(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005383
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20230101AFI20240110BHJP
G06Q 10/08 20240101ALI20240110BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
G06Q50/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105542
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】512139135
【氏名又は名称】ココネット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100209956
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 周
(71)【出願人】
【識別番号】517331376
【氏名又は名称】株式会社エアロネクスト
(72)【発明者】
【氏名】河合 秀治
(72)【発明者】
【氏名】樋口 忠成
(72)【発明者】
【氏名】田路 圭輔
(72)【発明者】
【氏名】堀 拓也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】荷物の受け取りに係る利便性をより向上させる。
【解決手段】荷物を受け取る受取者の移動予定に関する予定情報を取得する取得部と、前記予定情報に基づき、前記荷物の配送に利用される移動体の配送計画に含まれる複数の配送枠のうち、前記荷物の受け取り位置に前記受取者が到着する予定時刻に対応する配送枠を指定する指定部と、を備える、情報処理システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を受け取る受取者の移動予定に関する予定情報を取得する取得部と、
前記予定情報に基づき、前記荷物の配送に利用される移動体の配送計画に含まれる複数の配送枠のうち、前記荷物の受け取り位置に前記受取者が到着する予定時刻に対応する配送枠を指定する指定部と、
を備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記予定情報は、前記受取者の移動手段に関する情報を含み、
前記指定部は、
前記取得部により取得された前記移動手段に基づき、前記配送枠を指定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記取得部は、
前記受取者の位置情報を取得し、
前記指定部は、
前記取得部により取得された前記位置情報に基づき、前記配送枠を指定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記受け取り位置は、前記移動体による配送経路に含まれる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記移動体は、空路を飛行する飛行体を含み、
前記受け取り位置は、前記飛行体の待機位置を含む、
請求項1から請求項4までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記飛行体の待機位置には、前記荷物を収納する収納ボックスが配置され、
前記指定部は、
前記収納ボックスの空き状況に基づき、前記配送枠を指定する、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記取得部は、
前記荷物に関する情報を取得し、
前記指定部は、
前記荷物に関する情報に含まれる前記荷物の種類に基づき、前記配送枠を指定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記指定部は、
前記荷物の種類が前記受け取り位置の環境に対応する場合に、前記受取者が前記受け取り位置に到着する予定時刻よりも前に前記移動体が前記受け取り位置に到着することが可能な配送枠を指定する、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記指定部は、
前記荷物の種類が前記受け取り位置の環境に対応しない場合に、前記受取者が前記受け取り位置に到着する予定時刻が含まれる配送枠または前記予定時刻より後の時刻に前記移動体が前記受け取り位置に到着することが可能な配送枠を指定する、
請求項7または請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記配送枠は、複数の受け取り位置の候補の各々に設定され、
前記指定部は、
前記複数の受け取り位置の候補のうち一の受け取り位置の候補を、前記荷物の受け取り位置として指定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項11】
荷物を受け取る受取者の移動予定に関する予定情報を取得する取得部と、
前記予定情報に基づき、前記荷物の配送に利用される移動体の配送計画に含まれる複数の配送枠のうち、前記荷物の受け取り位置に前記受取者が到着する予定時刻に対応する配送枠を指定する指定部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項12】
荷物を受け取る受取者の移動予定に関する予定情報を取得することと、
前記予定情報に基づき、前記荷物の配送に利用される移動体の配送計画に含まれる複数の配送枠のうち、前記荷物の受け取り位置に前記受取者が到着する予定時刻に対応する配送枠を指定することと、
を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
荷物を受け取る受取者の移動予定に関する予定情報を取得する取得機能と、
前記予定情報に基づき、前記荷物の配送に利用される移動体の配送計画に含まれる複数の配送枠のうち、前記荷物の受け取り位置に前記受取者が到着する予定時刻に対応する配送枠を指定する指定機能と、
