特開 2024-5386 情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024005386

(43)【公開日】2024-01-17

(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム

(51)【国際特許分類】

   G06Q 10/04 20230101AFI20240110BHJP

【ＦＩ】

G06Q10/04 300

【審査請求】未請求

【請求項の数】18

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022105545

(22)【出願日】2022-06-30

(71)【出願人】

【識別番号】512139135

【氏名又は名称】ココネット株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100209956

【弁理士】

【氏名又は名称】澤井 周

(71)【出願人】

【識別番号】517331376

【氏名又は名称】株式会社エアロネクスト

(72)【発明者】

【氏名】河合 秀治

(72)【発明者】

【氏名】樋口 忠成

(72)【発明者】

【氏名】田路 圭輔

(72)【発明者】

【氏名】堀 拓也

【テーマコード（参考）】

5L049

【Ｆターム（参考）】

5L049AA16

(57)【要約】

【課題】受取者の代理である代理者が円滑に荷物を受け取ることを可能とする。
【解決手段】荷物の宛名に指定されている受取者の代理で前記荷物を受け取ることが可能な代理者の候補を前記代理者として設定する制御部と、前記代理者または前記代理者の候補に対して前記荷物に関する情報を通知する通信部と、を備える情報処理システム。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

荷物の宛名に指定されている受取者の代理で前記荷物を受け取ることが可能な代理者の候補を前記代理者として設定する制御部と、
前記代理者または前記代理者の候補に対して前記荷物に関する情報を通知する通信部と、
を備える情報処理システム。

【請求項2】

前記通信部は、前記代理者または前記代理者の候補に対して前記荷物の到着予定時間を通知する、請求項１に記載の情報処理システム。

【請求項3】

前記通信部は、前記荷物の配送の時間枠に応じた前記荷物の到着予定時間を前記代理者または前記代理者の候補に対して通知する、請求項２に記載の情報処理システム。

【請求項4】

前記通信部は、前記受取者が利用する情報処理端末から、前記受取者の到着予定時間を受信し、当該到着予定時間を前記代理者に対して通知する、請求項１～３のうちいずれか一項に記載の情報処理システム。

【請求項5】

前記通信部は、前記代理者が受け取った荷物が配送員によって前記受取者に配送される場合、前記配送員の到着予定時間を前記代理者または代理者の候補に対して通知する、請求項１～３のうちいずれか一項に記載の情報処理システム。

【請求項6】

前記通信部は、前記荷物が冷凍品であるか否かを前記代理者または代理者の候補に対して通知する、請求項１～３のうちいずれか一項に記載の情報処理システム。

【請求項7】

前記通信部は、前記荷物が取扱注意品であるか否かを前記代理者または前記代理者の候補に対して通知する、請求項１～３のうちいずれか一項に記載の情報処理システム。

【請求項8】

前記取扱注意品は、天地無用、上積み厳禁、なまもの、われもの、の少なくともいずれかである、請求項７に記載の情報処理システム。

【請求項9】

前記通信部は、前記荷物の配送手段を前記代理者に対して通知する、請求項１～３のうちいずれか一項に記載の情報処理システム。

【請求項10】

前記通信部は、前記荷物の配送手段に応じて、前記代理者に対して、準備の指示を通知する、請求項９に記載の情報処理システム。

【請求項11】

前記通信部は、前記荷物の配送手段が無人移動体の場合、前記代理者に対して、前記無人移動体の着陸準備を行うよう通知する、請求項１０に記載の情報処理システム。

【請求項12】

前記通信部は、前記代理者の候補が利用する情報処理端末から、前記荷物の受け取り可否の通知を受信する、請求項１～３のうちいずれか一項に記載の情報処理システム。

【請求項13】

前記通信部は、前記代理者の候補が利用する前記情報処理端末から、前記荷物の受け取りが不可との通知を受信すると、当該代理者の候補と異なる前記代理者の候補に対して荷物の受け取りの代理者の募集を送信する、請求項１２に記載の情報処理システム。

【請求項14】

前記通信部は、前記荷物を受け取り可能な前記代理者を設定できない場合、前記受取者に対し、前記荷物の配送が不可との通知をする、請求項１３に記載の情報処理システム。

【請求項15】

前記通信部は、前記荷物を受け取り可能な前記代理者を設定できない場合、前記受取者に対し、前記荷物の配送の時間枠を再設定するよう通知する、請求項１３に記載の情報処理システム。

【請求項16】

荷物の宛名に指定されている受取者の代理で前記荷物を受け取ることが可能な代理者の候補を前記代理者として設定する制御部と、
前記代理者または前記代理者の候補に対して前記荷物に関する情報を通知する通信部と、
を備える、情報処理装置。

【請求項17】

荷物の宛名に指定されている受取者の代理で前記荷物を受け取ることが可能な代理者の候補を前記代理者として設定することと、
前記代理者または前記代理者の候補に対して前記荷物に関する情報を通知することと、
を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。

【請求項18】

コンピュータを、
荷物の宛名に指定されている受取者の代理で前記荷物を受け取ることが可能な代理者の候補を前記代理者として設定する制御部と、
前記代理者または前記代理者の候補に対して前記荷物に関する情報を通知する通信部と、
として機能させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。

【背景技術】

【0002】

近年、荷物の配送サービスにおいては、配送手段の多様化が進んでおり、多様な配送手段を扱うための技術開発が進められている。例えば、特許文献１には、物流網に関する情報を管理し、当該情報に基づいてエリア内を循環する循環便の運行計画を変更する、物流管理システムが開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０２０－５２５２５号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

このような荷物の配送手段としては、ドローン（Ｄｒｏｎｅ）・無人航空機（ＵＡＶ：Ｕｎｍａｎｎｅｄ Ａｅｒｉａｌ Ｖｅｈｉｃｌｅ）などの無人飛行体および無人地上車両（ＵＧＶ：Ｕｎｍａｎｎｅｄ Ｇｒｏｕｎｄ Ｖｅｈｉｃｌｅ）などの走行体などの自律制御可能な無人移動体が利用され始めている。無人移動体は、所定の離発着所へ荷物を配送する場合がある。ここで、荷物の宛名に指定されている受取者が所定の離発着所で荷物を受け取れない場合、所定の離発着所の管理者等の、受取者の代理者が、荷物を受け取ることが考えられる。しかし、代理者は、荷物に関する情報を知らない場合には、荷物を受け取る際に、当該荷物を受け取る準備ができていない可能性があった。

【0005】

そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、受取者の代理である代理者が円滑に荷物を受け取ることを可能とする、新規かつ改良された技術を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、荷物の宛名に指定されている受取者の代理で前記荷物を受け取ることが可能な代理者の候補を前記代理者として設定する制御部と、前記代理者または前記代理者の候補に対して前記荷物に関する情報を通知する通信部と、を備える情報処理システムが提供される。

【0007】

また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、荷物の宛名に指定されている受取者の代理で前記荷物を受け取ることが可能な代理者の候補を前記代理者として設定する制御部と、前記代理者または前記代理者の候補に対して前記荷物に関する情報を通知する通信部と、を備える、情報処理装置が提供される。

