(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053835
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】ヘッド交換式切削工具
(51)【国際特許分類】
B23B 29/00 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
B23B29/00 P
B23B29/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160283
(22)【出願日】2022-10-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000221144
【氏名又は名称】株式会社タンガロイ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】近藤 佑磨
【テーマコード(参考)】
3C046
【Fターム(参考)】
3C046KK01
3C046KK13
(57)【要約】
【課題】ヘッドを着脱する部分に逃げ部を形成する場合の加工コストを抑えることができ、かつ、シャンクが変形してしまうことをも抑えることが可能な構造のヘッド交換式切削工具を提供する。
【解決手段】ヘッド交換式の切削工具10は、ヘッド40に設けられた着脱用の突起部45または穴部と、ヘッド40が装着可能なシャンク20と、該シャンク20の端部20aに設けられた、中心軸X1に沿って突起部45を着脱可能な穴部25または突起部と、突起部45を穴部25の内周面に向けて押圧する固定部材30と、シャンク20に設けられた、固定部材30を締結するための被締結部と、を備えている。穴部25は、その横断面形状が曲率半径R1の略円形であり、突起部45は、その横断面形状が、その外周面のうち穴部25の内周面に接触する接触部と、該外周面の一部に内周面に対応した仮想円から径方向内側に退避するように形成され、当該内周面と接触しない逃げ部と、を有する形状である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドの交換が可能なヘッド交換式の切削工具であって、
前記ヘッドに設けられた着脱用の突起部または穴部と、
前記ヘッドが装着可能なシャンクと、
該シャンクの端部に設けられた、中心軸に沿って前記突起部を着脱可能な穴部または突起部と、
前記突起部を前記穴部の内周面に向けて押圧する固定部材と、
前記シャンクに設けられた、前記固定部材を締結するための被締結部と、
を備え、
前記穴部は、その横断面形状が曲率半径R1の略円形であり、
前記突起部は、その横断面形状が、その外周面のうち前記穴部の前記内周面に接触する接触部と、該外周面の一部に前記内周面に対応した仮想円から径方向内側に退避するように形成され、当該内周面と接触しない逃げ部と、を有する形状である、
ヘッド交換式切削工具。
【請求項2】
前記中心軸に沿って見た、前記仮想円と前記突起部の該周面との間に形成される前記逃げ部の形状は2つの曲線あるいは該曲線に近似した線で画定される、請求項1に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項3】
前記逃げ部は、曲率が異なる2つの円弧によって画定される形状である、請求項2に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項4】
前記突起部は、その横断面形状が、前記穴部の曲率半径R1よりも大きな曲率半径R2の部分を有する形状であり、当該部分に第1の逃げ部が形成されている、請求項3に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項5】
前記第1の逃げ部は、当該突起部のうち、前記固定部材が当接する被当接部とは反対側に形成されている、請求項4に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項6】
前記突起部に前記逃げ部が複数形成されている、請求項5に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項7】
前記突起部は、その横断面形状が、前記穴部の曲率半径R1よりも大きな曲率半径R3の部分を有する形状であり、当該部分に第2の逃げ部が形成されている、請求項6に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項8】
前記第2の逃げ部が一対形成されている、請求項7に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項9】
一対の前記第2の逃げ部が、前記中心軸を挟む位置に形成されている、請求項8に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項10】
