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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053825
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】清掃装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 5/00 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
B08B5/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160272
(22)【出願日】2022-10-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】390027421
【氏名又は名称】株式会社東京洗染機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三科 道利
(72)【発明者】
【氏名】米田 達也
(72)【発明者】
【氏名】今井 紀博
(72)【発明者】
【氏名】西脇 和弘
【テーマコード(参考)】
3B116
【Fターム(参考)】
3B116AB53
3B116BB33
3B116BB52
3B116BB72
3B116BB88
(57)【要約】
【課題】清掃範囲が広かったり大量のリントが堆積したりしている場合であっても、リントを大きく舞い上げることなく除去でき、かつ、簡素で低コストな清掃装置を提供すること。
【解決手段】床面との間に所定の間隔を空けて設置された所定の装置の下方に位置する設置床面F1の清掃装置であって、設置床面F1の一方側から他方側にかけての第1の方向に延在するとともに設置床面F1から所定高さに配置され、設置床面F1の清掃時に第2の方向の一側から他側に向けて移動するエア供給部2を備え、エア供給部2は、下方に向けてエアを噴出するエア噴出穴20aが第1の方向に間隔を空けて複数設けられたエア供給配管20と、エア供給配管20のエア噴出穴20aよりも第2の方向の他側に設けられ、第1の方向に延在する平板22と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面との間に所定の間隔を空けて設置された所定の装置の下方に位置する設置床面の清掃装置であって、
前記設置床面の一方側から他方側にかけての第1の方向に延在するとともに前記設置床面から所定高さに配置され、前記設置床面の清掃時に前記第1の方向と直交する第2の方向の一側から他側に向けて移動するエア供給部を備え、
前記エア供給部は、
下方に向けてエアを噴出するエア噴出穴が前記第1の方向に間隔を空けて複数設けられた、前記第1の方向に長尺なエア供給配管と、
前記エア供給配管の前記エア噴出穴よりも前記第2の方向の他側に設けられ、前記第1の方向に延在する平板と、
を有することを特徴とする清掃装置。
【請求項2】
前記エア供給部は、前記エア供給配管の前記エア噴出穴よりも前記第2の方向の一側に一端が取り付けられるとともに他端が前記エア噴出穴よりも前記第2の方向の他側となるよう傾斜して設置され、前記エア噴出穴から噴出されたエアが衝突する衝突板を有し、
前記衝突板の他端と前記平板の下方先端との間には、隙間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の清掃装置。
【請求項3】
前記設置床面の清掃時、前記エア供給部の前記エア噴出穴からエアを噴出しつつ、前記第2の方向の一側から他側に前記エア供給部を移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の清掃装置。
【請求項4】
前記設置床面の前記第2の方向の他側には、前記第1の方向に延在し、前記第2の方向の一側に向けて開口した開口部を有するリント収集ボックスが設けられ、
前記エア供給部は、前記設置床面の清掃時、前記リント収集ボックスまで移動し、
前記リント収集ボックスの前記第1の方向の少なくとも一方の端部には、前記リント収集ボックスに収集されたリントを吸引するための吸引口が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の清掃装置。
【請求項5】
前記リント収集ボックスの前記開口部は、前記エア供給部が前記第2の方向の他側に移動した際に前記平板によって閉塞されることを特徴とする請求項4に記載の清掃装置。
【請求項6】
前記設置床面の前記第2の方向の他側には、前記第1の方向に延在し、前記第2の方向の一側に向けて開口した開口部を有するリント収集ボックスが設けられ、
