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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024053938
(43)【公開日】2024-04-16
(54)【発明の名称】インクジェットプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
B41J2/01 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160474
(22)【出願日】2022-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 昭洋
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 雄介
(72)【発明者】
【氏名】渥美 英敏
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA07
2C056FA10
2C056HA60
(57)【要約】
【課題】ガイドレールが設けられる支持部材におけるベースプレートに対する固定作業を簡単に行うことができ、かつ、ベースプレートに対してガイドレールを正確に位置決めできる。
【解決手段】プリンタ10は、ベースプレート20と、ガイドレール58を支持する支持部材が設けられ、ベースプレート20から立設された支持壁51と、を備えている。支持壁51は、支持壁51の下端から突出した取付突起92aを備えている。ベースプレート20には、取付突起92aが挿入される取付孔110が形成されている。取付孔110は、取付突起92aが当て付けられる当て付け縁111aと、取付突起92aを当て付け縁111aに向かって押し付け、変形可能な押し付け部115を有している。当て付け縁111aと押し付け部115の離間距離D1は、取付突起92aの厚みD2以下である。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースプレートと、
前記ベースプレートに取り付けられ、主走査方向に延設される支持壁と、
前記支持壁に支持された支持部材と、
前記支持部材に設けられ、前記主走査方向に延びたガイドレールと、
前記ガイドレールに沿って前記主走査方向に移動可能なインクヘッドと、
を備え、
前記支持壁は、前記支持壁の下端から突出した取付突起を備え、
前記ベースプレートには、前記支持壁の前記取付突起が挿入される取付孔が形成され、
前記取付孔は、前記主走査方向に延び、互いに対向する一対の縁によって一部が形成されており、
前記一対の縁の何れか一方には、前記取付突起が当て付けられる当て付け縁が設けられ、
前記一対の縁の何れか他方には、前記取付突起を前記当て付け縁に向かって押し付け、変形可能な押し付け部が設けられ、
前記一対の縁における対向間隔は、前記取付突起の厚みより大きく設定されており、
前記当て付け縁と前記押し付け部との間の前記主走査方向と直交する副走査方向における離間距離は、前記取付突起の厚み以下に設定されている、インクジェットプリンタ。
【請求項2】
前記押し付け部は、前記一対の縁の何れか他方から延設され、前記ベースプレートと一体的に設けられ、かつ、塑性変形可能に構成されている、請求項1に記載されたインクジェットプリンタ。
【請求項3】
前記押し付け部は、先端に向かうに連れて幅が小さくなるように構成されている、請求項1に記載されたインクジェットプリンタ。
【請求項4】
前記押し付け部は、前記取付孔の前記主走査方向の中心に設けられている、請求項1に記載されたインクジェットプリンタ。
【請求項5】
前記ベースプレートは、
第1ベース部材と、
前記第1ベース部材と前記主走査方向に並んで配置された第2ベース部材と、
を有し、
前記支持壁は、前記第1ベース部材から前記第2ベース部材に亘って設けられ、
前記取付孔は、前記第1ベース部材に形成されている、請求項1から4までの何れか1つに記載されたインクジェットプリンタ。
【請求項6】
前記第2ベース部材には、前記取付孔と前記主走査方向に並ぶ位置に他の取付孔が形成され、
支持壁は、前記第2ベース部材に向かって突出し、前記他の取付孔に挿入される他の取付突起を備えている、請求項5に記載されたインクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インクジェット方式によって被印刷物に画像を印刷するインクジェットプリンタが知られている。例えば特許文献1には、主走査方向に延びたガイドレールと、ガイドレールに摺動自在に設けられたキャリッジと、キャリッジに搭載されたインクヘッドと、被印刷物が支持されるテーブルを有し、かつ、主走査方向と平面視において直交する副走査方向に移動可能なテーブルユニットと、を備えたプリンタが開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されたプリンタでは、インクヘッドは、主走査方向に移動しながら、テーブルに支持された被印刷物にインクを吐出する。その後、テーブルユニットが副走査方向に移動することにより、テーブルに支持された被印刷物は、副走査方向に移動する。これらを繰り返し行うことによって、被印刷物に画像が印刷される。
【0004】
ところで、被印刷物が支持されたテーブルが移動する方向である副走査方向は、インクヘッドが搭載されたキャリッジの移動する方向である主走査方向に対して、直交している。しかしながら、プリンタを組み立てた際における各部材の寸法や配置位置の誤差などによって、主走査方向と副走査方向とが直交しないことがあり得る。例えば、ガイドレールを支持する部材は、主走査方向に延設される板状部材によって構成されており、複数の箇所を例えば螺子で固定されるが、固定位置にバラツキが生じる場合があり得る。このように、ガイドレールを支持する部材の固定位置にバラツキが生じると、キャリッジが摺動自在に設けられたガイドレールと、テーブルユニットが移動可能に設けられたスライド軸とが直交しないことがあり得る。このような場合には、被印刷物に吐出されるインクの着弾位置にズレが生じ、印刷の品質が低下するおそれがある。かかる問題を解決すべく、特許文献1には、テーブルが摺動自在に設けられたスライド軸(詳しくは、スライド軸が固定されたベースプレート)の角度を調整することによって、ガイドレールに対するスライド軸の角度を調整する角度調整機構が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-121712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、キャリッジが摺動自在に設けられたガイドレールと、テーブルユニットが移動可能に設けられたスライド軸とを直交させるためには、ガイドレールを基準にしてスライド軸の位置を決定するため、ガイドレールは、スライド軸が設けられたベースプレートに対して正確に位置決めされることが重要となる。一方、ガイドレールそのものが長尺な部品であることから、ガイドレールを支持する部材(例えば支持部材)も長尺化するため、支持部材に対して曲がりや加工のばらつきによる寸法誤差が発生することがあり得る。この寸法誤差に対応するためには、支持部材をベースプレートに固定する際に、ベースプレートの固定箇所に寸法誤差を考慮した公差を確保する必要がある。この公差が大きいと支持部材を固定するための固定作業が容易化する一方、支持部材を固定する固定位置にばらつきが発生し、ガイドレールの正確な位置決めが困難となる。一方、公差を小さくすると、支持部材を固定する固定位置のばらつきを抑制することができるが、支持部材を固定する固定作業が困難になる。よって、固定作業の容易化と、ガイドレールの正確な位置決めとの両立が望まれていた。