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特開2024-53873画面編集装置、画面編集方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053873
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】画面編集装置、画面編集方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/85 20140101AFI20240409BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20240409BHJP
   A63F 13/5255 20140101ALI20240409BHJP
   A63F 13/49 20140101ALI20240409BHJP
   A63F 13/86 20140101ALI20240409BHJP
【FI】
A63F13/85
A63F13/533
A63F13/5255
A63F13/49
A63F13/86
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160343
(22)【出願日】2022-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】516155654
【氏名又は名称】株式会社グルーブシンク
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】坂本 敏
(57)【要約】
【課題】映像コンテンツの配信に際して、映像コンテンツ自体に手を加えることなく、リアルタイムで視聴者のニーズに応えるような情報を自動的に実況画面に付加することを可能とすること。
【解決手段】
画面編集装置1は、画面編集装置1は、映像コンテンツの表示画面を構成する画面データを取得する処理と、前記表示画面上に設定された所定の編集領域に適用されるべく用意されている編集用画面データを記憶する処理と、前記表示画面上に設定された所定の判定領域における表示内容を解析する処理と、前記解析処理の結果に基づいて、前記編集領域に適用する前記編集用画面データを読み出して、前記編集領域に適用する処理と、前記編集用画面データが適用された編集済み画面データを出力する処理とを実行する処理部10を備えている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像コンテンツの表示画面を構成する画面データを取得する処理と、
前記表示画面上に設定された所定の編集領域に適用されるべく用意されている編集用画面データを記憶する処理と、
前記表示画面上に設定された所定の判定領域における表示内容を解析する処理と、
前記解析処理の結果に基づいて、前記編集領域に適用する前記編集用画面データを読み出して、前記編集領域に適用する処理と、
前記編集用画面データが適用された編集済み画面データを出力する処理と、
を実行する処理部を備えている画面編集装置。
【請求項2】
前記映像コンテンツが、複数の選手が参加するビデオゲームであり、前記表示画面が、前記ビデオゲームをプレイしているいずれかの選手の視点から見た映像を示している、請求項1に記載の画面編集装置。
【請求項3】
前記ビデオゲームが、複数の選手から構成されるチーム同士による対戦型ビデオゲームであり、前記表示画面上の前記判定領域が、前記表示画面の視点を提供している選手の名前、対戦している各チームのチームカラー、各チームに所属する選手の名前、各選手の状態を示すアイコンのうちのいずれかを表示する領域である、請求項2に記載の画面編集装置。
【請求項4】
前記編集用画面データが、視点を提供している選手を示すアイコン、各チームに所属する選手を示すアイコン、及び各チームを示すロゴのうちのいずれかを含んでいる、請求項3に記載の画面編集装置。
【請求項5】
前記処理部が、前記編集用画面データを、当該編集用画面データが適用される前記編集領域の属性に応じて加工する、
請求項4に記載の画面編集装置。
【請求項6】
前記処理部が、前記選手の状態を示すアイコンの表示内容に応じて、対応する選手のアイコンの表示態様を変更する、
請求項4に記載の画面編集装置。
【請求項7】
前記処理部が出力した編集済み画面データが、動画配信システムに入力されてゲーム実況配信に利用される、請求項2~6のいずれか一項に記載の画面編集装置。
【請求項8】
前記ビデオゲームの画面表示内容に基づいて表示画面の視点の変化を検出する画面編集処理を実行し、前記画面表示内容には、少なくとも前記視点を提供している選手に関する情報が含まれている、
請求項2~6のいずれか一項に記載の画面編集装置。
【請求項9】
情報処理装置が、
映像コンテンツの表示画面を構成する画面データを取得する処理と、
前記表示画面上に設定された所定の編集領域に適用されるべく用意されている編集用画面データを記憶する処理と、
前記表示画面上に設定された所定の判定領域における表示内容を解析する処理と、
前記解析処理の結果に基づいて、前記編集領域に適用する前記編集用画面データを読み出して、前記編集領域に適用する処理と、
前記編集用画面データが適用された編集済み画面データを出力する処理と、
を実行する画面編集方法。
【請求項10】
情報処理装置に、
映像コンテンツの表示画面を構成する画面データを取得する処理と、
前記表示画面上に設定された所定の編集領域に適用されるべく用意されている編集用画面データを記憶する処理と、
前記表示画面上に設定された所定の判定領域における表示内容を解析する処理と、
前記解析処理の結果に基づいて、前記編集領域に適用する前記編集用画面データを読み出して、前記編集領域に適用する処理と、