を実現させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、あるユーザにより依頼された荷物の配達や集荷に関する配送作業に関し、当該配送作業に対応する配送者が、荷物を効率的に配達や集荷するための技術が開発されている。例えば、特許文献1では、3つの拠点を循環する一または複数の循環便の各積載量を取得し、取得した積載量に基づいて循環便の運航計画を変更するか否かを判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載した技術では、荷物を受け取る受取者の移動予定については考慮されておらず、例えば、受取者の移動予定に応じて荷物を配送する時間を調整することが困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、荷物の受け取りに係る利便性をより向上させることが可能な、新規かつ改良された情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、荷物を受け取る受取者の移動予定に関する予定情報を取得する取得部と、前記予定情報に基づき、前記荷物の配送に利用される移動体の配送計画に含まれる複数の配送枠のうち、前記荷物の受け取り位置に前記受取者が到着する予定時刻に対応する配送枠を指定する指定部と、を備える、情報処理システムが提供される。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、荷物を受け取る受取者の移動予定に関する予定情報を取得する取得部と、前記予定情報に基づき、前記荷物の配送に利用される移動体の配送計画に含まれる複数の配送枠のうち、前記荷物の受け取り位置に前記受取者が到着する予定時刻に対応する配送枠を指定する指定部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、荷物を受け取る受取者の移動予定に関する予定情報を取得することと、前記予定情報に基づき、前記荷物の配送に利用される移動体の配送計画に含まれる複数の配送枠のうち、前記荷物の受け取り位置に前記受取者が到着する予定時刻に対応する配送枠を指定することと、を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法が提供される。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに、荷物を受け取る受取者の移動予定に関する予定情報を取得する取得機能と、前記予定情報に基づき、前記荷物の配送に利用される移動体の配送計画に含まれる複数の配送枠のうち、前記荷物の受け取り位置に前記受取者が到着する予定時刻に対応する配送枠を指定する指定機能と、を実現させる、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本発明によれば、荷物の受け取りに係る利便性をより向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。
【
図2】本実施形態に係る情報端末20の機能構成の一例を説明するための説明図である。
【
図3】本実施形態に係る運行管理サーバ30の機能構成の一例を説明するための説明図である。
【
図4】本実施形態に係る予定管理サーバ40の機能構成の一例を説明するための説明図である。
【
図5】配送枠の指定に係る処理の一例を説明するための説明図である。
【
図6】本実施形態に係る配送枠の一例を説明するための説明図である。
【
図7】本実施形態に係る運行管理サーバ30の動作処理の一例を説明するための説明図である。
【
図8】本実施形態に係る予定管理サーバ40のハードウェア構成の一例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による情報処理システム等は、以下のような構成を備える。
[項目1]
荷物を受け取る受取者の移動予定に関する予定情報を取得する取得部と、
前記予定情報に基づき、前記荷物の配送に利用される移動体の配送計画に含まれる複数の配送枠のうち、前記荷物の受け取り位置に前記受取者が到着する予定時刻に対応する配送枠を指定する指定部と、
を備える、情報処理システム。
[項目2]
前記予定情報は、前記受取者の移動手段に関する情報を含み、
前記指定部は、
前記取得部により取得された前記移動手段に基づき、前記配送枠を指定する、
項目1に記載の情報処理システム。
[項目3]
前記取得部は、
前記受取者の位置情報を取得し、
前記指定部は、
前記取得部により取得された前記位置情報に基づき、前記配送枠を指定する、
項目1に記載の情報処理システム。
[項目4]
前記受け取り位置は、前記移動体による配送経路に含まれる、
項目1に記載の情報処理システム。
[項目5]
前記移動体は、空路を飛行する飛行体を含み、
前記受け取り位置は、前記飛行体の待機位置を含む、
項目1から項目4までのうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
[項目6]
前記飛行体の待機位置には、前記荷物を収納する収納ボックスが配置され、
前記指定部は、
前記収納ボックスの空き状況に基づき、前記配送枠を指定する、
項目5に記載の情報処理システム。
[項目7]
前記取得部は、
前記荷物に関する情報を取得し、
前記指定部は、
前記荷物に関する情報に含まれる前記荷物の種類に基づき、前記配送枠を指定する、
項目1に記載の情報処理システム。
[項目8]
前記指定部は、
前記荷物の種類が前記受け取り位置の環境に対応する場合に、前記受取者が前記受け取り位置に到着する予定時刻よりも前に前記移動体が前記受け取り位置に到着することが可能な配送枠を指定する、
項目7に記載の情報処理システム。
[項目9]
前記指定部は、
前記荷物の種類が前記受け取り位置の環境に対応しない場合に、前記受取者が前記受け取り位置に到着する予定時刻が含まれる配送枠または前記予定時刻より後の時刻に前記移動体が前記受け取り位置に到着することが可能な配送枠を指定する、
項目7または項目8に記載の情報処理システム。
[項目10]
前記配送枠は、複数の受け取り位置の候補の各々に設定され、
前記指定部は、
前記複数の受け取り位置の候補のうち一の受け取り位置の候補を、前記荷物の受け取り位置として指定する、
項目1に記載の情報処理システム。
[項目11]
荷物を受け取る受取者の移動予定に関する予定情報を取得する取得部と、
前記予定情報に基づき、前記荷物の配送に利用される移動体の配送計画に含まれる複数の配送枠のうち、前記荷物の受け取り位置に前記受取者が到着する予定時刻に対応する配送枠を指定する指定部と、
を備える、情報処理装置。
[項目12]
荷物を受け取る受取者の移動予定に関する予定情報を取得することと、
前記予定情報に基づき、前記荷物の配送に利用される移動体の配送計画に含まれる複数の配送枠のうち、前記荷物の受け取り位置に前記受取者が到着する予定時刻に対応する配送枠を指定することと、
を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
[項目13]
コンピュータに、
荷物を受け取る受取者の移動予定に関する予定情報を取得する取得機能と、
前記予定情報に基づき、前記荷物の配送に利用される移動体の配送計画に含まれる複数の配送枠のうち、前記荷物の受け取り位置に前記受取者が到着する予定時刻に対応する配送枠を指定する指定機能と、
を実現させる、プログラム。
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
また、本明細書及び図面では、配送者により利用される移動体を有人移動体10A、および自律制御または遠隔操作により移動する移動体を無人移動体10Bのように必要に応じて各移動体を区別する。ただし、各移動体を特に区別する必要が無い場合は、各移動体を単に移動体10と称する。また、荷物の配達や集荷に関する配送を行う配送者が利用する情報端末を配送者端末20A、および荷物の配達や集荷を依頼した依頼者が利用する情報端末を依頼者端末20Bのように、必要に応じて各情報端末を区別する。ただし、各情報端末を特に区別する必要がない場合は、各情報端末を単に情報端末20と称する。
