(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053852
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】職業体験装置および職業体験システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20240409BHJP
G09B 5/06 20060101ALI20240409BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
G06Q50/20
G09B5/06
G09B19/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160311
(22)【出願日】2022-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】515137750
【氏名又は名称】株式会社ギルドヒーローズ
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】森井 聡
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C028AA10
2C028AA12
2C028BB04
2C028BB06
2C028BC05
2C028BD01
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】ユーザがSDGsの課題と解決方法を学びながら、自ら進んで職業体験を行う職業体験装置および職業体験システムを提供するものである。
【解決手段】本発明の一実施の形態である情報処理端末装置110は、アナログ画像またはデジタル画像の少なくとも一方により構成される仮想空間を表示する表示部114と、カードゲーム情報とキャラクタ情報と事業者の事業情報と背景情報とに基づいて前記仮想空間に表示される画像を生成する生成部115と、前記仮想空間と、および前記仮想空間に表示される前記画像を表示部114に表示させる制御部111と、前記仮想空間と、および前記仮想空間に表示される前記画像を保持する記憶部112とを備える。また、前記事業情報は、前記事業者の事業における持続可能な開発目標に関連する情報を含む情報処理端末装置110である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログ画像またはデジタル画像の少なくとも一方により構成される仮想空間を表示する表示部と、
カードゲーム情報とキャラクタ情報と事業者の事業情報と背景情報とに基づいて前記仮想空間に表示される画像を生成する生成部と、
前記仮想空間と、および前記仮想空間に表示される前記画像を表示部に表示させる制御部と、
前記仮想空間と、および前記仮想空間に表示される前記画像を保持する記憶部と、
を備える情報処理端末装置であって、
前記事業情報は、前記事業者の事業における持続可能な開発目標に関連する情報を含む情報処理端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記制御部が表示する画像は、前記仮想空間で前記カードゲーム情報に基づきキャラクタ同士が対戦することを含む情報処理端末装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置において、
前記制御部が表示する画像は、前記仮想空間で前記事業者の事業における持続可能な開発目標に関連する職業体験を体験することを含む情報処理端末装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3に記載の情報処理装置において、
前記制御部が表示する画像は、販売していないアイテム等を取得することができるイベントを含む情報処理端末装置。
【請求項5】
キャラクタが表示された複数のカードを含み、複数の前記カードのうち、対戦場所に出された少なくとも2のカードに表示されている前記キャラクタ同士で対戦させる、カードセットにおいて、
複数の前記カードのそれぞれに設けられて前記キャラクタを表示するキャラクタ表示部と、
複数の前記カードのそれぞれに設けられて前記キャラクタが所持するアイテムを表示するアイテム表示部と、
複数のカードのそれぞれに設けられて対戦相手となるキャラクタに与えるダメージを表示するダメージ表示部と、
複数のカードのそれぞれに設けられて事業者の事業情報を表示する事業情報表示部と、
を備え、
前記事業情報は、前記事業者の事業における持続可能な開発目標に関連する情報を備える、カードセット。
【請求項6】
通信可能な少なくとも1つの情報処理端末装置と、
通信可能な情報処理装置と、