【0008】

また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、荷物の宛名に指定されている受取者の代理で前記荷物を受け取ることが可能な代理者の候補を前記代理者として設定することと、前記代理者または前記代理者の候補に対して前記荷物に関する情報を通知することと、を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法が提供される。

【0009】

また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、荷物の宛名に指定されている受取者の代理で前記荷物を受け取ることが可能な代理者の候補を前記代理者として設定する制御部と、前記代理者または前記代理者の候補に対して前記荷物に関する情報を通知する通信部と、として機能させるためのプログラムが提供される。

【発明の効果】

【0010】

以上説明したように本発明によれば、受取者の代理である代理者による円滑な荷物の受け取りが可能である。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】本発明に係る情報処理システムの概要の説明図である。

【図2】本発明に係る情報処理システムにおける荷物の配送のイメージを示した図である。

【図3】受取者端末１０の内部構成を示す説明図である。

【図4】代理者端末２０の内部構成を示す説明図である。

【図5】代理者管理サーバ３０の内部構成を示す説明図である。

【図6】記憶部３１０に記憶される、荷物Ｌに関する情報の例を示した図である。

【図7】図６に示した荷物Ｌに関する情報が記憶部３１０に記憶されている場合の、代理者Ｐに対する荷物Ｌに関する情報の通知の例を示した図である。

【図8】図６に示した荷物Ｌに関する情報が記憶部３１０に記憶されている場合の、代理者Ｐに対する荷物Ｌに関する情報の通知の例を示した図である。

【図9】図６に示した荷物Ｌに関する情報が記憶部３１０に記憶されている場合の、代理者の候補Ｃに対する荷物Ｌに関する情報の通知の例を示した図である。

【図10】代理者端末２０に送信される代理者の募集の通知の例を示す図である。

【図11】本実施形態に係る代理者管理サーバ３０による動作処理の流れの一例を説明するための説明図である。

【図12】本実施形態に係る代理者管理サーバ３０のハードウェア構成の一例を説明するための説明図である。

【発明を実施するための形態】

【0012】

本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による情報処理システム等は、以下のような構成を備える。
［項目１］
荷物の宛名に指定されている受取者の代理で前記荷物を受け取ることが可能な代理者の候補を前記代理者として設定する制御部と、
前記代理者または前記代理者の候補に対して前記荷物に関する情報を通知する通信部と、
を備える情報処理システム。
［項目２］
前記通信部は、前記荷物の到着予定時間を前記代理者または前記代理者の候補に対して通知する、項目１に記載の情報処理システム。
［項目３］
前記通信部は、前記荷物の配送の時間枠に応じた前記荷物の到着予定時間を前記代理者または前記代理者の候補に対して通知する、項目２に記載の情報処理システム。
［項目４］
前記通信部は、前記受取者が利用する情報処理端末から、前記受取者の到着予定時間を受信し、当該到着予定時間を前記代理者に対して通知する、項目１～３のうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
［項目５］
前記通信部は、前記代理者が受け取った荷物が配送員によって前記受取者に配送される場合、前記配送員の到着予定時間を前記代理者または代理者の候補に対して通知する、項目１～３のうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
［項目６］
前記通信部は、前記荷物が冷凍品であるか否かを前記代理者または代理者の候補に対して通知する、項目１～３のうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
［項目７］
前記通信部は、前記荷物が取扱注意品であるか否かを前記代理者または前記代理者の候補に対して通知する、項目１～３のうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
［項目８］
前記取扱注意品は、天地無用、上積み厳禁、なまもの、われもの、の少なくともいずれかである、項目７に記載の情報処理システム。
［項目９］
前記通信部は、前記荷物の配送手段を前記代理者に対して通知する、項目１～３のうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
［項目１０］
前記通信部は、前記荷物の配送手段に応じて、前記代理者に対して、準備の指示を通知する、項目９に記載の情報処理システム。
［項目１１］
前記通信部は、前記荷物の配送手段が無人移動体の場合、前記代理者に対して、前記無人移動体の着陸準備を行うよう通知する、項目１０に記載の情報処理システム。
［項目１２］
前記通信部は、前記代理者の候補が利用する情報処理端末から、前記荷物の受け取り可否の通知を受信する、項目１～３のうちいずれか一項に記載の情報処理システム。
［項目１３］
前記通信部は、前記代理者の候補が利用する前記情報処理端末から、前記荷物の受け取りが不可との通知を受信すると、当該代理者の候補と異なる前記代理者の候補に対して荷物の受け取りの代理者の募集を送信する、項目１２に記載の情報処理システム。
［項目１４］
前記通信部は、前記荷物を受け取り可能な前記代理者を設定できない場合、前記受取者に対し、前記荷物の配送が不可との通知をする、項目１３に記載の情報処理システム。
［項目１５］
前記通信部は、前記荷物を受け取り可能な前記代理者を設定できない場合、前記受取者に対し、前記荷物の配送の時間枠を再設定するよう通知する、項目１３に記載の情報処理システム。
［項目１６］
荷物の宛名に指定されている受取者の代理で前記荷物を受け取ることが可能な代理者の候補を前記代理者として設定する制御部と、
前記代理者または前記代理者の候補に対して前記荷物に関する情報を通知する通信部と、
を備える、情報処理装置。
［項目１７］
荷物の宛名に指定されている受取者の代理で前記荷物を受け取ることが可能な代理者の候補を前記代理者として設定することと、
前記代理者または前記代理者の候補に対して前記荷物に関する情報を通知することと、
を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
［項目１８］
コンピュータを、
荷物の宛名に指定されている受取者の代理で前記荷物を受け取ることが可能な代理者の候補を前記代理者として設定する制御部と、
前記代理者または前記代理者の候補に対して前記荷物に関する情報を通知する通信部と、
として機能させるためのプログラム。

【0013】

以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。

【0014】

また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットまたは数字を付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、複数の構成要素の各々に同一符号のみを付する。

【0015】

＜＜１．本開示の一実施形態による情報処理システムの概要＞＞
まず、本発明の実施形態における、受取者の代理である代理者が円滑に荷物を受け取ることが可能な、情報処理システムの概要を説明する。

【0016】

図１は、本発明に係る情報処理システムの概要の説明図である。本発明に係る情報処理システムは、図１に示すように、受取者端末１０と、代理者端末２０と、代理者管理サーバ３０と、ネットワーク網５０と、を備える。図１に示したように、受取者端末１０と、代理者端末２０と、代理者管理サーバ３０は、ネットワーク網５０を介して通信可能に構成されている。

【0017】

受取者端末１０は、荷物の宛名に指定されている受取者が利用する情報処理端末である。受取者の荷物は、荷物を管理する荷物管理者などの代理者により一旦受け取られて保管されてもよい。荷物管理者は、コンビニ等の店舗の従業員や荷物を配送する移動体の離発着所の管理者などであり、受取者の住所に応じて、または、受取者の指定操作に応じて設定される受取場所に紐づく者であり得る。また、このように代理者が予め決められている場合に代えて、または、加えて、受取者端末１０は、受取者の代理で荷物を受け取ることが可能な代理者の候補の指定である指定情報を、代理者管理サーバ３０に送信してもよい。

