(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053831
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】効果測定推定用サーバ装置、効果測定推定システム及び、効果測定推定プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/60 20180101AFI20240409BHJP
G16H 20/10 20180101ALI20240409BHJP
【FI】
G16H20/60
G16H20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160279
(22)【出願日】2022-10-04
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.万歩計
(71)【出願人】
【識別番号】503362784
【氏名又は名称】栢 孝文
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(72)【発明者】
【氏名】栢 孝文
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
5L099AA22
(57)【要約】
【課題】サーチュイン遺伝子に対して作用する成分を含む物品についての取り入れ効果に関する情報を提示すること。
【解決手段】効果測定推定用サーバ装置200に、サーチュイン遺伝子に対して作用する成分を含むサプリメントを取り入れるユーザの顔画像の返信指示を含む前記ユーザ身体情報に関する一組の回答返信要求をクライアント装置100に送信するとともに、前記一組の回答返信要求に応じてクライアント装置100から返信される前記サプリメントを取り入れたユーザの一組の回答を受信し、データベース400に格納される前記一組の回答とデータベース400に格納済みの前記一組の回答とに基づくサプリメントについての取入効果をクライアント装置100に送信する通信手段210と、通信手段210によって受信された前記一組の回答をデータベース400に格納する回答処理手段200と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーチュイン遺伝子に対して作用する成分を含む物品を取り入れるユーザの顔画像の返信指示を含み、当該サーチュイン遺伝子が活性化した場合に変化が期待されるユーザ身体情報に関する一組の回答返信要求を効果測定推定用クライアント装置に送信する返信要求送信手段と、
前記返信要求送信手段によって送信された一組の回答返信要求に応じて前記効果測定推定用クライアント装置から返信される、前記物品を取り入れたユーザの一組の回答を受信する回答事項受信手段と、
前記回答事項受信手段によって受信された一組の回答を格納媒体に格納する格納手段と、
前記格納手段によって前記格納媒体に格納される一組の回答と前記格納媒体に格納済みの一組の回答とに基づく前記物品についての取入効果を前記効果測定推定用クライアント装置に送信する取入効果送信手段と、
を備える効果測定推定用サーバ装置。
【請求項2】
前記取入効果は、前記回答事項受信手段によって受信された一組の回答と前記格納媒体に格納済みの一以上の一組の回答とのセットを推定装置に入力することによって、当該推定装置から出力される前記物品についての取入効果の推定結果である、請求項1記載の効果測定推定用サーバ装置。
【請求項3】
前記一組の回答返信要求は、体温、体重、睡眠、ほてり、発汗、動悸、頭痛、めまい、関節痛、皮膚の変化、エストロゲン、プロゲステロン、血液検査、骨密度、視力、腫瘍マーカ、サーチュイン遺伝子濃度のいずれかに関する情報が含まれる、請求項1記載の効果測定推定用サーバ装置。
【請求項4】
前記物品には、ニコチンアミドモノヌクレオチド、ラパマイシン、メトホルミン、セノリティクスのいずれかが含まれる、請求項1記載の効果測定推定用サーバ装置。
【請求項5】
前記効果測定推定用クライアント装置によって取得されるユーザの歩行情報を受信する歩行情報受信手段を備え、
前記格納手段は、前記歩行情報受信手段によって受信された歩行情報を前記格納媒体に格納する手段であって、
取入効果送信手段は、前記格納手段によって前記格納媒体に格納される歩行情報と前記格納媒体に格納済みの一以上の歩行情報とに基づく前記物品についての取入効果も前記効果測定推定用クライアント装置に送信する手段である、
請求項1記載の効果測定推定用サーバ装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか記載の効果測定推定用サーバ装置と、