を備える職業体験システムであって、
カードゲーム情報とキャラクタ情報と事業者の事業情報と背景情報とに基づいて前記仮想空間に表示される画像を生成する生成処理と、
前記仮想空間と、および前記仮想空間に表示される前記画像を表示部に表示させる制御処理と、
前記仮想空間と、および前記仮想空間に表示される前記画像を保持する記憶処理と、
を備える情報処理端末装置であって、
前記事業情報は、前記事業者の事業における持続可能な開発目標に関連する情報を含む職業体験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、職業体験装置および職業体験システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からバーチャルリアリティー(VR)技術を用いて仮想空間上で職業体験や職業訓練を行う装置が知られている。また、昨今世界的に、SDGsが提唱されているが、我が国の企業が本格的にSDGsの課題とその解決方法に取り組んでいるか否かが一般のユーザに認知されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1には、「仮想空間で職業の訓練を可能にする職業訓練装置において、職業訓練を行うための仮想空間画像を表示する仮想空間表示部と、物を取り扱う職業の現場を再現し、前記職業訓練装置の利用者に物を取り扱わせる作業を仮想的に実行可能にする仮想空間画像を前記仮想空間表示部に表示させる表示制御部と、前記利用者の動作に関する情報を取得する取得部と、前記利用者が物を取り扱うときに前記取得部により取得された前記動作に関する情報に基づいて前記利用者の丁寧さを評価する評価部と、前記評価部で評価された評価結果を表示する結果表示部とを備えていることを特徴とする職業訓練装置。」が記載されている。
【0005】
しかし、特許文献1は、VR技術を利用して仮想空間で職業を体験させることによってその職業に対する適性を判断するものである。また、丁寧さに関する評価を適切にかつ客観的に行える職業訓練装置を提供することを主眼に置いている。
ユーザが企業のSDGsの課題と解決方法を学びながら、自ら進んで職業体験を行うことを提供するものではない。
【0006】
本発明の目的は、ユーザがSDGsの課題と解決方法を学びながら、自ら進んで職業体験を行う職業体験装置および職業体験システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に置いて開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
【0008】
本発明の一実施の形態である情報処理端末装置は、アナログ画像またはデジタル画像の少なくとも一方により構成される仮想空間を表示する表示部と、カードゲーム情報とキャラクタ情報と事業者の事業情報と背景情報とに基づいて前記仮想空間に表示される画像を生成する生成部と、前記仮想空間と、および前記仮想空間に表示される前記画像を表示部に表示させる制御部と、前記仮想空間と、および前記仮想空間に表示される前記画像を保持する記憶部とを備える情報処理端末装置であって、前記事業情報は、前記事業者の事業における持続可能な開発目標に関連する情報を含む情報処理端末装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザがSDGsの課題と解決方法を学びながら、自ら進んで職業体験を行う職業体験装置および職業体験システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施の形態におけるSDGs関連の職業体験システムの概略図である。
【
図2】本発明の一実施の形態における職業体験のシステム構成図である。
【
図3】本発明の一実施の形態における情報処理装置のブロック構成図である。
【
図4】本発明の一実施の形態における情報処理端末装置のブロック構成図である。
【
図5】本発明の一実施の形態におけるカードゲームのコンセプトを示す外観図である。
【
図6】本発明の一実施の形態におけるキャラクタ(擬人化された主人公、ヒーロー・モンスター)の創作の模式図である。
【
図7】本発明の一実施の形態における初期のカードゲームの一覧を示す外観図である。
【
図8】本発明の一実施の形態におけるカードを示す外観図である。
【
図9】本発明の一実施の形態におけるカードの属性相対表である。
【
図10】本発明の一実施の形態における対戦の画面例である。
【
図11】本発明の一実施の形態におけるビジネスモデル(収入)の一例である。
【
図12】本発明の一実施の形態におけるビジネスモデル(提供)の一例である。
【
図13】本発明の一実施の形態におけるフローチャートである。