【0018】

受取者は、例えば代理者の候補として特定の人物を指定してもよい。これにより、受取者は、指定した特定の人物に荷物の受け取りの代理を依頼することが可能である。なお、特定の人物は、例えば、家族、友人、荷物を配送する移動体の離発着所の管理者、または町内会の取りまとめ者等の受取者の代理で荷物を受け取る者として適切な人物であることが望ましい。指定情報は、これらの代理者候補のいずれの種別であるかを指定するような情報であってもよいし、特定の代理候補者の識別情報を示す情報であってもよい。

【0019】

また、受取者端末１０は、指定情報に示される者に荷物の受け取りの代理を支援してもらうことを要求する代理支援要求を代理者管理サーバ３０に送信する。受取者は、代理支援要求を送信することにより、受取者の代理での荷物の受け取りを単発の仕事として請け負う者を募集する、代理者の募集を代理者管理サーバ３０に行わせることが可能である。代理支援要求は、指定情報を参照し、指定情報に示される者に一斉に送信されてもよいし、さらに受取者により事前に設定される、指定情報に関連する優先順位情報を参照し、優先順位情報が示す順番にて代理候補種別ごとに送信されてもよい。代理候補種別ごとに順番に送信される場合には、所定の締め切り期間が経過ごとに順次送信されてもよい。締め切り期間情報は、代理候補種別ごとに個別に設定されてもよいし、共通に設定されていてもよい。

【0020】

代理者端末２０は、代理者の候補または代理者が利用する情報処理端末である。代理者端末２０は、荷物の受け取りの代理を依頼する代理リクエスト、代理者の募集の通知、および代理者の設定通知を、代理者管理サーバ３０から受信する。また、代理者端末２０は、荷物に関する情報を、代理者管理サーバ３０から受信する。また、代理者端末２０は、アプリケーション上での承認操作等により荷物の代理受け取りが可能か否かの通知を、代理者管理サーバ３０に送信する。

【0021】

受取者端末１０および代理者端末２０は、例えば、パーソナルコンピュータおよびタブレット端末、スマートフォン、携帯電話、ＰＨＳ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｈａｎｄｙ－ｐｈｏｎｅ Ｓｙｓｔｅｍ）、ＰＤＡ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｄｉｇｉｔａｌ Ａｓｓｉｓｔａｎｔ）等の情報処理端末である。図１に示した例では、受取者端末１０はパーソナルコンピュータであり、代理者端末２０Ａはタブレット端末であり、代理者端末２０Ｂは、スマートフォンである。

【0022】

代理者管理サーバ３０は、情報処理装置の一例である。代理者管理サーバ３０は、荷物の宛名に指定されている受取者の代理で当該荷物を受け取ることが可能な代理者の候補を代理者として設定し、当該荷物に関する各種の情報を代理者候補または代理者に通知する、サーバである。例えば、代理者管理サーバ３０は、ワークステーションまたはＰＣのような汎用コンピュータであってもよいし、クラウドサーバであってもよい。

【0023】

代理者管理サーバ３０は、受取者端末１０から代理者の候補の指定である指定情報を受信すると（または、事前に受信した指定情報を参照して）、当該代理者の候補が利用する代理者端末２０に、代理リクエストを送信する。また、代理者管理サーバ３０は、受取者端末１０から代理支援要求の受信、または、荷物に関する情報に応じて、代理者の候補を選定する。そして、代理者管理サーバ３０は、選定した代理者の候補が利用する代理者端末２０に、代理者の募集の通知を送信する。代理者管理サーバ３０は、代理者端末２０から荷物の代理受け取りが可能との通知を受信すると、当該代理者端末２０を利用する代理者の候補を代理者として設定する。また、代理者管理サーバ３０は、配送される荷物の情報に基づいて代理リクエストの送信および代理者の募集の通知を送信してもよい。また、代理者管理サーバ３０は配送される荷物の情報に基づいて代理者を設定してもよい。

【0024】

ネットワーク網５０は、ネットワーク網５０に接続されている装置から送信される情報の有線、または無線の伝送路である。例えば、ネットワーク網５０は、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網または、Ｅｔｈｅｒｎｅｔ（登録商標）を含む各種のＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）、ＷＡＮ（Ｗｉｄｅ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）などを含んでもよい。また、ネットワーク網５０は、ＩＰ－ＶＰＮ（Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ－Ｖｉｒｔｕａｌ Ｐｒｉｖａｔｅ Ｎｅｔｗｏｒｋ）などの専用回線網を含んでもよい。

【0025】

図２は、本発明に係る情報処理システムにおける荷物の配送のイメージを示した図である。図２では、荷物Ｌが保管されている倉庫ＷＨから移動体Ｍ１で配送される荷物Ｌ１および倉庫ＷＨから移動体Ｍ２で配送される荷物Ｌ２の宛名に指定されている受取者Ｒが、代理で荷物Ｌ１および荷物Ｌ２を受け取ってもらう例を示している。なお、倉庫ＷＨに限らず、小売店及び飲食店等の店舗であってもよい。

【0026】

図２において移動体Ｍ１がトラックであり、移動体Ｍ２が無人移動体である例を示したが、荷物Ｌの配送手段はこれに限られない。例えば、移動体Ｍは、陸路を移動する車両（例えば、乗用車、軽トラック、軽バンなどの貨物自動車、バイク、自転車、キックボードなど）、空路を飛行する飛行体、海路または川路等の水路を移動する船舶等の有人移動体であってもよい。

【0027】

また、移動体Ｍは、始点（例えば、荷物Ｌの配送開始位置や無人移動体１０Ｂの移動開始位置）および終点（例えば、荷物Ｌの受け取り位置）のような２地点の位置、あるいは、さらに中継地点（例えば、荷物Ｌの集荷を伴う配送の場合に、荷物Ｌの集荷位置）や帰還地点（例えば、無人移動体１０の移動開始位置と同じ位置、または、異なる待機位置など）も含めた３地点以上の位置等に関する入力情報を用いて自律制御により移動する無人移動体であってもよい。また、移動体Ｍは、無人移動体を管理する管理者により遠隔で操作入力された操作情報を用いて、遠隔操作により移動する無人移動体であってもよい。無人移動体は、例えば、自律制御により移動するドローン（Ｄｒｏｎｅ）、管理者による遠隔操作により移動する無人航空機（ＵＡＶ）、無人地上車両（ＵＧＶ）等の陸路を移動する車両、または海路または川路等の水路を移動する船舶であってもよい。また、無人移動体は、陸路、水路および空路の少なくとも２以上の経路を移動可能な移動体であってもよい。

【0028】

受取者端末１０を利用する受取者Ｒの代理で荷物Ｌ１を受け取ることが可能に設定された代理者Ｐは、代理者端末２０を介して代理者管理サーバ３０から荷物Ｌ１に関する情報の通知を受け取る。また、代理者管理サーバ３０によって、受取者端末１０を利用する受取者Ｒの代理で荷物Ｌ２を受け取ることが可能な代理者の候補Ｃは、代理者端末２０を介して荷物Ｌ２に関する情報の通知を受け取る。