前記一組の回答を当該効果測定推定用サーバ装置に返信する回答事項返信手段と、前記回答事項返信手段によって返信された一組の回答結果と過去に返信した一以上の一組の回答とに基づき効果測定推定用サーバ装置から送信される取入効果を前記ユーザに提示する提示手段と、を備える前記効果測定推定用クライアント装置とが、ネットワークを介して接続されてなる、効果測定推定システム。
【請求項7】
サーチュイン遺伝子に対して作用する成分を含む物品を取り入れるユーザの顔画像を含み、当該サーチュイン遺伝子が活性化した場合に変化が期待されるユーザ身体情報に関する一組の回答を受け付けるステップと、
受け付けた一組の回答を効果測定推定用サーバ装置に送信するステップと、
前記効果測定推定用サーバ装置から送信される一組の回答と既に送信済みの一組の回答とに基づく前記物品についての取入効果を受信するステップと、
受信した前記取入効果をユーザに提示するステップと、
を効果測定推定用クライアント装置に実行させる効果測定推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、効果測定推定用サーバ装置、効果測定推定システム及び、効果測定推定プログラムに関し、特に、サーチュイン遺伝子に対して作用する、β-ニコチンアミドモノヌクレオチド(β-Nicotinamide Mono Nucleotide、以下、「NMN」と称する。)などを含む物品を取入効果をユーザに提示する、効果測定推定用サーバ装置、効果測定推定システム及び、効果測定推定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、サーチュイン遺伝子が、その活性化により、寿命延長化、老化抑制等、さらにはシワ抑制、シミ抑制等の、種々の効果が発揮されるといわれていることを踏まえて、ユーグレナ、パラミロン、パラミロン加工物、及びβ1,3-グルカンからなる群より選択される少なくとも1種を含有する、サーチュイン発現量増進剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、本発明者が本出願時において日本国内で販売されている、サーチュイン遺伝子発現量増進に寄与すると宣伝している約30品について調査した結果、相対的に安全性の高いといい得る製造原料を、サーチュイン遺伝子発現量増進に寄与するであろう含有量としているものは、僅かに2品しかなかった。
【0005】
このような実態は、サーチュイン遺伝子発現量増進を期待するユーザに対して不誠実であるという思いに駆られ、本出願人は相対的に安全性の高いといい得る製造原料を、サーチュイン遺伝子発現量増進に寄与するであろう含有量とするサーチュイン遺伝子に対して作用する成分を含む物品を製造販売することとし、そのような物品の取入効果をユーザに提示したいとの考えに至った。
【0006】
そこで、本発明は、サーチュイン遺伝子に対して作用する成分を含む物品についての取入効果をユーザに提示することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の効果測定推定用サーバ装置は、
サーチュイン遺伝子に対して作用する成分を含む物品を取り入れるユーザの顔画像の返信指示を含み、当該サーチュイン遺伝子が活性化した場合に変化が期待されるユーザ身体情報に関する一組の回答返信要求を効果測定推定用クライアント装置(例えば、
図1の「クライアント装置100」)に送信する返信要求送信手段(例えば、
図2の「通信手段210」)と、
前記返信要求送信手段によって送信された一組の回答返信要求に応じて前記効果測定推定用クライアント装置から返信される、前記物品を取り入れたユーザの一組の回答を受信する回答事項受信手段(例えば、
図2の「通信手段210」)と、
前記回答事項受信手段によって受信された一組の回答を格納媒体(例えば、
図1の「DB400」)に格納する格納手段(例えば、
図2の「回答処理手段220」)と、
前記格納手段によって前記格納媒体に格納される一組の回答と前記格納媒体に格納済みの一組の回答とに基づく前記物品についての取入効果を前記効果測定推定用クライアント装置に送信する取入効果送信手段(例えば、
図2の「通信手段210」)と、
を備える。
【0008】
前記取入効果は、前記回答事項受信手段によって受信された一組の回答と前記格納媒体に格納済みの一以上の一組の回答とのセットを推定装置(例えば、
図1の「推定装置300」)に入力することによって、当該推定装置から出力される前記物品についての取入効果の推定結果とするとよい。こうすると、一組の回答の回答事項が相対的に多い場合でも、取入効果の計算結果を早期かつ容易に取得してユーザに提示することができる。
【0009】
前記一組の回答返信要求は、体温、体重、睡眠、ほてり、発汗、動悸、頭痛、めまい、関節痛、皮膚の変化、エストロゲン、プロゲステロン、血液検査、骨密度、視力、腫瘍マーカ、サーチュイン遺伝子濃度のいずれかに関する情報が含まれてもよい。