【
図14】本発明の一実施の形態における選択を示す概念図である。
【
図15】本発明の一実施の形態における職業体験を示す画面例である。
【
図16】本発明の一実施の形態における情報処理端末装置のデータ構造の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。また、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
本発明の一実施の形態である情報処理端末装置110は、アナログ画像またはデジタル画像の少なくとも一方により構成される仮想空間を表示する表示部114と、カードゲーム情報とキャラクタ情報と事業者の事業情報と背景情報とに基づいて前記仮想空間に表示される画像を生成する生成部115と、前記仮想空間と、および前記仮想空間に表示される前記画像を表示部114に表示させる制御部111と、前記仮想空間と、および前記仮想空間に表示される前記画像を保持する記憶部112とを備える。また、前記事業情報は、前記事業者の事業における持続可能な開発目標に関連する情報を含む情報処理端末装置110である。
<システム構成>
図1は、本発明の一実施の形態におけるSDGs関連の職業体験システムの概略図である。
【0012】
図1に示されるように、開発・企画・運営会社がSDGs関連のカードゲームやSDGs関連の職業体験のシステムを開発し、企画し、運営する。同時に、SDGs関連のカードゲームやSDGs関連の職業体験のシステムの企画に協賛する企業を募る。
ユーザは、開発・企画・運営会社が提供したカードゲームで遊びながらSDGsの課題や解決策を学ぶことができる。その際、ユーザは、企業が注力しているSDGsの課題や解決策を知り、その企業を応援するべくその企業の商品やサービスを購入する。
また、開発・企画・運営会社は、社会科見学や職業体験や両親の職業イラスト大会などの特別なイベントを企画してユーザに通常は購入することができないもの(例えば、レアカード)を進呈する。
さらに、後継者不足で大きな悩みを抱えている地方では、地元の子供たちに地場産業など職業について学んでもらい将来の職業の担い手になってもらう地方創生に取り組むことが可能となる。
具体的には、例えばSDGsに貢献している企業が再利用した素材で何か作る会社であり、企業の経営者やその製品開発者、若しくは職人が学生へ授業をする。そして、学生たちがその企業の製品についてインタビューをして、素材がどれだけ地球環境によいものか、素材がどれだけ循環されているかを企業から学び、それを学生の視点でまとめ、それがSDGsにどう貢献しているか伝えるレポート提出する。企業は、それを株主やCSR広告的に使用することができる。
【0013】
図2は、本発明の一実施の形態における情報処理装置システム1の構成図である。情報処理装置システム1は、情報処理装置100と、情報処理端末装置110と、他の情報処理端末装置120と、通信ネットワーク130とを備えている。本発明である職業体験システムの一実施の形態である。
【0014】
本発明にかかる情報処理装置100は、サーバ装置の一実施形態であり、一般的なPC装置である。情報処理装置100にアクセスする際には、所定の認証、例えば、ID情報とパスワード情報を要し、ID情報とパスワード情報とを照合することでアクセス可能に構成される。
【0015】
本発明にかかる情報処理端末装置110は、職業体験装置の一実施形態であり、本発明にかかるカードゲームなどを実施するものである。情報処理端末装置110は、一般的なPC端末装置であってもよいし、スマホやタブレットであってもよいし、ゲーム機であってもよい。
情報処理端末装置120は、他の情報処理端末装置であり一般的なPC端末装置等である。
【0016】
通信ネットワーク130は、インターネット、イントラネット、無線LAN、及び4Gや5G携帯電話システムネットワーク等より構成される。
【0017】
図3は、本発明の一実施の形態における情報処理装置100のブロックである。
図3に示されているように、情報処理装置100は、制御部101と、記憶部102と、通信部103と、表示部104と、操作部105とを備えている。
【0018】
制御部101は、主にCPUである。制御部101は、情報処理装置100にインストールされたアプリケーション(ソフトウェアプログラム)を実行して、情報処理装置100を統括制御する。
制御部101は、記憶部102に格納された情報を読み込み、読み込んだ情報を表示部104に表示させる命令などを行う。
【0019】
記憶部102は、表示部104に表示される文字情報、画像情報、動画情報等のデータが格納されている。記憶部102には、一時記憶としてメモリがあり、永久記憶としてHDDやSSDがある。