一対の前記第2の逃げ部が、前記被当接部の中央と前記中心軸とを結ぶ線を中心にして線対称に形成されている、請求項9に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項11】
前記突起部の曲率半径R2の部分および曲率半径R3の部分におけるR2およびR3の大きさが、前記穴部の曲率半径R1に対し、R1<R3<R2となっている、請求項10に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項12】
前記突起部の曲率半径R2の部分および曲率半径R3の部分におけるR2およびR3の大きさが、前記穴部の曲率半径R1に対し、R1<R2<R3となっている、請求項10に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項13】
前記突起部の曲率半径R2の部分および曲率半径R3の部分におけるR2およびR3の大きさが、前記穴部の曲率半径R1に対し、R1<R2=R3となっている、請求項10に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項14】
前記穴部の曲率半径R1が、前記シャンクの大きさに応じて、前記穴部の周囲の肉厚を必要十分に確保しうる範囲の値に設定されている、請求項1から13のいずれか一項に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項15】
ヘッドと該ヘッドが装着可能なシャンクとを含むヘッド交換式の切削工具における、前記ヘッドと前記シャンクの一方に設けられた穴部に対して中心軸に沿って着脱可能に前記ヘッドと前記シャンクの他方に設けられた締結用の突起部であって、
当該突起部は、
その横断面形状が、その外周面の一部に、仮想円から径方向内側に退避して逃げ部を形成する円弧状の複数の逃げ部形成面と、
前記複数の逃げ部形成面の間であって前記仮想円上に位置する接触部形成領域と、
を有する形状である、ヘッド交換式切削工具の締結用突起部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッド交換式切削工具とその締結用突起部に関する。
【背景技術】
【0002】
シャンクに対してヘッドの着脱が可能なヘッド交換式の切削工具が利用されている。例えば、自動盤等では機内でインサート交換をすることが難しかったり、できなかったりする場合があるが、かかるヘッド交換式切削工具を用いれば、旋盤の刃物台等からシャンクを取り外すことなくヘッドだけを交換することが可能となるため旋削作業をするうえで便宜である。このようなヘッド交換式切削工具としては、従来、ヘッド着脱用の突起部と、この突起部が取り付けられるシャンクの穴部とが接触する部分に、当該接触部の一部を逃がすための逃げ部を設けた構造を採用したものが提案されている。このような構造として、例えば特許文献1や特許文献2では、穴部を非変形形状にすることで、断面円形の突起部を取り付けた場合に隙間が形成されて逃げ部となる構造の工具や機構が説明されている。また、ヘッド交換式工具ではないものの、旋盤用のボーリングバー(内径加工用工具)における着脱機構において逃げ部を設けた構成(特許文献3参照)や、ツールホルダ(転削工具や穴加工工具用)にクランプされるシャンクの着脱機構において逃げ部を設けた構成(特許文献4,5参照)が開示されてもいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭57-178604号公報
【特許文献2】特開昭59-59303号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/0048615A1号
【特許文献4】特表2007-502719号公報
【特許文献5】特開昭55-70512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のように穴部側を非円形にするには1回のドリル加工では無理であり、エンドミルを使った複数工程の加工、場合によってはその途中で工具の交換が必要となるなど工程や作業時間が多くなり、そのぶん加工コストが高くなりやすい。
【0005】
また、特許文献1のごとくシャンクのクランプ面側に隙間(逃げ部)を設けた場合、シャンクの肉厚が薄くなり、クランプ時の外圧でシャンクが変形してしまい、ヘッドの着脱ができなくなることがある。そうなると、旋盤の刃物台にシャンクを取り付けた状態のままヘッドだけ交換することができるというヘッド交換式切削工具の利点が失われかねない。
【0006】
そこで、本発明は、ヘッドを着脱する部分に逃げ部を形成する場合の加工コストを抑えることができ、かつ、シャンクが変形してしまうことをも抑えることが可能な構造のヘッド交換式切削工具とその締結用突起部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、ヘッドの交換が可能なヘッド交換式の切削工具であって、
