
[項目13]
前記移動経路に含まれる陸路および空路の各々には、複数の経路が含まれ、
前記判定部は、
複数の陸路および複数の空路を含む複数の移動経路の各々に対応する前記移動体による配送可否を判定する、
項目3から項目7までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
[項目14]
前記判定部は、
前記荷物の配送を依頼した依頼者が指定した移動手段に対応する移動体による配送可否を判定し、配送不可であると判定された際に、他の移動手段に対応する他の移動体による配送可否を判定する、
項目1に記載の情報処理システム。
[項目15]
前記判定部により配送可能であると判定された前記他の移動体による配送を提案する提案情報を生成する生成部、
を更に備える、項目14に記載の情報処理システム。
[項目16]
荷物の配達または集荷を含む配送に利用される移動体による配送の障害となる要因に基づき、前記荷物の配達または集荷を含む配送に対する少なくとも陸路および空路を含む複数の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体による配送可否を判定する判定部、
を備える、情報処理装置。
[項目17]
荷物の配達または集荷を含む配送に利用される移動体による配送の障害となる要因に基づき、前記荷物の配達または集荷を含む配送に対する少なくとも陸路および空路を含む複数の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体による配送可否を判定すること、
を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
[項目18]
コンピュータに、
荷物の配達または集荷を含む配送に利用される移動体による配送の障害となる要因に基づき、前記荷物の配達または集荷を含む配送に対する少なくとも陸路および空路を含む複数の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体による配送可否を判定する判定機能、
を実現させる、プログラム。
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
また、本明細書及び図面では、配送者により利用される移動体を有人移動体(例えば、有人車両10A)、および自律制御または遠隔操作により移動する移動体を無人移動体(例えば、無人飛行体10B)のように必要に応じて各移動体を区別する。ただし、各移動体を特に区別する必要が無い場合は、各移動体を単に移動体10と称する。また、荷物の配達や集荷に関する配送を行う配送者が利用する情報端末を配送者端末20A、および荷物の配達や集荷を依頼した依頼者が利用する情報端末を依頼者端末20Bのように、必要に応じて各情報端末を区別する。ただし、各情報端末を特に区別する必要がない場合は、各情報端末を単に情報端末20と称する。
【0015】
<<1.情報処理システムの概要>>
本発明の一実施形態は、より配送効率が高い移動体により荷物の配送を対応させることが可能な情報処理システムに関する。
【0016】
<1.1.概要>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。本実施形態に係る情報処理システムは、例えば
図1に示すように、移動体10と、情報端末20と、運行管理サーバ30と、予定管理サーバ40と、を有する。
【0017】
移動体10と、情報端末20と、運行管理サーバ30と、予定管理サーバ40は、ネットワークを介して互いに接続されている。
【0018】
(移動体10)
本実施形態に係る移動体10は、荷物Lを配達または集荷するような配送作業において利用される移動体である。例えば、移動体10は、依頼者U2により配送が依頼された荷物Lを、当該荷物Lが保管されている倉庫WHから配送する際に利用される。なお、移動体10は、配送作業において必須のものではなく、例えば、徒歩で台車(例えば、ボックス台車やかご台車など)と共に配送を行ってもよい。
【0019】
例えば、移動体10は、荷物Lを配達または集荷する配送者U1により利用される有人移動体を含む。
【0020】
例えば、本実施形態に係る有人移動体は、
図1に示すような陸路を移動する有人車両10A(例えば、乗用車、軽トラック、軽バンなどの貨物自動車、バイク、自転車、キックボードなど)であってもよい。ただし、有人移動体は、有人車両10Aに限定されない。例えば、有人移動体は、空路を飛行する有人飛行体であってもよいし、海路や川路等の水路を移動する有人船舶であってもよい。
【0021】
また、本実施形態に係る移動体10は、自律制御または遠隔操作により移動する無人移動体を含む。例えば、無人移動体は、始点(例えば、荷物Lの配送開始位置や無人移動体10Bの移動開始位置)および終点(例えば、荷物Lの受け取り位置)のような2地点の位置、あるいは、さらに中継地点(例えば、荷物Lの集荷を伴う配送の場合に、荷物Lの集荷位置)や帰還地点(例えば、無人移動体10の移動開始位置と同じ位置、または、異なる待機位置など)も含めた3地点以上の位置等の入力情報を用いて自律制御により移動してもよい。なお、自律制御に用いる入力情報は、その他の経由地点や配送経路のような各種情報を含んでもよい。
【0022】
また、無人移動体は、当該無人移動体を管理する管理者により遠隔で操作入力された操作情報を用いて、遠隔操作により移動してもよい。
【0023】
例えば、無人移動体は、
図1に示すような無人飛行体10Bであってもよい。例えば、無人飛行体10Bは、自律制御により飛行するドローン(Drone)であってもよいし、管理者による遠隔操作により飛行するUAV(Unmanned Aerial Vehicle)であってもよい。
