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特開2024-5388情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005388
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20240110BHJP
   G06Q 10/08 20240101ALI20240110BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
G06Q50/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105547
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】512139135
【氏名又は名称】ココネット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100209956
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 周
(71)【出願人】
【識別番号】517331376
【氏名又は名称】株式会社エアロネクスト
(72)【発明者】
【氏名】河合 秀治
(72)【発明者】
【氏名】樋口 忠成
(72)【発明者】
【氏名】田路 圭輔
(72)【発明者】
【氏名】堀 拓也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】荷物の配達または集荷のさらなる効率化に資することが可能な、新規かつ改良された情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】荷物の配送経路および配送手段を含む配送計画を1以上生成する制御部と、前記荷物の回収および配送の役務の提供が可能と推定される1以上のユーザを役務提供者の候補として決定する候補決定部と、を備え、前記制御部は、前記候補に決定された前記ユーザのなかから1のユーザを前記役務提供者として承認すると、生成された前記配送計画のうち前記役務提供者の荷物回収地点までの1の前記配送計画を選択して承認する、情報処理システムが提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の配送経路および配送手段を含む配送計画を1以上生成する制御部と、
前記荷物の回収および配送の役務の提供が可能と推定される1以上のユーザを役務提供者の候補として決定する候補決定部と、を備え、
前記制御部は、前記候補に決定された前記ユーザのなかから1のユーザを前記役務提供者として承認すると、生成された前記配送計画のうち前記役務提供者の荷物回収地点までの1の前記配送計画を選択して承認する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記役務提供者の募集の通知を生成する通知生成部をさらに備え、
前記制御部は、前記候補に決定された前記ユーザが前記募集に応じたことに基づいて、当該ユーザを役務提供者として承認する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記ユーザの各々が役務提供可能である状態の条件を示す役務提供可能条件を取得し、
前記候補に決定された前記ユーザのうち、前記役務提供可能条件を満たすユーザを選択して、前記役務提供者として承認する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記候補決定部は、前記荷物回収地点での荷物回収時間帯、前記ユーザの現在位置、前記ユーザの移動手段、および、前記ユーザの決定済みの役務提供予定状況、に基づいて、前記役務の提供が可能と推定されるユーザを役務提供者の候補として決定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記候補決定部は、前記ユーザの現在位置および決定済みの役務提供予定状況に基づき、各時刻における前記ユーザの推定位置、および、前記ユーザの前記現在位置から前記荷物回収地点までの移動経路を推定し、
推定された前記ユーザの前記推定位置および前記移動経路に基づいて、前記役務の提供が可能と推定される1以上のユーザを役務提供者の候補として決定する、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記候補決定部は、前記荷物回収時間帯に前記荷物回収地点までの移動、および、前記荷物の配送先までの配送が可能であると推定される前記ユーザのうち、前記荷物回収地点までの移動経路が短い順に1以上の前記ユーザを、前記役務提供者の候補として決定する、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記候補決定部は、前記荷物回収時間帯に前記荷物回収地点までの移動、および、前記荷物の配送先までの配送が可能であると推定される前記ユーザのうち、前記荷物回収地点への推定到着時刻が最も早い順に1以上の前記ユーザを、前記役務提供者の候補として決定する、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記候補決定部は、前記荷物の管理温度帯に基づいて決定される、前記荷物が前記荷物回収地点で待機することが可能な時間を示す待機可能時間を取得し、
前記荷物の前記荷物回収地点への推定到着時刻から前記待機可能時間が経過するまでの間に、前記荷物回収地点への到着が可能であると推定される前記ユーザを、前記役務提供者の候補として決定する、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記役務提供者の募集の通知を生成する通知生成部をさらに備え、
前記制御部は、前記候補に決定された前記ユーザのうち、1のユーザに対し前記募集を通知する、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記役務提供者の募集の通知を生成する通知生成部をさらに備え、
前記制御部は、前記候補に決定された前記ユーザのうち、1以上の所定の数のユーザに対し前記募集を通知する、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記候補に決定され、かつ、前記募集が通知された前記ユーザのうち、前記募集に対して最も早く応じた1の前記ユーザを、前記役務提供者として承認する、