メモリは、制御部101が処理を行う際のワークエリアとして機能するものである。メモリは、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)及び静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)などである。
【0020】
通信部103は、情報処理装置100が情報処理装置100の外部と情報のやり取りを行うものである。具体的には、通信部103は、光ファイバー、イーサネット(ETHERNET)、無線LAN等で情報処理装置100の外部と接続される。
【0021】
表示部104は、記憶部102に格納されたテキストデータ、画像データ、動画データを出力する。表示部104は、ディスプレイ等である。
【0022】
操作部105は、情報の入出力のための操作である。具体的には、キーボードや、マウスや、タッチパネルなどである。
【0023】
図4は、本発明の一実施の形態における情報処理端末装置110のブロック構成図である。情報処理端末装置110は、制御部111と、記憶部112と、通信部113と、表示部114と、音声出力部115と、音声入力部116、画像認識部117、操作部118とを備えている。
情報処理端末装置110、具体的には、一般的なPC端末装置であってもよいし、スマホやタブレットであってもよいし、ゲーム機であってもよい。
【0024】
制御部111は、主にCPUである。制御部111は、情報処理端末装置110にインストールされたアプリケーション(ソフトウェアプログラム)を実行して、情報処理端末装置110を統括制御する。
また、制御部111は、仮想空間、および仮想空間上に表示されるキャラクタの動作やゲームの進行などを制御する。
【0025】
記憶部112は、表示部118に表示される文字情報、画像情報、動画情報等のデータが格納されている。記憶部112には、一時記憶としてメモリがあり、永久記憶としてHDDやSSDがある。
メモリは、制御部111が処理を行う際のワークエリアとして機能するものである。メモリは、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)及び静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)などである。
具体的には、記憶部112は、カードゲーム情報とキャラクタ情報と事業者の事業情報と背景情報などを一時的に保持し、または永久的に記憶する。
【0026】
通信部113は、情報処理端末装置110が情報処理端末装置110の外部と情報のやり取りを行うものである。具体的には、通信部113は、光ファイバー、イーサネット(ETHERNET)、無線LANなどで情報処理端末装置110の外部と接続される。
【0027】
表示部114は、記憶部112に格納されたテキストデータ、画像データ、動画データを出力する。表示部114は、液晶ディスプレイ、HMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)、スマートグラス等である。
【0028】
生成部115は、カードゲーム情報とキャラクタ情報と事業者の事業情報と背景情報に基づいて仮想空間に表示される情報を生成する。カードゲーム情報には、カードの種類、枚数、色、ギルド情報、属性、カードゲームのルールなどが含まれる。キャラクタ情報には、キャラクタの360度の外観、表情、属性、動作など画像、動画、音声等が含まれる。事業者の事業情報には、企業名やその企業が取り組んでいるSDGsの課題と解決策などが含まれている。背景は、都市や森林や山岳や海中などのイメージ画像であり、予め設定されているものでもよいし、ユーザの好みに応じて選択・変更してもよい。
【0029】
音声出力部116は、仮想空間上で、出力される音声を出力する。音声出力部116は、具体的には、スピーカーである。また、有線、無線を問わず、情報処理端末装置110に接続されヘッドホンやHDMで音声を出力してもよい。
音声入力部116は、仮想空間上で、入力される音声を出力する。音声入力部116は、具体的には、マイクである。また、有線、無線を問わず、情報処理端末装置110に接続されヘッドホンやHDMで音声を入力してもよい。
【0030】
画像認識部117は、情報処理端末装置110を操作している者を認識するものである。画像認識部117は、具体的には、カメラである。通信相手や対戦相手に対して、ユーザ自信を表示するものである。必ずしもユーザ自信を表示する必要はなく、ユーザ自身をモチーフとしたアバター表示してもよい。
【0031】
操作部118は、音声以外の情報の入出力のための操作である。具体的には、キーボードや、マウスや、タッチパネルや、コントローラなどである。
【0032】