【0029】

＜＜２．本実施形態による機能構成例＞＞
＜２－１．受取者端末１０の機能構成例＞
以上、本発明の実施形態による情報処理システムの概要を説明した。続いて、受取者端末１０の機能構成例を説明する。

【0030】

図３は、受取者端末１０の内部構成を示す説明図である。図３に示したように、受取者端末１０は、通信部１１０と、操作表示部１２０と、制御部１３０と、を有する。

【0031】

（通信部）
通信部１１０は、ネットワーク網５０を介して代理者管理サーバ３０と通信接続し、データの送受信を行う。例えば、通信部１１０は、受取者Ｒによる操作表示部１２０の操作に基づいて、荷物Ｌの配送依頼を、代理者管理サーバ３０に送信してもよい。配送依頼には、移動体Ｍによる配送の時間枠および荷物Ｌの受け取り位置等の各種要求が含まれ得る。なお、配送の時間枠（以下、配送枠ともいう。）とは、移動体Ｍ（または、移動体Ｍを利用して荷物Ｌを配送する配送員）が配送依頼に対応する時間枠である。例えば、無人移動体Ｍ（または配送員）の１日の配送計画は、所定の配送枠（例えば、無人移動体なら１５分や３０分など、配送員なら１時間など）毎に区切られており、無人移動体Ｍ（または配送員）は、配送枠毎に登録されている荷物Ｌの配送を、当該配送枠が示す時間に対応する。無人移動体Ｍの配送枠では、例えば１または２などの配送先への荷物が登録され、配送員の配送枠では、例えば５から１０など多数の配送先への荷物が登録されていてもよいが、これに限るものではない。また、配送計画および配送枠は、複数の受け取り位置の候補の各々に設定されていてもよい。

【0032】

また、通信部１１０は、代理者管理サーバ３０に荷物Ｌに関する代理者の候補Ｃの指定である指定情報および代理支援要求を送信する。

【0033】

また、通信部１１０は、代理者管理サーバ３０から、宛名に受取者Ｒが指定されている荷物Ｌに関する、荷物Ｌの配送が可能か否かの通知および代理者Ｐの設定状況を受信する。

【0034】

（操作表示部）
操作表示部１２０は、受取者Ｒが受取者端末１０に指示または情報を入力するために操作する構成である操作部としての機能、および制御部１３０による制御に従って各種情報の表示を行う表示部としての機能を包含する。例えば、受取者Ｒは、操作表示部１２０を操作することにより、配送依頼、指定情報、および代理支援要求を、通信部１１０によって代理者管理サーバ３０に送信させる。

【0035】

受取者Ｒは、操作表示部１２０を操作することにより、荷物Ｌ毎に、当該荷物Ｌに関する代理者の候補Ｃを指定してもよい。また、受取者Ｒは、操作表示部１２０を操作することにより、予め一または複数の代理者の候補Ｃを設定してもよい。その場合、受取者Ｒは、操作表示部１２０を操作することにより、予め設定した一または複数の代理者の候補Ｃを、荷物Ｌに関する代理者の候補Ｃとして指定する通知を、通信部１１０によって代理者管理サーバ３０に送信させてもよい。これにより、荷物Ｌ毎に代理者の候補Ｃを指定する受取者Ｒの煩雑さが解消される。また、受取者Ｒは、操作表示部１２０を操作することにより、予め設定した複数の代理者の候補Ｃのうち、一部の代理者の候補Ｃを選択することで、荷物Ｌに関する代理者の候補Ｃを指定してもよい。なお、代理者の候補Ｃが荷物を管理する荷物管理者である場合には、受取者Ｒからの指定情報を介さずに、受取者Ｒの住所に応じて、または、受取者Ｒの指定操作に応じて設定される受取場所に紐づく者が代理者の候補Ｃとして選択される構成であってもよく、本情報システムは当該構成のみのシステムであってもよいし、受取者Ｒによる代理者の候補Ｃの指定を組み合わせたシステムであってもよい。

【0036】

また、受取者Ｒは、操作表示部１２０を操作することにより、代理者Ｐによって受け取られ、保管される荷物Ｌを受け取る際の、受取者Ｒの到着予定時刻を指定し、通信部１１０によって代理者管理サーバ３０に送信させてもよい。

【0037】

また、操作表示部１２０は、代理者管理サーバ３０から通信部１１０に送信された、荷物Ｌの配送が可能か否かの通知および代理者Ｐの設定状況等の情報を表示する。

【0038】

（制御部）
制御部１３０は、受取者端末１０における動作全般を制御する。例えば、制御部１３０は、操作表示部１２０によって取得された、配送依頼、指定情報、および代理支援要求を通信部１１０に送信させる。また、制御部１３０は、通信部１１０によって代理者管理サーバ３０から受信された代理者Ｐの設定状況および荷物Ｌの配送が可能か否かの通知を操作表示部１２０に表示させる。

【0039】

＜２－２．代理者端末２０の機能構成例＞
以上、本発明の実施形態による受取者端末１０の機能構成例を説明した。続いて、代理者端末２０の機能構成例を説明する。

【0040】

図４は、代理者端末２０の内部構成を示す説明図である。図４に示したように、代理者端末２０は、センサ部２１０と、通信部２２０と、操作表示部２３０と、制御部２４０と、を有する。

【0041】

（センサ部）
センサ部２１０は、代理者端末２０の現在位置を検出するセンサである。センサ部２１０は、例えばＧＮＳＳ（Ｇｌｏｂａｌ Ｎａｇａｔｉｏｎ Ｓａｔｅｌｌｉｔｅ Ｓｙｓｔｅｍ）を利用して代理者端末２０の現在位置を検出してもよい。

【0042】

（通信部）
通信部２２０は、ネットワーク網５０を介して代理者管理サーバ３０と通信接続し、データの送受信を行う。通信部２２０は、荷物Ｌに関する情報を代理者管理サーバ３０から受信する。また、通信部２２０は、荷物Ｌの受け取りの代理を依頼する代理リクエスト、代理者の募集の通知、および代理者Ｐの設定通知を代理者管理サーバ３０から受信する。

【0043】

また、通信部２２０は、操作表示部２３０に入力された荷物Ｌの代理受け取りが可能か否かを、代理者管理サーバ３０に通知する。また、通信部２２０は、センサ部２１０によって取得された代理者端末２０の位置情報を代理者管理サーバ３０に送信する。

【0044】

（操作表示部）
操作表示部２３０は、代理者Ｐまたは代理者の候補Ｃが代理者端末２０に指示または情報を入力するために操作する構成である操作部としての機能、および制御部２４０による制御に従って各種情報の表示を行う表示部としての機能を包含する。

【0045】

例えば、操作表示部２３０は、代理者管理サーバ３０から通信部２２０に送信された、荷物Ｌに関する情報を表示する。また、操作表示部２３０は、代理者管理サーバ３０から通信部２２０に送信された、受取者Ｒによる代理リクエスト、代理者の募集の通知、および代理者Ｐの設定通知を表示する。また、代理者の候補Ｃは、操作表示部２３０を操作することにより、荷物Ｌの代理受け取りが可能か否かを入力することが可能である。