請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記制御部は、前記募集が通知されてから一定の時間内に前記募集に応じた前記ユーザを、前記役務提供者として承認する、
請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記候補決定部は、前記募集が通知されてから一定の時間内に前記募集に応じる前記ユーザが居ない場合、前記荷物回収地点および前記荷物回収時間帯が異なる他の前記配送計画に係る前記役務提供者の候補を決定し、
前記制御部は、前記候補に決定された前記ユーザが前記募集に応じたことに基づいて、当該ユーザを役務提供者として承認する、
請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記制御部は、前記募集が通知されてから一定の時間内に前記募集に応じる前記ユーザが居ない場合、前記役務提供者による前記荷物の回収および配送を含まない他の前記配送計画を選択して承認する、
請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記制御部は、所定の時間枠で区切られた前記配送手段による配送が可能な時間帯を示す配送枠の空き状況と、前記配送手段による配送が可能な地点を示す配送可能位置と、を取得し、
前記配送枠の空き状況、および、前記配送手段ごとの前記配送可能位置に基づいて、前記配送手段、前記配送枠、前記配送可能位置、および前記配送経路を指定することにより、前記配送計画を生成する、
請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記制御部は、前記配送経路における気象予報に基づいて、前記配送計画を生成する、請求項15に記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記配送手段は、無人移動体を含む、請求項16に記載の情報処理システム。
【請求項18】
前記無人移動体は、陸路を自律移動する移動体、または、空路を自律飛行する飛行体を含む、請求項17に記載の情報処理システム。
【請求項19】
荷物の配送経路および配送手段を含む配送計画を1以上生成する制御部と、
前記荷物の回収および配送の役務の提供が可能と推定される1以上のユーザを役務提供者の候補として決定する候補決定部と、を備え、
前記制御部は、前記候補に決定された前記ユーザのなかから1のユーザを前記役務提供者として承認すると、生成された前記配送計画のうち前記役務提供者の荷物回収地点までの1の前記配送計画を選択して承認する、
情報処理装置。
【請求項20】
荷物の配送経路および配送手段を含む配送計画を1以上生成することと、
前記荷物の回収および配送の役務の提供が可能と推定される1以上のユーザを役務提供者の候補として決定することと、
前記候補に決定された前記ユーザのなかから1のユーザを前記役務提供者として承認すると、生成された前記配送計画のうち前記役務提供者の荷物回収地点までの1の前記配送計画を選択して承認することと、
を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
【請求項21】
コンピュータを、
荷物の配送経路および配送手段を含む配送計画を1以上生成する制御部と、
前記荷物の回収および配送の役務の提供が可能と推定される1以上のユーザを役務提供者の候補として決定する候補決定部と、を備え、
前記制御部は、前記候補に決定された前記ユーザのなかから1のユーザを前記役務提供者として承認すると、生成された前記配送計画のうち前記役務提供者の荷物回収地点までの1の前記配送計画を選択して承認する、
として機能させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子商取引の普及、消費者の需要または社会環境の変化等により、荷物の配達または集荷等の、物流の需要が急増している。需要の急増に伴い、物流における人手不足が、物流機能そのものを安定的に維持するための根源的な課題となっている。そのため、荷物を効率的に配達または集荷するための様々な技術が検討されている。例えば、特許文献1には、宅配貨物の物流において、3つの拠点を循環する1または複数の循環便の各積載量を取得し、取得した積載量に基づいて循環便の運航計画を変更するか否かを判定する技術が開示されている。このような従来の配送システムでは、荷物を大型倉庫等の拠点に一度集約し、拠点から各方面へ荷物の配送を行うハブアンドスポーク方式が採られている。
【0003】
また、近年、新たな物流の担い手として、例えば、ユーザがスマートフォン等を利用して食料品等の配送を依頼するフードデリバリーサービスでは、インターネット経由で単発の仕事を請け負う労働者(いわゆるギグワーカ)による配送の役務の提供が活用され始めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-52525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、荷物の配達または集荷のさらなる効率化に資する技術が望まれる。
【0006】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、荷物の配達または集荷のさらなる効率化に資することが可能な、新規かつ改良された情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、荷物の配送経路および配送手段を含む配送計画を1以上生成する制御部と、前記荷物の回収および配送の役務の提供が可能と推定される1以上のユーザを役務提供者の候補として決定する候補決定部と、を備え、前記制御部は、前記候補に決定された前記ユーザのなかから1のユーザを前記役務提供者として承認すると、生成された前記配送計画のうち前記役務提供者の荷物回収地点までの1の前記配送計画を選択して承認する、情報処理システムが提供される。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、荷物の配送経路および配送手段を含む配送計画を1以上生成する制御部と、前記荷物の回収および配送の役務の提供が可能と推定される1以上のユーザを役務提供者の候補として決定する候補決定部と、を備え、前記制御部は、前記候補に決定された前記ユーザのなかから1のユーザを前記役務提供者として承認すると、生成された前記配送計画のうち前記役務提供者の荷物回収地点までの1の前記配送計画を選択して承認する、情報処理装置が提供される。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、荷物の配送経路および配送手段を含む配送計画を1以上生成することと、前記荷物の回収および配送の役務の提供が可能と推定される1以上のユーザを役務提供者の候補として決定することと、前記候補に決定された前記ユーザのなかから1のユーザを前記役務提供者として承認すると、生成された前記配送計画のうち前記役務提供者の荷物回収地点までの1の前記配送計画を選択して承認することと、を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法が提供される。