前記エア供給部は、前記設置床面の清掃時、前記リント収集ボックスまで移動し、
前記リント収集ボックスの前記第1の方向の少なくとも一方の端部には、前記リント収集ボックスに収集されたリントを吸引するための吸引口が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の清掃装置。
【請求項7】
前記リント収集ボックスの前記開口部は、前記エア供給部が前記第2の方向の他側に移動した際に前記平板によって閉塞されることを特徴とする請求項6に記載の清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床上に堆積した繊維くず、いわゆるリントを除去する清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の清掃装置として、特許文献1に記載の床面清掃装置が知られている。特許文献1に記載の床面清掃装置は、清掃しようとする領域の一側に他側に向けて略水平に空気を噴出する主ノズルを複数個配置し、その主ノズルが、当該領域内に設置された機械フレームと床面との間の隙間に床面上のリントを舞い上げない強さで略水平に空気流を吹き出すよう構成されている。他側には、リントを吸い込む吸引口が設けられている。
【0003】
また、特許文献1に記載の床面清掃装置において、主ノズルから噴出する空気流は、リントを舞い上げるおそれのない弱い空気流とし、当該弱い空気流ではリントを他側まで搬送することができないときは、リントがある程度移動したタイミングで強い空気流に切り換える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-2497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の床面清掃装置にあっては、床面清掃装置の上方に設置される機械フレームの奥行方向の幅が大きい場合には、リントを確実に他側まで運ぶことができないおそれがある。また、リントが大量に堆積している場合には、一側から他側に向かう途中でロール状になったリントの塊が機械フレームの下面に触れてしまって、思うように進まないといったおそれもある。
【0006】
これらを解消しようと、空気流を強くし過ぎると、結局はリントを大きく舞い上げてしまうおそれがある。
【0007】
さらに、特許文献1に記載の床面清掃装置では、空気流の強さを切り替えるために、流量調整弁や開閉弁などの各種弁が必要であり、構成が複雑、かつ高価なものとなってしまう。
【0008】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、清掃範囲が広かったり大量のリントが堆積したりしている場合であっても、リントを大きく舞い上げることなく除去でき、かつ、簡素で低コストな清掃装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る清掃装置は、床面との間に所定の間隔を空けて設置された所定の装置の下方に位置する設置床面の清掃装置であって、前記設置床面の一方側から他方側にかけての第1の方向に延在するとともに前記設置床面から所定高さに配置され、前記設置床面の清掃時に前記第1の方向と直交する第2の方向の一側から他側に向けて移動するエア供給部を備え、前記エア供給部は、下方に向けてエアを噴出するエア噴出穴が前記第1の方向に間隔を空けて複数設けられた、前記第1の方向に長尺なエア供給配管と、前記エア供給配管の前記エア噴出穴よりも前記第2の方向の他側に設けられ、前記第1の方向に延在する平板と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、清掃範囲が広かったり大量のリントが堆積したりしている場合であっても、リントを大きく舞い上げることなく除去でき、かつ、簡素で低コストな清掃装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る清掃装置の平面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る清掃装置の側面図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る清掃装置のエア供給配管の底面の一部拡大図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る清掃装置のエア供給部の断面図であって、大きなリントを移動させる様子を示している。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る清掃装置のエア供給部の断面図であって、小さなリントをエアによって吹き飛ばす様子を示している。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る清掃装置のエア供給部の断面図であって、エア供給部がリント収集ボックスに達した状態を示している。