前記編集用画面データが適用された編集済み画面データを出力する処理と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面編集装置、画面編集方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な映像コンテンツが、様々な動画配信プラットフォームからインターネットを通じて配信され、モバイル端末等によって手軽に楽しめるようになってきている。人気の高い映像コンテンツとして、各種のビデオゲームのプレイ実況番組がある。これは、各種のビデオゲームのプレイの状況を配信しながら、プレイヤーやコメンテーターがプレイ内容の解説を行う形態をとることが多い。このようなビデオゲームのプレイ実況においては、視聴者が楽しめるように様々な工夫が施されるようになっている。例えば特許文献1では、プレイヤーの操作内容を含むログデータに基づいてプレイの状況に対応する実況解説情報を付加したり、リプレイ動画の視聴者がコメント情報を付加したりすることを可能とする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6947985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ビデオゲームの種類によっては、実況画面からだけでは視聴者がゲームの進行状況を適切に把握することが難しいものもある。例えば、複数のプレイヤーがチームを組んで対戦する対戦型のビデオゲームである。対戦型ビデオゲームでは、ゲーム内の各チームのメンバーとしてプレイヤーが参加し、戦闘を繰り返しながらゲームを進行させていく。その際、実況画面としては、いずれかのチームのいずれかのメンバーの視点から見た状景が表示されることが多く、付帯情報として、各チームのメンバーリスト、視点を提供しているメンバーの情報、各メンバーの状態、獲得ポイント、チームとしての獲得ポイント等が表示される。
【0005】
このような対戦型ビデオゲームのライブ実況を行う場合、次のような問題が生じる。すなわち、実況画面に表示されるゲームの表示画面には、ゲームプログラムにおいてあらかじめ設定されているチーム名やそのメンバー名が表示されるので、視聴者には実際に各メンバーとなってプレイしているのがどの参加者であるのかわからないという問題がある。このような問題を解消するために、実況画面において表示されているメンバーリストやチーム名等を、実際に参加しているプレイヤーの名前や顔写真等によって上書きする(オーバーレイする)処理が実行される。しかし、このような処理は従来実況画面を見ながら人手で行っていたため、例えば多くのチームが参加してリアルタイムで実施されるゲームイベント等の場合、複数の対戦が並行して行われることもあって上記した画面のオーバーレイといった編集作業に多大のマンパワーが必要であった。実況画面の視点を提供するプレイヤーは、ゲーム進行状況に応じて実況ディレクターがスイッチングしていくため、そのプレイヤーの情報は実況画面を注視しながら適時に画面に挿入する必要があり、注意力が要求される一方、ミスも生じやすい。また参加するプレイヤーのデータもイベント直前に変更になる場合があるなど、管理が煩雑で実況画面表示のミスにつながりやすかった。このように、実況画面を人手に頼ってリアルタイムで編集する作業には、強く改善が求められていた。
【0006】
本発明の目的の一つは、映像コンテンツの配信に際して、映像コンテンツ自体に手を加えることなく、リアルタイムで視聴者のニーズに応えるような情報を自動的に実況画面に付加することを可能とする画面編集装置、画面編集方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの態様による画面編集装置は、映像コンテンツの表示画面を構成する画面データを取得する処理と、前記表示画面上に設定された所定の編集領域に適用されるべく用意されている編集用画面データを記憶する処理と、前記表示画面上に設定された所定の判定領域における表示内容を解析する処理と、前記解析処理の結果に基づいて、前記編集領域に適用する前記編集用画面データを読み出して、前記編集領域に適用する処理と、前記編集用画面データが適用された編集済み画面データを出力する処理とを実行する処理部を備えている。
【0008】
本発明の他の態様は、情報処理装置が、映像コンテンツの表示画面を構成する画面データを取得する処理と、前記表示画面上に設定された所定の編集領域に適用されるべく用意されている編集用画面データを記憶する処理と、前記表示画面上に設定された所定の判定領域における表示内容を解析する処理と、前記解析処理の結果に基づいて、前記編集領域に適用する前記編集用画面データを読み出して、前記編集領域に適用する処理と、前記編集用画面データが適用された編集済み画面データを出力する処理とを実行する画面編集方法である。この画面編集方法を情報処理装置に実行させるプログラムもまた本発明の一つの態様である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、映像コンテンツの配信に際して、映像コンテンツ自体に手を加えることなく、リアルタイムで視聴者のニーズに応えるような情報を自動的に実況画面に付加することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態における画面編集装置の機能を例示する模式図である。
図2】本実施形態における画面編集の対象となるゲームの表示画面例を示す図である。
図3】本実施形態における画面編集を実行した後のゲームの表示画面例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態における画面編集装置のハードウェア構成を例示するブロック図である。
図5】本発明の一実施形態における画面編集装置の処理部の構成を例示するブロック図である。