【0024】
また、本実施形態に係る無人移動体は、無人飛行体10Bに限定されない。例えば、無人移動体は、UGV(Unmanned Ground Vehicle)等の陸路を移動する無人車両であってもよいし、海路や川路等の水路を移動する無人船舶であってもよい。
【0025】
また、移動体10は、陸路、水路および空路の少なくとも2以上の経路を移動可能な移動体であってもよい。
【0026】
(情報端末20)
本実施形態に係る情報端末20は、配達または集荷に関するサービスに関係する関係者により利用される端末である。例えば、情報端末20は、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)またはPC(Personal Computer)等の各種端末であってもよい。
【0027】
例えば、情報端末20は、荷物Lを配達または集荷する配送者U1により利用される配送者端末20Aを含む。例えば、配送者U1は、配送者端末20Aを用いて、依頼者U2により登録された配送依頼に含まれる依頼内容に基づく配送タスクを含む配送指示情報を確認してもよい。なお、
図1においては、荷物Lは、配送依頼を行った依頼者U2に対して配送されるものであるが、このような場合に限らず、依頼者が送り主であって、当該依頼者とは異なる受取者宛に配送される荷物であってもよい。このような場合、倉庫WHを出発する際などに荷物Lを配送者U1が移動体10などに積み込むと共に、一以上の配送タスクが予め所定の順に配送計画として設定されていてもよい。
【0028】
なお、配送指示情報は、例えば配送開始位置(例えば、荷物Lが保管されている倉庫WHの位置)と受け取り位置に関する情報を含んでもよいし、配送経路や経由地点などの情報を含んでもよい。また、配送指示情報は、例えば無人飛行体10Bの自律制御や、無人飛行体10Bの遠隔操作に用いるための各種情報を含んでもよい。
【0029】
また、情報端末20は、荷物Lの配達または集荷を依頼する依頼者U2により利用される依頼者端末20Bを含む。例えば、依頼者U2は、依頼者端末20Bを用いて、荷物Lの配達または集荷に関する配送依頼を登録してもよい。
【0030】
(運行管理サーバ30)
本実施形態に係る運行管理サーバ30は、情報処理装置の一例であり、移動体10の運行に関する管理を行うサーバである。例えば、運行管理サーバ30は、ワークステーションやPCのような汎用コンピュータであってもよいし、クラウドサーバであってもよい。
【0031】
例えば、運行管理サーバ30は、荷物の配達または集荷を含む配送に利用される移動体10による配送の障害となる要因に基づき、当該荷物の配達または集荷を含む配送に対する少なくとも陸路および空路を含む複数の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体10による配送可否を判定する。
【0032】
(予定管理サーバ40)
本実施形態に係る予定管理サーバ40は、配達や集荷に関する各種予定の管理を行うサーバである。例えば、予定管理サーバ40は、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータであってもよいし、クラウドサーバであってもよい。
【0033】
例えば、予定管理サーバ40は、配送者U1の配達または集荷に関する配送計画および配送予定を管理する。また、予定管理サーバ40は、無人飛行体10Bの配達または集荷に関する配送計画や配送予定を管理する。
【0034】
例えば、予定管理サーバ40は、依頼者U2により荷物Lの配送依頼が登録された際に、荷物Lを配送する配送者U1または無人飛行体10Bの配送計画の配送枠に、当該荷物Lの配達または集荷に係る配送予定を登録してもよい。
【0035】
また、予定管理サーバ40は、依頼者U2により登録された配送依頼において、荷物Lの配送手段として指定された無人飛行体10Bの配送計画の配送枠に、当該荷物Lの配達または集荷に係る配送予定を登録してもよい。
【0036】
なお、配送枠とは、無人移動体または配送者U1が配送依頼に対応する時間枠である。例えば、無人移動体(または配送者U1)の1日の配送計画は、所定の配送枠(例えば、無人移動体なら15分や30分など、配送者なら1時間など)毎に区切られており、無人移動体(または配送者U1)は、配送枠毎に登録されている荷物Lの配送を、当該配送枠が示す時間に対応する。無人移動体の配送枠では、例えば1または2などの配送先への荷物が登録され、配送者の配送枠では、例えば5から10など多数の配送先への荷物が登録されていてもよいが、これに限るものではない。
【0037】
以上、本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明した。続いて、本実施形態に係る情報端末20、運行管理サーバ30および予定管理サーバ40の機能構成の一例を説明する。
【0038】
<1.2.情報端末20の機能構成例>
図2は、本実施形態に係る情報端末20の機能構成の一例を説明するための説明図である。本実施形態に係る情報端末20は、
図2に示すように、通信部210と、制御部230と、操作表示部240と、を備える。
【0039】
(通信部210)
本実施形態に係る通信部210は、運行管理サーバ30や予定管理サーバ40との間で各種通信を行う。例えば、依頼者端末20Bが備える通信部210は、依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼を運行管理サーバ30または予定管理サーバ40に送信してもよい。
【0040】