図7図7は、本発明の一実施形態に係るエア供給部の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る清掃装置について説明する。
【0013】
[清掃装置の構成]
図1及び図2に示すように、本実施形態の清掃装置1は、床面Fとの間に所定の間隔を空けて設置された所定の装置10の下方に位置する設置床面F1を清掃する装置である。所定の装置10としては、例えば、洗濯工場に設置されている大型装置である、ロールアイロナー、連続洗濯機、大型洗濯機、大型乾燥機などが挙げられる。本実施形態では、ロールアイロナーを所定の装置10とした例について説明する。
【0014】
なお、所定の装置10としては、洗濯工場に設置される大型装置に限らず、リントが発生するような環境下に置かれた大型装置であれば、いずれの装置であってもよい。リントとは、例えば、クリーニング工場等の床上に堆積した繊維くずのことをいう。
【0015】
ここで、図1において、図中、上方を「一方側」、下方を「他方側」と定義し、その一方側から他方側にかけての方向、つまり図中、上下方向を「第1の方向」と定義する。また、第1の方向と直交する方向、つまり図中、左右方向を「第2の方向」と定義し、その第2の方向の一方、つまり図中、左方を「一側」と定義し、第2の方向の他方、つまり図中、右方を「他側」と定義する。
【0016】
清掃装置1は、エア供給部2と、駆動機構3と、リント収集ボックス4と、を含んで構成されている。
【0017】
エア供給部2は、設置床面F1の一方側から他方側にかけて延在する、第1の方向に長尺な構成を有する。エア供給部2は、設置床面F1から所定高さに配置されている。すなわち、エア供給部2は、設置床面F1から所定高さだけ上方に離隔するように配置されている。このため、エア供給部2と設置床面F1との間には、隙間が形成されている。
【0018】
エア供給部2は、設置床面F1の清掃時に第2の方向の一側から他側に向けて移動するよう構成されている。エア供給部2は、駆動機構3によって第2の方向に往復移動可能に構成されている。
【0019】
エア供給部2は、エア供給配管20と、衝突板21と、平板22と、を有している。エア供給配管20は、第1の方向に長尺に形成されており、第1の方向の両端が閉塞されている。エア供給配管20は、柔軟性のあるエアチューブ23を介してエアタンク24に接続されている。エアタンク24は、図示しないコンプレッサに接続されており、当該コンプレッサから供給される圧縮空気を蓄積している。エア供給配管20は、エアタンク24からエアが供給されるようになっている。
【0020】
エア供給配管20には、下方に向けてエアを噴出するエア噴出穴20aが第1の方向に間隔を空けて複数設けられている(図3参照)。エア噴出穴20aの数は、例えば、設置床面F1との距離、清掃対象物の種別、設置床面F1の表面性状などに応じて、適宜最適な数に設定される。
【0021】
衝突板21は、第1の方向を長手方向とし、その長手方向と直交する方向を短手方向とする、長尺な平板状の部材からなる。衝突板21は、第1の方向にエア供給配管20と同程度の長さを有する。
【0022】
図4に示すように、衝突板21は、短手方向の一端がエア供給配管20に取り付けられている。より具体的には、衝突板21の短手方向の一端は、エア供給配管20のエア噴出穴20aよりも第2の方向の一側(図4中、左側)に取り付けられている。
【0023】
さらに、衝突板21は、短手方向の他端がエア噴出穴20aよりも第2の方向の他側となるよう傾斜して設置されている。これにより、衝突板21には、エア噴出穴20aから噴出されたエアが衝突するようになっている。
【0024】
衝突板21に衝突したエアは、衝突板21の傾斜に沿って衝突板21の短手方向の他端側に導かれ、当該他端側から設置床面F1上に導かれる。設置床面F1上に導かれたエアは、設置床面F1上をエア供給部2の進行方向に向かって流れる。
【0025】
平板22は、第1の方向を長手方向とし、その長手方向と直交する方向を短手方向とする、長尺な平板からなる。平板22は、第1の方向に延在しており、第1の方向にエア供給配管20と同程度の長さを有する。
【0026】
平板22は、エア供給配管20のエア噴出穴20aよりも第2の方向の他側(図4中、右側)に設けられている。具体的には、平板22の短手方向の一端がエア供給配管20に取り付けられ、短手方向の他端すなわち下方先端が衝突板21の他端に近接している。
