(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053851
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】屋根雪下ろし用の命綱固定アンカー
(51)【国際特許分類】
E04D 15/00 20060101AFI20240409BHJP
E04H 9/16 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
E04D15/00 V
E04H9/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160310
(22)【出願日】2022-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】509308469
【氏名又は名称】マジカナテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100182084
【弁理士】
【氏名又は名称】中道 佳博
(74)【代理人】
【識別番号】100150326
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 知久
(74)【代理人】
【識別番号】100076820
【弁理士】
【氏名又は名称】伊丹 健次
(72)【発明者】
【氏名】仲嶋 一郎
(72)【発明者】
【氏名】仲嶋 真司
【テーマコード(参考)】
2E139
【Fターム(参考)】
2E139AA03
2E139AB03
2E139AD03
2E139DB04
2E139DB14
(57)【要約】
【課題】 豪雪時でも見つけ易く、引っ張り強さが強く、雪を掘り起こす手間を省いて使用でき、建物の外観を損ね難い、屋根雪下ろし用の命綱固定アンカーを提供すること。
【解決手段】 本発明の屋根雪下ろし用の命綱固定アンカーは、ベース部材と、該ベース部材から立設される支柱と、両端に係合部を有し人体に接続された命綱と接続するための可撓性線条体とを備える。ここで、可撓性線条体の一方の係合部はベース部材と係合し、可撓性線条体の他方の係合部は支柱の上部と係合してなり、屋根雪下ろしの際には、可撓性線条体の他方の係合部を支柱の上部から取り外し、命綱と接続して使用される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材と、該ベース部材から立設される支柱と、両端に係合部を有し人体に接続された命綱と接続するための可撓性線条体とを備え、
該可撓性線条体の一方の該係合部が該ベース部材と係合し、該可撓性線条体の他方の該係合部が該支柱の上部と係合してなり、
屋根雪下ろしの際には、該可撓性線条体の他方の該係合部を該支柱の該上部から取り外し該命綱と接続して使用する、屋根雪下ろし命綱固定アンカー。
【請求項2】
前記支柱が伸縮可能である、請求項1に記載の屋根雪下ろし命綱固定アンカー。
【請求項3】
前記可撓性線条体がワイヤーである、請求項1または2に記載の屋根雪下ろし命綱固定アンカー。
【請求項4】
屋根上に水平方向に配設された取付部に固定される、請求項1または2に記載の屋根雪下ろし命綱固定アンカー。
【請求項5】
屋根棟部に固定される、請求項1または2記載の屋根雪下ろし命綱固定アンカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根雪下ろし用の命綱固定アンカーに関する。
【背景技術】
【0002】
豪雪地帯や特別豪雪地帯では、建物の損壊を防ぐために屋根への積雪対策が重要である。このような対策には、建物(特に屋根)の耐圧性を大きくする方法、水やヒーティングにより融雪する方法などがある。しかし、これらは高額な費用を必要とし、汎用性に富むとは言い難い。
【0003】
このため、これらの地帯では、建物の損壊を防ぐために屋根の雪下ろしを欠かすことができない。一方で、屋根の雪下ろし作業による屋根や梯子からの転落事故が毎年多く発生している。こうした事故の多くは、命綱や安全帯などの安全対策を採ることで予防できる。ただし、通常屋根には命綱を固定できるものがなく、屋根雪下ろし用の命綱固定アンカー等を別途設置することが必要である。
【0004】
従来の屋根雪下ろし用の命綱固定アンカーとしては、例えば、(1)軒下や破風に複数の金具を取り付け、その間に可撓性線条体を張って、当該可撓性線条体をアンカーとして使用するもの(小規模タイプ)、(2)屋根上等の複数の低い支柱を取り付け、その間に単管パイプを配置して、当該パイプをアンカーとして使用するもの(低支柱タイプ)、および(3)屋根上に高い支柱を取り付け、それ自体をアンカーとして使用するか、それに雪庇防止のフェンス等を取り付けて使用するもの(高支柱タイプ)が知られている(非特許文献1)。
【0005】