【0015】
<<1.情報処理システムの概要>>
本発明の一実施形態は、荷物の受け取りに係る利便性をより向上させることが可能な情報処理システムに関する。
【0016】
<1.1.概要>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。本実施形態に係る情報処理システムは、例えば
図1に示すように、移動体10と、情報端末20と、運行管理サーバ30と、予定管理サーバ40と、を有する。
【0017】
移動体10と、情報端末20と、運行管理サーバ30と、予定管理サーバ40は、ネットワークを介して互いに接続されている。
【0018】
(移動体10)
本実施形態に係る移動体10は、荷物Lを配達または集荷するような配送作業において利用される移動体である。例えば、移動体10は、依頼者U2により配送が依頼された荷物Lを、当該荷物Lが保管されている倉庫WHから配送する際に利用される。なお、移動体10は、配送作業において必須のものではなく、例えば、徒歩で台車(例えば、ボックス台車やかご台車など)と共に配送を行ってもよい。
【0019】
例えば、移動体10は、荷物Lを配達または集荷する配送者U1により利用される有人移動体10Aを含む。
【0020】
例えば、本実施形態に係る有人移動体10Aは、
図1に示すような陸路を移動する車両(例えば、乗用車、軽トラック、軽バンなどの貨物自動車、バイク、自転車、キックボードなど)であってもよい。ただし、有人移動体10Aは、車両に限定されない。例えば、有人移動体10Aは、空路を飛行する飛行体であってもよいし、海路や川路等の水路を移動する船舶であってもよい。
【0021】
また、本実施形態に係る移動体10は、自律制御または遠隔操作により移動する無人移動体10Bを含む。例えば、無人移動体10Bは、始点(例えば、荷物Lの配送開始位置や無人移動体10Bの移動開始位置)および終点(例えば、荷物Lの受け取り位置)のような2地点の位置、あるいは、さらに中継地点(例えば、荷物Lの集荷を伴う配送の場合に、荷物Lの集荷位置)や帰還地点(例えば、無人移動体10の移動開始位置と同じ位置、または、異なる待機位置など)も含めた3地点以上の位置等の入力情報を用いて自律制御により移動してもよい。なお、自律制御に用いる入力情報は、その他の経由地点や配送経路のような各種情報を含んでもよい。
【0022】
また、無人移動体10Bは、当該無人移動体10Bを管理する管理者により遠隔で操作入力された操作情報を用いて、遠隔操作により移動してもよい。
【0023】
例えば、無人移動体10Bは、
図1に示すような飛行体であってもよい。例えば、飛行体は、自律制御により飛行するドローン(Drone)であってもよいし、管理者による遠隔操作により飛行するUAV(Unmanned Aerial Vehicle)であってもよい。
【0024】
また、本実施形態に係る無人移動体10Bは、飛行体に限定されない。例えば、無人移動体10Bは、UGV(Unmanned Ground Vehicle)等の陸路を移動する車両であってもよいし、海路や川路等の水路を移動する船舶であってもよい。
【0025】
また、有人移動体10Aおよび無人移動体10Bは、陸路、水路および空路の少なくとも2以上の経路を移動可能な移動体であってもよい。
【0026】
(情報端末20)
本実施形態に係る情報端末20は、配達または集荷に関するサービスに関係する関係者により利用される端末である。例えば、情報端末20は、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)またはPC(Personal Computer)等の各種端末であってもよい。
【0027】
情報端末20は、荷物Lを配達または集荷する配送者U1により利用される配送者端末20Aを含む。例えば、配送者U1は、配送者端末20Aを用いて、依頼者U2により登録された配送依頼に含まれる依頼内容に基づく配送タスクを含む配送指示情報を確認してもよい。なお、
図1においては、荷物Lは、配送依頼を行った依頼者U2に対して配送されるものであるが、このような場合に限らず、依頼者が送り主であって、当該依頼者とは異なる受取者宛に配送される荷物であってもよい。このような場合、倉庫WHを出発する際などに荷物Lを配送者U1が移動体10などに積み込むと共に、一以上の配送タスクが予め所定の順に配送計画として設定されていてもよい。
【0028】
また、情報端末20は、荷物Lの配達または集荷を依頼する依頼者U2により利用される依頼者端末20Bを含む。例えば、依頼者U2は、依頼者端末20Bを用いて、荷物Lの配達または集荷に関する配送依頼を登録してもよい。
【0029】
また、依頼者端末20Bは、依頼者の移動予定に関する予定情報を送信してもよい。ここで予定情報は、例えば依頼者U2の移動手段に関する情報、または依頼者U2が経由する経由地点に関する情報、または依頼者U2のスケジュールに関する情報を含んでもよい。
【0030】
なお、以下の説明では、荷物Lを受け取る受取者が荷物Lの配送を依頼した依頼者U2と同一である例を主に説明するが、受取者は係る例に限定されない。例えば、受取者は、依頼者U2の代理で荷物を受け取る代理者であってもよいし、荷物Lの配送先として宛名に指定されている他の利用者であってもよい。
【0031】
また、受取者は他の配送者(例えば、配送員またはギグワーカ等)であってもよい。この場合、荷物Lは、ある受け取り位置において、無人移動体10Bから他の配送者に受け渡されてもよい。そして、荷物Lを受け渡された他の配送者は、依頼者により指定された受け取り位置に荷物Lを配送してもよい。
【0032】
(運行管理サーバ30)
本実施形態に係る運行管理サーバ30は、移動体10の運行に関する管理を行うサーバである。例えば、運行管理サーバ30は、ワークステーションやPCのような汎用コンピュータであってもよいし、クラウドサーバであってもよい。
【0033】
運行管理サーバ30は、移動体10による配送を指示する配送指示情報を生成する。そして、運行管理サーバ30は、配送指示情報を、外部装置に送信する。なお、外部装置は、例えば、荷物Lを配送する配送者U1の配送者端末20A、または荷物Lを配送する無人移動体10Bを含む。
【0034】
例えば、運行管理サーバ30は、予定管理サーバ40により指定された配送枠に基づき、配送指示情報を生成してもよい。
【0035】
ここで、配送指示情報は、移動体10による配送に用いる情報であり、例えば配送開始位置と受け取り位置に関する情報を含んでもよいし、配送経路や経由地点などの情報を含んでもよい。
【0036】
より具体的には、依頼者U2により荷物Lの受け取り位置として自宅Bや自宅B2付近の店舗や専用配送施設などの受け取り位置が指定されていた場合、配送指示情報は、荷物Lの保管されている倉庫WHの位置と、自宅B等の受け取り位置に関する情報を含んでもよい。
【0037】