【0027】
衝突板21の短手方向の他端と平板22の下方先端との間には、第1の方向に沿って隙間Cが形成されている。エア噴出穴20aから噴出されたエアは、衝突板21に沿って導かれた後、隙間Cから設置床面F1上に排出される。
【0028】
ここで、衝突板21の短手方向の他端は、平板22の下方先端よりも下方に位置している。これにより、衝突板21に沿って導かれたエアが設置床面F1上をエア供給部2の進行方向に向かって導かれやすくなっている。なお、衝突板21の短手方向の他端と平板22の下方先端との位置関係は任意であり、上述した位置関係に限らない。例えば、衝突板21の短手方向の他端と平板22の下方先端とが上下方向において同一位置に位置していてもよい。
【0029】
本実施形態では、衝突板21と平板22との間に設けられた空間、すなわちエア噴出穴20aから噴出されたエアが隙間Cから排出されるまでに通る空間は、第1の方向の両端側が開放されている。なお、第1の方向の両端側は閉塞されていてもよい。
【0030】
駆動機構3は、エア供給部2を第2の方向に往復移動させるものである。駆動機構3は、一対のレール31、31と、一対のモータユニット32、32とを有している。モータユニット32は、一対のモータユニット32、32のうち、いずれか一方のモータユニットのみによって構成してもよい。
【0031】
一対のレール31、31は、第1の方向に設置床面F1を挟んで対向するよう配置され、かつ第2の方向に平行に設けられている。一対のレール31、31は、第2の方向の一側(図1中、左側)においてフレーム部材33によって互いに連結されている。また、一対のレール31、31は、第2の方向の他側(図1中、右側)がリント収集ボックス4に連結されている。なお、一対のレール31、31は、フレーム部材33によって互いに連結されていなくてもよいし、第2の方向の他側がリント収集ボックス4に連結していなくてもよい。
【0032】
一対のモータユニット32、32は、エア供給部2の第1の方向の両端部に連結されている。一対のモータユニット32、32は、モータ32aを駆動源とし、モータ32aによって駆動される図示しないローラが一対のレール31、31上を回転移動することで、エア供給部2を第2の方向に往復移動させるようになっている。
【0033】
本実施形態では、エア供給部2を往復移動させる駆動機構として、モータユニット32を用いた例について説明したが、エア供給部2を往復移動可能な構成であれば、モータユニットに限らず、公知の駆動機構を用いることができる。
【0034】
リント収集ボックス4は、設置床面F1の第2の方向の他側(図1中、右側)に設けられている。リント収集ボックス4は、第2の方向の一側に向けて開口した開口部40を有する。
【0035】
開口部40は、リント収集ボックス4の第1の方向に長く延在するように形成されている。開口部40の第1の方向の長さは、例えば、リント収集ボックス4の第1の方向の長さと同等か、又は僅かに短い程度に設定されるのが好ましい。
【0036】
開口部40は、設置床面F1の清掃時、エア供給部2が第2の方向の他側(図1中、右側)に移動した際にエア供給部2の平板22によって閉塞されるようになっている(図6参照)。ここで、「平板22によって閉塞される」とは、平板22の下方先端と設置床面F1との間に形成される隙間以外は、大きな隙間を生じさせることなく平板22の前面(第2の方向の他側の面)が開口部40を覆うようにしてリント収集ボックス4の第2の方向の一側の面に接することをいう。
【0037】
リント収集ボックス4の第1の方向の少なくとも一方の端部(本実施形態では、他方側の端部)には、リント収集ボックス4に収集されたリントを吸引するための吸引口41が設けられている。
【0038】
吸引口41には、図示しない例えば掃除機などの吸引装置が取り付けられるようになっている。なお、吸引口41に、例えばメッシュ状の袋などを装着して、吸引装置でエアを吸引することでメッシュ状の袋内にリントを回収することも可能である。
【0039】
また、リント収集ボックス4の第1の方向の他方の端部(本実施形態では、一方側の端部)には、リント収集ボックス4に収集されたリントを吸引口41側に吹き飛ばすためのエアを導入するエア導入口42が設けられている。
【0040】
エア導入口42には、図示しない送風機やエアノズル等、エアを送出する装置が取り付けられるようになっている。
【0041】
吸引口41は、リント収集ボックス4の第1の方向の両端部に設けられていてもよい。この場合、エア導入口を不要とし、リント収集ボックス4の両側からリントを吸引することができる。
【0042】
[清掃装置の動作]