ヘッドに設けられた着脱用の突起部または穴部と、
ヘッドが装着可能なシャンクと、
該シャンクの端部に設けられた、中心軸に沿って突起部を着脱可能な穴部または突起部と、
突起部を穴部の内周面に向けて押圧する固定部材と、
シャンクに設けられた、固定部材を締結するための被締結部と、
を備え、
穴部は、その横断面形状が曲率半径R1の略円形であり、
突起部は、その横断面形状が、その外周面のうち穴部の内周面に接触する接触部と、該外周面の一部に内周面に対応した仮想円から径方向内側に退避するように形成され、当該内周面と接触しない逃げ部と、を有する形状である、ヘッド交換式切削工具である。
【0008】
かかる態様のヘッド交換式切削工具によれば、逃げ部が、穴部にではなく突起部の外周面に設けられていることから、当該穴部が円形であってもまったく差し支えない。そうした場合、かかる穴部を1回のドリル加工のみで円形に仕上げることができるので、穴部を非円形に加工する場合に比べて工程や作業時間が少なくて済み、そのぶん加工コストを抑えることが可能となる。また、このように突起部に逃げ部を設けることとすれば、穴部に逃し加工をした場合と比べ、穴部の周囲の肉厚を確保しやすくなり、ひいては穴部の変形を抑制できるようになる結果、シャンクの変形が抑えられるようになる。
【0009】
上記のごときヘッド交換式切削工具において、中心軸に沿って見た、仮想円と突起部の該周面との間に形成される逃げ部の形状は2つの曲線あるいは該曲線に近似した線で画定されるものであってもよい。
【0010】
上記のごときヘッド交換式切削工具において、逃げ部は、曲率が異なる2つの円弧によって画定される形状であってもよい。
【0011】
上記のごときヘッド交換式切削工具において、突起部は、その横断面形状が、穴部の曲率半径R1よりも大きな曲率半径R2の部分を有する形状であり、当該部分に第1の逃げ部が形成されていてもよい。
【0012】
上記のごときヘッド交換式切削工具において、第1の逃げ部は、当該突起部のうち、固定部材が当接する被当接部とは反対側に形成されていてもよい。
【0013】
上記のごときヘッド交換式切削工具において、突起部に逃げ部が複数形成されていてもよい。
【0014】
上記のごときヘッド交換式切削工具において、突起部は、その横断面形状が、穴部の曲率半径R1よりも大きな曲率半径R3の部分を有する形状であり、当該部分に第2の逃げ部が形成されていてもよい。
【0015】
上記のごときヘッド交換式切削工具において、第2の逃げ部が一対形成されていてもよい。
【0016】
上記のごときヘッド交換式切削工具において、一対の第2の逃げ部が、中心軸を挟む位置に形成されていてもよい。
【0017】
上記のごときヘッド交換式切削工具において、一対の第2の逃げ部が、被当接部の中央と中心軸とを結ぶ線を中心にして線対称に形成されていてもよい。
【0018】
上記のごときヘッド交換式切削工具において、突起部の曲率半径R2の部分および曲率半径R3の部分におけるR2およびR3の大きさが、穴部の曲率半径R1に対し、R1<R3<R2となっていてもよい。
【0019】
上記のごときヘッド交換式切削工具において、突起部の曲率半径R2の部分および曲率半径R3の部分におけるR2およびR3の大きさが、穴部の曲率半径R1に対し、R1<R2<R3となっていてもよい。
【0020】
上記のごときヘッド交換式切削工具において、突起部の曲率半径R2の部分および曲率半径R3の部分におけるR2およびR3の大きさが、穴部の曲率半径R1に対し、R1<R2=R3となっていてもよい。
【0021】
上記のごときヘッド交換式切削工具において、穴部の曲率半径R1が、シャンクの大きさに応じて、穴部の周囲の肉厚を必要十分に確保しうる範囲の値に設定されていてもよい。
【0022】
本発明の別の一態様は、ヘッドと該ヘッドが装着可能なシャンクとを含むヘッド交換式の切削工具における、ヘッドとシャンクの一方に設けられた穴部に対して中心軸に沿って着脱可能にヘッドとシャンクの他方に設けられた締結用の突起部であって、
当該突起部は、
その横断面形状が、その外周面の一部に、仮想円から径方向内側に退避して逃げ部を形成する円弧状の複数の逃げ部形成面と、
複数の逃げ部形成面の間であって仮想円上に位置する接触部形成領域と、
を有する形状である、ヘッド交換式切削工具の締結用突起部である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態におけるヘッド交換式切削工具を構成するヘッドとシャンクの分解斜視図である。
【
図4】
図2に示したシャンクの被締結部の周辺を拡大して示す図である。
【
図5】
図4中のV-V線におけるシャンクの断面図である。
【
図7】
図6中のVII-VII線におけるヘッドの着脱用突起の断面形状を示す図である。
【