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガイドレールが設けられる支持部材におけるベースプレートに対する固定作業を簡単に行うことができ、かつ、ベースプレートに対してガイドレールを正確に位置決めできるインクジェットプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るインクジェットプリンタは、ベースプレートと、支持壁と、支持部材と、ガイドレールと、インクヘッドとを備えている。前記支持壁は、前記ベースプレートに取り付けられ、主走査方向に延設されている。前記支持部材は、前記支持壁に支持されている。前記ガイドレールは、前記支持部材に設けられ、前記主走査方向に延びている。前記インクヘッドは、前記ガイドレールに沿って前記主走査方向に移動可能である。前記支持壁は、前記支持壁の下端から突出した取付突起を備えている。前記ベースプレートには、前記支持壁の前記取付突起が挿入される取付孔が形成されている。前記取付孔は、前記主走査方向に延び、互いに対向する一対の縁によって一部が形成されている。前記一対の縁の何れか一方には、前記取付突起が当て付けられる当て付け縁が設けられている。前記一対の縁の何れか他方には、前記取付突起を前記当て付け縁に向かって押し付け、変形可能な押し付け部が設けられている。前記一対の縁における対向間隔は、前記取付突起の厚みより大きく設定されている。前記当て付け縁と前記押し付け部との間の前記主走査方向と直交する副走査方向における離間距離は、前記取付突起の厚み以下に設定されている。
【0009】
上記インクジェットプリンタによれば、ガイドレールは支持部材に設けられ、支持部材は支持壁に支持されている。そのため、ベースプレートに対して、主走査方向に延びるように支持壁を取り付けることで、ガイドレールを位置決めすることができる。ここでは、支持壁をベースプレートに取り付ける際、支持壁の取付突起を、ベースプレートの取付孔に挿入する。ここで、取付突起が押し付け部によって押し付けられながら、取付孔における主走査方向に延びた当て付け縁に当て付けられることで、支持壁が主走査方向に延びた状態でベースプレートに支持されることができる。ここで、仮に支持壁の曲がりや、支持壁の取付突起の厚みのバラツキなどによって、支持壁の固定位置にバラツキが生じた場合であっても、取付孔の当て付け縁と、押し付け部との間の副走査方向の離間距離が、取付突起の厚み以下であるため、押し付け部が取付突起に当接して変形することで、支持壁の取付突起を取付孔の当て付け縁に隙間なく当て付けることができる。このように、押し付け部が塑性変形することで、支持壁を固定する際の固定位置のバラツキを調整することができ、かつ、ガイドレールが設けられる支持部材を固定する際の固定位置のバラツキを調整することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ガイドレールが設けられる支持部材におけるベースプレートに対する固定作業を簡単に行うことができ、かつ、ベースプレートに対してガイドレールを正確に位置決めできるインクジェットプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係るインクジェットプリンタの斜視図である。
図2】カバー本体を取り外した状態のプリンタを示す斜視図である。
図3図2からテーブルユニットを取り外した状態のプリンタを示す斜視図である。
図4】ベースプレートの平面図である。
図5A】第1サイドフレームの右側面図である。
図5B】第1サイドフレームの平面図である。
図5C】サイド取付突起を示す右側面図である。
図6】ベースプレートのサイド取付孔を示す平面図であり、サイド取付孔にサイド取付突起が挿入された状態を示す図である。
図7A】第1支持壁の正面図である。
図7B】第1支持壁の平面図である。
図7C】取付突起を示す正面図である。
図8A】ベースプレートの第1取付孔を示す平面図である。
図8B】ベースプレートの第1取付孔を示す平面図であり、第1取付孔に第1取付突起が挿入された状態を示す図である。
図9】ベースプレートの第2取付孔を示す平面図であり、第2取付孔に第2取付突起が挿入された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るインクジェットプリンタの実施形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化される。
【0013】
図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下、単に「プリンタ」ともいう。)10の斜視図である。以下の説明では、プリンタ10を正面から見たときに、プリンタ10から遠ざかる方を前方、プリンタ10に近づく方を後方とする。左、右、上、下とは、プリンタ10を正面から見たときの左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。また、図面中の符号Yは主走査方向を示している。ここでは、主走査方向Yは左右方向である。符号Xは副走査方向を示している。ここでは、副走査方向Xは、平面視において主走査方向Yと交差(ここでは直交)している。副走査方向Xは、例えば前後方向である。符号Zは、高さ方向、ここでは上下方向を示している。ただし、これら方向は、説明の便宜上に定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置形態を何ら限定するものではなく、かつ、本発明を何ら限定するものでもない。
【0014】
本実施形態に係るプリンタ10は、インクジェット方式のプリンタである。プリンタ10は、家庭用のプリンタと比較すると主走査方向Yに長い、いわゆる大型のプリンタである。例えば、プリンタ10は、業務用のプリンタである。本実施形態では、プリンタ10は、被印刷物5(図2参照)に画像を印刷する。
【0015】
被印刷物5の種類は特に限定されない。例えば被印刷物5は、記録紙や転写紙などの平面シートであってもよいし、携帯電話ケースなどの各種ケース、小型電子機器、キーホルダやフォトフレームやペンなどの部品小物、日用品、アクセサリなどの立体物であってもよい。被印刷物5を形成する材料は、普通紙やインクジェット用印刷紙などの紙類はもちろんのこと、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)共重合体などの樹脂類、アルミニウムやステンレス鋼などの金属類、カーボン、陶器、セラミック、ガラス、ゴム、皮革、木材などであってもよい。
【0016】
図2は、カバー本体30を取り外した状態のプリンタ10を示す斜視図である。図3は、図2からテーブルユニット70を取り外した状態を示す斜視図である。図4は、ベースプレート20の平面図である。プリンタ10は、ベースプレート20(図2参照)と、カバー本体30(図1参照)とを備えている。図4に示すように、ベースプレート20は、主走査方向Yおよび副走査方向Xに広がった板状に形成されたものである。本実施形態では、ベースプレート20は、複数の部材によって構成されているが、1つの部材によって構成されていてもよい。ここでは、ベースプレート20は、中央ベース部材25と、第1サイドベース部材21と、第2サイドベース部材22と、を有している。中央ベース部材25は、ベースプレート20の主走査方向Yの中央部分を構成している。中央ベース部材25は、平面視において長方形状である。本実施形態では、中央ベース部材25は、第1ベース部材の一例である。
【0017】