【0046】

（制御部）
制御部２４０は、代理者端末２０における動作全般を制御する。例えば、制御部２４０は、操作表示部２３０によって取得された、荷物Ｌの代理受け取りが可能か否かの通知を通信部２２０に送信させる。また、制御部２４０は、通信部２２０によって代理者管理サーバ３０から受信された荷物Ｌに関する情報、代理リクエスト、代理者の募集の通知、および代理者Ｐの設定通知等を操作表示部２３０に表示させる。

【0047】

＜２－３．代理者管理サーバ３０の機能構成例＞
以上、本発明の実施形態による代理者端末２０の機能構成例を説明した。続いて、代理者管理サーバ３０の機能構成例を説明する。

【0048】

図５は、代理者管理サーバ３０の内部構成を示す説明図である。図５に示したように、代理者管理サーバ３０は、記憶部３１０と通信部３２０と、制御部３３０と、を有する。

【0049】

（記憶部）
記憶部３１０は、制御部３３０を動作させるためのプログラムおよび各種データを記憶する。例えば、記憶部３１０は、受取者Ｒの情報である受取者情報を記憶する。受取者情報とは、例えば、受取者Ｒの氏名、サービス内における受取者名、受取者Ｒの識別情報である受取者ＩＤ、メールアドレス、住所または電話番号等の各種基本情報、外部アプリケーションのアカウント情報、および支払情報（クレジットカード情報等）等の情報である。また、記憶部３１０は、受取者Ｒによって予め設定された一または複数の代理者の候補Ｃを記憶する。ただし、受取者情報はこれらに限定されない。

【0050】

また、記憶部３１０は、代理者の候補Ｃの情報を記憶する。代理者の候補Ｃの情報とは、例えば、代理者の候補Ｃの氏名、サービス内における代理者の候補Ｃの名称、代理者の候補Ｃの識別情報である代理者ＩＤ、メールアドレス、電話番号、住所、性別、年齢および外部アプリケーションアカウント情報、代理者の候補Ｃの種別等の情報である。

【0051】

代理者の候補Ｃの種別とは、例えば、特定の受取者Ｒから代理者の候補Ｃとして指定された場合にのみ代理者Ｐとして荷物Ｌの受け取りを行う指定代理者候補、受取者Ｒの代理での荷物Ｌの受け取りを単発の仕事として請け負う請負代理者候補、または所定の離発着所の管理者、等である。また、代理者の候補Ｃの種別として所定の離発着所の管理者が記憶されている場合には、記憶部３１０は、所定の離発着場所の住所を記憶してもよい。

【0052】

また、記憶部３１０は、代理者の候補Ｃの荷物Ｌの受け取りに関する情報を記憶してもよい。荷物Ｌの受け取りに関する情報とは、例えば、荷物Ｌの受け取り手段に関する所定の研修の受講状況の情報、希望受取エリア、身分証明書情報（免許証情報含む）、振込口座情報、代理受取履歴情報等である。荷物Ｌの受け取り手段に関する所定の研修とは、例えば、無人飛行体から荷物Ｌを受け取るための研修である。

【0053】

また、記憶部３１０は、受取者端末１０を利用する宛名に受取者Ｒが指定されている荷物Ｌに関する情報を記憶する。

【0054】

荷物Ｌに関する情報は、例えば、荷物Ｌの識別情報である荷物ＩＤを含む。また、荷物Ｌに関する情報は、荷物Ｌの受取者Ｒの受取者ＩＤ、荷物Ｌの配送先、荷物Ｌの到着予定時刻、荷物Ｌの配送手段、荷物Ｌの配送方法、荷物Ｌの受取後の取扱に関する情報等の、荷物Ｌの配送に関する情報を含んでもよい。なお、到着予定時刻は、受取者端末１０から送信される配送依頼に含まれる、配送の時間枠に応じた時刻であってもよい。到着予定時刻は、受取者端末１０から送信される配送依頼に含まれる、配送の時間枠に基づいて、制御部３３０によって算出されてもよい。

【0055】

荷物Ｌの配送方法は、例えば、無人配送、有人配送、および置き配等の情報である。荷物Ｌの配送方法には、代理者Ｐが無人飛行体から荷物Ｌを受け取ることが必要か否かの情報が含まれてもよい。

【0056】

荷物Ｌの受取後の取扱に関する情報とは、例えば、代理者Ｐによる保管が必要か否か、受取後に受取者Ｒまたは配送員等へ荷物Ｌを渡す、または、受取後に屋外に設置される配送された荷物Ｌを収納可能な宅配ボックスに収納する、保管の際に保冷管理（冷蔵管理、冷凍管理を含む）が必要か否か等の情報である。

【0057】

代理者Ｐが受取後に受取者Ｒまたは配送員等へ荷物Ｌを渡す必要がある場合には、荷物Ｌの受取後の取扱に関する情報は、受取者Ｒまたは配送員の到着予定時間を含んでもよい。受取者Ｒまたは配送員の到着予定時間は、受取者Ｒが利用する受取者端末１０または配送員が利用する情報処理端末から、通信部３２０にそれぞれ送信されてもよい。

【0058】

また、代理者Ｐが受取後に受取者Ｒまたは配送員等へ荷物Ｌを渡す必要がある場合には、荷物Ｌの受取後の取扱に関する情報は、受取者Ｒまたは配送員との待ち合わせ場所を含んでもよい。受取者Ｒまたは配送員との待ち合わせ場所は、それぞれ受取者Ｒが利用する受取者端末１０または配送員が利用する情報処理端末から、通信部３２０に送信されてもよい。

【0059】

また、荷物Ｌに関する情報は、荷物Ｌのサイズおよび重さ、荷物Ｌが冷凍品であるか否か、および、荷物Ｌが取扱いに注意が必要な取扱注意品であるか否か、等の荷物Ｌの特徴に関する情報を含む。取扱注意品は、天地無用、上積み厳禁、なまもの、われもの、の少なくともいずれかであってもよい。

【0060】

また、荷物Ｌに関する情報は、荷物Ｌを代理で受け取り可能な代理者Ｐの代理者ＩＤを含む。

【0061】

図６は、記憶部３１０に記憶される、荷物Ｌに関する情報の例を示した図である。図６に示した例では、各々の荷物Ｌの荷物ＩＤに紐づく、受取者ＩＤ、到着予定時間、冷凍品であるか否か、受取後の取扱に関する情報、配送手段、および代理者ＩＤが示されている。通信部３２０は、記憶部３１０に記憶された荷物Ｌに関する情報に基づいて、代理者端末２０に荷物Ｌに関する情報の通知を行う。

【0062】

また、記憶部３１０は、荷物Ｌに関する情報に応じた、代理者Ｐに対する指示を記憶してもよい。例えば、記憶部３１０は、荷物Ｌの配送手段に応じた、代理者Ｐによって行われる準備の指示を記憶してもよい。より具体的には、荷物Ｌの配送手段が無人移動体であることと、無人移動体の受け入れ準備（例えば着陸マットの準備やプロポの準備などの着陸準備や受取装置の確認など）の指示を紐づけて記憶してもよい。また、記憶部３１０は、荷物Ｌが冷凍品であることと、冷凍庫の空きの確認指示を紐づけて記憶してもよい。