図8】ヘッドの着脱用突起の断面形状をよりわかりやすく示す図である。
【
図9】突切り加工、溝入れ加工の際における切削力の作用のしかたについて説明する図である。
【
図10】突切り加工、溝入れ加工の際の切削力による外力がヘッドの突起部に作用する方向について説明する図である。
【
図11】穴部の曲率半径R1<第2の逃げ部の曲率半径R3<第1の逃げ部の曲率半径R2である場合の突起部の断面形状について説明する図である。
【
図12】外径加工の際における切削力の作用のしかたについて説明する図である。
【
図13】外径加工の際の切削力による外力がヘッドの突起部に作用する方向について説明する図である。
【
図14】穴部の曲率半径R1<第1の逃げ部の曲率半径R2=第2の逃げ部の曲率半径R3である場合の突起部の断面形状について説明する図である。
【
図15】ヘッドを取り付けたシャンクに固定ねじをねじ込みヘッドを固定する様子を示す斜視図である。
【
図16】自動盤の刃物台にシャンクを取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図17】自動盤の刃物台にシャンクを取り付けた状態で固定ねじを外す様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ本発明に係るヘッド交換式切削工具の好適な実施形態について詳細に説明する(
図1等参照)。
【0025】
ヘッド交換式切削工具10は、自動盤(図示省略)などでの加工時、切削インサート60の切れ刃61を送ることでワーク(図示省略)に切り込む工具として構成されている。また、刃物台100に複数種類のヘッド交換式切削工具10を「くし刃型」に配置し、旋削加工の態様に応じて刃物台100をX軸方向(例えば、シャンク20の中心軸X1に沿った方向)やこれに垂直なZ軸方向、さらにはX軸方向およびZ軸方向の両者に垂直なY軸方向に動かし、切削インサート60を適宜に選択し移動して入れ替えながら所期の加工を行う場合もある(
図15~
図17参照)。
【0026】
このような旋削加工に用いられる本実施形態のヘッド交換式切削工具10は、シャンク20に対してヘッド40を着脱することが可能なヘッド交換式の切削工具であり、これらシャンク20とヘッド40、さらに、シャンク20にヘッド40を固定するための固定ねじ(固定部材)30を備える(
図1~
図7等参照)。
【0027】
シャンク20は、その被把持部(本実施形態のシャンク20においては、横断面が一定である本体部分)20Gを把持された状態で刃物台100に取り付けられるように形成されている(
図1~
図3等参照)。本実施形態のシャンク20は、当該シャンク20の被把持部20Gの中心を通る中心軸X1(
図1等参照)に沿って長手方向(上述のX軸方向に一致する方向)に延びる形状であって、かつ、中心軸X1に垂直な横断面形状が矩形状となる略直方体形状である(
図1~
図3等参照)。シャンク20を側面(本実施形態では、被締結部27が見える面をシャンク20の側面としている)20sから見た際の被把持部20Gの幅(本実施形態では「シャンク厚み」という)はHであり(
図2参照)、シャンク20を上面20uから見た際の被把持部20Gの幅(本実施形態では「シャンク幅」という)はBである(
図3参照)。
【0028】
シャンク20の先端部(ヘッド40が着脱される側)20aには着脱用穴部25と被締結部27とが設けられている(
図1、
図5等参照)。着脱用穴部25は、ヘッド40を装着するための穴で構成されていて、当該着脱用穴部25にヘッド40の着脱用突起部45を嵌合させることが可能となっている。被締結部27は、固定ねじ30をねじ込むためのねじ穴等で形成されている。この被締結部27に固定ねじ30を締結すれば、当該固定ねじ30の端部で着脱用突起部45を着脱用穴部25の内周面25iに向けて押圧し、ヘッド40を固定することができる。本実施形態のヘッド交換式切削工具10においては、シャンク20の先端部20aに形成された、側面20sのほうに突出する段部20dに上記の被締結部27が設けられている(
図1、
図2等参照)。なお、この段部20dには、先端部20aに装着されるヘッド40の凹部48に嵌まることで当該ヘッド40の向きを一意的に画定させる凸部28が設けられている(
図3、
図6A等参照)。
【0029】
固定ねじ30は、ヘッド40の着脱用突起部45をシャンク20の着脱用穴部25の内周面25iに向けて押圧することで当該ヘッド40を固定する部材である(
図1等参照)。このような固定部材として本実施形態ではねじを用いるが、例えばレバーやバネ、くさび、これらの組み合わせ等といった、ねじ以外の部材を用いてヘッド40を固定してもよい。
【0030】
ヘッド40はシャンク20に着脱可能な部材であり、着脱用突起部45とインサート取付座49を備えている。インサート取付座49には切削インサート60が取り付けられる(