第1サイドベース部材21は、中央ベース部材25と主走査方向Yに並んで配置されている。ここでは、第1サイドベース部材21は、中央ベース部材25の左方に配置され、中央ベース部材25の左端に取り付けられている。第1サイドベース部材21は、平面視において四角形状であり、第1サイドベース部材21の前端が、中央ベース部材25の左前端から左斜め後方に向かって傾斜している。第1サイドベース部材21の主走査方向Yの長さは、中央ベース部材25の主走査方向Yの長さよりも短い。本実施形態では、第1サイドベース部材21は、本発明の第2ベース部材の一例である。第2サイドベース部材22は、中央ベース部材25と主走査方向Yに並んで配置されている。ここでは、第2サイドベース部材22は、中央ベース部材25の右方に配置され、中央ベース部材25の右端に取り付けられている。第2サイドベース部材22は、平面視において四角形状であり、第2サイドベース部材22の前端が、中央ベース部材25の右前端から右斜め後方に向かって傾斜している。第2サイドベース部材22の主走査方向Yの長さは、中央ベース部材25の主走査方向Yの長さよりも短く、第1サイドベース部材21の主走査方向Yの長さと同じである。
【0018】
図1および図2に示すように、カバー本体30は、ベースプレート20を上方から覆うものであり、内部に内部空間を有している。カバー本体30は、ベースプレート20に支持されている。図1に示すように、カバー本体30には、開口31が形成されている。開口31は、前方かつ上方に向かって斜めに開口している。カバー本体30には、開口31を開閉自在に覆う扉33が設けられている。扉33は、後端を軸にして回転可能なように、カバー本体30に支持されている。扉33が後端を軸にして上方に開かれることにより、カバー本体30の内部空間と外部空間とが連通される。扉33には、例えば透明または半透明なアクリル板によって形成された窓35が設けられている。ユーザは、窓35を通じてカバー本体30の内部を視認することができる。
【0019】
図3に示すように、プリンタ10は、第1サイドフレーム41と、第2サイドフレーム42と、フロントフレーム43と、第1側壁46と、第2側壁47と、を備えている。第1サイドフレーム41と、第2サイドフレーム42と、フロントフレーム43とは、ベースプレート20に取り付けられており、ベースプレート20から上方に延びている。本実施形態では、第1サイドフレーム41は、中央ベース部材25の左部から上方に延びており、副走査方向Xおよび上下方向Zに広がっている。第2サイドフレーム42は、中央ベース部材25の右部から上方に延びており、副走査方向Xおよび上下方向Zに広がっている。第1サイドフレーム41と第2サイドフレーム42とは、左右一対になっており、互いが平行になるように配置されている。なお、第1サイドフレーム41および第2サイドフレーム42と、ベースプレート20との取付構造については後述する。
【0020】
フロントフレーム43は、中央ベース部材25の前部から上方に延びており、主走査方向Yおよび上下方向Zに広がっている。フロントフレーム43の左端は、第1サイドフレーム41の前端に接続され、フロントフレーム43の右端は、第2サイドフレーム42の前端に接続されている。第1側壁46および第2側壁47は、副走査方向Xおよび上下方向Zに広がっている。第1側壁46は、第1サイドフレーム41に固定されており、第1サイドフレーム41に支持されている。ここでは、第1側壁46は、第1サイドフレーム41の右面に取り付けられており、第1サイドフレーム41から上方に延びている。第2側壁47は、第2サイドフレーム42に固定されており、第2サイドフレーム42に支持されている。ここでは、第2側壁47は、第2サイドフレーム42の左面に取り付けられており、第2サイドフレーム42から上方に延びている。
【0021】
プリンタ10は、第1支持壁51と、第2支持壁52と、支持部材55とを備えている。第1支持壁51および第2支持壁52は、ベースプレート20に取り付けられており、ベースプレート20から上方に延びている。本実施形態では、図4に示すように、第1支持壁51は、第1サイドフレーム41の左方に配置されており、中央ベース部材25の左部から第1サイドベース部材21に亘るように設けられている。第1支持壁51は、ベースプレート20から立設され、主走査方向Yに延設されている。第1支持壁51は、主走査方向Yおよび上下方向Zに広がっている。第2支持壁52は、第2サイドフレーム42の右方に配置されており、中央ベース部材25の右部から第2サイドベース部材22に亘るように設けられている。第2支持壁52は、ベースプレート20から立設され、主走査方向Yに延設されている。第2支持壁52は、主走査方向Yおよび上下方向Zに広がっている。第2支持壁52は、第1支持壁51と所定の距離だけ離れるように、第1支持壁51よりも右方に配置されている。本実施形態では、第1支持壁51と第2支持壁52とは、副走査方向Xの位置が同じである。すなわち、第1支持壁51と第2支持壁52とは、主走査方向Yに延びた同一直線上に配置されている。なお、第1支持壁51および第2支持壁52と、ベースプレート20との取付構造については後述する。
【0022】
図2に示すように、支持部材55は、主走査方向Yおよび上下方向Zに広がった部材であり、第1支持壁51と第2支持壁52に架け渡されている。支持部材55の左端部は、第1支持壁51に取り付けられ、かつ、支持されている。支持部材55の右端部は、第2支持壁52に取り付けられ、かつ、支持されている。また、支持部材55は、第1側壁46および第2側壁47の上端部に支持されている。
【0023】
本実施形態では、プリンタ10は、ガイドレール58と、インクヘッドユニット60と、ヘッド移動機構65と、テーブルユニット70と、テーブル移動機構75と、を備えている。図2に示すように、ガイドレール58は、主走査方向Yに延びている。ガイドレール58は、支持部材55に支持されている。ここでは、ガイドレール58は、支持部材55の前面に取り付けられており、支持部材55から前方に向けて突出するように設けられている。
【0024】
インクヘッドユニット60は、キャリッジ62と、インクヘッド63と、を備えている。キャリッジ62は、ガイドレール58に摺動自在に係合している。キャリッジ62は、ガイドレール58に沿って主走査方向Yに移動可能に構成されている。インクヘッド63は、被印刷物5に向かって、ここでは下方に向かってインクを吐出する。インクヘッド63は、キャリッジ62に搭載されており、ガイドレール58に沿って主走査方向Yに移動可能である。なお、インクヘッド63の数は特に限定されないが、ここでは3つである。3つのインクヘッド63は、主走査方向Yに並んで配置されている。インクヘッド63から吐出されるインクは、例えば光硬化性インクである。光硬化性インクとして、例えば紫外線硬化インクが挙げられる。
【0025】
図示は省略するが、キャリッジ62には、光照射装置が設けられてもよい。光照射装置は、被印刷物5に吐出されたインクに光(例えば紫外線)を照射する装置である。光照射装置は、例えばインクヘッド63よりも右方に配置されている。ただし、光照射装置は、インクヘッド63よりも左方に配置されてもよいし、インクヘッド63の左右両方に配置されてもよい。
【0026】
ヘッド移動機構65は、キャリッジ62およびインクヘッド63を主走査方向Yに移動させる機構である。ヘッド移動機構65の構成は、特に限定されない。図示は省略するが、ヘッド移動機構65は、ガイドレール58の左右両端部の周囲に設けられた一対のプーリと、一対のプーリに巻き掛けられたベルトと、一方のプーリに接続されたヘッドモータとを有している。ベルトには、キャリッジ62が固定されている。ここで、ヘッドモータが駆動すると、一方のプーリが回転する。このことで、ベルトが一対のプーリの間で走行し、キャリッジ62およびインクヘッド63が主走査方向Yに移動する。
【0027】
テーブルユニット70は、ベースプレート20の中央ベース部材25上に配置され、第1サイドフレーム41と第2サイドフレーム42との間に配置されている。テーブルユニット70は、被印刷物5を支持するテーブル71と、テーブル71を副走査方向Xに移動可能に支持するテーブルキャリッジ72とを備えている。ここでは、テーブル71には、被印刷物5が載置される。テーブル71は、主走査方向Yおよび副走査方向Xに広がっている。テーブル71は、第1サイドフレーム41と第2サイドフレーム42との間において、支持部材55およびガイドレール58よりも下方に配置されている。テーブルキャリッジ72は、テーブル71を下方から支持している。テーブルキャリッジ72は、副走査方向Xに移動可能に構成されている。また、テーブルキャリッジ72は、図示しない昇降機構によって、テーブル71を上下方向Zに移動可能に構成されている。