図6】本発明の一実施形態における判定領域記憶部の構成例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態における選手状態判定データ記憶部の構成例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態における編集領域記憶部の構成例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態におけるチームデータ記憶部の構成例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態におけるチームカラー記憶部の構成例を示す図である。
図11】本発明の一実施形態における選手データ記憶部の構成例を示す図である。
図12】本発明の一実施形態における画面編集処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について、その実施形態に即して添付図面を参照しながら説明する。
【0012】
<画面編集装置の機能>
まず、本発明の一実施形態による画面編集装置の主要な機能について説明する。図1は、本実施形態における画面編集装置1の機能を説明するブロック図である。図1に示すように、画面編集装置1には、画面データ編集機能F1と編集済み画面データ出力機能F2とが備えられている。画面編集装置1には、ゲーム機2、及び動画配信システム3が接続されている。ゲーム機2は、本実施形態の画面編集装置1を利用しながらゲーム実況の配信を行うために、プレイヤーがゲームを行うのに使用されるハードウェアである。ゲーム機2は、様々な種類のゲーム専用機、あるいは各種ゲームプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ、を含む。ゲーム機2から出力される映像信号が、画面編集装置1に入力される。ゲーム機2からの映像出力信号は、ゲーム機2の出力仕様、ゲームプログラムの仕様に従った解像度となり、画面編集装置1ではそれに適合するようにキャプチャすればよい。なお、後述するように、画面編集装置1では、ゲームの進行状況、例えばゲーム画面の視点の切り替え等を、ゲーム機2から取得する画面に基づいて判断する。
【0013】
画面編集装置1では、画面データ編集機能F1が、画面解析用データD1及び画面編集用データD2を用いて入力されたゲームの表示画面を編集する。画面解析用データD1は、ゲーム機2から入力された画面データにおいて、画面編集に当たり、画面の表示内容を解析するのに必要なデータである。具体的には、画面解析用データD1は、表示画面内における所定領域を特定するための座標情報を含む。画面編集用データD2は、画面解析用データD1を用いて表示画面を解析した結果に基づいて、表示画面に対して所定の編集を実行するために用いられるデータである。具体的には、画面編集用データD2は、ゲームに参加しているプレイヤーを表す顔写真等のアイコンなど、表示画面にオーバーレイするための情報を含む。画面解析用データD1、画面編集用データD2を用いた画面データ編集機能F1による画面編集処理については、画面編集装置1の構成に基づいて後述する。
【0014】
編集済み画面データ出力機能F2は、画面データ編集機能F1によって編集されたゲーム画面データを、動画配信システム3に所定の仕様で送出する機能を有する。動画配信システム3は、画面編集装置1からのゲーム表示画面データを受けて、これをストリーミング配信する機能を提供する。動画配信システム3としては、特に限定されることなく既存の動画配信プラットフォームを利用することができる。動画配信システム3としては、テレビ放送システム等を想定することもできる。
【0015】
<画面編集装置1による画面編集例>
ここで、本実施形態の画面編集装置1によるゲームの表示画面の編集処理例について説明する。図2に、画面編集装置1に入力されるゲーム画面の例を、図3に、画面編集装置1による入力画面の編集処理例を示している。
【0016】
まず、図2を参照してゲームの表示画面例を説明する。図2に示す画面例は、画面編集の対象と想定する対戦型ビデオゲームにおける、ある選手の視点から見た状景を示している。このゲーム画面は本実施形態を説明するために用意したもので、なんらかの特定のビデオゲームソフトウェアを示すものではない。このゲームでは、4人のメンバーで構成されたチーム同士が様々なシチュエーションで戦闘を行いながら勝敗を競う。
【0017】
図2に例示する画面では、画面上部の左右に、それぞれのチームの情報が、画面上部の中央に両者の対戦状況が示されている。具体的には、この画面例では、チーム名「REDWARRIERS」(以下「Rチーム」と略称)とチーム名「TRIBE21」(以下「Tチーム」と略称)の2チームが対戦しており、画面上部中央に示すように、Rチームがスコア24を、Tチームがスコア30を獲得している。
【0018】
チームの情報についてみると、例えば画面上部左側のRチームについては、符号110Aで示す領域に、Rチームのチームカラーを背景として、チーム名とRチームを示すバッジが表示されている。符号110Aで示される領域を「チーム判定領域」と呼ぶ。画面編集装置1は、チーム判定領域110Aに表示されている画像に基づいて、対戦チームの一方についての情報を取得する。他方のチームについての情報は、同様に、他方のチームについてのチーム判定領域110Bに表示されている画像に基づいて取得される。
【0019】
各チーム判定領域110A,110Bの下には、符号120Aで示す領域に、各チームに所属する4人の選手の名前が、その左側に、各選手の状態を示す符号130A,130Bの領域が設けられている。符号130A、130Bの領域において、ドクロのマークが表示されている選手は、行動不能の状態となっていることを示している。また、符号130A、130Bの領域に丸で囲まれた星のマークが表示されている選手(図2の例ではFrancis選手)は、図2に例示されているゲーム表示画面としての視点を提供している選手(以下「視点選手」と略称する)であることを示している。以下、符号120A、120Bで示される領域を「選手名判定領域」と、符号130A、130Bで示される領域を「選手状態判定領域」と呼ぶ。