【0063】

（通信部）
通信部３２０は、ネットワーク網５０を介して、受取者端末１０および代理者端末２０と通信する。通信部３２０は、受取者端末１０に情報を通知することにより、当該受取者端末１０を利用する受取者Ｒに対して情報を通知する。通信部３２０は、代理者端末２０に情報を通知することにより、当該代理者端末２０を利用する代理者Ｐまたは代理者の候補Ｃに対して情報を通知する。

【0064】

通信部３２０は、受取者端末１０から配送依頼、指定情報および代理リクエストを受信する。また、通信部３２０は、受取者端末１０に、宛名に受取者Ｒが指定されている荷物Ｌに関する代理者Ｐの設定状況および荷物Ｌの配送が可能か否かの通知等を送信する。

【0065】

また、通信部３２０は、代理者の候補Ｃまたは代理者Ｐが利用する代理者端末２０に、記憶部３１０に記憶された、荷物Ｌに関する情報を通知する。

【0066】

また、通信部３２０は、代理者Ｐが利用する代理者端末２０に、荷物Ｌに関する情報に紐づく、準備の指示を通知してもよい。例えば、通信部３２０は、荷物Ｌの配送手段が無人移動体の場合、代理者Ｐに対して、無人移動体の着陸準備を行うよう通知してもよい。

【0067】

また、通信部３２０は、代理者端末２０に代理リクエスト、代理者の募集の通知、および代理者Ｐの設定通知を送信する。また、通信部３２０は、代理者端末２０から、荷物Ｌの代理受け取りが可能か否かの通知を受信する。

【0068】

ここで、図７～図９を用いて、代理者端末２０に通知される荷物Ｌに関する情報の通知の例を説明する。図７は、図６に示した荷物Ｌに関する情報が記憶部３１０に記憶されている場合の、代理者Ｐに対する荷物Ｌに関する情報の通知の例を示した図である。図７に示す例において、記憶部３１０に記憶されている受取者情報に、受取者ＩＤが「０１００」の受取者Ｒの氏名が、Ａであることが含まれているとする。

【0069】

通信部３２０は、荷物ＩＤが「１２３－４５６７」である荷物Ｌに関する情報を、代理者ＩＤ「０２０３」である代理者Ｐが利用する代理者端末２０に通知する。記憶部３１０は、到着予定時間が１０：００であり、受取者ＩＤが「０１００」である受取者Ｒ宛の荷物Ｌの配送手段が、無人移動体であるドローンであると記憶している。そのため、通信部３２０は、Ａ宛の荷物Ｌが１０：００に到着予定であることと、無人移動体の着陸準備の一例である、無人飛行体の着陸場の準備やプロポの準備（着陸補助の準備）などの受け入れ準備の指示を通知する。

【0070】

図８は、図６に示した荷物Ｌに関する情報が記憶部３１０に記憶されている場合の、代理者Ｐに対する荷物Ｌに関する情報の通知の例を示した図である。図８に示す例において、記憶部３１０に記憶されている受取者情報に、受取者ＩＤが「０１０１」の受取者の氏名が、Ｂであることが含まれているとする。

【0071】

通信部３２０は、荷物ＩＤが「２３４－５６７８」である荷物Ｌに関する情報を、代理者ＩＤ「０２０５」である代理者Ｐが利用する代理者端末２０に通知する。記憶部３１０は、到着予定時間が１０：３０であり、受取者ＩＤが「０１０１」の受取者Ｒの荷物Ｌの受取後の取扱の情報に、受取後に陸送の配送員へ荷物Ｌを渡す必要があり、当該配送員の到着予定時刻が１０：４５であることを記憶している。そのため、通信部３２０は、Ｂ宛の荷物Ｌが１０：００に到着予定であることと、当該荷物Ｌを陸送の配送員へ渡す必要があることと、配送員の到着予定時刻が１０：４５であることと、を通知する。このように、代理者Ｐは、代理者管理サーバ３０から送信された荷物Ｌに関する情報の通知を事前に確認することで、円滑な荷物の受け取りを行うことが可能である。

【0072】

図９は、図６に示した荷物に関する情報が記憶部３１０に記憶されている場合の、代理者の候補Ｃに対する荷物Ｌに関する情報の通知の例を示した図である。図９に示す例において、記憶部３１０に記憶されている受取者情報に、受取者ＩＤが「０１０２」の受取者の氏名が、Ｄであることが含まれているとする。

【0073】

通信部３２０は、荷物ＩＤが「３４５－６７８９」である荷物Ｌに関する情報を、代理者の候補Ｃが利用する代理者端末２０に通知する。記憶部３１０は、到着予定時間が１１：３０であり、受取者ＩＤが「０１０２」の受取者Ｒの荷物Ｌが冷凍品であると記憶している。そのため、通信部３２０は、代理者端末２０に冷凍庫の空きの確認指示を通知する。代理者の候補Ｃは、代理者端末２０に表示された受取可能ボタンまたは受取不可ボタンを選択することで、代理者管理サーバ３０に荷物Ｌの受け取り可能または受け取りが不可との通知を送信することが可能である。このように、代理者の候補Ｃは、代理者管理サーバ３０から送信された荷物Ｌに関する情報の通知を確認することで、受取可否の判断を行うことが可能である。

【0074】

（制御部）
制御部３３０は、代理者管理サーバ３０における動作全般を制御する。例えば、制御部３３０は、通信部３２０によって受取者端末１０および代理者端末２０から受信された情報を記憶部３１０に記憶させるよう制御する。本実施形態においては、制御部３３０は、代理者設定部３３１としての機能を有する。

【0075】

（代理者設定部）
代理者設定部３３１は、通信部３２０によって受取者端末１０または代理者端末２０から受信された情報、または荷物Ｌに関する情報に応じて、代理者Ｐの設定を行う。

【0076】

また、代理者設定部３３１は、代理者Ｐの設定状況に基づいて、受取者端末１０に情報を通知するよう通信部３２０を制御する。例えば、代理者設定部３３１は、荷物Ｌを受け取り可能な代理者Ｐを設定できない場合、受取者Ｒに対し、荷物Ｌの配送が不可との通知をするよう通信部３２０を制御してもよい。また、代理者設定部３３１は、荷物Ｌを受け取り可能な代理者Ｐを設定できない場合、受取者Ｒに対し、荷物Ｌの配送の時間枠や配送先、代理者種別の再設定を求める通知をするよう通信部３２０を制御してもよい。

【0077】

ここで、代理者設定部３３１による代理者Ｐの設定動作について詳しく説明する。

【0078】

－受取者端末１０から荷物Ｌに関する指定情報が受信される場合の代理者Ｐの設定
まず、通信部３２０によって受取者端末１０から荷物Ｌに関する指定情報が受信される場合の代理者Ｐの設定動作について説明する。

【0079】

代理者設定部３３１は、通信部３２０によって、受取者端末１０から、荷物Ｌに関する代理者の候補Ｃの指定である指定情報が受信されると、当該代理者の候補Ｃが利用する代理者端末２０に当該荷物Ｌの受け取りの代理を依頼する代理リクエストを送信するよう、通信部３２０を制御する。