【0028】
テーブル移動機構75は、テーブル71を副走査方向Xに移動させる機構である。テーブル移動機構75は、スライドレール76と、移動装置(図示せず)とを備えている。スライドレール76には、テーブルユニット70がスライド可能に設けられている。スライドレール76は、第1スライドレール76Aと、第2スライドレール76Bとを有している。第1スライドレール76Aおよび第2スライドレール76Bは、副走査方向Xに延びている。第1スライドレール76Aは、第1サイドフレーム41に設けられており、詳しくは第1サイドフレーム41の右面に取り付けられている。第2スライドレール76Bは、第2サイドフレーム42に設けられており、詳しくは第2サイドフレーム42の左面に取り付けられている。第1スライドレール76Aと第2スライドレール76Bとは、平行に配置されている。
【0029】
移動装置は、例えばベースプレート20の中央ベース部材25上に配置されている。図示は省略するが、移動装置は、前後一対のテーブル用プーリと、前後一対のテーブル用プーリに巻き掛けられたテーブル用ベルトと、後側のテーブル用プーリに接続された駆動モータとを有している。ここでは、駆動モータが駆動して、後側のテーブル用プーリが回転することで、前後一対のテーブル用プーリの間においてテーブル用ベルトが走行する。テーブルキャリッジ72は、テーブル用ベルトに取り付けられている。このため、駆動モータの駆動によってテーブル用ベルトが走行すると、テーブルキャリッジ72およびテーブル71は、第1スライドレール76Aおよび第2スライドレール76Bに沿って、副走査方向Xに移動する。
【0030】
次に、第1スライドレール76Aが設けられる第1サイドフレーム41と、第2スライドレール76Bが設けられる第2サイドフレーム42を、ベースプレート20へ取り付ける構成について説明する。本実施形態では、第1サイドフレーム41と第2サイドフレーム42とのベースプレート20への取り付ける構成は、同じである。そこで、以下では、第1サイドフレーム41をベースプレート20に取り付ける構造について説明し、第2サイドフレーム42をベースプレート20に取り付ける構造についての説明は、適宜省略する。
【0031】
図5A図5Bは、それぞれ第1サイドフレーム41の右側面図、平面図である。図5Cは、サイド取付突起82を示す右側面図である。本実施形態では、図5Aに示すように、第1サイドフレーム41は、サイド板状部80と、サイドフランジ81と、サイド取付突起82とを有している。サイド板状部80は、副走査方向Xおよび上下方向Zに広がった板状のものである。ここでは、図2に示すように、サイド板状部80に、スライドレール76が取り付けられている。
【0032】
サイドフランジ81は、第1サイドフレーム41のサイド板状部80の下端から主走査方向Yの一方側に突出している。ここでは、サイドフランジ81は、第1サイドフレーム41の下端から第2サイドフレーム42側、ここでは右方に向かって突出している。なお、第2サイドフレーム42において、サイドフランジ81は、第2サイドフレーム42の下端から第1サイドフレーム41側、ここでは左方に向かって突出している。図5Bに示すように、サイドフランジ81は、主走査方向Yおよび副走査方向Xに広がっている。サイドフランジ81は、主走査方向Yよりも副走査方向Xに長い板状のものである。図2に示すように、サイドフランジ81は、ベースプレート20の中央ベース部材25の上面に沿って配置される。
【0033】
図5Bに示すように、サイドフランジ81には、複数のサイド固定孔84が形成されている。サイド固定孔84の数は特に限定されない。ここでは、図5Bには、サイド固定孔84が3つ図示されているが、実際には、サイド固定孔84の数は、第1サイドフレーム41用の後述のベースサイド固定孔26(図4参照)と同じ数であり、7つである。複数のサイド固定孔84は、副走査方向Xに並ぶように配置されている。サイド固定孔84の形状は、特に限定されないが、例えば円形状である。
【0034】
図5Aに示すように、サイド取付突起82は、サイド板状部80の下端からベースプレート20(図3参照)に向かって突出している。ここでは、サイド取付突起82は、サイド板状部80から下方に向かって突出している。図5Cに示すように、サイド取付突起82は、第1サイド突起面85aと、第2サイド突起面85bとを有している。第1サイド突起面85aと第2サイド突起面85bとは、副走査方向Xおよび上下方向Zに広がった面である。第1サイド突起面85aは、サイド取付突起82の左面を構成している。第2サイド突起面85bは、第1サイド突起面85aと反対側の面であり、サイド取付突起82の右面を構成している。第1サイド突起面85aおよび第2サイド突起面85bの形状は特に限定されないが、ここでは四角形の下の2つの角を斜めにカットした六角形状である。
【0035】
本実施形態では、図5Aに示すように、第1サイドフレーム41におけるサイド取付突起82の数は、複数であり、ここでは3つである。3つのサイド取付突起82は、副走査方向Xに並んで配置されている。
【0036】
本実施形態では、図4に示すように、ベースプレート20の中央ベース部材25には、ベースサイド固定孔26が形成されている。ベースサイド固定孔26は、第1サイドフレーム41(または第2サイドフレーム42)に形成されたサイド固定孔84(図5B参照)に対応しており、第1サイドフレーム41または第2サイドフレーム42を中央ベース部材25に取り付けたとき、サイド固定孔84と重なる位置に形成されている。ベースサイド固定孔26の数は、サイド固定孔84の数と同じであり、第1サイドフレーム41を固定するために7つ形成され、第2サイドフレーム42を固定するために7つ形成されている。すなわち、ここでは、中央ベース部材25に形成されたベースサイド固定孔26は、14個である。ここでは、例えば第1サイドフレーム41を固定するための7つのベースサイド固定孔26は、副走査方向Xに並んで配置されている。第2サイドフレーム42を固定するための7つのベースサイド固定孔26は、副走査方向Xに並んで配置されている。
【0037】
ベースサイド固定孔26は、サイド固定孔84と同じ大きさであり、かつ、サイド固定孔84と同じ円形状である。本実施形態では、ベースサイド固定孔26にサイド固定孔84を重ねて、ベースサイド固定孔26およびサイド固定孔84に、螺子29(図3参照)を挿入することで、第1サイドフレーム41および第2サイドフレーム42を、中央ベース部材25に固定することができる。
【0038】
図4に示すように、中央ベース部材25には、サイド取付孔27が形成されている。サイド取付孔27は、クランク状に貫通形成された孔である。サイド取付孔27には、第1サイドフレーム41(または第2サイドフレーム42)のサイド取付突起82(図5C参照)が挿入される。図6は、サイド取付孔27を示す平面図であり、サイド取付孔27にサイド取付突起82が挿入された状態を示す図である。図6に示すように、サイド取付孔27の縁は、第1サイド縁28a~第8サイド縁28hを有している。ここで、第1サイド縁28a、第2サイド縁28b、第3サイド縁28cおよび第4サイド縁28dは、サイド取付突起82の第1サイド突起面85aおよび第2サイド突起面85bと平行になるように配置され、ここでは、副走査方向Xに延びている。本実施形態では、第1サイド縁28aと、第2サイド縁28bとの間に、サイド取付突起82が挿入され、かつ、嵌め込まれる。ここでは、第1サイド縁28aと、第2サイド縁28bとは副走査方向Xにズレて配置されている。第3サイド縁28cは、第1サイド縁28aと対向しており、第2サイド縁28bよりも第1サイド縁28aから主走査方向Yに離れた位置に配置されている。第4サイド縁28dは、第2サイド縁28bと対向しており、第1サイド縁28aよりも第2サイド縁28bから主走査方向Yに離れた位置に配置されている。サイド取付孔27の第1サイド縁28aと第2サイド縁28bとの主走査方向Yの距離は、サイド取付突起82の厚み(ここでは、主走査方向Yの長さ)と略同一に設定されている。