また、配送枠とは、移動体10(または、移動体10を利用して荷物Lを配送する配送者U1)が配送依頼に対応する時間枠である。例えば、無人移動体10B(または配送者U1)の1日の配送計画は、所定の配送枠(例えば、無人移動体なら15分や30分など、配送者なら1時間など)毎に区切られており、無人移動体10B(または配送者U1)は、配送枠毎に登録されている荷物Lの配送を、当該配送枠が示す時間に対応する。無人移動体の配送枠では、例えば1または2などの配送先への荷物が登録され、配送者の配送枠では、例えば5から10など多数の配送先への荷物が登録されていてもよいが、これに限るものではない。また、配送計画および配送枠は、複数の受け取り位置の候補の各々に設定されていてもよい。
【0038】
また、複数の受け取り位置の候補の各々は、例えば、移動体10による荷物Lの配送経路に含まれる位置であってもよい。
【0039】
(予定管理サーバ40)
本実施形態に係る予定管理サーバ40は、情報処理装置の一例であり、配達または集荷に関する各種予定の管理を行うサーバである。例えば、予定管理サーバ40は、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータであってもよいし、クラウドサーバであってもよい。
【0040】
予定管理サーバ40は、移動体10による配達や集荷に関する配送計画や配送予定を管理する。例えば、予定管理サーバ40は、無人移動体10Bによる配達や集荷に関する配送計画や配送予定を管理する。
【0041】
また、予定管理サーバ40は、依頼者U2の移動予定に関する予定情報を取得する。そして、予定管理サーバ40は、取得した予定情報に基づき、荷物Lの配送に利用される移動体10の配送計画に含まれる複数の配送枠のうち、当該荷物Lの受け取り位置に依頼者U2が到着する予定時刻に対応する配送枠を指定する。
【0042】
そして、予定管理サーバ40は、指定した配送枠に関する情報を運行管理サーバ30に送信してもよい。
【0043】
以上、本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明した。続いて、本実施形態に係る情報端末20、運行管理サーバ30および予定管理サーバ40の機能構成の一例を順次説明する。
【0044】
<<2.機能構成例>>
<2.1.情報端末20の機能構成例>
図2は、本実施形態に係る情報端末20の機能構成の一例を説明するための説明図である。本実施形態に係る情報端末20は、
図2に示すように、通信部210と、制御部230と、操作表示部240と、を備える。
【0045】
(通信部210)
本実施形態に係る通信部210は、運行管理サーバ30または予定管理サーバ40との間で各種通信を行う。例えば、依頼者端末20Bが備える通信部210は、依頼者により登録された荷物の配達または集荷に関する配送依頼を運行管理サーバ30または予定管理サーバ40の少なくともいずれか一方に送信してもよい。
【0046】
また、依頼者端末20Bが備える通信部210は、移動予定に関する予定情報を予定管理サーバ40に送信してもよい。例えば、予定情報は、依頼者U2の移動手段に関する情報、または受け取り位置に到着する予定時間に関する情報を含んでもよい。
【0047】
また、依頼者端末20Bが備える通信部210は、依頼者U2の位置を示す位置情報を予定管理サーバ40に送信してもよい。依頼者U2の位置を示す位置情報は、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)により得られる依頼者端末20Bの測位情報(経度、緯度および高度に関する情報)であってもよい。また、依頼者U2の位置を示す位置情報は、後述する操作表示部240において依頼者U2により入力された情報(例えば、現在地の住所等)であってもよい。
【0048】
なお、依頼者端末20Bが備える通信部210は、上述したような配送依頼または位置情報を、運行管理サーバ30を介して予定管理サーバ40に送信してもよいし、予定管理サーバ40に直接送信してもよい。
【0049】
また、配送者端末20Aが備える通信部210は、配送指示情報を運行管理サーバ30から受信してもよい。配送者は、例えば、操作表示部240に表示された配送指示情報に基づき、荷物を配送してもよい。
【0050】
(制御部230)
本実施形態に係る制御部230は、情報端末20の動作全般を制御する。例えば、制御部230は、通信部210による各種情報の送受信を制御する。例えば、依頼者端末20Bが備える制御部230は、操作表示部240の操作により入力された依頼内容を含む配送依頼を通信部210に送信させる制御を行ってもよい。
【0051】
また、制御部230は、運行管理サーバ30から受信した配送指示情報を操作表示部240に表示させる制御を行ってもよい。
【0052】
(操作表示部240)
本実施形態に係る操作表示部240は、荷物の配達または集荷に関する依頼内容を入力するための操作が行われる操作部としての機能を有する。また、操作表示部240は、運行管理サーバ30から受信した配送指示情報を表示する表示部としての機能を有する。
【0053】
操作部としての機能は、例えば、タッチパネルやキーボードにより実現され得る。また、表示部としての機能は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)、またはOLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現され得る。なお、表示部としての機能および操作部としての機能は分離して構成されてもよい。
【0054】
なお、情報端末20は、
図2に図示しないマイクを備えていてもよく、その場合、依頼者は、マイクを用いて荷物の配達または集荷に関する依頼内容を音声入力してもよい。また、情報端末20は
図2に図示しないスピーカをさらに備えていてもよく、その場合、配送者は、スピーカから出力された音声により配送指示情報を確認してもよい。
【0055】
<2.2.運行管理サーバ30の機能構成例>
図3は、本実施形態に係る運行管理サーバ30の機能構成の一例を説明するための説明図である。本実施形態に係る運行管理サーバ30は、
図3に示すように、通信部310と、記憶部320と、制御部330と、を備える。
【0056】
(通信部310)
本実施形態に係る通信部310は、情報端末20または予定管理サーバ40との間で各種通信を行う。例えば、通信部310は、荷物の受け取り位置に、当該荷物を受け取る依頼者が到着する予定時刻に対応する配送枠に関する情報を、予定管理サーバ40から受信してもよい。
【0057】
また、通信部310は、後述する制御部330により生成された配送指示情報を、情報端末20または無人移動体10B等の外部装置に送信してもよい。
【0058】
例えば、通信部310は、荷物を配送する配送者の配送者端末20Aに配送指示情報を送信してもよい。また、通信部310は、荷物を配送する無人移動体10Bに配送指示情報を送信してもよい。
【0059】
また、通信部310は、配送指示情報を無人移動体10Bの管理者が利用する情報端末20に送信してもよい。この場合、管理者は、配送指示情報に基づき、無人移動体10Bを遠隔操作してもよいし、管理者が利用する情報端末20を用いて、無人移動体10Bに配送指示情報を送信してもよい。