例えば、通信部210は、配送可能であると判定された移動体10による配送に係る情報を受信してもよい。
【0041】
例えば、配送者端末20Aが備える通信部210は、荷物の配送を指示する配送指示情報を運行管理サーバ30から受信してもよい。
【0042】
また、依頼者端末20Bが備える通信部210は、移動体10による配送の参考となる参考情報を受信してもよい。例えば通信部210は、移動体10による配送の参考となる、配送料または配送時間等の情報を参考情報として送信してもよい。
【0043】
(制御部230)
本実施形態に係る制御部230は、情報端末20の動作全般を制御する。例えば、制御部230は、通信部210による各種情報の送受信を制御する。例えば、依頼者端末20Bが備える制御部230は、操作表示部240により入力された依頼内容を含む配送依頼を通信部210に送信させる制御を行ってもよい。
【0044】
また、制御部230は、運行管理サーバ30から受信した配送指示情報を操作表示部240に表示させる制御を行ってもよい。例えば、配送者端末20Aが備える制御部230は、運行管理サーバ30から受信した配送指示情報を操作表示部240に表示させる制御を行ってもよい。
【0045】
(操作表示部240)
本実施形態に係る操作表示部240は、荷物の配達または集荷に関する依頼内容を入力する操作部としての機能を有する。また、操作表示部240は、運行管理サーバ30から受信した情報を表示する表示部としての機能を有する。
【0046】
例えば、荷物の配送を依頼する依頼者は、操作表示部240により依頼内容を入力する。この際に、依頼者は、例えば移動手段や移動体10(例えば、無人飛行体10B等)を指定した依頼内容を入力してもよい。なお、依頼者の配送依頼に含まれる依頼内容は、所定の要望が含まれ得る。例えば、依頼内容には、例えば、急ぎの配送等の要望が含まれていてもよい。
【0047】
操作部としての機能は例えば、タッチパネルやキーボードにより実現され得る。また、表示部としての機能は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現され得る。なお、表示部としての機能および操作部としての機能は分離して構成されてもよい。
【0048】
なお、情報端末20は、
図2に図示しないマイクを備えていてもよく、その場合、依頼者は、マイクを用いて荷物の配達または集荷に関する依頼内容を音声入力してもよい。また、情報端末20は、スピーカを備えていてもよく、その場合、配送者は、スピーカから出力された音声により配送指示情報や参考情報を確認してもよい。
【0049】
<1.3.運行管理サーバ30の機能構成例>
図3は、本実施形態に係る運行管理サーバ30の機能構成の一例を説明するための説明図である。本実施形態に係る運行管理サーバ30は、
図3に示すように、通信部310と、記憶部320と、制御部330と、を備える。
【0050】
(通信部310)
本実施形態に係る通信部310は、情報端末20や予定管理サーバ40との間で各種通信を行う。例えば、通信部310は、依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼を依頼者端末20Bから受信してもよい。
【0051】
また、通信部310は、荷物の配達または集荷を含む配送に利用される移動体10による配送の障害となる要因に関する情報を情報端末20や予定管理サーバ40等の他の装置から受信してもよい。なお、ここでの他の装置とは、例えば気象情報を管理するサーバや、交通状況を管理するサーバを含む。
【0052】
また、通信部310は、後述する生成部333により生成された移動体10による配送に係る情報を外部装置に送信してもよい。例えば、通信部310は、生成部333により生成された配送指示情報を、情報端末20または無人移動体等の外部装置に送信してもよい。
【0053】
例えば、通信部310は、判定部331により配送可能であると判定された無人飛行体10Bに対して、配送指示情報を送信してもよい。
【0054】
また、通信部310は、判定部331により配送可能であると判定された無人飛行体10Bを管理する管理者が利用する情報端末20に対して、配送指示情報を送信してもよい。この場合、管理者は、配送指示情報に基づき、無人移動体を遠隔操作してもよいし、管理者が利用する情報端末20を用いて、無人移動体に配送指示情報を送信してもよい。
【0055】
また、通信部310は、判定部331により配送可能であると判定された有人車両10Aを利用する配送者の配送者端末20Aに対して、配送指示情報を送信してもよい。
【0056】
また、通信部310は、依頼者端末20Bに対して、移動体10による配送の参考となる参考情報を送信してもよい。
【0057】
(記憶部320)
本実施形態に係る記憶部320は、ソフトウェアおよび各種データを保持する。例えば、記憶部320は、依頼者情報を保持してもよい。ここで、依頼者情報とは、例えば、依頼者の氏名、サービス内における依頼者名、メールアドレス、住所または電話番号等の各種基本情報を含んでもよいし、依頼者の識別情報(ID:Identification)、外部アプリケーションのアカウント情報、または、荷物の受け取り位置に関する情報のいずれか1つ以上を含んでもよい。ただし、依頼者情報はこれらに限定されない。
【0058】
また、記憶部320は、配送者情報を保持してもよい。ここで、配送者情報とは、例えば、配送者の氏名、メールアドレス、電話番号等の配送者の基本情報を含んでもよいし、配送者の識別情報、現在位置情報、現在の配送エリア、移動体種別識別情報などを含んでいてもよいし、配送会社名および配送会社識別情報を含んでいてもよい。また、配送者情報は、例えば、外部アプリケーションアカウント情報、希望配送エリア、身分証明書情報(免許証情報含む)、振込口座情報、配送履歴情報などを含んでもよい。ただし、配送者情報はこれらに限定されない。