図1等参照)。着脱用突起部45には、所定の断面形状とされた外周面45oを有する形状であり、シャンク20の着脱用穴部25に対し、中心軸X1に沿って着脱することができるように構成されている。着脱用突起部45の側部には、固定ねじ30の先端が当接する所定形状(例えば長穴形状や楕円形状など)の被当接部45pが形成されている(
図1、
図6等参照)。
【0031】
上記したごときシャンク20の着脱用穴部25の形状、およびヘッド40の着脱用突起部45の断面形状について説明する。まず、シャンク20の着脱用穴部25については、その横断面形状(本実施形態のヘッド交換式切削工具10の場合には、中心軸X1に垂直な断面上の現れる形状)が曲率半径R1の略円形としている(
図5等参照)。ここでいう略円形というのは、基本的形状としての真円のほか、加工の誤差等の影響により厳密には真円ではない形状をも含むものであるという趣旨である。一方、ヘッド40の着脱用突起部45については、横断面形状が、その外周面45oの一部に、仮想円(本実施形態では、着脱用穴部25の内周面25iの断面形状に沿った円を仮想円とする)VCから径方向内側に退避して逃げ部50を形成する円弧状の複数の逃げ部形成面50aと、これら複数の逃げ部形成面50aの間であって仮想円VC上に位置する接触部(本明細書では、接触部形成領域という場合がある)45cと、を有する形状となっている(
図8参照)。この結果、本実施形態の着脱用突起部45は、外周面45oの一部に、着脱用穴部25の内周面25iに接触する接触部45c(図中では、丸印で囲んで図示している)と、該外周面45oの一部に形成された逃げ部50と、を有する横断面形状となっている(
図7等参照)。このようにして、着脱用穴部25と着脱用突起部45との間に形成されるべき逃げ部を、着脱用穴部25にではなく着脱用突起部45の外周面45oに設けることとした場合、着脱用穴部25を略円形(真円を含む)とすることに何ら差し支えがなくことから、当該着脱用穴部25を1回のドリル加工のみで円形に仕上げることを採択することが可能となる。こうした場合には、穴部を非円形に加工する場合に比べ加工の工程や作業時間が少なくて済み、そのぶん加工コストを抑えることが可能となる。また、穴部に逃し加工をする場合には、穴部の周囲に相応の肉厚を確保するなどしてシャンクの強度に配慮をする必要があるが、本実施形態のごとく着脱用穴部25を略円形(真円を含む)とした場合には強度の偏りを抑えやすくなり、その周囲の必要以上の肉厚を確保しなくても済むといったように、シャンク20の小型軽量化を図りつつも変形が抑えられるようにすることが可能となる。さらに、別言すれば、本実施形態のヘッド交換式切削工具10においては、シャンク20の変形問題が生じないぎりぎりの穴径まで着脱用穴部25を大きくすることができるから、これに応じてヘッド40の着脱用突起部45の外径を大きくすることで、ヘッド固定時の安定性(クランプ剛性)を高めることができるようになる。
【0032】
ヘッド40の着脱用突起部45の外周面45oの一部に形成される逃げ部50としては種々の態様のものが考えられるが、一例としては、中心軸X1に沿って見たときの形状が、2つの曲線あるいは該曲線に近似した線、たとえば曲率が異なる2つの円弧によって画定されるようないわば三日月状である逃げ部50を挙げることができる(
図8等参照)。このような形状の逃げ部50は、例えば、着脱用突起部45の外周面45oの一部を、着脱用穴部25の曲率半径R1よりも大きい曲率半径(例えばR2やR3)の円弧となるように切削することで形成することが可能であるから、穴のほうではなく着脱用突起部45の外周面45oを加工すればよいことも相まって、加工に要する手間や時間を少なくすることが可能である。もちろん、曲率が異なる2つの円弧というのは2つの曲線の一例にすぎず、この他にも、例えば楕円曲線や放物線など、加工により実現されうる曲線である限りはとくに限定されることはない。また、このように加工により実現されうる形状である限り、逃げ部50を形成する着脱用突起部45の外周面45oの一部形状(逃げ部形成面45aの形状)は、曲線に近似した線を含むものであってもよい。曲線に近似した線としては、例えば、全体としては略曲線だが一部を微小な直線や折れ線で置き換えたような線や、曲線の一部に直線に近似した部分を含む線、あるいは、短い多数の直線からなる折れ線の部分を一部に含む曲線状の線などが挙げられる。
【0033】
上記のような逃げ部50として、本実施形態のヘッド交換式切削工具10においては、着脱用突起部45の外周面45oに、互いに形状ないしは大きさが異なる第1の逃げ部51と第2の逃げ部52とを設けている(
図8参照)。
【0034】
第1の逃げ部51は、着脱用突起部45の外周面45oの一部を、着脱用穴部25の曲率半径R1よりも大きな曲率半径R2の円弧部分を有する横断面形状となるように加工することにより、当該着脱用突起部45の外周面45oと着脱用穴部25の内周面25iとの間に形成されている(