【0060】
(記憶部320)
本実施形態に係る記憶部320は、ソフトウェアおよび各種データを保持する。例えば、記憶部320は、依頼者情報を保持してもよい。ここで、依頼者情報とは、例えば、依頼者の氏名、サービス内における依頼者名、メールアドレス、住所または電話番号等の各種基本情報を含んでもよいし、依頼者の識別情報(ID:Identification)、外部アプリケーションのアカウント情報、または、荷物の受け取り位置に関する情報のいずれか1つ以上を含んでもよい。ただし、依頼者情報はこれらに限定されない。
【0061】
また、記憶部320は、配送者情報を保持してもよい。ここで、配送者情報とは、例えば、配送者の氏名、メールアドレス、電話番号等の配送者の基本情報を含んでもよいし、配送者の識別情報、現在位置情報、現在の配送エリア、移動体種別識別情報などを含んでいてもよいし、配送会社名および配送会社識別情報を含んでいてもよい。また、配送者情報は、例えば、外部アプリケーションアカウント情報、希望配送エリア、身分証明書情報(免許証情報含む)、振込口座情報、配送履歴情報などを含んでもよい。ただし、配送者情報はこれらに限定されない。
【0062】
また、記憶部320は、店舗情報を保持してもよい。例えば、店舗情報は、店舗名、営業時間、住所、連絡先、電話番号、店舗URL、送料等の店舗の基本情報を含んでもよい。また、店舗情報は、商品名、商品識別情報、商品対応格納容器種別情報、重量情報、管理温度帯情報等の商品に関する情報などを含んでもよい。ただし、店舗情報はこれらに限定されない。
【0063】
(制御部330)
本実施形態に係る制御部330は、運行管理サーバ30の動作全般を制御する。制御部330は、予定管理サーバ40により指定された配送枠に基づき、配送指示情報を生成してもよい。
【0064】
また、制御部330は、生成した配送指示情報を外部装置へ送信させるように通信部310の制御を行ってもよい。例えば、制御部330は、生成した配送指示情報が無人移動体10Bに対する指示を含んでいた場合、当該配送指示情報を無人移動体10Bまたは無人移動体10Bを管理する管理者の情報端末20に送信するように通信部310を制御してもよい。
【0065】
<2.3.予定管理サーバ40の機能構成例>
図4は、本実施形態に係る予定管理サーバ40の機能構成の一例を説明するための説明図である。本実施形態に係る予定管理サーバ40は、
図4に示すように、通信部410と、記憶部420と、制御部430と、を備える。
【0066】
(通信部410)
本実施形態に係る通信部410は、情報端末20または運行管理サーバ30との間で各種通信を行う。例えば、通信部410は、取得部の一例であり、荷物を受け取る依頼者の移動予定に関する予定情報を受信する。
【0067】
また、通信部410は、荷物を受け取る依頼者の位置を示す位置情報を依頼者端末20Bから受信してもよい。
【0068】
また、通信部410は、後述する指定部433により指定された、荷物の受け取り位置に当該荷物を受け取る依頼者が到着する予定時刻に対応する配送枠に関する情報を運行管理サーバ30に送信してもよい。
【0069】
(記憶部420)
本実施形態に係る記憶部420は、ソフトウェアおよび各種データを保持する。例えば、記憶部420は、配送者の配送計画、および無人移動体10Bの配送計画を保持する。例えば、配送計画とは、受け取り位置に設定されている配送枠の空き状況、配送者が配送に用いる有人移動体10Aの配送枠ごとの荷物の積載状況、または無人移動体10Bの空き状況などの各種情報を含む。
【0070】
(制御部430)
本実施形態に係る制御部430は、予定管理サーバ40の動作全般を制御する。制御部430は、
図4に示すように推定部431と、指定部433と、を備える。
【0071】
本実施形態に係る推定部431は、荷物を受け取る依頼者が、当該荷物の受け取り位置に到着する予定時刻を推定する。
【0072】
例えば、推定部431は、依頼者の位置情報と、予定情報に含まれる依頼者の移動手段に基づき、荷物を受け取る依頼者が当該荷物の受け取り位置に到着する予定時刻を推定してもよい。
【0073】
より具体的には、依頼者の現在位置がバス停Aであり、移動手段がバスであり、受け取り位置がバス停Bであった場合、推定部431は、バスによるバス停Aからバス停Bまでの移動時間を算出し、算出結果に基づき依頼者がバス停Bに到着する予定時刻を推定してもよい。ここで、依頼者の現在位置に関する情報は、依頼者端末20Bから取得可能な現在位置情報に基づき設定されてもよいし、依頼者が依頼者端末20Bを用いて所定のバス停や駅などの移動手段の停車場(停留場)や、所定の施設、建物などの現在場所を指定することにより、当該現在場所に紐づく位置情報に基づき設定されてもよい。また、依頼者の受け取り位置に関する情報は、依頼者が依頼者端末20Bを用いて所定のバス停や駅などの移動手段の停車場(停留場)や、所定の施設、建物などの受取希望場所を指定することにより、当該受取希望場所に紐づく位置情報に基づき設定されてもよいし、現在位置情報と予め設定された到着予定位置情報(例えば、自宅の位置情報や買い物先の建物の位置情報など)に基づき導出された経路情報に含まれる所定のバス停や駅などの移動手段の停車場(停留場)や、所定の施設、建物などの受取可能位置から一の受け取り可能位置が設定され、当該受取可能位置に紐づく位置情報に基づき設定されてもよい。特に、移動手段の停車場(停留場)や、当該停車場の近隣の施設や建物が指定された場合には、バスなどの移動手段が時刻通りに移動する(遅れる場合であっても、概ね遅延予想時刻の通りに移動する)ことを鑑みれば、依頼者が受け取り位置に到着する予定時刻が精度よく推定され得る。
【0074】
なお、移動手段の一例としてバスを挙げたが、例えば移動手段は、電車、徒歩、自転車、またはタクシーなどの様々な手段を含み得る。特に、バスや電車などのように時刻表が設定されている移動手段のほうがより好ましい。
【0075】
また、推定部431は、移動手段に応じた基準速度(例えば表定速度)を用いて、予定時刻を推定してもよい。また、移動手段がバスなどの定時運行の場合、推定部431は、既知の経路検索により予定時間を確認することが可能な外部サーバを用いて、予定時刻を推定してもよい。
【0076】
また、推定部431は、必ずしも予定時刻を推定しなくてもよい。例えば、依頼者は、依頼者端末20Bを用いて、受け取り位置に到着する予定時刻を入力してもよい。そして、依頼者端末20Bが備える通信部210は、依頼者により入力された予定時刻を予定管理サーバ40に送信してもよい。この場合、推定部431により予定時刻が推定される処理が省略される。
【0077】
本実施形態に係る指定部433は、荷物の配送に利用される移動体10の配送計画に含まれる複数の配送枠のうち、当該荷物の受け取り位置に依頼者が到着する予定時刻に対応する配送枠を指定する。
【0078】
以上、本実施形態に係る情報端末20、運行管理サーバ30および予定管理サーバ40の機能構成の一例を説明した。続いて、
図5および