【0059】
また、記憶部320は、店舗情報を保持してもよい。例えば、店舗情報は、店舗名、営業時間、住所、連絡先、電話番号、店舗URL、送料等の店舗の基本情報を含んでもよい。また、店舗情報は、商品名、商品識別情報、商品対応格納容器種別情報、重量情報、管理温度帯情報等の商品に関する情報などを含んでもよい。ただし、店舗情報はこれらに限定されない。
【0060】
(制御部330)
本実施形態に係る制御部330は、運行管理サーバ30の動作全般を制御する。制御部330は、例えば
図3に示すように、判定部331と、生成部333と、を備える。
【0061】
本実施形態に係る判定部331は、荷物の配達または集荷を含む配送に利用される移動体10による配送の障害となる要因に基づき、当該荷物の配達または集荷を含む配送に対する少なくとも陸路および空路を含む複数の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体10による配送可否を判定する。
【0062】
本実施形態に係る生成部333は、判定部331により配送可能であると判定された移動体10による配送に係る情報を生成する。例えば、生成部333は、配送可能であると判定された移動体10による配送を指示する配送指示情報を生成してもよい。
【0063】
また、生成部333は、配送可能であると判定された移動体10による配送の参考となる参考情報を生成してもよい。
【0064】
例えば、参考情報は、配送可能であると判定された移動体10による配送料や、配送時間を含んでもよい。また、参考情報は、天気予報に含まれる降水確率、降雪確率、風速、風向、気温、湿度等の移動体10による配送に影響する各種情報を含んでもよい。
【0065】
より具体的には、ある依頼者は、有人車両10Aと比較して配送時間が短い無人飛行体10Bを配送手段として指定する。この際に、例えば降水確率が高いことや風速が大きいことを示す参考情報を依頼者が確認できれば、例えば、依頼者は、荷物の配送が困難になる可能性を把握することができる。この結果、依頼者は、配送不可になるリスクを踏まえて配送手段を指定することが可能になり得る。
【0066】
<1.4.予定管理サーバ40の機能構成例>
図4は、本実施形態に係る予定管理サーバ40の機能構成の一例を説明するための説明図である。本実施形態に係る予定管理サーバ40は、
図4に示すように、通信部410と、記憶部420と、制御部430と、を備える。
【0067】
(通信部410)
本実施形態に係る通信部410は、情報端末20や運行管理サーバ30との間で各種通信を行う。例えば、通信部410は、依頼者端末20Bから配送依頼を受信してもよい。
【0068】
例えば、通信部410は、依頼者による、荷物の配送に用いる移動体10の指定を依頼内容に含む、配送依頼を依頼者端末20Bから受信してもよい。
【0069】
また、通信部410は、依頼者が指定した移動体10(例えば、無人飛行体10B)から、他の移動体10(例えば、有人車両10A)に荷物の配送手段を切り替えた際に、荷物の配送手段を切り替えた旨の通知情報や、他の配送手段に切り替えたことに伴う所要時間、到着時間などの変更内容に関する通知情報を依頼者端末20Bに送信してもよい。
【0070】
(記憶部420)
本実施形態に係る記憶部420は、ソフトウェアおよび各種データを保持する。例えば、記憶部420は、各配送者の配送計画や、無人移動体の配送計画を保持する。例えば、配送計画とは、配送者または無人移動体の配送経路、配送者または無人移動体により配達される予定の位置情報、複数の中継位置の各々に関する位置情報、配送者が配送に用いる有人移動体の配送枠ごとの荷物の積載状況、または無人移動体の空き状況などの各種情報を含む。
【0071】
(制御部430)
本実施形態に係る制御部430は、予定管理サーバ40の動作全般を制御する。例えば、制御部430は、判定部331により配送不可であると判定された移動体10を、配送を依頼した依頼者が依頼内容において指定できないように制御してもよい。
【0072】
また、依頼者により配送手段として指定された移動体10が判定部331により配送不可であると判定された場合、制御部430は、配送不可である移動体10(例えば、無人飛行体10B)から、配送可能である移動体10(例えば、有人車両10A)に荷物の配送手段を切り替えてもよい。
【0073】
また、制御部430は、参考情報に応じて依頼者により配送手段の変更が依頼された際に、配送不可である移動体10から配送可能である移動体10に荷物の配送手段を切り替えてもよい。
【0074】
以上、本実施形態に係る情報端末20、運行管理サーバ30および予定管理サーバ40の機能構成の一例を説明した。続いて、移動体10による配送可否の判定に係る具体例を説明する。
【0075】
<<2.移動体による配送可否の判定に係る具体例>>
アプリケーションまたはブラウザ上で、フードまたは日用品などの荷物の配達や集荷を依頼者が依頼した場合、当該荷物の配送依頼に対応する配送者や無人移動体に対して割り当てられる場合がある。
【0076】
例えば、ある荷物の配送依頼に対応することが割り当てられた配送者は、当該荷物が保管されている拠点から移動体10を用いて荷物を配送する。また、荷物の配送を対応することが割り当てられた無人移動体は、自律制御または遠隔操作により当該荷物が保管されている拠点から荷物を配送する。
【0077】