ここで、(1)小規模タイプや(2)低支柱タイプのものは、豪雪時には可撓性線条体や支柱が埋もれ易く、命綱を固定するまでの雪の掘り出しに新たな危険を伴うことが指摘されている。(3)高支柱タイプのものは、豪雪時でも支柱自体の発見は比較的容易であるが、自重が重いため豪雪時には屋根への負荷を一層高め、さらに雪がない季節には目立ち易く建物の外観を損ねる点が懸念されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】”安全な雪下ろしのために 屋根雪下ろし命綱固定アンカーガイドブック(第三版)”、[on line]、令和4年3月、新潟県、[令和4年8月15日検索]、インターネット<URL:https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/309184.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、豪雪時でも見つけ易く、引っ張り強さが強く、雪を掘り起こす手間を省いて使用でき、建物の外観を損ね難い、屋根雪下ろし用の命綱固定アンカーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ベース部材と、該ベース部材から立設される支柱と、両端に係合部を有し人体に接続された命綱と接続するための可撓性線条体とを備え、
該可撓性線条体の一方の該係合部が該ベース部材と係合し、該可撓性線条体の他方の該係合部が該支柱の上部と係合してなり、
屋根雪下ろしの際には、該可撓性線条体の他方の該係合部を該支柱の該上部から取り外し該命綱と接続して使用する、屋根雪下ろし命綱固定アンカーである。
【0009】
1つの実施形態では、上記支柱は伸縮可能である。
【0010】
1つの実施形態では、上記可撓性線条体はワイヤーである。
【0011】
1つの実施形態では、本発明の屋根雪下ろし命綱固定アンカーは、屋根上に水平方向に配設された取付部に固定される。
【0012】
1つの実施形態では、本発明の屋根雪下ろし命綱固定アンカーは、屋根棟部に固定される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、雪で埋まりにくく、作業者は積雪時でも簡単にアンカーの位置を把握することができる。一方、屋根上の配置状態がわかりにくく、建物の美観を保つことも可能である。さらに、本発明の命綱固定アンカーは、人体の命綱が固定される可撓性線条体は屋根材近くのベース部材と固定されているため、低重心の構造体となり、良好な引っ張り強度や引抜耐力を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の命綱固定アンカーの一例を示す当該命綱固定アンカーの正面図であって、屋根上に水平方向に配設された単管パイプに固定された状態を説明する図である。
【
図2】
図1に示す命綱固定アンカーにおけるベース部材の拡大図である。
【
図3】
図2に示すベース部材のA-A方向断面図である。
【
図5】本発明の命綱固定アンカーを屋根棟部に固定した状態を説明するための模式断面図である。
【
図6】
図1に示す命綱固定アンカーにおける第1支柱部の端部を右側面から見た拡大図である。
【
図7】積雪した屋根上で、
図1に示す命綱固定アンカーから可撓性線条体を引き出す様子を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について図面を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明の命綱固定アンカーの一例を示す当該命綱固定アンカーの正面図である。
【0017】
本発明の命綱固定アンカー100は、ベース部材110と、ベース部材110から立設される支柱140と、両端に係合部172,174を有し人体に接続された命綱(図示せず)と接続するための可撓性線条体170とを備える。ここで、支柱140は、ベース部材110に固定された第1支柱141と該第1支柱から伸縮可能な第2支柱146とを備える。
【0018】
ベース部材110は、例えば屋根上に水平方向に配設された取付部(例えば単管パイプ)、屋根棟部などに固定可能な部材である。ベース部材110は、例えば、アルミニウム、鉄、銅、ステンレススチールなどの金属から構成されており、押出、切削等の当業者に公知の方法で製造することができる。ベース部材110の外表面は、必要に応じて防錆処理がなされていてもよい。
【0019】
図2は、
図1に示す命綱固定アンカー100を構成するベース部材110の拡大図である。なお、
図2では、見易さを確保するために可撓性線条体の記載を省略している。
【0020】
図2において、ベース部材110は、例えば2つのL字アングル112,114を備え、当該L字アングル112,114の挟持することによって支柱140(具体的には第1支柱141)の一端を固定している。L字アングル112,114はそれぞれ、ボルト115a,115b,115c,115dおよびナット116a,116b,116c,116dによってベース部材110に固定され、L字アングル112,114と支柱140(具体的には第1支柱141)は2組のボルト117a,117bおよびナット118a,118bによって固定されている。
【0021】
なお、
図2において、ボルト115c,115dは、アイストラップ118のネジ孔を通じてL字アングル114およびベース部材110を固定している。アイストラップ118には図示しない後述の可撓性線条体の係合部が通されている。
【0022】
図3に示すようにベース部材110はその中央に平坦な第1底面120を有し、例えば単管パイプ300の外周と密着可能である。第1底面120の一部には、ベース部材110の正面(支柱140が取り付けられた面)から見て逆方向に凹んだ、逆凹状の溝121a,121bが設けられており、その中にボルト115a,115cのボルト穴が収容されている。