【0010】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、荷物の配送経路および配送手段を含む配送計画を1以上生成する制御部と、前記荷物の回収および配送の役務の提供が可能と推定される1以上のユーザを役務提供者の候補として決定する候補決定部と、として機能させるプログラムであって、前記制御部は、前記候補に決定された前記ユーザのなかから1のユーザを前記役務提供者として承認すると、生成された前記配送計画のうち前記役務提供者の荷物回収地点までの1の前記配送計画を選択して承認する、プログラムが提供される。
【0011】
以上説明したように本発明によれば、荷物の配達または集荷のさらなる効率化に資することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。
図2】本実施形態に係る配送枠の一例を説明するための説明図である。
図3】本実施形態に係るサーバ30の機能構成の一例を説明するための説明図である。
図4】本実施形態に係る情報端末50の機能構成の一例を説明するための説明図である。
図5】本実施形態に係る情報処理システムによる、役務提供者の候補の決定および配送計画の承認の処理の動作例を説明するフローチャート図である。
図6】本実施形態に係るサーバ30のハードウェア構成の一例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による情報処理システム等は、以下のような構成を備える。
[項目1]
荷物の配送経路および配送手段を含む配送計画を1以上生成する制御部と、
前記荷物の回収および配送の役務の提供が可能と推定される1以上のユーザを役務提供者の候補として決定する候補決定部と、を備え、
前記制御部は、前記候補に決定された前記ユーザのなかから1のユーザを前記役務提供者として承認すると、生成された前記配送計画のうち前記役務提供者の荷物回収地点までの1の前記配送計画を選択して承認する、
情報処理システム。
[項目2]
前記役務提供者の募集の通知を生成する通知生成部をさらに備え、
前記制御部は、前記候補に決定された前記ユーザが前記募集に応じたことに基づいて、当該ユーザを役務提供者として承認する、
項目1に記載の情報処理システム。
[項目3]
前記制御部は、前記ユーザの各々が役務提供可能である状態の条件を示す役務提供可能条件を取得し、
前記候補に決定された前記ユーザのうち、前記役務提供可能条件を満たすユーザを選択して、前記役務提供者として承認する、
項目1に記載の情報処理システム。
[項目4]
前記候補決定部は、前記荷物回収地点での荷物回収時間帯、前記ユーザの現在位置、前記ユーザの移動手段、および、前記ユーザの決定済みの役務提供予定状況、に基づいて、前記役務の提供が可能と推定されるユーザを役務提供者の候補として決定する、
項目2または3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
[項目5]
前記候補決定部は、前記ユーザの現在位置および決定済みの役務提供予定状況に基づき、各時刻における前記ユーザの推定位置、および、前記ユーザの前記現在位置から前記荷物回収地点までの移動経路を推定し、
推定された前記ユーザの前記推定位置および前記移動経路に基づいて、前記役務の提供が可能と推定される1以上のユーザを役務提供者の候補として決定する、
項目4に記載の情報処理システム。
[項目6]
前記候補決定部は、前記荷物回収時間帯に前記荷物回収地点までの移動、および、前記荷物の配送先までの配送が可能であると推定される前記ユーザのうち、前記荷物回収地点までの移動経路が短い順に1以上の前記ユーザを、前記役務提供者の候補として決定する、
項目5に記載の情報処理システム。
[項目7]
前記候補決定部は、前記荷物回収時間帯に前記荷物回収地点までの移動、および、前記荷物の配送先までの配送が可能であると推定される前記ユーザのうち、前記荷物回収地点への推定到着時刻が最も早い順に1以上の前記ユーザを、前記役務提供者の候補として決定する、
項目5に記載の情報処理システム。
[項目8]
前記候補決定部は、前記荷物の管理温度帯に基づいて決定される、前記荷物が前記荷物回収地点で待機することが可能な時間を示す待機可能時間を取得し、
前記荷物の前記荷物回収地点への推定到着時刻から前記待機可能時間が経過するまでの間に、前記荷物回収地点への到着が可能であると推定される前記ユーザを、前記役務提供者の候補として決定する、
項目5に記載の情報処理システム。
[項目9]
前記役務提供者の募集の通知を生成する通知生成部をさらに備え、
前記制御部は、前記候補に決定された前記ユーザのうち、1のユーザに対し前記募集を通知する、
項目5~8のいずれか一項に記載の情報処理システム。
[項目10]
前記役務提供者の募集の通知を生成する通知生成部をさらに備え、
前記制御部は、前記候補に決定された前記ユーザのうち、1以上の所定の数のユーザに対し前記募集を通知する、
項目5~8のいずれか一項に記載の情報処理システム。
[項目11]
前記制御部は、前記候補に決定され、かつ、前記募集が通知された前記ユーザのうち、前記募集に対して最も早く応じた1の前記ユーザを、前記役務提供者として承認する、
項目10に記載の情報処理システム。
[項目12]
前記制御部は、前記募集が通知されてから所定の制限時間内に前記募集に応じた前記ユーザを、前記役務提供者として承認する、
項目11に記載の情報処理システム。
[項目13]
前記候補決定部は、前記募集が通知されてから一定の時間内に前記募集に応じる前記ユーザが居ない場合、前記荷物回収地点および前記荷物回収時間帯が異なる他の前記配送計画に係る前記役務提供者の候補を決定し、
前記制御部は、前記候補に決定された前記ユーザが前記募集に応じたことに基づいて、当該ユーザを役務提供者として承認する、
項目12に記載の情報処理システム。
[項目14]
前記制御部は、前記募集が通知されてから一定の時間内に前記募集に応じる前記ユーザが居ない場合、前記役務提供者による前記荷物の回収および配送を含まない他の前記配送計画を選択して承認する、