ここで、荷物は、様々な移動経路の各々の移動手段に対応する移動体10により配送され得る。例えば、ある荷物は、陸路を移動する車両により配送され得る。また、ある荷物は、空路を飛行する飛行体により配送され得る。また、ある荷物は、水路を移動する船舶により配送され得る。
【0078】
このように、荷物の配送手段は、多種多様に存在し得る。しかし、上述した陸路、空路および海路の各々の移動手段に対応する移動体10には、それぞれ荷物の配送が不可、または困難になり得る障害が生じ得る。
【0079】
移動体10による配送の障害となる要因には、例えば環境に関連する要因(以下、環境要因と称する。)が存在する。以下、
図5および
図6を参照し、環境要因と、当該環境要因に基づく配送可否の判定に係る具体例を説明する。
【0080】
(環境要因および環境要因に基づく配送可否の判定)
図5は、環境要因の一例を説明するための説明図である。例えば、依頼者端末20Bは、荷物Lの受け取り位置として自宅Bや自宅B2付近の店舗や専用配送施設などの受け取り位置を指定した依頼内容が依頼者U2により入力される。
【0081】
この際に、例えば、移動体10の拠点で荷物Lが保管されている倉庫WHから、自宅B2等の受け取り位置までの間で、
図5に示すような大雨や強風等の天候不順H1が発生している場合がある。
【0082】
このような天候不順H1が発生している場合、
図5に示すような無人飛行体10Bによる荷物Lの配送は困難になり得る。そこで、判定部331は、天候不順H1が発生していることに基づき、空路R1を飛行する無人飛行体10Bによる配送が不可であると判定してもよい。
【0083】
一方、空路R1を飛行する無人飛行体10Bと比較して、陸路R2を移動する有人車両10Aは、天候不順H1による影響を受けにくい。そのため、天候不順H1が発生している場合であっても、有人車両10Aによる荷物Lの配送は可能な場合がある。
【0084】
そこで、判定部331は、天候不順H1が発生していることに基づき、陸路R2を移動する有人車両10Aによる配送が可能であると判定してもよい。
【0085】
なお、このような天候不順H1による配送可否の判定は、無人移動体または有人移動体のいずれかに限定されるものではない。例えば、判定部331は、天候不順H1が発生していることに基づき、空路R1を飛行する有人飛行体(例えば、ヘリコプター等)による配送が不可であると判定してもよいし、陸路R2を移動する無人移動体(例えば、UGV等)による配送が可能であると判定してもよい。
【0086】
また、天候不順H1の度合いによっては、無人飛行体10Bによる配送が可能である場合もあり、一方、有人車両10Aであっても配送が不可である場合もある。そのため、判定部331は、天候不順H1の度合いに基づき、配送可否を判定してもよい。
【0087】
例えば、判定部331は、無人飛行体10Bの飛行が困難である度合の天候不順H1が発生していることに基づき、空路R1を飛行する無人飛行体10Bによる配送が不可であると判定してもよい。
【0088】
一方、判定部331は、無人飛行体10Bの飛行が困難ではない度合の天候不順H1が発生していることに基づき、空路R1を飛行する無人飛行体10Bによる配送が可能であると判定してもよい。
【0089】
さらには、例えば、天候不順H1の度合いによって、雨であっても風がなければ無人飛行体10Bで配送可能である場合もある一方、雨であっても路面状況が悪ければ陸路R2を移動する無人移動体で配送不可である場合もあり(例えば、雨が降るとぬかるむ道など)、天候不順H1の度合いや種類(降水確率、降雪確率、風速、風向、気温、湿度等)を複数組み合わせて、各移動体10の配送可否について詳細な判定を行ってもよい。
【0090】
続いて、
図6を参照し、環境要因の他の例を説明する。
【0091】
図6は、環境要因の他の例を説明するための説明図である。依頼者端末20Bには、荷物Lの受け取り位置として自宅Bや自宅B2付近の店舗や専用配送施設などの受け取り位置を指定し、更に、急ぎの配送を指定した依頼内容が依頼者U2により入力される。
【0092】
この際に、有人車両10Aが荷物Lを配送する際に用いる陸路R2において、
図6に示すような交通渋滞H2が発生している場合がある。
【0093】
このような交通渋滞H2が発生している場合、
図6に示すような有人車両10A(または無人車両)による荷物Lの急ぎの配送は不可になり得る。そこで、判定部331は、交通渋滞H2が発生していることに基づき、陸路R2を移動する有人車両10A(または無人車両)による配送が不可であると判定してもよい。
【0094】
一方、例えば、陸路R2に交通渋滞H2が発生している場合であっても、空路R1を飛行する無人飛行体10B(または有人飛行体)による荷物Lの配送には影響しない。そこで、判定部331は、陸路R2において交通渋滞H2が発生していることに基づき、空路R1を飛行する無人飛行体10B(または有人飛行体)による配送が可能であると判定してもよい。
【0095】
但し、空路R1において交通渋滞や交通渋滞に類似する事象が生じている場合は、判定部331は、空路R1を飛行する無人飛行体10B(または有人飛行体)による配送が不可であると判定してもよい。
【0096】
また、交通渋滞H2の度合い(渋滞区間、または渋滞の通過に要する時間等)によっては、有人車両10Aによる配送に大きな影響が生じない場合がある。そこで、判定部331は、交通渋滞H2の度合いに基づき、配送可否を判定してもよい。
【0097】
以上、環境要因および環境要因に基づく配送可否の判定に係る具体例を説明したが、環境要因は上述した例に限定されない。例えば、環境要因は、道路等の工事または災害等のような多種多様な環境に関連する要因を含む。
【0098】