図8参照)。本実施形態では、当該第1の逃げ部(曲率半径R2の部分)51を、固定ねじ30(あるいは該固定ねじ30の先端が当接する被当接部45p)がある位置(
図8における3時の位置)とは中心軸X1を挟んで反対側となる位置(
図8における9時の位置)に形成している(
図8参照)。
【0035】
第2の逃げ部52は、着脱用突起部45の外周面45oの一部を、着脱用穴部25の曲率半径R1よりも大きな曲率半径R3の円弧部分を有する横断面形状となるように加工することにより、当該着脱用突起部45の外周面45oと着脱用穴部25の内周面25iとの間に形成されている(
図8参照)。本実施形態では、一対の第2の逃げ部(曲率半径R3の部分)52を、中心軸X1を挟む位置に形成している。これら一対の第2の逃げ部52は、固定ねじ30(あるいは該固定ねじ30の先端が当接する被当接部45p)がある位置の中央(
図8における3時の位置)と中心軸X1とを結ぶ中心線X2を中心にして線対称となるように、
図8における12時の位置と6時の位置に形成されている。
【0036】
着脱用突起部45の外周面45oの一部には、着脱用穴部25の内周面25iに向け押圧された状態で接触することとなる部分(本明細書では「接触部」という)45cが形成される。本実施形態のヘッド交換式切削工具10においては、上側(12時の位置)の第2の逃げ部52と第1の逃げ部51との間に接触部45cが形成され、下側(6時の位置)の第2の逃げ部52と第1の逃げ部51との間に別の接触部45cが形成されていて(
図8参照)、固定ねじ30との接触点を含めればいわば3点接触のクランプ機構となる構造を採用している。ちなみに、このような3点接触のクランプ機構を構築するには3つの接触点以外は逃がす必要がある。また、万が一、クランプ時の外圧が大きすぎて着脱用穴部25に変形が生じたとしても、着脱用突起部45と当該着脱用穴部25との隙間を十分に確保でき、確実な3点接触状態を維持することが可能である。
【0037】
これら接触部45cは、第1の逃げ部51と第2の逃げ部52との間に形成されるという性質上、曲率半径R2と曲率半径R3の大小関係等に応じてその位置(より詳細には、周方向の位置)が変わってくる。本実施形態では、以下に説明するように、加工の種類に応じてこれら曲率半径R2と曲率半径R3の大小関係や接触部45cの周方向位置を適宜に変えることとしている。
【0038】
[第1の態様]
ヘッド交換式切削工具10により突っ切り加工や溝入れ加工を行う場合、第1の逃げ部(曲率半径R2の部分)51におけるR2の大きさ、および第2の逃げ部(曲率半径R3の部分)52におけるR3の大きさが、穴部の曲率半径R1に対し、R1<R3<R2となるようにすることができる(
図11参照)。突っ切り加工や溝入れ加工をする際、
図9に示すような切削力が切削インサート60に作用する結果、ヘッド40の着脱用突起部45には、中心軸X1から、中心線X2とは垂直な方向に向けて(
図10に示す例であれば、第2の逃げ部52がある12時の方向に向けて)外力が作用し、これによって着脱用突起部45がその方向の内周面25iに押圧される。これに対しては、上記のごとくR1<R3<R2とすることで、接触部45cを12時のほうに(もう一方の接触部45cについては、6時のほうに)近づける(別言すれば、中心軸X1と接触部45cとを結ぶ線X3と、中心線X2とがなす角度θをより大きな値θ1として、中心線X2と接触部45cとの距離Lをより大きな値L1とする)ことができるから、これにより、第2の逃げ部52がある方向に向けて作用する外力に対してより強く抗することができるようになる。このように、着脱用突起部45の動く方向に接触部45cを配置することで、当該着脱用突起部45のたわみを抑制することができる(
図9~
図11参照)。
【0039】
[第2の態様]
ヘッド交換式切削工具10により外径加工を行う場合、第1の逃げ部(曲率半径R2の部分)51におけるR2の大きさ、および第2の逃げ部(曲率半径R3の部分)52におけるR3の大きさが、穴部の曲率半径R1に対し、R1<R2<R3となるようにすることができる(
図14参照)。外径加工をする際、
図12に示すような切削力が切削インサート60に斜めの方向に作用する(斜めになる理由は、切削の主分力に加えて、送りにより送り分力が発生するため)結果、ヘッド40の着脱用突起部45には、中心軸X1から
図14中の左上方に向けて外力が作用し、これによって着脱用突起部45がその方向の内周面25iに押圧される。これに対しては、上記のごとくR1<R2<R3とすることで、接触部45cを9時のほうに近づける(別言すれば、中心軸X1と接触部45cとを結ぶ線X3と、中心線X2とがなす角度θをより小さな値θ2として、中心線X2と接触部45cとの距離Lをより小さな値L2とする)ことができるから、これにより、第1の逃げ部51に近い方向に向けて作用する外力に対してより強く抗することができるようになる。このように、着脱用突起部45の動く方向に接触部45cを配置することで、当該着脱用突起部45のたわみを抑制。することができる(