【0080】

また、代理者設定部３３１は、通信部３２０によって、受取者端末１０から、予め設定した代理者の候補Ｃを、荷物Ｌに関する代理者の候補Ｃとして指定する通知が受信されると、当該代理者の候補Ｃが利用する代理者端末２０に代理リクエストを送信するよう、通信部３２０を制御する。代理リクエストには、荷物Ｌに関する情報の通知が含まれてもよい。また、通信部３２０によって、代理リクエストが送信された代理者端末２０から当該荷物Ｌの受け取りが可能との通知が受信されると、代理者設定部３３１は、当該代理者端末２０を利用する代理者の候補Ｃを代理者Ｐとして設定する。これにより、受取者Ｒは、特定の人物に、荷物Ｌの受け取りの代理を行ってもらうことが可能になる。

【0081】

－受取者端末１０から荷物Ｌに関する代理支援要求が受信される場合の代理者Ｐの設定
次に、通信部３２０によって受取者端末１０から荷物Ｌに関する代理支援要求が受信される場合の代理者Ｐの設定動作について説明する。

【0082】

代理者設定部３３１は、通信部３２０によって、受取者端末１０から、荷物Ｌに関する受取者Ｒによる代理支援要求が受信されると、代理者の候補Ｃの選定を行う。代理者設定部３３１は、通信部３２０によって、代理者端末２０から受信された、代理者の候補Ｃの位置情報に応じて、当該荷物Ｌを代理で受け取る代理者の候補Ｃを選定してもよい。

【0083】

代理者設定部３３１は、記憶部３１０に記憶された荷物Ｌに関する情報および代理者の候補Ｃの情報を参照して荷物Ｌを代理で受け取る代理者の候補Ｃを選定してもよい。例えば、記憶部３１０に代理者Ｐが無人飛行体から荷物Ｌを受け取ることを受け取り手段として指定する情報が記憶されている場合には、代理者設定部３３１は、荷物Ｌの受け取り手段に関する所定の研修を受けた者として記憶部３１０に記憶されている代理者の候補を、当該荷物Ｌに関する代理者の候補として選定してもよい。

【0084】

代理者設定部３３１は、選定された代理者の候補Ｃが利用する代理者端末２０に、代理者の募集の通知を送信するよう、通信部３２０を制御する。代理者の募集の通知には、荷物Ｌに関する情報の通知が含まれてもよい。代理者の候補Ｃは、荷物Ｌに関する情報を確認することで、当該荷物Ｌの代理受け取りの可否を判断できる。

【0085】

また、代理者の募集の通知には、報酬情報が含まれてもよい。報酬情報とは、代理者の候補Ｃが代理者Ｐとして、荷物Ｌを受取者Ｒの代理で受け取ることにより受領可能な報酬に関する情報である。報酬は金銭であってもよいし、サービスまたは金銭的価値のあるポイント等であってもよい。報酬の内容は、代理支援要求を送信した受取者端末１０を利用する受取者Ｒによって決定されてもよいし、所定の内容であってもよい。

【0086】

図１０は、代理者端末２０に送信される代理者の募集の通知の例を示す図である。図１０に示すように、代理者の募集の通知には、荷物Ｌに関する情報である、荷物Ｌの受取場所、受取予定時刻、受取後の動作および報酬等の情報が含まれる。また、代理者の候補Ｃは、代理者端末２０に表示された承認ボタンを選択することで、代理者管理サーバ３０に荷物Ｌの受け取りが可能との通知を送信することが可能である。これにより、受取者Ｒは、荷物Ｌの受け取りの代理を依頼できる特定の人物がいない場合でも、自身が受け取れない荷物Ｌの受け取りを、代理で行ってもらうことが可能になる。

【0087】

代理者設定部３３１は、通信部３２０によって、代理者の募集の通知が送信された代理者端末２０から、荷物Ｌの受け取りが可能との通知が受信されると、当該代理者端末２０を利用する代理者の候補Ｃを代理者Ｐとして設定する。なお、代理者設定部３３１は、複数の代理者の候補Ｃの選定を行ってもよい。その場合には、代理者設定部３３１は、選定された複数の代理者の候補Ｃが利用する代理者端末２０に、同時に代理者の募集の通知を送信するよう、通信部３２０を制御してもよい。代理者設定部３３１は、最初に荷物Ｌの代理受け取りが可能との通知が送信された代理者端末２０を利用する代理者の候補Ｃを代理者Ｐとして設定してもよい。

【0088】

また、代理者設定部３３１は、選定された複数の代理者の候補Ｃのうち一または複数の代理者の候補Ｃに代理者の募集の通知を送信するよう制御してもよい。その場合には、代理者設定部３３１は、通信部３２０によって、代理者の募集の通知が送信された代理者端末２０から、荷物Ｌの受け取りが不可との通知が受信されると、当該代理者端末２０を利用する代理者の候補Ｃと異なる代理者の候補Ｃに対して代理者の募集の通知を送信するよう通信部３２０を制御する。

【0089】

－荷物Ｌに関する情報に基づく代理者Ｐの設定
ここまで、受取者端末１０から受信された情報に基づいて代理者Ｐの設定がされる例について説明した。続いて、荷物Ｌに関する情報に基づいて代理者Ｐの設定がされる例について説明する。

【0090】

代理者設定部３３１は、記憶部３１０に記憶された荷物Ｌに関する情報に基づいて代理者の候補Ｃを選定する。例えば、代理者設定部３３１は、記憶部３１０に記憶された荷物Ｌに関する情報に含まれる荷物Ｌの配送先を参照し、所定の離発着所のうち当該配送先に最も近い離発着場所の管理者を当該荷物Ｌに関する代理者の候補Ｃとして選定してもよい。代理者設定部３３１は、選定された代理者の候補Ｃが利用する代理者端末２０に、代理者の募集の通知を送信するよう、通信部３２０を制御する。

【0091】

代理者設定部３３１は、通信部３２０によって、代理者の募集の通知が送信された代理者端末２０から、荷物Ｌの受け取りが可能との通知が受信されると、当該代理者端末２０を利用する代理者の候補Ｃを代理者Ｐとして設定する。一方、代理者設定部３３１は、通信部３２０によって、代理者の募集の通知が送信された代理者端末２０から、荷物Ｌの受け取りが不可との通知が受信されると、当該代理者端末２０を利用する代理者の候補Ｃと異なる代理者の候補Ｃに対して代理者の募集の通知を送信するよう通信部３２０を制御する。新たに選定される代理者の候補Ｃは、所定の離発着所のうち、荷物Ｌの受け取りが不可との通知を送信した代理者の候補Ｃが管理する離発着場所の次に当該配送先に近い離発着場所の管理者であってもよい。代理者設定部３３１は、荷物Ｌの受け取り可能との通知が送信されるか、荷物Ｌの配送先から所定の距離にある離発着場所の管理者全てから、荷物Ｌの受け取りが不可との通知が送信されるまで、荷物Ｌに関する代理者の候補Ｃの選定および代理者の募集の通知の制御を続ける。