図6を参照し、指定部433による配送枠の指定に係る処理の具体例を説明する。
【0079】
<<3.配送枠の指定に係る処理の具体例>>
アプリケーションやブラウザ上でフードまたは日用品などの荷物の配達または集荷を依頼者が依頼した場合、当該荷物の配送手段として移動体10や配送者が割り当てられる場合がある。例えば、当該荷物の配送依頼に対応する移動体10として無人移動体10Bが割り当てられる。
【0080】
この場合、無人移動体10Bは、依頼者宛に配送が依頼された荷物を、当該依頼者が荷物の受け取り位置として指定した位置まで配送する。
【0081】
ここで、依頼者は、荷物の受け取り位置として様々な場所を指定し得る。例えば、帰宅途中に荷物の配達を依頼し、帰宅途中に経由するコンビニ等の所定の店舗が荷物の受け取り位置として指定された場合、依頼者は、帰宅途中で荷物を回収した後に、帰宅することを望んでいる場合がある。しかし、依頼者が依頼したタイミングによっては、依頼者が店舗に到着した際に、当該店舗に必ずしも荷物が届いているとは限らない。このように店舗に荷物が届いていない場合、依頼者は、当該荷物が店舗に届くまで当該店舗で待機する必要が生じ得る。または、依頼者が店舗から一度離れた場合(例えば、一度帰宅をした場合)、依頼者は、店舗に荷物が届き次第、再び店舗に当該荷物の回収に向かう必要が生じ得る。
【0082】
一方で、店舗に早めに到着するタイミングで荷物の配達を依頼する場合には、確実に依頼者の到着前に届けるには店舗での保管期間が長くなってしまい、店舗側の保管スペースを広く確保する必要が生じ得る。特に荷物がフードである場合には保管期間が長くなると冷めてしまうなどの恐れもあり、平積みが難しい場合も多く保管スペースを広く確保する必要性が生じ得る。また、荷物を直接依頼者の家に届ける場合には、配送側の負担が大きく、今後小口化が進むにつれて配送料が高額化する場合もあり得る。これらの課題は店舗での受け取りに限らず、種々の場所で同様または類似の課題を有し得る。そして、店舗のような人を介す場合ではなく、人を介さない受け取り方法とする場合には、さらに他の課題も発生し得る。
【0083】
このような依頼者の荷物の回収に係る手間や不便利さなどを削減するため、依頼者が荷物の受け取り位置に到着する予定時刻と同一または略同一の時刻や予定時刻よりも少し前に、荷物を配送する無人移動体10Bが当該受け取り位置に到着していることが望ましい場合がある。
【0084】
そこで、本実施形態に係る情報処理システムは、荷物を受け取る依頼者の移動予定に関する予定情報を取得し、当該予定情報に基づき、移動体10の配送計画に含まれる複数の配送枠のうち、荷物の受け取り位置に依頼者が到着する予定時刻に対応する配送枠(例えば、到着予定時刻を含む配送枠、または、到着予定時刻を含む配送枠の一つ前や一つ後の配送枠など)を指定する。
【0085】
図5は、配送枠の指定に係る処理の一例を説明するための説明図である。以下の説明では、荷物Lの受け取り位置としてバス停Sが指定されている場合について説明するが、荷物Lの受け取り位置はバス停Sに限定されない。
【0086】
例えば、依頼者U2は、複数の受け取り位置の候補から一の受け取り位置の候補を選択してもよい。この場合、指定部433は、依頼者U2により選択された受け取り位置の候補を、荷物Lの受け取り位置として指定してもよい。
【0087】
より具体的には、依頼者U2は、例えば、「駅A」、「バス停B」、「バス停C」、「店舗D」、「収納ボックスE」のような5つの受け取り位置の候補から、「バス停B」を選択する。この場合、指定部433は、依頼者U2により選択された「バス停B」を受け取り位置として指定してもよい。
【0088】
なお、無人移動体10Bが荷物Lを配送する場合、受け取り位置は、無人移動体10Bが待機することが可能な位置(特に着陸施設が設けられている位置)であることが望ましい。但し、依頼者U2により置き配が指定されていた場合、または、受け取り位置に荷物Lを収納する収納ボックスが併設されている場合等の状況によっては、受け取り位置は、必ずしも無人移動体10Bが待機することが可能な位置である必要はない。
【0089】
また、荷物Lの受け取り位置は、荷物Lごとに指定されてもよいし、特段の指定がない限りは予め指定されている受け取り位置が全ての荷物Lの受け取り位置として適用されてもよい。
【0090】
また、指定部433は、予め到着先が設定されていて移動予定の経路が把握可能である場合には、複数の受け取り位置の候補のうち、依頼者U2の移動予定の経路に含まれる、または移動予定の経路に関連する一の受け取り位置の候補を、荷物Lの受け取り位置として指定してもよい。以上を踏まえ、
図5を参照して、配送枠の指定に係る一例を説明する。
【0091】
まず、依頼者U2は、依頼者端末20Bにより荷物Lの配送を依頼する。そして、予定管理サーバ40が備える通信部410は、依頼者端末20Bから位置情報を受信してもよい。
【0092】
また、通信部410は、依頼者端末20Bから移動手段に関する情報を含む予定情報を受信してもよい。例えば、通信部410は、移動手段が
図5に示すようなバスMであることを含む予定情報を受信してもよい。
【0093】
続いて、推定部431は、依頼者U2の位置情報および移動手段(例えば、バスM)、受け取り位置情報に基づき、荷物Lの受け取り位置であるバス停Sに依頼者U2が到着する予定時刻を推定する。
【0094】
そして、指定部433は、依頼者U2がバス停Sに到着する予定時刻に対応する配送枠を指定する。以下、
図6を参照し、本実施形態に係る配送枠の一例を説明する。
【0095】
図6は、本実施形態に係る配送枠の一例を説明するための説明図である。例えば、無人移動体10B(または配送者)の1日の配送計画DSは、所定の配送枠(例えば、15分)毎に区切られており、無人移動体10B(または配送者)は、配送枠毎に登録されている荷物Lを、当該配送枠が示す時間に配送する。このような配送計画DSおよび配送枠の組合せは、複数の受け取り位置の候補の各々に設定されていてもよい。
【0096】
例えば、ある受け取り位置(例えば、
図5に示したバス停S)に設定される配送計画DSは、既に無人移動体10B(または配送者)による配送予定が埋まっていることを示す「満」の配送枠(以下、満枠DFと称する。)と、無人移動体10B(または配送者)による配送予定に空きがあることを示す「空き」の配送枠(以下、空枠DEと称する。)の二種類を含む。
【0097】
例えば、推定部431が、受け取り位置に依頼者U2が到着する予定時刻を「10:00」として推定する。この場合、指定部433は、予定時刻「10:00」よりも前に無人移動体10Bが到着することが可能な配送枠を指定してもよい。
【0098】
図6に示す例では、「9:00~9:15」の配送枠と、「9:15~9:30」の配送枠はそれぞれ満枠DFである。そのため、「10:00」よりも前に無人移動体10Bが到着することが可能な配送枠、且つ、配送予定を追加可能な配送枠(即ち、空枠DE)は、「9:30~9:45」または「9:45~10:00」の二枠である。
【0099】