【0039】
第5サイド縁28e、第6サイド縁28f、第7サイド縁28gおよび第8サイド縁28hは、主走査方向Yに延びた縁である。ここで、第5サイド縁28eは、第1サイド縁28aと第3サイド縁28cとに接続されている。第6サイド縁28fは、第2サイド縁28bと第4サイド縁28dとに接続されている。第7サイド縁28gは、第1サイド縁28aと第4サイド縁28dとに接続されている。第8サイド縁28hは、第2サイド縁28bと第3サイド縁28cとに接続されている。
【0040】
本実施形態では、サイド取付孔27の数は、サイド取付突起82の数と同じであり、図4に示すように、第1サイドフレーム41を中央ベース部材25に取り付けるために3つ形成され、第2サイドフレーム42を中央ベース部材25に取り付けるために3つ形成されている。すなわち、中央ベース部材25には、合計6個のサイド取付孔27が形成されている。ここでは、第1サイドフレーム41を取り付けるための3つのサイド取付孔27は、副走査方向Xに一直線上に配置され、第2サイドフレーム42を取り付けるための3つのサイド取付孔27も副走査方向Xに一直線上に配置されている。上述のように、サイド取付孔27の第1サイド縁28aと第2サイド縁28bとの主走査方向Yの距離は、サイド取付突起82の厚みと略同一に設定されている。このため、第1サイドフレーム41を取り付けるための3つのサイド取付孔27に挿入される3つのサイド取付突起82も、副走査方向Xに一直線上に配置される。これにより、第1サイドフレーム41の固定位置にバラツキが発生することを抑制することができる。なお、第2サイドフレーム42を取り付けるための3つのサイド取付孔27に挿入される3つのサイド取付突起82も同様である。よって、第1サイドフレーム41と第2サイドフレーム42とを副走査方向Xに平行になるように配置することができる。
【0041】
例えば第1サイドフレーム41を中央ベース部材25に取り付けるとき、まず第1サイドフレーム41のサイド取付突起82を、図6に示すように、中央ベース部材25に形成されたサイド取付孔27に挿入する。このとき、サイド取付突起82は、サイド取付孔27の第1サイド縁28aと第2サイド縁28bとの間に配置され、サイド取付突起82の第1サイド突起面85aは、第1サイド縁28aに沿って配置、または、第1サイド縁28aに接触する。サイド取付突起82の第2サイド突起面85bは、第2サイド縁28bに沿って配置、または、第2サイド縁28bに接触する。このことによって、図4に示すように、第1サイドフレーム41をベースプレート20に対して副走査方向Xに沿うように配置することができる。
【0042】
サイド取付突起82をサイド取付孔27に挿入する際には、第1サイド縁28aと第3サイド縁28c(または、第2サイド縁28bと第4サイド縁28d)との間に設けられる隙間を利用して、サイド取付突起82の角部分をサイド取付孔27に挿入する。この場合、上記隙間は、サイド取付突起82の厚みよりも大きいため、サイド取付突起82の角部分を簡単に挿入することができる。このようにサイド取付突起82の角部分をサイド取付孔27に挿入した後、サイド取付突起82を第2サイド縁28b(または第1サイド縁28a)に当接させながら、サイド取付突起82の全体をサイド取付孔27に挿入する。この場合も、第2サイド縁28bと第4サイド縁28d(または、第1サイド縁28aと第3サイド縁28c)との間に設けられる隙間は、サイド取付突起82の厚みよりも大きいため、サイド取付孔27に干渉することなく、サイド取付突起82の全体を容易に挿入できる。一方、サイド取付孔27の第1サイド縁28aと第2サイド縁28bとの主走査方向Yの距離は、サイド取付突起82の厚みと略同一に設定されているため、第1サイドフレーム41をベースプレート20に対して正確に位置決めすることができる。
【0043】
このように、サイド取付突起82をサイド取付孔27に挿入すると、第1サイドフレーム41のサイドフランジ81に形成されたサイド固定孔84(図5B参照)が、中央ベース部材25に形成されたベースサイド固定孔26(図4参照)と重なる。ここで、重なったサイド固定孔84およびベースサイド固定孔26に螺子29(図3参照)を挿入し、螺子29を締め付ける。このことで、第1サイドフレーム41をベースプレート20の中央ベース部材25に固定することができる。なお、第2サイドフレーム42についても、第1サイドフレーム41と同様の手順で中央ベース部材25に固定することができる。
【0044】
次に、図4に示す第1支持壁51および第2支持壁52をベースプレート20に取り付ける構成について説明する。本実施形態では、第1支持壁51と第2支持壁52とにおけるベースプレート20への取り付ける構成は同じである。以下では、第1支持壁51をベースプレート20に取り付ける構成について説明し、第2支持壁52をベースプレート20に取り付ける構成についての説明は、適宜省略する。
【0045】
図7A図7Bは、それぞれ第1支持壁51の正面図、平面図である。図7Cは、第1支持壁51の取付突起92を示す正面図である。本実施形態では、図7Aに示すように、第1支持壁51は、板状部90と、フランジ91と、取付突起92とを備えている。板状部90は、主走査方向Yおよび上下方向Zに広がった板状のものである。ここでは、板状部90は、下方に延びた第1脚部93aおよび第2脚部93bを有している。第1脚部93aは、ベースプレート20の中央ベース部材25(図4参照)に向かって延びており、中央ベース部材25に接続される。第1支持壁51において、第2脚部93bは、ベースプレート20の第1サイドベース部材21(図4参照)に向かって延びており、第1サイドベース部材21に接続される。第2支持壁52において、第2脚部93bは、ベースプレート20の第2サイドベース部材22(図4参照)に向かって延びており、第2サイドベース部材22に接続される。ここでは、図7Aに示すように、第1脚部93aと第2脚部93bとは、主走査方向Yにおいて離間するように配置されている。本実施形態では、第1支持壁51の板状部90の上端部と、第2支持壁52の板状部90の上端部に、支持部材55が架け渡されて、設けられている。
【0046】
フランジ91は、板状部90の下端から副走査方向Xの一方側(ここでは前方側)に突出している。詳しくは、図7Aに示すように、フランジ91は、板状部90の第1脚部93aと第2脚部93bのそれぞれの下端に設けられており、第1脚部93aの下端、および、第2脚部93bの下端から前方に向かって延びている。図7Bに示すように、フランジ91は、主走査方向Yおよび副走査方向Xに広がっている。フランジ91は、副走査方向Xよりも主走査方向Yに長い板状のものである。図3に示すように、フランジ91は、第1サイドベース部材21または第2サイドベース部材22の上面に沿って配置される。
【0047】
図7Bに示すように、フランジ91には、複数の固定孔94が形成されている。固定孔94の数は特に限定されないが、ここでは4つである。具体的には、板状部90の第1脚部93aに設けられたフランジ91には、1つの固定孔94が形成され、第2脚部93bに設けられたフランジ91には、3つの固定孔94が形成されている。複数の固定孔94は、主走査方向Yに並んで配置されている。固定孔94の形状は、特に限定されないが、例えば円形状である。
【0048】