【0023】
ベース部材110はまた、第1底面120と略平行に延びる第1上面122および第2上面124を有する。さらに、第1底面120から第1上面122までの最短距離、および第1底面120から第2上面124までの最短距離が互いに同一となるように設計されている。これにより第1上面122および第2上面124上に固定されるL字アングル112および114を同一の水平面上に配置することができる。
図3において、第1上面122および第2上面124の間にはベース部材110の正面から見て正方向に凹んだ、正凹状の中央溝126が設けられている。例えば、支柱140の断面方向の大きさを変更したい場合(例えば、
図3に示すような正方形状の断面を有する第1支柱141の代わりに、長方形状の断面を有するものを用いて支柱140を構成する場合)も、L字アングル112,114のサイズを変更することにより、ベース部材110自体を異なるサイズに再度設計し直すことなく、変更後の支柱の一部を当該正凹状の中央溝126内に収容して支柱とベース部材110とを取り付けることができる。
【0024】
さらにベース部材110は、両端に、ベース部材110の正面から見て正方向に凹んだ正凹状の端部溝128,130が設けられている。
図3において、端部溝128,130には単管パイプ300を固定するためのU字ボルト132,134のボルト部分が貫通し、固定されている。ベース部材110の両端では、端部溝128,130に対応する反対側の面には第2底面136および第3底面138が設けられ、第1底面120と、第2底面136と、第3底面138とは同一の水平面を構成するように配置されている。
【0025】
図4は、
図2に示すベース部材110の右側面図である。
【0026】
L字アングル114には、ベース部材110の幅方向に対して斜めに延びる細長いボルト穴139が設けられていてもよい(
図3に示すL字アングル112も同様である)。例えば、
図4に示すように、細長いボルト穴139が、L字アングル114に取り付けられた2本のボルト117a,117bのうち、上方に配置されたボルト117aの側に設けられている場合、2本のボルト117a,117bを緩めると、支柱140(第1支柱141)を、ボルト117bを中心にして図面左下方向に傾けることができる。その際、ボルト117aは、支柱140の傾斜に伴って細長いボルト穴139内を図面左下方向にスライドする。支柱140を所定の位置まで傾けた段階で、ボルト117a,117bをそれぞれ締め付けることにより、支柱140は、ベース部材110に対して所定の角度に傾斜して固定することができる。
【0027】
図5は、本発明の命綱固定アンカーを屋根棟部に固定した状態を説明するための模式断面図である。なお、
図5では、見易さを確保するためにベース部材110および支柱140(第1支柱141)の一部のみが記載され、その他の部材は省略されている。
【0028】
本発明の命綱固定アンカーは、
図1等に示すような屋根上に水平方向に配設された取付部以外に、屋根棟部400に、例えば木ネジ142,144を用いて直接固定することができる。その場合、
図5に示すようにベース部材110は、屋根棟部400に沿って傾斜した状態で配置される一方で、支柱140を鉛直方向に指向させることが可能である。
【0029】
再び
図1を参照すると、本発明の命綱固定アンカー100において、支柱140を構成する第1支柱141および第2支柱146はそれぞれ独立して、例えば、アルミニウム、鉄、銅、ステンレススチールなどの金属から構成されている。第1支柱141および第2支柱146が金属で構成されている場合、それらの外表面は、必要に応じて防錆処理がなされていてもよい。
【0030】
第1支柱141は、好ましくは角筒状または円筒状の部材である。第1支柱141が角筒状の部材で構成される場合、上記ベース部材110のL字アングル112,114はその挟持部分が平坦な面を有するものが採用される。第1支柱141が円筒状の部材で構成される場合、上記ベース部材110のL字アングル112,114はその挟持部分が当該第1支柱141の側面の曲率に合わせて湾曲した面を有するものが採用される。
【0031】
第2支柱146もまた細長い外観を有し、例えば
図1に示すように第1支柱141の内部に収容可能である。例えば伸長させる場合は、第2支柱146は、第1支柱141から引き出され、第1支柱141の上部150(ベース部材110が固定された端部とは反対側の端部)と、第2支柱146に長さ方向に沿って間隔を空けて設けられた複数の高さ調節孔(図示せず)の1つに対してそれぞれ貫通するように設けられたボルト147およびナット148によって所望の高さに調節することができる。
【0032】
第1支柱141および第2支柱146の長さはいずれも特に限定されないが、それぞれ独立して、例えば90cm~150cmである。第1支柱141および第2支柱146がこのような長さを有していることにより、第1支柱141および第2支柱146で構成される支柱140は、第2支柱146の伸縮によって、全体の長さを例えば100cm~270cmの範囲に調節可能である。これにより、第2支柱146を第1支柱141内に収容することができるので、本発明の命綱固定アンカー100は仮に雪が降らない季節であっても屋根上で目立ち難く、建物の外観を損ねることを防止または低減し得る。他方、必要に応じて第2支柱146を第1支柱141から予め伸長させかつ固定しておくことにより、たとえ急激な積雪があったとしても、命綱固定アンカー100が屋根上の積雪によって埋もれる可能性が低減される。具体的には、雪下ろしを行う作業者は、少なくとも伸長させた第2支柱146が積雪上から突出するため、雪下ろしを行う作業者が命綱固定アンカー100の位置を容易に見つけることができる。