図12~
図14参照)。
【0040】
[第3の態様]
ヘッド交換式切削工具10により突っ切り加工や溝入れ加工も行うし、外径加工も行うという場合には、第1の逃げ部(曲率半径R2の部分)51におけるR2の大きさ、および第2の逃げ部(曲率半径R3の部分)52におけるR3の大きさが、穴部の曲率半径R1に対し、例えばR1<R2=R3となるようにすることができる。要は、上記の第1の態様と第2の態様の中間の態様となるようにすることで、どちらの加工をも念頭においた汎用的な構成とすることができる。
【0041】
本実施形態のヘッド交換式切削工具10によれば、上記のごとき加工形態に適したヘッド40を選択して採用することができる。また、本実施形態のヘッド交換式切削工具10によれば、刃物台100にシャンク20を取り付けたままの状態でもヘッド40を交換することが可能である(
図17参照)。
【0042】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。たとえば、上記のごときヘッド交換式切削工具10における着脱用穴部25の曲率半径R1を、以下に例示するごとくシャンク20の大きさに応じ、穴部25の周囲の肉厚を必要十分に確保し、当該穴部25やその周囲の変形を抑制するに好適な範囲の値に設定することとしてもよい(表1参照)。
【表1】
【0043】
また、本実施形態では、ヘッド40に着脱用突起部45が設けられ、シャンク20に着脱用穴部25が設けられたヘッド交換式工具1を例示しつつこれらを締結するための形状や構造について説明したがこれは好適な適用例にすぎない。特に詳しく図示することはしないが、本発明の趣旨からすれば、ヘッド40に穴部、シャンク20に着脱用突起がそれぞれ設けられた締結構造となっている場合にも本発明を適用することができることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、主として旋削用の切削工具、特に自動盤用のヘッド交換式切削工具に適用して好適である。
【符号の説明】
【0045】
10…ヘッド交換式切削工具
20…シャンク
20a…先端部(端部)
20d…段部
20G…被把持部
20s…シャンクの側面
20u…シャンクの上面
25…着脱用穴部(穴部)
25i…穴部の内周面
27…被締結部
28…凸部
30…固定ねじ(固定部材)
40…ヘッド
45…着脱用突起部(突起部/締結用突起部)
45a…逃げ部形成面
45c…接触部(接触部形成領域)
45o…外周面
45p…(固定部材が(横から)当接する)被当接部
48…凹部
49…インサート取付座
50…逃げ部
51…第1の逃げ部(曲率半径R2の部分)
52…第2の逃げ部(曲率半径R3の部分)
60…切削インサート
61…切れ刃
100…刃物台
102…クランプ
B…シャンク幅
H…シャンク厚み
VC…仮想円
X1…中心軸
X2…固定ねじがある位置と第1の逃げ部がある位置とを結ぶ中心線
X3…中心軸X1と接触部45cとを結ぶ線
【手続補正書】
【提出日】2023-02-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドの交換が可能なヘッド交換式の切削工具であって、
前記ヘッドに設けられた着脱用の突起部または穴部と、
前記ヘッドが装着可能なシャンクと、
該シャンクの端部に設けられた、中心軸に沿って前記突起部を着脱可能な穴部または突起部と、
前記突起部を前記穴部の内周面に向けて押圧する固定部材と、
前記シャンクに設けられた、前記固定部材を締結するための被締結部と、
を備え、
前記穴部は、その横断面形状が曲率半径R1の略円形であり、
前記突起部は、その横断面形状が、その外周面のうち前記穴部の前記内周面に接触する接触部と、該外周面の一部に前記内周面に対応した仮想円から径方向内側に退避するように形成され、当該内周面と接触しない逃げ部と、を有する形状であり、
かつ、前記突起部は、その横断面形状が、前記穴部の曲率半径R1よりも大きな曲率半径R2の部分を有する形状であり、当該部分に第1の逃げ部が形成されていて、
前記第1の逃げ部は、当該突起部のうち、前記固定部材が当接する被当接部とは反対側に形成されていて、
前記突起部は、その横断面形状が、前記穴部の曲率半径R1よりも大きな曲率半径R3の部分を有する形状であり、当該部分に第2の逃げ部が形成されていて、
前記第2の逃げ部が一対形成されていて、これら一対の第2の逃げ部が、前記被当接部の中央と前記中心軸とを結ぶ線を中心にして線対称に形成されている、
ヘッド交換式切削工具。
【請求項2】
前記中心軸に沿って見た、前記仮想円と前記突起部の該周面との間に形成される前記逃げ部の形状は2つの曲線あるいは該曲線に近似した線で画定される、請求項1に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項3】