清掃装置1は、設置床面F1の清掃時、エア供給部2のエア噴出穴20aからエアを噴出しつつ、第2の方向の一側(図1中、左側)から他側(図1中、右側)にエア供給部2を移動させる。
【0043】
このとき、図4に示すように、設置床面F1上に堆積している大きなリント(小さなリントが集合して大きなリントの固まりとなったものを含む)Laについては、エア供給部2の進行方向最前部に位置する平板22によって押し進められる。また、当該大きなリントLaは、エア噴出穴20aから噴出されたエアによっても前方に押しやられる。
【0044】
また、図5に示すように、設置床面F1上に堆積している小さなリントLbについては、エア噴出穴20aから噴出されたエアによって前方に吹き飛ばされる。
【0045】
最終的に、図6に示すように、エア供給部2がリント収集ボックス4まで達すると、設置床面F1上に堆積していたリントがリント収集ボックス4に回収(収集)されるとともに、リント収集ボックス4の開口部40が平板22によって閉塞される。
【0046】
次に、図6に示す状態で、リント収集ボックス4のエア導入口42からエアが吹き出され、リント収集ボックス4に回収(収集)されたリントが吸引口41側に集まる。吸引口41側に集まったリントは、吸引口41からのエア吸引によって補足、回収される。なお、図6に示す状態で、エア導入口42からのエアの吹き出しと、吸引口41からのエア吸引とを同時に行ってもよい。
【0047】
[作用効果]
以上のように、本実施形態に係る清掃装置は、設置床面F1の清掃時に第2の方向の一側から他側に向けて移動するエア供給部2を備え、そのエア供給部2が、エア噴出穴20aを有するエア供給配管20と、エア噴出穴20aよりも第2の方向の他側に設けられた平板22と、を有する。
【0048】
この構成により、本実施形態に係る清掃装置は、設置床面F1の清掃時、エア供給部2のエア噴出穴20aからエアを噴出しつつ、第2の方向の一側から他側にエア供給部2を移動させることにより、平板22との接触及びエアの力によって大きなリントLaを押し進めることができる。さらに、エアによって小さなリントLbを吹き飛ばすことができる。
【0049】
これにより、本実施形態に係る清掃装置は、清掃範囲が広かったり大量のリントが堆積したりしている場合であっても、設置床面F1上のリントを大きく舞い上げることなく除去できる。さらに、平板22を有するエア供給部2を移動させるだけの簡素な構成でリントの除去を行うことができるので、低コストな清掃装置を実現することができる。
【0050】
また、本実施形態に係る清掃装置において、エア供給部2は、エア供給配管20のエア噴出穴20aよりも第2の方向の一側に一端が取り付けられるとともに他端がエア噴出穴20aよりも第2の方向の他側となるよう傾斜して設置され、エア噴出穴20aから噴出されたエアが衝突する衝突板21を有する。さらに、衝突板21の他端と平板22の下方先端との間には、隙間Cが形成されている。
【0051】
この構成により、本実施形態に係る清掃装置において、エア供給部2は、エア噴出穴20aから噴出したエアを衝突板21に衝突させることにより、隙間Cを介してエアをエア供給部2の進行方向の前方に導くことができる。
【0052】
また、本実施形態に係る清掃装置は、設置床面F1の清掃時、エア供給部2のエア噴出穴20aからエアを噴出しつつ、第2の方向の一側から他側にエア供給部2を移動させるよう構成されている。
【0053】
この構成により、本実施形態に係る清掃装置は、設置床面F1の清掃時、平板22とエアの作用によって設置床面F1上のリントを除去することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る清掃装置は、第2の方向の他側に、第2の方向の一側に向けて開口した開口部40を有するリント収集ボックス4が設けられ、リント収集ボックス4の第1の方向の一方の端部に、リントを吸引するための吸引口41が設けられている。さらに、エア供給部2は、設置床面F1の清掃時、リント収集ボックス4まで移動するよう構成されている。
【0055】
この構成により、本実施形態に係る清掃装置は、設置床面F1の清掃時、エア供給部2によって設置床面F1上から除去されたリントを、リント収集ボックス4に集めることができる。さらに、リント収集ボックス4に集めたリントを吸引口41から吸引して回収することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る清掃装置において、リント収集ボックス4の開口部40は、エア供給部2が第2の方向の他側に移動した際に平板22によって閉塞されるよう構成されている。
【0057】
この構成により、本実施形態に係る清掃装置は、リント収集ボックス4に収集されたリントを開口部40からリント収集ボックス4の外側に拡散させることなく、吸引口41から吸引することができる。