項目12に記載の情報処理システム。
[項目15]
前記制御部は、所定の時間枠で区切られた前記配送手段による配送が可能な時間帯を示す配送枠の空き状況と、前記配送手段による配送が可能な地点を示す配送可能位置と、を取得し、
前記配送枠の空き状況、および、前記配送手段ごとの前記配送可能位置に基づいて、前記配送手段、前記配送枠、前記配送可能位置、および前記配送経路を指定することにより、前記配送計画を生成する、
項目13または14に記載の情報処理システム。
[項目16]
前記制御部は、前記配送経路における気象予報に基づいて、前記配送計画を生成する、項目15に記載の情報処理システム。
[項目17]
前記配送手段は、無人移動体を含む、項目16に記載の情報処理システム。
[項目18]
前記無人移動体は、陸路を自律移動する移動体、または、空路を自律飛行する飛行体を含む、項目17に記載の情報処理システム。
[項目19]
荷物の配送経路および配送手段を含む配送計画を1以上生成する制御部と、
前記荷物の回収および配送の役務の提供が可能と推定される1以上のユーザを役務提供者の候補として決定する候補決定部と、を備え、
前記制御部は、前記候補に決定された前記ユーザのなかから1のユーザを前記役務提供者として承認すると、生成された前記配送計画のうち前記役務提供者の荷物回収地点までの1の前記配送計画を選択して承認する、
情報処理装置。
[項目20]
荷物の配送経路および配送手段を含む配送計画を1以上生成することと、
前記荷物の回収および配送の役務の提供が可能と推定される1以上のユーザを役務提供者の候補として決定することと、
前記候補に決定された前記ユーザのなかから1のユーザを前記役務提供者として承認すると、生成された前記配送計画のうち前記役務提供者の荷物回収地点までの1の前記配送計画を選択して承認することと、
を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
[項目21]
コンピュータを、
荷物の配送経路および配送手段を含む配送計画を1以上生成する制御部と、
前記荷物の回収および配送の役務の提供が可能と推定される1以上のユーザを役務提供者の候補として決定する候補決定部と、を備え、
前記制御部は、前記候補に決定された前記ユーザのなかから1のユーザを前記役務提供者として承認すると、生成された前記配送計画のうち前記役務提供者の荷物回収地点までの1の前記配送計画を選択して承認する、
として機能させるための、プログラム。
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字または英字を付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、複数の構成要素の各々に同一符号のみを付する。
【0016】
<1.本発明の一実施形態による情報処理システムの概要>
本発明の一実施形態は、荷物の配達または集荷のさらなる効率化に資することが可能な情報処理システムに関する。より詳細には、本発明の一実施形態による情報処理システムよれば、従来の配送システムのようなハブアンドスポーク方式による配送に代えて、または、加えて、無人移動体等の配送手段およびギグワーカなどの役務提供者による配送を含む、より効率的な配送システムを実現することができる。
【0017】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。本実施形態に係る情報処理システムは、図1に示したように、移動体10と、サーバ30と、情報端末50と、を有する。移動体10と、サーバ30と、情報端末50は、ネットワークを介して互いに接続されている。
【0018】
図1に示したように、情報端末50は、移動体10が荷物回収地点CP1まで輸送した荷物Lを回収して配達先Dまで配送する役務を提供する、役務提供者Uに利用される端末である。役務提供者Uは、情報端末50を携帯する。役務提供者Uは、サーバ30から情報端末50に通知される、荷物の回収および配送の役務の提供の募集に応じて、荷物Lの回収および配送(配達および集荷)の役務を提供する。このような役務提供者Uは、一般にいわゆるギグワーカとも称される。
【0019】
(移動体10)
移動体10は、荷物Lを配達または集荷する配送作業において利用される移動体である。例えば、移動体10は、配送が依頼された荷物Lを、当該荷物Lが保管されている倉庫WHから配送する際に利用される。なお、移動体10は、配送作業において必須のものではなく、例えば、徒歩で台車(例えば、ボックス台車やかご台車など)と共に配送を行ってもよい。また、倉庫に限らず、小売店及び飲食店等の店舗であってもよい。
【0020】
移動体10は、自律制御または遠隔操作により移動する無人移動体10Aを含む。無人移動体10Aは、始点(例えば、荷物Lの配送開始位置や無人移動体10Bの移動開始位置)および終点(例えば、ドローンスタンド等の各配送手段の配達可能地点)のような2地点の位置、あるいは、さらに中継地点(例えば、荷物Lの集荷を伴う配送の場合に、荷物Lの集荷位置)や帰還地点(例えば、無人移動体10の移動開始位置と同じ位置、または、異なる待機位置など)も含めた3地点以上の位置等の入力情報を用いた自律制御により移動してもよい。なお、自律制御に用いられる入力情報は、その他の経由地点または配送経路のような各種情報を含んでもよい。
【0021】
また、無人移動体10Aは、当該無人移動体10Aを管理する管理者により遠隔で操作入力された操作情報を用いて、遠隔操作に従い移動してもよい。例えば、無人移動体10Aは、図1に示すような飛行体であってもよい。飛行体は、自律制御により飛行するドローン(Drone)であってもよいし、管理者による遠隔操作により飛行するUAV(Unmanned Aerial Vehicle)であってもよい。
【0022】
なお、本実施形態に係る無人移動体10Aは、飛行体に限定されない。例えば、無人移動体10Aは、UGV(Unmanned Ground Vehicle)等の陸路を移動する車両であってもよいし、海路または川路等の水路を移動する船舶であってもよい。
【0023】
また、移動体10は、荷物Lを配達または集荷する配送員により利用される有人移動体10Bを含む。有人移動体10Bは、例えば図1に示すような陸路を移動する車両(例えば、乗用車、軽トラック、軽バンなどの貨物自動車、バイク、自転車、キックボードなど)であってもよい。ただし、有人移動体10Bは、車両に限定されない。有人移動体10Bは、例えば、空路を飛行する飛行体であってもよいし、海路または川路等の水路を移動する船舶であってもよい。
【0024】