前記逃げ部は、曲率が異なる2つの円弧によって画定される形状である、請求項2に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項4】
前記突起部の曲率半径R2の部分および曲率半径R3の部分におけるR2およびR3の大きさが、前記穴部の曲率半径R1に対し、R1<R3<R2となっている、請求項1に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項5】
前記突起部の曲率半径R2の部分および曲率半径R3の部分におけるR2およびR3の大きさが、前記穴部の曲率半径R1に対し、R1<R2<R3となっている、請求項1に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項6】
前記突起部の曲率半径R2の部分および曲率半径R3の部分におけるR2およびR3の大きさが、前記穴部の曲率半径R1に対し、R1<R2=R3となっている、請求項1に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項7】
前記穴部の曲率半径R1が、前記シャンクの大きさに応じて、前記穴部の周囲の肉厚を必要十分に確保しうる範囲の値に設定されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のヘッド交換式切削工具。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドの交換が可能なヘッド交換式の切削工具であって、
前記ヘッドに設けられた着脱用の突起部または穴部と、
前記ヘッドが装着可能なシャンクと、
該シャンクの端部に設けられた、中心軸に沿って前記突起部を着脱可能な穴部または突起部と、
前記突起部を前記穴部の内周面に向けて押圧する固定部材と、
前記シャンクに設けられた、前記固定部材を締結するための被締結部と、
を備え、
前記穴部は、その横断面形状が曲率半径R1の略円形であり、
前記突起部は、その横断面形状が、その外周面のうち前記穴部の前記内周面に接触する接触部と、該外周面の一部に前記内周面に対応した仮想円から径方向内側に退避するように形成され、当該内周面と接触しない逃げ部と、を有する形状であり、
かつ、前記突起部は、その横断面形状が、前記穴部の曲率半径R1よりも大きな曲率半径R2の部分を有する形状であり、当該部分に第1の逃げ部が形成されていて、
前記第1の逃げ部は、当該突起部のうち、前記固定部材が当接する被当接部とは反対側に形成されていて、
前記突起部は、その横断面形状が、前記穴部の曲率半径R1よりも大きな曲率半径R3の部分を有する形状であり、当該部分に第2の逃げ部が形成されていて、
前記第2の逃げ部が一対形成されていて、これら一対の第2の逃げ部が、前記被当接部の中央と前記中心軸とを結ぶ線を中心にして線対称に形成されている、
ヘッド交換式切削工具。
【請求項2】
前記中心軸に沿って見た、前記仮想円と前記突起部の外周面との間に形成される前記逃げ部の形状は2つの曲線あるいは該曲線に近似した線で画定される、請求項1に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項3】
前記逃げ部は、曲率が異なる2つの円弧によって画定される形状である、請求項2に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項4】
前記突起部の曲率半径R2の部分および曲率半径R3の部分におけるR2およびR3の大きさが、前記穴部の曲率半径R1に対し、R1<R3<R2となっている、請求項1に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項5】
前記突起部の曲率半径R2の部分および曲率半径R3の部分におけるR2およびR3の大きさが、前記穴部の曲率半径R1に対し、R1<R2<R3となっている、請求項1に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項6】
前記突起部の曲率半径R2の部分および曲率半径R3の部分におけるR2およびR3の大きさが、前記穴部の曲率半径R1に対し、R1<R2=R3となっている、請求項1に記載のヘッド交換式切削工具。
【請求項7】
前記穴部の曲率半径R1が、前記シャンクの大きさに応じて、前記穴部の周囲の肉厚を必要十分に確保しうる範囲の値に設定されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のヘッド交換式切削工具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記のごときヘッド交換式切削工具において、中心軸に沿って見た、仮想円と突起部の外周面との間に形成される逃げ部の形状は2つの曲線あるいは該曲線に近似した線で画定されるものであってもよい。