図5は、本発明の一実施の形態におけるカードゲームのコンセプトである。ユーザは、SDGs関連のカードゲームで、職業について楽しく遊びながら学ぶことができる。具体的には、ユーザは、カードゲームを通じて、その職業の基本的な用語(原価、売上、利益など)、商品やサービスを提供するまでの工程(製造工程、事前準備など)、その企業が取り組んで切るSDGsの課題と解決策について学ぶことができる。
【0033】
ユーザが自らその課題に取り組む場合、他にどのような解決方法があるかを検討してもよい。そこで、ユーザが気づいたことは、企業側にとって貴重な意見となり得る。アンケートとは異なり、率直で忌憚のない意見を吸い上げる良い機会である。
企業側は、ユーザからの意見をもとにカードゲームの改善、工夫、カードの種類の追加などを行うことができる。
【0034】
図6は、カードゲームのキャラクタ(擬人化された主人公、ヒーロー・モンスター)の創作の模式図である。
例えば、飲食業であれば、調理に火を使用するイメージのため、「火ギルド」という名称をつけて、その「火ギルド」のイメージキャラクタを創作する。また、漁業であれば、海川湖と水をイメージするため「水ギルド」という名称をつけて、その「水ギルド」のイメージキャラクタを創作する。さらに、航空業であれば、風をイメージするため、「風ギルド」という名称をつけて、その「風ギルド」のイメージキャラクタを創作する。
【0035】
図7は、カードゲームの種類、枚数を示した初期のカーゲームセット200の図である。
カーゲームセット200のギルドの種類は、火、水、風、森、雷、土、金、光、闇の9種類(属性)ある。ギルドに属さないカードは、その他としている。
各ギルドカードは、15枚である。その他のカードは、8枚である。カードは、後から新しい種類を追加することが可能である。
【0036】
カードゲームは、対戦型のゲームである。キャラクタとモンスターとのバトルである。複数枚のカードを所有し、交互に攻撃と防御を行う。
お互いの攻撃と防御、および属性の相性によってダメージが決定される。ダメージにより所定の体力がゼロ以下になった場合には、そのカードは負けであり、排除される。
カードゲームは、物理的なカードを使用して遊んでもよいし、仮想空間上で作成されたカードを使用して遊んでもよい。仮想空間上でのカードゲームは、オンラインでもよいし、オフラインでもよい。
【0037】
図8は、カードの詳細を示した図である。例えば、「火ギルド」について説明する。キャラクタカード210には、キャラクタ名称211と、ギルド名称212と、キャラクタ213と、武器214と、SDGsの課題215と、攻撃/防御数値216とを備えている。
【0038】
キャラクタ名称は、ギルドに対応した名称が望ましい。ギルド名称212は、「火ギルド」である。キャラクタは、デザイナにより創作される。将来的には、特別イベントなどでユーザが創作したキャラクタを採用し、ユーザが創作したキャラクタをベースにしてデザイナがそのキャラクタを完成させてもよい。企画会社からアートプレナーとしてのビジネス資格を付与してもよい(アートプレナー教育)。なお、アートプレナーとはクリエイティブ系起業家を意味する。
武器214は、キャラクタが使用するギルドに特徴的な攻撃武器である。攻撃/防御の数値216は、攻撃力の数値と防御力の数値を示したものである。
【0039】
SDGsの課題215は、協賛企業が取り組んでいるSDGsの課題と解決策について記載されている箇所である。例えば、飢餓問題や食糧危機問題を解決するべく、バイオテクノロジー技術を用いて、天候不順や天災被害の影響を受けずに安定的に食料を供給できるようにすることである。また、すべての子供に質の高い教育を受けさせるべく、教師の数を増やしたり、オンライン授業のためのオンライン機器の環境を整えたりすることである。
カードゲームのユーザは、カードで遊ぶたびに協賛企業名や、協賛企業の商品名・サービス名や、協賛企業の名称が取り組んでいるSDGsの課題と解決策について学ぶことが可能となる。
【0040】
キャラクタカード210以外には、マナカード220がある。ユーザは、マナカード220を所持していない場合には、相手を攻撃することができない。
火マナ221は、マナカードの属性を示している。この例では、火属性である。また、マナカードの中央にあるギルド222は、属性のイメージ図である。
【0041】
図9は、キャラクタカードの属性相対表230である。各属性は、他の属性のうちの1つ乃至2つ強い/弱い特性を持っている。例えば、火は風と森に強く(231)、火は、水と金に弱い(232)などである。
対戦において、属性を考慮して攻撃/防御が算出される。すなわち、火属性のキャラクタは、風属性または森属性のキャラクタに対して、防御を考慮しないでダメージを与えることが可能である。一方、属性のキャラクタは、風属性および森属性以外のキャラクタに対して、防御を考慮したダメージを与えることが可能である。