【0020】
図2の画面例で、画面右下には、図2の表示画面の視点を提供している視点選手の情報、例えば選手名、選手を示すアイコン(ここでは顔写真)が表示されている。図2の例では、視点選手はFrancis選手であり、その顔写真が合わせて表示されている。Francis選手は、Tチームの所属であることが、選手名判定領域120Bの表示内容から知られる。
【0021】
前記のように、図2に例示する表示画面は、図1のゲーム機2によって生成されたオリジナル画面である。したがって、対戦するにあたってゲームのパラメータとしてあらかじめ参加チームごとに設定するチーム名、各チームの所属選手名を除いては、ゲームソフトウェアが生成した情報がそのまま表示されている。例えば、図2のチーム判定領域110A,110Bにおいて、REDWARRIERSといったチーム名は対戦に当たって入力された名称が表示されているが、付随して表示されているチームロゴは、ゲームに規定値として設定されているものが利用される。同様に、視点選手の情報表示領域に表示されている顔イラストも、ゲームソフトウェアが持っていたデータを用いている。本実施形態の画面編集装置1は、そのようなゲーム由来の情報が使用されている部分についても、実際に対戦しているチームの所属選手に関する情報と置き換えることによって、ゲーム表示画面を通じてゲーム実況を視聴している観客が、実際に対戦している選手について画面表示から直感的に把握することができるようにしている。
【0022】
ここで、本実施形態における画面編集装置1によって編集されたゲーム表示画面の例を説明する。図3は、図2に例示したゲーム表示画面を画面編集装置1によって編集した後の状態を示している。図3の表示画面例では、図2のチーム判定領域110A,110Bについて、符号210A,210Bで示されるチームカラーがチーム名、チームロゴとともに表示されている。符号210A,210Bで示される領域を、「チーム領域」と呼ぶ。チーム領域210A,210Bでは、その表示内容が、各チーム独自のチームロゴを含むものに変更されている。図3で、画面上部中央にある対戦チームのスコア表示される部分について、ゲーム内で設定されていたチームロゴに代えて、各チーム独自のチームロゴが表示されている。この表示領域も、チーム領域210A,210Bに属する。
【0023】
各チーム領域210A,210Bの下方には、各チームに所属している選手の選手名に隣接して、各選手を示すアイコンが表示されている。この表示領域を、選手アイコン領域220A,220Bで示すこととする。このように選手名に隣接して実際にプレイしている選手の顔写真等のアイコンが表示されることで、観客は各チームの実際の参加選手を即座に把握することが可能となっている。なお、この選手アイコン領域220A,220Bには、選手の顔写真に限らず、イラストや各選手を特定するのに役立つ周知のロゴ等をアイコンとして表示させることができる。
【0024】
図3の編集済み表示画面の右下には、図2と同様に、視点選手に関する情報が表示されている。図2と同様に、図3においても視点選手はFrancis選手である。ただし、視点選手名とともに表示されているアイコン(顔写真)が異なっている、図2の場合は、このゲーム内でFrancis選手がプレイしているキャラクターについてあらかじめゲーム内で設定されている顔写真(顔イラスト)が表示されていた。図3においては、このキャラクターのイラストが、Francis選手に関して登録されている顔写真で置き換えられている。この置き換え処理が行われる領域を、視点選手アイコン領域230と呼ぶ。
【0025】
図3に例示するゲーム表示画面においては、図2のオリジナル画面にはなかったチームバナー領域240の表示が追加されている。チームバナー領域240は、視点選手の所属チームが表示画面から即座に把握することができるようにしたもので、図3の例では、視点選手であるFrancis選手が所属するTチームのロゴをゲーム表示画面外の下部に表示している。これにより、ゲーム表示画面を見ている観客は、どちらのチームの選手の視点で見ているかを即座に把握することができる。以上説明した本実施形態の画面編集装置1による画面編集処理が具体的にどのようなデータ処理に基づいて実現されるかは、以下に詳述する。
【0026】
<画面編集装置1>
【0027】
次に、本実施形態における画面編集装置1の構成について説明する。図4は、本発明の一実施形態における画面編集装置1のハードウェア構成を例示するブロック図である。図4に示すように、本実施形態における画面編集装置1は、処理部10と、主記憶部20と、補助記憶部30と、入力部40と、出力部50と、通信部60とを備える。画面編集装置1は、典型的には、通信機能を備えたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置として具現化することができる。
【0028】
図4に例示した各ハードウェア要素について説明する。処理部10は、画面編集装置1の動作に必要な各種の演算及び制御等の処理を行うプロセッサによって構成される。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、SoC(System on a Chip)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)等やこれらの組合せである。処理部10は、これらのプロセッサにハードウェアアクセラレーター等を組み合わせたものであってもよい。
【0029】