【0092】

また、代理者設定部３３１は、記憶部３１０に記憶された荷物Ｌに関する情報に基づいて、代理者の募集の通知をせずに代理者の候補Ｃを設定してもよい。例えば、代理者設定部３３１は、受取者端末１０から通信部３２０によって受信された配送依頼に含まれる荷物Ｌに関する情報に基づいて、代理者Ｐを設定してもよい。例えば、受取者端末１０から通信部３２０によって受信された配送依頼に、荷物Ｌの受け取り位置が含まれる場合、当該位置にある所定の発着場所の管理者を代理者Ｐとして設定してもよい。

【0093】

＜＜３．本実施形態による動作処理例＞＞
以上、本発明の実施形態による本実施形態による機能構成例を説明した。続いて本実施形態による動作処理例を説明する。

【0094】

ここで、本情報処理システムにより提供される、受取者Ｒ、代理者の候補Ｃおよび代理者Ｐは、アプリケーション（ウェブブラウザを含む）等を利用して代理者管理サーバ３０にアクセスし、初めてサービスを利用する場合は、利用登録処理を行ってログインしてもよい。既にアカウントを取得済の場合は、例えば利用者ＩＤまたは受取者ＩＤとパスワードを入力する等の所定の認証を受けてログインすることで、サービスが利用可能としてもよい。なお、アカウントに代えて、受取者端末１０または代理者端末２０にダウンロードされたアプリケーションに関連する固有のアプリケーションＩＤを利用者ＩＤまたは受取者ＩＤとして当該サービスを利用可能としてもよい。このログイン認証後、アプリケーション（ウェブブラウザ含む）等を介してサービス利用が開始される。

【0095】

図１１は、本実施形態に係る代理者管理サーバ３０による動作処理の流れの一例を説明するための説明図である。まず、通信部３２０は、受取者端末１０から、代理者の候補Ｃの指定である指定情報を受信すると（Ｓ１０４／Ｙｅｓ）、当該指定された代理者の候補Ｃが利用する代理者端末２０に、荷物Ｌに関する情報の通知を含む代理リクエストを送信する（Ｓ１０８）。一方、通信部３２０が受取者端末１０から代理リクエストを受信しない場合には（Ｓ１０４／Ｎｏ）、代理者管理サーバ３０は処理を終了する。

【0096】

代理者端末２０への代理リクエストの送信後、代理者設定部３３１は、通信部３２０によって代理者端末２０から代理受け取りが可能との通知が受信されたか否かの判断を行う（Ｓ１１２）。通信部３２０は、代理者端末２０から代理受け取りが不可との通知を受信すると（Ｓ１１２／Ｎｏ）、受取者Ｒが利用する受取者端末１０に、代理者の候補Ｃによる代理が不可との通知を送信する（Ｓ１１６）。続いて、通信部３２０は、受取者Ｒが利用する受取者端末１０に、荷物Ｌの配送の時間枠の再設定を通知する（Ｓ１２０）。

【0097】

一方、通信部３２０によって代理者端末２０から代理受け取りが可能との通知を受信した場合（Ｓ１１２／Ｙｅｓ）、代理者設定部３３１は、当該代理者の候補Ｃを代理者Ｐとして設定する（Ｓ１２４）。荷物Ｌが、準備を要する配送手段で到着することが記憶部３１０に記憶されている場合（Ｓ１２８／Ｙｅｓ）、通信部３２０は、代理者端末２０に代理者Ｐによって行われる準備の指示を通知する（Ｓ１３２）。荷物Ｌが、準備を要する配送手段で到着することが記憶部３１０に記憶されていない場合（Ｓ１２８／Ｎｏ）、代理者管理サーバ３０は処理を終了する。

【0098】

＜＜４．ハードウェア構成例＞＞
以上説明した情報処理は、ソフトウェアと以下に説明する代理者管理サーバ３０のハードウェアとの協働により実現される。なお、以下に説明するハードウェア構成は受取者端末１０および代理者端末２０にも適用可能である。

【0099】

図１２は、本実施形態に係る代理者管理サーバ３０のハードウェア構成の一例を説明するための説明図である。代理者管理サーバ３０は、例えば図１２に示すように、制御部３３０、メモリ３１、ストレージ３２、送受信部３３、入出力部３４等を備え、これらはバス３５を通じて相互に電気的に接続される。

【0100】

制御部３３０は、代理者管理サーバ３０の全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部３３０はＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）および／またはＧＰＵ（Ｇｒａｐｈｉｃｓ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）であり、ストレージ３２に格納されメモリ３１に展開された本システムのためのプログラム等を実行して上述したような各種情報処理を実施する。

【0101】

メモリ３１は、ＤＲＡＭ（Ｄｙｎａｍｉｃ Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｃ Ｄｒｉｖｅ）等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ３１は、制御部３３０のワークエリア等として使用され、また、代理者管理サーバ３０の起動時に実行されるＢＩＯＳ（Ｂａｓｉｃ Ｉｎｐｕｔ ／ Ｏｕｔｐｕｔ Ｓｙｓｔｅｍ）、及び各種設定情報等を格納する。

【0102】

ストレージ３２は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ３２に構築されていてもよい。

【0103】

送受信部３３は、代理者管理サーバ３０をネットワークおよび／またはブロックチェーンネットワークに接続する。なお、送受信部３３は、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）及びＢＬＥ（Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ Ｌｏｗ Ｅｎｅｒｇｙ）の近距離通信インターフェースを備えていてもよい。

【0104】

入出力部３４は、キーボード、マイクおよびマウス類等の情報入力機器、及びディスプレイおよびスピーカ等の出力機器である。

【0105】

バス３５は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
＜＜４．補足＞＞

【0106】

以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

【0107】

例えば、上記実施形態では、代理リクエストまたは代理者の募集に対して、代理者端末２０から荷物Ｌの受け取り可否の通知が送信される例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、代理者端末２０は、当該代理者端末２０を利用する代理者の候補Ｃによる荷物Ｌの受け取りは不可で、当該代理者の候補Ｃが管理する所定の発着場所を受け取り地として貸し出すことは可能であることを通知してもよい。この場合には、代理者設定部３３１は、当該発着場所で受取者Ｒの代理での荷物Ｌの受け取りを単発の仕事として請け負う他の代理者の候補Ｃを選定する。代理者設定部３３１は、選定した代理者の候補Ｃに代理者の募集を通知することで、代理者Ｐの設定を行う。かかる構成によれば、荷物Ｌが無人移動体等の到着可能な場所が限られている手段で到着する場合で、当該場所の管理者による代理受け取りができない場合にも、当該管理者と異なる代理者Ｐによって荷物Ｌの受け取りが可能になる。つまり、かかる構成によれば、受取者Ｒの代理である代理者Ｐによる円滑な荷物Ｌの受け取りが可能になる。

【0108】

また、代理者管理サーバ３０に内蔵されるＣＰＵ、ＲＯＭおよびＲＡＭなどのハードウェアに、上述した代理者管理サーバ３０の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。

【符号の説明】

【0109】

１０ 受取者端末
２０ 代理者端末
３０ 代理者管理サーバ
５０ ネットワーク網
１１０ 通信部
１２０ 操作表示部
１３０ 制御部
２１０ センサ部
２２０ 通信部
２３０ 操作表示部
２４０ 制御部
３１０ 記憶部
３２０ 通信部
３３０ 制御部
３３１ 代理者設定部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】