図7Aに示すように、取付突起92は、第1支持壁51の下端から突出している。本実施形態では、取付突起92は、板状部90の下端からベースプレート20(図3参照)に向かって下方に突出している。図7Cに示すように、取付突起92は、下端面95cと、第1突起面95aと、第2突起面95bとを有している。下端面95cは、取付突起92の下端を構成しており、主走査方向Yおよび副走査方向Xに広がった面である。ここでは、下端面95cは、副走査方向Xよりも主走査方向Yに長い面である。第1突起面95aおよび第2突起面95bは、下端面95cから上方に延びている。第1突起面95aと第2突起面95bとは、主走査方向Yおよび上下方向Zに広がった面である。第1突起面95aは、取付突起92の前面を構成している。第2突起面95bは、第1突起面95aと反対側の面であり、取付突起92の後面を構成している。ここでは、第1突起面95aは、下端面95cの副走査方向Xの一方側(ここでは前側)の端に接続されている。第2突起面95bは、下端面95cの副走査方向Xの他方側(ここでは後側)の端に接続されている。下端面95cは、第1突起面95aと第2突起面95bとに副走査方向Xで挟まれている。第1突起面95aおよび第2突起面95bの形状は特に限定されないが、ここでは上記のサイド取付突起82の第1サイド突起面85a(図5C参照)および第2サイド突起面85b(図5C参照)と同じ形状であり、四角形の下の2つの角を斜めにカットした六角形状である。
【0049】
本実施形態では、図7Aに示すように、第1支持壁51における取付突起92の数は、複数であり、ここでは3つである。ここでは、板状部90の第1脚部93aには、1つの取付突起92が設けられ、第2脚部93bには、2つの取付突起92が設けられている。3つの取付突起92は、主走査方向Yに並んで配置されている。以下の説明において、第1脚部93aに設けられた取付突起92のことを第1取付突起92aともいう。第2脚部93bに設けられた取付突起92のことを第2取付突起92bともいう。
【0050】
本実施形態では、図4に示すように、ベースプレート20には、ベース固定孔101が形成されている。ベース固定孔101は、第1支持壁51(または第2支持壁52)に形成された固定孔94(図7B参照)に対応しており、第1支持壁51または第2支持壁52をベースプレート20に取り付けたとき、固定孔94と重なる位置に形成されている。ベース固定孔101の数は、固定孔94の数と同じであり、第1支持壁51を固定するために4つ形成され、第2支持壁52を固定するために4つ形成されている。すなわち、ベースプレート20に形成された固定孔94の数は、8個である。ここでは、例えば第1支持壁51を固定するための4つのベース固定孔101と、第2支持壁52を固定するための4つのベース固定孔101は、主走査方向Yに並んで配置されている。
【0051】
本実施形態では、第1支持壁51を固定するための4つのベース固定孔101のうちの1つのベース固定孔101は、中央ベース部材25に形成され、残りの3つのベース固定孔101は、第1サイドベース部材21に形成されている。第2支持壁52を固定するための4つのベース固定孔101のうちの1つのベース固定孔101は、中央ベース部材25に形成され、残りの3つのベース固定孔101は、第2サイドベース部材22に形成されている。ベース固定孔101は、固定孔94と同じ大きさであり、かつ、固定孔94と同じ円形状である。本実施形態では、ベース固定孔101に固定孔94を重ねて、ベース固定孔101および固定孔94に、螺子102(図3参照)を挿入することで、第1支持壁51および第2支持壁52を、ベースプレート20に固定することができる。
【0052】
図4に示すように、ベースプレート20には、第1取付孔110と、第2取付孔120が形成されている。第1取付孔110には、第1支持壁51(または第2支持壁52)の第1脚部93aに設けられた第1取付突起92a(図7A参照)が挿入される。第2取付孔120には、第1支持壁51(または第2支持壁52)の第2脚部93bに設けられた第2取付突起92b(図7B参照)が挿入される。
【0053】
第1取付孔110は、ベースプレート20の中央ベース部材25に形成されている。第1支持壁51を取り付けるための第1取付孔110は、第1サイドフレーム41よりも左方に配置されている。第2支持壁52を取り付けるための第1取付孔110は、第2サイドフレーム42よりも右方に配置されている。中央ベース部材25には、第1支持壁51を取り付けるために1つの第1取付孔110が形成されており、かつ、第2支持壁52を取り付けるために1つの第1取付孔110が形成されている。2つの第1取付孔110は、主走査方向Yに並んで配置されている。
【0054】
図8A図8Bは、第1取付孔110を示す平面図である。図8Bでは、第1取付孔110に第1取付突起92aが挿入された状態が示されている。図8Aに示すように、第1取付孔110は、第1当て付け縁111aと、第2当て付け縁111bと、対向縁111cと、離間縁111dと、第1連結縁112aと、第2連結縁112bと、第3連結縁112cと、第4連結縁112dと、押し付け部115とを有している。
【0055】
第1取付孔110は、主走査方向Yに延び、互いに対向する一対の縁によって一部が形成されている。本実施形態では、一対の縁の何れか一方とは、第1当て付け縁111aおよび第2当て付け縁111bのことである。一対の縁の何れか他方とは、対向縁111cのことである。ここでは、第1当て付け縁111a、第2当て付け縁111b、対向縁111cおよび離間縁111dは、主走査方向Yに延びている。ここでは、第1当て付け縁111aと第2当て付け縁111bとは、互いが離間するように、主走査方向Yに並んで配置されている。第1当て付け縁111aは、第2当て付け縁111bの左方に配置されている。ここでは、第1当て付け縁111aと第2当て付け縁111bとの長さは同じであるが、異なっていてもよい。本実施形態では、第1当て付け縁111aと第2当て付け縁111bは、本発明の当て付け縁の一例である。
【0056】
対向縁111cは、第1当て付け縁111aと対向し、かつ、第2当て付け縁111bと対向する位置に配置されている。ここでは、対向縁111cは、第1当て付け縁111aの後方、かつ、第2当て付け縁111bの後方に配置されている。主走査方向Yにおいて、対向縁111cは、第1当て付け縁111aから第2当て付け縁111bに亘る長さである。離間縁111dは、第1当て付け縁111aおよび第2当て付け縁111bから副走査方向Xに離間した位置に配置されている。ここでは、離間縁111dは、第1当て付け縁111aおよび第2当て付け縁111bよりも前方に配置され、対向縁111cから離れた位置に配置されている。離間縁111dは、主走査方向Yにおいて、第1当て付け縁111aと第2当て付け縁111bとの間に配置されている。本実施形態では、第1当て付け縁111aと、第2当て付け縁111bと、離間縁111dの主走査方向Yの長さの合計が、対向縁111cの主走査方向Yの長さになる。
【0057】
本実施形態では、第1連結縁112a、第2連結縁112b、第3連結縁112c、第4連結縁112dは、副走査方向Xに延びている。第1連結縁112aは、第1当て付け縁111aおよび対向縁111cに接続され、第1当て付け縁111aと対向縁111cを連結する。第2連結縁112bは、第2当て付け縁111bおよび対向縁111cに接続され、第2当て付け縁111bと対向縁111cを連結する。第3連結縁112cは、第1当て付け縁111aおよび離間縁111dに接続され、第1当て付け縁111aと離間縁111dを連結する。第4連結縁112dは、第2当て付け縁111bおよび離間縁111dに接続され、第2当て付け縁111bと離間縁111dを連結する。
【0058】