主記憶部20は、ファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェア等のプログラムを記憶するとともに、各種の処理を行う上で一時的に利用されるワークエリアとしても機能する。主記憶部20は、例えば、不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)や、揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)等によって構成される。
【0030】
補助記憶部30は、後述するような、ゲーム表示画面上において画面編集処理のために表示内容を解析するための情報、画面編集処理において、ゲーム表示画面上において追加、置き換えを実行するための情報等を記憶する。補助記憶部30は、半導体メモリ等で構成される。
【0031】
入力部40は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル、マイク等の入力デバイスで構成され、処理部10に画面編集処理を実行させるための操作を受け付ける。出力部50は、編集した画面を構成する画面データを表示させるためのディスプレイや音声を拡声するスピーカ等で構成され、編集前後の表示画面等を出力する。
【0032】
通信部60は、画面編集装置1がゲーム機2、実況コントローラ3、動画配信システム3等の外部の情報処理装置との間で行う通信を制御する。通信部60は、例えば、SIM(Subscriber Identity Module)カードやネットワークアダプタ等のネットワーク接続機器や、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)やWi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)やNFC(Near Field Communication)等の通信規格に基づく無線通信機器等によって構成される。なお、通信部60と外部の情報処理装置との間の通信は、上記に限定されることなく、ゲーム機2、実況コントローラ3、動画配信システム3との通信インターフェイスにあわせた適宜の構成を採用することができる。
【0033】
次に、画面編集装置1の処理部10が実現する機能について説明する。図5は、本発明の一実施形態における画面編集装置1の処理部10によって実現される機能を例示するブロック図である。本実施形態の処理部10は、画面データ取得部11と、判定領域データ取得部12と、判定領域データ解析部13と、編集用データ取得部14と、編集用データ生成部15と、画面データ編集部16と、編集済み画面データ出力部17とを有する。
【0034】
画面データ取得部11は、ゲーム実況の対象となるゲームソフトウェアを実行するゲーム機2が出力するビデオ信号を取得して、所定の解像度を有する表示画面データに展開し、画面データの編集処理ができるようにする機能を有する。
【0035】
判定領域データ取得部12は、ゲーム機2から取得したゲーム画面のデータについて、あらかじめ設定された画面上の領域に表示されている表示データを取得する機能を有する。具体的には、取得の対象となるのは、図2の表示画面例において例示した、チーム判定領域110A,110B、選手名判定領域120A,120B、選手状態判定領域130A,130B、及び視点選手名判定領域140それぞれに表示されているデータである。
【0036】
ゲーム等の映像コンテンツにおいて、画面上で編集すべき領域はあらかじめ定まっている。本実施形態では、これらの領域は、画面編集装置1の処理対象となるゲーム等の映像コンテンツに対応して、あらかじめ記憶させておく。本実施形態における解析対象領域は、判定領域記憶部21に記憶されている。判定領域記憶部21の構成例を、図6に示している。図6の判定領域記憶部21は、例えば主記憶部20に格納しておくことができる。あるいは、補助記憶部30に格納しておき、判定領域データ取得部12が、主記憶部20に読み出して利用するとしてもよい。
【0037】
図6に例示する判定領域記憶部21には、図2のゲーム表示画面上におけるチーム判定領域110A,110B、選手名判定領域120A,120B、選手状態判定領域130A,130B、及び視点選手名判定領域140が、それぞれ画面上の座標によって記述されている。具体的には、略矩形を呈する各領域は、ゲーム表示画面上に設定されたXY直交座標系の座標によって特定されている。
【0038】
判定領域データ解析部13は、判定領域データ取得部12が取得した表示データを、画像データのマッチング、光学文字認識(OCR)機能等のデータ処理を用いて解析する機能を有する。例えば、選手名判定領域120A,120B、視点選手名判定領域140から取得した表示データについては、まず画像データとして記憶されている選手名表示テンプレートと、取得した画像データとのマッチングを行い、マッチング結果が不調であった場合に、OCR機能により表示されている文字の解析を実行して、文字データとして登録されている選手名との類似度を判定する。チーム判定領域110A,110Bにおいては、表示されているチームを特定すべく、表示データが含む背景色を分析する。選手状態判定部130A,130Bについては、選手状態判定領域130A,130Bに表示される対象の図形データをあらかじめ保持しておき、選手状態判定領域130A,130Bから取得された表示データと比較して、表示内容を特定する。本実施形態では、図7に例示する選手状態記憶部23に、選手が行動不能に陥っていることを示すドクロマークと、視点選手であることを示すマーク(丸の中に星)とが記憶されている。
【0039】
編集用データ取得部14は、判定領域データ解析部13による各判定領域からの表示データ解析結果に基づいて、画面データの編集処理に使用するためのデータを生成する機能を有する。素材となるデータは、あらかじめ例えば補助記憶部30に記憶させておく。本実施形態では、補助記憶部30に、チームデータ記憶部24、チームカラー記憶部25、及び選手データ記憶部26が格納されている。
【0040】