【0010】
前記物品には、ニコチンアミドモノヌクレオチド(Nicotinamide Mono Nucleotide:NMN)、ラパマイシン、メトホルミン、セノリティクスのいずれかが含まれてもよい。
【0011】
前記効果測定推定用クライアント装置によって取得されるユーザの歩行情報を受信する歩行情報受信手段(例えば、
図2の「通信手段210」)を備え、
前記格納手段は、前記歩行情報受信手段によって受信された歩行情報を前記格納媒体に格納する手段とし、
取入効果送信手段は、前記格納手段によって前記格納媒体に格納される歩行情報と前記格納媒体に格納済みの一以上の歩行情報とに基づく前記物品についての取入効果も前記効果測定推定用クライアント装置に送信する手段とすることもできる。
【0012】
加齢と歩行速度や歩行距離との間には相関関係があるとされているので、このような歩行情報の変化をみれば、サーチュイン遺伝子に対して作用する成分を含む物品の取入効果を得ることができる。効果測定推定用クライアント装置がスマートフォンである場合、ジャイロセンサなどを搭載していることから歩行情報を取得することができるし、そうでなくても、歩行情報を取得して効果測定推定用クライアント装置に取込可能な万歩計も存在しているから、そのような歩行情報を有効活用する趣旨である。
【0013】
また、本発明の効果測定推定システムは、
上記効果測定推定用サーバ装置と、
前記一組の回答を当該効果測定推定用サーバ装置に返信する回答事項返信手段(例えば、
図2の「通信手段110」)と、前記回答事項返信手段によって返信された一組の回答結果と過去に返信した一以上の一組の回答とに基づき効果測定推定用サーバ装置から送信される取入効果を前記ユーザに提示する提示手段(例えば、
図2の「提示手段120」)と、を備える前記効果測定推定用クライアント装置とが、ネットワーク(例えば、
図1の「ネットワーク600」)を介して接続されてなる。
【0014】
また、本発明の効果測定推定プログラムは、
サーチュイン遺伝子に対して作用する成分を含む物品を取り入れるユーザの顔画像を含み、当該サーチュイン遺伝子が活性化した場合に変化が期待されるユーザ身体情報に関する一組の回答を受け付けるステップと、
受け付けた一組の回答を効果測定推定用サーバ装置に送信するステップと、
前記効果測定推定用サーバ装置から送信される一組の回答と既に送信済みの一以上の一組の回答とに基づく前記物品についての取入効果を受信するステップと、
受信した前記取入効果をユーザに提示するステップと、
を効果測定推定用クライアント装置に実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態の効果測定推定システムの模式的な構成図である。
【
図2】
図1に示すクライアント装置100及びサーバ装置200における効果測定推定システムに固有の主な構成部分を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示す効果測定推定システムの主な動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0016】
100 クライアント装置
110 通信手段回答返信要求
120 提示手段
200 サーバ装置
210 通信手段
220 回答処理手段
300 推定装置
400 データベース(DB)
500 管理者端末
600 ネットワーク
【発明の実施の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態の効果測定推定システムについて、図面を参照して説明する。
【0018】
(原理の説明)
本実施形態の効果測定推定システムは、サーチュイン遺伝子に対して作用する成分を含む物品を取り入れるユーザから、サーチュイン遺伝子が活性化した場合に変化が期待されるユーザ身体情報に関する情報を取得して、当該情報と過去に取得した対応する情報とに基づく前記物品についての取入効果をユーザに提示するものである。
【0019】
ここでいうユーザというのは、典型的には、例えば定期的に供給される、サーチュイン遺伝子に対して作用する成分を含む物品を取り入れる者をいう。したがって、このようなユーザが、本実施形態の効果測定推定システムが提供する、当該物品を取り入れた場合に現れる効果の推定結果を取得することができる。
【0020】
ここでいう「物品」とは、より具体的には、サーチュイン遺伝子に対して作用するNMN等を含むものをいい、医療用医薬品、一般用医薬品、加工食品、化粧品など、ユーザが取り入れ可能な全てのものをいう。以下、本実施形態では、「物品」が主としてサプリメントであり、これをユーザが摂取する場合を例に説明する。
【0021】
さらに、「一組の回答返信要求」とは、サーチュイン遺伝子が活性化した場合に変化が期待される、当該サプリメントの摂取後のユーザの身体情報(以下、「ユーザ身体情報」と称する。)に関する2以上の返信事項の要求を含むものをいう。