また、無人移動体10Aおよび有人移動体10Bは、陸路、水路および空路の少なくとも2以上の経路を移動可能な移動体であってもよい。
【0025】
(サーバ30)
サーバ30は、情報処理装置の一例であり、依頼者から荷物の配達または集荷の依頼(以下、配送依頼)を受け付け、当該荷物の配送手段および配送経路等の情報を含む配送計画を生成する機能を有する。また、サーバ30は、生成する配送計画に基づいて、移動体10の運行に関する管理を行う機能を有する。例えば、サーバ30は、ワークステーションまたはPCのような汎用コンピュータであってもよいし、クラウドサーバであってもよい。なお、サーバ30が配送依頼を受け付ける方法は特に限定されない。例えば、サーバ30は、図1に図示しない、一般消費者が利用するスマートフォン、または、小売店及び飲食店等の店舗に設置された外部端末等と通信を行うことにより、配送依頼を受け付けてもよい。または、サーバ30の操作者が、依頼者から受け付けた配送依頼をサーバ30に入力することにより、サーバ30が配送依頼を受け付けてもよい。
【0026】
このようなサーバ30は、配送依頼を受け付けると、まず上述の配送計画を生成する。このとき、サーバ30は、荷物Lの配送開始位置から終点までの配送計画を、複数の互いに異なる配送手段、配送経路、および、時間帯の組合せによって、複数生成してもよい。さらに、サーバ30は、1の配送計画において、例えば無人移動体10A、および有人移動体10Bなどの、複数の配送手段の組合せによる配送計画を生成してもよい。さらに、サーバ30は、上記配送手段による配達可能地点(中継地点)までの配達と、配達可能地点から配達先までの役務提供者Uによる荷物の回収および配送との組合せによる配送計画を生成してもよい。なお、配達可能地点とは、移動体10の各々が配達を行うことが可能な地点であり、移動体10の停車地点(例えば、飛行体においては予め用意されている離発着場など)または移動体10を利用する配送員の担当エリア等によって決定される。また、本明細書では、以下、配達可能地点を荷物回収地点とも称する。
【0027】
図1に示した例では、サーバ30は、無人移動体10Aによる荷物回収地点CP1までの荷物Lの配達が行われる配送経路R1と、荷物回収地点CP1から配達先Dまでの役務提供者Uによる荷物Lの回収および配送との組み合わせによる配送計画を生成する。さらに、サーバ30は、同一配達先への他の配送計画として、有人移動体10Bによる荷物Lの配達先Dまでの配達が行われる配送経路R2の配送計画を生成する。サーバ30は、生成した複数の配送計画のうち、いずれか1の配送計画を選択して承認する。または、サーバ30は、1の配送計画を生成した場合、当該1の配送計画を承認する。
【0028】
また、サーバ30は、荷物回収地点からの荷物Lの回収および配送に係る役務の提供が可能な役務提供者の候補を決定する、マッチング機能を有する。サーバ30は、予め登録された複数のユーザの中から、役務提供者の候補を決定する。さらに、サーバ30は、役務提供者の候補に決定されたユーザに対し、役務の提供の募集を通知する。サーバ30は、役務の提供の募集にいずれかのユーザが応じると、生成された配送計画のうち、役務提供者による荷物の回収および配送と、他の配送手段との組み合わせによる配送計画を選択して承認することができる。
【0029】
サーバ30は、1の配送計画を承認すると、当該配送計画に係る配送手段の指定および配送枠の予約等、当該配送計画に係る配達または集荷に関する各種予定の管理を行う。例えば、サーバ30は、荷物Lを配送する配送員または無人移動体10Aの配送枠に、荷物Lの配達または集荷に係る配送予定を登録してもよい。なお、本明細書において配送枠とは、配送員または無人移動体10A等の各配送手段による配送が可能な時間帯を示す。また、サーバ30は、承認された配送計画に基づき、配送先または配送経路等の情報を移動体10または配送員に指示するための配送指示情報を生成する。サーバ30は、生成した配送指示情報を、移動体10に直接送信してもよいし、移動体10を利用する配送員が利用する配送員端末(図示せず)に送信してもよい。移動体10または配送員は、当該配送指示情報に従って荷物Lの配達および集荷の作業を行う。
【0030】
図2は、本実施形態に係る配送枠の一例を説明するための説明図である。例えば、無人移動体10B(または配送者)の1日の配送計画DSは、所定の配送枠(例えば、15分)毎に区切られており、無人移動体10B(または配送者)は、配送枠毎に登録されている荷物Lを、当該配送枠が示す時間に配送する。このような配送計画DSおよび配送枠の組合せは、複数の配送可能地点(荷物回収地点)の候補の各々に設定されていてもよい。
【0031】
例えば、ある配送可能地点(例えば、図1に示した荷物回収地点CP1など)に設定される配送計画DSは、既に無人移動体10B(または配送者)による配送予定が埋まっていることを示す「満」の配送枠(以下、満枠DFと称する。)と、無人移動体10B(または配送者)による配送予定に空きがあることを示す「空き」の配送枠(以下、空枠DEと称する。)の二種類を含む。
【0032】
(情報端末50)
情報端末50は、役務提供者Uが利用する端末である。情報端末50は、例えば、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)またはPC(Personal Computer)等により実現される。
【0033】
情報端末50は、サーバ30から、荷物Lの回収および配送の役務の提供に係る募集の通知を受信する。役務提供者Uは、情報端末50を操作することにより、上記募集の通知を閲覧することができる。さらに、役務提供者Uは、情報端末50を操作し、上記募集に応じることができる。役務提供者Uが情報端末50において募集に応じる操作を行うと、情報端末50は、役務提供者Uが募集に応じたことをサーバ30に通知する。
【0034】
また、情報端末50は、役務提供者Uに対し、上記募集に係る各種情報を表示する機能を有する。例えば情報端末50は、役務提供者Uに対し、役務の提供が決定したタスクに係る荷物回収地点の位置、役務提供者Uの現在位置または経由地点からの移動経路等の情報を表示することができる。
【0035】
以上、本実施形態に係る情報処理システムの概要を説明した。続いて、本実施形態に係るサーバ30および情報端末50の機能構成の一例を説明する。
【0036】
<2.機能構成例>
<2-1.サーバ30>
図3は、本実施形態に係るサーバ30の機能構成の一例を説明するための説明図である。本実施形態に係るサーバ30は、図3に示すように、通信部310、記憶部320、制御部330、候補決定部340、および、通知生成部350を備える。
【0037】