図9に、チームデータ記憶部24の構成例を示している。図9に例示するチームデータ記憶部24には、チーム名と、該当チームに所属する選手名と、チームロゴとが対応付けて格納されている。例えば視点選手の選手名が特定された場合、チームデータ記憶部24を参照してその所属チームを知ることができる。また、チーム判定領域110A,110Bの背景色、表示されているチーム表示文字列等から判定したチーム名に基づいて、そのチームのチームロゴのデータを取得することができる。
【0041】
図10に、チームカラー記憶部25の構成例を示している。図10に例示するチームカラー記憶部25には、ゲームで対戦するチーム名と、そのチームに与えられているチームカラーとが対応付けて記録されている。具体的には、チーム名に対応して、表示画面の背景色に用いられるカラーとカラーコードが格納される。編集用データ取得部14は、チーム判定領域110A,110Bにおける背景色のカラーコードを分析して、得られたカラーコードに対応してチームカラー記憶部25に格納されているチーム名を当該判定領域に表示されているチーム名であると判定することができる。なお、上記のように、チーム名を示す文字列、チームカラー、及びチームロゴは互いに関連付けて格納されているので、チーム名を示す文字列、チームカラー、及びチームロゴのいずれか、あるいは組み合わせに基づいて、チーム名、チームロゴを判定することが可能である。図9のチームデータ記憶部24と図10のチームカラー記憶部25とは、統合して一つのテーブルとして構成してもよい。また、画面編集の対象となるゲームにおける画面表示内容に応じて、画面に表示される他の表示項目からチーム名等を判断するように、適宜構成を変更することも可能である。
【0042】
図11に、選手データ記憶部26の構成例を示している。図11に例示する選手データ記憶部26には、選手名のテキストデータと、選手名の画像データであるテンプレートデータと、選手アイコンデータとが対応付けて格納されている。編集用データ取得部14は、判定領域データ解析部13による選手名判定領域120A,120Bの画像データマッチング結果に基づいて、選手データ記憶部26を参照して対応する選手名テキストデータとアイコンデータとを取得する。図11の選手データ記憶部26において、テンプレートデータは、上記画像マッチングの判定基準とされるデータである。選手名をゲーム表示画面の選手名表示データの解析から求めているのは、選手名テキストデータとして登録されている選手名とは別の名称でプレイが行われる場合があるためである。例えば、選手名テキストデータ「Andy」と事前に登録していた選手が、実際にゲームをプレイするときには例えば「NeueAndy」といった別の名前をゲームで設定してプレイしてしまう場合がある。そのような場合でも、本実施形態では、まずゲーム表示画面に表示されている選手名をテンプレートデータとマッチングして特定する。この特定が不成功であった場合には、判定領域データ解析部13が持つOCR機能にてテキスト化し、選手名テキストデータとの対比で類似しているテキストデータを取得することができる。編集用データ取得部14は、また、画像マッチング又はOCR解析結果に基づいて特定された選手名に対応付けられているアイコンデータも取得する。アイコンデータは図3の選手アイコン領域220A,220Bに表示されるデータとして使用される。なお、選手アイコンデータとしては、選手の顔写真に限らず、イラストや選手についての周知の識別ロゴ図形など、顔写真以外のデータを格納しておいてもよい。
【0043】
編集用データ生成部15は、編集用データ取得部14が取得した編集用データに基づいて、図3の各表示領域に表示させるデータを生成する機能を有する。具体的には、編集用データ生成部15は、取得した編集用データを、図3に例示したチーム領域210A,210B、選手アイコン領域220A,220B、視点選手アイコン領域230、及びチームバナー領域240の各領域が有する属性、例えば各領域の形状、面積等に応じて加工して、各領域用の表示データを生成する。チーム領域210A,210Bについては、チームデータ記憶部24から取得したチームロゴと、チームカラー記憶部25から取得したチームカラーを用いて、対応するサイズの表示データを生成する。選手アイコン領域220A,220Bには、選手データ記憶部26から取得した各チーム所属選手の顔写真データを用いて、対応するサイズの表示データを生成する。視点選手アイコン領域230については、選手データ記憶部26から取得したアイコンデータを用いて、対応するサイズの表示データを生成する。チームバナー領域240については、チームデータ記憶部24から取得したチームロゴを用いて、対応するサイズの表示データを生成する。なお、図3に示した表示データは一例であり、画面上のどの領域にどのような画像を表示させるかは、本実施形態を適用する映像コンテンツの種類、内容等に応じて定めればよい。
【0044】
画面データ編集部16は、編集用データ生成部15が生成した編集用データを使用して、図3に例示したチーム領域210A,210B、選手アイコン領域220A,220B、視点選手アイコン領域230、及びチームバナー領域240にそれぞれ対応する表示データをオーバーレイする処理を実行する機能を有する。オーバーレイを実行する領域については、例えば主記憶部20に格納される編集領域記憶部22に記録されている。図8に、編集領域記憶部22の構成例を示している。図8に例示する編集領域記憶部22には、表示画面上でオーバーレイ処理が実行される領域であるチーム領域210A,210B、選手アイコン領域220A,220B、視点選手アイコン領域230、及びチームバナー領域240が、表示画面上のXY直交座標系における座標の組合せで特定されている。図8の例では、各領域を矩形領域と設定してそれぞれ座標の組み合わせで表現しているが、表示画像を張り付ける際のアンカーとなる座標を特定するなど、他の手法を採用してもよい。
【0045】