【0033】
なお、第2支柱146には、伸縮可能な第3支柱(図示せず)、以下同様に、第3支柱には伸縮可能な第4支柱等を順次設けてもよい。この場合、各支柱の長さを短くすることができ、夏季等の不使用時には縮小することにより屋根の外観を良くすることができる。
【0034】
図6は、
図1に示す命綱固定アンカー100における第1支柱部141の上部150を右側面から見た拡大図である。
【0035】
図6に示すように、支柱140には、
図1のベース部材110に取り付けられた端部から離れた部分にフック160が設けられている。例えば、
図6ではフック160は、第1支柱141の上部150に設けられている。
【0036】
フック160の数は特に限定されない。例えば、ベース部材110に複数本の可撓性線条体が設けられる場合、複数のフックが支柱140に設けられていてもよい。
【0037】
さらに、
図6に示す配置に代えて、フックは第2支柱146の上方部分(例えば上方端部)に設けられていてもよい。その場合、積雪した屋根上において、作業者は第2支柱146を発見する場合、フックとともにフックに係止された可撓性線条体の係合部も簡単に発見することができる。
【0038】
またさらに、フックは第1支柱141の上部150と、第2支柱146の上方部分(例えば上方端部)の両方に設けられていてもよい。
【0039】
また再び
図1を参照すると、本発明の命綱固定アンカー100において、可撓性線条体170はベース部材110から撓んで延びている。ここで、本明細書に用いられる用語「撓んで延びている」とは、ベース部材110から上部150までの最短距離よりも長い状態を指して言う。これにより、可撓性線条体170が上部150に係止されている状態において、作業者はフック160から可撓性線条体170を容易に取り外すことができる。本発明において可撓性線条体170の撓みの程度は特に限定されず、例えば、フック160からの作業者による人為的な取り外しの容易さ、屋根上に設置した際の風雪等によるフック160からの非人為的な取り外しの防止等の観点から、当業者によって適切に調整され得る。
【0040】
可撓性線条体170は、例えば、ワイヤー、ロープなどの作業者(人体)の命綱と接続した際に当該作業者の移動を妨げることなく、十分な強度を有する材料で構成されている。ワイヤーとしては、金属を細長く延ばした紐状のものや、これをねじる撚り合わせた金属製ロープ等が含まれる。耐腐食性、積雪切断性、自立性等の点で優れているとの理由から、可撓性線条体170はワイヤーであることが好ましい。可撓性線条体170は両端に係合部172,174が設けられており、一方の係合部174がベース部材110のアイスストラップ118内に通され、他方の係合部172が支柱140の上部150(例えばフック160)と係止できるように構成されている。
【0041】
本発明の命綱固定アンカーは、屋根上で水平方向に配設された取付部(例えば単管パイプ)や屋根棟部等に取り付けて使用される。例えば、本発明の命綱固定アンカーを屋根上の水平方向に配設された場合について説明すると(
図7)、作業者は、積雪後の雪下ろしを行う際、まずは、積雪部分500の表面から突出した、支柱140(例えば、第1支柱141または第2支柱146)を探すことが求められる。その際、
図7のように積雪部分500から支柱140の上部150(例えばフック160)が露出している場合には、作業者の命綱が当該上部150に係止された可撓性線条体170の係合部172に接続される。
【0042】
あるいは、積雪部分500内に支柱140の上部150が埋もれていた場合には、作業者は、まずは本発明の命綱固定アンカー100の第2支柱146を探し出し、発見した第2支柱146の周囲を掘り進めることで、当該支柱140の上部150とフック160に係止された可撓性線条体170の係合部172を見つけ出すことができる。その後、上記と同様に作業者の命綱が可撓性線条体170の係合部172に接続される。
【0043】
なお、本発明において、可撓性線条体170の端部(
図7に示す作業者の命綱が接続された係合部172とは反対の係合部174)は、下方に位置するベース部材110と接続されているので、作業者の命綱を通じて可撓性線条体170に大きな荷重がかけられたとしても、ベース部材110の引張強度や引抜耐力は十分保持され得る。このため、作業者は安全性が一層高められた状態で屋根上の雪下ろしを行うことができる。
【符号の説明】
【0044】
100 命綱固定アンカー
110 ベース部材
112,114 L字アングル
118 アイストラップ
120 第1底面
121a,121b 逆凹状の溝
122 第1上面
124 第2上面
126 正凹状の中央溝
128,130 正凹状の端部溝
132,134 U字ボルト
136 第2底面
138 第3底面
139 ボルト穴
140 支柱
141 第1支柱
146 第2支柱
150 端部
160 フック
170 可撓性線条体
172,174 係合部
300 単管パイプ
400 屋根棟部
500 積雪部分