本実施形態では、図8Bに示すように、第1取付突起92aは、第1取付孔110の第1当て付け縁111aおよび第2当て付け縁111bと、対向縁111cとの間に挿入される。ここでは、押し付け部115は、取付孔110の一対の縁の何れか他方(本実施形態では対向縁111c)に設けられ、変形可能なものである。押し付け部115は、取付孔110の一対の縁の何れか他方から延設され、ベースプレート20と一体的に設けられている。押し付け部115は、第1取付突起92aが第1取付孔110に挿入されたとき、第1取付突起92aの第1突起面95aを、第1当て付け縁111aおよび第2当て付け縁111bに向かって押し付けるものである。ここでは、図8Aに示すように、押し付け部115は、第1取付孔110の縁から第1取付孔110内に向かって突出している。押し付け部115は、第1取付孔110の主走査方向Yの中心に設けられている。詳しくは、押し付け部115は、対向縁111cに設けられ、対向縁111cから、第1当て付け縁111a側(または第2当て付け縁111b側)に向かって突出した突起である。ここでは、押し付け部115は、対向縁111cの中心に設けられ、主走査方向Yにおいて第1当て付け縁111aと第2当て付け縁111bとの間に配置されている。押し付け部115は、先端(ここでは前端)に向かうに連れて幅(ここでは主走査方向Yの長さ)が小さくなるように構成されている。すなわち、押し付け部115は、先細り形状を有している。押し付け部115の先端は尖っている。
【0059】
本実施形態では、押し付け部115は、塑性変形する部材によって形成されており、例えば金属製である。ここでは、ベースプレート20は、金属製、例えば鉄によって形成されており、押し付け部115も鉄製である。第1取付孔110において、一対の縁における対向間隔D3(図8A参照)は、第1取付突起92aの厚み(すなわち副走査方向Xの長さ)D2(図8B参照)よりも大きく設定されている。ここでは、対向間隔D3とは、第1当て付け縁111a(または第2当て付け縁111b)と、対向縁111cとの副走査方向Xの距離のことである。また、第1取付孔110において、第1当て付け縁111a(または第2当て付け縁111b)と、押し付け部115(詳しくは押し付け部115の先端(ここでは前端))との副走査方向Xにおける離間距離D1(図8A参照)は、第1取付突起92aの厚み(すなわち副走査方向Xの長さ)D2(図8B参照)以下に設定されている。ここでは、離間距離D1は、第1取付突起92aの厚みD2よりも若干小さい。そのため、第1取付突起92aが第1取付孔110に挿入されたとき、押し付け部115が塑性変形しながら、第1取付突起92aの中央部分を離間縁111d側へ押し付ける。その結果、第1取付突起92aの主走査方向Yの両端部分が、第1当て付け縁111aおよび第2当て付け縁111bに向かって押し付けられる。ここでは、離間縁111dと第1取付突起92aの中央部分との間には隙間が介設されている。そのため、第1取付突起92aの中央部分が離間縁111d側に変形した場合であっても、その変形量を上記隙間に逃がすことができるため、第1取付突起92aを第1取付孔110に挿入し易い。
【0060】
図4に示すように、第2取付孔120は、ベースプレート20の第1サイドベース部材21および第2サイドベース部材22に形成されている。第1サイドベース部材21には、第1支持壁51を取り付けるために2つの第2取付孔120が形成されており、第2サイドベース部材22には、第2支持壁52を取り付けるために2つの第2取付孔120が形成されている。第1サイドベース部材21に形成された2つの第2取付孔120と、第2サイドベース部材22に形成された2つの第2取付孔120は、主走査方向Yに並んで(言い換えると、ガイドレール58と平行に)配置されている。
【0061】
本実施形態では、第2取付孔120は、サイド取付孔27(図6参照)と同じような形状を有している。第2取付孔120は、クランク状に貫通形成された孔である。図9は、第2取付孔120を示す平面図であり、第2取付孔120に第2取付突起92bが挿入された状態を示す図である。ここでは、図9に示すように、第2取付孔120の縁は、第1縁121a~第8縁121hを有している。第2取付孔120がクランク状に貫通形成されることによって、第2取付突起92b(言い換えると、第2取付突起92bと一体的に形成された第2支持壁52)の曲がりや歪みを是正しつつ、第2支持壁52を正確に位置決めすることができる。
【0062】
第1縁121a、第2縁121b、第3縁121cおよび第4縁121dは、第2取付突起92bの第1突起面95aおよび第2突起面95bと平行になるように配置され、ここでは、主走査方向Yに延びている。本実施形態では、第1縁121aと第2縁121bとの間に、第2取付突起92bが挿入される。第1縁121aと第2縁121bとは、主走査方向Yにズレて配置されている。第3縁121cは、第1縁121aと対向しており、第2縁121bよりも第1縁121aから副走査方向Xに離れた位置に配置されている。第4縁121dは、第2縁121bと対向しており、第1縁121aよりも第2縁121bから副走査方向Xに離れた位置に配置されている。
【0063】
第5縁121e、第6縁121f、第7縁121gおよび第8縁121hは、副走査方向Xに延びた縁である。ここで、第5縁121eは、第1縁121aと第3縁121cとに接続されている。第6縁121fは、第2縁121bと第4縁121dとに接続されている。第7縁121gは、第1縁121aと第4縁121dとに接続されている。第8縁121hは、第2縁121bと第3縁121cとに接続されている。
【0064】
本実施形態では、例えば第1支持壁51をベースプレート20に取り付けるとき、図8Bに示すように、まず第1支持壁51の第1取付突起92aを、中央ベース部材25に形成された第1取付孔110に挿入し、図9に示すように、第2取付突起92bを、第1サイドベース部材21に形成された第2取付孔120に挿入する。ここでは、図8Bに示すように、第1取付突起92aを第1取付孔110に挿入したとき、第1取付突起92a(詳しくは、第1取付突起92aの第1突起面95a)は、第1取付孔110の押し付け部115によって第1当て付け縁111aおよび第2当て付け縁111bに向かって押し当てられる。このことで、第1取付突起92aの第1突起面95aが、第1当て付け縁111aおよび第2当て付け縁111bに当て付けられる。押し付け部115は、第1取付突起92aの第2突起面95bに当接して塑性変形しながら第1取付突起92aを押し付けられるため、第1取付突起92aは、第1取付孔110内において、副走査方向Xの動きが規制され、ベースプレート20に対して正確に位置決めされる。このため、第1突起面95aと第2突起面95bとが主走査方向Yに沿って延びた状態(すなわち、ガイドレール58に平行な状態)で位置が固定される。
【0065】
図9に示すように、第1支持壁51の第2取付突起92bを、第2取付孔120に挿入したとき、第2取付突起92bは、第2取付孔120の第1縁121aと第2縁121bとの間に配置され、第2取付突起92bの第1突起面95aは、第1縁121aに沿って配置、または、第1縁121aに接触する。第2取付突起92bの第2突起面95bは、第2縁121bに沿って配置、または、第2縁121bに接触する。このことによって、第1支持壁51を、ベースプレート20に対して正確に位置決めすることができるため、第1支持壁51を主走査方向Yに沿うように(すなわち、ガイドレール58と平行になるように)配置することができる。
【0066】
このように、第1取付突起92aを第1取付孔110に挿入し、第2取付突起92bを第2取付孔120に挿入すると、第1支持壁51のフランジ91に形成された固定孔94(図7B)が、ベースプレート20に形成されたベース固定孔101(図4参照)と重なる。ここで、重なった固定孔94およびベース固定孔101に螺子102(図3参照)を挿入し、螺子102を締め付ける。このことで、第1支持壁51をベースプレート20に固定することができる。なお、第2支持壁52についても、第1支持壁52と同様の手順でベースプレート20に固定することができる。そして、図3に示すように、固定された第1支持壁51および第2支持壁52に、ガイドレール58が設けられた支持部材55を取り付ける。このことで、ガイドレール58を主走査方向Yに沿って配置することができる。
【0067】