【0022】
当該返信事項には、例えば、体温、体重、睡眠状態、ほてり、発汗、動悸、頭痛、めまい、関節痛、皮膚の変化の有無や程度といったユーザ自身が容易に自己判断できるもの、エストロゲン、プロゲステロンの量といった検査キットを入手して測定できるもの、血液検査、骨密度、視力、腫瘍マーカ、サーチュイン遺伝子濃度の有無や程度といった健康診断等によって取得できるものが含まれる。本実施形態では、「一組の回答返信要求」に、当該ユーザの顔画像の返信指示を含むことを必須としている。
【0023】
またさらに、「一組の回答」とは、「一組の回答返信要求」に対して当該サプリメントの摂取後のユーザによる2以上の回答事項を含むものをいう。「一組の回答返信要求」に当該ユーザの顔画像の返信指示を含むことを必須としているので、「一組の回答」には当該ユーザの顔画像も含まれる。もっとも、いずれの回答事項を返信するか否か及び顔画像を返信するか否かはユーザの自由であって、ユーザに返信を強制するものではない。
【0024】
また、「一組の回答」とは、例えば、「睡眠状態」に関する返信要求に対していうと、(1)睡眠途中の目覚めの有無、(2)睡眠開始時刻が適当であるか否か、(3)睡眠時間が適当であるか否か、(4)目覚めの際の体感の良し悪しについて回答要求することが考えられる。そして、これらの回答返信要求(1)~(4)に対する回答は、例えば、「無」、「適当」、「適当」、「良」の場合には「1」、「有」、「不適当」、「不適当」、「悪」の場合には「0」といった2択の回答事項とすることや、上記(1)に着目していえば、睡眠途中の目覚めが、「頻繁に有る」の場合には「4」・「有」の場合には「3」・「たまに有る」の場合には「2」・「ほとんど無い」の場合には「1」・「無」の場合には「0」といった程度についての例えば5択の回答事項とすることができる。
【0025】
また、「ユーザ特定情報」とは、一のユーザを他のユーザと区別し得る一意な情報をいう。典型的には、各ユーザに対して割り当てる固有のユーザIDをユーザ特定情報とすることが考えられるが、ユーザの氏名・住所・電話番号などを適宜組み合わせたものとすることもできる。なお、ユーザIDは、例えば、効果測定推定システムにログインの際に用いるログインIDとしてもよい。
【0026】
さらに、「ユーザ身体情報」とは、ユーザの身体に関する種々の属性情報をいい、これらに限定されるものではないが、例示すると、性別・年齢・身長・体重などの基本的な情報はもとより、体温・睡眠・ほてり・発汗・動悸・頭痛・めまい・関節痛・皮膚の変化・エストロゲン・プロゲステロン・血液検査・骨密度・視力・腫瘍マーカ・サーチュイン遺伝子濃度などに関する幾つかの各種情報を含むことができる。
【0027】
ここで、サーチュイン遺伝子とは、長寿遺伝子、長生き遺伝子又は抗老化遺伝子とも称されており、活性化によって生物の寿命が延びるといわれている。サーチュイン遺伝子の活性化によって合成されるタンパク質、サーチュインは、ヒストン脱アセチル化酵素であるため、ヒストンとDNAとの結合に作用し、遺伝的な調節を行うことで寿命を延ばすと考えられている。
【0028】
サーチュイン遺伝子に対して作用するものとしては、これらに限定されるものではないが、β-NMNなどのNMN、ラパマイシン、メトホルミン、セノリティクスなどが挙げられる。
【0029】
ユーザが例えばNMNを含むサプリメントを摂取すると、NMNがサーチュイン遺伝子に作用することになってサーチュイン遺伝子が活性化し、既述のように寿命を延ばすと考えられる。寿命を延ばすとなれば、例えば更年期障害の典型的症状である、ほてり・発汗・動機などが改善するなどの効果はもとりより、顔の皺や弛みの改善、歩行速度アップも期待できる。
【0030】
そして、本実施形態の効果測定推定システムによれば、例えばNMNを含むサプリメントを摂取したユーザから送信される一組の回答と当該ユーザから既に送信された一組の回答とを対比すれば、回答事項のうちいずれの事項について、どの程度、どのくらいの期間で、改善があったかといった効果測定が可能となり、加えて、ユーザには当該サプリメントの摂取効果を提供することが可能となる。
【0031】
また、本実施形態では、サーバ装置200は、ユーザ身体情報も取得しているため、これも踏まえて効果測定をすることもできるから、ユーザの性別、年齢などの属性毎の効果測定、例えば、仮定の話であるが、40代女性の骨密度は短期間に大幅に改善され、50代男性の薄毛は中期間に改善するなどの情報を得ることも可能となり得る。
【0032】
なお、効果測定推定システムの側としても、ユーザの属性とサーチュイン遺伝子の活性効果との関係等の情報を得ることも可能となり得る。
【0033】
(構成の説明)