そこで、指定部433は、「9:30~9:45」または「9:45~10:00」のいずれか一方の配送枠を指定してもよい。この際に、指定部433は、荷物の受け取り位置において無人移動体10Bが待機する時間がより短い「9:45~10:00」を優先的に指定してもよい。これにより、無人移動体10Bの荷物Lの配送に係る回転率が向上され得る。
【0100】
また、受け取り位置に依頼者U2が到着する予定時刻「10:00」よりも前に無人移動体10Bが到着することが可能な配送枠が無かった場合、指定部433は、依頼者U2が受け取り位置で待機する時間が最も短い配送枠を指定してもよい。
【0101】
例えば、推定部431は、依頼者U2が受け取り位置に到着する予定時刻を「9:30」として推定する。しかし、
図6に示す例では「9:30」より前に無人移動体10Bが到着することが可能な「9:00~9:15」の配送枠と、「9:15~9:30」の配送枠の二枠はそれぞれ満枠DFである。そこで、指定部433は、依頼者U2が受け取り位置で待機する時間が最も短い空枠DEである「9:30~9:45」の配送枠を指定してもよい。
【0102】
以上、本実施形態に係る配送枠の指定に係る処理の具体例を説明した。再び
図5を参照し、配送枠の指定が行われた後の処理の一例の続きを説明する。
【0103】
指定部433により配送枠が指定された後、通信部410は、指定された配送枠に関する情報を運行管理サーバ30に送信する。また、通信部410は、指定された配送枠に関する情報を依頼者U2の依頼者端末20Bに送信してもよく、より具体的には、指定された配送枠の時間(時間帯を含む)に関する情報や配送枠に対応する移動手段の種別などを送信してもよい。なお、送信された情報を介して(例えば、送信情報に含まれるリンクやアイコンの選択などを介して)、指定された配送枠の変更手続きや取り消し手続きを行うためのアプリケーション画面に遷移可能にしてもよい。さらに、指定された配送枠を確定する操作が依頼者端末20B上で実行されて確定指示を通信部410が受け取った場合に、次のステップに進むようにしてもよい。
【0104】
次いで、運行管理サーバ30は、例えば、配送開始位置である倉庫WHの位置(または移動体10の移動開始位置と配送荷物の集荷位置)と、受け取り位置であるバス停Sの位置と、を含む配送指示情報を生成し、当該配送指示情報を無人移動体10Bに送信する。
【0105】
そして、無人移動体10Bは、配送指示情報に含まれる配送枠が示す時間に到着するように荷物Lをバス停Sに配送する。
【0106】
そして、バスMを利用してバス停Sに到着した依頼者U2は、無人移動体10Bから荷物を回収し、自宅Bに帰宅する。
【0107】
以上説明した配送枠の指定に係る処理によれば、無人移動体10Bは、より依頼者U2が望ましいと推定されるタイミングで荷物Lをバス停Sに届けることが可能になり、依頼者U2の荷物Lの受け取りに係る利便性が向上され得る。
【0108】
なお、依頼者U2は、荷物の受け取り位置を指定した後、配送枠を手動で指定してもよい。例えば、依頼者U2は、イレギュラーな予定により、寄り道をした後に荷物Lの受け取り位置に向かう場合がある。
【0109】
このような場合、依頼者U2は、イレギュラーな予定に要する時間を基に、手動で配送枠を指定(特に変更)してもよい。これにより、依頼者U2が受け取り位置に到着する時間と、荷物が受け取り位置に届く時間の乖離が減らされ得る。この結果、受け取り位置において、依頼者により荷物が回収されるまでに要する無人移動体10Bの待機時間を削減することが可能になり、無人移動体10Bの荷物Lの配送に係る回転率が向上され得る。
【0110】
また、受け取り位置に収納ボックスが配置されている場合、指定部433は、当該収納ボックスの空き状況に基づき、配送枠を指定してもよい。例えば、指定部433は、収納ボックスに空きがある受け取り位置の候補を優先的に受け取り位置として指定してもよい。収納ボックスは既知の物であってもよく、特に無人移動体10Bに対しては自動で収納ボックス内に荷物を取り込む機構が備わっているものであることが好ましい。収納ボックスは、通信部410から依頼者U2の依頼者端末20Bに送信された解錠に関する情報に基づき荷物が収納された格納部を解錠してもよい。解錠に関する情報は、解錠コードであってもよく、依頼者U2が直接収納ボックスを操作して解錠コードを入力してもよいし、依頼者端末20Bが通信して解錠コードを入力してもよい。
【0111】
また、依頼者U2が収納ボックスに空きがない受け取り位置の候補を受け取り位置として指定した場合、通信部410は、収納ボックスに空きがないことに関連する通知情報を依頼者端末20Bに送信してもよい。
【0112】
例えば、通知情報とは、「収納ボックスに空きがありません。他の受け取り位置の候補を指定してください。」のように他の受け取り位置を指定するように促すメッセージを含んでもよい。そして、依頼者端末20Bで実行されるアプリケーション上で再度受け取り位置の指定をさせる画面に遷移するか、配送枠を指定する画面に遷移するかしてもよい。また、通知情報は、「収納ボックスに空きがありません。ドローンを待機させる必要が生じるため配送料が上がりますが宜しいですか。」のように収納ボックスが空いていないことに関連した影響を知らせるメッセージを含んでもよい。そして、依頼者端末20Bで実行されるアプリケーション上で再度受け取り位置の指定をさせる画面に遷移するか、配送枠を指定する画面に遷移するか、提示された条件を受け入れるか否かの選択操作をさせる画面に遷移するかしてもよい。
【0113】
また、依頼内容に荷物Lの種類が含まれている場合、または、通信部410が、依頼者により依頼された配送依頼とは別に荷物Lの種類に関する情報を受信した場合、指定部433は、荷物Lの種類に基づき、配送枠を指定してもよい。
【0114】
例えば、荷物Lの種類が受け取り位置の環境に対応する場合と対応しない場合がある。受け取り位置の環境に対応する荷物の種類は、例えば本や服などの気温による影響を受けにくい荷物の種類を含む。
【0115】
このような荷物Lの種類が当該荷物Lの受け取り位置の環境に対応する場合、指定部433は、上述したような、依頼者U2が受け取り位置に到着する予定時刻よりも前に無人移動体10Bが受け取り位置に到着することが可能な配送枠を指定してもよい。
【0116】
受け取り位置の環境に対応しない荷物の種類は、例えば食品または冷凍品などの気温による影響を受けやすい荷物を含む。但し、食品であっても気温の影響を受けにくい場合があり得る(例えば、冬季の場合等)。このような場合においては、食品は、環境情報と環境条件情報を比較するなどの環境判定結果情報に応じて受け取り位置の環境に対応する荷物Lの種類として見做されてもよい。
【0117】
このような荷物Lの種類が当該荷物Lの受け取り位置の環境に対応しない場合、依頼者U2が受け取り位置に到着するより一定以上先のタイミングで荷物Lが受け取り位置に到着すると、気温による影響が荷物Lに生じ得る。
【0118】
より具体的には、無人移動体10Bが食品を受け取り位置に配送してから、依頼者U2が当該食品を回収するまでの時間が一定以上空いた場合、当該食品が傷む恐れがある。
【0119】