編集済み画面データ出力部17は、画面データ編集部16によって所要のオーバーレイ処理が施された画面データを、動画配信システム3等の外部装置へ出力する機能を有する。以上説明した画面編集装置1の機能を通じて、対戦型のゲーム実況画面において、実際に対戦しているチームや選手の情報が、わかりやすく観客に向けて提示される。
【0046】
<画面編集装置1によるデータ処理例>
次に、以上説明した構成と機能を有する本実施形態の画面編集装置1によって実行されるデータ処理について説明する。図12に、本実施形態の画面編集装置1による画面編集処理について、フローチャートにより例示している。
【0047】
図12に例示している画面編集処理フローは、ゲーム機2から画面編集装置1にゲーム実況画面データが入力されたこと等を契機として開始される。まず、画面データ取得部11が、ゲーム実況画面の画面データを取得する(ステップS11)。この際、判定領域データ取得部12が、画面上の判定領域であるチーム判定領域110A,110B、選手名判定領域120A,120B、選手状態判定領域130A、130B、及び視点選手名判定領域140に表示されている表示データを取得する。
【0048】
判定領域データ解析部13が、視点選手名判定領域140の表示データに基づいて、チームデータ記憶部24を参照してその所属チームを特定する(ステップS12)。
【0049】
編集用データ取得部14が選手データ記憶部26から視点選手のアイコンデータを取得し、編集用データ生成部15が視点選手アイコン領域に適用するオーバーレイデータを生成する(ステップS13)。
【0050】
編集用データ生成部15が、視点選手の所属チームに基づいて、チームバナー領域240に適用すべきオーバーレイデータを生成する(ステップS14)。具体的には、編集用データ生成部15は、チームデータ記憶部24を参照して対応するチームロゴを取得し、それに基づいてオーバーレイデータを作成する。
【0051】
判定領域データ解析部13が、チーム判定領域110A,110Bの表示データから対戦チームを特定する(ステップS15)。具体的には、判定領域データ解析部13が、チーム判定領域110A,110Bの背景色に基づいてチームカラー記憶部25を参照してチームを特定する。
【0052】
編集用データ生成部15が、チームデータ記憶部24、チームカラー記憶部25から各チームのチームカラーコード、チームロゴを取得して、それらの素材からチーム領域210A,210Bに適用すべき表示データを生成する(ステップS16)。
【0053】
判定領域データ解析部13が、選手名判定領域120A,120Bに表示されている選手名の画像データに基づいて、前記した画像マッチング、あるいはOCR機能により各選手名を特定する(ステップS17)。
【0054】
編集用データ取得部14が、前記特定された選手名に基づいて、選手データ記憶部26から対応する選手のアイコンデータを取得し(ステップS18)、編集用データ生成部15が、取得したアイコンデータを使用して、選手アイコン領域220A,220Bに適用すべき表示データを生成する(ステップS19)。一方、判定領域データ解析部13が、選手状態判定領域130A,130Bの表示データから、ドクロマークが表示されて行動不能となっている選手を特定し、編集用データ生成部15は、その対応する選手の顔写真に所定の加工を施す。この加工の例としては、図3に例示するように、顔写真をグレイスケール表示としてシェードをかける、といったことが考えられる。
【0055】
ここで、以上作成されたオーバーレイデータを用いて、画面データ編集部16がゲーム実況画面の編集を行う(ステップS20)。編集された画面データは、編集済み画面データ出力部17によって動画配信システム3等の外部装置へ出力される(ステップS21)。
【0056】
ステップS21の処理を実行した後、画面編集処理は、ステップS11から反復して実行される。反復実行周期は、例えば編集対象である動画のフレームレートを考慮して、1/60秒と設定することができる。画面編集処理は、ゲーム実況が行われている間、継続して実行される。
【0057】
以上の処理により、本実施形態の画面編集装置1は、対戦型ゲームの実況画面において、実際に対戦しているチーム、及び選手が観客に対してわかりやすく提示されるように実況画面を編集することができる。これにより、観客は、対戦チームに感情移入してよりいっそうゲーム実況を楽しむことができる。
【0058】
以上説明したように、本発明の実施形態における画面編集装置1は、映像コンテンツの表示画面を構成する画面データを取得する処理と、前記表示画面上に設定された所定の編集領域に適用されるべく用意されている編集用画面データを記憶する処理と、前記表示画面上に設定された所定の判定領域における表示内容を解析する処理と、前記解析処理の結果に基づいて、前記編集領域に適用する前記編集用画面データを読み出して、前記編集領域に適用する処理と、前記編集用画面データが適用された編集済み画面データを出力する処理とを実行する処理部10を備えている。
【0059】
このようにすれば、映像コンテンツの配信に際して、映像コンテンツ自体に手を加えることなく、リアルタイムで視聴者のニーズに応えるような情報を自動的に実況画面に付加することが可能となる。
【0060】
前記映像コンテンツが複数の選手が参加するビデオゲームであり、前記表示画面が、前記ビデオゲームをプレイしているいずれかの選手の視点から見た映像を示しているとしてもよい。
【0061】
このようにすれば、ビデオゲームの実況画面を観戦している観客に、ゲームの状況をリアルタイムで分かりやすく伝えることができる。
【0062】
前記ビデオゲームが、複数の選手から構成されるチーム同士による対戦型ビデオゲームであり、前記表示画面上の前記判定領域が、前記表示画面の視点を提供している選手の名前、対戦している各チームのチームカラー、各チームに所属する選手の名前、各選手の状態を示すアイコンのうちのいずれかを表示する領域であるとしてもよい。