より具体的には、有人車両10A(または無人車両)が荷物Lを配送する際に移動する陸路R2において、道路工事による通行止めや土砂災害等の事象が発生している場合がある。このような事象が発生している場合、有人車両10A(または無人車両)による荷物Lの配送は不可になり得る。
【0099】
そこで、判定部331は、上述したような工事または災害等の事象が発生していることに基づき、陸路R2を移動する有人車両10A(または無人車両)による配送が不可であると判定してもよい。
【0100】
一方、陸路R2における工事または災害は、空路R1を飛行する無人飛行体10B(または有人飛行)による配送には影響しない。そのため、判定部331は、上述したような事象が発生していることに基づき、空路R1を飛行する無人飛行体10B(または有人飛行体)による配送が可能であると判定してもよい。
【0101】
また、移動経路に含まれる陸路および空路の各々は、複数の経路を含み得る。例えば、判定部331は、複数の陸路および複数の空路を含む複数の移動経路の各々に対応する移動体による配送可否を判定してもよい。移動経路は、依頼に応じて適時生成されてもよいが、予め決められた規定ルートであってもよく、規定ルートごとに配送枠(配送スケジュール)を設けてもよい。
【0102】
例えば、有人車両10A(または無人車両)が荷物Lを配送する際に移動する陸路R2の一部区間において、通行止めが発生していた場合、移動経路を一部迂回することで通行止めが発生している区間を回避できる場合がある。そこで、判定部331は、例えば、通行止めが発生している陸路を含む移動経路に対応する有人車両10Aによる配送が不可であると判定してもよい。一方、例えば、通行止めが発生していない陸路(迂回路)を含む移動経路に対応する有人車両10Aによる配送が可能であると判定してもよい。なお、複数の空路においても複数の陸路と同様に、判定部331は、無人飛行体10B(または有人飛行体)による配送可否を判定してもよい。
【0103】
また、移動体10による配送の障害となる要因は、環境要因に限定されない。移動体10による配送の障害となる要因は、例えば、依頼者側に関連する要因(以下、依頼者要因と称する。)、または、配送者の状態や配送に利用される移動体10に関連する要因(以下、サービサー要因と称する。)を含んでもよい。以下、依頼者要因およびサービサー要因の具体例を説明する。但し、依頼者要因およびサービサー要因は、以下に説明する具体例に限定されるものではない。
【0104】
(依頼者要因)
依頼者要因は、例えば配送依頼に含まれる依頼内容に関連する要因を含む。例えば、依頼者が配送を依頼した荷物の大きさや重量によっては、移動体10の種類に応じて配送が不可である場合がある。
【0105】
例えば、判定部331は、荷物Lのサイズが無人飛行体10Bの配送可能サイズを超えること、または、荷物Lの重量が無人飛行体10Bの積載可能重量を超えることに基づき、無人飛行体10Bによる配送は不可であると判定してもよい。
【0106】
一方、荷物Lのサイズが有人車両10Aの配送可能サイズ未満であり、且つ、荷物Lの重量が有人車両10Aの積載可能重量未満である場合、判定部331は、有人車両10Aによる配送が可能であると判定してもよい。
【0107】
また、依頼者U2により配送を依頼された荷物Lの管理温度帯によっては、移動体10の種類に応じて配送が不可である場合がある。
【0108】
例えば、荷物Lは保冷状態で配送することが望ましい場合がある。このような荷物Lの配送の場合、判定部331は、保冷状態で配送することが可能な機能や構造を有する移動体10による配送が可能であると判定してもよい。
【0109】
一方、判定部331は、保冷状態で配送することが可能な機能や構造を有していない移動体10による配送が不可であると判定してもよい。なお、保冷状態で配送することが可能な機能は、例えば、移動体10が冷却設備を備えることで実現され得る。また、保冷状態で配送することが可能な構造は、例えば、断熱構造を含む。
【0110】
また、依頼者U2が荷物Lの配達または集荷に係る配送予定を登録していた配送枠を他の配送枠に変更を希望しても、当該他の配送枠が既に他の荷物の配送予定で埋まっている場合がある。
【0111】
例えば、依頼者U2は、午前中の配送枠と、無人飛行体10Bによる配送を指定して荷物Lの配送を依頼する。その後、依頼者U2が午前中の配送枠から午後の配送枠に変更を希望しても、午後の配送枠において無人飛行体10Bの配送枠が空いていない場合がある。このような場合、判定部331は、無人飛行体10Bによる配送が不可であると判定してもよい。
【0112】
図7は、本実施形態に係る配送枠の一例を説明するための説明図である。例えば、無人移動体10B(または配送者)の1日の配送計画DSは、所定の配送枠(例えば、15分)毎に区切られており、無人移動体10B(または配送者)は、配送枠毎に登録されている荷物Lを、当該配送枠が示す時間に配送する。このような配送計画DSおよび配送枠の組合せは、複数の受け取り位置の候補の各々に設定されていてもよい。
【0113】
例えば、ある受け取り位置(例えば、
図6に示した受け取り位置S1)に設定される配送計画DSは、既に無人移動体10B(または配送者)による配送予定が埋まっていることを示す「満」の配送枠(以下、満枠DFと称する。)と、無人移動体10B(または配送者)による配送予定に空きがあることを示す「空き」の配送枠(以下、空枠DEと称する。)の二種類を含む。判定部331は、このような配送枠の情報を参照して判定してもよい。
【0114】
なお、判定部331は、依頼者U2が指定した移動手段に対応する移動体10による配送可否を判定し、配送不可であると判定された際に、他の配送手段に対応する他の移動体10による配送可否を判定してもよい。例えば、判定部331は、無人飛行体10Bによる配送が不可であると判定された際に、有人車両10Aによる配送可否を判定してもよい。