図1は、本発明の実施形態の効果測定推定システムの模式的な構成図である。
図1には、以下説明する、効果測定推定用クライアント装置100A~100N(以下、冗長さを避けるため単に「クライアント装置100A」等と称し、これらを区別しない場合には「クライアント装置100」と称する。)と、効果測定推定用サーバ装置200(以下、冗長さを避けるため単に「サーバ装置200」と称する。)と、推定装置300と、データベース(以下、「DB」と称する。)400と、管理者端末500と、ネットワーク600と、を示している。以下、これらの主な機能等について説明する。
【0034】
クライアント装置100は、ユーザによって操作される端末であり、主として、ネットワーク600を介して、サーバ装置200と種々のやり取りをするものである。具体的には、クライアント装置100は、サーバ装置200から送信される一組の回答返信要求を受信し、当該一組の回答返信要求に対する当該サプリメントの接種後の一組の回答にユーザID等のユーザ特定情報を付加してサーバ装置200に返信するものである。
【0035】
また、クライアント装置100は、サーバ装置200から送信される当該一組の回答と過去に返信されて格納媒体400に格納済みの一以上の一組の回答とに基づく当該サプリメントの摂取効果を受信して当該ユーザに提示するものである。格納済みの一組の回答の利用数は、例えば、格納済みの全てとすることできるし、直近の9組等とすることもできるし、ユーザが選択する期間分とすることもできる。
【0036】
クライアント装置100は、ネットワーク600を介してサーバ装置200との間で無線通信又は有線通信を行うことが可能な、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、携帯電話機、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)などによって実現することができる。
【0037】
クライアント装置100をスマートフォンで実現する場合、搭載しているジャイロセンサなどを用いて歩行情報を取得し、或いは、歩行情報を取得して効果測定推定用クライアント装置に取込可能な万歩計から取得した歩行情報を、サーバ装置200の要求に応じて、ネットワーク600を介してサーバ装置200に送信することができる。
【0038】
サーバ装置200は、本実施形態の効果測定推定システムの管理者等によって管理されるものであり、主として、ネットワーク600を介して、クライアント装置100と種々のやり取りをするものである。
【0039】
サーバ装置200は、クライアント装置100に当該一組の回答返信要求を送信することによって、クライアント装置100から返信される当該サプリメントの接種後のユーザによる一組の回答を受信する。
【0040】
また、サーバ装置200は、受信した一組の回答をそのユーザIDに紐付けてDB400に格納し、また、当該一組の回答と受信済みの一組の回答とに基づく当該サプリメントの摂取効果をクライアント装置100に送信するものである。
【0041】
本実施形態では、当該一組の回答のセットを推定装置300に入力し、推定装置300によって当該サプリメントの摂取効果を推定させ、その推定結果を摂取効果としている。もっとも、その摂取効果は、推定装置300を用いて推定することが必須ではなく、最新の一組の回答とそれまでの一組の回答とを後述する回答処理手段220によって対比し、その対比結果を摂取効果とすることもできる。
【0042】
サーバ装置200は、ネットワーク600を介してクライアント装置100との間で無線通信又は有線通信を行うことが可能な、例えば、業務用コンピュータなどなどによって実現することができる。また、サーバ装置200は、クライアント装置100によって取得されるユーザの歩行情報を受信し、当該歩行情報の履歴も用いて摂取効果を割り出してもよい。
【0043】
推定装置300は、人工ニューラルネットワークなどの人工知能といった数学モデルを活用して、サーバ装置200から入力される一組の回答の現在及び過去のセットによって、当該ユーザによるサプリメントの摂取効果の推定結果を、サーバ装置200に出力するものである。
【0044】
ここで、一組の回答返信要求に対する回答事項が多ければ多いほど、また、格納媒体400に格納済みの一組の回答の利用数が多ければ多いほど、サプリメントの摂取効果の計算量が増えるから、本実施形態では、計算負荷を抑制するために推定装置300を用いているが、一組の回答返信要求に対する回答事項や一組の回答の利用数が相対的に少ない場合には、推定装置300を用いることなく、対応する回答事項を対比して当該摂取効果を求めてもよい。
【0045】