以上、本実施形態では、プリンタ10は、図2に示すように、ベースプレート20と、ベースプレート20に設けられ、副走査方向Xに延びたスライドレール76と、被印刷物5を支持し、スライドレール76に沿って副走査方向Xに移動可能なテーブル71と、を備えている。更に、プリンタ10は、ベースプレート20に取り付けられ、主走査方向Yに延設される第1支持壁51と、テーブル71の上方に配置され、第1支持壁51に支持された支持部材55と、支持部材55に設けられ、主走査方向Yに延びたガイドレール58と、ガイドレール58に沿って主走査方向Yに移動可能なインクヘッド63と、を備えている。図7Cに示すように、第1支持壁51は、第1支持壁51の下端から突出した第1取付突起92aを備えている。図8Bに示すように、ベースプレート20には、第1支持壁51の第1取付突起92aが挿入される第1取付孔110が形成されている。第1取付孔110は、主走査方向Yに延び、互いに対向する一対の縁によって一部が形成されている。第1取付孔110の一対の縁の何れか一方には、第1取付突起92aが当て付けられる第1当て付け縁111a、および、第2当て付け縁111bが設けられている。第1取付孔110の一対の縁の何れか他方には、第1取付突起92aを、第1当て付け縁111aおよび第2当て付け縁111bに向かって押し付け、変形可能な押し付け部115が設けられている。ここで、一対の縁(ここでは、第1当て付け縁111a(または第2当て付け縁111b)と、対向縁111c)における対向間隔D3(図8A参照)は、第1取付突起92aの厚みD2(図8B参照)より大きく設定されている。第1当て付け縁111a(または第2当て付け縁111b)と押し付け部115との間の副走査方向Xにおける離間距離D1(図8A参照)は、第1取付突起92aの厚みD2(図8B参照)以下に設定されている。このため、第1取付突起92aが第1取付孔110に挿入されると、第1取付突起92aの第1突起面95aが主走査方向Yに延びた第1当て付け縁111aおよび第2当て付け縁111bに当てつけられた状態で、一対の縁の他方(対向縁111c)に設けられた押し付け部115に押し付けられる。このとき、押し付け部115が変形することで、第1取付突起92aが第1取付孔110に固定される。
【0068】
ここで、第1取付突起92aが押し付け部115によって押し付けられながら、第1取付孔110における主走査方向Yに延びた第1当て付け縁111aおよび第2当て付け縁111bに当て付けられることで、正確に位置決めされた状態で、第1支持壁51はベースプレート20に取り付けられる。ここで、仮に第1支持壁51の曲がりや、第1支持壁51の第1取付突起92aの厚みのバラツキが発生した場合であっても、第1取付孔110の第1当て付け縁111a(または第2当て付け縁111b)と押し付け部115との間の副走査方向Xにおける離間距離D1(図8A参照)が、第1取付突起92aの厚みD2(図8B参照)以下であるため、押し付け部115が第1取付突起92aに当接して塑性変形することで、第1支持壁51の第1取付突起92aを第1取付孔110の第1当て付け縁111aおよび第2当て付け縁111bに隙間なく当て付けることができる。このように、押し付け部115が塑性変形することで、第1支持壁51を固定する際の固定位置のバラツキを調整した状態で第1支持壁51をベースプレート20に位置決めすることができる。これにより、ガイドレール58が設けられる支持部材55を正確に位置決めできる。一方、第1当て付け縁111a(または第2当て付け縁111b)と押し付け部115との間の副走査方向Xにおける離間距離D1(図8A参照)は、第1取付突起92aの厚みD2(図8B参照)以下に設定されているため、第1取付突起92aを第1取付孔110に挿入する際に、第1取付孔110の縁に干渉して第1取付突起92aが挿入し難くなるようなことが発生し難い。よって、支持部材55をベースプレート20に取り付ける取付作業を簡易に行うことができる。
【0069】
本実施形態では、図8Aに示すように、押し付け部115は、ベースプレート20と一体的に設けられ、塑性変形可能に構成され、かつ、第1押し付け縁111a側および第2押し付け縁111b側に向かって突出している。このことによって、突出した押し付け部115の部分が塑性変形し易くなるため、押し付け部115が第1取付孔110を形成する縁全体である場合と比較して、第1取付突起92aを第1取付孔110に挿入し易い。一方、仮に押し付け部115が弾性変形可能な材料で形成されている場合には、挿入作業性は向上するが、別部材が必要となり、部品点数や、別部材を第1取付孔110の縁に取り付けるなどの取付作業が増加するといった不都合が発生し得る。これに対して、本実施形態では、押し付け部115はベースプレート20と一体的設けられているため、上記不都合は発生させることなく、正確な位置決めと取付作業性の向上との両立を図ることができる。
【0070】
本実施形態では、押し付け部115は、先端に向かうに連れて幅が小さくなるように構成されている。このことによって、第1取付突起92aを第1取付孔110に挿入する際の挿入開始時において、第1取付突起92aと押し付け部115との接触面積が最も小さいため、第1取付突起92aに接触した押し付け部115の先端が塑性変形し易くなる。よって、第1取付孔110に第1取付突起92aを挿入する際の挿入作業性をさらに向上させることができる。
【0071】
本実施形態では、押し付け部115は、第1取付孔110の主走査方向Yの中心に設けられている。このことによって、押し付け部115は、第1取付突起92aの主走査方向Yの中心を押し付けることができるため、第1取付突起92aの主走査方向Yの全体を均等に押し付けることができる。
【0072】
本実施形態では、図4に示すように、ベースプレート20は、第1ベース部材の一例である中央ベース部材25と、中央ベース部材25と主走査方向Yに並んで配置され、第2ベース部材の一例である第1サイドベース部材21とを有している。第1支持壁51は、中央ベース部材25から第1サイドベース部材21に亘って設けられている。第1取付孔110は、中央ベース部材25に形成されている。そのため、図8Bに示すように、中央ベース部材25において、第1取付突起92aの第1突起面95aが、押し付け部115によって押し付けられながら、第1取付孔110における主走査方向Yに延びた第1当て付け縁111aおよび第2当て付け縁111bに当て付けられることで、第1支持壁51が主走査方向Yに延びた状態で、中央ベース部材25に支持されることができる。よって、中央ベース部材25に対して第1支持壁51が主走査方向Yに延びるように、正確な位置に取り付けることができるため、ガイドレール58を正確な位置に配置することができる。
【0073】
本実施形態では、図4に示すように、第1サイドベース部材21には、第1取付孔110と主走査方向Yに並ぶ位置に、他の取付孔の一例である第2取付孔120が形成されている。第1支持壁51は、第1サイドベース部材21に向かって突出し、第2取付孔120に挿入される他の取付突起の一例である第2取付突起92b(図9参照)を備えている。このことによって、第1サイドベース部材21に形成された第2取付孔120に、第2取付突起92bを挿入することで、第1支持壁51を、中央ベース部材25と第1サイドベース部材21に跨った状態で、主走査方向Yに延びるように、正確に位置決めした状態で取り付けることができる。
【符号の説明】
【0074】
5 被印刷物
10 プリンタ(インクジェットプリンタ)
20 ベースプレート
21 第1サイドベース部材(第2ベース部材)
25 中央ベース部材(第1ベース部材)
51 第1支持壁(支持壁)
55 支持部材
58 ガイドレール
63 インクヘッド
71 テーブル
76 スライドレール
92a 第1取付突起(取付突起)
92b 第2取付突起(他の取付突起)
95a 第1突起面(突起面)
110 第1取付孔(取付孔)
111a 第1当て付け縁(当て付け縁)
111b 第2当て付け縁(当て付け縁)
115 押し付け部
120 第2取付孔(他の取付孔)
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9