制御部330、候補決定部340、および通知生成部350は、CPU(Central Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)などの演算装置を含み、ROM(Read Only Memory)により記憶されているプログラムがRAM(Random Access Memory)に展開されて実行されることにより、その機能が実現され得る。このとき、当該プログラムを記録した、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体も提供され得る。あるいは、これらのブロックは、専用のハードウェアにより構成されてもよいし、複数のハードウェアの組み合わせにより実現されてもよい。
【0038】
演算装置による演算に必要なデータは、記憶部320によって適宜記憶される。記憶部320は、RAM、ハードディスクドライブまたはフラッシュメモリなどのメモリによって構成されてよい。
【0039】
(通信部310)
通信部310は、移動体10、および、情報端末50等の外部端末との間で各種通信を行う。例えば、通信部310は、制御部330の制御に従って、通知生成部350により生成される役務の募集の通知を、情報端末50に送信する。また、通信部310は、役務提供者Uが役務の募集に対し応じたことの通知を、情報端末50から受信する。さらに、通信部310は、情報端末50から、役務提供者Uの現在位置等の位置測位情報、役務提供者Uの操作により情報端末50に入力される現在の役務提供タスクの実行状況の情報を受信する。また、通信部310は、上述した一般消費者(依頼者)の利用するスマートフォン、または、店舗等に設置される外部端末との間で通信を行うことにより、配送依頼を受け付ける。
【0040】
(記憶部320)
記憶部320は、ソフトウェアおよび各種データを保持する。例えば、記憶部320は、予め登録された、荷物の回収および配送の役務が提供可能なユーザの情報を保持する。ユーザの情報は、例えば、役務提供者Uの各々が利用する移動手段、および、役務提供が可能なエリアの情報を含む。また、記憶部320は、配送計画の生成に関する各種情報を保持する。例えば、記憶部320は、各配送手段、配送手段毎の配送可能位置、各配送可能位置の空き状況、各配送手段の配送枠の空き状況、および、配送依頼に関する情報(例えば、配送依頼に含まれる配送先の住所等の位置情報、荷物Lの種別、および個数など)を保持する。
【0041】
(制御部330)
制御部330は、サーバ30の動作全般を制御する。制御部330は、例えば、通信部310に、情報端末50へ役務の募集の通知を送信させる制御を行う。また、制御部330は、通信部310により荷物Lの配送依頼が受信されると、荷物Lの配送に係る配送計画を1以上生成する機能を有する。また、制御部330は、後述する候補決定部340により役務提供者の候補に決定されたユーザが、役務の提供の募集に応じたことに基づいて、当該ユーザを役務提供者として承認する機能を有する。制御部330は、1のユーザを役務提供者として承認すると、生成された配送計画のうち、当該役務提供者の配送可能位置(役務提供者Uから見た荷物回収地点)までの1の配送計画を選択して承認する。
【0042】
制御部330は、記憶部320を参照して、各配送手段の配送枠の空き状況と、各配送手段の配送可能位置と、を取得する。制御部330は、取得された配送枠の空き状況、および、配送手段ごとの配送可能位置に基づいて、配送手段、配送枠、配送可能位置、および配送経路を指定することにより、配送計画を生成する。このとき、制御部330は、さらに上記配送経路における気象予報に基づいて、配送計画を生成してもよい。例えば、ある配送経路の気象予報が悪天候を示している場合には、制御部330は、当該配送経路における配送手段に、悪天候(特に風速が高い天候)による影響を受ける空路の自律移動体ではない他の配送手段を指定してもよい。
【0043】
制御部330は、1の配送計画を選択して承認すると、当該配送計画に基づき、配送手段の指定および配送枠の指定情報を含む、配送指示情報を生成する。さらに、制御部330は、図1に図示しない、配送員が利用する配送員端末に、配送指示情報を送信してもよい。または、制御部330は、無人移動体10Aと直接通信し、上記配送指示情報を送信してもよい。または、制御部330は、無人移動体10Aを遠隔地で操作する管理者が居る場合には、当該管理者が利用する情報端末(例えば、PC)に上記配送指示情報を送信してもよい。これにより、サーバ30により生成および承認された配送計画に基づいて、荷物Lの配送が行われる。
【0044】
(候補決定部340)
候補決定部340は、荷物回収地点からの荷物の回収および配送の役務の提供が可能と推定される1以上のユーザを役務提供者の候補として決定する機能を有する。より詳細には、制御部330により生成された配送計画が、移動体10による配達可能位置までの配達と、当該配達可能位置(荷物回収地点)からの役務提供者による荷物の回収および配送の組み合わせによる配送計画を含む場合に、候補決定部340は、予め登録されたユーザの中から上記配送計画に係る役務提供者の候補を決定する。以下、本明細書においてユーザとは、予め役務提供者の候補となり得るユーザとして登録されたユーザを指す。ユーザの登録は、各ユーザが情報端末50を操作し入力された当該ユーザの情報が、サーバ30に送信され、記憶部320に記憶されることにより行われてもよい。または、記憶部320が、予めユーザの情報を保持していてもよい。
【0045】
候補決定部340は、荷物回収地点での荷物回収時間帯、ユーザの現在位置、ユーザの移動手段、および、ユーザの決定済みの役務提供予定状況(例えば、配達先と現在位置との距離や必要時間などを含む)、に基づいて、上記役務の提供が可能と推定されるユーザを役務提供者の候補として決定する。荷物回収時間帯は、制御部330により配送計画が生成される際に、移動体10の配送枠および荷物回収地点の空き状況に応じて決定され得る。または、荷物Lの配送依頼が荷物Lの集荷を含む場合には、荷物回収時間帯は、集荷希望時刻であってもよい。また、候補決定部340は、通信部310を介して、情報端末50から各ユーザの現在位置、および、ユーザの決定済みの役務提供予定状況を取得する。
【0046】
候補決定部340は、役務提供者の候補を決定する処理において、ユーザの現在位置および決定済みの役務提供予定状況に基づき、各時刻におけるユーザの推定位置、および、ユーザの現在位置から荷物回収地点までの移動経路を推定する。候補決定部340は、推定された推定位置および移動経路に基づいて、役務の提供が可能と推定される所定の数のユーザを役務提供者の候補として決定する。このとき、候補に決定されるユーザの上限数が、サーバ30の操作者により予め設定されていてもよい。