DB400は、サプリメントを摂取するユーザの一組の回答とその受信日時とのセットと、そのユーザIDとが少なくとも紐付けて格納されるものである。また、DB400には、クライアント装置100から送信される、ユーザの氏名、性別、年齢、メールアドレスなどのユーザ情報と、希望するユーザID及びログインパスワードと、推定装置300による推定結果とが紐付けて格納される。
【0046】
さらに、DB400には、クライアント装置100に送信する当該一組の回答返信要求などの各種データや、クライアント装置100で表示し得るウェブページのひな形ともいえるマスターデータも格納される。
【0047】
管理者端末500は、本実施形態の効果測定推定システムの例えば管理者によって操作される端末であり、必要に応じて一組の回答返信要求を変更乃至更新したり、推定装置300に対して推定ルールを設定(例えば、入出力対象のチューニング)したり、上記マスターデータを作成したりするものである。管理者端末500としては、これに限定されるものではないが、例えば、ノート型又はデスクトップ型のパーソナルコンピュータなどを用いることができる。
【0048】
ネットワーク600は、クライアント装置100と、サーバ装置200と、推定装置300と、DB400と、管理者端末500と、を相互に接続するものであり、インターネットはもとより、これらの幾つかを局所的に接続するイントラネット、或いは、携帯電話網も含む各種ネットワークの総称である。
【0049】
なお、
図1に示す効果測定推定システムの構成は例示である。したがって、例えば、推定装置300及びDB400のうち少なくとも一方を、サーバ装置200の内部に設けるようにしてもよい。
【0050】
また、本実施形態では、サーバ装置200は、ウェブサーバとしても機能し得るものとすることによって、クライアント装置100からの要求に応じて、所望のウェブページのマスターデータの構成データ(HTMLで記述された文書のほか、画像・音声・動画などのデータ)及びマスターデータに埋め込む情報(例えば、サプリメント摂取効果を示す情報)を送信して、それらをユーザに提示できるようにしている。
【0051】
もちろん、サーバ装置200をウェブサーバとしても機能し得るものとするのではなくて、図示しないウェブサーバをネットワーク600に接続してもよいし、また、ユーザにデータを提示するルートとして、ウェブページを用いずに例えば電子メールを用いてもよい。
【0052】
なお、本明細書では、効果測定推定システムプログラムがいわゆるスマホアプリと称されるスマートフォンにインストールされるプログラムである場合には、当該プログラムを起動してスマートフォンのディスプレイに表示されるものも、ウェブページに含まれるものとする。
【0053】
図2(a)及び
図2(b)は、
図1に示すクライアント装置100及びサーバ装置200における効果測定推定システムに固有の主な構成部分を示すブロック図である。なお、
図2(a)及び
図2(b)に示す各手段による機能は、例えばCPUとメモリとの協働によって実現することができる。
【0054】
クライアント装置100は、
図2(a)に示すように、以下説明する、通信手段110と、提示手段120と、を備えている。サーバ装置200は、
図2(b)に示すように、以下説明する、通信手段210と、回答処理手段220と、を備えている。以下、これらの主な機能等について説明する。
【0055】
通信手段110は、サーバ装置200から送信される一組の回答返信要求を受信し、当該サプリメントの接種後のユーザから入力される一組の回答をユーザIDとともにサーバ装置200に対して返信し、サーバ装置200から送信される例えば推定装置300によって推定される物品についての取入効果を受信するものである。
【0056】
提示手段120は、通信手段110によって受信される当該一組の回答返信要求や、推定装置300による推定結果等の取入効果を、例えばクライアント装置100にインストールされているウェブブラウザを通じて、クライアント装置100に付帯するディスプレイに対して画像信号を出力し、或いは、これに代えて又はこれとともに、スピーカに対して音声信号を出力したりすることによって、ユーザに提示するものである。
【0057】
通信手段210は、DB400に格納されている当該一組の回答返信要求をクライアント装置100に対して送信し、クライアント装置100から返信される当該一組の回答を受信し、回答処理手段220による既述の摂取結果をクライアント装置100に対して送信するものである。
【0058】
回答処理手段220は、例えば、通信手段210によって受信される当該一組の回答とDB400に格納済みの対応する一以上の一組の回答とのセットを推定装置300に入力することによって、推定装置300による摂取効果の統計的な推定結果を取得するものである。
【0059】
なお、当該一組の回答返信要求の送信は、ユーザが購入したサプリメントを配送の際に行うことができる。具体的には、例えばそのサプリメント配送日の当日、その日から数日前又は数日後、その日から1週間前又は1週間後とすることができる。