そこで、指定部433は、荷物Lの種類が当該荷物Lの受け取り位置の環境に対応しない場合、依頼者U2が受け取り位置に到着する予定時刻より後の時刻に、無人移動体10Bが受け取り位置に到着することが可能な配送枠を指定してもよい。
【0120】
または、指定部433は、荷物Lの種類が当該荷物Lの受け取り位置の環境に対応しない場合、依頼者U2が受け取り位置に到着する予定時刻が含まれる配送枠を指定してもよい。これにより、荷物Lの種類に応じた環境に起因する影響が抑制され得る。
【0121】
なお、荷物Lの種類が当該荷物の受け取り位置の環境に対応するか否かの判定基準は、上述した例に限定されない。
【0122】
例えば、受け取り位置に冷蔵機能(または冷凍機能)を有する収納ボックスが配置されていた場合、指定部433は、食品または冷凍品等の荷物についても、受け取り位置の環境に対応すると判定してもよい。または、荷物Lの種類情報に基づき、このような温度管理が可能な受け取り位置(例えば、冷蔵機能を有する受け取り位置や、管理人がいて冷蔵保管可能な受け取り位置など)のみを選択させるように受け取り位置候補を提示するようにしてもよい。
【0123】
また、受け取り位置において依頼者U2により食品または冷凍品が回収されるまで、冷蔵機能(または冷凍機能)を有している無人移動体10Bが当該食品または冷凍品を保持していた場合、指定部433は、当該食品または冷凍品を、受け取り位置の環境に対応すると判定してもよい。
【0124】
なお、このような冷蔵機能(または冷凍機能)は、例えば断熱材等の材料により実現されてもよいし、冷却装置または放熱装置等の他の装置により実現されてもよい。このように、無人移動体10Bまたは収納ボックスが冷蔵機能または冷凍機能を有することで、荷物Lの種類に応じて生じ得る配送枠の制限を減らすことが可能になり得る。
【0125】
以上、指定部433による配送枠の指定に係る処理の具体例を説明した。続いて、
図7を参照し、本実施形態に係る予定管理サーバ40の動作処理の一例を説明する。
【0126】
<<4.動作処理例>>
図7は、本実施形態に係る予定管理サーバ40の動作処理の一例を説明するための説明図である。まず、通信部410は、依頼者端末20Bから配送依頼を受信する(S101)。
【0127】
続いて、通信部410は、依頼者端末20Bから依頼者の移動予定に関する予定情報を受信する(S105)。
【0128】
次いで、通信部410は、依頼者端末20Bから依頼者の位置を示す位置情報を受信する(S109)。
【0129】
そして、推定部431は、依頼者の予定情報に含まれる移動手段と、依頼者の位置と、受け取り位置情報に基づき、依頼者が受け取り位置に到着する予定時刻を推定する(S113)。
【0130】
そして、指定部433は、推定した予定時刻に対応する配送枠を指定し(S117)、本実施形態に係る予定管理サーバ40は動作処理を終了する。
【0131】
<<5.ハードウェア構成例>>
以上説明した情報処理は、ソフトウェアと以下に説明する予定管理サーバ40のハードウェアとの協働により実現される。なお、以下に説明するハードウェア構成は情報端末20および運行管理サーバ30にも適用可能である。
【0132】
図8は、本実施形態に係る予定管理サーバ40のハードウェア構成の一例を説明するための説明図である。予定管理サーバ40は、例えば
図8に示すように、制御部430、メモリ41、ストレージ42、送受信部43、入出力部44等を備え、これらはバス45を通じて相互に電気的に接続される。
【0133】
制御部430は、予定管理サーバ40の全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部430はCPU(Central Processing Unit)および/またはGPU(Graphics Processing Unit)であり、ストレージ42に格納されメモリ41に展開された本システムのためのプログラム等を実行して上述したような各種情報処理を実施する。
【0134】
メモリ41は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ41は、制御部430のワークエリア等として使用され、また、予定管理サーバ40の起動時に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
【0135】
ストレージ42は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ42に構築されていてもよい。
【0136】
送受信部43は、予定管理サーバ40をネットワークおよび/またはブロックチェーンネットワークに接続する。なお、送受信部43は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インターフェースを備えていてもよい。
【0137】
入出力部44は、キーボード、マイクおよびマウス類等の情報入力機器、及びディスプレイおよびスピーカ等の出力機器である。
【0138】
バス45は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0139】
<<6.補足>>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0140】
例えば、本明細書では、配送者が移動体10を利用して荷物を配送する例を主に説明したが、配送者は必ずしも移動体10を利用しなくてもよい。例えば、配送者は、徒歩にて荷物を配送してもよい。
【0141】
また、本実施形態に係る予定管理サーバ40は、運行管理サーバ30の機能構成の一部または全てを備えていてもよい。予定管理サーバ40が運行管理サーバ30の機能構成の全てを備えていた場合、本実施形態に係る情報処理システムは、運行管理サーバ30を有していなくてもよい。
【0142】
また、運行管理サーバ30が、予定管理サーバ40の機能構成の一部または全てを備えていてもよい。例えば、運行管理サーバ30は、推定部431の機能または指定部433の機能を有する構成を備えていてもよい。
【0143】
また、予定管理サーバ40は表示部を備えていてもよく、その場合、当該表示部により配送計画または配送枠に関する情報を表示してもよい。そして、配送者は、当該表示部により表示された情報を確認し、依頼者に依頼された荷物を当該配送枠が示す時間に配送してもよい。
【0144】
また、情報端末20、運行管理サーバ30および予定管理サーバ40に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した情報端末20、運行管理サーバ30および予定管理サーバ40の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。
【符号の説明】
【0145】
10 移動体
20 情報端末
210 通信部
230 制御部
240 操作表示部
30 運行管理サーバ
310 通信部
320 記憶部
330 制御部
40 予定管理サーバ
410 通信部
420 記憶部
430 制御部
431 推定部
433 指定部