【0115】
そして、判定部331により、有人車両10Aによる配送が可能であると判定された場合、生成部333は、有人車両10Aによる配送を提案する提案情報を生成してもよい。そして、通信部310は、生成された提案情報を依頼者端末20Bに送信してもよい。
【0116】
なお、提案情報は、例えば、配送が可能な移動体10を提案するようなメッセージ(例えば、「車両による配送には空きがあります。」)を含んでもよいし、配送が可能な移動体10を指示するような表示情報または音声情報を含んでもよい。
【0117】
また、依頼者が予め配送希望時間または配送予算を指定している場合がある。例えば、判定部331は、当該配送希望時間に沿わない移動体10、または配送料が配送予算を超過する移動体10による配送が不可であると判定してもよい。
【0118】
また、依頼者には依頼者情報として本配送サービスにおけるユーザランク(例えば、利用金額や利用回数などに基づき利用するほどに上がっていくランク、または、課金すると上がるランクなど)が紐づけられている場合があり、ユーザランクに応じて利用可能な移動体10が異なるよういにしてもよい。そして、例えば、判定部331は、ユーザランクが高い場合に、所定の移動体10(例えば、配送枠単位の短い移動体であって、特に無人移動体など)による配送が可能であると判定してもよい。
【0119】
(サービサー要因)
サービサー要因は、例えば、配送者U1等の配送サービサー側に関連する要因を含む。例えば、ある移動体10にマシントラブルが発生している場合がある。このような場合、当該移動体10による荷物Lの配送が困難である。
【0120】
例えば、無人飛行体10Bにマシントラブルが発生し、有人車両10Aにマシントラブルが発生していない場合、判定部331は、無人飛行体10Bによる配送が不可であると判定し、有人車両10Aによる配送が可能であると判定してもよい。
【0121】
また、有人車両10Aを利用する配送者U1が対応不可(例えば、不在等)である場合、有人車両10Aによる配送が困難である。そこで、配送者U1が対応不可である場合、判定部331は、有人車両10Aによる配送が不可であると判定してもよい。
【0122】
また、無人飛行体10Bの管理者が対応不可(例えば、不在等)である場合、無人飛行体10Bによる配送が困難である。そこで、無人飛行体10Bの管理者が対応不可である場合、判定部331は、無人飛行体10Bによる配送が不可であると判定してもよい。なお、ここでの管理者とは、例えば無人飛行体10Bを遠隔操作する管理者や、無人飛行体10Bに自律移動させるための指示を行う管理者等を含む。
【0123】
以上、移動体10による配送可否の判定に係る具体例を説明した。なお、上述した例では、陸路を移動する車両と、空路を飛行する飛行体の二種類の移動手段が異なる移動体10を例に説明したが、移動体10は、海路を移動する船舶を含んでもよい。
【0124】
例えば、荷物Lのサイズが有人車両10Aの配送可能サイズを超える場合や、荷物Lの重量が有人車両10Aの積載可能重量を超える場合、判定部331は、有人車両10Aによる配送が不可であると判定してもよい。この場合、判定部331は、配送可能サイズが大きく、積載可能重量が大きい船舶による配送可否を判定してもよい。
【0125】
以上説明した例によれば、複数の移動経路の各々に対応する移動体10による配送可否を判定し、配送可能な移動体10の活用を促進することで、より配送効率が高い移動体により荷物の配送を対応させることが可能になる。
【0126】
また、天候不順等の荷物の配送の障害になる事象が生じていた場合に、他の配送手段に関する情報を依頼者に提供することで、依頼者は、配送手段の変更を検討することが可能である。その結果、依頼者によって依頼された荷物の配送が停滞する恐れが低減され得る。
【0127】
<<3.動作処理例>>
図8は、本実施形態に係る運行管理サーバ30の動作処理の一例を説明するための説明図である。まず、通信部310は、移動体の配送の障害となる要因に関する情報を受信する(S101)。
【0128】
続いて、判定部331は、通信部310によって受信された要因に基づき、複数の移動経路の各々の移動手段に対応する移動体による配送可否を判定する(S105)。
【0129】
そして、制御部330は、いずれかの移動手段に対応する移動体10で配送不可であると判定部331によって判定されたか否かを判断する(S109)。いずれかの移動体10で配送不可であると判定された場合(S109/Yes)、処理はS113に進められ、いずれもの移動体10で配送可能であると判定された場合(S109/No)、処理はS117に進められる。
【0130】
いずれかの移動体10で配送不可であると判定された場合(S109/Yes)、通信部310は、配送不可であると判定された移動体10の情報を予定管理サーバ40に送信する(S113)。ここで、予定管理サーバ40が備える制御部430は、配送不可であると判定された移動体10を、依頼者が依頼内容において指定できないように制御してもよい。
【0131】
移動体10の情報が予定管理サーバ40に送信された後(S113)、または、いずれもの移動体10で配送可能であると判定された場合(S109/No)、生成部333は、配送可能であると判定された移動体10の移動に係る情報を生成する(S117)。
【0132】