【0047】
例えば、候補決定部340は、荷物回収時間帯に荷物回収地点までの移動、および、上記荷物の配送先までの配送が可能であると推定されるユーザのうち、現在位置から荷物回収地点までの移動経路が最も短いユーザから順に、役務提供者の候補として決定してもよい。または、候補決定部340は、荷物回収地点への推定到着時刻が最も早い順に1以上のユーザを、役務提供者の候補として決定してもよい。または、候補決定部340は、荷物Lが、例えば要冷蔵の商品である場合など管理温度帯が設定されている荷物である場合には、当該管理温度帯に基づいて決定される、荷物Lが荷物回収地点で待機することが可能な時間を示す待機可能時間を取得してもよい。待機可能時間は、荷物Lの種別ごとに予め決定され、記憶部320に保持されていてもよい。候補決定部340は、荷物回収地点への荷物の推定到着時刻から待機可能時間が経過するまでの間に、荷物回収地点への到着が可能であると推定される上記ユーザを、役務提供者の候補として決定してもよい。
【0048】
(通知生成部350)
通知生成部350は、役務提供者の募集の通知を生成する機能を有する。通知生成部350により生成された募集の通知は、制御部330の制御に従って、役務提供者の候補に決定されたユーザの利用する情報端末50に送信される。または、サーバ30が図3に図示しない表示部を備えていてもよく、その場合、募集の通知は、制御部330の制御に従って当該表示部に表示されてもよい。
【0049】
以上、図3を参照して、本実施形態に係るサーバ30の機能構成の一例を説明した。続いて、図4を参照して、本実施形態に係る情報端末50の機能構成の一例を説明する。
【0050】
<2-2.情報端末50>
図4は、本実施形態に係る情報端末50の機能構成の一例を説明するための説明図である。本実施形態に係る情報端末50は、図4に示すように、通信部510、制御部530、および、操作表示部540、を備える。
【0051】
(通信部510)
通信部510は、サーバ30との間で各種通信を行う。例えば、通信部510は、サーバ30から、役務提供の募集の通知を受信する。また、通信部510は、役務提供者Uによる操作に基づいて、上記募集へ役務提供者Uが応じたことの通知をサーバ30へ送信する。
【0052】
(制御部530)
制御部530は、情報端末50の動作全般を制御する。例えば、制御部530は、通信部510による各種情報の送受信を制御する。例えば、制御部530は、操作表示部540により入力された、役務提供者Uの現在決定済みの役務の実行状況に関する情報を、通信部510に、サーバ30へ送信させる。
【0053】
(操作表示部540)
操作表示部540は、役務提供者Uによる荷物Lの回収または配送の役務の実行状況に関する情報を入力することが可能な操作部としての機能を有する。例えば、役務提供者Uは、操作表示部540を操作することにより、役務の募集の通知に応じることができる。役務の募集の通知に応じる操作は、例えば、操作表示部540に表示された応募ボタンを押下する操作であってもよい。また、役務提供者Uは、操作表示部540を操作することにより、決定済みの役務の開始または完了をサーバ30に通知することができる。あるいは、役務提供者Uは、操作表示部540を操作することにより、募集中または決定済みの役務に係る情報(荷物回収地点の位置または移動経路等)を閲覧することができる。
【0054】
操作表示部540の操作部としての機能は、例えば、タッチパネルまたはキーボードにより実現され得る。また、表示部としての機能は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現され得る。なお、表示部としての機能および操作部としての機能は分離して構成されてもよい。
【0055】
また、情報端末50は、図4に図示しないマイクを備えていてもよく、その場合、役務提供者Uは、マイクを用いて荷物Lの配達または集荷の役務に関する実行状況を音声入力してもよい。また、情報端末50は図4に図示しないスピーカをさらに備えていてもよく、その場合、役務提供者Uは、スピーカから出力された音声により、役務に関する情報を確認してもよい。
【0056】
以上、図3および図4を参照して、サーバ30および情報端末50の機能構成例を説明した。続いて、図5を参照して、本実施形態に係る情報処理システムの動作例を説明する。
【0057】
<3.動作例>
図5は、本実施形態に係る情報処理システムによる、役務提供者の候補の決定および配送計画の承認の処理の動作例を説明するフローチャート図である。
【0058】
まず、サーバ30の通信部310が、荷物の配送または集荷の依頼(配送依頼)を受信する(S101)。サーバ30の制御部330は、配送依頼が受信されると、配送計画を生成する(S103)。なお、生成される配送計画のうち、例えば、総配送時間が短い一以上の配送計画や総配送料が低い一以上配送計画が優先的に、生成された配送計画として記憶されて次のステップに進んでもよい。
【0059】
生成された配送計画のうちに、役務提供者による荷物の回収および配送と、他の配送手段との組み合わせによる配送計画が含まれない場合(S107/NO)、制御部330は、生成された配送計画のうち1の配送計画を選択して承認する(S119)。このとき、制御部330は、例えば、生成された配送計画のうち、配送手段が有人移動体10Bを利用する配送員である配送計画よりも、配送手段が無人移動体10Aである配送計画を優先して選択してもよい。これにより、無人移動体10Aの活用が促進され、より配送効率の高い配送計画が選択され得る。また、ステップS107の判定に代えて、ステップS103において、配送依頼に含まれる配達先位置が移動体10が配送を開始する位置(例えば倉庫WHや移動体10の現在位置、現在の担当エリアなど)から所定の範囲外である時、配送手段による配達可能地点(中継地点)までの配達と、配達可能地点から配達先までの役務提供者Uによる荷物の回収および配送との組合せによる配送計画を生成するようにしてもよい。その場合には、ステップS107を経ずにステップ109へ進んでもよい。
【0060】
S107において、生成された配送計画のうちに、役務提供者による荷物の回収および配送と、他の配送手段との組み合わせによる配送計画が含まれる場合(S107/YES)、サーバ30の候補決定部340は、役務提供者の候補を決定する(S109)。通知生成部350は、役務の募集の通知を生成する。制御部330は、通信部310に、候補に決定されたユーザの利用する情報端末50へ、募集の通知を送信させる(S111)。