ギルドの種類(属性)が追加された場合には、属性相対表230も更新される。
【0042】
図10は、仮想空間上でカードゲームをした場合の対戦状況の画面例240である。画面例240には、自己のキャラクタ241と対戦相手のキャラクタ242が表示される。また、サブ画面として、相手目線の画像243が画面例240の右上に表示されてもよい。
ユーザは、操作部118を用いてカードゲームで遊ぶだけでなく、音声入出力部116を通じて、カードゲームで遊んでもよい。対戦の際、音声入出力部116から効果音や短い動画が流れてもよい。また、対戦中にお手洗いに行きたくなることもあり、電話がかかってくることもあるため、一時停止する機能を備えていてもよい。
【0043】
図11、および
図12は、本発明における収益モデルの一例である。開発・企画・運営会社は、協賛企業に対して、イベント企画や企業コラボレーションを提案する。開発・企画・運営会社は、協賛企業から企画収入を得ることができる。また、開発・企画・運営会社は、イベント企画を通じて新キャラクタやアイディアを得ることができる。
【0044】
開発・企画・運営会社は、ユーザに対しては、オンラインシステム環境を提供する。また、開発・企画・運営会社は、ユーザに対しては、カードゲーム用のカードを有償提供する。
ユーザは、オンライン/オフライン環境においてカードゲームでSDGs関連の職業を学習することができる。また、物理的なカードゲームで、SDGs関連の職業を学習することができる。
開発・企画・運営会社は、ユーザからオンラインシステム収入やカード販売収入を得る。
【0045】
協賛企業は、ユーザに対して、SDGs関連の職業の学びの機会を提供する。ユーザがSDGsを通じて、ユーザが関心を持つ企業について学ぶことができる。
【0046】
実際にユーザが企業を訪問し、リアルな職業体験をすることも可能である。遠距離、費用などため訪問が難しい場合には、バーチャルリアリティー(VR)技術を用いて仮想空間上で職業体験をすることも可能である。
安全性の面からバーチャルリアリティー(VR)技術を用いて仮想空間上で職業体験の方が望ましい場合もある。例えば、航空機の操縦、溶鉱炉での溶接、建築現場での施工などである。
【0047】
開発・企画・運営会社と協賛企業は、特別イベントを開催することができる。ユーザが特別イベントに参加した場合には、通常では手に入れることができないレアカードやレアアイテムを手に入れることが可能となる。
【0048】
特別イベントの例としては、両親の職業をイラストで表現するイベント(両親の職業イラスト大会)などである。子供は両親の職業を通じて、イメージイラストを作成する。これをイベントで発表することができる。関連したSDGs関連も同時に学ぶことができる。その他、期間限定の展示会など行われる新商品や新サービスを体験するコーナである。
【0049】
地方創生を目的として、後継者不足で大きな悩みを抱えている地方では、地元の子供たちに地場産業など職業について学んでもらい将来の職業の担い手になってもらう社会科見学、職業体験など企画・開催することもできる。
【0050】
ユーザは、自分の気に入った協賛企業の商品・サービスを購入し得る。また、ユーザは、自分の気に入った協賛企業の商品・サービスを購入し、SNSで自ら感想・賛辞を述べたりする。場合によっては、欠点や改善点を提供することもある。
【0051】
ユーザは、ゲームについての新キャラクタや新しい要素を提供することができる。そのままでは、採用することができない場合であっても、新キャラクタや新しい要素に基づいて、プロのデザイナやゲーム制作者が補助し、ゲームに導入することが可能である。
【0052】
図13は、本発明の一実施形態であるSDGs関連の職業体験システムのフォローチャートである。
SDGs関連の職業体験システムにおける情報処理端末装置110は、電源の投入により、制御部111により初期プログラムが起動し、初期画面が立ち上げられる(S10)。
【0053】
情報処理端末装置110は、カードゲーム、または職業体験、または特別イベントを選択する画面に遷移し、カードゲーム、または職業体験、または特別イベントのうちいずれか一つが選択される(S20)。この際、学習記録情報に基づいたレコメンドを提示ししてもよい。また、一定時間選択されない場合には、初期画面に戻ってもよし、省電力モードに遷移してもよい。
【0054】
例えば、カードゲームが選択された場合、ユーザが一人でカードゲームを遊べるようにコンピュータと対戦することができるスタンドアローンモードを選択することが可能である。
図14に選択の概念
図250を示す。このスタンドアローンモードは、オンラインでもオフラインでもよい。