そして、制御部330は、複数の移動手段に対応する移動体10で配送可能であると判定部331によって判定されたか否かを判断する(S121)。一つの移動手段に対応する移動体10で配送可能であると判定された場合(S121/No)、処理はS125に進められ、複数の移動手段に対応する移動体10で配送可能であると判定された場合(S121/Yes)、処理はS129に進められる。
【0133】
一つの移動手段に対応する移動体10で配送可能であると判定された場合(S121/No)、通信部310は、当該移動体10による配送に係る情報を外部装置に送信し(S125)、本実施形態に係る運行管理サーバ30は動作処理を終了する。
【0134】
複数の移動手段に対応する移動体10で配送可能であると判定された場合(S121/Yes)、生成部333は、複数の移動体10による配送に係る情報を比較し、比較の結果に基づく推奨情報を生成する(S129)。例えば、生成部333は、有人車両10Aによる配送料金および配送時間と、無人飛行体10Bによる配送料金および配送時間を比較する。例えば、配送時間が同一(または略同一)で配送料金が有人車両10Aの方が安かった場合、生成部333は、より配送料金が安価である有人車両10Aを推奨する推奨情報を生成してもよい。
【0135】
そして、通信部310は、生成した推奨情報を依頼者端末20Bに送信し(S133)、本実施形態に係る運行管理サーバ30は動作処理を終了する。
【0136】
<<4.ハードウェア構成例>>
以上説明した情報処理は、ソフトウェアと以下に説明する運行管理サーバ30のハードウェアとの協働により実現される。なお、以下に説明するハードウェア構成は情報端末20および予定管理サーバ40にも適用可能である。
【0137】
図9は、本実施形態に係る運行管理サーバ30のハードウェア構成の一例を説明するための説明図である。運行管理サーバ30は、例えば
図9に示すように、制御部330、メモリ31、ストレージ32、送受信部33、入出力部34等を備え、これらはバス35を通じて相互に電気的に接続される。
【0138】
制御部330は、運行管理サーバ30の全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部330はCPU(Central Processing Unit)および/またはGPU(Graphics Processing Unit)であり、ストレージ32に格納されメモリ31に展開された本システムのためのプログラム等を実行して上述したような各種情報処理を実施する。
【0139】
メモリ31は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ31は、制御部330のワークエリア等として使用され、また、運行管理サーバ30の起動時に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
【0140】
ストレージ32は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ32に構築されていてもよい。
【0141】
送受信部33は、運行管理サーバ30をネットワークおよび/またはブロックチェーンネットワークに接続する。なお、送受信部33は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インターフェースを備えていてもよい。
【0142】
入出力部34は、キーボード、マイクおよびマウス類等の情報入力機器、及びディスプレイおよびスピーカ等の出力機器である。
【0143】
バス35は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0144】
<<5.補足>>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0145】
また、運行管理サーバ30は、必ずしも配送指示情報や参考情報などの各種情報を外部装置に送信しなくてもよい。例えば、運行管理サーバ30が表示部を備えていた場合、当該表示部により配送指示情報や参考情報が表示されてもよい。そして、例えば表示部に表示された配送指示情報を確認した管理者が、任意の方法で配送者U1や無人移動体に配送を指示してもよい。
【0146】
また、本実施形態に係る運行管理サーバ30は、予定管理サーバ40の機能構成の一部または全てを備えていてもよい。運行管理サーバ30が予定管理サーバ40の機能構成の全てを備えていた場合、本実施形態に係る情報処理システムは、予定管理サーバ40を有していなくてもよい。なお、予定管理サーバ40が、運行管理サーバ30の機能構成の一部または全てを備えていてもよい。
【0147】
また、予定管理サーバ40は、運行管理サーバの30の機能構成の一部または全てを備えていてもよい。例えば、予定管理サーバ40は、判定部331および生成部333の機能を有する構成を備えていてもよい。
【0148】
また、本明細書では、配送者が移動体10を利用して荷物を配送する例を主に説明したが、配送者は必ずしも移動体10を利用しなくてもよい。例えば、配送者は、徒歩にて荷物を配送してもよい。
【0149】
また、情報端末20、運行管理サーバ30および予定管理サーバ40に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した情報端末20、運行管理サーバ30および予定管理サーバ40の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。
【符号の説明】
【0150】
10 移動体
20 情報端末
210 通信部
230 制御部
240 操作表示部
30 運行管理サーバ
310 通信部
320 記憶部
330 制御部
331 判定部
333 生成部
40 予定管理サーバ
410 通信部
420 記憶部
430 制御部