【0058】
(変形例)
本実施形態のエア供給部2に代えて、図7に示すようなエア供給部102を採用してもよい。
【0059】
図7に示すように、エア供給部102は、衝突板21を有さず、下方先端が一端よりも第2の方向の他側に位置するように平板22がエア供給配管20に対して傾斜して取り付けられている。また、エア供給配管20は、エア噴出穴20aが下方ではなく、平板22側に所定角度だけ回転した位置となるよう、一対のモータユニット32、32に取り付けられている。
【0060】
上記構成により、エア供給部102は、図7中、一点鎖線で示すように、エア噴出穴20aから噴出したエアを平板22に衝突させて設置床面F1上に導くようになっている。
【0061】
これにより、エア供給部102は、設置床面F1の清掃時、平板22との接触及びエアの力によって大きなリントLaを押し進めつつ、エアによって小さなリントLbを吹き飛ばすことができる。
【0062】
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0063】
1 清掃装置
2、102 エア供給部
3 駆動機構
4 リント収集ボックス
10 所定の装置
20 エア供給配管
20a エア噴出穴
21 衝突板
22 平板
23 エアチューブ
24 エアタンク
31 レール
32 モータユニット
32a モータ
33 フレーム部材
40 開口部
41 吸引口
42 エア導入口
C 隙間
F 床面
F1 設置床面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面との間に所定の間隔を空けて設置された所定の装置の下方に位置する設置床面の清掃装置であって、
前記設置床面の一方側から他方側にかけての第1の方向に延在するとともに前記設置床面から所定高さに配置され、前記設置床面の清掃時に前記第1の方向と直交する第2の方向の一側から他側に向けて移動するエア供給部を備え、
前記エア供給部は、
下方に向けてエアを噴出するエア噴出穴が前記第1の方向に間隔を空けて複数設けられた、前記第1の方向に長尺なエア供給配管と、
前記エア供給配管の前記エア噴出穴よりも前記第2の方向の他側に設けられ、前記第1の方向に延在する平板と、
を有することを特徴とする清掃装置。
【請求項2】
前記エア供給部は、前記エア供給配管の前記エア噴出穴よりも前記第2の方向の一側に一端が取り付けられるとともに他端が前記エア噴出穴よりも前記第2の方向の他側となるよう傾斜して設置され、前記エア噴出穴から噴出されたエアが衝突する衝突板を有し、
前記衝突板の他端と前記平板の下方先端との間には、隙間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の清掃装置。
【請求項3】
前記設置床面の清掃時、前記エア供給部の前記エア噴出穴からエアを噴出しつつ、前記第2の方向の一側から他側に前記エア供給部を移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の清掃装置。
【請求項4】
前記設置床面の前記第2の方向の他側には、前記第1の方向に延在し、前記第2の方向の一側に向けて開口した開口部を有するリント収集ボックスが設けられ、
前記エア供給部は、前記設置床面の清掃時、前記リント収集ボックスまで移動し、
前記リント収集ボックスの前記第1の方向の少なくとも一方の端部には、前記リント収集ボックスに収集されたリントを吸引するための吸引口が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の清掃装置。
【請求項5】
前記リント収集ボックスの前記開口部は、前記エア供給部が前記第2の方向の他側に移動した際に、前記平板の下方先端と前記設置床面との間に隙間を形成した状態で前記平板によって覆われることを特徴とする請求項4に記載の清掃装置。
【請求項6】
前記設置床面の前記第2の方向の他側には、前記第1の方向に延在し、前記第2の方向の一側に向けて開口した開口部を有するリント収集ボックスが設けられ、
前記エア供給部は、前記設置床面の清掃時、前記リント収集ボックスまで移動し、
前記リント収集ボックスの前記第1の方向の少なくとも一方の端部には、前記リント収集ボックスに収集されたリントを吸引するための吸引口が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の清掃装置。
【請求項7】
前記リント収集ボックスの前記開口部は、前記エア供給部が前記第2の方向の他側に移動した際に、前記平板の下方先端と前記設置床面との間に隙間を形成した状態で前記平板によって覆われることを特徴とする請求項6に記載の清掃装置。