【0063】
このようにすれば、表示画面の判定領域に含まれている画面データから、対戦しているチーム、表示画面の視点を提供している選手、各選手の状態に関する情報を取得することができる。
【0064】
前記編集用画面データが、視点を提供している選手を示すアイコン、各チームに所属する選手を示すアイコン、及び各チームを示すロゴのうちのいずれかを含んでいるとしてもよい。
【0065】
このようにすれば、視聴者が見ている表示画面に、対戦しているチーム、各チームの所属選手、表示画面の視点を提供している選手に関する情報をわかりやすく提示することができる。
【0066】
処理部10が、編集用画面データを、当該編集用画面データが適用される編集領域の属性に応じて当該編集用画面データを加工するとしてもよい。
【0067】
このようにすれば、ゲームの表示画面上に、編集用データを違和感なくまた見やすく表示させることができる。
【0068】
処理部10が、選手の状態を示すアイコンの表示内容に応じて、対応する選手のアイコンの表示態様を変更するとしてもよい。
【0069】
このようにすれば、ゲーム実況を見ている観客は、各チームの各選手の状況を一目で把握することができる。
【0070】
処理部10が出力した編集済み画面データが、動画配信システム3に入力されてゲーム実況配信に利用されるとしてもよい。
【0071】
このようにすれば、多数の視聴者に対して各チームの各選手に関する情報をリアルタイムで分かりやすく提示することができ、ゲーム実況視聴をより楽しめるものとすることができる。
【0072】
処理部10が、対戦型ビデオゲームの画面表示内容に基づいて表示画面の視点の変化を検出する画面編集処理を実行し、前記画面表示内容には、少なくとも前記視点を提供している選手に関する情報が含まれているとしてもよい。
【0073】
このようにすれば、表示画面の視点の変化を自動的に検出することができ、それに応じた画面編集処理、例えば画面の周囲を視点提供選手の所属チームカラーでデコレーションするといった処理が可能となる。
【0074】
本発明の実施形態には、上記した画面編集装置1によって実行される画面編集方法と、その画面編集方法を実行させるためのプログラムが含まれる。
【0075】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、図5の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が画面編集装置1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図5の例に限定されない。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。本実施形態における機能的構成は、演算処理を実行するプロセッサによって実現され、本実施形態に用いることが可能なプロセッサには、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるものの他、これら各種処理装置と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられたものを含む。
【0076】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0077】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるUSBメモリ等のリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディアは、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu-ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されているROMや、補助記憶部30に含まれるハードディスク等で構成される。
【0078】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。すなわち、図12に示したデータ処理フローはあくまでも例示であって、本発明は、そのデータ処理フローによって機能が実現されるものには限定されない。
【0079】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、上記実施形態と変形例の各構成を組み合わせることも可能である。更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0080】
例えば、上記実施形態に係る画面編集装置1は、対戦型ビデオゲームだけでなく、複数のプレイヤーが順位を競う自動車レース等のゲーム、他のロールプレイングゲーム等の映像コンテンツにも同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 画面編集装置
10 処理部
11 画面データ取得部
12 判定領域データ取得部
13 判定領域データ解析部
14 編集用データ取得部
15 編集用データ生成部
16 画面データ編集部
17 編集済み画面データ出力部
20 主記憶部
21 判定領域記憶部
22 編集領域記憶部
23 選手状態記憶部
24 チームデータ記憶部
25 チームカラー記憶部
26 選手データ記憶部
100 ゲーム表示画面
110A,110B チーム判定領域
120A,120B 選手名判定領域
130A,130B 選手状態判定領域
140 視点選手名判定領域
200 編集済みゲーム表示画面
210A,210B チーム領域
220A,220B 選手アイコン領域
230 視点選手アイコン領域
240 チームバナー領域

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12