クラウドを選択された場合には、オンライン上に存在するユーザを適宜選択して、対戦することが可能である(S30)。
【0055】
例えば、職業体験が選択された場合、大カテゴリーの中からユーザが学びたい職カテゴリーが選択される。次に職業カテゴリーからユーザが学びたい職業を選択される。職業カテゴリーや職業を選択するのではなく、プルダウンで表示・選択してもよい。
図14に選択の概念
図260を示す。特別イベントについても職業体験と同様である。
【0056】
カードゲームや職業体験などについて、SDGsを学習した後、情報処理端末装置110は学習項目や学習時間等を記憶部112に格納する(S40)。
記憶部112に格納された学習項目や学習時間等の学習記録情報は、制御部111の指令を受けて、通信部113を通じて、情報処理装置100の記憶部102に格納されてもよい(クラウドバックアップ)。
【0057】
情報処理端末装置110は、ユーザの学習記録情報に基づいてSDGs関連の職業のレコメンドを作成してもよい(S50)。次回学習時に、ユーザに対して、関連するSDGsや職業のレコメンドを提示してもよい。
情報処理装置100は、記憶部102に格納されている多数のユーザの学習記録情報に基づいて、AI技術のディープラーニング等により学習し、ユーザにSDGs関連の職業のレコメンドを作成してもよい(S50)。この際、教師データは、ユーザの学習記録情報である。
【0058】
図15は、職業体験で菓子を選択した場合の画面例270である。菓子の中でも色々あるが、そのうちの一実施例を示すスイーツ(クッキー等)を作成する画面例270である。ユーザは画面を操作して、職業体験をすることができる。
制御部111は、表示部114にメインの画面の中にオーブン画像と火ギルドキャラクタとレシピが表示させる。本画面例では、左半分上部にオーブン、左半分下部に火ギルドキャラクタ、そして右半分にレシピが表示される。
また、制御部111は、左上に現在体験している職業を表示部114に表示させる。さらに、メイン画面の下部に字幕エリア、操作エリア、商品購入エリアが表示される。
字幕エリアには、日本語その他の外国語が表示される。操作エリアは、画像の解像度、音量やコメント等が含まれている。商品購入エリアには、現在職業体験で使用している商品等が購入できるECサイトのURL等が表示される。
【0059】
図16(a)は、カードゲーム情報のデータ構造300の一例である。カードゲーム情報のデータ構造300は、カード番号と、キャラクタ名と、ギルドと、武器と、マナと、攻撃と、防御と、相対表(強)と、相対表(弱)とを備えている。
仮想空間上のカードゲームで対戦をする場合などは、データ構造300を参照する。
【0060】
図16(b)は、事業者の事業情報のデータ構造310の一例である。事業者の事業情報のデータ構造310は、企業名と、事業と、SDGsの課題と、SDGsの解決策と、コラボ企画情報と、イベント情報とを備えている。同一の企業で複数の事業と、複数のSDGsの課題と、複数のSDGsの解決策と、複数のコラボ企画情報と、複数のイベント情報を備えていてもよい。
仮想空間上のイベント体験をする場合などは、データ構造310を参照する。
<本実施の形態の効果>
【0061】
本実施の形態の効果は、本発明によれば、ユーザがSDGsの課題と解決方法を学びながら、自ら進んで職業体験を行う職業体験装置および職業体験システムを提供することができる。
また、開発・企画・運営会社は、社会科見学や職業体験や両親の職業イラスト大会などの特別なイベントを企画して企業のSDGsの取り組みや製品・サービスをユーザに広めることができる。一方、ユーザは、自ら発案したアイディアなどを披露する機会を得ることができる。
さらに、後継者不足で大きな悩みを抱えている地方では、地元の子供たちに地場産業などの職業について学んでもらい将来の職業の担い手になってもらう地方創生に取り組むことが可能となる。
【符号の説明】
【0062】
1 職業体験システム
100 情報処理装置
110 情報処理端末装置
111 制御部
112 記憶部
113 通信部
114 表示部
115 生成部
116 音声入出力部
117 画像認識部
118 操作部
130 通信ネットワーク
200 カード一覧
210 キャラクタカード
211 キャラクタ名称
212 ギルド名称
213 キャラクタ
214 武器
215 SDGsの課題
216 攻撃/防御数値
220 マナカード
221 火マナ
222 ギルド
230 キャラクタカードの属性相対表
240 対戦の画面例
250 選択の画面例(カードゲーム)
260 選択の画面例(職業体験/イベント)
270 職業体験の画面例
300 カードゲーム情報のデータ構造
310 事業者の事業情報のデータ構造