【0060】
さらに、当該一組の回答返信要求の送信は、これらに代えて又はこれらとともに、ユーザからの要求があったときとすることもでき、特に、何日か摂取していたところ徐々に何らかの効果が現れ、それをユーザが知りたいという場合もあるから、当該一組の回答返信要求の再送要求があったときとすることもできる。
【0061】
つまり、一組の回答返信要求の内容は、サプリメントの提供をするたびにいわゆるプッシュ型で送信することもできるし、一組の回答返信要求が記載されていて一組の回答を行うことができるウェブページにユーザがアクセスしたことに応じていわゆるプル型で送信することもできる。
【0062】
また、推定装置300に対する推定処理は、通信手段210が一組の回答を受信する都度行えば、ユーザに対してサプリメント摂取による取り入れ効果の推定結果を早期にフィードバックできるので好ましい。もっとも、当該一組の回答が数回分の受信がされたことを条件に行ってもよい。
【0063】
(動作の説明)
図3は、
図1に示す効果測定推定システムの主な動作を示すフローチャートである。なお、
図3には、クライアント装置100Aに関する処理を示しているが、他のクライアント装置100B~100Nに関しても同様の処理が実行される。
【0064】
<初期設定完了前の処理>
まず、クライアント装置100Aでは、ユーザの操作に従い、通信手段110によって、ネットワーク600を介してサーバ装置200に対し、初期設定事項の入力欄が記載されたウェブページの送信要求を行う(ステップS1)。
【0065】
これを実現するために、例えば、効果測定推定システムに係るウェブサイトのトップページ等に、初期設定ページに割り当てられたURLが紐付けられた「新規ユーザ登録」ボタンを設けておき、そのボタンをユーザがタップ操作をした場合に、クライアント装置100Aで当該ウェブページを表示可能とすればよい。
【0066】
サーバ装置200では、通信手段210によって、上記送信要求を受信すると、これに応じてDB400に格納されている、初期設定事項の入力欄が記載されたウェブページのマスターデータの構成データを読み出して、ネットワーク600を介してクライアント装置100Aに送信する(ステップS2)。
【0067】
クライアント装置100Aでは、通信手段110によって、初期設定事項の入力欄が記載されたウェブページのマスターデータの構成データを受信すると、提示手段120によって、例えば、ウェブブラウザにレンダリングさせ、当該ウェブページをユーザ情報入力画面としてディスプレイに表示させる。これにより、ユーザは、そのウェブページを通じて、自己の氏名等を含むユーザ情報や割り当てを希望するユーザIDを入力することが可能となる。
【0068】
また、例えば、当該ウェブページに、入力済みのユーザ情報等をサーバ装置200に送信するための「送信ボタン」を設けておく。そうすると、ユーザによって、ユーザ情報等が入力された後に送信ボタンのタップ操作がされると、クライアント装置100Aでは、通信手段110によって、ユーザ情報等をネットワーク600を介してサーバ装置200に送信する(ステップS3)。
【0069】
サーバ装置200では、通信手段210によって、クライアント装置100Aから送信されたユーザ情報等を受信すると、当該ユーザが希望するユーザIDが固有であることを条件に、当該ユーザに当該ユーザIDを割り当てるともに、当該ユーザIDと当該ユーザ情報とを紐付けてDB400に格納する(ステップS4)。
【0070】
以上の一連の処理が実行されると、初期設定が完了する。したがって、その後、ユーザにサプリメントを供給し、クライアント装置100Aとサーバ装置200との間で一組の回答返信要求と一組の回答とのやり取り等をし、推定装置300によるサプリメント摂取後のアンチエイジング効果等の推定結果等の摂取効果をユーザに提供することが可能になる。
【0071】
<初期設定完了後の処理>
例えば、毎月1日~10日頃になると、サーバ装置200では、通信手段210によって、ネットワーク600を介してクライアント装置100Aに対し、ユーザに一組の回答の入力を促すために例えばプッシュ通知をする。
【0072】
クライアント装置100Aでは、通信手段110によって、この通知を受信して、提示手段120によって、その通知内容をディスプレイ等に表示する。ユーザが当該プッシュ通知に応じる操作をすれば、クライアント装置100Aでは、通信手段110によって、サーバ装置200に対して応答信号を返信する。
【0073】
サーバ装置200では、通信手段210によって、この応答信号を受信すると、DB400に格納されている、一組の回答返信要求が記載されたウェブページのマスターデータの構成データ及びマスターデータに埋め込むユーザ情報に含まれる当該ユーザの氏名を読み出して、クライアント装置100Aに対して送信する。併せて、この際に、通信手段210によって、ユーザの歩行情報の返信要求をクライアント装置100Aに送信してもよい(ステップS5)。