【0061】
ユーザが募集に応じなかった場合(S113/NO)、制御部330は、役務提供者による荷物の回収および配送と、他の配送手段の組み合わせによる配送計画において、当初指定されていた配送枠または荷物回収地点を変更する(S115)。次いで、サーバ30は、S113においていずれかのユーザが役務の募集に応じるまで、S115、および、S107~S113の処理を繰り返し実行する。これにより、いずれのユーザも役務提供の募集に応じなかった場合には、同じ配送手段、かつ、異なる配送枠または荷物回収地点で、役務提供者の候補のマッチングが再度行われる。なお、荷物の配達先までの到着時間に期限が有る場合には、サーバ30は、ユーザが役務の募集に応じるまで再度マッチングを繰り返す処理を実行することのできる一定の制限回数または一定の制限時間の範囲内で、S115、および、S107~S113の処理を繰り返してもよい。処理が繰り返された回数が上記制限回数および制限時間を超過する場合には、サーバ30は、役務提供者による役務の提供を要しない他の配送計画を選択するか、新たに他の配送計画を生成し、当該他の配送計画を選択して承認してもよい。
【0062】
S113において、ユーザが募集に応じた場合(S113/YES)、制御部330は、募集に応じたユーザを役務提供者として承認する(S117)。このとき、制御部330は、通信部310に、上記ユーザの利用する情報端末50へ、役務の提供が決定したことの通知を送信させてもよい。
【0063】
制御部330は、役務提供者による荷物Lの回収および配送と、他の配送手段との組み合わせによる、荷物回収地点までの1の配送計画を選択して承認する(S119)。
【0064】
以上、図5を参照して、本実施形態に係る情報処理システムによる、役務提供者の候補の決定および配送計画の承認の処理の動作例を説明した。
【0065】
<4.ハードウェア構成例>
以上説明した情報処理は、ソフトウェアと以下に説明するサーバ30のハードウェアとの協働により実現される。なお、以下に説明するハードウェア構成は情報端末50にも適用可能である。
【0066】
図6は、本実施形態に係るサーバ30のハードウェア構成の一例を説明するための説明図である。サーバ30は、例えば図6に示すように、制御部330、メモリ31、ストレージ32、送受信部33、入出力部34等を備え、これらはバス35を通じて相互に電気的に接続される。
【0067】
制御部330は、サーバ30の全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部330はCPUおよび/またはGPUであり、ストレージ32に格納されメモリ31に展開された本システムのためのプログラム等を実行して上述したような各種情報処理を実施する。
【0068】
メモリ31は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ31は、制御部330のワークエリア等として使用され、また、サーバ30の起動時に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
【0069】
ストレージ32は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ32に構築されていてもよい。
【0070】
送受信部33は、サーバ30をネットワークおよび/またはブロックチェーンネットワークに接続する。なお、送受信部33は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インターフェースを備えていてもよい。
【0071】
入出力部34は、キーボード、マイクおよびマウス類等の情報入力機器、及びディスプレイおよびスピーカ等の出力機器である。
【0072】
バス35は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0073】
<5.補足>
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0074】
例えば、上記実施形態では、候補決定部340が、荷物回収地点での荷物回収時間帯、ユーザの現在位置、ユーザの移動手段、および、ユーザの決定済みの役務提供予定状況、に基づいて、役務の提供が可能と推定されるユーザを役務提供者の候補として決定するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、候補決定部340は、ユーザの各々が役務提供可能である状態の条件を示す役務提供可能条件を予め取得していてもよい。役務提供可能条件は、例えば、各ユーザが荷物の回収および配送を行うことが可能なエリア、または、募集の通知を受けることなく役務の提供に応じることが可能な時間帯、等の条件が考えられる。この場合、候補決定部340は、役務提供者の候補に決定されたユーザに対し募集の通知を行うことなく、上記役務提供可能条件を満たすユーザを即時に役務提供者として承認してもよい。これにより、制御部330は、ユーザが募集に応じるまで待機することなく即座にいずれかのユーザを役務提供者として承認することができる。従って、制御部330により生成された配送計画が承認されるまでの時間をさらに短縮することができる。
【0075】
また、本実施形態によるサーバ30、および、情報端末50の動作の処理におけるステップは、必ずしも説明図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、サーバ30および情報端末50の動作の処理における各ステップは、説明図として記載した順序と異なる順序で処理されてもよく、並列的に処理されてもよい。
【0076】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本発明に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0077】
また、サーバ30および情報端末50に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述したサーバ30および情報端末50の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。
【符号の説明】
【0078】
10 移動体
30 サーバ
310 通信部
320 記憶部
330 制御部
340 候補決定部
350 通知生成部
50 情報端末
510 通信部
530 制御部
540 操作表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6