【0074】
クライアント装置100Aでは、通信手段110によって、サーバ装置200から送信される構成データを受信すると、提示手段120によって、ウェブブラウザにレンダリングさせて、当該ユーザの氏名が記載されたウェブページを一組の回答入力画面としてディスプレイに表示させる。
【0075】
例えば、ユーザの氏名が山田太郎であれば、「山田太郎さん、あなたのサプリメントの摂取効果をAIが計算して、あなたに提供していきます。以下の各質問に回答し、顔画像とともに送信してください。」などのカスタマイズされた情報が記載されたウェブページをクライアント装置100Aのディスプレイに表示することが可能となる。
【0076】
なお、ユーザの顔画像を返信させるための簡易な手法としては、一組の回答入力画面に、クライアント装置100Aであるところのスマートフォンのカメラ機能をオンさせるためのカメラボタンを表示するとともに、ユーザに対して顔画像を撮影するよう指示する説明を記載し、かつ、カメラ機能がオンされてユーザの顔画像が撮影された後に当該顔画像をサーバ装置200に送信させるための送信ボタンを表示するとともに、ユーザに対して顔画像を送信するよう指示する説明を記載しておくとよい。
【0077】
クライアント装置100Aでは、ユーザが実際に一組の回答返信要求に応じて、一組の回答を入力し、また、これに前後してカメラボタンをタップ操作するなどして自身の顔画像を撮影した後に、送信ボタンのタップ操作等をすると、通信手段110によって、当該一組の回答をネットワーク600を介してサーバ装置200に返信する。なお、サーバ装置200からユーザの歩行情報の返信要求がされていれば、併せて、例えばクライアント装置100Aのストレージに格納されている当該歩行情報をサーバ装置200に返信すればよい(ステップS6)。
【0078】
サーバ装置200では、通信手段210によって、クライアント装置100Aから返信される当該一組の回答を受信すると、回答処理手段220によって、当該一組の回答をそれとともに送信されてきたユーザIDに紐付けてDB400に格納するとともに、DB400に格納済みの当該ユーザIDに紐付けて格納されている一以上の一組の結果を読み出す(ステップS7)。
【0079】
つづいて、サーバ装置200では、回答処理手段220によって、ステップS6を実行することによって格納する一組の回答と格納済みの一以上の一組の回答とのセットを推定装置300に入力して、当該ユーザのサプリメント摂取によるアンチエイジング効果などのサーチュイン遺伝子に対して作用する種々の効果などの推定結果を取得する(ステップS8)。
【0080】
なお、顔画像については、既存技術として、顔画像から肌年齢等を判定(予想)するシステムが存在している。このため、顔画像を相互に対比等することに代えて又はこれとともに、当該システムを利用して判定されたユーザに肌年齢等を送信してもよい。
【0081】
それから、サーバ装置200では、回答処理手段220によって、ステップS8を実行することによって取得した推定結果を、クライアント装置100Aに係るユーザIDに紐付けてDB400に格納する(ステップS9)。
【0082】
また、サーバ装置200では、回答処理手段220によって、ステップS8を実行することによって推定結果を取得すると、DB400に格納されている推定結果の表示欄が記載されたするウェブページのマスターデータの構成データを読み出し、通信手段210によって、当該推定結果と当該構成データとを、ネットワーク600を介してクライアント装置100Aに送信する(ステップS10)。
【0083】
このため、クライアント装置100Aでは、通信手段110によって、当該構成データ等を受信して、提示手段120によって、例えば、ウェブブラウザにレンダリングさせて、当該推定結果が記載されたウェブページをサプリメントの摂取効果提示画面としてディスプレイに表示させることが可能となる。
【0084】
したがって、ユーザは、そのウェブページを通じてサーバ装置200によって提供される推定装置300の推定結果であるサプリメントの摂取効果を閲覧等することが可能となる。
【0085】
以上、主として、本実施形態の効果測定推定システムについて説明したが、通信手段110及び提示手段120が実行する処理の各ステップは、クライアント装置100に実行させる効果測定推定システムプログラムによって実現してもよい。
【0086】
このプログラムをクライアント装置100にインストールすれば、ユーザにとっては操作負担が少なくなるという利点があり、また、態々、当該プログラムをインストールするユーザであれば、悪意のある恣意的な回答をしない蓋然性が高くなるという利点も期待できる。